(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026000649
(43)【公開日】2026-01-06
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 5/20 20060101AFI20251223BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20251223BHJP
【FI】
H02K5/20
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098106
(22)【出願日】2024-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 英里加
(72)【発明者】
【氏名】神本 雅章
(72)【発明者】
【氏名】内勢 英明
(72)【発明者】
【氏名】川崎 将大
(72)【発明者】
【氏名】月下 祐樹
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605BB05
5H605BB17
5H605CC06
5H605DD13
5H605EC07
5H605EC18
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】優れた冷却性とコンパクト化を実現する。
【解決手段】冷媒が流れる1つの冷媒流路110と、回転電機2に通電される電流が流れる2つの電力配線70,80とを備える。2つの電力配線70,80が、異なる方向から冷媒流路110に近接するように一体構造部50の内部に配置されている。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機であって、
冷媒が流れる冷媒流路を構成している第1流路と、
前記回転電機に通電される電流が流れる電力配線を構成している第1配線及び第2配線と、
前記第1流路、前記第1配線、及び、前記第2配線が一体化されている一体構造部と、
を備え、
前記第1配線と前記第2配線とが、異なる方向から前記第1流路に近接するように前記一体構造部の内部に配置されている回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記一体構造部は、前記冷媒が流入又は流出する開口を有している回転電機。
【請求項3】
請求項1に記載の回転電機において、
前記一体構造部は、前記第1配線によって構成される端子台を有している回転電機。
【請求項4】
請求項2に記載の回転電機において、
前記一体構造部は更に、前記第1配線及び前記第2配線によって構成される端子台を有している回転電機。
【請求項5】
請求項1に記載の回転電機において、
前記一体構造部は、絶縁性樹脂による成形構造を有している回転電機。
【請求項6】
請求項5に記載の回転電機において、
前記成形構造が、前記絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い絶縁性のフィラーを含む回転電機。
【請求項7】
請求項1に記載の回転電機において、
前記第1配線及び前記第2配線は、板状の金属導体からなり、
前記第1配線及び前記第2配線の各々の板面が前記第1流路と対向するように配置されている回転電機。
【請求項8】
請求項1に記載の回転電機において、
前記第1配線は、板状の金属導体からなり、
前記第1配線が、前記第1流路に沿って板面が曲がる屈曲部を有している回転電機。
【請求項9】
請求項1に記載の回転電機において、
前記第1配線及び前記第2配線は、前記第1流路に沿って延びる直線部を有している回転電機。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載の回転電機において、
前記電力配線は、前記第1配線及び前記第2配線とともに前記一体構造部に一体化される第3配線を含み、
前記冷媒流路は、前記第1流路とともに前記一体構造部に一体化される第2流路を含み、
前記第3配線、前記第1流路、前記第1配線、前記第2流路、前記第2配線の順で、これらが近接して並ぶように配置されている回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する技術は、特に車両に駆動用として搭載される、回転電機(電動機、発電機、又は発電動機)に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機の作動時には、銅損及び鉄損により、回転電機は発熱する。車載の駆動源とされる回転電機の場合、大電流が流れる。従って、発熱量も多い。冷媒の循環によって回転電機を冷却し、その温度上昇を抑制することが一般に行われている。回転電機に付随する端子台などの通電部位も同様である。
【0003】
開示する技術に関連する先行技術としては、例えば、特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1には、冷媒流路の上部に端子台を取り付けたモータが開示されている。特許文献2には、冷媒流路の側部に端子台を取り付けたモータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-296103号公報
【特許文献2】US2022/0037963A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2のモータの場合、端子台の発熱部位(金属導体であるバスバー、電気配線など)に対して、下方又は側方の所定の方向からしか冷却できない。また、別々に構成された端子台と冷媒流路とが隣接するように配置されている。従って、これら全体のサイズが大きくなる。小型化の点で改善の余地がある。
【0006】
そこで、この明細書では、回転電機の端子台及び冷媒流路に関するこれら技術の欠点を解消し、冷却性に優れ、サイズもコンパクトにできる技術について開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する技術は、回転電機に関する。
【0008】
前記回転電機は、冷媒が流れる冷媒流路を構成している第1流路と、前記回転電機に通電される電流が流れる電力配線を構成している第1配線及び第2配線と、前記第1流路、前記第1配線、及び、前記第2配線が一体化されている一体構造部と、を備える。そして、前記第1配線と前記第2配線とが、異なる方向から前記第1流路に近接するように前記一体構造部の内部に配置されている。
【0009】
すなわち、この回転電機によれば、大電流の流れる2つの電力配線が、冷媒が流れる1つの冷媒流路とともに一体構造部に一体化されている。従って、これらの位置関係は多少の衝撃が作用しても不変である。近接していても、これらの配置を安定して維持できる。互いの干渉を阻止できる。
【0010】
そして、2つの電力配線が1つの冷却流路に異なる方向から近接している。従って、2つの電力配線を1つの冷却流路で効果的に冷却できる。昇温に伴う電気抵抗の増加を抑制できる。電力配線の横断面積を小さくでき、軽量にできる。電力配線とともに一体構造部のサイズをコンパクトにできる。
【0011】
前記一体構造部は、前記冷媒が流入又は流出する開口を有している、としてもよい。
【0012】
そうすれば、一体構造部のサイズをコンパクトにできる。
【0013】
前記一体構造部は、前記第1配線及び前記第2配線によって構成される端子台を有している、としてもよい。
【0014】
そうすれば、一体構造部のサイズをコンパクトにできる。端子台とともに冷媒の出入り口も有していれば、一体構造部のサイズをよりいっそうコンパクトにできる。
【0015】
前記一体構造部は、絶縁性樹脂による成形構造を有している、としてもよい。
【0016】
そうすれば、一体構造部を任意の形状に成形できるので、汎用性に優れる。絶縁性の点でも有利である。
