(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026027658
(43)【公開日】2026-02-19
(54)【発明の名称】ボビン処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 67/06 20060101AFI20260212BHJP
【FI】
B65H67/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024129731
(22)【出願日】2024-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】吉田 恭規
【テーマコード(参考)】
3F112
【Fターム(参考)】
3F112AA08
3F112BA03
3F112CA03
3F112FA03
3F112FA04
3F112GA08
3F112UA02
3F112VA04
3F112VB03
(57)【要約】
【課題】ボビン処理装置のメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】ボビン処理装置103は、複数の処理機器と、機台フレーム21と、制御装置20、90と、第1配線41と、第2配線42と、を備える。機台フレーム21は処理機器を支持する。第1配線41は、処理機器と制御装置20、90とを接続する。第2配線42は、処理機器又は制御装置20、90と、外部装置とを接続する。機台フレーム21を構成する複数の構造材の少なくとも一部は、長手方向に延びる開口である第1開口部27をボビン処理装置103の外側に向けて配置された第1C形鋼24である。第1配線41及び第2配線42の少なくとも一部は、第1C形鋼24の内側に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給されたボビンに所定の処理を行って巻取ユニットに順次供給するボビン処理装置であって、
電子機器を有する複数の処理機器と、
前記処理機器を支持する機台フレームと、
前記処理機器を制御する制御装置と、
前記処理機器と前記制御装置とを接続する第1配線と、
前記処理機器又は前記制御装置と、外部装置とを接続する第2配線と、
を備え、
前記機台フレームは、複数の構造材により構成され、
前記複数の構造材の少なくとも一部は、長手方向に延びる開口である第1開口部をボビン処理装置の外側に向けて配置された第1C形鋼であり、
前記第1配線及び前記第2配線の少なくとも一部は、前記第1C形鋼の内側に配置されている、
ボビン処理装置。
【請求項2】
前記第1開口部の少なくとも一部を覆うように配置される樹脂製の蓋、
をさらに備える、
請求項1に記載のボビン処理装置。
【請求項3】
前記蓋は、短手方向両端部に、前記第1開口部と隣接する、前記第1C形鋼の第1部分に係合する係合部、を有する、
請求項2に記載のボビン処理装置。
【請求項4】
前記第1C形鋼は、前記機台フレームの外周を構成する複数の辺のうち少なくとも2辺に配置されている、
請求項1から3のいずれかに記載のボビン処理装置。
【請求項5】
前記第1C形鋼は、前記機台フレームの外周を構成する複数の辺のうち少なくとも3辺に配置されている、
請求項1から4のいずれかに記載のボビン処理装置。
【請求項6】
前記第1C形鋼に連結される第2C形鋼の長手方向両端部の開口のいずれかは、前記第1C形鋼の前記第1開口部に対向する第2部分が有する連結部に連結され、
前記連結部は、前記第1C形鋼の内側に配置されている前記第1配線及び前記第2配線の少なくとも一部を通過させるための貫通孔である第1孔を有する、
請求項1から5のいずれかに記載のボビン処理装置。
【請求項7】
前記処理機器は、前記ボビンを載置させたトレイを搬送するベルト部材と、前記ベルト部材を駆動するためのプーリと、を含み、
前記ベルト部材及び前記プーリの上方に配置され、前記ベルト部材により搬送される前記トレイの移動方向を規制するカバー部材と、
前記ベルト部材及び前記プーリが配置される第1空間を形成するために、前記第1C形鋼と前記カバー部材との間に配置される、架台部材と、
をさらに備える、
