(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026029905
(43)【公開日】2026-02-20
(54)【発明の名称】眼軸長測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20260213BHJP
【FI】
A61B3/10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024132762
(22)【出願日】2024-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】506423051
【氏名又は名称】株式会社QDレーザ
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誠
(72)【発明者】
【氏名】森野 誠治
(72)【発明者】
【氏名】堀 勇樹
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA26
4C316AB08
4C316AB12
4C316FA08
4C316FY05
(57)【要約】
【課題】眼軸長を精度良く測定可能な眼軸長測定装置を提供する。
【解決手段】眼軸長測定装置100は、光線50を出射する光源12と、光源12から出射された光線50が入射する可変焦点レンズ14と、可変焦点レンズ14を透過した光線50が被検者の眼70で反射した反射光線52を第1方向及び第2方向に導く偏光ビームスプリッタ16と、第1方向に導かれた反射光線52を受光する第1光検出器18と、第2方向に導かれた反射光線52を受光する第2光検出器20と、可変焦点レンズ14の焦点距離を変化させ、光線50が眼70の角膜で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を第1光検出器18の出力に基づいて取得し、光線50が眼70の網膜で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を第2光検出器20の出力に基づいて取得する取得部64と、取得部64が取得した焦点距離を用いて眼70の眼軸長を算出する算出部66と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を出射する光源と、
前記光源から出射された前記光線が入射する可変焦点レンズと、
前記可変焦点レンズを透過した前記光線が被検者の眼で反射した反射光線を第1方向および第2方向に導く偏光ビームスプリッタと、
前記第1方向に導かれた前記反射光線を受光する第1光検出器と、
前記第2方向に導かれた前記反射光線を受光する第2光検出器と、
前記可変焦点レンズの焦点距離を変化させ、前記光線が前記眼の角膜で合焦するときの前記可変焦点レンズの第1焦点距離を前記第1光検出器の出力に基づいて取得しかつ前記光線が前記眼の網膜で合焦するときの前記可変焦点レンズの第2焦点距離を前記第2光検出器の出力に基づいて取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1焦点距離および前記第2焦点距離を用いて前記眼の眼軸長を算出する算出部と、を備える眼軸長測定装置。
【請求項2】
前記可変焦点レンズを透過した前記光線を走査する走査部と、
前記光線が前記走査部によって走査されることで異なる方向に出射された複数の光線を互いに平行な光線に変換する光学素子と、を備え、
前記光学素子によって互いに平行な光線に変換された前記複数の光線のうち1つの光線が前記眼で反射して前記反射光線となり前記偏光ビームスプリッタに入射する、請求項1に記載の眼軸長測定装置。
【請求項3】
前記光学素子によって互いに平行な光線に変換された前記複数の光線が前記眼の方向に向けて投射される領域は前記眼の瞳孔の直径の2倍以上である、請求項2に記載の眼軸長測定装置。
【請求項4】
前記走査部はMEMSミラーであり、
前記光学素子は集光レンズである、請求項2または3に記載の眼軸長測定装置。
【請求項5】
前記光線が前記角膜で合焦して前記角膜で反射した前記反射光線が集光する第1集光点に設けられ、前記反射光線を通過させるピンホールを有する第1ピンホール部材と、
前記光線が前記網膜で合焦して前記網膜で反射した前記反射光線が集光する第2集光点に設けられ、前記反射光線を通過させるピンホールを有する第2ピンホール部材と、を備え、
前記第1光検出器は前記第1ピンホール部材を通過した前記反射光線を受光し、
前記第2光検出器は前記第2ピンホール部材を通過した前記反射光線を受光する、請求項1または2に記載の眼軸長測定装置。
【請求項6】
前記眼に入射する前記光線は、前記偏光ビームスプリッタに対してP偏光となる偏波方向を有し、
前記偏光ビームスプリッタは、P偏光の前記反射光線を前記第1方向に導き、S偏光の前記反射光線を前記第2方向に導く、請求項1または2に記載の眼軸長測定装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記可変焦点レンズの焦点距離を掃引し、前記第1光検出器の出力が最大になったときの前記可変焦点レンズの焦点距離を前記第1焦点距離として取得し、前記第2光検出器の出力が最大になったときの前記可変焦点レンズの焦点距離を前記第2焦点距離として取得する、請求項1または2に記載の眼軸長測定装置。
【請求項8】
前記算出部は、前記第1焦点距離と、前記第2焦点距離と、前記角膜と前記眼の水晶体とにより形成される前眼部の第3焦点距離と、前記水晶体と前記眼の硝子体とにより形成される中間透光体の屈折率と、を用いて前記眼軸長を算出する、請求項1または2に記載の眼軸長測定装置。