【0017】
前記成形構造が、前記絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い絶縁性のフィラーを含む、としてもよい。
【0018】
そうすれば、成形構造の冷却性が向上する。従って、一体構造部のサイズをよりいっそうコンパクトにできる。
【0019】
前記第1配線及び前記第2配線は、板状の金属導体からなり、前記第1配線及び前記第2配線の各々の板面が前記第1流路と対向するように配置されている、としてもよい。
【0020】
そうすれば、電力配線と冷媒との間で熱交換し易くなる。従って、電力配線の横断面積を更に小さくでき、よりいっそう軽量にできる。一体構造部のサイズをよりいっそうコンパクトにできる。
【0021】
前記第1配線は、板状の金属導体からなり、前記第1配線が、前記第1流路に沿って板面が曲がる屈曲部を有している、としてもよい。
【0022】
そうすれば、電力配線と冷媒との間で熱交換し易くなる。従って、電力配線の横断面積を更に小さくでき、よりいっそう軽量にできる。一体構造部のサイズをよりいっそうコンパクトにできる。
【0023】
前記第1配線は、前記第1流路に沿って延びる直線部を有している、としてもよい。
【0024】
そうすれば、電力配線と冷媒との間で熱交換し易くなる。従って、電力配線の横断面積を更に小さくでき、よりいっそう軽量にできる。一体構造部のサイズをよりいっそうコンパクトにできる。
【0025】
前記電力配線は、前記第1配線及び前記第2配線とともに前記一体構造部に一体化される第3配線を含み、前記冷媒流路は、前記第1流路とともに前記一体構造部に一体化される第2流路を含み、前記第3配線、前記第1流路、前記第1配線、前記第2流路、前記第2配線の順で、これらが近接して並ぶように配置されている、としてもよい。
【0026】
そうすれば、3相の交流電流が流れる電力配線を、コンパクトなサイズで効果的に冷却できる。
【発明の効果】
【0027】
開示する技術を回転電機に適用することにより、電力配線の優れた冷却性を実現でき、サイズをコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】回転電機の適用例を説明するための図である。
【
図4】
図3において破線で示すモータの本体部分の外観図及びその構造を説明するための図である。
【
図5】
図3において矢印A2で示す概略断面図であり、モータの冷却を説明するための図である。
【
図6】モータの冷却構造の一部を説明するための図である。
【
図7】
図3において矢印A2で示す概略断面図であり、モータの通電を説明するための図である。
【
図8】モータの通電構造の一部を説明するための図である。
【
図13】冷媒流路と電力配線との位置関係を示す概略図である。
【
図15A】第2の実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、開示する技術について説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎない。説明で用いる前後、左右、及び、上下の方向は、車両を基準とする。各図において、これらの方向を矢印で示す。左右方向は車幅方向に相当する。
【0030】
回転軸が延びる方向を軸方向という。また、回転軸に対して、その周囲の方向を周方向といい、その半径の方向を径方向という。
【0031】
<回転電機の全体構造>
開示する技術における回転電機は、機能的な観点からは、電動機、発電機、又は、発電動機である。開示する技術を適用した回転電機は、車両の駆動源に好適である。
【0032】
図1に、その一例を示す。例示の回転電機は、回生時には発電機としても機能するが、主たる機能は電動機(モータ)である。従って、ここでは回転電機をモータとして説明する。
【0033】
例示の車両1は、いわゆるハイブリッド車である。モータ2及びエンジン3が車両1に搭載されている。車両1は、エンジン3及び/又はモータ2の駆動で走行する。モータ2の電源として、高電圧で大容量のバッテリ4が車両1のフロアパネルの下に搭載されている。
【0034】
モータ2はエンジン3と一体に組み付けられている。すなわち、モータ2は、エンジン3と一体化した駆動ユニットDUを構成している。その駆動ユニットDUは、車両1の前室1aに搭載されている。駆動ユニットDUは、左右の前輪1b,1bを回転駆動する。この車両1は、いわゆるFF車である。
【0035】
駆動ユニットDUは、その回転軸Jが車幅方向に延びるように、車両1に横置きされている。エンジン3は、例えば直列4気筒のレシプロエンジンである。開示する技術では、エンジン3の種類や性能は任意に選択できる。
【0036】
図1に拡大して示すように、駆動ユニットDUは、エンジン3及びモータ2とともに、ジョイント5、トランスミッション6を含む。モータ2は、インバータ7を介してバッテリ4と電気的に接続されている。インバータ7の制御により、モータ2はバッテリ4から入力される電力で駆動する。開示する技術の「回転電機」は広義であり、ここでのモータ2は、インバータ7(電力装置の一例)を含む。
【0037】
モータ2の駆動による車両1の走行時には、インバータ7は、バッテリ4の直流電力を、異なる位相の3相の交流電力に変換してモータ2に入力する。それによってモータ2は回転する。車両1の減速に伴う回生時には、インバータ7は、モータ2で発生する交流電力を直流電力に変換し、バッテリ4に向けて出力する。尚、インバータ7は、コンバータなど、電力変換に関連するその他の電力装置を含んでいてもよい。
【0038】
図2に、駆動ユニットDUを上方から見た図を示す。
図3は、駆動ユニットDUを、
図2の矢印A1の方向から見た図である。配管等は省略している。
図4は、
図3において破線で示すモータ2(本体部分)の外観図及びその構造を説明するための図である。
図5は、
図3において矢印A2で示す概略断面図であり、モータ2の冷却を説明するための図である。
【0039】
図6は、モータ2の冷却構造の一部を説明するための図である。
図7は、
図3において矢印A2で示す概略断面図であり、モータ2の通電を説明するための図である。
図8は、モータ2の通電構造の一部を説明するための図である。
【0040】
駆動ユニットDUは、エンジン3、モータ2、ジョイント5、及び、トランスミッション6を一体に組み付けることによって構成されている。すなわち、エンジン3は、その筐体を構成するエンジンブロック11を有している。同様に、ジョイント5はジョイントブロック12を、モータ2はモータブロック13を、トランスミッション6はトランスミッションブロック14を、それぞれ有している。
【0041】
図2、
図3に示すように、駆動ユニットDUは、これらブロックを互いに組み付けることによって一体化されている。それにより、駆動ユニットDUは、これらブロックが一体化したユニットブロック10を有している。開示する技術の「回転電機」は広義であり、単体のモータ2に限らず、モータ2を含んだ駆動ユニットDUであってもよい。
【0042】
図3に破線で示すように、モータ2の本体部分は、モータブロック13に収容されている。その外観を、
図4の左側に示す。
図4に示すように、モータ2の本体部分は、ハウジング30、ステータ31、ロータ32、モータシャフト33などで構成されている。
【0043】
モータ2は、例えば3相の永久磁石型同期モータである。ロータ32は、永久磁石を含む円柱状の部材からなる。図示は省略するが、ロータ32の外周部分にN極及びS極からなる磁極が交互に設けられている。回転軸Jを中心に、ロータ32とモータシャフト33とが同軸に固定されている。
【0044】
ステータ31は、円筒状の部材からなる。ステータ31は、ロータ32の周囲にエアギャップを隔ててロータ32と同軸に配置されている。図示は省略するが、ステータ31は、鋼鉄製のコアと、そのコアに銅線を巻回して構成されたU,V,Wからなる3相のコイル群を含む。
