(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026000539
(43)【公開日】2026-01-06
(54)【発明の名称】ガラス繊維の製造方法、及びガラス繊維の製造装置
(51)【国際特許分類】
C03B 37/12 20060101AFI20251223BHJP
B65H 54/02 20060101ALI20251223BHJP
B65H 54/28 20060101ALI20251223BHJP
B65H 67/048 20060101ALI20251223BHJP
【FI】
C03B37/12 Z
B65H54/02 Z
B65H54/28 C
B65H67/048 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097866
(22)【出願日】2024-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】寺平 怜央
【テーマコード(参考)】
3F056
3F112
【Fターム(参考)】
3F056AA06
3F056AB01
3F112AA12
3F112BA03
3F112EA02
3F112EA10
3F112EC03
3F112KA01
3F112KA08
3F112VB02
(57)【要約】
【課題】ケーキをコレットにおける所望の位置に形成することを可能としたガラス繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス繊維の製造方法は、ガラスフィラメントF群がギャザリングシュー14により集束されてなるガラスストランドSをトラバース16により綾振りしながら第1のコレット19に巻き取ることで第1のケーキ41を形成する第1の巻き取り工程と、第1の巻き取り工程の終了後、巻き取り位置に配置された第1のコレット19を第2のコレットと入れ替える入れ替え工程と、ガラスストランドSを第2のコレットに巻き取ることで第2のケーキを形成する第2の巻き取り工程と、第2の巻き取り工程の前に第1のケーキ41の第1の端部41aの位置に応じた第1の測定値A、及び第2の端部41bの位置に応じた第2の測定値Bに基づいて、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシュー14の自身の軸方向に沿った位置を制御する制御工程とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスフィラメント群がギャザリングシューにより集束されてなるガラスストランドを、トラバースにより綾振りしながら巻き取り位置に配置された第1のコレットに巻き取ることにより筒状の第1のケーキを形成する第1の巻き取り工程と、
前記第1の巻き取り工程の終了後、前記巻き取り位置に配置された前記第1のコレットを第2のコレットと入れ替える入れ替え工程と、
前記ガラスストランドを前記トラバースにより綾振りしながら前記巻き取り位置に配置された前記第2のコレットに巻き取ることにより筒状の第2のケーキを形成する第2の巻き取り工程と、
を備えるガラス繊維の製造方法であって、
前記第1のケーキは、自身の軸方向の両端部にそれぞれ位置する第1の端部及び第2の端部を有し、
前記第2の巻き取り工程の前に、前記第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び前記第2の端部の位置に応じた第2の測定値に基づいて、前記第2の巻き取り工程における前記ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置を制御する制御工程を備える、
ガラス繊維の製造方法。
【請求項2】
前記第1のコレットにおける前記第1のケーキの中心位置としたい目標の位置を基準位置として、
前記第1の測定値を、前記基準位置から前記第1の端部までの長さとし、
前記第2の測定値を、前記基準位置から前記第2の端部までの長さとし、
前記制御工程では、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較して、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向に前記ギャザリングシューを移動させる、
請求項1に記載のガラス繊維の製造方法。
【請求項3】
前記第1のコレットにおける前記第1のケーキの中心位置としたい目標の位置を基準位置として、
前記第1の測定値を、前記基準位置から前記第1の端部までの長さとし、
前記第2の測定値を、前記基準位置から前記第2の端部までの長さとし、
前記制御工程では、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較して、その差が許容基準値を超える場合に、その差が小さくなる方向に前記ギャザリングシューを移動させる、
請求項1に記載のガラス繊維の製造方法。
【請求項4】
前記第1の測定値及び前記第2の測定値をセンサーによって測定し、前記センサーに接続されるとともに前記センサーから前記第1の測定値及び前記第2の測定値が入力される制御部によって前記ギャザリングシューの位置を制御する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス繊維の製造方法。
【請求項5】
ガラスフィラメント群を集束させてガラスストランドを形成するギャザリングシューと、
前記ガラスストランドの延在方向と交差する方向に沿って前記ガラスストランドを往復移動させるトラバースと、