【請求項9】
前記光源が出射した前記光線を前記可変焦点レンズに導き、前記眼で反射して前記可変焦点レンズを透過した前記反射光線を前記偏光ビームスプリッタに導くビームスプリッタを備える、請求項1または2に記載の眼軸長測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼軸長測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、近視の小児が増加していることから、眼軸長に基づく近視進行の評価が注目されている。眼軸長測定装置として、波長掃引型の光源を用いたフーリエドメイン方式の眼軸長測定装置が知られている。波長掃引型の光源は高価であることから、コストを低減させるために、タイムドメイン方式を用いた眼軸長測定装置も知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
眼軸長測定装置のコストを低減させるために、共焦点光学系を用いることが考えられる。共焦点光学系を用いて眼軸長を測定する場合であっても、眼軸長を精度良く測定することが求められる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、眼軸長を精度良く測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光線を出射する光源と、前記光源から出射された前記光線が入射する可変焦点レンズと、前記可変焦点レンズを透過した前記光線が被検者の眼で反射した反射光線を第1方向および第2方向に導く偏光ビームスプリッタと、前記第1方向に導かれた前記反射光線を受光する第1光検出器と、前記第2方向に導かれた前記反射光線を受光する第2光検出器と、前記可変焦点レンズの焦点距離を変化させ、前記光線が前記角膜で合焦するときの前記可変焦点レンズの第1焦点距離を前記第1光検出器の出力に基づいて取得しかつ前記光線が前記眼の網膜で合焦するときの前記可変焦点レンズの第2焦点距離を前記第2光検出器の出力に基づいて取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1焦点距離および前記第2焦点距離を用いて前記眼の眼軸長を算出する算出部と、を備える眼軸長測定装置である。
【0007】
上記構成において、前記可変焦点レンズを透過した前記光線を走査する走査部と、前記光線が前記走査部によって走査されることで異なる方向に出射された複数の光線を互いに平行な光線に変換する光学素子と、を備え、前記光学素子によって互いに平行な光線に変換された前記複数の光線のうち1つの光線が前記眼で反射して前記反射光線となり前記偏光ビームスプリッタに入射する構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記光学素子によって互いに平行な光線に変換された前記複数の光線が前記眼の方向に向けて投射される領域は前記眼の瞳孔の直径の2倍以上である構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記走査部はMEMSミラーであり、前記光学素子は集光レンズである構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記光線が前記角膜で合焦して前記角膜で反射した前記反射光線が集光する第1集光点に設けられ、前記反射光線を通過させるピンホールを有する第1ピンホール部材と、前記光線が前記網膜で合焦して前記網膜で反射した前記反射光線が集光する第2集光点に設けられ、前記反射光線を通過させるピンホールを有する第2ピンホール部材と、を備え、前記第1光検出器は前記第1ピンホール部材を通過した前記反射光線を受光し、前記第2光検出器は前記第2ピンホール部材を通過した前記反射光線を受光する構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記眼に入射する前記光線は、前記偏光ビームスプリッタに対してP偏光となる偏波方向を有し、前記偏光ビームスプリッタは、P偏光の前記反射光線を前記第1方向に導き、S偏光の前記反射光線を前記第2方向に導く構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記取得部は、前記可変焦点レンズの焦点距離を掃引し、前記第1光検出器の出力が最大になったときの前記可変焦点レンズの焦点距離を前記第1焦点距離として取得し、前記第2光検出器の出力が最大になったときの前記可変焦点レンズの焦点距離を前記第2焦点距離として取得する構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記算出部は、前記第1焦点距離と、前記第2焦点距離と、前記角膜と前記眼の水晶体とにより形成される前眼部の第3焦点距離と、前記水晶体と前記眼の硝子体とにより形成される中間透光体の屈折率と、を用いて前記眼軸長を算出する構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記光源が出射した前記光線を前記可変焦点レンズに導き、前記眼で反射して前記可変焦点レンズを透過した前記反射光線を前記偏光ビームスプリッタに導くビームスプリッタを備える構成とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、眼軸長を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施例1に係る眼軸長測定装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、実