【0045】
ハウジング30は、断面が円形の金属容器からなる。ロータ32及びステータ31は、ハウジング30に収容されている。モータシャフト33は、ハウジング30に回転可能に軸支されている。モータシャフト33は、回転軸Jと一致するように、車幅方向へ水平に延びるように配置される。モータシャフト33の右側の端部は、接離可能な状態で、ジョイント5を介してエンジン3のクランクシャフトと連結されている。
【0046】
モータシャフト33の左側の端部は、トランスミッション6に連結されている。トランスミッション6は、エンジン3及び/又はモータ2が出力する動力を変速して出力する。トランスミッション6は、回転軸Jに偏心して配置された出力軸6aを有している(
図15B参照)。その出力軸6aを介して左右の前輪1b,1bに変速した動力が出力される。
【0047】
ステータ31の外周面はハウジング30の内周面に密着している。モータ2の作動中、ステータ31には大電流が流れる。その際、銅損及び鉄損によってステータ31は発熱する。ステータ31を冷却するために、ハウジング30の外周には、冷媒が流れる帯状の流路(ステータ冷却流路34)が形成されている。ステータ冷却流路34は、ステータ31の幅の半分以上の大きな幅でハウジング30の全周にわたって延びるように設けられている。
【0048】
軸方向から見て、ハウジング30の前側の斜め上方には取付台35が配置されている。換言すれば、
図4に示すように、軸方向の左側から見て、回転軸Jより上方であって、時計の12時から3時の間、特に1時から2時の間に相当する部位に取付台35が配置されている。言い換えると、ステータ31に沿って延びるステータ冷却流路34の上下方向の中間よりも上方に配置される。ステータ31は環状のため、取付台35をステータ31の上下方向の中間の高さでハウジング30に配置すると、回転電機の水平方向の寸法が増大し易い。
【0049】
取付台35は、前斜め上方に面する平坦な取付面35aを有している。取付台35は、ハウジング30の接線方向に延びる長方形状に形成されている。取付面35aには、ステータ冷却流路34に連通する導入口35b及び導出口35cが形成されている。導入口35b及び導出口35cは、周方向に隣接している。取付面35aにはまた、2つの締結孔35dと、2つの位置決め孔35eとが形成されている。
【0050】
ステータ冷却流路34における取付台35の対向部位には、仕切壁36が設けられている。仕切壁36は、導入口35bと導出口35cとの間に配置されている。ステータ冷却流路34は、仕切壁36によって分断されている。それにより、導入口35bからステータ冷却流路34に導入される冷媒は、ステータ冷却流路34を時計回りに流れた後、導出口35cから導出される。
【0051】
ステータ31の右側面には、環形状又は弧形状を有する各相のコイル連結バスバー37が設置されている。各コイル連結バスバー37は、各相のコイル群と電気的に接続されている。これらコイル連結バスバー37の各々における取付台35の対向部位には、
図7に示すように、径方向外側に突出する接続片37aが設けられている。
【0052】
取付台35には、モールド成形によって一体に構成された特定の端子台(一体構造部の一例)が取り付けられる。この端子台は、冷媒の循環を中継する冷媒流路も兼用する(ハイブリッド端子台50ともいう)。開示する技術により、ハイブリッド端子台50は、冷却性に優れるコンパクトな構造で構成されている。ハイブリッド端子台50の詳細は後述する。
【0053】
(モータの冷却構造)
図5に、ステータ冷却流路34を用いたモータ2の冷却構造を簡略化して示す。車両1には、エンジン3を冷却するために、冷却水の循環システムが備えられている。このモータ2の冷却構造の場合、冷媒には、その冷却水が用いられている。尚、冷媒はオイルなどでもよく、その種類は問わない。
【0054】
モータ2の冷却構造は、その循環システムが備える熱交換器20、ウォータポンプ21などを利用する。熱交換器20は、車両1の前部に配置されていて、冷却水を空冷する。ウォータポンプ21は、駆動ユニットDUの動力又は電力によって作動する。熱交換器20で冷却された冷却水は、ウォータポンプ21により、エンジン3及びインバータ7に送られる。
【0055】
インバータ7には、図示しないが、収容している電気部品を冷却する冷却通路が設けられている。インバータ7を冷却した冷却水は、
図2に示す冷媒導入配管22を通ってユニットブロック10の前部に設けられた流路連結部15に導入される。
【0056】
図6に、流路連結部15を示す。流路連結部15は、導入側及び導出側の各連結流路23,24、導入側及び導出側の各ジョイント配管25などで構成されている。
図6の上図の流路連結部15が導入側であり、
図6の下図の流路連結部15が導出側である。各連結流路23,24は、ユニットブロック10の上部前側に形成されている。冷媒導入配管22は、ユニットブロック10の前面に開口した導入側の連結流路23の入口23aに接続される。
【0057】
導入側の連結流路23の出口23bは、後述するハイブリッド端子台50の冷媒流入口101と対向するように、ユニットブロック10の内面に配置されている。冷媒流入口101は、ステータ冷却流路34の導入口35bに連通している。導入側のジョイント配管25は、導入側の連結流路23の出口23bと冷媒流入口101との間の流路を構成するように、これらの間に取り付けられる。
【0058】
導入側と同様に、導出側の連結流路24の入口24aが、後述するハイブリッド端子台50の冷媒流出口111と対向するように、ユニットブロック10の内面に配置されている。冷媒流出口111は、ステータ冷却流路34の導出口35cに連通している。導出側のジョイント配管25は、導出側の連結流路24の入口24aと冷媒流出口111との間の流路を構成するように、これらの間に取り付けられる。
【0059】
図5に示すように、ハイブリッド端子台50は、ハウジング30の上部、詳細には、上述したように、軸方向から見てハウジング30の前側の斜め上方に配置されている。
【0060】
環状のステータ冷却流路34に空気が入り込むと、その空気はステータ冷却流路34の上部に集まる。ステータ冷却流路34に空気が溜まると、モータ2の冷却を妨げる。従って、ステータ冷却流路34に空気が入り込んでも、その空気が溜まらないようにする必要がある。
【0061】
そのために、ハイブリッド端子台50が、ハウジング30の上部に配置されている。ハイブリッド端子台50は、ステータ冷却流路34から冷却水が出入りする出入り口を構成している。従って、ハイブリッド端子台50はステータ冷却流路34のエア抜きができる。
【0062】
エア抜きの観点からは、ハイブリッド端子台50は、ステータ冷却流路34の最上部に配置するのが好ましい。しかし、そうすると駆動ユニットDUの上下寸法が大きくなる。それに対し、上述したように配置すると、ステータ冷却流路34の導出口をステータ冷却路34の回転軸Jよりも下方に配置する場合に比してエア抜き性が高く、駆動ユニットDUの上下寸法の削減とステータ冷却流路34のエア抜き性とを両立できる。更にステータ冷却流路34の鉛直方向で上面側に導出口が設けられるのがエア抜きの観点から好ましい。
【0063】
加えて、後述するように、ハイブリッド端子台50に、インバータ7の交流側接続器44の交流接続端子44U,44V,44Wを直付けできる。従って、通電距離を短縮できる。
【0064】
図6の下図に示すように、モータブロック13の前面に開口した導出側の連結流路24の出口24bには、冷媒導出配管26が接続されている。その冷媒導出配管26を通じて冷却水がモータ2から導出される。その冷却水が、熱交換器20を経由してウォータポンプ21に戻される。そうして、冷却水が循環し、モータ2を冷却する。
【0065】
(モータの通電構造)