巻き取り位置に配置された状態で、前記トラバースを通過した前記ガラスストランドを巻き取ることにより筒状の第1のケーキを形成する第1のコレットと、
前記第1のケーキが形成された後に、前記巻き取り位置に配置された前記第1のコレットと入れ替えられることで前記巻き取り位置に配置され、前記巻き取り位置に配置された状態で、前記トラバースを通過した前記ガラスストランドを巻き取ることにより筒状の第2のケーキを形成する第2のコレットと、
を備える、ガラス繊維の製造装置であって、
前記第1のケーキは、自身の軸方向の両端部にそれぞれ位置する第1の端部及び第2の端部を有し、
前記第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び前記第2の端部の位置に応じた第2の測定値を測定するセンサーと、
前記センサーに接続され、前記センサーから入力される前記第1の測定値及び前記第2の測定値に基づいて、前記ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置を制御する制御部と、
を備える、ガラス繊維の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維の製造方法、及びガラス繊維の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス繊維の製造方法としては、ギャザリングシューによって形成されたガラスストランドをトラバースにより綾振りしながらコレットに巻き取ることにより筒状のケーキを形成する方法がある(例えば、特許文献1参照)。このガラス繊維の製造方法では、トラバースとして、軸部とワイヤとを有するワイヤトラバースが採用されている。そして、ケーキが形成されると、巻き取り位置に配置されたコレットをケーキの形成されていない次のコレットと入れ替えることで、順次ケーキを形成することが可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなガラス繊維の製造方法において、ガラスストランドは、ガラスフィラメント群がギャザリングシューによって集束されることで形成される。そして、ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置が所定の位置からずれていると、コレットに巻き取られてなるケーキがコレットにおける軸方向の所望の位置からずれてしまうという問題がある。なお、ケーキがコレットにおける軸方向の所望の位置からずれてしまうことは、例えば、ケーキが隣のケーキ等の他の物体と接触してしまうといった原因となる。
【0005】
本開示の目的は、ケーキをコレットにおける所望の位置に形成することを可能としたガラス繊維の製造方法、及びガラス繊維の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記課題を解決するガラス繊維の製造方法は、ガラスフィラメント群がギャザリングシューにより集束されてなるガラスストランドを、トラバースにより綾振りしながら巻き取り位置に配置された第1のコレットに巻き取ることにより筒状の第1のケーキを形成する第1の巻き取り工程と、前記第1の巻き取り工程の終了後、前記巻き取り位置に配置された前記第1のコレットを第2のコレットと入れ替える入れ替え工程と、前記ガラスストランドを前記トラバースにより綾振りしながら前記巻き取り位置に配置された前記第2のコレットに巻き取ることにより筒状の第2のケーキを形成する第2の巻き取り工程と、を備えるガラス繊維の製造方法であって、前記第1のケーキは、自身の軸方向の両端部にそれぞれ位置する第1の端部及び第2の端部を有し、前記第2の巻き取り工程の前に、前記第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び前記第2の端部の位置に応じた第2の測定値に基づいて、前記第2の巻き取り工程における前記ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置を制御する制御工程を備える。
【0007】
同方法によれば、直前に製造されていた第1のケーキの第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び第1のケーキの第2の端部の位置に応じた第2の測定値に基づいて、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置が制御される。これにより、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシューの位置を所定の位置に配置することができ、ひいては第2のケーキを第2のコレットにおける所望の位置に形成することができる。
【0008】
[2]上記[1]に記載のガラス繊維の製造方法において、前記第1のコレットにおける前記第1のケーキの中心位置としたい目標の位置を基準位置として、前記第1の測定値を、前記基準位置から前記第1の端部までの長さとし、前記第2の測定値を、前記基準位置から前記第2の端部までの長さとし、前記制御工程では、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較して、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向に前記ギャザリングシューを移動させてもよい。
【0009】
