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2026-39560車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026039560
(43)【公開日】2026-03-09
(54)【発明の名称】車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/60 20170101AFI20260227BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20260227BHJP
【FI】
G06T7/60 200J
G06T7/00 650A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024143117
(22)【出願日】2024-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304036754
【氏名又は名称】国立大学法人山形大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 佳奈子
(72)【発明者】
【氏名】安田 宗樹
(72)【発明者】
【氏名】渡部 直生
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA04
5L096CA04
5L096CA14
5L096EA16
5L096EA26
5L096FA03
5L096FA06
5L096FA09
5L096FA10
5L096FA35
5L096FA62
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】車線の分岐地点及び合流地点において車線の幅方向の正確な中心線を生成できる車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置を提供する。
【解決手段】車両が走行する道路の車線の幅方向における中心位置の候補である中央候補点を生成し、生成した中央候補点のうち一の第1中央候補点と、第1中央候補点から車両の進行方向に所定距離未満離れた第2中央候補点とを接続する線の第1生成処理を繰り返して生成した第1候補線と、生成した中央候補点のうち一の第3中央候補点と、第3中央候補点から進行方向の反対方向に所定距離未満離れた第4中央候補点とを接続する線の第2生成処理を繰り返して生成した第2候補線とに基づき、車線の幅方向の中心線である車線中央線X1~X4を生成する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車線中央線生成装置により実行され、車線の幅方向の中心線である車線中央線を生成する車線中央線生成方法において、
前記車線中央線生成装置は、
前記車両が走行する道路の車線境界線を示す対象物の特徴点に関する情報から、前記道路の前記車線の前記幅方向における中心位置の候補である中央候補点を生成し、
前記中央候補点のうち一の第1中央候補点と、前記第1中央候補点から前記車両の進行方向に所定距離未満離れた第2中央候補点とを接続する線の第1生成処理を繰り返して生成した第1候補線と、前記中央候補点のうち一の第3中央候補点と、前記第3中央候補点から前記進行方向の反対方向に前記所定距離未満離れた第4中央候補点とを接続する線の第2生成処理を繰り返して生成した第2候補線とに基づき、前記車線中央線を生成する、車線中央線生成方法。
【請求項2】
前記車線中央線生成装置は、前記車線中央線を生成する場合に、前記第1中央候補点と前記第4中央候補点とが同じ前記中央候補点であり、前記第2中央候補点と前記第3中央候補点とが同じ前記中央候補点であるときは、前記第1候補線のうち前記第1中央候補点から前記第2中央候補点までの部分と、前記第2候補線のうち前記第3中央候補点から前記第4中央候補点までの部分とを統合する、請求項1に記載の車線中央線生成方法。
【請求項3】
前記車線中央線生成装置は、前記進行方向に分岐しない前記第1候補線と、前記反対方向に分岐しない前記第2候補線とを生成する、請求項1又は2に記載の車線中央線生成方法。
【請求項4】
前記車線中央線生成装置は、前記車両の前方に交差点が存在する場合は、前記交差点より手前側の範囲であって、前記車線の分岐地点と前記車線の合流地点とが存在しない前記範囲に含まれる前記中央候補点のうち最も前記手前側に存在する前記中央候補点を、前記第3中央候補点に設定する、請求項1又は2に記載の車線中央線生成方法。
【請求項5】
前記車線中央線生成装置は、
前記道路を表すリンク線に沿ったローカル座標系における前記特徴点の位置情報から、前記中央候補点を生成し、
前記ローカル座標系において前記第1生成処理及び前記第2生成処理を実行する、請求項1又は2に記載の車線中央線生成方法。
【請求項6】
前記車線中央線生成装置は、
前記第1候補線を生成する場合に、前記第1中央候補点から前記第2中央候補点に向かう第1直線上に存在する第5中央候補点を探索し、
前記第2中央候補点と前記第5中央候補点とを接続する線の前記第1生成処理を実行し、
前記第2候補線を生成する場合に、前記第3中央候補点から前記第4中央候補点に向かう第2直線上に存在する第6中央候補点を探索し、
前記第4中央候補点と前記第6中央候補点とを接続する線の前記第2生成処理を実行する、請求項1又は2に記載の車線中央線生成方法。
【請求項7】
前記車線中央線生成装置は、
前記道路を表すリンク線に沿ったローカル座標系における前記特徴点の位置情報から、前記道路に沿った所定区間ごとに車線境界線の近似線を生成し、
前記道路に沿った、前記所定区間より短い区間ごとに、前記近似線から、車線境界線に対応する境界候補点を生成し、
前記幅方向に隣り合う2つの前記境界候補点から前記中央候補点を生成する、請求項1又は2に記載の車線中央線生成方法。
【請求項8】
前記車線中央線生成装置は、前記所定区間ごとに前記近似線を生成する場合に、第1区間ごとに生成した前記近似線と、前記第1区間より短い第2区間ごとに生成した前記近似線とを重ね合わせる、請求項7に記載の車線中央線生成方法。
