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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026029085
(43)【公開日】2026-02-20
(54)【発明の名称】移植機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20260213BHJP
   A01B 69/02 20060101ALI20260213BHJP
【FI】
A01C11/02 330M
A01C11/02 350E
A01B69/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024131764
(22)【出願日】2024-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川田 昌平
(72)【発明者】
【氏名】渡里 圭介
【テーマコード(参考)】
2B043
2B062
2B064
【Fターム(参考)】
2B043AA01
2B043AB03
2B043AB11
2B043BA02
2B043BB06
2B043CA03
2B043CB19
2B062AA04
2B062AB01
2B062BA34
2B064AA05
2B064AA07
2B064AB01
2B064BA04
(57)【要約】
【課題】植付作業装置から外した回転体マーカとマーカ支持杆を、苗載台から大きく突出させない平面的な格納姿勢で安定よく固定支持し、格納姿勢を乱すことなく路上走行をスムーズにすると共に、苗載台8の上部に載せられる器物の載置を妨げない格納構造にした植付作業装置を提供する。
【解決手段】回転体マーカ26を苗載台8の載せ面8bの表側又は裏側に対し平面的に対向した格納姿勢に支持すると共に、該回転体マーカ26が有するマーカ支持杆27を苗載台8に沿わせて固定支持する取付手段35を設けることにより、マーカ装置10側から取外された回転体マーカ26を苗載台8側に平面的に沿わせて格納自在にする構成にした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪(1a)と後輪(1b)を有する走行機体(2)の後部に装着される植付作業装置(6)と、該植付作業装置(6)の苗載台(8)から側方に張り出して圃場面に線引きをするマーカ装置(10)を備え、該マーカ装置(10)側から回転体マーカ(26)を取外して植付作業装置(6)側に格納自在に設ける移植機(1)において、
前記マーカ装置(10)側から取外した回転体マーカ(26)を苗載台(8)の載せ面(8b)の表側又は裏側に対し平面的に対向した格納姿勢に支持すると共に、該回転体マーカ(26)が有するマーカ支持杆(27)を苗載台(8)に沿わせて固定支持する取付手段(35)を設けることにより、マーカ装置(10)側から取外された回転体マーカ(26)を苗載台(8)側に平面的に沿わせて格納自在にすることを特徴としている。
【請求項2】
前記回転体マーカ(26)の一部又は全部を、苗載台(8)に形成される左右の苗仕切り壁(8c)の間の載せ面(8b)に入り込ませて平面的に載置すると共に、前記マーカ支持杆(27)を該載せ面(8b)に形成されるスリット(8e)に挿入した状態で、苗載台(8)の裏側に設けられる取付手段(35)によって格納姿勢に固定支持する請求項1記載の移植機。
【請求項3】
前記取付手段(35)を、マーカ支持杆(27)を着脱可能に吸着固定することができる磁石体(46)を設けて構成する請求項1又は2記載の移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体マーカを植付作業装置の苗載台に格納する移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体に昇降自在に連結される植付作業装置に対し、複数の爪突起(ラグ)を突設した回転体マーカ(線引きマーカ)を、アーム取付部及び支持アームを介し圃場面に走行指標になるマーカ跡を形成して線引きをする作業姿勢(線引位置)から、該回転体マーカのみを取外して苗載せ台(苗載せ部)の側面に沿って取付ける格納姿勢にした状態で、納屋などに格納するようにした移植機が既に公知である。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-73052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示されるマーカ装置は、植付作業装置の苗載台の左右前部に取付けたアーム支持ブラケットに対し、支持アームから取外した回転体マーカを挿入支持する保持アームと、回転体マーカのスポークを固定する固定バネを取付けているので、植付作業装置から外した回転体マーカを苗載台の側面に対し速やかに取付けでき格納作業をし易い利点がある。