施例1において光線が角膜で合焦した場合の光路部を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例1において光線が網膜で合焦した場合の光路部を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例1における可変焦点レンズの焦点距離に対する第1光検出器及び第2光検出器の出力信号強度を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例1における眼軸長の測定方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施例1における算出部による眼軸長の算出方法の一例を説明する図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、実施例1の変形例1及び変形例2における光路部を示す図である。
【
図8】
図8は、実施例2に係る眼軸長測定装置のブロック図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、実施例2における光路部を示す図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は、実施例2における算出部による眼軸長の算出方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例0018】
図1は、実施例1に係る眼軸長測定装置100のブロック図である。
図1において電気的な接続を破線で示している。
図1に示すように、眼軸長測定装置100は、光路部10と、制御部60と、表示部80と、記憶部82と、を備える。光路部10は、光源12と、可変焦点レンズ14と、偏光ビームスプリッタ16と、第1光検出器18と、第2光検出器20と、を含む。制御部60は、出射制御部62と、取得部64と、算出部66と、を含む。
【0019】
出射制御部62は、光源12を制御して、光源12から光線50(レーザ光)を出射させる。光源12は例えば赤外光(波長:780nm~900nm程度)の光線50を出射するLD光源である。光源12が出射する光線50は偏光ビームスプリッタ16に対してP偏光となる偏波方向を有する。以下において、光線50がP偏光とは全て上記の状態を指すものとする。なお、光源12は、例えば赤色光(波長:610nm~660nm程度)、緑色光(波長:515nm~540nm程度)、又は青色光(波長:440nm~480nm程度)の単色光若しくはこれらの少なくとも2つが合波された合波光である光線50を出射してもよい。このような光源12として、例えば赤色、緑色、及び青色のうち少なくとも1つのレーザダイオードチップと必要に応じて合成デバイスとを備える光源が挙げられる。
【0020】
光源12から出射された光線50は可変焦点レンズ14に入射する。可変焦点レンズ14は焦点距離を変化させることができる。可変焦点レンズ14は、取得部64の制御の下で焦点距離を変化させ、光線50の合焦位置を変化させる。可変焦点レンズ14を透過して眼70に入射した光線50は眼70で反射される。眼70で反射した反射光線52は可変焦点レンズ14を経由して偏光ビームスプリッタ16に入射する。
【0021】
偏光ビームスプリッタ16は、P偏光の光線とS偏光の光線とを別々の方向に導く。例えば、偏光ビームスプリッタ16は、P偏光の光線を透過して第1方向に導き、S偏光の光線を反射して第2方向に導く。眼70に入射する光線50がP偏光である場合、角膜で反射した反射光線52はP偏光のままであるのに対し、網膜で反射した反射光線52は楕円偏光になる。したがって、角膜で反射した反射光線52は、P偏光であることから、偏光ビームスプリッタ16を透過し、第1光検出器18で受光される。網膜で反射した反射光線52は、楕円偏光であることから、一部は偏光ビームスプリッタ16を透過するが、残りは偏光ビームスプリッタ16で反射し、第2光検出器20で受光される。第1光検出器18及び第2光検出器20は例えばAPD(アバランシェフォトダイオード)である。
【0022】
取得部64は、出射制御部62からの制御信号に基づき、可変焦点レンズ14の焦点距離を例えば最小から最大まで掃引する(変化させる)とともに、第1光検出器18及び第2光検出器20から出力信号を取得する。取得部64は、第1光検出器18の出力信号に基づいて光線50が眼70の角膜で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得し、第2光検出器20の出力信号に基づいて光線50が眼70の網膜で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得する。可変焦点レンズ14は、例えば液体レンズと圧電振動子を備える。可変焦点レンズ14の圧電振動子に電圧が印加されると、液体レンズの形状が変化することで可変焦点レンズ14の焦点距離が変化する。取得部64は、可変焦点レンズ14に印加する電圧を制御することで、可変焦点レンズ14の焦点距離を制御する。
【0023】