図7に、ハイブリッド端子台50を用いたモータ2の通電構造を簡略化して示す。上述したように、モータ2は、インバータ7を介してバッテリ4と電気的に接続されている。
【0066】
インバータ7は、電気部品を収容するインバータケース40を有している。
図2、
図7に示すように、インバータケース40は、大略、上下方向の厚みが小さく前後及び左右に拡がる扁平な形状を有している。インバータケース40は、回転軸Jに跨がるように、駆動ユニットDUの上部に締結して取り付けられる。
【0067】
図2に示すように、インバータ7は、直流側接続器41、平滑コンデンサ42、制御基板43、交流側接続器44などの電気部品を有している。直流側接続器41は、制御基板43に接続される正極バスバー41a及び負極バスバー41bを含む。直流側接続器41は、インバータケース40に収容されている。所定のケーブル8を介して、直流側接続器41はバッテリ4と電気的に接続されている。
【0068】
制御基板43には、IGBT、MOSFETなどのパワー系半導体が実装されている。これらにより、制御基板43の上にインバータ回路が構成されている。モータ2に入出力される電力の制御は制御基板43で実行される。交流側接続器44は、制御基板43に接続される3相(U相,V相,W相)の各交流接続端子44U,44V,44W(「電力装置の接続端子」の一例)を含む。
【0069】
インバータ7は、交流側接続器44及びハイブリッド端子台50を介して、モータ2と電気的に接続される。そのために、交流側接続器44は、その上部がインバータケース40の中に位置し、その下部がモータブロック13の中に位置するように、モータブロック13の上面の前側部分に設置されている。
【0070】
図8に、その交流側接続器44の設置部16を拡大して示す。モータブロック13の上面の前端部分には、長孔16aが開口した所定の設置部16が設けられている。交流側接続器44は、矩形ブロック状の台座部44aと、その下側に一体に設けられた差込部44bとを有している。差込部44bは長孔16aに嵌合する。
【0071】
各交流接続端子44U,44V,44Wは、折り曲げることによってL形状に形成されている。各交流接続端子44U,44V,44Wの一端は、台座部44aに露出した状態で横並びに配置されている。各交流接続端子44U,44V,44Wの他端は、横並びの状態で差込部44bから下方に突出している。差込部44bを長孔16aに差し込んで、台座部44aを設置部16に固定する。そうすることにより、交流側接続器44はモータブロック13に設置されている。
【0072】
ハイブリッド端子台50には、配線を介在することなく、交流側接続器44の各交流接続端子44U,44V,44Wが直付けされる。具体的には、詳細は後述するが、ハイブリッド端子台50の各締結座66U,66V,66Wに、対応する相の交流接続端子44U,44V,44Wがネジ止めされる。ハイブリッド端子台50の各ステータ側接続端子73,83a、93は、各コイル連結バスバー37の接続片37aと接合されている。それにより、インバータ7とモータ2とが、最短距離で、電気的に接続されている。
【0073】
【0074】
図12は、電力配線を説明するための図である。
図13は、冷媒流路と電力配線との位置関係を示す概略図である。
図14は、補強材65を説明するための図である。
図14の断面図は、
図10において矢印A5で示す概略断面図である。
【0075】
上述したように、ハイブリッド端子台50は、冷媒の循環を中継する冷媒流路も兼用しており、モールド成形によって一体に構成されている(一体構造部)。すなわち、ハイブリッド端子台50は、モータ2(詳細にはステータ31)とインバータ7との間に介在して、これらの電気的な接続を中継する電力配線を含む端子台を構成している。モールド成形により、電力配線が樹脂に埋設されている。従って、振動に対して強い。また、各電力配線間の距離が、樹脂の無い場合の絶縁距離より小さくても、絶縁距離を確保して安定した絶縁性を確保できる。
【0076】
そして、ハイブリッド端子台50には、冷却水が流入する冷媒流入口101と冷却水が流出する冷媒流出口111とが形成されている。すなわち、ハイブリッド端子台50には、ステータ冷却流路34に冷却水の循環を中継する冷媒流路が一体に設けられている。
【0077】
そして、これら電力配線及び冷媒流路の立体的な形状及び配置を工夫することにより、冷却性に優れるコンパクトなハイブリッド端子台50が構成されている。
【0078】
それというのも、この種の端子台には、通電によって発熱する電力配線(バスバー、リード線など)が設けられる。しかも、車両1の電力走行時にはその電力配線に大電流が継続して流れる。そのうえ、電力配線の電気抵抗が大きくなればなるほど、発熱量が増加して電力配線は高温になる。電力配線が高温になればなるほど、その電気抵抗は大きくなる。
【0079】
そのため、電力配線は、想定される高温でも冷却能力を超えて発熱しないよう、電気抵抗の小さい横断面の大きいものが求められる。それにより、この種の端子台の電力配線は、高重量でサイズも大きいのが一般的である。
【0080】
それに対し、このハイブリッド端子台50では、冷媒が流れる冷媒流路を兼用しており、その冷媒によって、通電中は常時、電力配線を冷却できるように構成されている。加えて、より効果的に電力配線を冷却できるように、冷媒流路及び電力配線の立体的な形状及び配置が工夫されている。その結果、ハイブリッド端子台50は、冷却性に優れ、そのサイズもコンパクトになっている。以下、その詳細について説明する。
【0081】
ハイブリッド端子台50は、絶縁性樹脂による成形構造51を有している。成形構造51は、射出成形によって形成されている。成形構造51は、溶融した絶縁性樹脂が所定形状に固化したものである。
【0082】
絶縁性樹脂の電気抵抗率は、108 Ω・m以上である。絶縁性樹脂としては、絶縁性及び成形性の観点から、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが好ましい。尚、ハイブリッド端子台50は、絶縁性樹脂に限らず、セラミックなどで構成してもよい。
【0083】
絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い絶縁性のフィラーを成形構造51に含ませてもよい。
【0084】
フィラーの具体例としては、酸化ケイ素、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素などが挙げられる。成形構造51がこのようなフィラーを含むことで、電力配線の冷却性が向上する。従って、ハイブリッド端子台50を、よりコンパクトにできる。
【0085】
成形構造51は、3つの導体埋設部(U相導体埋設部52U、V相導体埋設部52V、W相導体埋設部52W)、2つの流路形成部(流入路形成部53a、流出路形成部53b)、取付部54、接続部55などを含む。
【0086】
U相導体埋設部52U、V相導体埋設部52V、及びW相導体埋設部52Wには、それぞれ、後述するU相配線70、V相配線80、及びW相配線90(「電力配線」の一例)が埋設されている。流入路形成部53a及び流出路形成部53bには、それぞれ、後述する流入路100及び流出路110(「冷媒流路」の一例)が形成されている。
【0087】
図9A、
図9B、
図11に示すように、流入路形成部53a及び流出路形成部53bは、円筒状に形成されており、流入路100及び流出路110と共に、左右方向(軸方向)に、互いに平行して延びている。U相導体埋設部52U、V相導体埋設部52V、及びW相導体埋設部52Wは、板壁状に形成されており、左右方向(軸方向)に、それぞれの壁面を対向させた状態で互いに平行して延びている。
【0088】