同方法によれば、第1のコレットにおける第1のケーキの中心位置としたい目標の位置を基準位置として、第1の測定値は、基準位置から第1の端部までの長さとされ、第2の測定値は、基準位置から第2の端部までの長さとされる。そして、第1の測定値と第2の測定値とが比較されて、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシューが移動されるため、第2のケーキが第2のコレットにおける所望の位置に形成される。
【0010】
[3]上記[1]に記載のガラス繊維の製造方法において、前記第1のコレットにおける前記第1のケーキの中心位置としたい目標の位置を基準位置として、前記第1の測定値を、前記基準位置から前記第1の端部までの長さとし、前記第2の測定値を、前記基準位置から前記第2の端部までの長さとし、前記制御工程では、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを比較して、その差が許容基準値を超える場合に、その差が小さくなる方向に前記ギャザリングシューを移動させてもよい。
【0011】
同方法によれば、第1のコレットにおける第1のケーキの中心位置としたい目標の位置を基準位置として、第1の測定値は、基準位置から第1の端部までの長さとされ、第2の測定値は、基準位置から第2の端部までの長さとされる。そして、第1の測定値と第2の測定値とが比較されて、その差が許容基準値を超える場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシューが移動されるため、第2のケーキが第2のコレットにおける所望の位置に形成される。また、第1の測定値と第2の測定値とが比較されて、その差が許容基準値以下である場合は、ギャザリングシューを細かく移動させるといった必要以上の動作を抑制することができる。
【0012】
[4]上記[1]から上記[3]のいずれか1つに記載のガラス繊維の製造方法において、前記第1の測定値及び前記第2の測定値をセンサーによって測定し、前記センサーに接続されるとともに前記センサーから前記第1の測定値及び前記第2の測定値が入力される制御部によって前記ギャザリングシューの位置を制御してもよい。
【0013】
同方法によれば、センサーによって、第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び第2の端部の位置に応じた第2の測定値が測定される。そして、制御部によって、センサーから入力される第1の測定値及び第2の測定値に基づいて、ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置が制御される。よって、自動的に、第2のケーキが第2のコレットにおける所望の位置に形成される。
【0014】
[5]上記課題を解決するガラス繊維の製造装置は、ガラスフィラメント群を集束させてガラスストランドを形成するギャザリングシューと、前記ガラスストランドの延在方向と交差する方向に沿って前記ガラスストランドを往復移動させるトラバースと、巻き取り位置に配置された状態で、前記トラバースを通過した前記ガラスストランドを巻き取ることにより筒状の第1のケーキを形成する第1のコレットと、前記第1のケーキが形成された後に、前記巻き取り位置に配置された前記第1のコレットと入れ替えられることで前記巻き取り位置に配置され、前記巻き取り位置に配置された状態で、前記トラバースを通過した前記ガラスストランドを巻き取ることにより筒状の第2のケーキを形成する第2のコレットと、を備える、ガラス繊維の製造装置であって、前記第1のケーキは、自身の軸方向の両端部にそれぞれ位置する第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び前記第2の端部の位置に応じた第2の測定値を測定するセンサーと、前記センサーに接続され、前記センサーから入力される前記第1の測定値及び前記第2の測定値に基づいて、前記ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置を制御する制御部と、を備える。
【0015】
同構成によれば、センサーによって、第1の端部の位置に応じた第1の測定値、及び第2の端部の位置に応じた第2の測定値が測定される。そして、制御部によって、センサーから入力される第1の測定値及び第2の測定値に基づいて、ギャザリングシューの自身の軸方向に沿った位置が制御される。よって、自動的に、第2のケーキが第2のコレットにおける所望の位置に形成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明のガラス繊維の製造方法、及びガラス繊維の製造装置によれば、ケーキをコレットにおける所望の位置に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、一実施形態のガラス繊維の製造装置を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のガラス繊維の製造装置の一部を示す概略正面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のガラス繊維の製造装置を示す概略側面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態のガラス繊維の製造方法を説明するための正面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のガラス繊維の製造方法を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、ガラス繊維の製造方法、及びガラス繊維の製造装置の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
