(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026046747
(43)【公開日】2026-03-13
(54)【発明の名称】サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラム、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0635 20230101AFI20260306BHJP
【FI】
G06Q10/0635
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151515
(22)【出願日】2024-09-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、「プログラムマネージャー(PM)の育成・活躍推進プログラム」事業、「医薬品サプライチェーンストレス・テストの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130845
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100201020
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 信宏
(74)【代理人】
【識別番号】100140350
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和宏
(72)【発明者】
【氏名】大山 義仁
(72)【発明者】
【氏名】長岡 建太
(72)【発明者】
【氏名】長山 雅晴
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA06
(57)【要約】
【課題】 本開示は、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラム、装置及びシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本開示は、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップを実行させる、プログラムを提供する。また、同様な機能を有する装置及びシステムも提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップ
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
前記シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示するステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付けるステップ
を実行させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行させる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるステップ
を実行させる、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行させる、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
サプライチェーンのシミュレーションを実行するステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
前記シミュレーションの結果をユーザに提示するステップ
を実行させる、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記シミュレーションの結果が、製造量、単位時間当たりの製造量、製品在庫量、単位時間当たりの輸送量、輸送時間、輸送距離、輸送金額、及び輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
シナリオの保存及び/又は読み込みを行うステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
大規模言語モデル(LLM)の選択を行うステップ
を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
プロンプトの生成にRAG (Retrieval-Augmented Generation) が用いられる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項16】
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
RAGに利用されるデータベースを更新するステップ
を実行させる、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
サプライチェーンのリスク評価を支援するための装置であって、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するクエリ入力部と、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するプロンプト生成部と、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるリスクシナリオ生成部と、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するシナリオ提示部
を含む、装置。
【請求項18】
サプライチェーンのリスク評価を支援するためのシステムであって、1又は複数のコンピュータを含み、
前記1又は複数のコンピュータが、メモリと、前記メモリに接続されたプロセッサーとを含み、
前記プロセッサーが、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップ
を実行する、システム。
【請求項19】
請求項1に記載のプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラム、装置及びシステムに関する。より詳細には、本開示は、リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに作成したプロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを生成するプログラム、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
サプライチェーン(供給連鎖)とは、一般に、製品やサービスが消費者に届くまでの一連のプロセス及び活動を指す。このプロセスには、原材料の調達、生産、物流、流通、販売、そして最終的な顧客への配達などが含まれる。サプライチェーンは、複数の企業及び業者が連携して機能するネットワークであり、その目的は効率的かつ効果的に商品やサービスを提供することである。サプライチェーンは、企業の競争力及び顧客満足度を左右する重要な要素であり、効率的なサプライチェーン管理により、企業はコスト削減、リードタイムの短縮、リスク管理の強化を実現し、市場での競争優位性を確立することができる。
【0003】
サプライチェーンに混乱が生じるリスクとしては、例えば、地震、台風、洪水などの自然災害がサプライチェーンを中断させるリスク、政治的な変動や経済危機がサプライチェーンに影響を与えるリスク、サプライヤの倒産、品質問題、納期遅延などが影響するリスク、物流ネットワークの混乱、輸送手段の不足、インフラの故障などによるリスク、サプライチェーン管理システムへのサイバー攻撃による混乱のリスクなどがある。これらのリスク評価及び対策を総合的に実施することで、サプライチェーンの強靭性を高め、予期せぬ混乱に対応する準備を整えることが必要である。
【0004】
特開2019-86955(特許文献1)には、サプライチェーンに異常が発生した場合に、当該異常が事業に及ぼす影響を定量的に把握できるサプライチェーン管理システムが開示されており、より具体的には、このサプライチェーン管理システムは、サプライチェーンに関連するオーダーを記憶するオーダー記憶手段と、前記サプライチェーンを構成するノードおよびリンクに発生した異常の内容を既述した異常情報と、前記異常により影響を受ける被影響オーダーと影響レベルとを既述した被影響オーダー情報と、前記異常への対応状況を既述した対応情報を含むサプライチェーン情報を取得するサプライチェーン情報取得手段と、前記サプライチェーン情報から前記異常情報を抽出する異常情報抽出手段と、前記サプライチェーン情報から前記被影響オーダー情報を抽出する被影響オーダー情報抽出手段と、前記被影響オーダーに関連する関連オーダーの関連オーダー情報を抽出する関連オーダー情報抽出手段と、前記被影響オーダーおよび前記関連オーダーが被る影響レベルが所定の閾値を超えているか判定する影響レベル判定手段と、前記影響レベルが前記閾値を超えた前記被影響オーダーおよび前記関連オーダーをリスクオーダーとして抽出するリスクオーダー抽出手段と前記リスクオーダーを表示するリスクオーダー表示手段とを有することを特徴とするものである。このシステムは、上記の構成により、サプライチェーンに発生した異常により影響を受けるオーダーを抽出し、当該異常が各オーダーに及ぼす影響度を判定する。そして、影響が大きいと判定されたオーダーは、リスクオーダーとして記憶され、リスクオーダーの関連情報が表示装置に表示される。
【0005】