そして、U相導体埋設部52U、V相導体埋設部52V、及びW相導体埋設部52W、並びに、流入路形成部53a及び流出路形成部53bは、W相導体埋設部52W、流入路形成部53a、V相導体埋設部52V、流出路形成部53b、U相導体埋設部52Uの順で、前から後の方向に近接して並ぶように配置された状態で、一体に形成されている(この部分を導体流路一体部56ともいう)。
【0089】
詳細には、流入路形成部53aの前側の側部とW相導体埋設部52Wの一方の壁面とが一体化されている。流入路形成部53aの後側の側部とV相導体埋設部52Vの一方の壁面とが一体化されるとともに、V相導体埋設部52Vの他方の壁面と流出路形成部53bの前側の側部とが一体化されている。流出路形成部53bの後側の側部とU相導体埋設部52Uの一方の壁面とが一体化されている。
【0090】
W相導体埋設部52W、流入路形成部53a、V相導体埋設部52V、流出路形成部53b、及びU相導体埋設部52Uの右端は、端面が揃うように(いわゆる面一)に形成されている。一方、U相導体埋設部52Uの左端は、W相導体埋設部52W、V相導体埋設部52V、流入路形成部53a、及び、流出路形成部53bよりも僅かに長く形成されている。
【0091】
そうして、W相導体埋設部52W、V相導体埋設部52V、流入路形成部53a、及び、流出路形成部53bの左側には、これらに近接して前後方向に延びる板壁状の導体埋設延長部57が設けられている。導体埋設延長部57の前端部分には、更にそこから左方に延出された板壁状の導体埋設張出部58が設けられている。
【0092】
導体埋設延長部57の後端は、U相導体埋設部52Uの左端に連なる。すなわち、U相導体埋設部52Uの左側は、導体埋設延長部57及び導体埋設張出部58によって前方及び左方に延長されている。
【0093】
取付部54は、導体流路一体部56の両側に張り出した一対のフランジ54a,54aと、長方形状で平坦な接合面54bとを有している。接合面54bは、一対のフランジ54a,54a及び導体流路一体部56の下部に設けられている。
【0094】
接合面54bは、取付台35の取付面35aに重ね合わされる。導体流路一体部56は左右方向(軸方向)に延びているのに対し、接合面54bは前後方向(軸直角方向)に延びている。従って、これらは互いに直交している。
【0095】
図9C,
図9Dに示すように、接合面54bには、取付面35aの導入口35b及び導出口35cに対応して、連結流出口59及び連結流入口60が形成されている。連結流出口59及び連結流入口60には、それぞれ、液漏れを防ぐパッキン61(Oリング)が装着される。一対のフランジ54a,54a及び接合面54bには、取付面35aの締結孔35dに対応して、2つの貫通孔62が形成されている。
【0096】
接合面54bにはまた、取付面35aの位置決め孔35eに対応して、2つの位置決めピン63が形成されている。各位置決めピン63を各位置決め孔35eに差し込んで、
図8に示すように、各貫通孔62に挿通したボルト64を各締結孔35dにねじ込むことにより、取付部54は取付台35に取り付けられる。それにより、取付面35aの導入口35b及び導出口35cは、接合面54bの連結流出口59及び連結流入口60と高精度で連結できる。液漏れも効果的に防止できる。
【0097】
また、取付面35aに対して接合面54bを密着させるためには、接合面54bを精度高く平坦にする必要がある。従って、高度な成形精度が求められる。更に、締結によって変形しない十分な強度も必要である。
【0098】
接合面54bの成形精度及び強度を向上するために、成形構造51に補強材65が埋設されている。
図14に、その補強材65を例示する。補強材65は、長方形状の外観を有する金属のプレス加工品からなる。補強材65は、その両側の縁部を同じ向きに曲げて形成された一対の脚部65a,65aを有している。補強材65は、アーチ状の横断面を有している。
【0099】
補強材65の板面には、連結流出口59及び連結流入口60、並びに、2つの貫通孔62に重なる4つの孔が形成されている。補強材65は、脚部65aを接合面54bに向けた状態で、一対のフランジ54a,54a及び導体流路一体部56に埋設されている。脚部65aの突端は、僅かな隙間を隔てて接合面54bと対向している。
【0100】
このような補強材65を設けることにより、接合面54bの強度を向上できる。そして、成形時には、溶融した樹脂を接合面54bの形成部位に行き渡らせることができる。接合面54bを精度高く形成できる。従って、取付面35aと接合面54bのシール性を向上できる。成形構造51の樹脂量を削減できる。
【0101】
接続部55は、流入路形成部53a、W相導体埋設部52W、及び、導体埋設張出部58の上側に一体に設けられている。接続部55は、矩形ブロック状の挿入部55aと、箱形状の受入部55bとを有している。挿入部55aは、導体流路一体部56と同様に左右方向に延びている。
【0102】
図9Aに示すように、挿入部55aの一方の側部(基端部)は、W相導体埋設部52Wの上縁部分に連なっている。挿入部55aは、そこから後方向かって上り傾斜している。挿入部55aの傾斜した外面に、各相の締結座66U,66V,66Wが左右方向に並ぶように配置されている。挿入部55aの突端部分には、各締結座66U,66V,66Wに対応した3つの挿入口67が形成されている。これら挿入口67の各々には、上述した交流接続端子44U,44V,44Wが挿入される。
【0103】
図9Bに示すように、各相の締結座66U,66V,66Wには、U相配線70、V相配線80、及び、W相配線90の各インバータ側接続端子71,84,91が、露出した状態で配置されている。
図8、
図10に示すように、各インバータ側接続端子71,84,91の上に、各交流接続端子44U,44V,44Wが重なった状態で、これら締結座66U,66V,66Wにネジ68(「所定の締結部材」の一例)を差し込んで締結される。そうして、各相のインバータ側接続端子71,84,91と交流接続端子44U,44V,44Wとがネジ止めされる。
【0104】
各相の締結座66U,66V,66Wには、挿入部55aの外面を貫通したネジ下孔が形成されている。挿入部55aと導体流路一体部56との間に、各相の締結座66U,66V,66Wに対応して3つの受入部55bが設けられている。
図10に示すように、これら受入部55bは、ネジ止めされるネジ68のネジ軸を内部に受け入れる。
【0105】
(流入路、流出路)
図10、
図11に示すように、流入路100は、流入路形成部53aの右端面に開口する冷媒流入口101を有している。流出路110は、流出路形成部53bの右端面に開口する冷媒流出口111を有している。流入路100及び流出路110は、いずれも円筒状の流路からなる。
【0106】
流入路100は、開示する技術における「第1流路」に相当する。流出路110は、開示する技術における「第2流路」に相当する。
【0107】
流入路100は、冷媒流入口101から左方に延びる流入横孔部102と、流入横孔部102の左端の部分から取付面35aに向かって延びる流入縦孔部103とを有している。流入横孔部102は流入縦孔部103と直交している。流出路110も同様に、冷媒流入口101から左方に延びる流出横孔部112と、流出横孔部112の左端の部分から接合面54bに向かって延びる流出縦孔部113とを有している。
【0108】
流入横孔部102及び流出横孔部112は、流入縦孔部103及び流出縦孔部113よりも直径は大きい。流入横孔部102及び流出横孔部112は、左方に向かうほど段階的に直径が小さく形成されている。流入横孔部102及び流出横孔部112の左端部分の直径は、流入縦孔部103及び流出縦孔部113の直径と略同一である。
【0109】
流入縦孔部103の接合面54bにおける開口が、上述した連結流出口59である。流出縦孔部113の接合面54bにおける開口が、上述した連結流入口60である。流入横孔部102の左側の上部には、流入横孔部102の横断面を弓形に切り欠くことによって形成された弓形欠損部104が設けられている。弓形欠損部104の表面は、接合面54bと略平行な平坦面となっている。