記憶部82は、可変焦点レンズ14に印加される電圧と可変焦点レンズ14の焦点距離との関係を示す情報が記憶されている。電圧の代わりに電流の情報が記憶されていてもよいし、焦点距離の代わりに屈折力の情報が記憶されていてもよい。記憶部82は、不揮発性メモリであり、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリである。取得部64は、第1光検出器18の出力信号に基づいて光線50が眼70の角膜で合焦していると判断したときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧を特定し、この電圧と記憶部82に記憶された情報とから光線50が眼70の角膜に合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得する。また、取得部64は、第2光検出器20の出力信号に基づいて光線50が眼70の網膜で合焦していると判断したときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧を特定し、この電圧と記憶部82に記憶された情報とから光線50が眼70の網膜に合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得する。算出部66は、取得部64が取得した可変焦点レンズ14の焦点距離を用いて眼70の眼軸長を算出する。表示部80は眼軸長の算出結果を表示する。表示部80は例えば液晶ディスプレイ等である。
【0024】
出射制御部62、取得部64、及び算出部66は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムと協働し処理を行ってもよい。出射制御部62、取得部64、及び算出部66は、専用に設計された回路でもよい。出射制御部62、取得部64、及び算出部66は、1つの回路でもよいし、異なる回路でもよい。
【0025】
図2は、実施例1において光線50が角膜71で合焦した場合の光路部10を示す図である。
図3は、実施例1において光線50が網膜72で合焦した場合の光路部10を示す図である。
図2及び
図3に示すように、光源12はP偏光の光線50を出射する。光源12が出射した光線50はレンズ22を透過する。レンズ22は光線50を拡散光から平行光に変換する集光レンズである。平行光は、完全な平行光の場合に限られず、僅かに集束又は発散しているような略平行光の場合も許容する(以下においても同じ)。レンズ22を透過した光線50はビームスプリッタ24を透過して可変焦点レンズ14に入射する。ビームスプリッタ24は例えばハーフミラーである。
【0026】
可変焦点レンズ14は、取得部64(
図1参照)の制御の下、焦点距離を例えば最小から最大まで掃引する。可変焦点レンズ14の焦点距離が変化することで、光線50が角膜71で合焦する場合と網膜72で合焦する場合とが生じる。
【0027】
図2に示すように、光線50が角膜71で合焦する場合、角膜71で反射した反射光線52は、可変焦点レンズ14によって平行光に変換され、ビームスプリッタ24で反射して偏光ビームスプリッタ16に入射する。以下において、角膜71で合焦して反射した反射光線52を反射光線52aとする。偏光ビームスプリッタ16は、P偏光の光線を透過して第1方向に導き、S偏光の光線を反射して第2方向に導く性質を有する。P偏光の光線50が角膜71で反射した反射光線52aは、P偏光であるため、偏光ビームスプリッタ16を透過して第1方向に導かれる。
【0028】
偏光ビームスプリッタ16を透過した反射光線52aはレンズ26に入射する。レンズ26は集光レンズである。反射光線52aはレンズ26によって平行光から集束光に変換されて集光点30で集光する。集光点30に第1ピンホール部材28が設けられている。第1ピンホール部材28は、平行光の光線がレンズ26によって集束光に変換されて集光する集光点に予め設けられている。第1ピンホール部材28は反射光線52aを通過させるピンホール29を備える。第1ピンホール部材28を通過した反射光線52aは第1光検出器18で検出される。
【0029】
このように、P偏光の光線50が角膜71で合焦して角膜71で反射した反射光線52aは、P偏光のままであるため偏光ビームスプリッタ16を透過し、レンズ26によって集光点30に集光する。第1ピンホール部材28が集光点30に設けられていても、反射光線52aのほとんどは第1ピンホール部材28のピンホール29を通過して第1光検出器18で検出されるため、第1光検出器18の出力信号が大きくなる。一方、反射光線52a以外の反射光線は、第1ピンホール部材28で遮られる部分を有するため、第1光検出器18の出力信号は小さいままである。このため、第1光検出器18による反射光線52aの検出精度が向上する。
【0030】
図3に示すように、光線50が瞳孔73、水晶体74、及び硝子体75を通過して網膜72で合焦する場合、網膜72で反射した反射光線52は、可変焦点レンズ14によって平行光に変換され、ビームスプリッタ24で反射して偏光ビームスプリッタ16に入射する。以下において、網膜72で合焦して反射した反射光線52を反射光線52bとする。P偏光の光線50が網膜72で反射した反射光線52bは、眼70内の複屈折により楕円偏光になる。このため、反射光線52bの一部は偏光ビームスプリッタ16を透過して第1方向に導かれるが、残りは偏光ビームスプリッタ16で反射して第2方向に導かれる。
【0031】
偏光ビームスプリッタ16で反射した反射光線52bはレンズ32に入射する。レンズ32は集光レンズである。反射光線52bはレンズ32によって平行光から集束光に変換されて集光点36で集光する。集光点36に第2ピンホール部材34が設けられている。第2ピンホール部材34は、平行光の光線がレンズ32によって集束光に変換されて集光する集光点に予め設けられている。第2ピンホール部材34は反射光線52bを通過させるピンホール35を備える。第2ピンホール部材34を通過した反射光線52bは第2光検出器20で検出される。
【0032】