請求項1から6のいずれかに記載のボビン処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボビン処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糸が巻き付けられた給糸ボビンをトレイに装着するとともに、給糸ボビンが装着されたトレイを搬送経路に沿ってワインダユニットに搬送するボビン処理装置が知られている。このようなボビン処理装置は、トレイを搬送するための搬送装置や、給糸ボビンをトレイに装着するボビン装着装置など、電子機器を有する複数の処理機器を備えている。
【0003】
複数の処理機器を相互に接続するためには、多数のケーブルを配線する必要があり、配線が複雑になる。そのため、特許文献1に記載のボビン処理装置では、配線の取り扱いを容易にするために、複数の配線を束ねた多芯ケーブルが用いられている。また、ベース体のコネクタ固定面の下方には配線ダクトが配置され、配線ダクトの内部に多芯ケーブルが配線されている。特許文献2に記載の長尺物案内保持装置では、各長尺物の判別を容易にするために、ケーブルやパイプなどの複数の長尺物を複数段に整理して配線・配管させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-006672号公報
【特許文献2】実開平7-026622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のボビン処理装置では、ボビン処理装置の仕様に合わせた配線ダクトを設置する必要がある。また、制御基板や配線がベース体の内側に配置されているため、断線等の不具合が生じている箇所の特定やメンテナンス作業が容易ではない。
【0006】
本発明の目的は、ボビン処理装置のメンテナンス性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0008】
本発明のボビン処理装置は、供給されたボビンに所定の処理を行って巻取ユニットに順次供給する。ボビン処理装置は、複数の処理機器と、機台フレームと、制御装置と、第1配線と、第2配線と、を備える。処理機器は電子機器を有する。機台フレームは処理機器を支持する。制御装置は処理機器を制御する。第1配線は、処理機器と制御装置とを接続する。第2配線は、処理機器又は制御装置と、外部装置とを接続する。機台フレームは、複数の構造材により構成される。複数の構造材の少なくとも一部は、長手方向に延びる開口である第1開口部をボビン処理装置の外側に向けて配置された第1C形鋼である。第1配線及び第2配線の少なくとも一部は、第1C形鋼の内側に配置されている。
【0009】
このボビン処理装置では、第1配線及び第2配線の少なくとも一部が配置される第1C形鋼の第1開口部がボビン処理装置の外側に向けて配置されていることにより、メンテナンス性が向上する。
【0010】
上記のボビン処理装置において、第1開口部の少なくとも一部を覆うように配置される樹脂製の蓋をさらに備えてもよい。
【0011】
このボビン処理装置では、第1開口部から配線が飛び出すことを抑制できる。
【0012】
上記のボビン処理装置において、蓋は、短手方向両端部に、第1開口部と隣接する、第1C形鋼の第1部分に係合する係合部、を有してもよい。
【0013】
このボビン処理装置では、メンテナンス作業時の蓋の取り付け及び取り外しが容易になる。
【0014】
上記のボビン処理装置において、第1C形鋼は、機台フレームの外周を構成する複数の辺のうち少なくとも2辺に配置されていてもよい。
【0015】
このボビン処理装置では、それぞれの位置に設置される複数の処理機器の配線にも柔軟に対応することができる。
【0016】
上記のボビン処理装置において、第1C形鋼は、機台フレームの外周を構成する複数の辺のうち少なくとも3辺に配置されていてもよい。
【0017】
このボビン処理装置では、それぞれの位置に設置される複数の処理機器の配線にも柔軟に対応することができる。
【0018】
上記のボビン処理装置において、第1C形鋼に連結される第2C形鋼の長手方向両端部の開口のいずれかは、第1C形鋼の第1開口部に対向する第2部分が有する連結部に連結されてもよい。連結部は、第1C形鋼の内側に配置されている第1配線及び第2配線の少なくとも一部を通過させるための貫通孔である第1孔を有してもよい。
【0019】
このボビン処理装置では、第1C形鋼の内側から第2C形鋼の内側へと配線を通過させることができる。
【0020】