【0110】
(電力配線)
ハイブリッド端子台50の成形構造51には、モータ2とインバータ7との間の電気的な接続を中継する3相の電力配線が埋設されている。これら電力配線を通じて、モータ2に入力される駆動電流又はモータ2から出力される回生電流が流れる。
【0111】
すなわち、電力配線には大電流が流れるので、電力配線は、電線よりも、棒状又は板状の金属導体が好ましい。棒状又は板状の金属導体であれば、比較的容易に電気抵抗を小さくできる。特に板状の金属導体であれば、立体的な成形性に優れ、モールドにも適している。
【0112】
ハイブリッド端子台50の各相の電力配線(U相配線70、V相配線80、W相配線90)は、冷却性及びコンパクト化の観点から、それぞれ、所定形状に加工した金属板(銅板)を折り曲げることにより、特定の形状に形成されている。
図12に、これら電力配線を示す。
【0113】
V相配線80は、開示する技術における「第1配線」に相当する。U相配線70は、開示する技術における「第2配線」に相当する。W相配線90は、開示する技術における「第3配線」に相当する。
【0114】
(W相配線)
W相配線90は、成形構造51のうち、接続部55、及び、導体流路一体部56の前側部分(W相導体埋設部52W)に配置される。W相配線90は、帯板状の短寸中間部92と、その対角に位置する両端部の縁から互いに逆方向に直交して延びる第1インバータ側接続端子91及び第1ステータ側接続端子93とを有している。
【0115】
第1インバータ側接続端子91は、その基端部分において鈍角で折り曲げられている。第1インバータ側接続端子91の突端部分にはネジ上孔が形成されている。第1インバータ側接続端子91の突端部分は、ネジ上孔がネジ下孔と重なるように、W相の締結座66Wに露出した状態で配置される。
【0116】
第1ステータ側接続端子93は、短寸中間部92に連なる矩形板状の部分からなる。第1ステータ側接続端子93の突端部分は、W相導体埋設部52Wから突出している。第1ステータ側接続端子93の突端部分は、W相のコイル連結バスバー37の接続片37aと電気的に接続される。
【0117】
(U相配線)
U相配線70は、成形構造51のうち、接続部55と、導体流路一体部56の後側部分及び左側部分とに配置される。U相配線70は、帯板状の長寸中間部72と、その対角に位置する両端部の縁から逆方向に直交して延びる第2インバータ側接続端子71及び第2ステータ側接続端子73とを有している。
【0118】
長寸中間部72は、U相導体埋設部52U、導体埋設延長部57、及び、導体埋設張出部58にわたって埋設される。長寸中間部72は、これらの配置に応じて折り曲げられている。すなわち、長寸中間部72は、左右方向に延びる主体部72aと、主体部72aの左端から直交して前側に延びる延出部72bと、延出部72bの前端から直交して左方に延びる張出部72cとを有している。
【0119】
第2インバータ側接続端子71は、張出部72cの縁に連なる。第2インバータ側接続端子71は、第1インバータ側接続端子91と同様に、その基端部分において鈍角で折り曲げられている。第2インバータ側接続端子71の突端部分にはネジ上孔が形成されている。第2インバータ側接続端子71の突端部分は、ネジ上孔がネジ下孔と重なるように、U相の締結座66Uに露出した状態で配置される。
【0120】
第2ステータ側接続端子73は、主体部72aの右端部に連なる矩形板状の部分からなる。第2ステータ側接続端子73の突端部分は、U相導体埋設部52Uから突出している。第2ステータ側接続端子73の突端部分は、U相のコイル連結バスバー37の接続片37aと電気的に接続される。
【0121】
(V相配線)
V相配線80は、成形構造51のうち、接続部55、及び、導体流路一体部56の中央部分における流入路100と流出路110の間の部分に配置される。そのため、V相配線80は特に複雑な形状を有している。
【0122】
V相配線80は、第1導通部81、第2導通部82、及び、第3導通部83を有している。第1導通部81は、流入路100及び流出路110の間をこれらに沿って左右方向に延びるように配置されている。
【0123】
第1導通部81は、流入路100及び流出路110の双方と略平行に配置された状態で、V相導体埋設部52V(一体化している流入路形成部53a及び流出路形成部53bの一部も含む)に埋設されている。第1導通部81は、後述するように電流の流れる方向(通電方向)に延びている。第1導通部81は、上下方向に、互いに対向している第1側部81s1及び第2側部81s2からなる一対の側部と、これら側部の左右の両端に位置している第1端部81e1(左側の端部)及び第2端部81e2(右側の端部)からなる一対の端部とを有している。
【0124】
第1導通部81は、その第1端部81e1の側に設けられた板幅の小さい部分(小幅部81a)と、この小幅部81aに連なってその第2端部81e2の側に設けられた板幅の大きい部分(大幅部81b)とを有している。大幅部81bは、小幅部81aよりも長い(略2倍)。そして、これら小幅部81aと大幅部81bに跨がるようにして、第1導通部81に屈曲部85が設けられている。
【0125】
具体的には、屈曲部85は、第1導通部81の第2側部81s2を、所定幅で前方に略L形状に折り曲げることによって形成されている。
図10、
図11に示すように、屈曲部85の突端は、流入縦孔部103と僅かな隙間を隔てて対向するように配置されている。
【0126】
屈曲部85は、第1導通部81の第2側部81s2における第1端部81e1から、第2側部81s2の中間部位まで延びている。屈曲部85により、小幅部81aの板幅が小さくても、第1導通部81の横断面積を大きくできる。
【0127】
すなわち、後述するように第1導通部81に径方向の大きさの制限があっても、大きな導通面積(電流の流れる断面積)を確保できる。従って、電気抵抗を小さくできる。放熱し難い部位にあっても、通電時の温度上昇を抑制できる。そして、略L形状に折り曲げることにより、成形時に、溶融した樹脂を円滑に充満できる。
【0128】
第2側部81s2における屈曲部85の第2端部81e2の側の境界部分には、凹部86が設けられている。凹部86は、第2側部81s2が略矩形に凹むことによって形成されている。凹部86の存在により、第2側部81s2を容易に折り曲げることが可能になる。凹部86は屈曲部85の形成に寄与している。
【0129】
凹部86の存在は、第1導通部81の板幅を小さくする。それに対し、凹部86は大幅部81bに形成されている。従って、凹部86が存在しても大きな導通面積を確保できる。
【0130】
第2導通部82は、略V形状の部分からなり、第1導通部81の第1端部81e1における第1側部81s1の側に設けられている。第1導通部81の第1側部81s1における小幅部81aと大幅部81bとの境界部分に、板幅方向に切り込まれた切欠87が設けられている。この切欠87を介して板面を折り曲げることにより、第1導通部81と第2導通部82との連結部位が形成されている。
【0131】
切欠87の存在により、第1側部81s1を容易に折り曲げることが可能になる。切欠87は、第2導通部82、並びに、板幅の異なる小幅部81a及び大幅部81bの形成に寄与している。切欠87及び凹部86は通電方向にずれて位置している。そして、小幅部81aと大幅部81bに跨がる屈曲部85が形成されている。従って、第1導通部81にその板幅を小さくする切欠87及び凹部86が形成されていても、大きな導通面積を確保できる。
【0132】
第2導通部82は、第1導通部81の第1側部81s1から屈曲部85と同じ側に略直角に折り曲げられて屈曲部85よりも大きく延びる水平面部82aと、水平面部82aの突端から逆方向に鋭角で折り返されて屈曲部85から離れる方向に延びる傾斜面部82bとを有している。
【0133】