【0019】
(ガラス繊維の製造装置11の全体の構成)
図1に示すように、ガラス繊維の製造装置11は、ブッシング12と、アプリケータ13と、ギャザリングシュー14と、駆動装置15と、トラバース16とを備える。また、ガラス繊維の製造装置11は、回転装置18と、第1のコレット19と、第2のコレット20と、センサー21と、制御部22とを備える。
【0020】
ブッシング12は、下方に複数のノズルを有し、溶融ガラスが供給されるとともに、ノズルから下方に複数のガラスフィラメントFが引き出される箱状容器である。なお、
図1では、複数のガラスフィラメントF、すなわちガラスフィラメントF群をまとめて模式的に図示している。言い換えると、
図1では、複数のガラスフィラメントFの一番外側だけを図示し、ガラスフィラメントFの通過する範囲を図示している。
【0021】
アプリケータ13は、駆動ローラーを有し、ガラスフィラメントFに集束剤を塗布する装置である。ギャザリングシュー14は、自身の軸方向の中央部に向かって直径が小さくなる形状に形成されており、集束剤が塗布されたガラスフィラメントF群を集束させつつ束ねてガラスストランドSを形成する装置である。なお、ガラスフィラメントF及びガラスストランドSは、例えばEガラス(汎用の無アルカリガラス)、Aガラス(耐アルカリ性ガラス)、Cガラス(耐酸性のアルカリ石灰含有ガラス)、Dガラス(低誘電率ガラス)、Sガラス(高強度、高弾性率ガラス)、Tガラス(高強度、高弾性率ガラス)、Hガラス(高誘電率ガラス)等から構成される。
【0022】
駆動装置15は、ギャザリングシュー14に駆動連結されている。駆動装置15は、ギャザリングシュー14を、ギャザリングシュー14の軸方向に沿った方向であって、水平な第1方向X1(
図2参照)に沿って移動させることが可能とされている。
【0023】
トラバース16は、ガラスストランドSの延在方向と交差する方向であって、水平な第1方向X1(
図2参照)に沿って延びる軸部16aと、軸部16aに接続されている2本のワイヤ16bとを有するワイヤトラバースが採用されている。なお、各図では、ワイヤ16bの形状を模式的に図示している。ワイヤ16bの形状や本数は特に限定されず、例えば、1本でもよく、3本以上であってもよい。トラバース16は、通過するガラスストランドSを第1方向X1に沿って往復移動させることが可能に構成されている。
【0024】
回転装置18は、巻き取り位置に配置された第1のコレット19を第2のコレット20と入れ替えるための装置である。回転装置18は、円板状の回転体31と、回転体31の一方の表面31aから突出する円柱状の2つの装着シャフト32と、表面31aから突出するとともに2つの装着シャフト32の間を仕切る仕切板33とを備える。
【0025】
二つの装着シャフト32は、互いに平行となるように設けられるとともに、表面31aにおいて、回転体31の回転軸を中心として点対称となる位置に配置されている。トラバース16に近い側の一方の装着シャフト32には、第1のコレット19が装着され、他方の装着シャフト32には、第2のコレット20が装着されている。なお、
図1では、トラバース16に近い側の一方の装着シャフト32に第1のコレット19が装着されている状態、すなわち、第1のコレット19が巻き取り位置に配置された状態を図示している。
【0026】
巻き取り位置に配置された第1のコレット19は、装着シャフト32を軸中心として回転することで、トラバース16を通過したガラスストランドSを巻き取る。本実施形態の第1のコレット19には、例えば、紙管等のボビン34が装着されており、ガラスストランドSはボビン34を介して第1のコレット19に対して巻き取られる。なお、ボビン34を装着することは、第1のコレット19に形成される第1のケーキ41の抜き取りが容易となるため好ましいが、必ずしもこれに限られない。ボビン34を装着せずに、第1のコレット19にガラスストランドSを直接巻き取ってもよい。ガラスストランドSは、トラバース16により綾振りされながら第1のコレット19に巻き取られることによって、筒状の第1のケーキ41とされる。なお、
図1及び
図2では、第1のコレット19へのガラスストランドSの巻き取りが完了した状態であって、第1のケーキ41が形成された状態を図示している。
【0027】
図3に示すように、第2のコレット20は、第1のケーキ41が形成された後に、巻き取り位置に配置された第1のコレット19と入れ替えられることで巻き取り位置に配置される。具体的には、第2のコレット20は、第1のケーキ41が形成された後に、回転装置18の回転体31が回転軸を中心として180°回転されることによって、巻き取り位置に配置される。このとき、第1のケーキ41が形成された第1のコレット19は、元々第2のコレット20が配置されていた待機位置に配置される。
【0028】
そして、巻き取り位置に配置された第2のコレット20は、装着シャフト32を軸中心として回転することで、トラバース16を通過したガラスストランドSを巻き取る。なお、本実施形態の第2のコレット20には、第1のコレット19と同様に、例えば、紙管等のボビン34が装着されており、ガラスストランドSはボビン34を介して第2のコレット20に対して巻き取られる。ガラスストランドSは、トラバース16により綾振りされながら第2のコレット20に巻き取られることによって、筒状の第2のケーキ42とされる。なお、