【請求項9】
前記車線中央線生成装置は、
前記第1中央候補点から最も近い前記近似線の傾きの方向に存在する前記第2中央候補点を探索し、
前記第3中央候補点から最も近い前記近似線の傾きの方向に存在する前記第4中央候補点を探索する、請求項7に記載の車線中央線生成方法。
【請求項10】
車線の幅方向の中心線である車線中央線を生成する車線中央線生成装置であって、
車両が走行する道路の車線境界線を示す対象物の特徴点に関する情報から、前記道路の前記車線の前記幅方向における中心位置の候補である中央候補点を生成し、
前記中央候補点のうち一の第1中央候補点と、前記第1中央候補点から前記車両の進行方向に所定距離未満離れた第2中央候補点とを接続する線の第1生成処理を繰り返して生成した第1候補線と、前記中央候補点のうち一の第3中央候補点と、前記第3中央候補点から前記進行方向の反対方向に前記所定距離未満離れた第4中央候補点とを接続する線の第2生成処理を繰り返して生成した第2候補線とに基づき、前記車線中央線を生成する、車線中央線生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路の車線区画線を検出する場合に、車両のカメラの撮像画像から道路のペイント線の候補を抽出し、ペイント線の候補を、既に車線区画線と認識された線につなげて区画線候補を生成し、車両の左側及び右側直近にある区画線候補を、車両が走行している自車線を区画する自車線区画線として選択し、選択した区画線候補が平行でないと判定したときは、選択した区画線候補のうち自車線の方向に対して差異が大きい方を自車線区画線から除外する車線区画線認識装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-191741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、カメラの撮像範囲において、車両の左右に存在する車線境界線の候補同士が平行であるか否かの判定を行い、判定結果に基づいて自車線の車線境界線を検出する。しかしながら、車線の合流地点及び分岐地点では、車線の形状が道路により異なり、車線境界線の候補である特徴点にノイズが含まれることも多い。そのため、上記従来技術では、カメラの撮像範囲など、ある特定の範囲のみに注目して車線境界線を検出する処理を実行しても車線境界線を正確に検出できない場合がある。その結果、車線の幅方向の正確な中心線が生成できないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車線の分岐地点及び合流地点において車線の幅方向の正確な中心線を生成できる車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両が走行する道路の車線の幅方向における中心位置の候補である中央候補点を生成し、生成した中央候補点のうち一の第1中央候補点と、第1中央候補点から車両の進行方向に所定距離未満離れた第2中央候補点とを接続する線の第1生成処理を繰り返して生成した第1候補線と、生成した中央候補点のうち一の第3中央候補点と、第3中央候補点から進行方向の反対方向に所定距離未満離れた第4中央候補点とを接続する線の第2生成処理を繰り返して生成した第2候補線とに基づき、車線の幅方向の中心線である車線中央線を生成することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車線の分岐地点及び合流地点において車線の幅方向の正確な中心線を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る車線中央線生成装置を含む運転支援システムの実施形態の一例を示すブロック図である。
図2図1の運転支援システムによる運転支援が実行される走行シーンの一例を示す平面図である。
図3図2の走行シーンにおいて抽出された特徴点の一例を示す平面図である。
図4図3に示す特徴点をリンク線に沿ったローカル座標系により表した場合の平面図である。
図5A図4に示す特徴点から生成された、車線境界線の近似線の一例を示す平面図である。
図5B図4に示す特徴点から生成された、車線境界線の近似線の他の例を示す平面図である。
図6図5A及び5Bに示す近似線から生成された境界候補点の一例を示す平面図である。
図7図6に示す境界候補点から生成された中央候補点の一例を示す平面図である。
図8A図7に示す中央候補点から生成された第1候補線の一例を示す平面図である。
図8B図7に示す中央候補点から生成された第2候補線の一例を示す平面図である。
図9図8Aに示す第1候補線と、図8Bに示す第2候補線とから生成された車線中央線の一例を示す平面図である。
図10A図1の運転支援システムにおける処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図10B図1の運転支援システムにおける処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[運転支援システムの構成]
図1は、本発明に係る車線中央線生成装置を含む運転支援システムの実施形態の一例を示すブロック図である。運転支援システムは、自律走行制御により、現在位置から乗員が設定した目的地までの走行経路を生成し、車両のアクチュエータを制御して走行経路に沿って車両を走行させる。自律走行制御とは、車両の走行動作の自律制御であり、走行動作には、加速、減速、発進、停車、転舵などのあらゆる走行動作が含まれる。
【0011】
図1に示すように、運転支援システム10は、地図データベース11、ナビゲーション装置12、撮像装置13、測距装置14及び運転支援装置15を備える。また、運転支援装置15は、その一部として車線中央線生成装置20を含む。これらの装置は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって通信可能に接続され、互いに情報を授受できる。
