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  • -作業機の冷却構成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026023133
(43)【公開日】2026-02-13
(54)【発明の名称】作業機の冷却構成
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/76 20060101AFI20260205BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20260205BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20260205BHJP
【FI】
A01D34/76 E
H02K7/10 D
H02K7/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124903
(22)【出願日】2024-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(72)【発明者】
【氏名】重見 和男
(72)【発明者】
【氏名】田中 茂
【テーマコード(参考)】
2B083
5H607
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA11
2B083DA02
2B083HA13
5H607AA02
5H607BB02
5H607BB05
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE28
5H607FF22
(57)【要約】
【課題】比較的簡易な構成で効率的に冷却する電装品の冷却構成を提供する。
【解決手段】車体5にエンジンベース15を備え、エンジンベース15上面で、車体5前方にエンジンEを搭載し、エンジンEの後方で車体5の前後略中央に発電機25を搭載し、前記発電機25の側方又は後方に電装品104を搭載し、発電機25及び電装品104の上方にカバー29を設けた作業機において、発電機25は、上面に上方へ突出する回転軸99と、下面に下方へ突出する発電軸56と、を有し、前記回転軸99と発電軸56は互いに連動して回転するよう構成し、回転軸99にファン97を取着し、発電軸56がエンジンEの駆動によって回動してファン97を回転させ、ファン97の下方及び外周方向へ冷却風100を発生させることを特徴とする作業機の冷却構成とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(5)にエンジンベース(15)を備え、エンジンベース(15)上面で、車体(5)前方にエンジン(E)を搭載し、エンジン(E)の後方で車体(5)の前後略中央に発電機(25)を搭載し、前記発電機(25)の側方又は後方に電装品(104)を搭載し、発電機(25)及び電装品(104)の上方にカバー(29)を設けた作業機において、発電機(25)は、上面に上方へ突出する回転軸(99)と、下面に下方へ突出する発電軸(56)と、を有し、前記回転軸(99)と発電軸(56)は互いに連動して回転するよう構成し、回転軸(99)にファン(97)を取着し、発電軸(56)がエンジン(E)の駆動によって回動してファン(97)を回転させ、ファン(97)の下方及び外周方向へ冷却風(100)を発生させることを特徴とする作業機の冷却構成。
【請求項2】
ファン(97)の上方に、カバー(29)で覆われていない部分を少なくとも一部設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業機の冷却構成。
【請求項3】