特開2017-211990(特許文献2)には、サプライチェーンネットワークと関連付けられたリスク(不確実性)を含む、サプライチェーンネットワークのビジュアルモデルを含む、モデル化ソリューションが開示されている。この文献に開示のビジュアルモデルは、論理ステーションと呼ばれる物理的サイトをノードとして示し、論理トランジットと呼ばれる物理的サイト間における材料の物理的輸送をリンクまたはパスとして示す。さらに、この文献に開示のモデル化ソリューションは、それぞれの物理的サイトから収集された供給データおよび生産データを含む、拡張サプライチェーン関連データ、ならびに外部ソース(例えば、外部アグリゲータ)から取得された、ロケーション関連データ(例えば、物理的サイトの環境的条件、地政学的条件、経済的条件、および技術的条件など)を入手する。そして、このモデル化ソリューションは、このサプライチェーン関連データを入手して、各示された物理的サイトと関連付けられたリスク、および表されたサプライチェーンネットワークの各パス上の材料のフローと関連付けられたリスクを識別し、評価する。この文献に開示のモデル化ソリューションは、ビジュアルモデルを構成するそれぞれの論理ステーションおよび論理トランジットにおける識別されたリスクを提示して、サプライチェーンネットワーク全体と関連付けられたリスク(ならびにリスクに寄与する特定の物理的サイトおよび物理的サイト間における特定の物理的輸送)のビジビリティを提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-86955
【特許文献2】特開2017-211990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サプライチェーン上のリスク評価をする際には、仮想の状況を想定する必要があるため、関係者の間で共通認識を持つことが難しい。そこで、影響範囲や影響の度合いを定量的に可視化し、リスクの評価や対策を支援するためのシミュレーションプログラム、又は装置若しくはシステムを提供できれば有益である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラム、装置、及びシステムを提供する。本開示は、より具体的な例示として、以下を提供する。
[実施形態1]
サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップ
を実行させる、プログラム。
[実施形態2]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるステップ
を実行させる、実施形態1に記載のプログラム。
[実施形態3]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行させる、実施形態2に記載のプログラム。
[実施形態4]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
前記シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示するステップ
を実行させる、実施形態1~3のいずれか一項に記載のプログラム。
[実施形態5]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付けるステップ
を実行させる、実施形態4に記載のプログラム。
[実施形態6]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行させる、実施形態5に記載のプログラム。
[実施形態7]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するステップ
を実行させる、実施形態1~6のいずれか一項に記載のプログラム。
[実施形態8]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるステップ
を実行させる、実施形態7に記載のプログラム。
[実施形態9]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行させる、実施形態8に記載のプログラム。
[実施形態10]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
サプライチェーンのシミュレーションを実行するステップ
を実行させる、実施形態1~9のいずれか一項に記載のプログラム。
[実施形態11]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
前記シミュレーションの結果をユーザに提示するステップ
を実行させる、実施形態10に記載のプログラム。
[実施形態12]
前記シミュレーションの結果が、製造量、単位時間当たりの製造量、製品在庫量、単位時間当たりの輸送量、輸送時間、輸送距離、輸送金額、及び輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額、及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つを含む、実施形態11に記載のプログラム。
[実施形態13]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
シナリオの保存及び/又は読み込みを行うステップ
を実行させる、実施形態1~12のいずれか一項に記載のプログラム。
[実施形態14]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
大規模言語モデル(LLM)の選択を行うステップ
を実行させる、実施形態1~13のいずれか一項に記載のプログラム。
[実施形態15]
プロンプトの生成にRAG (Retrieval-Augmented Generation) が用いられる、実施形態1~14のいずれか一項に記載のプログラム。
[実施形態16]
前記1又は複数のコンピュータに、さらに、
RAGに利用されるデータベース (DB) を更新するステップ
を実行させる、実施形態15に記載のプログラム。
[実施形態17]
サプライチェーンのリスク評価を支援するための装置であって、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するクエリ入力部と、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するプロンプト生成部と、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるリスクシナリオ生成部と、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するシナリオ提示部
を含む、装置。
[実施形態18]
前記装置が、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるシナリオ操作部
を含む、実施形態17に記載の装置。
[実施形態19]
前記装置が、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うシナリオ再学習部
を含む、実施形態18に記載の装置。
[実施形態20]
前記装置が、さらに、
前記シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示する部品提示部
を含む、実施形態17~19のいずれか一項に記載の装置。
[実施形態21]
前記装置が、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付ける部品操作部
を含む、実施形態20に記載の装置。
[実施形態22]
前記装置が、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、機械学習モデルの再学習を行う部品再学習部
を含む、実施形態21に記載の装置。
[実施形態23]
前記装置が、さらに、
シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するパラメータ提示部
を含む、実施形態17~22のいずれか一項に記載の装置。
[実施形態24]
前記装置が、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるパラメータ操作部
を含む、実施形態23に記載の装置。
[実施形態25]
前記装置が、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うパラメータ再学習部
を含む、実施形態24に記載の装置。
[実施形態26]
前記装置が、さらに、
サプライチェーンのシミュレーションを実行するシミュレーション実行部
を含む、実施形態17~25のいずれか一項に記載の装置。
[実施形態27]
前記装置が、さらに、
前記シミュレーションの結果をユーザに提示するシミュレーション結果提示部
を含む、実施形態26に記載の装置。
[実施形態28]
前記シミュレーションの結果が、製造量、単位時間当たりの製造量、製品在庫量、単位時間当たりの輸送量、輸送時間、輸送距離、輸送金額、及び輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額、及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値
のうちの少なくとも1つを含む、実施形態27に記載の装置。
[実施形態29]
前記装置が、さらに、
シナリオの保存及び/又は読み込みを行うシナリオ入出力部
を含む、実施形態17~28のいずれか一項に記載の装置。
[実施形態30]
前記装置が、さらに、
大規模言語モデル(LLM)の選択を行うLLM選択部