然し、苗載台の側面上方でクランク形状の保持アームを介し格納支持される回転体マーカは、苗載台の側方で片持ち状態で支持され上部後方に向けて大きく突出するものであるため、この格納姿勢で圃場から離れた納屋に至る長距離の路上等を走行するとき、前後左右に常に激しく大きく振動すると共に、強風を受けると風圧によって保持アーム(マーカ支持杆)等の取付け部材が変形し易い問題がある。
従って、片持ち状態で激しい振動や風圧に耐えて共振を抑制しながら安定的に片持ち支持をする場合には、各取付部材を十分な強度を有する剛体構造にする必要がある。
一方、回転体マーカの着脱作業の容易化を図ろうとすると、防振性に優れた強度と構造の固定バネ機構が求められ、構造及び構成部材が煩雑でコスト高になる問題も生ずる。
さらに、苗載台の上方側に回転体マーカを大きく突出した縦向き格納姿勢にする植付作業装置は、苗載台の上部に移植作業等に関連する資材や他の器物を載せる際の邪魔になり、植付作業装置の苗載台の有効使用を妨げる等の課題もある。
そこで、本発明は従来の課題を解消すると共に、走行機体側に残置させない回転体マーカ26を、苗載台の左右側から外方に大きく突出させることなく、苗載台の苗載せ面に対し振動や風圧による支障を生じない平面的な格納姿勢にすることにより、苗載台に対し格納される回転体マーカ26に支障されないで、各種資材を載置保管できる植付作業装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の移植機は、
第1に、前輪1aと後輪1bを有する走行機体2の後部に装着される植付作業装置6と、該植付作業装置6の苗載台8から側方に張り出して圃場面に線引きをするマーカ装置10を備え、該マーカ装置10側から回転体マーカ26を取外して植付作業装置6側に格納自在に設ける移植機1において、
前記マーカ装置10側から取外した回転体マーカ26を苗載台8の載せ面8bの表側又は裏側に対し平面的に対向した格納姿勢に支持すると共に、該回転体マーカ26が有するマーカ支持杆27を苗載台8に沿わせて固定支持する取付手段35を設けることにより、マーカ装置10側から取外された回転体マーカ26を苗載台8側に平面的に沿わせて格納自在にすることを特徴としている。
第2に、前記回転体マーカ26の一部又は全部を、苗載台8に形成される左右の苗仕切り壁8cの間の載せ面8bに入り込ませて平面的に載置すると共に、前記マーカ支持杆27を該載せ面8bに形成されるスリット8eに挿入した状態で、苗載台8の裏側に設けられる取付手段35によって格納姿勢に固定支持することを特徴としている。
第3に、前記取付手段35を、マーカ支持杆27を着脱可能に吸着固定することができる磁石体46を設けて構成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、前輪1aと後輪1bを有する走行機体2の後部に装着される植付作業装置6と、該植付作業装置6の苗載台8から側方に張り出して圃場面に線引きをするマーカ装置10を備え、該マーカ装置10側から回転体マーカ26を取外して植付作業装置6側に格納自在に設ける移植機1において、前記マーカ装置10側から取外した回転体マーカ26を苗載台8の載せ面8bの表側又は裏側に対し平面的に対向した格納姿勢に支持すると共に、該回転体マーカ26が有するマーカ支持杆27を苗載台8に沿わせて固定支持する取付手段35を設けることにより、マーカ装置10側から取外された回転体マーカ26を苗載台8側に平面的に沿わせて格納自在にすることにより、
マーカ装置10側から取外しされた回転体マーカ26を、苗載台8の載せ面8bの表側又は裏側に対し対向した平面的な格納姿勢に安定よく支持できると共に、該回転体マーカ26が有するマーカ支持杆27に大きな格納負荷をかけないで、該マーカ支持杆27を取付手段35によって苗載台8に沿わせた安定姿勢で固定支持することができる。