エンジン(E)はエンジンベース(15)下側へ駆動軸(11)を突出し、前記駆動軸(11)と、発電機(25)の下面よりエンジンベース下側へ突出する発電軸(56)とをベルト伝動可能に構成し、エンジンベース(15)上面に、ファン(97)の下方へ向け発生した冷却風(100)がエンジンベース(15)下側へ抜ける通風孔(105)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機の冷却構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機やバッテリ、コントローラ等の電装品を搭載した作業機の冷却構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、急傾斜地でも草刈作業が可能な遠隔操作式の草刈機が知られている。この草刈機はモータの駆動によって走行する構成であって、モータを駆動するためのバッテリや、バッテリを充電する発電機としてオルタネータを搭載している。また、モータを始めとする各部を制御するためにコントローラを搭載し、又これら電装品を保護するため、上方からカバーで覆っている。
【0003】
又、下記特許文献2に開示されるように、使用中に発熱する電装品においては、ファンによる空冷を行い、オーバーヒートによる不具合が発生しないようにする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-005554号公報
【特許文献2】特開2008-263921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遠隔操作式の草刈機の構成においては、エンジンベース上の限られたスペースにエンジンやオルタネータ、バッテリ等を搭載するため、各機器間の隙間が十分とは言えず、排熱の処理や冷却について検討の余地がある。更に、オルタネータやバッテリ、コントローラといった発熱体を、上方からカバーで覆っているため、カバー内に熱が籠りやすいという不都合もある。その他、エンジンの駆動をベルトにより伝動する形態であり、その伝動はエンジンベース下で行うため熱が逃げにくく、雰囲気温度が上昇してベルトの耐久性が悪くなるといった課題もある。
【0006】
又、各電装品に対してファンによる空冷を行う場合、個別にファンを設けるのはスペースやコストの制約上難しい。又、ファンを駆動するために別途伝動を確保する必要があるという不都合もある。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みて、作業機に搭載された各種電装品を効率的に冷却する作業機の冷却構成を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、車体5にエンジンベース15を備え、エンジンベース15上面で、車体5前方にエンジンEを搭載し、エンジンEの後方で車体5の前後略中央に発電機25を搭載し、前記発電機25の側方又は後方に電装品104を搭載し、発電機25及び電装品104の上方にカバー29を設けた作業機において、発電機25は、上面に上方へ突出する回転軸99と、下面に下方へ突出する発電軸56と、を有し、前記回転軸99と発電軸56は互いに連動して回転するよう構成し、回転軸99にファン97を取着し、発電軸56がエンジンEの駆動によって回動してファン97を回転させ、ファン97の下方及び外周方向へ冷却風100を発生させることを特徴とする作業機の冷却構成とする。
【0009】
又、請求項2に記載の発明は、ファン97の上方に、カバー29で覆われていない部分を少なくとも一部設けた作業機の冷却構成とする。
【0010】
又、請求項3に記載の発明は、エンジンEはエンジンベース15下側へ駆動軸11を突出し、前記駆動軸11と、発電機25の下面よりエンジンベース下側へ突出する発電軸56とをベルト伝動可能に構成し、エンジンベース15上面に、ファン97の下方へ向け発生した冷却風100がエンジンベース15下側へ抜ける通風孔105を設けた構成とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、発電機25は、上面に上方へ突出する回転軸99と、下面に下方へ突出する発電軸56と、を有し、前記回転軸99と発電軸56は互いに連動して回転するよう構成し、回転軸99にファン97を取着し、発電軸56がエンジンEの駆動によって回動してファン97を回転させ、ファン97の下方及び外周方向へ冷却風100を発生させるよう構成しているので、別途伝動を設ける必要がなく、コストの上昇を抑えることができる。また、ファン97の下方に発生する冷却風は発電機25の壁面に沿って流れるため、発電機25を効率的に冷却することができる。