【0012】
地図データベース11は、地図情報が格納された記憶媒体であり、車内又は車外に設けられている。運転支援装置15は、必要に応じて地図データベース11から地図情報を取得する。地図情報は、車両の進行方向が変化する道路上の特定の地点(交差点など)に対応するノードと、ノード間を接続する道路区間に対応するリンクとの情報を含む。ノードの情報には、位置情報、交差点の進入及び退出に関する情報などが含まれ、リンクの情報には、幅員、道路の曲率半径、道路交通法規などが含まれる。地図情報は、車線ごとの道路情報に加え、道路の周囲の構造物や標識、信号機などの情報を含む高精度地図情報であってもよい。
【0013】
ナビゲーション装置12は、地図データベース11から取得された地図情報を参照し、図示しない測位システムにより検出された車両の現在位置から乗員により設定された目的地までの走行経路を生成する。走行経路は、少なくとも車両が走行する道路、走行車線及び車両の進行方向の情報を含み、例えば線形で表示される。算出された走行経路は、運転支援装置15により取得される。
【0014】
撮像装置13は、CCDなどの撮像素子を備えたカメラであり、車両の周囲の対象物を撮像し、対象物を含む画像を生成する。撮像装置13は、対象物を撮像できない死角の発生を抑制するため、車両のフロントグリル、サイドミラー、リアバンパなどに複数台設けられる。一方、測距装置14は、車両と対象物との相対距離及び相対速度を検出する。測距装置14には、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging)ユニットなどが含まれる。測距装置14は、対象物を検出できない死角の発生を抑制するため、一台の車両に複数台設けられる。
【0015】
運転支援装置15は、撮像装置13から画像情報を取得すると共に、測距装置14から対象物の位置情報を取得し、車両の周囲の対象物及び走行環境を認識する。撮像装置13及び測距装置14の検出する対象物は、道路とその周囲に存在する物体であり、道路の車線境界線、中央線、路面標識、中央分離帯、道路標識などが含まれる。また、対象物には、他の自動車(他車両)、自動二輪車、自転車、歩行者など、車両の走行に影響を与え得る障害物も含まれる。なお、運転支援装置15による情報の取得は、所定の時間間隔で(例えば0.1~1ミリ秒ごとに)実行される。
【0016】
測距装置14は、周囲の対象物の測距点に関する情報を車両の左右方向及び上下方向に二次元配列した点群データを生成してもよい。対象物の測距点とは、測距装置14との距離が測定された対象物上の点である。測距点の情報には、測距点の位置情報(測距点の座標の情報、測距装置14から測距点までの距離の情報など)に加えて、測距点における電磁波の反射率の情報が含まれていてもよい。測距装置14は、車両の左右方向に電磁波(ミリ波、赤外線、レーザーなど)を走査することで点群データを生成する。
【0017】
運転支援装置15は、運転支援システム10を構成する装置を制御して協働させ、車両の運転支援を実行する。運転支援装置15は、車両に搭載された装置を用いて、予め定められた範囲内で車両の走行動作を自律制御する。運転支援装置15により制御されない走行動作については、運転者による手動の操作が行われる。運転者が手動運転により車両を走行させる場合は、運転支援装置15は走行動作の自律制御を実行せず、運転者の操作により車両の走行動作が制御される。
【0018】
運転支援装置15は、例えばコンピュータであり、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)と、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行し、運転支援装置15が有する機能を実現するための動作回路である。なお、CPUに代えて又はCPUと共にMPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを用いてもよい。
【0019】
運転支援装置15は、その一部として車線中央線生成装置20を含む。車線中央線生成装置20は、車線の、道路の幅方向(以下、単に幅方向とも言う。)の中心線である車線中央線を生成する。車線中央線生成装置20は、道路を表したリンク線を含む地図情報を用いて車線中央線を生成してもよい。道路を表したリンク線とは、ノード間の道路区間に対応する道路の形状を示す線であり、例えば、道路区間ごとに一つのリンク線が設定されている。リンク線は、例えば、道路に沿った線であり、道路の幅方向の中心線上に位置している。なお、以下の説明では、道路の幅方向と車線の幅方向とは一致するものとする。
【0020】
リンク線には、所定距離ごとに(例えば1~3mごとに)ノードが配置されている。リンク線上のノードは、ノードの位置情報を有する。位置情報としては、地図情報で用いるグローバル座標系における座標の情報、所定方向とリンク線の向き(進行方向)とが成す角度の情報、リンク線上の一のノードから他のノードまでの走行距離の情報などが挙げられる。起点である一のノードは、例えば、走行経路の始点に最も近いノードである。所定方向としては、地図の北の方向、グローバル座標系の軸に沿った方向などが挙げられる。リンク線の向きとは、例えば、リンク線上のノードにおけるリンク線の接線方向である。ノード間の走行距離は、リンク線に沿って一のノードから他のノードまで移動した場合の移動距離として算出される。
【0021】
運転支援装置15は、車両の運転支援を実行する運転支援機能を有し、車線中央線生成装置20は、運転支援機能の一部として、車線中央線を生成する車線中央線生成機能を有する。ROMには、運転支援機能を実現するためのプログラムが格納され、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することで、車線中央線生成機能を含む運転支援機能が実現される。図1には、運転支援機能を実現する機能ブロックとして走行制御部16、特徴点抽出部21、候補点生成部22、候補線生成部23及び中央線生成部24を便宜的に抽出して示す。特徴点抽出部21、候補点生成部22、候補線生成部23及び中央線生成部24は、車線中央線生成機能を実現する機能ブロックであり、車線中央線生成装置20に含まれる。