このように、P偏光の光線50が網膜72で合焦して網膜72で反射した反射光線52bは、楕円偏光になるため偏光ビームスプリッタ16で反射し、レンズ32によって集光点36に集光する。第2ピンホール部材34が集光点36に設けられていても、反射光線52bのほとんどは第2ピンホール部材34のピンホール35を通過して第2光検出器20で検出されるため、第2光検出器20の出力信号が大きくなる。一方、反射光線52b以外の反射光線は、第2ピンホール部材34で遮られる部分を有するため、第2光検出器20の出力信号は小さいままである。このため、第2光検出器20による反射光線52bの検出精度が向上する。なお、偏光ビームスプリッタ16を透過した反射光線52bは、反射光線52aと同様に第1ピンホール部材28を通過して第1光検出器18で検出される。
【0033】
図2及び
図3のように、角膜71で反射した反射光線52aと網膜72で反射した反射光線52bとを偏光ビームスプリッタ16によって別々の方向に導く構成としているのは、第1光検出器18による反射光線52aの検出精度及び第2光検出器20による反射光線52bの検出精度を向上させるためである。すなわち、角膜71と網膜72は眼軸長の長さだけ離れていることから、光線50が角膜71で合焦するときと網膜72で合焦するときとで可変焦点レンズ14の焦点距離に差が生じる。この場合に、反射光線52aと反射光線52bを偏光ビームスプリッタ16によって別々の方向に導くことで、反射光線52aの集光点30に第1ピンホール部材28を配置でき、かつ、反射光線52bの集光点36に第2ピンホール部材34を配置できる。これにより、第1光検出器18による反射光線52aの検出精度及び第2光検出器20による反射光線52bの検出精度が向上する。また、角膜71で反射した反射光線52aと網膜72で反射した反射光線52bとが異なる光検出器(第1光検出器18と第2光検出器20)で検出されるため、これによっても検出精度が向上する。例えば、後述するように反射光線52bの強度は小さいが、反射光線52bが反射光線52aを受光する第1光検出器18とは異なる第2光検出器20で受光されることで検出精度が向上する。
【0034】
図4は、実施例1における可変焦点レンズ14の焦点距離に対する第1光検出器18及び第2光検出器20の出力信号強度を示す図である。
図4の下段の図で第1光検出器18について示し、上段の図で第2光検出器20について示している。
図4において、横軸は可変焦点レンズ14の焦点距離、縦軸は第1光検出器18及び第2光検出器20の出力信号強度である。
図4に示すように、可変焦点レンズ14の焦点距離が変化すると、光線50の合焦位置が変化するため、第1光検出器18及び第2光検出器20の出力信号強度が変化する。
【0035】
例えば、可変焦点レンズ14の焦点距離がXのときに、光線50が角膜71で合焦する場合を想定する。この場合、
図2のように、角膜71で反射した反射光線52aは第1ピンホール部材28を通過して第1光検出器18で検出されるため、
図4のように、第1光検出器18の出力信号強度は大きくなる。反射光線52aは、第2光検出器20には入射されないことから、第2光検出器20の出力信号強度は小さいままである。
【0036】
例えば、可変焦点レンズ14の焦点距離がYのときに、光線50が網膜72で合焦する場合を想定する。この場合、
図3のように、網膜72で反射した反射光線52bは第2ピンホール部材34を通過して第2光検出器20で検出されるため、
図4のように、第2光検出器20の出力信号強度は大きくなる。反射光線52bは、第1光検出器18にも入射されることから、第1光検出器18の出力信号強度も大きくなる。この場合に、網膜72は角膜71に比べて光線を反射し難いことから、網膜72で反射した反射光線52bを受光する第1光検出器18及び第2光検出器20の出力信号強度は、角膜71で反射した反射光線52aを受光する第1光検出器18の出力信号強度より小さい。したがって、第1光検出器18は反射光線52aと反射光線52bの両方を受光するが、出力信号強度の大きさから反射光線52aを受光したか又は反射光線52bを受光したかを判別できる。すなわち、出力信号強度が所定値以上であれば、反射光線52aを受光したと判別できる。
【0037】
なお、
図4では、反射光線52bの光強度は反射光線52aの光強度より小さいことが分かり易くなるよう、反射光線52bを検出する第1光検出器18と第2光検出器20の出力信号強度(焦点距離Yでの出力信号強度)を同じにして図示している。しかしながら、第2光検出器20として反射光線52bを検出したときの出力信号強度が大きくなるような感度の高い光検出器を用いることが好ましい。
【0038】
第1光検出器18及び第2光検出器20の出力信号は取得部64に入力される。したがって、取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を掃引したときに第1光検出器18から取得した出力信号に基づいて、光線50が角膜71で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得することができる。すなわち、取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を掃引したときに第1光検出器18から取得した出力信号が最大であるときを光線50が角膜71で合焦するときと判断し、そのときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧から光線50が角膜71で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得することができる。同様に、取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を掃引したときに第2光検出器20から取得した出力信号に基づいて、光線50が網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得することができる。すなわち、取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を掃引したときに第2光検出器20から取得した出力信号が最大であるときを光線50が網膜72で合焦するときと判断し、そのときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧から光線50が網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離を取得することができる。