を含む、実施形態17~29のいずれか一項に記載の装置。
[実施形態31]
プロンプトの生成にRAG (Retrieval-Augmented Generation) が用いられる、実施形態17~30のいずれか一項に記載の装置。
[実施形態32]
前記装置が、さらに、
RAGに利用されるデータベースを更新するデータベース(DB)更新部
を含む、実施形態31に記載の装置。
[実施形態33]
サプライチェーンのリスク評価を支援するためのシステムであって、1又は複数のコンピュータを含み、
前記1又は複数のコンピュータが、メモリと、前記メモリに接続されたプロセッサーとを含み、
前記プロセッサーが、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップ
を実行する、システム。
[実施形態34]
前記プロセッサーが、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるステップ
を実行する、実施形態33に記載のシステム。
[実施形態35]
前記プロセッサーが、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行する、実施形態34に記載のシステム。
[実施形態36]
前記プロセッサーが、さらに、
前記シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示するステップ
を実行する、実施形態33~35のいずれか一項に記載のシステム。
[実施形態37]
前記プロセッサーが、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付けるステップ
を実行する、実施形態36に記載のシステム。
[実施形態38]
前記プロセッサーが、さらに、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行する、実施形態37に記載のシステム。
[実施形態39]
前記プロセッサーが、さらに、
シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するステップ
を実行する、実施形態33~38のいずれか一項に記載のシステム。
[実施形態40]
前記プロセッサーが、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるステップ
を実行する、実施形態39に記載のシステム。
[実施形態41]
前記プロセッサーが、さらに、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップ
を実行する、実施形態40に記載のシステム。
[実施形態42]
前記プロセッサーが、さらに、
サプライチェーンのシミュレーションを実行するステップ
を実行する、実施形態33~41のいずれか一項に記載のシステム。
[実施形態43]
前記プロセッサーが、さらに、
前記シミュレーションの結果をユーザに提示するステップ
を実行する、実施形態42に記載のシステム。
[実施形態44]
前記シミュレーションの結果が、製造量、単位時間当たりの製造量、製品在庫量、単位時間当たりの輸送量、輸送時間、輸送距離、輸送金額、及び輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つを含む、実施形態43に記載のシステム。
[実施形態45]
前記プロセッサーが、さらに、
シナリオの保存及び/又は読み込みを行うステップ
を実行する、実施形態33~44のいずれか一項に記載のシステム。
[実施形態46]
前記プロセッサーが、さらに、
大規模言語モデル(LLM)の選択を行うステップ
を実行する、実施形態33~45のいずれか一項に記載のシステム。
[実施形態47]
プロンプトの生成にRAG (Retrieval-Augmented Generation) が用いられる、実施形態33~46のいずれか一項に記載のシステム。
[実施形態48]
前記プロセッサーが、さらに、
RAGに利用されるデータベース (DB) を更新するステップ
を実行する、実施形態47に記載のシステム。
[実施形態49]
実施形態1~16のいずれか一項に記載のプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示のプログラムにおいて用いられうるRAGを用いたシナリオ生成の例を示している。
【
図2】
図2は、クエリにもとづくシナリオ生成の例を示している。
【
図3】
図3は、チャット形式でのシナリオ生成の例を示している。
【
図4】
図4は、本開示のプログラムにおいて用いられうる例示的なリスクシナリオ画面を示している。
【
図5】
図5は、本開示のプログラムにおけるシナリオ生成処理の例示的なフローチャートを示している。
【
図6】
図6は、本開示のプログラムにおいて用いられうる例示的な作成パレットと、部品ボックスから構成されるモデル作成パネルを示している。
【
図7】
図7は、本開示のプログラムにおいて用いられうる例示的なシミュレーション実行画面を示している。
【
図8】
図8は、本開示のプログラムにおいて用いられうる例示的なシミュレーション結果画面を示している。
【
図9】
図9は、本開示のプログラムの例示的なプログラム論理構成を示している。
【
図10】
図10は、本開示のプログラムの例示的なフローチャートを示している。
【
図11】
図11は、本開示の実装に用いられうる例示的なコンピュータの概略構成を示している。例示的なコンピュータ(100)は、制御部(101)、記憶部(102)、周辺機器I/F部(103)、入力部(104)、表示部(105)、通信部(106)、バス(110)を含んでいる。このコンピュータ(100)はネットワーク(120)を介して外部サーバ(130)及びデータベース(140)に接続しうる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラム
本開示は、1つの態様において、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラムに関する。
【0011】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、物質(例えば、医薬品)の製造を行うメーカから中間卸業者や小売店 (医療機関含む) を経由し、最終消費者に届くまでのサプライチェーンにおいて、インシデントが発生し製造物がサプライチェーン上で不足する脅威の影響の大きさ (範囲と金額に代表される規模) と発生頻度 (蓋然性) で表されるリスクを評価することを支援することができる。
【0012】
本明細書において使用される場合、「サプライチェーン」とは、商品やサービスが消費者に届くまでの一連の流れを指す。サプライチェーンには、原材料の調達から製品の製造、配送、そして最終的な消費者への販売までの各段階が含まれている。サプライチェーンでは、企業間の協力及び効率性を高めることで、コスト削減、リードタイムの短縮、顧客満足度の向上、社会基盤の安定を通じ国民生活の質の向上が目指される。本明細書の文脈において、サプライチェーンは、例えば、医薬品のサプライチェーンでありうる。
【0013】
サプライチェーンの主な要素としては、調達、製造、配送、及び小売が挙げられる。調達は、原材料や部品を必要な品質と量で供給者から購入するプロセスである。製造は、調達した材料を使用して製品を生産するプロセスである。配送は、完成した製品を倉庫及び配送センターなどから顧客や小売業者へ輸送するプロセスである。小売は、製品を最終的な消費者に販売する段階である。これらの各段階は、情報、物理的な製品、及び資金の流れと密接に連携している。効果的なサプライチェーン管理は、これらの流れをスムーズにし、不測の事態や需要の変動に迅速に対応できる柔軟性を企業に提供する。サプライチェーンの最適化により、全体的な運営コストを削減し、市場での競争力を高めることができる。
【0014】
本開示の文脈において、「リスク評価」とは、例えば、サプライチェーンに影響するインシデント(例えば、自然災害、政治的不安、サプライヤの倒産、技術的障害、市場の変動など)が発生した際に、製造物がサプライチェーン上で不足する脅威の影響の大きさ (影響範囲及び金額に代表される規模) と発生頻度 (蓋然性) で表されるリスクを評価することを含む。本発明のプログラムは、そのようなリスク評価を支援するための情報をユーザに提供することができる。
【0015】