【0022】
[運転支援装置の機能]
図2は、運転支援システム10による運転支援が実行される走行シーンの一例を示す平面図である。図2に示す走行シーンでは、地図情報で用いるグローバル座標系のX軸方向(図面の左右方向)に道路が延在し、車両Vが、車線W2の位置Pvを走行している。車両Vは、車線W2の前方に設定された目的地(図示しない)に向かって、自律走行制御によりX軸正方向に(図面の左側から右側に向かって)走行するものとする。なお、地図情報の座標系は、グローバル座標系に限られず、他の座標系であってもよい。
【0023】
図2に示す道路は、車線W1~W4と、車線境界線L1~L5とを有する。車線境界線L1,L3は実線であり、車線境界線L2,L4,L5は破線である。車線W1は、車線境界線L1,L2により画定され、合流位置J1において車線W2に合流する。車線W2は、合流位置J1の手前側では車線境界線L2,L3により画定され、合流位置J1から分岐位置J2までは車線境界線L1,L3により画定され、分岐位置J2から分岐位置J3までは車線境界線L1,L5により画定され、分岐位置J3から先は車線境界線L4,L5により画定される。車線W3は、分岐位置J2において車線W2から分岐する分岐線であり、車線境界線L3,L5により画定される。車線W4は、分岐位置J3において車線W2から分岐する分岐線であり、車線境界線L1,L4により画定される。なお、車線境界線の色は特に限定されず、白色、黄色(橙色)、緑色、青色などである。
【0024】
図2に示す走行シーンでは、走行制御部16は、車両Vの走行経路を生成し、車両Vが走行経路に沿って走行するように車両Vのアクチュエータを作動させる。走行制御部16は、アクチュエータを作動させる制御信号を生成し、アクチュエータに出力する。また、走行制御部16は、運転支援を実行する場合に、車線が合流する合流位置J1と、車線が分岐する分岐位置J2,J3とにおける車線の形状を正確に認識して車両Vを円滑に走行させるため、車両Vの前方に合流位置J1と分岐位置J2,J3との少なくとも一方が存在するか否かを判定し、車両Vの前方に合流位置J1と分岐位置J2,J3との少なくとも一方が存在すると判定した場合は、車線中央線生成装置20に車線中央線を生成する実行指示を出力する。
【0025】
走行制御部16から実行指示が入力されると、車線中央線生成装置20は、車線中央線の生成処理を開始する。まず、特徴点抽出部21は、車両Vの周囲に存在する対象物の特徴点の情報を取得する。特徴点とは、対象物の検出に利用する、対象物の特徴的な部分であり、対象物の輪郭を捉える縁部分、対象物の角部分、対象物において輝度が変化する部分などが挙げられる。特徴点抽出部21は、撮像装置13から画像を取得し、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)などの公知のアルゴリズムを用いて画像から特徴点を抽出する。また、特徴点抽出部21は、測距装置14から点群データを取得し、点群データから測距点をプロットした画像を生成し、生成した画像に対して特徴点を抽出する処理を実行してもよい。
【0026】
特徴点抽出部21は、車両Vに搭載されたセンサから、車両Vが走行している道路の車線境界線を示す対象物の特徴点の情報を取得する。センサとしては、撮像装置13、測距装置14などが挙げられる。車線境界線を示す対象物とは、白い実線、黄色い実線、白い破線などであり、対象物の特徴点の情報とは、白い実線のエッジの位置情報、黄色い実線の幅の情報、白い破線の進行方向の長さの情報などである。
【0027】
図3は、図2に示す走行シーンにおいて撮像装置13により撮像された画像から抽出された特徴点の一例を示す平面図である。図3に示すように、車線境界線L1~L5について、それぞれ、「●」、「◆」、「■」、「▲」及び「▼」で示す特徴点が抽出される。抽出された各特徴点は、特徴点の有する座標の情報に基づいてグローバル座標系のXY平面上に配置されている。なお、特徴点の数及び特徴点同士の間隔は、車線境界線を正確に検出できる範囲内で適宜の値を設定できる。
【0028】
特徴点抽出部21は、抽出された特徴点の位置情報のうち、リンク線を基準とした位置情報を取得する。特徴点の位置情報には、任意の座標系における特徴点の座標の情報、一の特徴点に対する他の特徴点の距離及び方向の情報などが含まれる。特徴点の、リンク線を基準とした位置情報としては、特徴点とリンク線(又はノード)との距離、特徴点に対するリンク線の方向などが挙げられるが、これらに限定されない。また、特徴点の、リンク線を基準とした位置情報には、リンク線に沿ったローカル座標系における特徴点の位置情報が含まれる。
【0029】
一例として、特徴点抽出部21は、特徴点の抽出に用いた情報の座標系(以下、原座標系とも言う。)における位置情報を取得する。撮像装置13により撮像された画像から特徴点を抽出した場合は、原座標系は、画像のスクリーン座標系である。次に、特徴点抽出部21は、原座標系の位置情報を、グローバル座標系の位置情報に変換する。例えば、特徴点抽出部21は、撮像装置13を中心とするカメラ座標系を用いて、スクリーン座標系における特徴点の座標を、ワールド座標系(グローバル座標系)における座標に変換する。
【0030】
次に、特徴点抽出部21は、グローバル座標系における位置情報を、ローカル座標系における位置情報に変換し、リンク線に沿ったローカル座標系における特徴点の位置情報を取得する。リンク線に沿ったローカル座標系とは、特徴点の位置情報を、リンク線からの距離と、所定のノードからの走行距離とで表す座標系である。特徴点抽出部21は、特徴点を、リンク線上の最も近いノードと関連付け、所定方向とリンク線の向きとが成す角度だけ、関連付けたノードを中心に回転させる。さらに、特徴点抽出部21は、回転させた特徴点を、回転中心のノードまでの走行距離分だけリンク線に沿って移動させる。
【0031】