上記のボビン処理装置において、処理機器は、給糸ボビンを載置させたトレイを搬送するベルト部材と、ベルト部材を駆動するためのプーリと、を含んでもよい。ボビン処理装置は、カバー部材と、架台部材と、をさらに備えてもよい。カバー部材は、ベルト部材及びプーリの上方に配置され、ベルト部材により搬送されるトレイの移動方向を規制する。架台部材は、ベルト部材及びプーリが配置される第1空間を形成するために、第1C形鋼とカバー部材との間に配置される。
【0021】
このボビン処理装置では、第1空間に処理機器であるベルト部材とプーリが配置される。第1配線及び第2配線と、処理機器とが、互いに区分けして配置されるため、メンテナンス性が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るボビン処理装置では、メンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図6】第1C形鋼と第2C形鋼が連結している部分を示す図である。
【
図7】カバー部材が取り付けられた機台フレームの斜視図である。
【
図8】配線が配置された第1C形鋼と第2C形鋼を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.第1実施形態
(1)自動ワインダシステム
図1及び
図2を用いて、本発明の一実施形態が採用された自動ワインダシステム101を説明する。
図1は、自動ワインダシステム101の平面図である。
図2は、自動ワインダ102の構成を示す図である。
【0025】
自動ワインダシステム101は、ユニット制御部(制御装置)90と、自動ワインダ102と、ボビン処理装置103と、ボビン供給装置104とを備えている。自動ワインダ102は、
図1において、ボビン処理装置103の左側に設けられている。ボビン処理装置103は、ボビン供給装置104と自動ワインダ102との間に設けられている。
【0026】
自動ワインダ102は、
図1及び
図2に示すように、複数の巻取ユニット105を有している。巻取ユニット105は、給糸ボビン5bに巻き付けられている紡績糸Yを、別のボビン上に巻き返して、紡績糸Yの製品パッケージを製造する装置である。
【0027】
自動ワインダ102には、
図1に示すように、各巻取ユニット105まで給糸ボビン5bを搬送するための供給路106が設けられている。また、自動ワインダ102には、各巻取ユニット105から排出される空ボビン5aを搬送するための回収路107が形成されている。供給路106及び回収路107はベルトコンベア等から構成されており、トレイ3を用いてボビン(給糸ボビン5b及び空ボビン5a)5を搬送する。
【0028】
ボビン処理装置103は、自動ワインダ102より排出される空ボビン5aをトレイ3から抜き取るとともに、精紡機(図示せず)で精紡された糸が巻き付けられた給糸ボビン5bをトレイ3に装着して、自動ワインダ102の巻取ユニット105に向けて給糸ボビン5bを順次供給する装置である。
【0029】
ボビン供給装置104は、給糸ボビン5bを、ボビン処理装置103に供給する装置である。
【0030】
ユニット制御部90は、CPUなどの情報処理回路(基板)、記憶装置(ROM、RAMなど)、各種インタフェースなどのハードウェアを備えたコンピュータシステムである。記憶装置には、制御プログラム等のソフトウェアが記憶されている。ユニット制御部90は、自動ワインダシステム101を構成する各処理装置と、通信ケーブルを介して接続されている。ユニット制御部90は、記憶装置に保存されたプログラムを実行することで、自動ワインダシステム101の各種制御動作を行う。
【0031】
(2)トレイ及びボビン
図3及び
図4を用いてトレイ3及びボビン5を説明する。
図3は、ボビン5が装着されたトレイ3の側面図である。
図4は、トレイ3の斜視図である。
【0032】
トレイ3は、ボビン5の搬送に用いられる搬送体である。トレイ3は、円盤状の基部3aと、その上面中央から上向きに突出する円柱状のボビン差し込み部としての装着部3bとを有している。トレイ3は、基部3aと装着部3bとの間に、ボビン載置部としての中間円柱部3cを有している。トレイ3は、装着部3bにボビン5が差し込まれた姿勢状態で、ボビン5を搬送する。
【0033】
ボビン5は、紡績糸Yが外周面に巻かれるための円筒状の部材であり、貫通状の軸孔5cが形成されている。
【0034】
ボビン5の軸孔5cがトレイ3の装着部3bに差し込まれることにより、
