(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026051599
(43)【公開日】2026-03-23
(54)【発明の名称】太陽電池シートの設置構造
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20260313BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20260313BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
E04D13/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024156511
(22)【出願日】2024-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】上原 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】西垣 学
(72)【発明者】
【氏名】久田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】宇野 智仁
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108KS06
2E108LL01
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】設置時に太陽電池シートに皺が生じ難い太陽電池シートの設置構造を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の太陽電池シートの設置構造は、屋根パネルと、屋根パネルに重ねられる太陽電池シートと、屋根パネルを下側から支持する支持部材と、屋根パネル及び太陽電池シートを固定する固定部材と、を備え、固定部材は、屋根パネルを支持部材に押し付けて固定する第一固定部と、太陽電池シートを屋根パネルに押し付けて固定する第二固定部と、を有する、ことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根パネルと、
前記屋根パネルに重ねられる太陽電池シートと、
前記屋根パネルを下側から支持する支持部材と、
前記屋根パネル及び前記太陽電池シートを固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記屋根パネルを前記支持部材に押し付けて固定する第一固定部と、
前記太陽電池シートを前記屋根パネルに押し付けて固定する第二固定部と、を有する、太陽電池シートの設置構造。
【請求項2】
前記固定部材は、
前記第一固定部を有し、前記支持部材に固定される屋根固定部材と、
前記第二固定部を有し、前記支持部材に取り外し可能に固定される太陽電池固定部材と、を有する、請求項1に記載の太陽電池シートの設置構造。
【請求項3】
第一ねじ部を有し、前記屋根固定部材を前記支持部材に固定する第一締結部材と、
第二ねじ部を有し、前記太陽電池固定部材を前記支持部材に固定する第二締結部材と、を備え、
前記支持部材は、前記第一ねじ部と前記第二ねじ部とが螺挿される溝部を有する、請求項2に記載の太陽電池シートの設置構造。
【請求項4】
前記太陽電池固定部材は、前記屋根固定部材の上側に配置され、
前記太陽電池シート及び前記屋根パネルに沿った方向において、前記第二締結部材と前記第二固定部との間隔は、前記第一締結部材と前記第一固定部との間隔より大きい、請求項3に記載の太陽電池シートの設置構造。
【請求項5】
前記太陽電池固定部材は、前記第一固定部の位置において上側から前記屋根固定部材に対して当接している、請求項4に記載の太陽電池シートの設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根材に重ねられる太陽電池シートの設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋根パネル上に太陽電池シートが重ねられた状態で該太陽電池シートを固定する太陽電池シートの設置構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この太陽電池シートの設置構造500は、
図6に示すように、設置面501aと、太陽電池シート502と、設置面501aに設置された太陽電池シート502を該設置面501aに固定する固定部材503と、を備える。
【0004】