尚、水平面部82aは、必ずしも略直角に折り曲げなくともよい。ただし、屈曲部85とともに略直角に折り曲げることにより、水平面部82aと屈曲部85をそれぞれ加工が容易な直線形状としつつ、これら両者の離間距離を、流入路100を挟むのに必要な幅に抑えることができる。
【0134】
傾斜面部82bの突端部分にはネジ上孔が形成されている。
図10に示すように、傾斜面部82bの突端部分は、ネジ上孔がネジ下孔と重なるように締結座66Vに露出した状態で配置される。傾斜面部82bの突端部分は、第3インバータ側接続端子84を構成している。
【0135】
第3導通部83は、矩形板状の部分からなり、第1導通部81の第2端部81e2における第2側部81s2の側に設けられている。第3導通部83は、第1導通部81の第2側部81s2から直交する方向に延びている。第3導通部83の突端部分は、V相導体埋設部52Vから突出している。第3導通部83の突端部分は、第3ステータ側接続端子83aを構成している。第3導通部83の突端部分は、V相のコイル連結バスバー37の接続片37aと電気的に接続される。
【0136】
(電力配線と冷媒流路の位置関係)
図13に、各電力配線(U相配線70、V相配線80、W相配線90)と冷媒流路(流入路100、流出路110)の位置関係を示す。上図は、流出路110とU相配線70及びV相配線80の位置関係を表している。下図は、流入路100とV相配線80及びW相配線90の位置関係を表している。
【0137】
導体流路一体部56の内部には、前側から後側に向かって、W相配線90(「第3配線」に相当)、流入路100(「第1流路」に相当)、V相配線80(「第1配線」に相当)、流出路110(「第2流路」に相当)、U相配線70(「第2配線」に相当)の順でこれらが近接して並ぶように配置されている。
【0138】
換言すれば、電力配線と冷媒流路とが交互に近接して並ぶように配置されている。従って、U相配線70、V相配線80、及びW相配線90の全てを効果的に冷却できる。ハイブリッド端子台50をコンパクト化できる。
【0139】
上図に示すように、U相配線70及びV相配線80は、異なる方向(前方及び後方)から流出路110に近接するように配置されている。下図に示すように、V相配線80及びW相配線90は、異なる方向(前方及び後方)から流入路100に近接するように配置されている。
【0140】
それにより、流入路100及び流出路110が、それぞれ1つの冷媒流路で2つの電力配線を冷却できる。従って、これらを狭い範囲に効率よく配置でき、各電力配線を効果的に冷却できる。各電力配線を小さくでき、ハイブリッド端子台50をコンパクトにできる。
【0141】
W相配線90及びU相配線70は、相対的に導体流路一体部56の外側に位置している。一方、V相配線80は相対的に導体流路一体部56の内側に位置している。従って、放熱のし易さに関しては、V相配線80は、W相配線90及びU相配線70よりも不利である。
【0142】
それに対し、流入路100と流出路110とが、異なる方向(前方及び後方)からV相配線80に近接するように配置されている。従って、V相配線80が導体流路一体部56の内部に配置されていても、V相配線80を効果的に冷却できる。通電時の温度上昇を抑制できるので、V相配線80を小さくできる。ハイブリッド端子台50をコンパクト化できる。
【0143】
更に、V相配線80が板状の金属導体からなり、流入路100がV相配線80の前面(「第1の板面」に相当)と対向し、流出路110がV相配線80の後面(「第2の板面」に相当)と対向するように配置されている。それにより、V相配線80と流入路100及び流出路110との間の熱交換をよりいっそう促進できる。従って、V相配線80をよりいっそう効果的に冷却できる。
【0144】
V相配線80はまた、流入路100及び流出路110に沿って延びる第1導通部81を有している。それにより、V相配線80と流入路100との間の熱交換をよりいっそう促進できる。従って、V相配線80をよりいっそう効果的に冷却できる。第1導通部81は「直線部」に相当する。
【0145】
V相配線80は更に、その第1導通部81に、流入路100の外周に沿って曲がる屈曲部85を有している。それにより、V相配線80と流入路100との間の熱交換をよりいっそう促進できる。従って、V相配線80をよりいっそう効果的に冷却できる。
【0146】
交流側接続器44の各交流接続端子44U,44V,44Wをネジ止めするために、ハイブリッド端子台50は、上述した所定の位置に配置されている。それにより、ネジ68を締結する方向や位置は制限される。
【0147】
図10に示すように、締結したネジ68のネジ軸の先に、第1導通部81が位置する。従って、ハイブリッド端子台50にネジ68を適切に締結するためには、ネジ68と第1導通部81との干渉を回避する必要がある。それにより、第1導通部81の径方向の大きさは制限される。
【0148】
それに対し、第1導通部81には屈曲部85が設けられているので、径方向に小さくても、その横断面積を大きくできる。電気抵抗を低減できる。
【0149】
しかも、流入横孔部102に弓形欠損部104を設け、水平面部82aがその平坦面に沿って延びるように配置されている。従って、ハイブリッド端子台50のサイズを径方向にコンパクトにできる。V相配線80を、より効果的に冷却できる。
【0150】
U相配線70及びW相配線90もまた、板状の金属導体からなる。そして、U相配線70の長寸中間部72の板面は、流出路110と対向するように配置されている。W相配線90の短寸中間部92の板面は、流入路100と対向するように配置されている。
【0151】
それにより、U相配線70及びW相配線90もまた、流入路100又は流出路110と熱交換を促進できる。従って、U相配線70及びW相配線90についても、効果的に冷却できる。長寸中間部72及び短寸中間部92は「直線部」に相当する。
【0152】
U相配線70及びW相配線90のこれら長寸中間部72及び短寸中間部92、並びに、V相配線80の第1導通部81は、流入路100又は流出路110に平行した状態で軸方向に延びている。そして、ハイブリッド端子台50に冷却水を流入及び流出させるこれら流入路100又は流出路110の開口、つまり冷媒流入口101及び冷媒流出口111は、ハイブリッド端子台50の右端面に配置されている。
【0153】
更に、ハイブリッド端子台50から径方向に延びてステータ31に接続される各ステータ側接続端子73,83a、93は、それぞれ、ハイブリッド端子台50の右端部の下側に配置されている。すなわち、これら開口101,111とステータ側接続端子73,83a、93は、軸方向において重なる位置に配置されている。
【0154】
モータブロック13の軸方向のサイズは小さい。各ステータ側接続端子73,83a、93を、ハイブリッド端子台50から径方向に延びるように配置することで、樹脂に埋設される長寸中間部72及び短寸中間部92、並びに、第1導通部81は、比較的短くできる。従って、電力配線の温度上昇の抑制に有利である。各ステータ側接続端子73,83a、93は、ハイブリッド端子台50から露出している。この点でも、電力配線の温度上昇の抑制に有利である。
【0155】
そして、ステータ側接続端子73,83a、93は、冷媒流入口101及び冷媒流出口111と軸方向において重なる位置に配置されている。すなわち、冷媒流路が必要かつ最小限の長さで形成されている。それにより、ハイブリッド端子台50は、軸方向にもコンパクト化されていて、そのサイズが最適化されている。
【0156】
更に、
図11に示すように、U相配線70の長寸中間部72は、流出路110に平行した状態で軸方向に延びる主体部72aから、延出部72bが流出路110の端部に沿って屈曲して延びている。従って、U相配線70を効果的に冷却できる。延出部72bは「屈曲部」として機能させることができる。
【0157】