図3に示すようにボビン5がトレイ3にセットされ、トレイ3とともに搬送される。なお、以下の説明では、紡績糸Yが巻き付けられていないボビン5を空ボビン5aといい、ボビン5とそれに巻き付けられた紡績糸Yとを合わせたものを給糸ボビン5bという。
【0035】
(3)ボビン処理装置
図1を用いて、ボビン処理装置103を説明する。ボビン処理装置103は、ボビン供給装置104から供給される給糸ボビン5bに対して、巻取ユニット105でスムーズに糸を解舒できる状態とするための準備処理を行い、当該給糸ボビン5bを巻取ユニット105に順次供給する装置である。ボビン処理装置103は、トレイ搬送ライン31と、第1制御部(制御装置)20と、を備えている。
【0036】
トレイ搬送ライン31は、給糸ボビン5bや空ボビン5aの搬送手段であり、それらをトレイ3に載せた状態で搬送する。トレイ搬送ライン31は、図示しないが、トレイ3を搬送するためのベルト部材と、ベルト部材を駆動するためのプーリと、モータと、を有している。モータを駆動することによりプーリが駆動し、ベルト部材が移動する。ベルト部材の上方にはカバー部材37によりトレイ通路39が形成される。トレイ通路39は、ベルト部材により搬送されるトレイ3の移動方向を規制する。
【0037】
トレイ搬送ライン31は、自動ワインダ102の供給路106と回収路107とに接続されている。給糸ボビン5bが装着されたトレイ3は、ボビン処理装置103からトレイ搬送ライン31及び供給路106によって巻取ユニット105に供給される。空ボビン5aが装着されたトレイ3は、巻取ユニット105から回収路107及びトレイ搬送ライン31に搬送される。
【0038】
第1制御部20は、CPUなどの情報処理回路(基板)、記憶装置(ROM、RAMなど)、各種インタフェースなどのハードウェアを備えたコンピュータシステムである。記憶装置には、制御プログラム等のソフトウェアが記憶されている。第1制御部20は、ボビン処理装置103を構成する複数の処理機器やユニット制御部90と、通信ケーブルを介して接続されている。第1制御部20は、記憶装置に保存されたプログラムを実行することで、ボビン処理装置103の各種制御動作を行う。
【0039】
ボビン処理装置103の詳細を説明する。トレイ搬送ライン31は、主搬送ライン32と、戻り搬送ライン33とを有している。
【0040】
主搬送ライン32は、自動ワインダ102から排出された空ボビン5aを搬送し、途中で空ボビン5aを給糸ボビン5bに置換して、それを自動ワインダ102に向けて搬送する経路である。主搬送ライン32は、概略的にはU字状に形成されている。ここで、主搬送ライン32の始端部は、回収路107の終端部に接続されており、主搬送ライン32の終端部は、供給路106の始端部に接続されている。
【0041】
主搬送ライン32に沿って、ボビン抜き取り装置11、ボビン装着装置13が配置されている。
【0042】
ボビン抜き取り装置11は、空ボビン5aをトレイ3から抜き取って回収する装置である。
【0043】
ボビン装着装置13は、トレイ3の装着部3bに差し込まれるように、トレイ3に給糸ボビン5bを装着する装置である。ボビン装着装置13には、ボビン供給装置104から、精紡機で製造された給糸ボビン5bが供給される。
【0044】
主搬送ライン32において、ボビン装着装置13の搬送方向下流には、ボビン準備システムとして、バンチ解舒装置15、糸端処理装置17、及び口出し装置19が配置されている。ボビン準備システムは、自動ワインダ102でスムーズに糸を解舒できる状態となるように給糸ボビン5bに対して以下の処理を行い、自動ワインダ102に供給する。
【0045】
バンチ解舒装置15は、給糸ボビン5bに巻かれているボトムバンチのバンチ巻きを解舒する装置である。バンチ解舒装置15は、図示しないが、吸引口を有する吸引装置を備えている。吸引口には負圧源が接続されており、吸引口に吸引流を発生させることができる。吸引口から吸引されたボトムバンチのバンチ巻きは、カッターにより切断される。これにより、切断されたバンチ巻きを吸引口から吸引することができる。
【0046】
糸端処理装置17は、給糸ボビン5bの糸層表面に巻かれたバックワインド糸を切断して、先端側巻付部を形成する装置である。糸端処理装置17は、図示しないが、圧縮空気吹出口を有する吹出装置を備えている。圧縮空気吹出口には圧縮空気源が接続されており、圧縮空気吹出口に空気流を発生させることができる。圧縮空気吹出口から吹き出された空気流により切断されたバックワインド糸は、ボビン5の頂部に誘導される。