設置面501aは、太陽電池シート502の設置対象物の表面であり、例えば、屋根パネル501等である。また、固定部材503は、例えば、ボルト504と、所定の長さと所定の幅とを有する板状のフレーム材505と、を含む。そして、フレーム材505が太陽電池シート502の周縁部及び設置面501aに跨るように配置された状態でボルト504によって設置面501aに固定されることで、ボルト504及びフレーム材505によって太陽電池シート502の周縁部が設置面501aに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の太陽電池シート502の設置構造500では、設置面501aが板状の屋根パネル501で形成される場合において、フレーム材505を固定するボルト504が屋根パネル501へ螺挿され、太陽電池シート502を強固に固定できない恐れがあった。
【0007】
そこで、本発明は、太陽電池シートを強固に固定できる太陽電池シートの設置構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽電池シートの設置構造は、
屋根パネルと、
前記屋根パネルに重ねられる太陽電池シートと、
前記屋根パネルを下側から支持する支持部材と、
前記屋根パネル及び前記太陽電池シートを固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記屋根パネルを前記支持部材に押し付けて固定する第一固定部と、
前記太陽電池シートを前記屋根パネルに押し付けて固定する第二固定部と、を有する。
【0009】
このように、屋根パネルを押し付けて固定する部位(第一固定部)と、太陽電池シートを押し付けて固定する部位(第二固定部)とを別構成とすることで、屋根パネルと太陽電池シートとのそれぞれに適した押し付け力の調整が可能になり、これにより、太陽電池シートを屋根パネルに強固に固定できる。
【0010】
前記太陽電池シートの設置構造では、
前記固定部材は、
前記第一固定部を有し、前記支持部材に固定される屋根固定部材と、
前記第二固定部を有し、前記支持部材に取り外し可能に固定される太陽電池固定部材と、を有してもよい。
【0011】
このように、太陽電池固定部材を屋根固定部材とは別部材にした上で支持部材から取り外し可能な構成とすることで、太陽電池シートが交換可能となる。
【0012】
また、前記太陽電池シートの設置構造は、
第一ねじ部を有し、前記屋根固定部材を前記支持部材に固定する第一締結部材と、
第二ねじ部を有し、前記太陽電池固定部材を前記支持部材に固定する第二締結部材と、を備え、
前記支持部材は、前記第一ねじ部と前記第二ねじ部とが螺挿される溝部を有してもよい。
【0013】
このように、第一締結部材と第二締結部材の各ねじ部を溝部に螺挿することで屋根固定部材と太陽電池固定部材とを支持部材に固定できるため、支持部材への屋根固定部材と太陽電池固定部材との固定が容易になる。
【0014】
また、前記太陽電池シートの設置構造では、
前記太陽電池固定部材は、前記屋根固定部材の上側に配置され、
前記太陽電池シート及び前記屋根パネルに沿った方向において、前記第二締結部材と前記第二固定部との間隔は、前記第一締結部材と前記第一固定部との間隔より大きくてもよい。
【0015】
このように、第一締結部材と前記第一固定部との間隔より第二締結部材と前記第二固定部との間隔が大きいことで、太陽電池固定部材における第二締結部材と第二固定部との間の部位が、屋根固定部材における第一締結部材と第一固定部との間の部位より撓みやすくなるため、該撓みによる弾性力によって太陽電池シートが好適な押し付け力で屋根パネルに押し付けられ、これにより、太陽電池シートの損傷が抑えられる。
【0016】
また、前記太陽電池シートの設置構造では、
前記太陽電池固定部材は、前記第一固定部の位置において上側から前記屋根固定部材に対して当接してもよい。
【0017】
かかる構成によれば、太陽電池固定部材によって押し付け方向と反対側への第一固定部の移動が規制されるため、押し付け力の低減が好適に抑えられ、屋根パネルが安定して固定される。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明によれば、太陽電池シートを強固に固定できる太陽電池シートの設置構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態の太陽電池シートの設置構造が用いられている屋根を含む構造物を説明するための図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線位置での前記屋根の断面における前記太陽電池シートの設置構造及びその周辺を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示される各部材において屋根固定部材が支持部材に固定された状態の断面図である。
【
図5】
図5は、
図1のV-V線位置での前記屋根の断面における前記太陽電池シートの設置構造及びその周辺を示す図である。
【
図6】
図6は、従来の太陽電池シートの設置構造を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図5を参照しつつ説明する。
【0021】
本実施形態の太陽電池シートの設置構造は、例えば