そして、納屋や車庫などに他の資材や器物と一緒に格納される植付作業装置6は、苗載台8の上方に回転体マーカ26を縦向きに大きく突出させないので、シーズンオフなど長期間の格納時及び随時的に、周囲の器物を苗載台8の上部に直接的且つ速やかに利便性を有して効率よく載せることができる等の利点がある。
請求項2に係る発明によれば、回転体マーカ26の一部又は全部を、苗載台8に形成される左右の苗仕切り壁8cの間の載せ面8bに入り込ませて平面的に載置すると共に、前記マーカ支持杆27を該載せ面8bに形成されるスリット8eに挿入した状態で、苗載台8の裏側に設けられる取付手段35によって格納姿勢に固定支持することにより、
回転体マーカ26を苗載台8に対し上方及び外方に大きく突出させることなく平面的でコンパクトな安定性の高い格納を可能にすると共に、マーカ支持杆27をスリット8eを介し苗載台8の裏側に沿って格納姿勢にするので、マーカ部20の苗載台8への格納及び取出し等一連の格納作業を簡潔で安価な構成によって能率よく行うことができる。
苗載台8の載せ面8bに平面的に載置される回転体マーカ26は左右の苗仕切り壁8cによって左右移動が規制され安定支持できると共に、該苗仕切り壁8cから上方に大きく突出させないため、物載せ台としての使用を妨げることなく促進することができる。
第3に係る発明によれば、前記取付手段35を、マーカ支持杆27を着脱可能に吸着固定することができる磁石体46を設けて構成することにより、
磁石体46aの磁気吸着力によりマーカ支持杆27の固定支持を容易にすると共に、マーカ支持杆27を機体の走行振動や風圧などの外力に抗し確実に係止し、マーカ支持杆27の離脱を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】施肥タンク部を設置した走行機体の後部に多条苗植付け型の植付作業装置を設置した構成を示す移植機の全体斜視図である。
図2】植付作業装置のフレームとマーカ装置の構成を一部省略して示す正面図である。
図3】走行機体から外した植付作業装置の全体構造と回転体マーカの格納構造を示す正面斜視図である。
図4】左側の回転体マーカの格納構造の要部を示す部分斜視図である。
図5】苗載台に載置した回転体マーカを格納する仕方と取付手段を示す側面図である。
図6】取付手段の構成を示す平面図である。
図7図6の取付手段の構成を示斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1図2において符号1は乗用型田植機を例示する移植機であって、前輪1aと後輪1bを左右に有する走行機体2の前側にエンジンを搭載してボンネット3で覆い、後方に操作パネル部のハンドル4aと座席4b及び両者間の足元に敷設される操縦フロワ4c等からなる操縦部4を設置している。そして、操縦スッテプ4cの左右にフロワステップ7を設けている。
【0009】
前記走行機体2は、機体後部に備える3点リンク方式の昇降機構を介し植付作業装置6を着脱及び昇降操作自在に装着している。植付作業装置6は、在来のものと同様な構成からなり、8条分のマット苗を左右並列状に載置する苗載台8を前高後低状の傾斜姿勢として左右に往復移動させながら、各8条分のマット苗を掻き取って植付け可能に配置される苗植付爪9によって、苗載台8のエプロン8aから苗を掻取り圃場面(田面)に植付けることができる。
そして、植付作業装置6の左右には図2図3に示すように、本発明に係るマーカ装置10を対称構造によって配設し、植付け次工程となる未植側田面にマーカ跡(植付走行軌跡)を形成するマーカ作業を行なう構成にしている。
【0010】
上記植付作業装置6は、横向きの植付部フレーム11に、植付爪9を回転駆動する植付爪ユニットを有する複数の植付爪伝動ケース12を所定の間隔を有して取付け、各植付爪伝動ケース12の下部には、支持リンク機構を介して橇状のフロート13を設けている。
苗載台8は、後方下方(後端部)を植付部フレーム11に沿って取付けられるエプロン8aに載置し、且つ前方上方の正面側をスライド支持部に載置した状態でスライド自在に支持し、裏面側の下部を植付爪伝動ケース12側に設置される苗載台駆動部に連繋させて、苗載台8を横方向に往復駆動自在にしている。
【0011】
これによる植付作業装置6は、苗載台8を横方向に苗送り往復駆動させながら、植付爪9によって苗載台8のエプロン8aから苗を掻取り田面に植付ける。