【0047】
口出し装置19は、給糸ボビン5bの表面から糸端を解離させて口出しし、口出しされた糸端をボビン5の軸孔5cに挿入する装置である。これにより、自動ワインダ102で当該糸端を給糸ボビン5bからスムーズに引き出すことが可能な状態が得られる。この口出し装置19にも、給糸ボビン5bの表面からの糸端の解離を補助することを目的として、圧縮空気吹出口が設けられている。
【0048】
戻り搬送ライン33は、例えば口出し処理に失敗した給糸ボビン5bを、再処理させるための経路である。戻り搬送ライン33は、主搬送ライン32の終端部と始端部とを接続するバイパス経路となっている。
【0049】
なお、本実施形態では、戻り搬送ライン33にも、バンチ解舒装置15、糸端処理装置17、及び口出し装置19が配置されている。これらの説明は省略する。
【0050】
(4)トレイの流れ
図1を用いて、トレイ3の流れを下記に説明する。
【0051】
空のトレイ3がボビン装着装置13に到達すると、空のトレイ3の上に給糸ボビン5bが略直立状態で載置される。
【0052】
次に、トレイ3は、下流側のバンチ解舒装置15へ向けて主搬送ライン32を搬送される。バンチ解舒装置15では、給糸ボビン5bに形成されているボトムバンチが除去される。
【0053】
次に、給糸ボビン5bは、糸端処理装置17へ向けて主搬送ライン32を搬送される。糸端処理装置17では、給糸ボビン5bの糸層表面に巻き付いているバックワインド糸が切断され、先端側巻付部が形成される。
【0054】
次に、給糸ボビン5bは、口出し装置19へ向けて主搬送ライン32を搬送される。口出し装置19では、先端側巻付部が上方に向けて吸引され、給糸ボビン5bの筒体の内側に挿入される。
【0055】
次に、給糸ボビン5bは、主搬送ライン32をさらに下流へと搬送され、自動ワインダ102の供給路106へと供給される。給糸ボビン5bは、供給路106を搬送され、いずれかの巻取ユニット105に供給される。
【0056】
巻取ユニット105においては、給糸ボビン5bから糸の解舒が行われ、解舒された糸がパッケージに巻き取られる。
【0057】
周囲の糸が全て解舒された空ボビン5aを載せたトレイ3は、巻取ユニット105から排出され、回収路107を介して再びボビン処理装置103の主搬送ライン32に戻される。
【0058】
主搬送ライン32では、ボビン抜き取り装置11が、トレイ3に載置されている空ボビン5aを抜き取る。
【0059】
(5)ボビン処理装置の構造
ボビン処理装置103は、機台フレーム21、複数の処理機器、複数の架台部材35、及び、複数のカバー部材37から構成される。
図5は機台フレーム21及び架台部材35の一部の斜視図である。機台フレーム21は、ボビン処理装置103を構成する複数の処理機器を直接又は間接的に支持するメインフレームである。
【0060】
処理機器は、トレイ搬送ライン31、ボビン抜き取り装置11、ボビン装着装置13、バンチ解舒装置15、糸端処理装置17、及び、口出し装置19を含む。各処理機器は、ボビン5に対して適切な処置を行えるようにするため、各種のセンサを備えている。また、各処理機器は、駆動するためのエアシリンダを制御する電磁バルブ、駆動源としてのモータなどを備えている。センサ、電磁バルブ、及び、モータなどを、電子機器と呼ぶ。これらの電子機器は、第1制御部20によって制御される。
【0061】
機台フレーム21は、複数の構造材により構成される。本実施形態では、複数の構造材はC形鋼23である。C形鋼23は、断面が略長方形状の角材であり、断面がアルファベットの「C」の字のように、一辺が切れている。切れている部分である第1開口部27の上下を第1部分23aとし、第1部分23a及び第1開口部27と対向する部分を第2部分23bとする。C形鋼23は、第1部分23a及び第2部分23bが側面に位置するように配置される。また、C形鋼23は、第1部分23aに垂直な部分であって、C形鋼23が配置された状態において上側に位置する第3部分23cと、下側に位置する第4部分23dと、を有する。
【0062】
複数のC形鋼23は、配置された状態において、垂直方向の高さが略同一である。また、複数のC形鋼23の第3部分23cの上面の高さ位置、及び、第4部分23dの下面の高さ位置は略同一となるように構成される。したがって、機台フレーム21は、処理機器の配置及び仕様に合わせて、天地を反転させて用いることができる。