図1に示すような構造物100の屋根パネル2上への太陽電池シートの設置に用いられる。この構造物100は、例えば、鉛直方向に延びる柱101と、柱101によって支持されている梁102と、梁に102に配置されている支持部材4と、支持部材4上に設置される屋根パネル2と、を備える。そして、梁102は、水平方向に対して傾斜した方向に延び、支持部材4は、湾曲している(即ち、アーチ状である)。
【0022】
以下、構造物100における太陽電池シートの設置構造について、具体的に説明する。
【0023】
太陽電池シートの設置構造1は、
図2、
図3、及び
図5にも示すように、屋根パネル2と、屋根パネル2に重ねられる太陽電池シート3と、屋根パネル2を下側から支持する支持部材4と、屋根パネル2及び太陽電池シート3を固定する固定部材5と、を備える。本実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、固定部材5は、屋根パネル2を固定する屋根固定部材6と、太陽電池シート3を固定する太陽電池固定部材7と、を有する。また、太陽電池シートの設置構造1は、屋根固定部材6を支持部材4に固定する第一締結部材8(
図5参照)と、太陽電池固定部材7を支持部材4に固定する第二締結部材9(
図2参照)と、を備える。
【0024】
屋根パネル2は、所定の剛性を有する板状の部材であり、本実施形態の屋根パネル2は、四角の平板状の部材である。この屋根パネル2は、不燃積層復合材であり、支持部材4に沿うように固定されている。即ち、屋根パネル2は、固定された状態では支持部材4に沿って湾曲している。
【0025】
具体的に、屋根パネル2は、板状のパネル本体と、パネル本体の両面に配置される化粧材と、を有する。
【0026】
パネル本体は、例えば、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性剛性樹脂によって構成されている。尚、パネル本体の材質は、熱可塑性剛性樹脂に限定されず、木板や、金属等であってもよい。
【0027】
また、化粧材は、例えば、アルミニウム合金や、銅、ステンレススチール等の金属箔である。尚、化粧材は、金属箔に限定されず、化粧クロス等のシートであってもよい。
【0028】
太陽電池シート3は、屋根パネル2と対応する形状のシート状の太陽電池である。本実施形態の太陽電池シート3は、いわゆるペロブスカイト太陽電池であり、薄く且つ可撓性を有する。
【0029】
支持部材4は、アーチ状に延びる部材であり、梁102に固定されている。本実施形態の構造物100では、複数の支持部材4が互いに平行となるように間隔をあけ配置されている。この支持部材4の長手方向の各位置(両端部を除いた各位置)における断面形状は、同じ又は略同じである。
【0030】
具体的に、支持部材4は、アーチ状に延び且つ横断面が矩形状の支持部材本体41と、支持部材本体41の上端部から上方に突出し且つ支持部材本体41と同方向(以下、単に「本体長手方向」とも称する。)に延びる溝部42と、を有する。また、支持部材4は、支持部材本体41の上端部において幅方向に間隔をあけて配置される一対の下側固定部43を有する。
【0031】
支持部材本体41は、上端部の幅方向両端部において本体長手方向に延び且つ内部に中空部411aを有する一対の第一配置部411を有する。
【0032】
各第一配置部411は、上端に設けられ且つ本体長手方向に延びるスリット412をそれぞれ有し、各スリット412は、中空部411aと外部とを連通する。
【0033】
溝部42は、支持部材本体41の上端部において幅方向中央に配置されている。この溝部42は、第一締結部材8及び第二締結部材9が螺挿されることによって該第一締結部材8及び該第二締結部材9を係止する。
【0034】
一対の下側固定部43のそれぞれは、第一配置部411に配置されている。即ち、一対の下側固定部43は、幅方向における溝部42の両側に配置されている。各下側固定部43は、本体長手方向に延びており、下側から屋根パネル2に当接する。この下側固定部43は、弾性部材によって形成されている。本実施形態の下側固定部43は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等によって形成されている。
【0035】
具体的に、下側固定部43は、第一配置部411(支持部材本体41)の上側において本体長手方向に延び且つ屋根パネル2に下側から当接する下側当接部431と、第一配置部411の中空部411a内において本体長手方向に延びている下側基部432と、本体長手方向に延び且つスリット412を通じて下側当接部431と下側基部432とを接続する下側接続部433と、を有する。
【0036】
下側当接部431は、本体長手方向に延びる当接面431aを上端に有する。この当接面431aの本体長手方向の各位置における横断面形状は、上側に膨出する円弧状である。この下側当接部431の幅は、スリット412の幅より大きい。また、下側基部432の幅も、スリット412の幅より大きい。