図3では、第2のコレット20へのガラスストランドSの巻き取りが開始される前の状態であって、第2のケーキ42が形成される前の状態を図示している。また、
図3では、その後、第2のコレット20に形成される第2のケーキ42を模式的に二点鎖線で図示している。
【0029】
待機位置に配置されている第1のケーキ41は第1のコレット19からボビン34ごと抜き取られる。その後、上記した動作の繰り返しによって、再度、第1のコレット19には第1のケーキ41が形成されることになる。言い換えると、
図3に示す状態において第1のコレット19から第1のケーキ41を抜き取った後、上記した第2のコレット20は第1のコレット19として機能し、第1のコレット19は第2のコレット20として機能することになる。
【0030】
(センサー21の構成)
図2に示すように、センサー21は、第1の測定値A及び第2の測定値Bを測定する。本実施形態のセンサー21は、例えば、カメラを含み、カメラで撮影した画像データから第1の測定値A及び第2の測定値Bを測定する。
【0031】
具体的には、まず、第1のケーキ41は、自身の軸方向の両端部にそれぞれ位置する第1の端部41a(
図2中、右側端部)及び第2の端部41b(
図2中、左側端部)を有する。そして、本実施形態では、第1のコレット19における第1のケーキ41の中心位置としたい目標の位置が基準位置Zとして設定されている。言い換えると、基準位置Zは、第1のコレット19において、第1のケーキ41を形成する際に第1のケーキ41の軸方向の中心位置としたい位置である。そして、本実施形態では、第1の測定値Aは基準位置Zから第1の端部41a(
図2中、右側端部)までの長さである。また、第2の測定値Bは基準位置Zから第2の端部41b(
図2中、左側端部)までの長さである。すなわち、センサー21は、基準位置Zから第1の端部41aまでの長さである第1の測定値Aと、基準位置Zから第2の端部41bまでの長さである第2の測定値Bとを測定する。
【0032】
(制御部22の構成)
制御部22は、センサー21に接続され、センサー21から入力される第1の測定値A及び第2の測定値Bに基づいて、ギャザリングシュー14の自身の軸方向に沿った位置を制御する。本実施形態の制御部22は、第1のコレット19へのガラスストランドSの巻き取りが完了した後から、第2のコレット20へのガラスストランドSの巻き取りが開始される前に、駆動装置15を駆動してギャザリングシュー14の位置を制御する。
【0033】
制御部22は、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシュー14を移動させる。例えば、制御部22は、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、第1の測定値A、すなわち、
図2中、右側の測定値が大きい場合、その差が小さくなる方向、すなわち、
図2中、左方向にギャザリングシュー14を移動させる。また、例えば、制御部22は、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、第2の測定値B、すなわち、
図2中、左側の測定値が大きい場合、その差が小さくなる方向、すなわち、
図2中、右方向にギャザリングシュー14を移動させる。本実施形態の制御部22は、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、その差が0となるように、ギャザリングシュー14を移動させることが好ましい。
【0034】
(ガラス繊維の製造方法とその作用)
本実施形態のガラス繊維の製造方法は、上記したガラス繊維の製造装置11を用いて実行される。
【0035】
ガラス繊維の製造方法は、「第1の巻き取り工程」と、「入れ替え工程」と、「第2の巻き取り工程」とを備える。さらに、本実施形態のガラス繊維の製造方法は、「制御工程」を備える。
【0036】
図1及び
図2に示すように、第1の巻き取り工程では、ガラスストランドSをトラバース16により綾振りしながら巻き取り位置に配置された第1のコレット19に巻き取ることにより筒状の第1のケーキ41を形成する。
【0037】
図3に示すように、入れ替え工程では、第1の巻き取り工程の終了後、巻き取り位置に配置された第1のコレット19を第2のコレット20と入れ替える。具体的には、回転装置18の回転体31を回転軸を中心として180°回転させることによって、第2のコレット20を巻き取り位置に配置する。
【0038】
次に、第2の巻き取り工程では、ガラスストランドSをトラバース16により綾振りしながら巻き取り位置に配置された第2のコレット20に巻き取ることにより筒状の第2のケーキ42を形成する。
【0039】
制御工程は、第2の巻き取り工程の前に行う。制御工程では、第1の端部41aの位置に応じた第1の測定値A、及び第2の端部41bの位置に応じた第2の測定値Bに基づいて、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシュー14の自身の軸方向に沿った位置を制御する。本実施形態では、第1の測定値A及び第2の測定値Bをセンサー21によって測定し、センサー21に接続されるとともにセンサー21から第1の測定値A及び第2の測定値Bが入力される制御部22によってギャザリングシュー14の位置を制御する。具体的には、制御工程では、駆動装置15によって、ギャザリングシュー14を第1方向X1に沿って移動させる。
【0040】
詳しくは、本実施形態の制御工程では、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシュー14を移動させる。