【0063】
第3部分23cには、固定部材(例えば、ボルト)を貫通させることのできる複数の貫通孔26が形成されている。第4部分23dには、機台フレーム21を支持するための脚部29が設けられる。
【0064】
複数のC形鋼23には、機台フレーム21の外周を構成するC形鋼23、及び、機台フレーム21の内側において、処理機器を支持するC形鋼23が含まれる。トレイ搬送ライン31を構成するベルト部材及びプーリは、適宜の固定部材によって、第3部分23cの上面に取り付けられる。言い換えると、トレイ搬送ライン31を構成するベルト部材及びプーリは、機台フレーム21に支持されるように配置される。第3部分23cの上面には、各処理機器が備える電子機器が取り付けられてもよいし、第1制御部20を構成する基板が取り付けられてもよい。
【0065】
ここで、長手方向に延びる開口である第1開口部27が、ボビン処理装置103の外側を向くように配置されたC形鋼23を、第1C形鋼24と呼ぶ。
図5に示すように、機台フレーム21の外周を構成する辺のうち隣り合う2辺には、第1C形鋼24が配置されている。ボビン処理装置103の外側とは、機台フレーム21の外側面のことである。これにより、ボビン処理装置103の周囲にいるユーザーは、機台フレーム21の外側面から、第1開口部27を介して、第1C形鋼24の内側を視認できる。
【0066】
第1C形鋼24は、第2部分23bに連結部36を有する。他のC形鋼23は、連結部36を介して第1C形鋼24に連結される。1つの第1C形鋼24は、2つ以上の連結部36を有してもよい。1つの第1C形鋼24は、2つ以上のC形鋼23と連結されてもよい。連結部36には、第2部分23bを貫通する第1孔30が形成されている。以下、第1C形鋼24の連結部36に連結されるC形鋼23を、第2C形鋼25と呼ぶ。
図6は、第1C形鋼24と第2C形鋼25が連結している部分を示す図である。
【0067】
C形鋼23(第1C形鋼24、及び第2C形鋼25)は、長手方向両端部に開口(第2開口部28)を有する。第1孔30の内周は、第2開口部28の内周より小さい。第2C形鋼25の第2開口部28のいずれか一方は、後述する架台部材35により、第1C形鋼24の第1孔30と連通するように、第1C形鋼24の連結部36に連結される。これにより、第1C形鋼24の内側と第2C形鋼25の内側は、第1孔30を介して連通する。
【0068】
架台部材35は、機台フレーム21とカバー部材37との間に第1空間38を形成するための部材である。また、架台部材35は、2つのC形鋼23を連結するための部材である。本実施形態では、架台部材35は、凸字形状に形成された板状の部材である。しかし、架台部材35の形状は、これに限定されるものではない。架台部材35は、C形鋼23と接触する2つの第5部分35aと、カバー部材37と接触する1つの第6部分35bとを有する。架台部材35の2つの第5部分35aは、固定部材によりC形鋼23の第3部分23cの上面に取り付けられる。第5部分35aの一方を第1C形鋼24に取り付け、他方を第2C形鋼25に取り付けることにより、第1C形鋼24及び第2C形鋼25を連結することができる。
【0069】
カバー部材37は、固定部材により架台部材35の第6部分35bの上面に取り付けられ、略水平に配置される板状の部材である。
図7は、カバー部材37が取り付けられた機台フレーム21の斜視図である。複数のカバー部材37を組み合わせることにより、トレイ通路39が形成される。カバー部材37には、架台部材35に取り付けるための固定部材が貫通する貫通孔が形成されている。貫通孔はだるま穴であってもよい。カバー部材37を架台部材35の第6部分35bの上面に取り付けることにより、C形鋼23とカバー部材37との間に第1空間38が形成される。
【0070】
C形鋼23の第3部分23cの上面には、ベルト部材及びプーリが配置される。C形鋼23の上方には、上述のように、架台部材35を介してカバー部材37が取り付けられる。C形鋼23に取り付けられた架台部材35の垂直方向の高さは、C形鋼23に取り付けられたベルト部材の垂直方向の高さより大きい。したがって、カバー部材37は、ベルト部材及びプーリの上方に配置される。言い換えると、ベルト部材及びプーリは、第1空間38に配置される。
【0071】