【0039】
[眼軸長の測定方法]
図5は、実施例1における眼軸長の測定方法の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、出射制御部62は光源12から光線50を出射させる(ステップS10)。光源12が出射する光線50はP偏光である。
【0040】
次いで、取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を例えば最大から最小まで掃引し、第1光検出器18及び第2光検出器20から出力信号を取得する(ステップS12)。次いで、取得部64は、第1光検出器18の出力信号が最大のときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧と、記憶部82に記憶された電圧と焦点距離との関係を示す情報と、に基づいて、可変焦点レンズ14の焦点距離f1cを取得する(ステップS14)。第1光検出器18の出力信号が最大のときは光線50が角膜71で合焦するときであることから、取得部64は、光線50が角膜71で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1cを取得することになる。
【0041】
次いで、取得部64は、第2光検出器20の出力信号が最大のときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧と、記憶部82に記憶された電圧と焦点距離との関係を示す情報と、に基づいて、可変焦点レンズ14の焦点距離f1rを取得する(ステップS16)。第2光検出器20の出力信号が最大のときは光線50が網膜72で合焦するときであることから、取得部64は、光線50が網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1rを取得することになる。
【0042】
次いで、算出部66は、取得部64が取得した焦点距離f1c及び焦点距離f1rを用いて眼軸長を算出する(ステップS18)。
【0043】
図6は、実施例1における算出部66による眼軸長の算出方法の一例を説明する図である。
図6に示すように、可変焦点レンズ14と角膜71を含む前眼部とは複数のレンズが組み合わされた合成光学系として考えることができる。ここで、可変焦点レンズ14と角膜71との間の距離をd、光線50が網膜72に合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離をf1r、角膜71と水晶体74により形成される前眼部の焦点距離をf2、水晶体74と硝子体75により形成される中間透光体の屈折率をnとする。
【0044】
この場合、合成焦点距離fは、f=(f1r×f2)/(f1r+f2-d)により求めることができる。距離dは光線50が角膜71に合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1cに等しいことから、合成焦点距離fは、f=(f1r+f2)/(f1r+f2-f1c)により求めることができる。
【0045】
合成光学系の主点と角膜71の主点との間の距離δは、δ=(f×d)/f1rにより求めることができる。したがって、距離δは、δ=(f×f1c)/f1rにより求めることができる。
【0046】
角膜71の主点から網膜72までの距離bは、b=f-δにより求めることができる。中間透光体の屈折率nを踏まえると、眼軸長Aは、A=b×nにより求めることができる。
【0047】
焦点距離f1c及びf1rは、
図5におけるステップS14及びステップS16において取得されている。前眼部の焦点距離f2及び中間透光体の屈折率nは、様々な文献で提案されていて、これらを参照して適切な値を採用すればよい。例えば以下のような文献が知られている。文献1:「水晶体内の屈折率分布、波長分散及びその温度変化について」、森岡藤光、奈良県立医科大学機関リポジトリ、1999年6月2日、pp287-293。文献2:「屈折率分布水晶体によるヒト模型眼」、劉龍輝 他2名、光学、30巻6号、2001年、pp407-413。文献3:「角膜の屈折率分布と波長分散に関する研究」、渡邉千博、奈良県立医科大学機関リポジトリ、1999年4月16日、pp241-251。
【0048】
図5のステップS18において、算出部66は、取得部64が取得した焦点距離f1c及び焦点距離f1rと、適切に設定した前眼部の焦点距離f2及び中間透光体の屈折率nを用いて、上記の計算式から眼軸長を算出する。次いで、算出部66は、算出した眼軸長を表示部80に表示する(ステップS20)。
【0049】
実施例1によれば、
図1、
図2、及び
