(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026008296
(43)【公開日】2026-01-19
(54)【発明の名称】包装用紙
(51)【国際特許分類】
D21H 19/36 20060101AFI20260108BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20260108BHJP
B32B 27/10 20060101ALI20260108BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20260108BHJP
【FI】
D21H19/36 Z
B32B27/20 A
B32B27/10
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108865
(22)【出願日】2024-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 巨訓
(72)【発明者】
【氏名】藤田 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 香奈子
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 宏二
(72)【発明者】
【氏名】浦崎 淳
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
4L055
【Fターム(参考)】
3E086AB01
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3E086BB85
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4L055EA14
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4L055FA15
4L055GA05
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、良好な印刷適性を有し、かつ良好な紙の「こし感」を有する包装用紙を提供することである。
【解決手段】課題は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙によって解決される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙。
【請求項2】
前記紙基材が、表面サイズ剤として澱粉類を含む、請求項1に記載の包装用紙。
【請求項3】
前記少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層である、請求項1又は2に記載の包装用紙。
【請求項4】
前記最外層が、中空有機顔料を更に含有する、請求項3に記載の包装用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すなわち包装用紙に関する。さらに、本発明は、内容物に直接接する一次包装の個装体を収納する二次包装に好適な包装用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
市場に存在する包装用紙は、クラフト法により製造されたクラフトパルプを原料にし、一般的に白色無機顔料を含む塗工層を有しないクラフト紙が多い。さらに、前記クラフト紙には、紙の片面を平滑化して艶を出した片艶紙がある。前記クラフトパルプには、未晒しクラフトパルプと晒工程を経た晒クラフトパルプとが存在する。
【0003】
一方、包装用紙に適するクラフト紙には、塗工層を有する紙も存在する。例えば、JIS P8124に準拠した坪量が50~120g/m2で、JIS P3401に規定されたクラフト紙3種の品質基準を満足し、クラフトパルプを含むパルプからなる基紙の少なくとも片面に塗工層が設けられ、該塗工層が、重質炭酸カルシウム及び毬栗状顔料の少なくとも1種を含む顔料と接着剤とを主成分とした塗工剤を塗工して形成されたものであり、塗工層表面のJIS P8147に準拠した滑り傾斜角が20度以上で、塗工層表面のJIS P8151(ISO8791-4)に準拠したパーカー・プリント・サーフ粗さが2.0~5.0μmであることを特徴とするクラフト紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、特許文献1に記載のクラフト紙は、適度の紙コシを有し、包装用紙としての優れた製袋適性を備えるだけでなく、印刷適性にも優れ、加工時の滑りがなく、例えば高速で高繊細なオフセット印刷に好適に使用することができる、と記載される。特許文献1では、紙コシについて、クラフト紙を手にした際の手肉感(ボリューム感)を、従来の晒クラフト紙(商品名:スノークイーンG、大王製紙(株)製)の手肉感と比較して、従来の晒クラフト紙を超える手肉感又は従来の晒クラフト紙と同様の手肉感を有するものを適度な紙コシを有すると評価し、認定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙の「こし」は、こわさ、剛度又は剛直度と称され、JIS P8143に準じた「クラークこわさ」及びJIS P8125に準じた「テーバーこわさ」などが公知である。しかしながら、これらで測定される数値で表される紙の「こし」は、人の知覚に依存した紙の「こし」とズレがある。前記ズレは、特に、塗工層を有する場合に顕著である。前記ズレのために、特許文献1に記載された評価のように、紙の「こし」の評価に人の知覚が重要になる。特許文献1に記載の前記紙の手肉感及びボリューム感は、紙の硬さないし紙のしなりではなく、坪量及び重さが依存する。そのため、紙の「こし」とは幾分異なる感触を捉えているといえる。
【0006】
包装用紙に適する紙の「こし」の評価には、新たな総合的な基準が必要である。包装用紙では、包装体の輸送時及び店頭陳列時に受ける衝撃を幾分緩和でき得る硬さ及び力に対する反発性が必要であり、一方で、袋状の包装体に対する親しみ易さの観点から、硬い強張った触感及び反発性に欠いた張りのない感触を避ける必要がある。そこで、本明細書では、紙の適度な硬さ及び適度な反発性を合わせて「包装用紙適性」とし、前記包装用紙適性と紙の触感とを総合して紙の「こし感(Sensory Stiffness)」と定義する。具体的には、被験者が紙を手で触り、紙の硬さ及び強張感、紙の張り及び反発性、並びに紙のしなやかさの感触から、紙の「こし感(Sensory Stiffness)」があるかどうか、官能的に評価する。
【0007】
また、包装用紙には、収納物に関する情報などを印刷する必要がある。印刷適性に寄与する白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層を有しない紙基材では、印刷適性に劣る。特に、従来からの軟包装材料に使用されるポリプロピレンの印刷物と比較して、白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層を有しない包装用紙では、包装材料への印刷に通常使用されるグラビア印刷機への印刷適性に劣る。
【0008】