更に、ファン97の下方又は外周方向に発生した冷却風により、発電機25の周囲に配置した電装品104も同時に冷却することができ、電装品104に対して個別の冷却手段を用意する必要がない。加えて、外周方向に発生した冷却風29がカバー29内の空気を撹拌することにより、電装品104周辺の雰囲気温度を下げることにより、電装品104の温度上昇を抑制できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、ファン97の上方に、カバー29で覆われていない部分を少なくとも一部設けた構成としているので、電装品104から発生した熱によりカバー29内の温度が上昇した場合でも、ファン97はカバー29で覆われていない部分から外気を取り込めるため、カバー29内の温度上昇により発電機25及び電装品104の冷却性能が低下することを防止できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、エンジンEはエンジンベース15下側へ駆動軸11を突出し、前記駆動軸11と、発電機25の下面よりエンジンベース下側へ突出する発電軸56とをベルト伝動可能に構成し、エンジンベース15上面に、ファン97の下方へ向け発生した冷却風100がエンジンベース15下側へ抜ける通風孔105を設けた構成としているので、風が抜けにくく熱が滞留しやすいエンジンベース15下面に冷却風100を送ることができ、駆動軸11と発電軸56との間に掛け渡した伝動用のベルトについて、雰囲気温度を低下させ、以ってベルトの耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】草刈機の伝動機構を示す側面図。
図2】草刈デッキの昇降によるベルト伝動機構の変化を示す一部の側面図。
図3】草刈デッキの平行リンクによる取付状態と昇降動作を示す草刈機の側面図。
図4】ブレード軸部のベルト伝動機構を示す草刈機の平面図。
図5】刈取クラッチのベルト伝動機構、及び操作機構を示す一部の平面図。
図6】発電機の伝動機構を示す草刈機の平面図。
図7】傾斜面走行の車体に対するエンジンの傾斜回動状態を示す正面図。
図8】発電機上部のファンによる冷却構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面に基づいて、草刈機は、ゴム材を主体とする左右一対の走行クローラ4を装備して走行する車体5の上部後端部に、該クローラ4を駆動する走行モータMや、伝動ケース22、走行、草刈操作、制御を行う上下二段のコントローラ23を設け、前端部には、草刈デッキ3のブレード軸2を駆動するためのエンジンEを搭載し、前後中央部には、エンジンE始動用のバッテリ24aや、燃料タンク26、モータMを駆動するためのバッテリ24bやこのバッテリ24bを充電するための発電機25や、整流ボックス101等を搭載している。発電機25の上面には、発電機25と連動するファン97を設け、上方からファンカバー98で覆っている。これらの車体5の上方部には、前、後端のガードパイプ27と車体5中間部とをアーチ状形態に覆うガードフレーム28を前後に設け、前記各種搭載機器の上側部を覆うようにカバー29を設けて保護する。
【0016】
前記クローラ4は、車体5の左、右両側端部から下方に立設する支脚30に装着した左、右トラックフレーム31の前後方向に亘って配置の端部転輪32、中間転輪33、及び後端部の駆動スプロケット34等に掛け渡して、前記各左、右走行モータMで伝動ケース22の伝動ギヤ等を経てスプロケット軸35を伝動回転することにより、左、右各クローラ4を回転して、走行、乃至操向することができる。
【0017】