トレイ通路39は、上面視においてベルト装置と略一致するように形成され、ベルト部材により搬送されるトレイ3の移動方向を規制する。トレイ通路39の幅は、トレイ3の中間円柱部3cの外径とほぼ同じ幅である。トレイ3の基部3aは、ベルト部材と、カバー部材37に挟まりこむようにして第1空間38を移動する。
【0072】
トレイ通路39が複数のカバー部材37により構成されているため、ベルト部材及びプーリ等の処理機器の一部に不具合が生じた場合に、一部のカバー部材37を取り外して不具合箇所の確認ができる。このため、メンテナンス性が向上する。
【0073】
各処理機器が備える電子機器は、通信ケーブルを介して第1制御部20及び/又はユニット制御部90と接続されている。各処理機器と第1制御部20及び/又はユニット制御部90とを接続する通信ケーブルを、第1配線41と呼ぶ。
【0074】
各処理機器が備える電子機器、第1制御部20、及びユニット制御部90には、電力を供給するための電源ケーブル(外部装置)が接続されている。また、糸端処理装置17及び口出し装置19が備える吹出装置の圧縮空気吹出口には、圧縮空気供給装置(外部装置)と接続するための配管が接続されている。また、第1制御部20は、通信ケーブルを介して、ボビン処理装置103以外の、例えば、連結コンベア等の外部装置と接続されている。このように、外部装置と接続するケーブルや配管を、第2配線42と呼ぶ。
【0075】
図8に示すように、第1配線41及び第2配線42の少なくとも一部は、第1C形鋼24の内側に配置されている。第1C形鋼24の内側に配置された第1配線41及び第2配線42の一部は、第1C形鋼24の第1孔30を通過し、第2C形鋼25の内側に延びている。また、第1C形鋼24の内側に配置された第1配線41及び第2配線42の一部は、第1C形鋼24の第2開口部28を通過し、外部に延びている。
【0076】
第1C形鋼24の第1開口部27の一部を覆うように、樹脂製の蓋50が配置される。
図9に示すように、蓋50は、短手方向両端部に、第1部分23aに係合する係合部51を有する。係合部51は係合爪を有するスナップフィットである。係合爪を第1開口部27と隣接する第1部分23aの長手方向の周縁に引っ掛けることにより、蓋50を第1部分23aに取り付けることができる。
【0077】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0078】
(1)上記の実施形態においては、機台フレーム21の外周を構成する辺のうち隣り合う2辺には、長手方向に延びる開口である第1開口部27が、ボビン処理装置103の外側に向くように配置された第1C形鋼24が配置されていた。これに限らず、機台フレーム21の外周を構成する辺のうち隣り合う3辺以上に、第1C形鋼24が配置されていてもよい。
【0079】
(2)1つの第1C形鋼24の第1開口部27の一部を覆うように、2つ以上の蓋50が配置されてもよい。
【0080】
(3)上記の実施形態において、自動ワインダシステム101は、自動ワインダシステム101の各種制御動作を行うユニット制御部90と、ボビン処理装置103の各種制御動作を行う第1制御部20を備えている。しかし、ユニット制御部90及び第1制御部20が有する各機能は、ユニット制御部90及び第1制御部20のいずれか一方により実現されてもよい。
【0081】
3.実施形態の特徴
上記実施形態は、下記のようにも説明できる。
(1)ボビン処理装置103は、供給されたボビン5に所定の処理を行って巻取ユニット105に順次供給する。ボビン処理装置103は、複数の処理機器と、機台フレーム21と、制御装置(第1制御部20及び/又はユニット制御部90)と、第1配線41と、第2配線42と、を備える。処理機器は電子機器を有する。機台フレーム21は処理機器を支持する。制御装置は処理機器を制御する。第1配線41は、処理機器と制御装置とを接続する。第2配線42は、処理機器又は制御装置と、外部装置とを接続する。機台フレーム21は、複数の構造材により構成される。複数の構造材の少なくとも一部は、長手方向に延びる開口である第1開口部27をボビン処理装置103の外側に向けて配置された第1C形鋼24である。第1配線41及び第2配線42の少なくとも一部は、第1C形鋼24の内側に配置されている。
【0082】