【0037】
固定部材5は、屋根パネル2を支持部材4に押し付けて固定する第一上側固定部(第一固定部)62と、太陽電池シート3を屋根パネル2に押し付けて固定する第二上側固定部(第二固定部)72と、を有する。本実施形態の固定部材5は、上述のように、屋根固定部材6と、太陽電池固定部材7と、を有し、屋根固定部材6が第一上側固定部62を有し、太陽電池固定部材7が第二上側固定部72を有する。
【0038】
具体的に、屋根固定部材6は、本体長手方向に延びる帯状の第一本体61と、一対の第一上側固定部62と、を有する。
【0039】
第一本体61は、本体長手方向に延びる帯板状の第一帯板部611と、第一帯板部611の幅方向の両端部において本体長手方向に延び且つ内部に中空部612aを有する一対の第二配置部612と、第一帯板部611の幅方向中央部から下方に突出する一対の第一ガイド部614と、を有する。
【0040】
第一帯板部611は、本体長手方向に間隔をあけて配置される複数の締結用貫通孔(第一締結用貫通孔611a、第二締結用貫通孔611b)を有する。第一締結用貫通孔611aは、第一締結部材8が挿通される孔であり(
図5参照)、第二締結用貫通孔611bは、第二締結部材9が挿通される孔である(
図3参照)。本実施形態の第一帯板部611では、第一締結用貫通孔611aと第二締結用貫通孔611bとが、本体長手方向において交互に配置されている。本実施形態の第一締結用貫通孔611aと第二締結用貫通孔611bとは、円形の孔であり、大きさ(内径)も同じである。
【0041】
一対の第二配置部612は、第一帯板部611の幅方向の両端部において下方に突出するように配置されている。各第二配置部612は、下端に設けられ且つ本体長手方向に延びるスリット613をそれぞれ有し、各スリット613は、中空部612aと外部とを連通する。
【0042】
一対の第一ガイド部614のそれぞれは、下方に突出すると共に本体長手方向に延びている。この一対の第一ガイド部614の間隔は、支持部材4の溝部42の幅と対応している。これにより、一対の第一ガイド部614間に、支持部材4の溝部42が嵌まり込む。
【0043】
一対の第一上側固定部62のそれぞれは、第二配置部612に配置されている。各第一上側固定部62は、本体長手方向に延びており、上側から屋根パネル2に当接する。本実施形態の第一上側固定部62は、支持部材4の各下側固定部43と対向する位置に配置されている。これにより、第一上側固定部62は、下側固定部43との間に屋根パネル2を挟み込む。本実施形態の第一上側固定部62は、下側固定部43と同じ構成である。
【0044】
この第一上側固定部62は、弾性部材によって形成されている。本実施形態の第一上側固定部62は、下側固定部43と同じ素材によって形成されており、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等によって形成されている。
【0045】
具体的に、第一上側固定部62は、第二配置部612(第一本体61)の下側において本体長手方向に延び且つ屋根パネル2に上側から当接する第一上側当接部621と、第二配置部612の中空部612a内において本体長手方向に延びている第一上側基部622と、本体長手方向に延び且つスリット613を通じて第一上側当接部621と第一上側基部622とを接続する第一上側接続部623と、を有する。
【0046】
第一上側当接部621は、本体長手方向に延びる当接面621aを下端に有する。この当接面621aの本体長手方向の各位置における横断面形状は、下側に膨出する円弧状である。この第一上側当接部621の幅は、スリット613の幅より大きい。また、第一上側基部622の幅も、スリット613の幅より大きい。
【0047】
太陽電池固定部材7は、本体長手方向に延びる帯状の第二本体71と、一対の第二上側固定部72と、を有する。
【0048】
第二本体71は、本体長手方向に延びる帯板状の第二帯板部711と、第二帯板部711の幅方向の両端部において本体長手方向に延び且つ内部に中空部712aを有する一対の第三配置部712と、第二帯板部711から下方に突出する一対の第二ガイド部714と、を有する。
【0049】
第二帯板部711は、第一帯板部611より幅広の帯板状の部材である。この第二帯板部711は、本体長手方向に間隔をあけて配置される複数の貫通孔(通過貫通孔711a、第三締結用貫通孔711b)を有する。通過貫通孔711aは、第一締結部材8が通過可能な大きさの孔であり(
図5参照)、第三締結用貫通孔711bは、第二締結部材9が挿通される孔である(
図2参照)。本実施形態の通過貫通孔711aは、本体長手方向に長尺な長穴であり、第三締結用貫通孔711bは、第二締結用貫通孔611bと同じ大きさの円形の貫通孔である。
【0050】