図3のように、光源12から出射された光線50は、可変焦点レンズ14を透過して被検者の眼70に入射する。眼70で反射した反射光線52は、偏光ビームスプリッタ16に入射し、偏光ビームスプリッタ16を透過する第1方向と偏光ビームスプリッタ16で反射する第2方向とに導かれる。第1方向に導かれた反射光線52は第1光検出器18で検出され、第2方向に導かれた反射光線52は第2光検出器20で検出される。取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を変化させ、光線50が角膜71で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1c(第1焦点距離)を第1光検出器18の出力に基づいて取得し、光線50が網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1r(第2焦点距離)を第2光検出器20の出力に基づいて取得する。
【0050】
可変焦点レンズ14は焦点距離を高速で変化させることができるため、光線50が角膜71で合焦するときの焦点距離f1cと網膜72で合焦するときの焦点距離f1rを迅速に取得することができる。よって、焦点距離f1c及びf1rを取得している間に眼70の位置が動くことが抑制され、第1光検出器18及び第2光検出器20による反射光線52の検出精度が向上する。これに加えて、偏光ビームスプリッタ16によって反射光線52を第1方向及び第2方向に導く構成とすることで、上述したように、第1光検出器18及び第2光検出器20による反射光線52の検出精度が向上する。取得部64は、第1光検出器18及び第2光検出器20の出力に基づいて光線50が角膜71又は網膜72で合焦するときの焦点距離f1c及びf1rを取得することから、第1光検出器18及び第2光検出器20の検出精度が向上することで、焦点距離f1c及びf1rを精度良く取得することができる。算出部66は焦点距離f1c及びf1rを用いて眼軸長を算出することから、眼軸長を精度良く測定することができる。
【0051】
また、実施例1では、
図2のように、偏光ビームスプリッタ16を透過した反射光線52aが集光する集光点30に反射光線52aを通過させるピンホール29を有する第1ピンホール部材28が設けられている。第1光検出器18は第1ピンホール部材28を通過した反射光線52aを受光する。
図3のように、偏光ビームスプリッタ16で反射した反射光線52bが集光する集光点36に反射光線52bを通過させるピンホール35を有する第2ピンホール部材34が設けられている。第2光検出器20は第2ピンホール部材34を通過した反射光線52bを受光する。これにより、第1光検出器18の反射光線52aによる出力信号のピークが検出され易くなり、かつ、第2光検出器20の反射光線52bによる出力信号のピークが検出され易くなる。よって、第1光検出器18による反射光線52aの検出精度及び第2光検出器20による反射光線52bの検出精度が向上する。
【0052】
また、実施例1では、眼70に入射する光線50は偏光ビームスプリッタ16に対してP偏光となる偏波方向を有する。この場合、角膜71で反射した反射光線52aはP偏光のままで、網膜72で反射した反射光線52bは楕円偏光になる。偏光ビームスプリッタ16は、P偏光の反射光線52aを透過して第1方向に導き、S偏光の反射光線52bを反射して第2方向に導く。これにより、第1光検出器18は角膜71で反射した反射光線52aを検出するため、第1光検出器18の出力に基づいて光線50が角膜71で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1cを取得することができる。第2光検出器20は網膜72で反射した反射光線52bを受光するため、第2光検出器20の出力に基づいて光線50が網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1rを取得することができる。なお、光線50は偏光ビームスプリッタ16に対してS偏光となる偏波方向を有する場合でもよい。
【0053】
また、実施例1では、取得部64は、可変焦点レンズ14の焦点距離を掃引し、第1光検出器18の出力が最大になったときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1cを光線50が角膜71で合焦するときの焦点距離(第1焦点距離)として取得する。第2光検出器20の出力が最大になったときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1rを光線50が網膜72で合焦するときの焦点距離(第2焦点距離)として取得する。これにより、焦点距離f1c及びf1rを簡易にかつ迅速に取得することができる。
【0054】
また、実施例1では、算出部66は、光線50が角膜71又は網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1c及びf1rと、角膜71と水晶体74により形成される前眼部の焦点距離f2と、水晶体74と硝子体75により形成される中間透光体の屈折率n、とを用いて眼軸長を算出する。これにより、眼軸長を精度良く算出することができる。
【0055】
また、実施例1では、
図2及び
図3のように、光源12が出射した光線50を可変焦点レンズ14に導き、眼70で反射して可変焦点レンズ14を透過した反射光線52を偏光ビームスプリッタ16に導くビームスプリッタ24を備える。これにより、第1光検出器18による反射光線52aの検出精度及び第2光検出器20による反射光線52bの検出精度が向上する。
【0056】