そして、移植機1は圃場内で往復走行移動し植付作業を行なうとき、未植側田面に臨む一方のマーカ装置10を田面等の圃場土壌面にマーカ跡を形成して線引きを行う作業姿勢(線引き作業姿勢)に切換えると共に、他方のマーカ装置10を後述するアーム取付部17及びアーム19を介して上方に向け持ち上げ回動させ田面から離間させた非線引き作業姿勢に切換えることにより、往復工程マーカ作業を連続的に行う。
【0012】
前記マーカ装置10について図2図3図5を参照し説明する。右のマーカ装置10は、前記植付部フレーム11の左右端側に構成されるアーム取付部17と、該アーム取付部17に前後方向の取付軸18を介し回動自在に軸支されるマーカアーム(以下単にアームと言う)19と、その先端側に着脱交換自在に取付けられるマーカ部20等によって構成している。
尚、実施形態のアーム19は、アーム取付部17に軸支される径大パイプからなる基部アーム19aと、該基部アーム19aの先端に径小パイプの先端アーム19bが一体的に固設され、且つ先端アーム19bの先端側に公知構造によって構成される保持機構30を介し、マーカ部20を着脱自在に取付けるようにしている。
【0013】
上記マーカ装置10のアーム取付部17は図2図3に示すように、植付部フレーム11の端部前面に取付けられた板状のブラケット21に対し、前記基部アーム19aに一体的に設けたアームブラケットを取付軸18に回動自在に挿入して取付け、姿勢保持用のスプリング23によって植付部フレーム11側に連結している。
これによりアーム19は、図2に実線で示す作業姿勢と、点線で示すようにアーム19を略鉛直状に起立させて、回転体マーカ26が略水平姿勢の横向き状態になる格納姿勢とに切換回動することができ、且つスプリング23の引張り方向が取付軸18の一方と他方に切換えられて、作業姿勢と格納姿勢とに択一的に姿勢保持される。
【0014】
尚、マーカ装置10の姿勢切換えは、操縦部4側から図示しないレバー操作によるワイヤの押し引き操作、又はスイッチ類の切換動作に基づきモータ等のアクチュエータによる切換え自動動作によって行うことができる。
また路上走行を行なう際には、前記植付部フレーム11のフレーム部材の適所に突設した支持具25によって、2点鎖線で示す格納姿勢にあるアーム19の中途部を係脱自在に係合して支持するようにしている。
【0015】
次に、図2図4図7を参照し実施形態のマーカ部20を説明する。このマーカ部20は、田面に接地してマーカ跡を形成する回転体マーカ26と、該回転体マーカ26をアーム19に取付け支持するクランク形状のマーカ支持杆27等によって構成している。
マーカ支持杆27は、上下方向にストレートな直杆部27aと、その上部に前記先端アーム19b内に挿入支持させる内向きの取付杆部27bと、下部に回転体マーカ26を支持幅を有し片持ち状に軸支し回転自在とする横杆部27cを形成している。
【0016】
図示例の回転体マーカ26は、横杆部27cに回転自在に挿入するボス部28と、該ボス部28から放射方向に延びる複数のスポーク部28aと、該スポーク部28aに支持されて外周に箆ラグ状をなす複数の爪突起28bを突設するリング部28cと、在来のリング状回転体マーカと同様に合成樹脂形成時に形成される複数の肉抜き孔を有する風車型デザインにしている。
これによるマーカ部20は、先端アーム19bに公知構造によって構成される保持機構30にマーカ支持杆27を取付けた状態で作業姿勢にすると、回転体マーカ26を植付作業装置6から田面のマーカ位置に臨ませることができ、走行に伴い接地回転しながら各爪突起28bによって土を順次掻起こし点線状のマーカ跡(マーカ線)を形成する。
【0017】
実施形態の回転体マーカ26は、中心部に構成されるボス部28を横杆部27cに抜き差し自在に挿入すると共に、横杆部27cの軸端に係脱自在に取付けられる図示しない係止部材によって位置決め軸支している。
この構成により回転体マーカ26は、係止部材を外すと横杆部27cから外方向けてスライドさせて引き抜くことができるので、回転体マーカ26の交換作業を容易に行うことができる。
【0018】
そして、前記保持機構30は図2図3に示すように、マーカ部20をアーム19の先端に設けられる取付部材31から引き抜いて取外すときは、取付け作業とは逆順の動作によって、弾性部材32のフック部を直杆部27aとの係合を解除しマーカ支持杆27をフリーにし、取付杆部27bを側方に向けてワンタッチ状に引き抜くことができる。