この通過貫通孔711aは、第二帯板部711において第一帯板部611の第一締結用貫通孔611aを含む位置にそれぞれ配置され、第三締結用貫通孔711bは、第二帯板部711において第一帯板部611の第二締結用貫通孔611bと重なる位置にそれぞれ配置されている。本実施形態の第二帯板部711では、通過貫通孔711aと第三締結用貫通孔711bとが、本体長手方向において交互に配置されている。
【0051】
一対の第三配置部712は、第二帯板部711の幅方向の両端部において下方に突出するように配置されている。各第三配置部712は、下端に設けられ且つ本体長手方向に延びるスリット713をそれぞれ有し、各スリット713は、中空部712aと外部とを連通する。
【0052】
一対の第二ガイド部714のそれぞれは、下方に突出すると共に本体長手方向に延びている。この一対の第二ガイド部714の間隔は、屋根固定部材6の第一本体61の幅と対応している。これにより、一対の第二ガイド部714間に、屋根固定部材6の第一本体61が嵌まり込む。この嵌まり込んだ状態のときに、第一本体61(第一帯板部611)の上面が、第二帯板部711の下面に当接(面接触)している(
図1参照)。これにより、屋根固定部材6の第一上側固定部62の上方(屋根パネル2から離れる向き)への移動が第二本体71(第二帯板部711)によって規制される。
【0053】
一対の第二上側固定部72のそれぞれは、第三配置部712に配置されている。各第二上側固定部72は、本体長手方向に延びており、上側から太陽電池シート3に当接する。本実施形態の第二上側固定部72は、屋根パネル2における太陽電池シート3(詳しくは、太陽電池シート3の端部)が積層された位置に配置されている。これにより、第二上側固定部72は、屋根パネル2との間に太陽電池シート3を挟み込む。
【0054】
この第二上側固定部72は、弾性部材によって形成されている。本実施形態の第二上側固定部72は、下側固定部43及び第一上側固定部62と同じ素材によって形成されており、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等によって形成されている。
【0055】
具体的に、第二上側固定部72は、第三配置部712(第二本体71)の下側において本体長手方向に延び且つ太陽電池シート3に上側から当接する第二上側当接部721と、第三配置部712の中空部712a内において本体長手方向に延びている第二上側基部722と、本体長手方向に延び且つスリット713を通じて第二上側当接部721と第二上側基部722とを接続する第二上側接続部723と、を有する。
【0056】
第二上側当接部721は、本体長手方向に延びる当接面721aを下端に有する。この当接面721aの本体長手方向の各位置における横断面形状は、下側に膨出すると共に幅方向の中央部において幅方向に真っすぐ延びる(平らな)平面部721bを含む形状である。この第二上側当接部721の幅は、スリット713の幅より大きい。また、第二上側基部722の幅も、スリット713の幅より大きい。
【0057】
第一締結部材8は、第一ねじ部81を有し、屋根固定部材6の第一締結用貫通孔611aを挿通した状態で該屋根固定部材6を支持部材4に固定する。具体的に、第一締結部材8は、周面に雄ねじが形成された第一ねじ部81と、第一ねじ部81より径の大きな第一ヘッド部82と、を有する。本実施形態の第一締結部材8は、止水ワッシャ付きのねじである。
【0058】
第一ねじ部81は、太陽電池固定部材7の通過貫通孔711aと屋根固定部材6の第一締結用貫通孔611aとを通じて支持部材4の溝部42に螺挿される部位である。
【0059】
第一ヘッド部82の径は、太陽電池固定部材7の通過貫通孔711aより小さく、且つ、屋根固定部材6の第一締結用貫通孔611aより大きい。これにより、第一締結部材8は、屋根固定部材6のみを支持部材4に固定する(
図5参照)。
【0060】
第二締結部材9は、第二ねじ部91を有し、太陽電池固定部材7の第三締結用貫通孔711bを挿通した状態で該太陽電池固定部材7を支持部材4に固定する。具体的に、第二締結部材9は、周面に雄ねじが形成された第二ねじ部91と、第二ねじ部91より径の大きな第二ヘッド部92と、を有する。本実施形態の第二締結部材9は、止水ワッシャ付きのねじである。
【0061】
第二ねじ部91は、太陽電池固定部材7の第三締結用貫通孔711bと屋根固定部材6の第二締結用貫通孔611bとを通じて支持部材4の溝部42に螺挿される部位である。
【0062】
第二ヘッド部92の径は、太陽電池固定部材7の第三締結用貫通孔711bより大きく、且つ、屋根固定部材6の第二締結用貫通孔611bより大きい。これにより、第二締結部材9は、太陽電池固定部材7と屋根固定部材6とを支持部材4に固定する(
図2参照)。
【0063】
次に、太陽電池シート3の設置方法について説明する。
【0064】
支持部材4の下側固定部43上に、太陽電池シート3が重ねられた屋根パネル2の側端部が載置される。このとき、下側固定部43上に載置される屋根パネル2の側端部は、太陽電池シート3の重ねられていない部位である。