図3に示すリンク線Kは、図2に示す道路に対して設定されたリンク線の一例である。リンク線Kは、道路に沿った線であり、道路の曲率などを示す。リンク線K上には「□」により示すノードが設けられ、各ノードは、グローバル座標系における座標の情報、起点であるノードからの走行距離の情報などを有する。例えば、対象とする一のノード(以下、対象ノードとも言う。)においてX軸方向とリンク線Kの接線方向とが成す角度(劣角の角度)がθであるとすると、対象ノードにおけるリンク線Kの向き(すなわち進行方向)Rは、以下の式(1)により表される。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、x及びyは、それぞれ、グローバル座標系における対象ノードのX座標とY座標である。この場合に、グローバル座標系における、対象ノードに関連付けられた特徴点(以下、対象特徴点とも言う。)の座標Prawが以下の式(2)により表されるとすると、グローバル座標系における対象特徴点の座標Prawを角度θだけ反時計回りの方向に回転した座標Pnodeは、以下の式(3)により表される。
【0034】
【数2】
【数3】
【0035】
ここで、x及びyは、それぞれ、グローバル座標系における対象特徴点のX座標とY座標である。そして、座標Pnodeをリンク線Kに沿って走行距離sだけ移動した座標Pwayは、以下の式(4)により表される。走行距離sは、始点のノードから対象ノードまでの走行距離である。
【0036】
【数4】
【0037】
図3に示す例では、特徴点抽出部21は、各特徴点をリンク線K上のノードに関連付ける。例えば、特徴点A1を、最も距離の近いノードBに関連付ける。次に、特徴点抽出部21は、図3に示すリンク線Kの向きとX軸方向とが一致しているため、特徴点A1を回転させず、そのまま、ノードBまでの走行距離分だけリンク線Kに沿って移動させる。特徴点抽出部21は、図3に示す各特徴点に対して上述した一連の処理を実行することで、図3に示す、グローバル座標系における特徴点の座標を、図4に示す、ローカル座標系における座標に変換する。図4のローカル座標系の縦軸は、特徴点とリンク線Kとの距離dを示し、横軸は、あるノード(始点となるノード)からの走行距離sを示す。
【0038】
特徴点抽出部21により抽出される特徴点には、図4に示すように、欠損が生じたりノイズが含まれていたりするため、車線の合流位置や分岐位置のように車線の幅が狭くなる部分では、特徴点の情報から車線の幅方向における中心位置を直接的に認識するのが難しい場合がある。そこで、車線の幅方向の中心線である車線中央線を生成するために、候補点生成部22は、車両Vが走行する道路の車線境界線を示す対象物の特徴点に関する情報から、車線の幅方向における中心位置の候補である中央候補点を生成する。
【0039】
中央候補点は、道路上のある位置において、車線の幅方向の中心位置と推定される位置に生成される。車線の幅方向の中心位置とは、車線を画定する2つの(又はそれ以上の)車線境界線から同じ距離となる位置を言う。中央候補点を生成するために、候補点生成部22は、道路を表すリンク線に沿ったローカル座標系(以下、単にローカル座標系とも言う。)における特徴点の位置情報から、道路に沿った所定区間ごとに車線境界線の近似線(以下、単に近似線とも言う。)を生成する。道路に沿った所定区間とは、例えば、リンク線に対して垂直な方向に区切られた区間である。所定区間の長さは、近似線を適切に生成できる範囲内で適宜の長さを設定できる。候補点生成部22は、例えば、所定区間ごとに、所定区間に含まれる特徴点に対して線形近似を行い、近似線を生成する。線形近似は、同じ車線境界線から抽出された特徴点ごとに行われてもよい。すなわち、候補点生成部22は、同じ車線境界線がタグ付けされた特徴点のグループごとに、線形近似により近似線を生成してもよい。
【0040】
そして、候補点生成部22は、道路に沿った、所定区間より短い区間ごとに、近似線から、車線境界線に対応する境界候補点を生成し、車線の幅方向に隣り合う2つの境界候補点から中央候補点を生成する。境界候補点は、車線境界線が存在する位置の候補であり、車線境界線が存在すると推定される位置に生成される。候補点生成部22は、近似線から境界候補点を生成する場合に、例えば、幅方向に沿い、近似線が存在する位置にピークが出現するヒストグラムを、所定区間より短い区間ごとに生成し、ヒストグラムのピーク位置に対応する位置に境界候補点を生成する。所定区間より短い区間は、所定区間と同様に道路に沿った区間であり、例えば、リンク線に対して垂直な方向に区切られた区間である。
【0041】
近似線を生成する場合に、所定区間を長く設定した場合は、所定区間を短く設定した場合よりも特徴点の欠損やノイズの影響を抑制できる。一方、近似線を生成する場合に、所定区間を短く設定した場合は、所定区間を長く設定した場合よりも正確な近似線を生成できる。そこで、候補点生成部22は、所定区間ごとに近似線を生成する場合に、特徴点の欠損やノイズの影響を抑制しつつ、近似線の正確性(精度)の低下を抑制するために、同じ道路に対して、第1区間と、第1区間より短い第2区間との2種類の区間を設定し、第1区間ごとに生成した近似線と、第2区間ごとに生成した近似線とを重ね合わせてもよい。
【0042】
図5A~5Bは、図4に示す特徴点から生成された、所定区間ごとの近似線の一例を示す平面図である。図5Aに示す例では、道路に沿って区間Y1~Y6が設定され、図5Bに示す例では、道路に沿って、区間Y1~Y6より短い区間Y11~Y22が設定されている。なお、区間Y1~Y6は、それぞれ同じ長さであり、区間Y11~Y22は、それぞれ同じ長さである。一例として、図5Aの区間Y2では、車線境界線L1に対応する特徴点A2~A3に対して近似線C1が生成され、車線境界線L2に対応する特徴点A4~A6に対して近似線C2が生成され、車線境界線L3に対応する特徴点A7~A10に対して近似線C3が生成されている。同様に、図5Bの区間Y13では、車線境界線L1に対応する特徴点A11に対して近似線C4が生成され、車線境界線L2に対応する特徴点A12~A13に対して近似線C5が生成され、車線境界線L3に対応する特徴点A14~A15に対して近似線C6が生成されている。