そして、保持機構30から取外したマーカ部20は、前高後低状の傾斜姿勢にある苗載台8の前方側の表側(上面側)斜面、又は、裏側(下面側)斜面の平坦面を利用し、本発明に関わる取付手段35並びに図示しない他の取付手段を利用した苗載台格納法によって、苗載台8の平坦な台面に沿って苗載台8の左右から外方に大きく突出させることなく、且つ平面的な格納姿勢によって上下方向に嵩張らない省スペースで安定よく格納できるようにしている。
【0019】
図3図6を参照しマーカ部20の取付手段35と苗載台格納方法等について説明する。
前記取付手段35は、苗載台8の裏側に着脱可能に取付固定される取付ベース36と、該取付ベース36に前記マーカ部20のマーカ支持杆27を苗載台8に沿って平面的に対向して支持する固定部37とで構成している。
これにより、マーカ部20の回転体マーカ26とマーカ支持杆27とを、苗載台8の前部に対し外方に突出することなく安定よく平面的でコンパクトな格納を可能にすると共に、簡潔で安価な構成によってマーカ部20の格納設置作業及び取出し等一連の格納作業を能率よく行うことができるようにしている。
【0020】
先ず、苗載台8の基本構造と本発明に関連する構成について説明する。
この苗載台8は8条分のマット苗を個別に載置する苗載せ面8b両側に、マット苗の厚さと同程度の高さを有する苗仕切り壁8cを突設しており、隣接する各苗載せ面8bの裏面上部側を横向きの台フレーム38によって一連に連結して補強する構成にしている。
そして、台フレーム38の上方側で前記苗載せ面8bの上部には、該載せ面8bを補助的に延長させる複数の延長苗載台8dを隣接間隔(スリット8e)を有して着脱可能に一体的に取付けた構造にしている。各延長苗載台8dは、各苗載せ面の幅方向に縦長孔状のスリット8eを複数形成している。
【0021】
この構成において前記取付ベース36は図4図7に示すように、前記マーカ支持杆27を取付ける平坦な取付面36aと、その上下に上足部36bと下足部36cとを屈曲形成した側面視コ字状となし、該取付面36aの中央部にボルト・ネジなどの止め具40を設けている。
これにより取付ベース36は前記台フレーム38を跨いだ姿勢において、該台フレーム38側に設けられる止め部(図示せず)に前記止め具40を締着することで、苗載台8側に取付け剛性を有しながら簡潔で安価な構成によって着脱自在に設置するようにしている。
そして、取付ベース36は、取付面36aと上足部36bとの屈曲部の左右中心部にガイド孔36dを所定の大きさで切欠して設けている。
【0022】
このガイド孔36dは、マーカ支持杆27の横杆部27cと直杆部27aによる屈曲部を融通可能にガイドし、該マーカ支持杆27を取付ベース36に対し適正位置に速やかスムーズに位置決めして沿わせることを可能にする。
また取付ベース36は、方形状の平坦な取付面36aの中央部に設けた前記止め具40を中心とする左右対称位置に、取付孔41と取付孔42、42とを所定の配置角度と距離を有し平面視3角形状の配置によって穿設形成し、固定部37を構成する支持部材45と係止部材46とを各別に取付け可能な取付手段35を構成するようにしている。
図示する取付手段35は、取外した左側のマーカ部20を、苗載台8の左側に配設して格納姿勢にできる左格納構造にする態様を示している。
【0023】
これにより図4に示すように、左側のマーカ部20が苗載台8又は延長苗載台8d又は両者に載置されるとき、マーカ支持杆27が前記スリット8e又は苗載台8に直接的に穿設形成される図示しないスリットに挿入されたとき、自重によって下方に鉛直状に又は側方回動して垂れ下がろうとするマーカ支持杆27を、前記取付手段35が格納位置において好適な格納支持角度を有して受け止め固定するので、回転体マーカ26を苗載台8に平面的に対向した所定の最適支持姿勢に格納支持することができる。
尚、上記マーカ支持杆27の支持角度(支持傾斜角)は、以下に記す取付ベース36と固定部37との取付け関係によって調節可能に定めることができる。
【0024】
一方、上記構成される取付ベース36と固定部37を兼用利用して、右側のマーカ部20を苗載台8の右側に好適に配設する格納姿勢にできる右配置構造にすることができる。
この場合に、固定部ボルト42a、42aを外すことで、外された係止部材46を図4図6における図面視で、右側の取付孔42、42に固定部ボルト42a、42aを介しボルト止めしたのち、後述するボルト45bを外して外された支持部材45を右側の取付孔41にボルト45bを介しボルト止めをすることができる。