【0065】
続いて、支持部材4の溝部42が屋根固定部材6の一対の第一ガイド部614間に嵌まり込むように、屋根固定部材6が支持部材4に重ねられ(
図4参照)、第一締結部材8が屋根固定部材6の第一締結用貫通孔611aを通じて支持部材4の溝部42に螺挿される(
図5参照)。これにより、屋根固定部材6が支持部材4に固定される。
【0066】
このとき、屋根固定部材6の第一上側固定部62が支持部材4の下側固定部43との間に屋根パネル2を挟み込む(即ち、第一上側固定部62と下側固定部43とが屋根パネル2を挟み込む)ことで、屋根パネル2が支持部材4に対して固定される(
図5参照)。
【0067】
尚、支持部材4への載置(配置)前の屋根パネル2及び太陽電池シート3は、湾曲していない平らな板状(平面形状)であり、支持部材4の下側固定部43と屋根固定部材6の第一上側固定部62との間に挟み込まれるときに、支持部材4のアーチ形状に沿って湾曲させられる。この屋根パネル2が湾曲するときに、太陽電池シート3が屋根パネル2に接着等によって固定されていると、屋根パネル2と太陽電池シート3との伸び率等の違いによって太陽電池シート3に皺等が生じて太陽電池シート3の損傷の原因となる。このため、本実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、太陽電池シート3は、屋根パネル2上に、接着等せずに、単に、重ねただけの状態である。但し、仮止め程度(人が引っ張れば剥がせる程度)に太陽電池シート3が屋根パネル2に接着等されていてもよい。
【0068】
また、
図2及び
図5に示す例では、支持部材4の溝部42を挟んで両側に屋根パネル2が配置されているが、溝部42の片側のみに屋根パネル2が配置されてもよい。
【0069】
次に、屋根固定部材6の第一本体61が太陽電池固定部材7の一対の第二ガイド部714間に嵌まり込むように、太陽電池固定部材7が屋根固定部材6に重ねられ、第二締結部材9が太陽電池固定部材7の第三締結用貫通孔711b及び屋根固定部材6の第二締結用貫通孔611bを通じて支持部材4の溝部42に螺挿される(
図2参照)。これにより、太陽電池固定部材7が支持部材4に固定される。
【0070】
このとき、太陽電池固定部材7の第二上側固定部72が屋根パネル2との間に太陽電池シート3を挟み込む(即ち、第二上側固定部72と屋根パネル2とが太陽電池シート3を挟み込む)ことで、太陽電池シート3が屋根パネル2に対して固定される(
図2及び
図5参照)。
【0071】
以上のようにして、太陽電池シート3が設置される。尚、本実施形態において、屋根パネル2及び太陽電池シート3の上端部と下端部とは、上記の支持部材4と固定部材5とによる設置構造(固定構造)とは異なる構造によって固定されている。
【0072】
以上の太陽電池シートの設置構造1は、屋根パネル2と、屋根パネル2に重ねられる太陽電池シート3と、屋根パネル2を下側から支持する支持部材4と、屋根パネル2及び太陽電池シート3を固定する固定部材5と、を備える。そして、固定部材5は、屋根パネル2を支持部材4に押し付けて固定する第一上側固定部(第一固定部)62と、太陽電池シート3を屋根パネル2に押し付けて固定する第二上側固定部(第二固定部)72と、を有する。
【0073】
このように、屋根パネル2を押し付けて固定する部位(第一上側固定部62)と、太陽電池シート3を押し付けて固定する部位(第二上側固定部72)とを別構成とすることで、屋根パネル2と太陽電池シート3とのそれぞれに適した押し付け力の調整が可能になり、これにより、太陽電池シート3を屋根パネル2に強固に固定できる。また、設置時に太陽電池シート3において皺の発生等が抑えられ、太陽電池シート3が損傷し難くなる。
【0074】
本実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、固定部材5は、第一上側固定部(第一固定部)を有し、支持部材4に固定される屋根固定部材6と、第二上側固定部(第二固定部)を有し、支持部材4に取り外し可能に固定される太陽電池固定部材7と、を有している。
【0075】
このように、太陽電池固定部材7を屋根固定部材6とは別部材にした上で支持部材4から取り外し可能な構成とすることで、太陽電池シート3が交換可能となる。
【0076】
また、本実施形態の太陽電池シートの設置構造1は、第一ねじ部81を有し、屋根固定部材6を支持部材4に固定する第一締結部材8と、第二ねじ部91を有し、太陽電池固定部材7を支持部材4に固定する第二締結部材9と、を備える。そして、支持部材4は、第一ねじ部81と第二ねじ部91とが螺挿される溝部42を有する。
【0077】
このように、第一締結部材8と第二締結部材9の各ねじ部81、91を溝部42に螺挿することで屋根固定部材6と太陽電池固定部材7とを支持部材4に固定できるため、支持部材4への屋根固定部材6と太陽電池固定部材7との固定が容易になる。
【0078】