前記車体5の底部で、右のクローラ4、4間隔部(トレッド部)に、草の刈取を行うブレード1のブレード軸2を軸装した草刈デッキ3を、上下に昇降する平行リンク8、9の後端部に、リンク軸36、37で枢着して着脱可能に取付ける。又、この平行リンク8、9は、前端部を車体5の左、右両側の前端部に形成の軸受ブラケットに設けられた横方向のリンク軸6、7周りに回動自在に設けられ、左、右4本の平行リンク8、9の後端部に、リンク軸36、37で枢着されて、電動シリンダ50の伸縮によって回動されるリフトアーム38の回動により、リフトリンク39を介して、草刈デッキ3が刈取地面に平行状の姿勢を維持して昇降される。この草刈デッキ3の最高位高さでは、草刈デッキ3の天井上面が車体5の底面に接近して、草刈高さの上限位置にあるように設定している。又、草刈デッキ3が最下降された最低位高さでは、この草刈デッキ3内で回転されるブレード1によって刈られる草の刈取高さが下限位置となり、又、草刈デッキ3の前、後端部等にゲージホイルを装着している形態では、この最低刈取高さ位置を接地保持することができる。又、草刈デッキ3の前方及び後方にはガードチェーン102をフレームに取着する。ガードチェーン102は、草刈デッキ3側にゴム板を設け、外方に鎖を、前記ゴム板に沿わせるように吊下しており、草刈作業中に草刈デッキ3から勢いよく排出される石等の飛散を効果的に抑止できる。
【0018】
前記草刈デッキ3は、中央部に上下方向のブレード軸2を回転自在に軸装し、このブレード軸2の下端部に、外周部にブレード1を配設したブレードステイ40の中心部を取付ける。この草刈デッキ3の上側部には、該ブレード軸2の上端にV字形断面のVベルトからなる刈取ベルト19を嵌合させて回転案内するVプーリ形態のブレードプーリ17を取付ける。
【0019】
前記草刈デッキ3の上側には、該ブレード軸2の直後方位置に上下方向平行状態のカウンタ軸14を回転自在に立設し、このカウンタ軸14にはVプーリ形態のカウンタプーリ13を設け、該カウンタプーリ13は、上部に上部カウンタプーリ13aを、下部に下部プーリ21を設けてある。このカウンタ軸14の下部プーリ21と、前側のブレード軸2のブレードプーリ17との間に、Vベルト形態の刈取ベルト19を掛け渡し、この刈取ベルト19の回転外周面にテンションプーリ18を張圧、弛緩することによって、カウンタ軸14からブレード軸2への伝動を入り、切り可能な構成としている。該下部プーリ21の外周部の草刈デッキ3上面の枢着軸42に、テンションプーリ18のクラッチアーム41を枢着して、このクラッチアーム41に連結の操作ワイヤー43を、電動で伸縮される刈取クラッチ20、及びブレード軸2ブレーキ用の電動シリンダ44によってアーム軸46周りに回動される操作アーム45に連結して、この電動シリンダ44の伸縮作動によって、テンションプーリ18による刈取クラッチ20を入り、切りする形態である。(図4図5参照)。
【0020】
又、前記ブレードプーリ17の周りの草刈デッキ3の上面には、このブレードプーリ17のV溝部に嵌合摺接してブレード軸2の回転にブレーキを効かせるブレーキアーム47を、アーム軸48周りに回動可能に設け、前記電動シリンダ44によってアーム軸46周りに回動される操作アーム45との間を操作ワイヤ49で連結して、該電動シリンダ44の押出回動によって操作アーム45を、刈取クラッチ20切り位置bから入り位置fへ回動して、ワイヤー43を引っ張って、刈取クラッチ20のテンションプーリ18、クラッチアーム41を刈取ベルト19に張圧させて、刈取クラッチ20を伝動入りの位置、状態にすることができる。又、このとき、操作アーム45がブレーキ位置fからブレーキ解除位置eへ回動されることによって、操作ワイヤ49が引かれて、ブレーキアーム47をアーム軸48周りに回動して、ブレードプーリ17のVプーリ溝に嵌合押圧しているブレーキシュー47sを、外周方向へ離間させて、ブレーキ力を解除して、前記カウンタ軸14からブレード軸12への刈取ベルト19による刈取伝動を円滑に行わせる。
【0021】
又、前記電動シリンダ44、及び操作アーム45、操作ワイヤ43、49、及びクラッチアーム41、ブレーキアーム47等を介して作動される刈取クラッチ20や、ブレーキアーム47は、この電動シリンダ44を短縮作動させて、操作アーム45をクラッチ入り位置aから切り位置bへ回動することにより、操作ワイヤ43、49を介して、刈取クラッチ20が、刈取ベルト19から離間して伝動解除位置となり、ブレーキアーム47のブレーキシュー47sがブレード軸2のブレードプーリ17のV溝部に摺接して、ブレード軸2を制動状態にする。
【0022】