一方、紙は、重さで取引されるために坪量(g/m2)は重要である。同じ坪量である場合、白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層を有する包装用紙と前記塗工層を有さない包装用紙との対比では、一般的に、前記塗工層を有する包装用紙の方が包装用紙適性に劣る。この理由は、白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層が、紙基材に比べて強度的に劣るからである。
【0009】
以上から、本発明の目的は、紙基材と白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有する包装材料、すなわち包装用紙であって、良好な印刷適性を有し、かつ良好な紙の「こし感」を有する包装用紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、本発明に係る包装用紙を発明するに至った。本発明の目的は以下の形態により達成される。
[1]パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙。
【0011】
また、本発明は、下記の形態を含む。
[2]前記紙基材が、表面サイズ剤として澱粉類を含む、前記[1]に記載の包装用紙。
【0012】
また、本発明は、下記の形態を含む。
[3]前記少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層である、前記[1]又は[2]に記載の包装用紙。
【0013】
また、本発明は、下記の形態を含む。
[4]前記最外層が、中空有機顔料を更に含有する、前記[3]に記載の包装用紙。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、紙基材と白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有する包装材料、すなわち包装用紙であって、良好な印刷適性を有し、かつ良好な紙の「こし感」を有する包装用紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、紙の適度な硬さ及び適度な反発性を合わせて「包装用紙適性」とし、前記包装用紙適性と紙の触感とを総合して紙の「こし感(Sensory Stiffness)」と定義する。具体的には、被験者が紙を手で触り、紙の硬さ及び強張感、紙の張り及び反発性、並びに紙のしなやかさの感触から、紙の「こし感(Sensory Stiffness)」があるかどうか、官能的に評価する。
本明細書中において、範囲(記号「~」を用いて記載される範囲を含む)は、その端点を含む。例えば、範囲「18~55」は、値18及び55、並びにそれらの間の値を含む。
【0016】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一形態は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙である。本形態により、紙基材と白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層とを有する包装材料、すなわち包装用紙であって、良好な印刷適性を有し、かつ良好な紙の「こし感」を有する包装用紙が提供される。
【0017】
本発明の包装用紙は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に対して少なくとも一層の塗工層とを有する。本明細書中において、「少なくとも一層の塗工層」とは、「一層又は二層以上の塗工層」を意味する。
【0018】
前記紙基材は、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)から成る群から選ばれるパルプを含む。本明細書中において、「紙基材が、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)から成る群から選ばれるパルプを含む」とは、紙基材が、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)、又は広葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)のいずれか、又はこれらの任意の組み合わせを含むことを意味する。クラフトパルプとは、製紙分野で従来公知のクラフト法によって製造された化学パルプの一種である。晒クラフトパルプは、漂白工程により漂白されたクラフトパルプである。未晒しクラフトパルプは、前記漂白工程を受けていないクラフトパルプである。
前記紙基材において、前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量は、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上である。本明細書中において、「針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量」は、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)、又は広葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)のいずれか、又はこれらの任意の組み合わせの合計含有量を表す。前記紙基材は、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)以外のパルプ(以下、「その他のパルプ」と呼ぶ場合もある。)を含んでいてもよい。その他のパルプは、例えば、前記針葉樹及び広葉樹以外に製紙分野で従来公知の植物由来のクラフトパルプであり得る。その他のクラフトパルプの原料は、前記針葉樹及び広葉樹以外に製紙分野で従来公知の植物由来であって、例えば、麻、リンター、わら、竹、サトウキビ、ヨシ、果実、コウゾ、ミツマタ及びガンピなどを挙げることができる。その他のパルプの他の例としては、機械パルプ、脱墨古紙パルプ及び並びに製紙工場で発生する損紙を離解して成るパルプなどを挙げることができる。
紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、紙基材に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%未満であると、良好な紙の「こし感」を得ることができないばかりか、包装用紙で求められる十分な強度も得ることができない。いくつかの実施態様において、紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量100質量部に対して、紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ及び針葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの含有量は、10質量部以上40質量部以下である。この理由は、紙の「こし感」と包装用紙で求められる十分な強度とがより上手く両立できるからである。
【0019】