【0043】
候補点生成部22は、図5Aに示す区間Y1~Y6の各区間において生成された近似線と、図5Bに示す区間Y11~Y22の各区間において生成された近似線とを重ね合わせ、図6に示す近似線を生成する。候補点生成部22は、図6に示す近似線から境界候補点を生成するために、区間Y11~Y22より短い区間Z1~Z24を設定し、区間ごとに、近似線が存在する位置にピークが出現するヒストグラムを生成する。一例として、候補点生成部22は、区間Z5に対して、幅方向に沿い、近似線C1~C6が存在する位置にピークが出現するヒストグラムHを生成し、ヒストグラムHのピーク位置に対応する位置に境界候補点D1~D3を生成する。図6には、区間Z1~Z24ごとに生成された境界候補点を「〇」により示す。なお、区間Z24の右側の境界候補点は、区間Z24の右側に同じ長さの区間が存在すると仮定して生成された境界候補点である。
【0044】
候補点生成部22は、生成した境界候補点について、同じ区間に対して生成され、幅方向に隣り合う2つの境界候補点同士の距離を算出し、境界候補点同士の距離が閾値以上であるか否かを判定する。境界候補点同士の距離が閾値未満であると判定された場合は、候補点生成部22は、2つの境界候補点の中点の位置に中央候補点を生成する。一方、境界候補点同士の距離が閾値以上であると判定された場合は、候補点生成部22は、それぞれの境界候補点から閾値の1/2だけ幅方向の中心寄りの位置に、中央候補点を生成する。つまり、境界候補点同士の距離が閾値以上である場合は、走行距離(s)が同じ位置に、幅方向に並んだ2つの中央候補点が生成される。閾値には、車両Vが走行する道路の車線の幅方向の長さに応じた値を設定する。
【0045】
図7は、候補点生成部22により、図6に示す境界候補点から生成された中央候補点の一例を示す平面図である。一例として、幅方向に隣り合う境界候補点D1,D2の距離E1が閾値未満である場合は、候補点生成部22は、図7に示すように、境界候補点D1,D2の中点の位置に中央候補点F1を生成する。同様に、幅方向に隣り合う境界候補点D2,D3の距離E2が閾値未満である場合は、候補点生成部22は、境界候補点D2,D3の中点の位置に中央候補点F2を生成する。また他の例として、幅方向に隣り合う境界候補点D4,D5の距離E3が閾値以上である場合は、候補点生成部22は、境界候補点D4,D5のそれぞれから閾値の1/2だけ車線の幅方向の中心寄りの位置に、中央候補点F3,F4を生成する。すなわち、中央候補点F3は、境界候補点D4から閾値の1/2だけ境界候補点D5に向かって移動した位置に生成され、中央候補点F4は、境界候補点D5から閾値の1/2だけ境界候補点D4に向かって移動した位置に生成される。図7には、候補点生成部22により生成された中央候補点を「★」により示す。
【0046】
候補線生成部23は、中央候補点のうち一の第1中央候補点と、第1中央候補点から車両Vの進行方向(以下、単に進行方向とも言う。)に所定距離未満離れた第2中央候補点とを接続する線の第1生成処理を繰り返して第1候補線を生成する。また、候補線生成部23は、中央候補点のうち一の第3中央候補点と、第3中央候補点から車両Vの進行方向の反対方向(以下、単に反対方向とも言う。)に所定距離未満離れた第4中央候補点とを接続する線の第2生成処理を繰り返して第2候補線を生成する。所定距離は、第1候補線及び第2候補線が適切に生成できる範囲内で適宜の値を設定できる。また、候補線生成部23は、第2中央候補点を通る他の第1候補線が存在する場合は、第1生成処理を終了し、当該第2中央候補点を末端とする一の第1候補線を生成する。同様に、候補線生成部23は、第4中央候補点を通る他の第2候補線が存在する場合は、第2生成処理を終了し、当該第4中央候補点を末端とする一の第2候補線を生成する。
【0047】
第2中央候補点は、第1中央候補点から進行方向に最も近い位置に存在する中央候補点であってもよく、第4中央候補点は、第3中央候補点から反対方向に最も近い位置に存在する中央候補点であってもよい。候補線生成部23は、単一の第2中央候補点を設定してもよく、単一の第4中央候補点を設定してもよい。候補線生成部23は、進行方向に分岐しない(すなわち、進行方向に向かう分岐線を有しない)第1候補線を生成してもよく、反対方向に分岐しない(すなわち、反対方向に向かう分岐線を有しない)第2候補線を生成してもよい。また、候補線生成部23は、境界候補点(中央候補点)がリンク線に沿って並んだローカル座標系において第1生成処理と第2生成処理とを実行してもよい。これにより、第1候補線及び第2候補線の生成をより簡便に実行できる。
【0048】
図8Aは、候補線生成部23により、図7に示す中央候補点から生成された第1候補線の一例を示す平面図である。例えば、候補線生成部23は、中央候補点F5と、中央候補点F5からs軸正方向に最も近い位置に存在する中央候補点F6とを接続する線の第1生成処理を実行し、次に、中央候補点F6と、中央候補点F6からs軸正方向に最も近い位置に存在する中央候補点F7とを接続する線の第1生成処理を実行する。候補線生成部23は、この第1生成処理を繰り返し、中央候補点F5から中央候補点F8までの第1候補線M1を生成する。同様に、候補線生成部23は、中央候補点F9を始点として第1生成処理を繰り返し、中央候補点F9から中央候補点F10までの第1候補線M2を生成する。なお、第1生成処理の始点は、境界候補点を生成する場合に設定された区間(すなわち区間Z1~Z24)のうち、走行距離(s)が最も少ない位置に設定された区間(すなわち、図8Aのs軸の値が最も小さい区間)の境界候補点から生成された中央候補点とする。
【0049】