草刈機車体5の腹部においては、エンジンベース15の上側からは、駆動軸11と、発電機25の発電軸56が垂下し、底部の草刈デッキ3の上側には、ブレード軸2の上端部が突出すると共に、カウンタ軸14が立設されて、前後方向のセンタラインL上において前後間隔をおいて並列し、立設している。草刈デッキ3の高さを中間位置Cにした状態では、カウンタ軸14の上部カウンタプーリ13aが、駆動軸11下端の下部駆動プーリ12bと略同じ高さにあって、これら下部駆動プーリ12b、上部カウンタプーリ13a間に張設する駆動ベルト10が、前後略水平状形態に掛け渡されるように構成設定している。この状態においては、駆動ベルト10、及び刈取ベルト19、発電ベルト58が水平、平行状に掛け渡されている。尚、平面視における駆動軸11、ブレード軸2、カウンタ軸14の並設配置は、全ての軸をセンタラインLと一致させても良いが、駆動軸11については必ずしも車体5の左右中央位置に配置する必要はなく、エンジンEの駆動軸11の配置によっては左右に偏倚させても良く、左右一対のブレード軸11を設ける場合には、ブレード軸11を平面視センタラインLの左右に振り分け配置させても良い。
【0023】
前記下部駆動プーリ12bと上部カウンタプーリ13aとの間に掛け渡すV形ベルトからなる駆動ベルト10は、下部駆動プーリ12b外周部近くにテンションプーリ60を設けて、駆動ベルト10を常時伝動形態に張圧している。このテンションプーリ60は、上方のエンジンベース15の枢支軸91に枢支されたテンションアーム92の先端部に回転自在に設けられて、スプリング93によって駆動ベルト10へ張圧される。又、このテンションプーリ60は、V形駆動ベルト10の背面に接圧するもので、平プーリ(ロール形態)に構成され、プーリ60の上下高さを、駆動ベルト10の接圧転動幅よりも若干広く形成して、草刈デッキ3を昇降させた際に駆動ベルト10が若干上下に偏倚し、更に、エンジンベース15が左右に揺動しても、駆動ベルト10の外れ、脱線は生じ難い。
【0024】
エンジンベース15は、底部の前、後端縁部に台形状のブラケットアーム51を形成して、エンジンE等の支持構成を補強すると共に、車体5に対してセンタラインL上の支持部材16の周りに左右回動域の設定を行い易く構成している。車体5の前、後部において左、右横方向に亘る横桟52の、横幅方向の中央部位置に支持メタル53を設け、この前、後の支持メタル53間に、該ブラケットアーム51の中央下端部に設けた支持部材16を嵌合支持させて、通常左右方向水平状姿勢に位置するエンジンベース15が、車体5の垂直方向線Yに対して、左、右適宜角度θ域に亘って回動自在の構成とし、車体5とエンジンベース15との間に設けた電動シリンダ54の伸縮によって、手動、又は自動的に角度制御が行われて、傾斜刈取地面でのエンジンEの搭載姿勢が常に鉛直状姿勢Y、又はエンジンEの傾斜許容範囲の角度以下に維持できる構成としている。又、車体5とエンジンベース15との間にガスダンパー103を設け、ガスダンパー103によって電動シリンダ54を押圧する方向に常に圧力を作用させているので、エンジンベース15やその他周辺部品にガタツキが生じにくい。エンジンベース15が傾動する際も、電動シリンダ54の伸縮に併せてガスダンパーも伸縮しながら常に前記圧力が作用するため、エンジンベース15周辺の構成部品にガタツキや損傷等が生じにくい。
【0025】
前記エンジンベース15の前部上面には、エンジンEを搭載し、この後部には、このエンジンEを始動したり、モータMを駆動するバッテリ24a,24bや、燃料タンク26、及び発電機25等を搭載しているが、これら全体の車体重量が支持部材16に対して左右対称状形態に分布するように配置、装着している。エンジンEの駆動軸11は、エンジンベース15の前部位置において下側へ垂直状に突出し、この駆動軸11には、上下二段のV型ベルト溝付きのプーリを形成し、下側の下部駆動プーリ12bと草刈デッキ3後部のカウンタプーリ13の上部カウンタプーリ13aとの間に駆動ベルト10を掛け渡して、テンションプーリ60を張圧させて、常時回転伝動する形態としている。駆動プーリ12の上側には、前記発電機25を駆動するための上部Vプーリ55を設けて、この後部に搭載の発電機25の発電軸56に取付けられた発電プーリ57との間に発電ベルト58を掛け渡して、テンションプーリ59を張圧させて、常時回転伝動する形態にある。
【0026】