【0041】
例えば、
図4に示すように、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、第1の測定値Aが大きい場合、
図5に示すように、第2の巻き取り工程の前に、その差が小さくなる方向(図中、左方向)にギャザリングシュー14を移動させる。このような工程を経て、第2のケーキ42(
図3参照)が形成される。
【0042】
(本実施形態の効果)
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)直前に製造されていた第1のケーキ41の第1の端部41aの位置に応じた第1の測定値A、及び第2の端部41bの位置に応じた第2の測定値Bに基づいて、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシュー14の自身の軸方向に沿った位置が制御される。これにより、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシュー14の位置を所定の位置に配置することができ、ひいては第2のケーキ42を第2のコレット20における所望の位置に形成することができる。その結果、例えば、第2のケーキ42が他の物体と接触してしまうといったことを抑制できる。
【0043】
(2)第1のコレット19における第1のケーキ41の中心位置としたい目標の位置を基準位置Zとして、第1の測定値Aは、基準位置Zから第1の端部41aまでの長さとされ、第2の測定値Bは、基準位置Zから第2の端部41bまでの長さとされる。そして、第1の測定値Aと第2の測定値Bとが比較されて、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシュー14が移動されるため、第2のケーキ42が第2のコレット20における所望の位置に形成される。
【0044】
(3)センサー21によって、第1の端部41aの位置に応じた第1の測定値A、及び第2の端部41bの位置に応じた第2の測定値Bが測定される。そして、制御部22によって、センサー21から入力される第1の測定値A及び第2の測定値Bに基づいて、ギャザリングシュー14の自身の軸方向に沿った位置が制御される。よって、自動的に、第2のケーキ42が第2のコレット20における所望の位置に形成される。
【0045】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0046】
・上記実施形態では、制御工程では、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、そのいずれかが大きい場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシュー14を移動させるとしたが、これに限定されない。
【0047】
例えば、制御工程では、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、その差が許容基準値を超える場合に、その差が小さくなる方向にギャザリングシュー14を移動させるようにしてもよい。すなわち、制御工程で、第1の測定値Aと第2の測定値Bとを比較して、その差が許容基準値以下である場合、ギャザリングシュー14を移動させないようにしてもよい。このようにすると、ギャザリングシュー14を細かく移動させるといった必要以上の動作を抑制することができる。
【0048】
また、上記実施形態では、第1の測定値Aを、基準位置Zから第1の端部41aまでの長さとし、第2の測定値Bを、基準位置Zから第2の端部41bまでの長さとしたが、これに限定されず、第1の測定値A及び第2の測定値Bを他の値として制御してもよい。例えば、第1の測定値と第2の測定値とを位置情報としつつ、それら第1の測定値と第2の測定値との中心位置と、基準位置Zとを比較した結果に応じて、第2の巻き取り工程におけるギャザリングシュー14の位置を制御するようにしてもよい。
【0049】
・上記実施形態のガラス繊維の製造方法は、ガラス繊維の製造装置11を用いて実行するとしたが、これに限定されず、他の製造装置を用いて実行してもよい。具体的には、例えば、上記実施形態では、センサー21と、センサー21から第1の測定値A及び第2の測定値Bが入力される制御部22とによってギャザリングシュー14の位置を制御するとしたが、これに限定されない。例えば、第1の測定値A及び第2の測定値Bを手動で測定してもよい。また、例えば、ギャザリングシュー14の位置を手動で制御してもよい。
【0050】
・
図1から
図5では、センサー21を第1のコレット19や第2のコレット20の下方に図示したが、これに限定されず、センサー21は他の位置に配置してもよい。また、上記実施形態のセンサー21は、カメラを含み、カメラで撮影した画像データから第1の測定値A及び第2の測定値Bを測定するとしたが、第1の測定値A及び第2の測定値Bを測定できれば、他の構成に変更してもよい。
【0051】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
11 ガラス繊維の製造装置
14 ギャザリングシュー
16 トラバース
19 第1のコレット
20 第2のコレット
21 センサー
22 制御部
41 第1のケーキ
41a 第1の端部
41b 第2の端部
42 第2のケーキ
A 第1の測定値
B 第2の測定値
F ガラスフィラメント
S ガラスストランド
Z 基準位置