一方、図8Bは、候補線生成部23により、図7に示す中央候補点から生成された第2候補線の一例を示す平面図である。例えば、候補線生成部23は、中央候補点F8を始点として第2生成処理を繰り返し、中央候補点F8から中央候補点F5までの第2候補線N1を生成する。同様に、候補線生成部23は、中央候補点F11を始点として第2生成処理を繰り返し、中央候補点F11から中央候補点F12までの第2候補線N2を生成する。同様に、候補線生成部23は、中央候補点F13を始点として第2生成処理を繰り返し、中央候補点F13から中央候補点F14までの第2候補線N3を生成する。なお、第2生成処理の始点は、境界候補点を生成する場合に設定された区間のうち、走行距離(s)が最も多い位置に設定された区間(すなわち、図8Bのs軸の値が最も大きい区間)の境界候補点から生成された中央候補点とする。
【0050】
中央線生成部24は、第1候補線と第2候補線とに基づき、車線中央線を生成する。中央線生成部24は、第1候補線と第2候補線とを重ね合わせ、第1候補線と第2候補線とのうち、2つの候補線が重複する部分を一つの候補線に統合して車線中央線を生成する。具体的には、中央線生成部24は、第1中央候補点と第4中央候補点とが同じ中央候補点であり、第2中央候補点と第3中央候補点とが同じ中央候補点であるときは、第1候補線のうち第1中央候補点から第2中央候補点までの部分と、第2候補線のうち第3中央候補点から第4中央候補点までの部分とを統合する。
【0051】
中央線生成部24は、例えば、図8Aに示す第1候補線M1~M2と、図8Bに示す第2候補線N1~N3とから、図9に示す車線中央線X1~X4を生成する。図9に示す車線中央線X1は、第1候補線M1と第2候補線N1に対応する。すなわち、第1候補線M1と第2候補線N1は、各候補線が通る中央候補点が同じであるため、中央線生成部24により1つの車線中央線X1に統合されている。また、車線中央線X2,X3,X4は、それぞれ、第1候補線M2、第2候補線N2及び第2候補線N3に対応する。
【0052】
中央線生成部24は、生成した車線中央線に関する情報を、走行制御部16に出力する。中央線生成部24から車線中央線に関する情報が入力されると、走行制御部16は、生成された車線中央線に基づいて車両Vの走行軌道を生成し、生成した走行軌道に沿って車両Vを走行させる。
【0053】
候補線生成部23は、地図データベース11から取得した地図情報に基づいて、車両Vの前方の所定範囲に交差点が存在するか否かを判定してもよい。車両Vの前方の所定範囲に交差点が存在すると判定された場合は、候補線生成部23は、交差点より手前側の範囲であって、車線の分岐地点と車線の合流地点とが存在しない範囲に含まれる中央候補点のうち最も手前側に存在する中央候補点を、第3中央候補点に設定する。これにより、交差点の周囲において発生しやすい特徴点の欠損やノイズの影響を抑制できる。なお、所定範囲には、中央候補点が適切に生成できる適宜の範囲を設定する。
【0054】
候補線生成部23は、第1候補線を生成する場合に、第1中央候補点から第2中央候補点に向かう第1直線上に存在する第5中央候補点を探索し、第2中央候補点と第5中央候補点とを接続する線の第1生成処理を実行してもよい。なお、次に実行される第1生成処理では、第5中央候補点が新たな第1中央候補点となる。同様に、候補線生成部23は、第2候補線を生成する場合に、第3中央候補点から第4中央候補点に向かう第2直線上に存在する第6中央候補点を探索し、第4中央候補点と第6中央候補点とを接続する線の第2生成処理を実行してもよい。なお、次に実行される第2生成処理では、第6中央候補点が新たな第2中央候補点となる。
【0055】
候補線生成部23は、第1中央候補点から最も近い近似線の傾きの方向に存在する第2中央候補点を探索してもよく、第3中央候補点から最も近い近似線の傾き方向に存在する第4中央候補点を探索してもよい。例えば、図7に示す中央候補点F2から最も近い近似線が、図6に示す近似線C6である場合は、候補線生成部23は、近似線C6の傾き方向に存在する中央候補点を第2中央候補点として探索する。なお、近似線の傾きとは、例えば、ローカル座標系における、s軸の方向と近似線に沿った方向との成す角度により定義される。
【0056】
[運転支援システムにおける処理]
図10A~10Bを参照して、運転支援装置15が情報を処理する際の手順を説明する。図10A~10Bは、運転支援システム10において実行される情報処理を示すフローチャートの一例である。以下に説明する処理は、運転支援装置15(車線中央線生成装置20)が備えるプロセッサ(CPU)により所定の時間間隔で(例えば0.1~1ミリ秒ごとに)実行される。
【0057】
まず、図10AのステップS11にて、車線中央線生成装置20は、撮像装置13により撮像された画像から特徴点を抽出し、続くステップS12にて、画像の原座標系における特徴点の座標の情報を取得し、続くステップS13にて、取得した座標の座標系を原座標系からグローバル座標系に変換する。ステップS14にて、車線中央線生成装置20は、各特徴点をリンク線上の最も近いノードに関連付け、続くステップS15にて、グローバル座標系を、リンク線に沿ったローカル座標系に変換し、続くステップS16にて、ローカル座標系における特徴点の座標を取得する。
【0058】
ステップS17にて、車線中央線生成装置20は、道路に沿った所定区間を設定し、所定区間ごとに車線境界線の近似線を生成する。車線中央線生成装置20は、同じ道路に対して、異なる長さを有する複数の所定区間を設定する。ステップS18にて、車線中央線生成装置20は、所定区間より短い区間を設定し、当該区間ごとに近似線に応じたヒストグラムを生成する。すなわち、車線中央線生成装置20は、道路の幅方向に沿い、近似線が存在する位置にピークが出現するヒストグラムを、所定区間より短い区間ごとに生成する。ステップS19にて、車線中央線生成装置20は、ヒストグラムのピーク位置から境界候補点を生成し、続くステップS20にて、車線の幅方向に隣り合う2つの境界候補点同士の距離を算出する。
【0059】