本開示に係るプログラムは、例えば、製造リードタイム、各レイヤーの初期在庫等を変数として、在庫量の変化をシミュレーションする機能等を備えている。本開示に係るプログラムにおいて実装されうる主要な機能には、例えば、在庫の定義を選択肢から選んでシミュレーション実行する機能(例えば、前年平均在庫の3か月分、直近3か月の平均×3か月分等、平時の各レイヤー在庫の指定方法は、あらかじめ用意しておいた定義に応じて選択できる)、リスクシナリオ生成機能 (蓋然性や影響範囲を例示する、カテゴリ毎にリスクを提示(カテゴリを分類し、原因を分解して発生頻度を計算する)、過去の事例から発生頻度や影響を表示させる(フォルトツリー分析(Fault Tree Analysis)等)、シナリオから定式化する機能 (シミュレーションモデル生成) 機能(各レイヤー(メーカーから医療機関)のビルディングブロックを繋ぎ合わせて、サプライチェーンのネットワーク図を作成する、下流から上流に向かっての情報フィードバック、等)、リスクシミュレーション機能(作成した数式 (シミュレーションモデル) を元に計算を実行し、在庫の定義を選択肢から選んでシミュレーション実行する、等)、ユーザインターフェース機能(リスクキーワード入力、シナリオ選択機能、計算パラメータ入力、シミュレーション実行、停止ボタン、等)、及び可視化する機能(各レイヤーの在庫量を時系列にグラフ表示する、地図上にマッピングされたレイヤー倉庫をもとに、在庫量の変動を動的に (アニメーション) に表示する、リスクの影響範囲を色で示す、等)が含まれうる。いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、リスクシナリオに応じてサプライチェーンの構造を構成し、例えば、リスクに応じた在庫の時間変化を可視化することで、在庫保有量に関する関係者の議論を支援することや、地図上に輸送量や輸送経路をマッピングすることで、代替輸送経路に関する関係者の議論を支援することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、リスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップを実行させる、プログラムでありうる。なお、本明細書では「リスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文」を単に「クエリ」と言う場合がある。
【0017】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップを実行させる、プログラムでありうる。ユーザによる入力は、例えば、キーボードによる入力、音声による入力、又はテキストファイル、画像などのデータによる入力でありうる。本開示のプログラムを実行する1又は複数のコンピュータには、これらの入力を取得するための機能が備わっている。
【0018】
本開示の文脈において、「リスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文」の例としては、以下が挙げられる。
例 1「製品Aの需要予測を誤ったことにより在庫が不足するリスクシナリオを作成せよ。」
例 2「大規模地震が発生し、希少疾患治療薬に影響のあるシナリオを作成せよ。」
例 3「卸でサイバー攻撃にあい、基幹システムがダウンしたときのシナリオを作成せよ。」
【0019】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、リスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)に入力するプロンプトを生成するステップを実行させる、プログラムでありうる。
【0020】
本開示の文脈において、大規模言語モデル (LLM) の例としては、GPT(Generative Pre-trained Transformer)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、T5(Text-to-Text Transfer Transformer)、及びLlama(Large Language Model Meta AI)などが挙げられる。本明細書において用いられる場合、「大規模言語モデル(LLM)」とは、膨大な量のテキストデータを学習して、人間の言語を生成することができるAIモデルのことを指す。これらのモデルは、自然言語処理(NLP)の分野で広く使用されており、テキストの要約、翻訳、質問応答、テキスト生成など多岐にわたるタスクに活用されている。LLMは、一般的に、インターネット上で入手可能な書籍、記事、ウェブサイトなどから収集された数十億もの単語を含むデータセットを使用して訓練されている。これらのモデルは通常、多層のトランスフォーマーと呼ばれるニューラルネットワークアーキテクチャを使用している。このアーキテクチャは、文脈に富んだ情報を処理するのに特に適している。さらに、訓練されたモデルは、特定のタスクに対して微調整 (ファインチューニング) されることで、さまざまな言語関連タスクに適応することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムにおいて使用されるLLMは、リスクシナリオの作成についてファインチューニングされたものでありうる。ファインチューニングにおいて、当該サプライチェーンに関連して過去に発生したインシデントに関する情報、当該組織に蓄積している組織内の知見や障害発生記録情報、一般に公開されている失敗知識データベース (https://www.shippai.org/fkd/index.php) や一般ニュース等からサプライチェーンに関連するリスク情報を用いることが考えられる。収集した情報(データセット)を用いてモデルの再学習を行うことにより、所望のタスク(リスクシナリオの作成)に対するパフォーマンスを向上させることができる。また、いくつかの実施形態において、本開示のプログラムにおいて使用されるLLMは、リスクシナリオの作成について転移学習されたものでありうる。転移学習においては、事前学習済みモデルの重みを初期値として、新しいタスクに対してモデルの再学習が行われる。転移学習はファインチューニングの一部ともみなされうる。
【0022】
本明細書において用いられる場合、大規模言語モデル (LLM) に入力される「プロンプト」とは、モデルに対して提供されるテキスト入力のことを指す。このプロンプトは、モデルが応答を生成するための出発点又は指示となり、どのような内容のテキストを生成するか、又はどのような質問に答えるかを定める。プロンプトの役割としては、例えば、言語モデルに対して特定のトピックやタスクに焦点を当てるよう指示して、方向性を提供することがある。入力されたプロンプトは、生成されるテキストの文脈を決定し、モデルが参照する情報の範囲を指示しうる。また、プロンプトは、モデルに対して文章を生成する形式(例えば、質問に対する答え、要約など)を指示しうる。
【0023】
本開示のプログラムでは、リスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに、大規模言語モデル (LLM) に入力するプロンプトが作成されうる。プロンプトは、ユーザが入力したリスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文そのものであってもよいし、入力に対して何らかの改変が加えられていてもよい。大規模言語モデル(LLM)に入力するプロンプトを工夫して、モデルが望ましい出力を生成するようにする手法は、プロンプトエンジニアリングと呼ばれる。いくつかの実施形態では、タスクに対するいくつかの例をプロンプトに含めておき、それに基づいてモデルに推論させてもよい。このような手法は、フューショット学習とも呼ばれる。フューショット学習は、いくつかの例を提示することでモデルのパフォーマンスを向上させうる。また、いくつかの実施形態において、大規模言語モデル (LLM) に入力するプロンプトは、RAG (Retrieval-Augmented Generation) を用いて作成されうる。RAG(Retrieval-Augmented Generation) は、ユーザが入力した質問に関連する情報をRAGデータベースから検索し、元の質問 (プロンプト) と検索した関連情報を組み合わせて、大規模言語モデル(LLM)に質問を入力する。関連情報を組み合わせることで、正確で詳細な応答を生成する方法である。上記ファインチューニングはRAG機能において実施することも可能であり、ファインチューニングに関して上に述べた情報をRAGのDBに蓄積することで実現されうる。
図1は、本開示のプログラムにおいて用いられうるRAGを用いたシナリオ生成の例を示している。RAGを用いることで、リアルタイムで外部情報を取得し、LLMへ質問を投げることができ、LLM学習コストを下げることに加えて、最新の情報を反映させることが可能となる。
【0024】
本開示の文脈において、リスクキーワード又はリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに作成されるプロンプトの例としては、以下が挙げられる。
例 1「製品Aの需要予測を誤ったことにより在庫が不足するリスクシナリオを作成して。」
例 2「大規模地震が発生し、希少疾患治療薬に影響のあるシナリオを作成して。」
例 3「医薬品卸業者がサイバー攻撃にあい、基幹システムがダウンしたときのシナリオを作成せよ。」
例 4「製品Aを新規販売する際、製造量の計画値を読み誤り、欠品が発生するリスク例を示す。」
例 5「もともと製造が限られる希少疾患治療薬におい、原材料が適切なタイミングで調達できないリスクの例を列挙せよ。」
例 6「台風等の自然災害の発生により当社工場が被災し、製造ができないリスクの例を列挙せよ。」
例 7「地震の発生により、xx地域の幹線道路が寸断したために、物流機能がマヒするリスクの例を列挙せよ。」
【0025】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップを実行させる、プログラムでありうる。
【0026】
いくつかの実施形態では、LLMに適切なプロンプトを入力することにより、1又は複数のリスクシナリオが生成される。
図2は、クエリにもとづくシナリオ生成の例を示している。本開示の文脈において、例3のプロンプトに対するリスクシナリオの例として、以下のような結果が出力される。
例 3-1「卸の基幹システムがダウンしたことにより、医薬品の受発注が行うことができなくなったことで、医療機関への配送が出来なくなってしまった。」
例 3-2「基幹システムが3日間ダウンし、システムを介さない受発注処理を試みたが、Fax受注を受け付けているメーカが少なくなってきていることから、平時の3割程度の発注しか行うことができなくなった。復旧までに1週間程度かかると想定される。このインシデントが発生する蓋然性は、0.001 (1000年に一度) 程度である。」