このボビン処理装置103では、第1配線41及び第2配線42の少なくとも一部が配置される第1C形鋼24の第1開口部27がボビン処理装置103の外側に向けて配置されていることにより、メンテナンス性が向上する。また、第1配線41及び第2配線42を配置するための配線ダクトを設置する必要がないため、ボビン処理装置103の設置が容易になる。
【0083】
(2)上記(1)のボビン処理装置103において、第1開口部27の少なくとも一部を覆うように配置される樹脂製の蓋50をさらに備えてもよい。
【0084】
このボビン処理装置103では、第1開口部27から配線が飛び出すことを抑制できる。また、作業者による不必要な配線への接触を低減できる。
【0085】
(3)上記(1)又は(2)のボビン処理装置103において、蓋50は、短手方向両端部に、第1開口部27と隣接する、第1C形鋼24の第1部分23aに係合する係合部51、を有してもよい。
【0086】
このボビン処理装置103では、メンテナンス作業時の蓋50の取り付け及び取り外しが容易になる。
【0087】
(4)上記(1)~(3)のいずれかのボビン処理装置103において、第1C形鋼24は、機台フレーム21の外周を構成する複数の辺のうち少なくとも2辺に配置されていてもよい。
【0088】
このボビン処理装置103では、それぞれの位置に配置される複数の処理機器の配線にも柔軟に対応することができる。
【0089】
(5)上記(1)~(4)のいずれかのボビン処理装置103において、第1C形鋼24は、機台フレーム21の外周を構成する複数の辺のうち少なくとも3辺に配置されていてもよい。
【0090】
このボビン処理装置103では、それぞれの位置に配置される複数の処理機器の配線にも柔軟に対応することができる。
【0091】
(6)上記(1)~(5)のいずれかのボビン処理装置103において、第1C形鋼24に連結される第2C形鋼25の長手方向両端部の第2開口部28のいずれかは、第1C形鋼24の第1開口部27に対向する第2部分23bが有する連結部36に連結されてもよい。連結部36は、第1C形鋼24の内側に配置されている第1配線41及び第2配線42の少なくとも一部を通過させるための貫通孔である第1孔30を有してもよい。
【0092】
このボビン処理装置103では、第1C形鋼24の内側から第2C形鋼25の内側へと配線を通過させることができる。
【0093】
(7)上記(1)~(6)のいずれかのボビン処理装置103において、処理機器は、給糸ボビン5bを載置させたトレイ3を搬送するベルト部材と、ベルト部材を駆動するためのプーリと、を含んでもよい。ボビン処理装置103は、カバー部材37と、架台部材35と、をさらに備えてもよい。カバー部材37は、ベルト部材及びプーリの上方に配置され、ベルト部材により搬送されるトレイ3の移動方向を規制する。架台部材35は、ベルト部材及びプーリが配置される第1空間38を形成するために、第1C形鋼24とカバー部材37との間に配置される。
【0094】
このボビン処理装置103では、第1空間38に処理機器であるベルト部材とプーリが配置される。第1配線41及び第2配線42と、処理機器とが、互いに区分けして配置されるため、メンテナンス性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、供給されたボビンに所定の処理を行って巻取ユニットに順次供給するボビン処理装置に広く適用される。
【符号の説明】
【0096】
3 トレイ
3a 基部
3b 装着部
3c 中間円柱部
5 ボビン
5a 空ボビン
5b 給糸ボビン
5c 軸孔
11 ボビン抜き取り装置
13 ボビン装着装置
15 バンチ解舒装置
17 糸端処理装置
19 口出し装置
20 第1制御部、制御装置
21 機台フレーム
23 C形鋼
23a 第1面
23b 第2面、対向面
23c 第3面
23d 第4面
24 C形鋼、第1C形鋼
25 C形鋼、第2C形鋼
26 貫通孔
27 第1開口部
28 第2開口部
29 脚部
30 第1孔
31 トレイ搬送ライン
32 主搬送ライン
33 戻り搬送ライン
35 架台部材
35a 第5面
35b 第6面
36 連結部
37 カバー部材
38 第1空間
39 トレイ通路
41 第1配線
42 第2配線
50 蓋
51 係合部
90 ユニット制御部、制御装置
101 自動ワインダシステム
102 自動ワインダ
103 ボビン処理装置
104 ボビン供給装置
105 巻取ユニット
106 供給路
107 回収路