ここで、U相配線70及びV相配線80は、W相配線90に対し長く、電気抵抗による発熱量の観点で不利であるが、冷媒流路100,110に近接する部位をW相配線90よりも増加させることで、温度上昇を抑制できる。
【0158】
<第2の実施形態>
上述した実施形態では、開示する技術の「一体構造部」として、インバータ7とモータ2との間を電気的に接続するハイブリッド端子台50を例示した。第2の実施形態では、その「一体構造部」の別の形態を例示する。
【0159】
上述した駆動ユニットDUの場合、作動時には、バッテリ4とインバータ7との間を電気的に接続する直流側接続器41及びその周辺部位も大電流が流れる。発熱量も多いので、それらのサイズも大きくなり易い。従って、効果的に冷却すれば、全体のサイズをコンパクト化できる。
【0160】
図15Aに、ハイブリッドDC中継器200(一体構造部の一例)を示す。
図15Bは、
図14Aおいて矢印A6で示す概略断面図である。
図15Aは、駆動ユニットDUの後側を図示している。
【0161】
図15Aは更に、ユニットブロック10(モータブロック13及びトランスミッションブロック14の部分)を拡大して図示している。その拡大図は、ハイブリッドDC中継器200と、その冷却構造及び通電構造を説明するために簡略化してある。
【0162】
図15Bに示すように、トランスミッション6の出力軸6aは、トランスミッションブロック14の下部から後方に突出した軸支部14aに配置されている。この軸支部14aは、車両1の前方からの衝突(いわゆる前突)により、駆動ユニットDUが後方に変位した場合に、ダッシュパネル1cに先当たりする。
【0163】
一般に、DCコネクタなどは、前突に対する保護の観点から、ユニットブロック10の上部の後隅部に配置される。インバータ7がモータブロック13の上方に配置されていると、直流側接続器41の近傍に位置する点でも好ましい。
【0164】
従って、ハイブリッドDC中継器200もまた、トランスミッションブロック14の上部の後隅部に配置される。ハイブリッドDC中継器200は、中継端子201a,201bを埋設するとともに、その内部に冷媒流路が形成された、絶縁性樹脂のモールド成形部品からなる。絶縁性樹脂などの構成は、ハイブリッド端子台50と同じである。
【0165】
中継端子201a,201bは、正極側及び負極側の2つの中継端子を含む。これら中継端子201a,201bは、帯板状の金属導体である。後方から見た場合、これら中継端子201a,201bは重なるように配置されているが、
図15Aでは、便宜上、これらの位置を左右にずらして図示している。前側が正極側の中継端子201aであり、後側が負極側の中継端子201bである。
【0166】
ハイブリッドDC中継器200の上部には、直流側接続器41と電気的に接続される直流端子台202が設けられている。ハイブリッドDC中継器200の下部には、DCプラグ203が設けられている。バッテリ4から延びるケーブル8のDCコネクタ8aがDCプラグ203に接続される。2つの中継端子201a,201bは、これら直流端子台202とDCプラグ203との間を接続している。
【0167】
2つの中継端子201a,201bは、ハイブリッドDC中継器200の奥方、つまりモータブロック13の側に偏って位置するように配置されている。従って、前突時に、中継端子201a,201bの損傷等を効果的に抑制できる。一方、2つの中継端子201a,201bをハイブリッドDC中継器200の奥方に配置すると、放熱の点では不利になる。
【0168】
ハイブリッドDC中継器200には、流入側冷媒流路205が形成されている。流入側冷媒流路205は、上述した実施形態のモータ2の冷却構造において、インバータ7に流入する冷却水の上流側の流路を構成している。流入側冷媒流路205は、2つの中継端子201a,201bと効率的に熱交換できるように構成されている。
【0169】
具体的には、流入側冷媒流路205は、2つの中継端子201a,201bと立体的に交差するように配置されている。流入側冷媒流路205は、2つの中継端子201a,201bと交差して延びる上流側交差部205aと、上流側交差部205aの下流側に連なってその逆方向から2つの中継端子201a,201bと交差して延びる下流側交差部205bとを有している。
【0170】
上流側交差部205aは、離れて位置する2つの中継端子201a,201bの間に挟まれるように配置され、下流側交差部205bは、近接して位置する2つの中継端子201a,201bの外側に近接するように配置されている。上流側交差部205aは、相対的に低温の冷却水が流れるのに対し、下流側交差部205bは、相対的に高温の冷却水が流れる。
【0171】
上流側交差部205aに、2つの中継端子201a,201bが異なる方向から近接している。従って、これら2つの中継端子201a,201bを効果的に冷却できる。ハイブリッドDC中継器200の中央部分を通る負極側の中継端子201bに、上流側交差部205a及び下流側交差部205bの双方が両側から近接している。従って、負極側の中継端子201bを効果的に冷却できる。
【0172】
なお、開示する技術は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
【0173】
例えば、一体構造部は、ユニットブロック10を構成している構造の一部であってもよい。例示の一体構造部の冷媒流路は樹脂成形によって形成したが、パイプを埋設して形成してもよい。絶縁処理は必要であるが、一体構造部は樹脂に限らずアルミ等の鋳造によって形成してもよい。
【0174】
電力配線は電線であってもよい。中性線など、電力配線は第4以上の配線を含んでいてもよい。インバータ7はモータ2の上方でなく側方に配置(縦置き)してもよい。
【0175】
実施形態及び第2の実施形態の各構成は、必要に応じて適宜組み合わせてもよい。例えば、ハイブリッドDC中継器200において、ハイブリッド端子台50のように、ステータ31との間に介在する冷媒流路を形成することにより、ハイブリッドDC中継器200からステータ冷却流路34に冷媒が流れるように構成してもよい。また電気自動車の回転電機であってもよい。
【符号の説明】
【0176】
1 車両
2 モータ
3 エンジン
4 バッテリ
5 ジョイント
6 トランスミッション
7 インバータ
10 ユニットブロック
11 エンジンブロック
12 ジョイントブロック
13 モータブロック
14 トランスミッションブロック
20 熱交換器
21 ウォータポンプ
22 冷媒導入配管
25 ジョイント配管
30 ハウジング
31 ステータ
32 ロータ
33 モータシャフト
34 ステータ冷却流路
35 取付台
36 仕切壁
37 コイル連結バスバー
40 インバータケース
41 直流側接続器
44 交流側接続器
44U,44V,44W 交流接続端子
50 ハイブリッド端子台(一体構造部の一例)
51 成形構造
52U,52V,52W 導体埋設部
53a,53b 流路形成部
54 取付部
55 接続部
56 導体流路一体部
65 補強材
66U,66V,66W 締結座
70 U相配線(電力配線)
71 第2インバータ側接続端子
73 第2ステータ側接続端子
80 V相配線(電力配線)
81 第1導通部
81s1 第1側部
81s2 第2側部
81e1 第1端部
81e2 第2端部
81a 小幅部
81b 大幅部
82 第2導通部
82a 水平面部
82b 傾斜面部
83 第3導通部
83a 第3ステータ側接続端子
84 第3インバータ側接続端子
85 屈曲部
86 凹部
87 切欠
90 W相配線(電力配線)
91 第1インバータ側接続端子
93 第1ステータ側接続端子
100 流入路
101 冷媒流入口
110 流出路
200 ハイブリッドDC中継器
201a、201b 中継端子
205 流入側冷媒流路
205a 上流側交差部
205b 下流側交差部
DU 駆動ユニット
J 回転軸