例 3-3「基幹システムのダウンした直後にインシュリン(要冷蔵品)の在庫数が不明になり、24時間以内に補充されるべき在庫が確認できず、一部の医療機関に対して、1週間の供給遅延が発生する。このインシデントが発生する蓋然性は、0.01 (100年に一度) 程度である。」
【0027】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップを実行させる、プログラムでありうる。ユーザへの提示は、例えば、LCDなどのディスプレイへの表示、プリンタへの出力、音声によるテキストの読み上げなど、任意の様式により行われうる。
図3には、チャット形式でのシナリオ生成の例が示されているが、表示形式はこれに限定されるものではない。
【0028】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、提示された1又は複数のシナリオの選択及び/又はそのシナリオの内容の修正を受け付けるステップを実行させる、プログラムでありうる。また、いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、さらに、ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、シナリオ生成に用いられる機械学習モデル(LLM)の再学習を行うステップを実行させる、プログラムでありうる。
【0029】
いくつかの実施形態において、シナリオの選択は、ユーザによりマニュアルで行われてもよいし、プログラムにより自動で行われてもよい。いくつかの実施形態では、LLMに対して別の選択肢となるシナリオを生成するようなプロンプトがさらに入力されてもよく、場合により、そのような入出力が繰り返し行われてもよい。また、いくつかの実施形態では、ユーザによるシナリオの選択を受け付けた結果をもとに、次回以降のシナリオ提示機能を学習する機能 (強化学習アルゴリズム) が、本開示のプログラムに備わっていてもよい。強化学習には、例えば、TD学習やActor-Criticアルゴリズムが用いられうる。
【0030】
強化学習(Reinforcement Learning)は、エージェントが環境と相互作用し、試行錯誤を通じて最適な行動を学ぶ機械学習の一分野である。エージェントは環境から状態を観測し、行動を選択する。選択した行動に対して、環境から報酬が与えられ、その報酬を基にエージェントは学習を進める。エージェントの目的は、長期的に最大の報酬を得られるように、最適な方策を見つけることであり、この過程でエージェントは探索と利用のバランスを取りながら、より良い行動を選択できるように成長する。
【0031】
TD学習(Temporal Difference Learning)は、強化学習における一つの手法であり、エージェントが未来の報酬予測を修正しながら学習を進める方法である。TD学習の特徴は、次の観測結果と予測結果を比較して誤差(TD誤差)を計算し、その誤差に基づいて状態の価値を更新する点にある。この方法は「ブートストラップ」と呼ばれ、既存の予測値を使って新しい予測を行う仕組みとなっている。TD学習はオンラインで価値関数を更新できるため、リアルタイムでの学習が可能である。TD学習は、強化学習の基本的なアルゴリズムであるQ学習やSARSAの基礎でもあり、エージェントが環境に適応し、より良い行動を学習するための重要な技術となっている。
【0032】
Actor-Criticアルゴリズムは、強化学習における別の手法であり、「アクター(Actor)」が行動方策を学習し、「クリティック(Critic)」がその行動を評価することで、エージェントがより良い行動を学習する仕組みである。アクターが行動を選択し、クリティックがその結果を評価してフィードバックを行うことで、方策と価値関数の両方を更新する。これにより、学習の安定性が高まり、複雑な問題にも柔軟に対応できるのが特徴である。
【0033】
いくつかの実施形態において、シナリオの内容の修正は、ユーザによりマニュアルで行われてもよいし、プログラムにより自動で行われてもよい。いくつかの実施形態では、所望の修正がシナリオに加えられるようなプロンプトがLLMにさらに入力されてもよく、場合により、そのような入出力が繰り返し行われてもよい。また、いくつかの実施形態では、ユーザによるシナリオの内容の修正を受け付けた結果をもとに、次回以降のシナリオ提示機能を学習する機能 (強化学習アルゴリズム) が、本開示のプログラムに備わっていてもよい。
【0034】
図4に例示的なリスクシナリオ画面が示されている。いくつかの実施形態では、リスクキーワードや文書などのクエリを入力することで、大規模言語モデルがシナリオ候補を1又は複数生成し、その後、ユーザがそのシナリオを修正することができる。例えば、この処理は以下のようにして行われる。
1.リスクキーワードや文書などのクエリを入力し、シナリオ生成ボタンを押すと、シナリオ候補が表示される。
2.シナリオは大規模言語モデル(生成AIとも言う)が作成する。
3.シナリオ候補の選択にあるチェックボックスを選択し、シナリオ選択ボタンを推すと、シナリオ修正ボックスに内容が表示される。
4.シナリオ修正ボックスの内容を修正し、シナリオ決定ボタンを押下。
【0035】
図5に例示的なリスクシナリオ生成処理のフローチャートが示されている。
図5に示されているように、プロンプトの作成にはRAG技術が用いられてもよい。また、シナリオの選択および修正の際には、LLMとのやりとりが複数回繰り返されてもよい。さらに、この図には示されていないが、ユーザによるシナリオの修正内容は、LLMの再学習に使用されて、プログラムによるシナリオ提示機能が強化されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示するステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態では、これらの部品は、ディスプレイ上のグラフィカルインターフェイス(GUI)として、例えば、アイコンなどの形で提示される。部品の例としては、メーカ、中間卸業者、小売店、最終消費者等の登場人物を表す部品 (アイコン)、登場人物間の物質の流れを表す部品 (矢印)やその間の情報の流れを表す部品 (矢印)、メーカの製造量を表す部品、最終消費者の消費量を表す部品、中間卸業者や小売店の在庫保有量を表す部品等が挙げられる。いくつかの実施形態では、シナリオをもとに、プログラムが解析を行い、必要な部品を提示する。
【0037】
例えば、
図6に示されているように、作成パレットと、部品ボックスから構成されるモデル作成パネルが用意される。部品ボックスには、シミュレーションに用いられうる1又は複数の部品が配置される。ユーザは、部品ボックスに用意された部品を選択し、作成パレットに配置することで、シナリオに対応するサプライチェーンを可視化しながら、構成することができる。ユーザは、部品ボックスから必要な要素をマウス等の入力デバイスで選択し、ドラッグ・アンド・ドロップで、作成パレットに移動させうる。例えば、初めに、メーカ、中間卸業者、小売業者最終消費者を表すアイコンを、作成パレット上に配置する。次に、メーカから中間卸業者へのモノの流れを表す矢印をつなぐと共に、中間卸業者からメーカへの発注情報等の情報の流れを表す矢印をつなぐことができる。以下同様に構成要素間の関係をつなぎ合わせたネットワーク図が作成されうる。もしくは、プログラムが自動で作成したネットワークの構成に新しい部品を追加したり、不要な部品を削除したりすることができる。いくつかの実施形態では、本開示に係るプログラムは、サプライチェーンを構成する上で、誤った接続に対しては注意喚起を行い、構成要素間をつなぐことができないことをユーザに通知しうる。
【0038】
いくつかの実施形態では、大規模言語モデル (LLM) を用いて、シナリオが分析され、そのシナリオを表現するために必要なサプライチェーンの構成部品が提示される。部品の種類は、予め登録しておいたものの中から選択されうる。さらに、いくつかの実施形態では、部品と部品の間の接続に意味をなさない場合は、接続できないことが利用者に注意喚起される。いくつかの実施形態では、シナリオを表現するために必要となる部品は、大規模言語モデル (LLM) によって学習することで、適切な構成部品が提示される。すべての部品を提示すると数が多すぎるためにユーザが選択に戸惑うおそれがあるため、ユーザの利便性やシミュレーションのノウハウを持たない人でもシミュレーションが行えるような支援がプログラムにより提供されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、大規模言語モデル (LLM) を用いて、シナリオが分析され、そのシナリオを表現するためのサプライチェーンのネットワーク構成案が構成される。ネットワーク図に対応する数式を作成する際、部品間の接続は主に、重み付きの加算 (和:+) や減算 (差:-) で表現されうる。中間卸業者や小売店在庫の時間変動は、予め登録しておいた要素 (その要素の挙動を定式化しておいたもの) を加算や減算により構築する数式の各項目に対応させる。なお、在庫複数の構成要素が登場することで、作成される数式(モデル式)は、連立方程式や連立微分方程式により表されうる。