又、発電機25の上面に、発電軸56と連動して回転する回転軸99を上下方向に設け、該回転軸99にファン97を取着し、ファン97の上方からファンカバー98で覆っている。ファン97の外径は、平面視にて発電機25外径と略同等に構成している。又、ファンカバー98は、上面に吸気用の長穴を、側面に排気用の長穴を複数有し、下面は開放されている。これにより、エンジンEからの駆動によって発電軸56が駆動され、回転軸99及びファン97が回転すると、ファンカバー98上面の吸気穴から外気が取り込まれ、ファンカバー98の側面の穴及び下方の開放部より冷却風100が吹き出す。更に、ファンカバー98は発電機よりも大きく構成しているので、下方へ向け吹き出した冷却風100は、発電機25側面に沿って流れる。冷却風100が発電機25の側面に沿って流れることで、発電機25を冷却し、更に、発電機25の前面に流れる冷却風100は、エンジンEから発電機25へ向け流れる熱を遮断することができ、発電機25の冷却性能を向上させる。加えて、発電機25の右側方下方に位置するバッテリ24a,24bに冷却風100が吹き下ろすので、バッテリ24a,24bも同時に冷却できる。ここで、ファンカバー98の上方にはカバー29を設けているが、平面視にてファンカバー98前方の3分の1から半分程度、カバー29で覆われていない範囲を設けている。これにより、ファン97にはカバー29の外から空気を取り込むことができ、高い冷却性能を維持することができる。尚、ファンカバー98の、カバー29で覆われていない範囲は少なくとも一部設けていれば良く、又は全部が覆われていなくても良い。又、ファンカバー98側面の穴は、全ての面に設けても、一部設けない面があっても良い。且つ、ファンカバー98上面及び側面の穴の形状、大きさ、数や配置は特に限定しない。
【0027】
一方、ファンカバー98の側面からファン97の外周方向に発生した冷却風100は、それぞれ車体5の前方、側方、後方へ向かって流れる。車体5前方に向かって発生した冷却風100は、エンジンEの上部へ向けて流れる。ここで、エンジンEは、その内部上方に、エンジンEのクランクシャフトにより駆動され、下方へ向け冷却風を発生させる冷却ファンを有する。車体5前方に向かって発生した冷却風100は、前記エンジンEが備える冷却ファンの吸気口周辺へ流れ、エンジンE前方にあるマフラー88等によって熱せられた空気の吸引を防ぎ、エンジンEの冷却効率を高める。又、車体5右側方に流れる冷却風100は、整流ボックス101へ向けて流れる。整流ボックス101は、整流の過程で大量の熱を生じるが、下部にヒートシンク106を設けており、ヒートシンク106に冷却風100を当てることで効率的に整流ボックス101を冷却することができる。又、車体5後方に流れる冷却風100は、発電機25後方に位置する燃料タンク26を冷却し、燃料温度の上昇や、それに伴う燃料の沸騰、吹き出しを防ぐ。更に、カバー29内に冷却風100が送り込まれることで、カバー29内の空気が撹拌され、カバー29内全体の雰囲気温度を下げることができる。これにより、カバー29で覆われるバッテリ24a,24b等はもちろんのこと、冷却風100が直接的には殆ど届かない車体5後方に位置するコントローラ23やモータMであっても、その温度上昇を抑止することができる。
【0028】
又、エンジンベース15上面で、発電機25及び燃料タンク26の下方に、通風孔105を設けている。ファン97の回転によって下方へ向け発生した冷却風100は発電機25側面に沿って流れてエンジンベース15上面へ吹き下ろすこととなるが、その一部が前記通風孔105を通りエンジンベース15下面へ抜けることとなる。ここでエンジンベース15下面には、駆動ベルト10、及び発電ベルト58が掛け渡してある。ベルトの耐久性は、ベルト周辺の雰囲気温度に大きく影響されるものであるが、前記冷却風100によって駆動ベルト10、及び発電ベルト58周辺の雰囲気温度を低下させることができ、以って駆動ベルト10、及び発電ベルト58の耐久性を向上できる。
【符号の説明】
【0029】
1 車体
11 駆動軸
15 エンジンベース
25 発電機
29 カバー
56 発電軸
97 ファン
99 回転軸
100 冷却風
104 電装品
105 通風孔
E エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8