【0025】
これにより、前記左側の格納態様と対称位置と姿勢によって右側のマーカ支持杆27を左側のマーカ支持杆27と同様な好適姿勢で格納支持することができ、且つ左右の取付手段35の部品の兼用化を図ることができる。
尚、右側の取付手段35の構成及び使用態様は、左側のものと対称的な構造によって設けられることと、使用動作によって格納作業が行われるので重複を避け説明を省略する。
【0026】
次に、図示する左側の取付手段35の取付ベース36の固定部37を構成する支持部材45と係止部材46の具体構造と格納作業の仕方等について説明する。
前記支持部材45は、苗載台8の中央側又は苗載台8の外方側に向けて傾斜姿勢で取付固定し、スリット8eから挿入されて鉛直方向に垂れ下がろうとするマーカ支持杆27の基部寄りの中途を受け止める形状にしている。
そして、図示する係止部材46は、マーカ支持杆27を磁力的に着脱可能に吸着固定できる磁石体46aを有して構成している。
【0027】
このように前記スリット8eの近傍で苗載台8の裏側に構成される取付手段35は、苗載台8の上方でマーカ支持杆27をスリット8eに挿入しながら回転体マーカ26を載置し格納姿勢にする際に、作業者は載置される回転体マーカ26の下側近傍において目視容易にできる。
従って、スリット8eから挿入したマーカ支持杆27を支持部材45に傾斜姿勢で受け止め支持操作できるため、該マーカ支持杆27の自由端側を垂下状に落下させることなく傾斜姿勢で安定よく速やかに受け止め支持することができると共に、マーカ支持杆27と苗載台8の裏側下方に配設される各種の構造物との接当を回避した格納姿勢にすることができる。
【0028】
そして、傾斜姿勢にあるマーカ支持杆27は、その自重を前記係止部材46の磁石体46a側にかけながら所定の安定位置に磁力によって速やかに自動吸着固定でき、作業者は工具を使用することなく所定位置で手を離すだけでワンタッチ状に格納姿勢に支持できる。
そして、格納姿勢にある回転体マーカ26を取外す際には、作業者は握り易い傾斜姿勢にあるマーカ支持杆27の中途部を摘み前記磁力に抗して持ち上げるだけの工具レス操作によって係止部材46から離脱でき、そのまま回転体マーカ26を上方に持ち上げる操作によって格納姿勢を解除して速やかに取外すことができる。
【0029】
さらに、マーカ支持杆27を着脱可能に吸着固定する磁石体46で構成する係止部材46を備える取付手段35は、マーカ支持杆27の自重を固定部37の支持部材45に受け止めガイドしながら係止部材46に至らせ、該自重を係止部材46が吸引する態様によってしっかりと受けさせ、後述する係止機能によって機体の激しい振動などに抗し傾斜姿勢を確実に保持し離脱を防止する特徴がある。
【0030】
上記構成される取付手段35を備える移植機1による一連の格納作業は、該取付手段35が側方に苗載台8に設置される場合は、作業者が苗載台8の外方で圃場に立ちながら行うことができると共に、取付手段35が苗載台8の内方側に設置される場合は、前記作業ステップ部7cなどを利用した乗車姿勢で、利便性を有し楽でスムーズに能率よく行うことができる。
即ち、回転体マーカ26を苗載台8に格納するセット作業は、回転体マーカ26を右手又は左手に持って苗載台8の所定位置に位置決め支持操作をしながら、他方の伸ばした手によってスリット8eに挿入されたマーカ支持杆27を、前記支持部材45と係止部材46とに誘導することで、簡単で確実速やかに固定することができる。
【0031】
また4条以上の多条植付け型の移植機1の場合、例えば図示例のように苗載台8の内方側の苗載せ面8bに回転体マーカ26を格納姿勢にする場合には、圃場に立ちながらの格納作業は側方から手を入れて操作することは困難であることが多く、前記作業ステップ部7cを利用した格納作業を安定的な姿勢によって、苗載台8の上方に形成される広いスペースを利用し能率よく行うことができる利点がある。
【0032】
このための取付手段35の構成は図5図6に示すように、帯状板の持部材45を側面視でクランク状に形成し、その基部片45aを前記一方の取付孔41にボルト45bによって取付固定した状態で、帯状板先端に形成される係止誘導片45cによってマーカ支持杆27の中途部を受け止めガイドし、取付ベース36との間で下方に支持誘導し係止部材46に確実に接当させて係止できるようにしている。
【0033】