【0040】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付けるステップを実行させる、プログラムでありうる。また、いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、さらに、ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、部品の提示に用いられる機械学習モデルの再学習を行うステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態では、部品の選択及び/又は並び替えは、各部品を表すアイコンを作成パレット上でマウス等を使って組み合わせることで実現されうる。いくつかの実施形態では、部品間の接続が不適切な場合は、エラーが通知され、その場所に配置できないことがユーザに提示される。
【0041】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、シナリオを解析し、サプライチェーンの構成に必要な部品を抽出することができる。抽出は、ベクトル検索手法又はセマンティック検索手法を用いて行われうる。ベクトルデータベースの構築の際には、例えば、予め定義された (ルールベースの) 自然言語と数式の対応表を作り学習が行われるか、もしくは数式が記述されている学術論文等を学習データとして用いて機械学習が行われる。数式もしくは、数式の各項を自然言語でいうところの単語としてみなし、ベクトル空間上に埋め込み (Embedding) 文章または単語と数式または数式の各項の近さを計算することによりコサイン類似度等の手法を用いて検索を行う。いくつかの実施形態では、部品の選択及び/又は並び替えを受け付けた結果をもとに、次回以降の提示機能を学習する機能 (強化学習アルゴリズム) が、本開示のプログラムに備わっていてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、パラメータは、例えば、在庫保有期間、在庫回転率、在庫の処分/除却量、在庫の処分/除却率、平均在庫量、平均在庫率、単位時間当たりの製造量、製造リードタイム、及び輸送コスト (輸送時間、輸送金額、輸送距離等)、輸送経路の、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つでありうる。パラメータの提示は、例えば、大規模言語モデル(LLM)や強化学習などの機械学習モデルを用いて行うことができる。強化学習には、例えば、TD学習やActor-Criticアルゴリズムが用いられうる。
【0043】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるステップを実行させる、プログラムでありうる。また、いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、さらに、前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、パラメータの提示に用いられる機械学習モデルの再学習を行うステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、パラメータは、例えば、在庫保有期間、在庫回転率、在庫の処分/除却量、在庫の処分/除却率、平均在庫量、平均在庫率、単位時間当たりの製造量、製造リードタイム、及び輸送コスト (輸送時間、輸送金額、輸送距離等)、輸送経路のうちの少なくとも1つでありうる。
【0044】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、サプライチェーンのシミュレーションを実行するステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、サプライチェーンのシミュレーションはLLMにより生成されたシナリオに基づくものである。いくつかの実施形態において、サプライチェーンのシミュレーションには、ユーザによる選択及び/又は並び替えが行われた部品が用いられる。いくつかの実施形態において、サプライチェーンのシミュレーションには、ユーザによる選択及び/又は修正が行われたパラメータが用いられる。
【0045】
図7には、シミュレーションパラメータ修正機能、シミュレーション実行機能を実現するためのユーザインターフェースを備えた例示的なシミュレーション実行画面が示されている。この画面では、以下の機能が実現されうる。
1.モデル式表示パネルは、作成されたモデル式を表示する。
2.パラメータ表示パネルは、シミュレーションに用いるパラメータ情報を表示する。
3.パラメータ修正パネルに、シミュレーション条件を設定する。
4.パラメータ決定ボタンを押下すると、パラメータ表示に反映される。
5.シミュレーション実行ボタンを押下すると、シミュレーションが実行されると共に、シミュレーション結果画面に遷移する。
6.戻るボタンを押下するとモデル作成画面に戻る。
7.トップボタンを押下すると、トップページに戻る。
【0046】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、シミュレーションの結果をユーザに提示するステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、シミュレーションの結果は、例えば、サプライチェーン上の各要素における製品在庫量、製造量、単位時間当たりの製造量、単位時間当たりの輸送量、及び輸送時間、輸送距離、輸送金額、輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つを含んでいる。これら結果には、グラフや表による提示に加えて、GIS (Geographic Information System:地理情報システム) と連動し地図上に輸送経路や輸送時間、輸送金額、当該地点の在庫量を表示することが含まれうる。時間変化に応じた結果を示す場合は、アニメーション (動画) にて表示してもよい。シミュレーション結果は、当該リスクに対する対策として、最適な在庫量の決定や輸送ルートの変更を行うために活用されうる。加えて、リスク対策の検討や影響の大きさを見える化し、BCP(事業継続計画)の作成にも資する。
【0047】
図8には、シミュレーション結果を確認するためのユーザインターフェースを備えた例示的なシミュレーション結果画面が示されている。この画面では、以下の機能が実現されうる。
1.モデル式表示パネルは、実行に用いたモデル式を表示する。
2.パラメータ表示パネルは、実行に用いたパラメータ情報を表示する。
3.結果表示パネルは、シミュレーション結果の各種情報を表示する。
4.戻るボタンを押下するとモデル作成画面に戻る。
5.トップボタンを押下すると、トップページに戻る。
【0048】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、
ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、
リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、
プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、
出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップと、
ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるステップと、
前記シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示するステップと、
ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付けるステップと、
シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するステップと、
ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるステップと、
サプライチェーンのシミュレーションを実行するステップと、
前記シミュレーションの結果をユーザに提示するステップ
を実行させる、プログラムに関する。
【0049】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、シナリオの保存及び/又は読み込みを行うステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに接続された記憶装置に生成されたシナリオを保存することができる。また、いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに接続された記憶装置に保存されたシナリオを前記コンピュータのメモリに読み込むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、大規模言語モデル(LLM)の選択を行うステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、大規模言語モデル(LLM)は所望のタスクに応じて、ユーザによってマニュアルで、又はプログラムにより自動で選択されうる。
【0051】
いくつかの実施形態において、本開示のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、RAGに利用されるデータベースを更新するステップを実行させる、プログラムでありうる。いくつかの実施形態において、RAGに利用されるデータベースの更新は定期的に、例えば、毎日、毎週、又は毎月、実施されうる。
【0052】
本開示のプログラムの例示的なプログラム論理構成を
図9に示す。また、本開示のプログラムの例示的なフローチャートを