また、本実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、太陽電池固定部材7は、屋根固定部材6の上側に配置され、太陽電池シート3及び屋根パネル2に沿った方向において、第二締結部材9と第二上側固定部(第二固定部)72との間隔α2は、第一締結部材8と第一上側固定部(第一固定部)62との間隔α1より大きい(
図2参照)。
【0079】
このように、第一締結部材8と第一上側固定部62との間隔α1より第二締結部材9と第二上側固定部72との間隔α2が大きいことで、太陽電池固定部材7における第二締結部材9と第二上側固定部72との間の部位が、屋根固定部材6における第一締結部材8と第一上側固定部62との間の部位より撓みやすくなるため、該撓みによる弾性力によって太陽電池シート3が好適な押し付け力で屋根パネル2に押し付けられ、これにより、太陽電池シート3の損傷が抑えられる。
【0080】
また、本実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、太陽電池固定部材7は、第一上側固定部(第一固定部)62の位置において上側から屋根固定部材6に対して当接している(
図2参照)。
【0081】
かかる構成によれば、太陽電池固定部材7によって押し付け方向と反対側への第一上側固定部62の移動が規制されるため、押し付け力の低減が好適に抑えられ、屋根パネル2が安定して固定される。
【0082】
尚、本発明の太陽電池シートの設置構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0083】
上記実施形態の固定部材5は、屋根固定部材6と太陽電池固定部材7とを有しているが、この構成に限定されない。屋根固定部材6と太陽電池固定部材7とが一体であってもよい。即ち、一つの部材が第一上側固定部62と第二上側固定部72とを有する構成であってもよい。
【0084】
また、上記実施形態の支持部材4は、アーチ状である(湾曲している)が、この構成に限定されない。支持部材4は、真っすぐ(直線状)に延びていてもよい。
【0085】
また、上記実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、第二締結部材9は、屋根固定部材6と太陽電池固定部材7との両部材を支持部材4に固定しているが、この構成に限定されない。第二締結部材9は、太陽電池固定部材7のみを支持部材4に固定する構成であってもよい。
【0086】
また、上記実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、第一締結部材8と第二締結部材9とが支持部材4の共通の部位(上記実施形態の例では、溝部42)と係合している(上記実施形態の例では、螺合している)が、この構成に限定されない。支持部材4は、第一締結部材8との係合部位と、第二締結部材9との係合部位とをそれぞれ有してもよい。
【0087】
また、上記実施形態の太陽電池シートの設置構造1では、屋根パネル2を挟み込む第一上側固定部62及び下側固定部43と、屋根パネル2との間に太陽電池シート3を挟み込む第二上側固定部72とが、溝部42の両側に配置されているが、溝部42の片側だけに配置されてもよい。
【0088】
また、上記実施形態の太陽電池シートの設置構造1は、屋根パネル2及び太陽電池シート3の両側端部の固定に用いられているが、上端部の固定や下端部の固定に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…設置構造、2…屋根パネル、3…太陽電池シート、4…支持部材、41…支持部材本体、411…第一配置部、411a…中空部、412…スリット、42…溝部、43…下側固定部、431…下側当接部、431a…当接面、432…下側基部、433…下側接続部、5…固定部材、6…屋根固定部材、61…第一本体、611…第一帯板部、611a…第一締結用貫通孔、611b…第二締結用貫通孔、612…第二配置部、612a…中空部、613…スリット、614…第一ガイド部、62…第一上側固定部、621…第一上側当接部、621a…当接面、622…第一上側基部、623…第一上側接続部、7…太陽電池固定部材、71…第二本体、711…第二帯板部、711a…通過貫通孔、711b…第三締結用貫通孔、712…第三配置部、712a…中空部、713…スリット、714…第二ガイド部、72…第二上側固定部、721…第二上側当接部、721a…当接面、721b…平面部、722…第二上側基部、723…第二上側接続部、8…第一締結部材、81…第一ねじ部、82…第一ヘッド部、9…第二締結部材、91…第二ねじ部、92…第二ヘッド部、100…構造物、101…柱、102…梁、500…設置構造、501…屋根パネル、501a…設置面、502…太陽電池シート、503…固定部材、504…ボルト、505…フレーム材、α1…第一締結部材と第一上側固定部との間隔、α2…第二締結部材と第二上側固定部との間隔