そして、図示例の係止部材46は、前記取付ベース36の平面に沿って固定部ボルト42a、42aを介しボルト止めされて支持部材45の下部内に取付け支持する態様を示し、実施形態の係止部材46は、マーカ支持杆27の中途部を磁力によって係止(取付固定)できる磁石体46aと、該磁石体46aを支持して取付ベース36に前記固定部ボルト42a、42aを挿入するボルト孔を有して着脱可能にする磁石ベース46bとから構成している。
これによる係止部材46は、所定長さの磁石体46aの係止面の方向を固定部ボルト42a、42aと各ボルト孔を介し取付ベース36に対し取付け角調節をすることができる。
【0034】
これにより、取付手段35の固定部37は、回転体マーカ26の格納時にマーカ支持杆27に求められる望ましい傾斜姿勢の傾斜角に対し、磁石体46aの係止面を一致させた取付け角にすることができる。
これにより、磁石体46aは磁気吸着力による係止力を効率よく発揮し、マーカ支持杆27を機体の走行振動や風圧などの外力に抗し確実に係止し、マーカ支持杆27の離脱を防止した走行移動を簡潔な構成によって速やかに行うことができる利点がある。
【0035】
また、機体走行時のバウンドなど大きな振動を磁石体46aが受ける場合に、マーカ支持杆27が磁石体46aから位置ズレを生じたとしても、前記所定箇所に併設される支持部材45の係止誘導片45c等がマーカ支持杆27を受け止めガイドして姿勢維持をするため、低磁力型の磁石体46aの使用を可能にして安価な構成にできる。
一方、マーカ支持杆27を磁石体46aから外す際には、工具や止め具などを操作することなく、前記係止力に抗し引き動作をするだけでワンタッチ状に離脱することができる。
【0036】
従って、上記格納手段を有する苗載台8は、回転体マーカ26を取外す際に、マーカ支持杆27を前記係止力に抗し単に片手で引き動作をするだけでワンタッチ状に離脱でき、そのまま回転体マーカ26のボス部28を支点に引き回動をする動作によって係止誘導片45cから外し、同時に他方の手で、回転体マーカ26を上方に持ち上げながらマーカ支持杆27を前記スリット8eから適正姿勢で無理なく引き抜き、該回転体マーカ26を苗載台8から工具レス作業によって速やかに取外すことができる。
【0037】
そして、回転体マーカ26を平面的に格納した苗載台8を備える移植機1は、納屋や車庫などで他の資材や器物を載せた状態での物載せ格納を促進することができるので、苗載台8の上方に回転体マーカ26を縦向きに大きく突出させないので、移植機1や走行機体2から外された植付作業装置6を、シーズンオフなど長期間にわたり格納するとき、又は暫定的に周囲の器物を苗載台8の上部に直接的に載せる場合など、苗載台8への物載せ保管活用を促進する利点を創出できる。
【0038】
尚、前記実施形態において取付手段35は、マーカ支持杆27を磁力的に吸着固定する磁石体46で構成したが、これに限ることなく回転体マーカ26の格納位置などに適応させ、例えば、マーカ支持杆27の杆体を弾力的に係脱自在に挟持するバネ部材にすることができるほか、ゴムバンドを巻き付けて引張り固定する手段、又はフック状に係脱自在にする構造などの係脱固定手段で構成することができる。
また図示例のスリット8eは、苗載台8の載せ面8bを延長させる延長苗載台8dに形成した実施形態を示したが、該延長苗載台8dを有しないタイプの苗載台8においては、該苗載台8の上方部位にスリット8eを形成すると共に、該スリット8eに挿入されるマーカ支持杆27を取付手段35によって格納姿勢に仮支持をする構成にしてもよい。
【0039】
またスリット8eを苗載台8の下部側に形成する場合には、当該部位に平面的に載置する回転体マーカ26のマーカ支持杆27を該スリット8aに上方に沿う姿勢で通すと共に、その上向きの上端側を取付手段35によって格納姿勢に仮支持する構成にしてもよいものである。
またマーカ支持杆27を苗載台8に沿って下方移動や側方移動を規制する取付手段35は、前記実施形態に限ることなく、係脱自在なフック部材又はゴム製又は紐状のバンド部材によって取付固定する構成にしてもよいものである。
【符号の説明】
【0040】
1 田植機
2 走行機体
6 植付作業装置
8 苗載台
8b 載せ面
8c 苗仕切り壁
8e スリット
10 マーカ装置
26 回転体マーカ
27 マーカ支持杆
35 取付手段
46 磁石体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7