図10に示す。これらの図には明示されていないが、本開示のプログラムは、本プログラムが提示したリスクシナリオに対してユーザが修正した結果を学習し、次回以降のリスクシナリオ提示機能を自らが学習する機能 (強化学習機能) や、本プログラムが提示したシミュレーションに用いられる部品やシミュレーションパラメータをユーザが修正した結果を学習し、次回以降の提示機能を自ら学習する機能 (強化学習機能) をさらに有していてもよい。なお、本明細書において、本開示に係るプログラムの特徴として説明した事項は、以下に述べる装置及びシステムに対しても、適宜適用されうることが、当業者には理解されよう。
【0053】
サプライチェーンのリスク評価を支援するための装置
本開示は、1つの態様において、サプライチェーンのリスク評価を支援するための装置に関する。
【0054】
いくつかの実施形態において、本開示は、サプライチェーンのリスク評価を支援するための装置であって、ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するクエリ入力部と、リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するプロンプト生成部と、プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるリスクシナリオ生成部と、出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するシナリオ提示部を含む、装置に関する。
【0055】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さまざまな処理を行うプロセッサーと、プロセッサーに接続されたメモリを含みうる。いくつかの実施形態において、本開示の装置は、汎用のコンピュータにおいて本開示のプログラムを実行することにより実現されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示に係る装置は、本開示のコンピュータプログラムを記憶した記憶装置と接続され、前記プログラムの命令を実行することができるプロセッサーを含む装置である。
【0056】
いくつかの実施形態において、本開示に係る装置は、データを入力するための手段を含む。データを入力するための手段としては、例えば、キーボード、マウスなどが挙げられる。
【0057】
いくつかの実施形態において、本開示に係る装置は、データを入力するキーボード、マウスなどと接続され、かつ、記憶部としてのハードディスク、フラッシュメモリなどと接続され、かつ、ROM、RAMなどのメモリ(記憶手段)と接続された中央処理装置(CPU)などを含む。
【0058】
予測結果を含むデータを出力するための手段としては、例えば、モニター、プリンタなどが挙げられる。また、例えば、データを、ハードディスク、フラッシュメモリ、ROM、RAMなどの記憶手段に記憶させるための手段も出力手段として挙げられる。
【0059】
本開示に係る装置は、本開示に係るサプライチェーンのリスク評価を支援するためのプログラムを記憶する手段を含んでいてもよい。前記のプログラムを記憶する手段としては、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどが挙げられる。そのような記憶手段は、通信回線により接続したものであってもよい。すなわち、前記の本開示に係る装置は、前記のプログラムを記憶した手段を含むデバイスと通信回線により接続して得られるシステムの一部であってもよい。
【0060】
図11は、本開示に係る装置の例示的な実施形態を示した概略図である。
図11おいて、100はコンピュータであり、制御部101、記憶部102、周辺機器I/F部103、入力部104、表示部105、通信部106を備え、これらがバス110により接続される。なお、この構成は例示であり、適宜、様々な構成を採ることができる。
【0061】
制御部101は、CPM(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部102、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス110を介して接続された各装置を駆動制御し、コンピュータが行う処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータ100のブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部102、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部101が各種処理を行う際に使用するワークエリアを備える。記憶部102は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部101が実行するプログラム、その他各種データを格納する。
【0062】
周辺機器I/F (インターフェース) 部103は、コンピュータ100と周辺機器とを接続させるためのポートである。周辺機器I/F部103は、USBやBluetooth, IEEE1394やRS-232C等で構成される。なお、周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。入力部104は、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有し、コンピュータ100に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行う。表示部105は、液晶パネル等のディスプレイ装置に映像・画像等の表示を行うための論理回路乃至デバイスドライバーである。入力部104及び表示部105を、タッチディスプレイとして一体的に構成することもできる。
【0063】
通信部106は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク120との通信を媒介する有線又は無線の通信インターフェースである。バス110は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する通信経路である。ネットワーク120は、さらに外部サーバ130やデータベース(又はネットストレージ)140に接続されうる。
【0064】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、ユーザによる1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるシナリオ操作部を含みうる。いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うシナリオ再学習部を含みうる。
【0065】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示する部品提示部を含みうる。
【0066】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、ユーザによる1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付ける部品操作部を含みうる。いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、ユーザによる前記1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、機械学習モデルの再学習を行う部品再学習部を含みうる。
【0067】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するパラメータ提示部を含みうる。
【0068】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、ユーザによる1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるパラメータ操作部を含みうる。いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、ユーザによる前記1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うパラメータ再学習部を含みうる。
【0069】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、サプライチェーンのシミュレーションを実行するシミュレーション実行部を含みうる。
【0070】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、シミュレーションの結果をユーザに提示するシミュレーション結果提示部を含みうる。
【0071】
いくつかの実施形態において、シミュレーションの結果は、製造量、単位時間当たりの製造量、製品在庫量、単位時間当たりの輸送量、輸送時間、輸送距離、輸送金額、及び輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つを含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、シナリオの保存及び/又は読み込みを行うシナリオ入出力部を含みうる。
【0073】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、大規模言語モデル(LLM)の選択を行うLLM選択部を含みうる。
【0074】
いくつかの実施形態において、プロンプトの生成にはRAG (Retrieval-Augmented Generation) が用いられうる。