ステップS21にて、車線中央線生成装置20は、算出した境界候補点同士の距離が、閾値以上であるか否かを判定する。境界候補点同士の距離が閾値未満であると判定された場合は、図10BのステップS22に進み、車線中央線生成装置20は、2つの境界候補点の中点の位置に中央候補点を生成する。これに対し、境界候補点同士の距離が閾値以上であると判定された場合は、図10BのステップS23に進み、車線中央線生成装置20は、各車線候補点から閾値の1/2だけ車線の幅方向の中心寄りの位置に、中央候補点を生成する。
【0060】
ステップS24にて、車線中央線生成装置20は、生成された中央候補点に対して第1生成処理を繰り返して第1候補線を生成し、続くステップS25にて、中央候補点に対して第2生成処理を繰り返して第2候補線を生成する。ステップS26にて、車線中央線生成装置20は、第1候補線と第2候補線とを統合して車線中央線を生成し、続くステップS27にて、ローカル座標系をグローバル座標系に変換する。そして、グローバル座標系における車線中央線の情報が出力される。
【0061】
[本発明の実施態様]
本実施形態によれば、車両が走行する道路の車線境界線を示す対象物の特徴点に関する情報から、前記道路の車線の幅方向における中心位置の候補である中央候補点を生成し、前記中央候補点のうち一の第1中央候補点と、前記第1中央候補点から前記車両の進行方向に所定距離未満離れた第2中央候補点とを接続する線の第1生成処理を繰り返して生成した第1候補線と、前記中央候補点のうち一の第3中央候補点と、前記第3中央候補点から前記進行方向の反対方向に所定距離未満離れた第4中央候補点とを接続する線の第2生成処理を繰り返して生成した第2候補線とに基づき、前記車線の前記幅方向の中心線である車線中央線を生成する車線中央線生成方法と、当該車線中央線生成方法を実行する車線中央線生成装置20とが提供される。これにより、車線の分岐地点及び合流地点において車線の幅方向の正確な中心線を生成できる。
【0062】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、車線中央線を生成する場合に、第1中央候補点と第4中央候補点とが同じ中央候補点であり、第2中央候補点と第3中央候補点とが同じ中央候補点であるときは、第1候補線のうち第1中央候補点から第2中央候補点までの部分と、第2候補線のうち第3中央候補点から第4中央候補点までの部分とを統合する。これにより、第1候補線と第2候補線の重複部分を削除できる。
【0063】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、進行方向に分岐しない第1候補線と、進行方向の反対方向に分岐しない第2候補線とを生成する。これにより、特徴点のノイズによる影響を抑制できる。
【0064】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、車両の前方に交差点が存在する場合は、交差点より手前側の範囲であって、車線の分岐地点と車線の合流地点とが存在しない範囲に含まれる中央候補点のうち最も手前側に存在する中央候補点を、第3中央候補点に設定する。これにより、交差点の周囲における特徴点のノイズによる影響を抑制できる。
【0065】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、道路を表すリンク線に沿ったローカル座標系における特徴点の位置情報から、中央候補点を生成し、ローカル座標系において第1生成処理及び第2生成処理を実行する。これにより、より正確な第1候補線と第2候補線とを生成できる。
【0066】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、第1候補線を生成する場合に、第1中央候補点から第2中央候補点に向かう第1直線上に存在する第5中央候補点を探索し、第2中央候補点と第5中央候補点とを接続する線の第1生成処理を実行し、第2候補線を生成する場合に、第3中央候補点から第4中央候補点に向かう第2直線上に存在する第6中央候補点を探索し、第4中央候補点と第6中央候補点とを接続する線の第2生成処理を実行する。これにより、より正確な第1候補線と第2候補線とを生成できる。
【0067】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、道路を表すリンク線に沿ったローカル座標系における特徴点の位置情報から、道路に沿った所定区間ごとに車線境界線の近似線を生成し、道路に沿った、所定区間より短い区間ごとに、近似線から、車線境界線に対応する境界候補点を生成し、幅方向に隣り合う2つの境界候補点から中央候補点を生成する。これにより、車線の分岐地点及び合流地点においてより正確な中央候補点を生成できる。
【0068】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、所定区間ごとに近似線を生成する場合に、第1区間ごとに生成した近似線と、第1区間より短い第2区間ごとに生成した近似線とを重ね合わせる。これにより、特徴点のノイズによる影響を抑制できる。
【0069】
本実施形態の車線中央線生成方法及び車線中央線生成装置20では、第1中央候補点から最も近い近似線の傾きの方向に存在する第2中央候補点を探索し、第3中央候補点から最も近い近似線の傾きの方向に存在する第4中央候補点を探索する。これにより、特徴点のノイズによる影響を抑制できる。
【符号の説明】
【0070】
10…運転支援システム、11…地図データベース、12…ナビゲーション装置、13…撮像装置、14…測距装置、15…運転支援装置、16…走行制御部、20…車線中央線生成装置、21…特徴点抽出部、22…候補点生成部、23…候補線生成部、24…中央線生成部、A1~A15…特徴点、B…ノード、C1~C6…近似線、D1~D5…境界候補点、E1~E3…距離、F1~F14…中央候補点、H…ヒストグラム、J1…合流位置、J2,J3…分岐位置、K…リンク線、L1~L5…車線境界線、M1~M2…第1候補線、N1~N3…第2候補線、V…車両、W1~W4…車線、X1~X4…車線中央線、Y1~Y6,Y11~Y22,Z1~Z24…区間
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B