なお、実施例1において、取得部64は、以下の方法によって、光線50が角膜71で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1cと、網膜72で合焦するときの可変焦点レンズ14の焦点距離f1rと、を取得してもよい。すなわち、取得部64は、第1光検出器18の出力信号が所定値以上の極大値となるように可変焦点レンズ14の焦点距離を調整する。若しくは、取得部64は、第2光検出器20の出力信号が大きくならないようにしつつ第1光検出器18の出力信号が極大値となるように可変焦点レンズ14の焦点距離を調整する。そして、取得部64は、第1光検出器18の出力信号が極大値となったときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧と、記憶部82に記憶された電圧と焦点距離との関係を示す情報と、に基づいて、可変焦点レンズ14の焦点距離f1cを取得してもよい。同様に、取得部64は、第2光検出器20の出力信号が極大値となるように可変焦点レンズ14の焦点距離を調整する。そして、取得部64は、第2光検出器20の出力信号が極大値となったときに可変焦点レンズ14に印加していた電圧と、記憶部82に記憶された電圧と焦点距離との関係を示す情報と、に基づいて、可変焦点レンズ14の焦点距離f1rを取得してもよい。
【0057】
[変形例]
図7(a)は、実施例1の変形例1における光路部を示す図、
図7(b)は、実施例1の変形例2における光路部を示す図である。
図7(a)及び
図7(b)では、偏光ビームスプリッタ16より後段の光路部について図示している。また、光線50が角膜71又は網膜72で合焦して反射した反射光線52a及び52b以外の反射光線である迷光54を図示している。
【0058】
図7(a)に示すように、実施例1の変形例1では、偏光ビームスプリッタ16とレンズ26の間にアパーチャ部材38が設けられ、偏光ビームスプリッタ16とレンズ32との間にアパーチャ部材40が設けられている。アパーチャ部材38及び40は光を通過させる開口39及び41を有する。偏光ビームスプリッタ16とレンズ26及び32の間にアパーチャ部材38及び40が設けられることで、迷光54の大部分がアパーチャ部材38及び40によって遮られる。よって、第1光検出器18及び第2光検出器20への迷光54の入射が低減され、第1光検出器18及び第2光検出器20による反射光線52a及び52bの検出精度が向上する。
【0059】
図7(b)に示すように、実施例1の変形例2では、アパーチャ部材38及び40の代わりに、遮光アパーチャ部材42及び45が設けられている。遮光アパーチャ部材42は遮光する中心部43の周囲に光を通過させる開口44を有する。同様に、遮光アパーチャ部材45は遮光する中心部46の周囲に光を通過させる開口47を有する。遮光アパーチャ部材42及び45が設けられることで、迷光54の中央部分が遮光アパーチャ部材42及び45によって遮られるため、迷光54が第1光検出器18及び第2光検出器20に入射することが抑制される。よって、第1光検出器18及び第2光検出器20による反射光線52a及び52bの検出精度が向上する。
【0060】
なお、アパーチャ部材及び遮光アパーチャ部材は、偏光ビームスプリッタ16と第1光検出器18の間及び偏光ビームスプリッタ16と第2光検出器20の間の両方に設けられる場合に限られず、一方にのみ設けられている場合でもよい。網膜72で反射した反射光線52bの光強度は、角膜71で反射した反射光線52aの光強度に比べて小さいことから、アパーチャ部材及び遮光アパーチャ部材は少なくとも偏光ビームスプリッタ16と第2光検出器20の間に設けられることが好ましい。
この場合、1/(d2-f1c)+1/d3=1/f3を満たすことから、d3=f3(d2-f1c)/(d2-f1c-f3)となる。d2は光学系の配置から得られる値、f3は選択した光学素子94の焦点距離から得られる値、f1cは第1光検出器18の出力信号に基づいて得られる値である。このように、d2、f3、及びf1cは全て既知の値であることからd3の値を得ることができる。
可変焦点レンズ14と光学素子94の合成光学系(以下、第1合成光学系と称す)の合成焦点距離f4は、f4=(f1r×f3)/(f1r+f3-d2)により求めることができる。d2及びf3は上述したように既知の値であり、f1rも第2光検出器20の出力信号に基づいて得られる値であるため既知の値である。したがって、f4の値は求められる。
ここで、可変焦点レンズ14に入射する光線50の半径をRとする。この場合、第1合成光学系を通過した後の光線50のNAは、NA=R/f4により求めることができる。また、光学素子94での光線50の半径R´は、R´=(R×(d2-f1r))/f1rにより求めることができる。光学素子94と第1合成光学系の焦点99との間の距離X1は、X1=(f4×R´)/Rにより求めることができる。光学素子94と第1合成光学系の主点98との間の距離X2は、X2=X1+f4により求めることができる。第1合成光学系の主点98と角膜との間の距離d4は、d4=X2+d3により求めることができる。
第1合成光学系と前眼部との合成光学系(以下、第2合成光学系と称す)の合成焦点距離f5は、f5=(f4×f2)/(f4+f2-d4)により求めることができる。前眼部において、1/f2=1/(d3+X1)+1/bを満たすことから、b={f2×(d3+X1)/(d3+X1-f2)となる。中間透光体の屈折率nを踏まえると、眼軸長Aは、A=b×nにより求めることができる。
なお、実施例1及びその変形例並びに実施例2では、光源を1つだけ備える場合を例に示したが、異なる波長の光線を出射する複数の光源を備える場合でもよい。この場合、複数の波長の光線それぞれにおいて眼軸長を測定し、その平均値を求めてもよい。これにより、眼軸長をより精度良く求めることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。