【0075】
いくつかの実施形態において、本開示の装置は、さらに、RAGに利用されるデータベースを更新するDB更新部を含みうる。
【0076】
サプライチェーンのリスク評価を支援するためのシステム
本開示は、1つの態様において、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのシステムに関する。
【0077】
いくつかの実施形態において、本開示のシステムは、サプライチェーンのリスク評価を支援するためのシステムであって、1又は複数のコンピュータを含み、前記1又は複数のコンピュータが、メモリと、前記メモリに接続されたプロセッサーとを含み、前記プロセッサーが、ユーザにより入力される1つ以上のリスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文を取得するステップと、リスクキーワードまたはリスクに関する質問文若しくは依頼文をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを生成するステップと、プロンプトを大規模言語モデルに入力して、1又は複数のリスクシナリオを出力させるステップと、出力された1又は複数のシナリオをユーザに提示するステップを実行する、システムに関する。いくつかの実施形態において、本開示のシステムに含まれるコンピュータのメモリ又は記憶装置には、本開示のプログラムが格納されており、プログラムが実行されると上記の各ステップが実行される。
【0078】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正を受け付けるステップを実行しうる。いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、ユーザによる前記1又は複数のシナリオの選択及び/又は内容の修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップを実行しうる。
【0079】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、シナリオをもとに、サプライチェーンのシミュレーションに用いられうる1又は複数の部品を提示するステップを実行しうる。
【0080】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、ユーザによる1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えを受け付けるステップを実行しうる。いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、ユーザによる1又は複数の部品の選択及び/又は並び替えにもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップを実行しうる。
【0081】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、シミュレーションに用いられうる1又は複数のパラメータをユーザに提示するステップを実行しうる。
【0082】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、ユーザによる1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正を受け付けるステップを実行しうる。いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、ユーザによる1又は複数のパラメータの選択及び/又は修正にもとづき、機械学習モデルの再学習を行うステップを実行しうる。
【0083】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、サプライチェーンのシミュレーションを実行するステップを実行しうる。
【0084】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、シミュレーションの結果をユーザに提示するステップを実行しうる。
【0085】
いくつかの実施形態において、シミュレーションの結果は、製造量、単位時間当たりの製造量、製品在庫量、単位時間当たりの輸送量、輸送時間、輸送距離、輸送金額、及び輸送経路、消費量、単位時間当たりの消費量、在庫廃棄量、在庫廃棄率、在庫廃棄金額及び発生頻度 (蓋然性) に対応したこれらの期待値のうちの少なくとも1つを含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、シナリオの保存及び/又は読み込みを行うステップを実行しうる。
【0087】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、大規模言語モデル(LLM)の選択を行うステップを実行しうる。
【0088】
いくつかの実施形態において、プロンプトの生成にはRAG (Retrieval-Augmented Generation) が用いられうる。
【0089】
いくつかの実施形態において、プロセッサーは、さらに、RAGに利用されるデータベースを更新するステップを実行しうる。
【0090】
非一時的コンピュータ可読記録媒体
本開示は、1つの態様において、本開示のプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読記録媒体に関する。コンピュータ可読記録媒体の例としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ(USBメモリやSDカードなど)、光ディスク(CD、DVD、Blu-ray(登録商標)ディスクなど)、磁気テープ、フロッピーディスク、及びクラウドストレージなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0091】
特に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中で記述されるものと類似若しくは等価なあらゆる方法及び材料が、本発明の実施若しくは試験のために使用されうるものの、いくつかの可能性のある、好ましい方法及び材料がこれから記述される。本明細書で言及されるすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれ、関連して刊行物が引用される方法及び/又は材料が開示及び記述される。本開示は、矛盾がある場合、組み込まれた刊行物の開示に優先することが理解される。
【0092】
値の範囲が記載される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限の間に、下限の単位の10分の1までの介在するそれぞれの値もまた具体的に開示されていると理解される。記載された範囲内の任意の記載された値又は介在する値と、その記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在する値との間の、より小さなそれぞれの範囲もまた、本開示に包含される。これらのより小さな範囲の上限と下限は独立して、その範囲に含められても除外されてもよく、より小さな範囲にどちらか、どちらも、又は両方の限界値が含まれる各範囲もまた、本発明に包含されるが、記載された範囲において具体的に除外された限界値は留保される。記載された範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、含まれる限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も本発明に含まれる。数値に関する「約」という用語は、5%以内を意味する。
【0093】
本明細書に記載の実施形態は、単に例示的なものであることを意図しており、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、数多くの変形及び修正を行うことができるであろう。また、ある種の変形及び修正は、最適な結果には至らないものの、それでも満足のいく結果をもたらしうる。そのような変形及び修正はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。また、本明細書に開示の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示に係る態様として有効である。よって、本開示の方法に関して記載された詳細は、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体等に適用されうる。
【0094】
本開示は、本明細書中の実施例および図面を参照することによって、さらに理解されるものである。これらの例は、特許請求の範囲に記載された開示を例示するためにのみ提供され、本開示は、例示された実施形態によって範囲が限定されるものではなく、それらは、本開示の単一の態様の例示としてのみ意図されている。機能的に等価なあらゆる方法が、本開示の範囲内に含まれる。本明細書に記載されたものに加えて、これまでの記述から、本開示の様々な修正が当業者には明らかであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内におさまることが意図されている。
【符号の説明】
【0095】
100・・・コンピュータ
101・・・制御部
102・・・記憶部
103・・・周辺機器I/F部
104・・・入力部
105・・・表示部
106・・・通信部
110・・・バス
120・・・ネットワーク
130・・・外部サーバ
140・・・データベース