紙基材は、パルプを水に分散した紙料を、従来公知の抄紙機を用いて抄造して得ることができる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機及びヤンキー抄紙機などを挙げることができる。また、前記紙料には、パルプ以外に、必要に応じて填料、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、カチオン化剤、紙力剤、嵩高剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、並びに乾燥紙力増強剤などの各種添加剤を配合することができる。各種添加剤を紙料に配合することによって、紙基材は、各種添加剤を含有することができる。いくつかの実施態様において、紙基材は、サイズ剤、定着剤、紙力剤及び歩留り剤を含有する。この理由は、紙基材の耐水性及び強度などが良化するからである。
【0020】
いくつかの実施態様において、紙基材は、表面サイズ剤を含む。
紙基材は、表面サイズ剤を含有するサイズプレス液でサイズプレス処理を施すことで、表面サイズ剤を含有することができる。表面サイズ剤は、製紙分野で従来公知のものである。表面サイズ剤は、例えば、澱粉類、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、セルロース系サイズ剤、ポリビニルアルコール系サイズ剤、スチレンアクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレンマレイン酸系サイズ剤、及びアクリルアミド系サイズ剤などを挙げることができる。
少なくとも一つの実施態様において、紙基材は、表面サイズ剤として澱粉類を含む。この理由は、パルプ繊維と澱粉類とが繊維どうし吸着し易いため、紙の「こし感」をより良化することができるからである。さらに、印刷適性がより良化するからである。澱粉類は、製紙分野で従来公知のものである。澱粉類は、グルコースがグリコシド結合によって重合した多糖類、及びグルコースがグリコシド結合によって重合した多糖類においてグルコースが有する水酸基を種々置換基によって変性した多糖類である。澱粉類の例としては、澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉、ジアルデヒド澱粉、燐酸エステル化澱粉及び尿素燐酸エステル化澱粉などのエステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、並びにヒドロキシブチル化澱粉などを挙げることができる。
【0021】
サイズプレス処理は、製紙分野で従来公知のサイズプレス装置によって達成できる。サイズプレス装置は、例えば、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス及びブレードメタリングサイズプレスを、前記ロッドメタリングサイズプレスでは更にシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザー及びフィルムプレスを、前記ロールメタリングサイズプレスでは更にゲートロールコーターなどを挙げることができる。その他にも、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレスなどを挙げることができる。
【0022】
紙基材は、カレンダー処理を受けることができる。カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理に用いる装置は、製紙分野で従来公知の装置であって、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー及びマルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
【0023】
本発明の包装用紙は、紙基材の少なくとも片面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層を有する。本明細書中において、「白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層」を、単に「塗工層」と呼ぶ場合がある。本明細書中において、便宜上、塗工層の層数が二層以上の場合は、前記紙基材に近接した塗工層から順に、第一塗工層、第二塗工層、と呼ぶ場合がある。
いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材の少なくとも片面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する一層又は二層の塗工層を有する。この理由は、製造コストの点で優位だからである。少なくとも一つの実施態様において、包装用紙は、紙基材の少なくとも片面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する一層の塗工層を有する。この理由は、製造コストの点で更に優位だからである。
いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材の両面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層を有する。この理由は、包装用紙の場合に通常印刷する面が片面だけであるところ、表裏関係なく印刷面として使用できるからである。
また、いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材の片面に対してのみ白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層を有する。この理由は、包装用紙の製造コストの点で優位だからである。
また、いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材の表面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層を有し、かつ紙基材の裏面に塗工紙分野で従来公知のバックコート層を有する。前記バックコート層は、例えば、カール防止などの機能を有するものである。
また、いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材の表面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層を有し、かつ紙基材の裏面に塗工紙分野で従来公知のヒートシール層を有する。前記ヒートシール層は、ヒートシール性の機能を有するものである。
また、いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材の表面に対して白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層を有し、かつ紙基材の裏面に塗工紙分野で従来公知の水塗り塗工及び乾燥処理を施す。前記水塗り塗工及び乾燥処理は、例えば、包装用紙のカール防止に効果的である。
【0024】
本明細書において、紙基材の表面及び裏面とは、紙基材の面を区別する便宜上の表現であり、具体的な違いに基づく支持体の表面及び裏面を意味しない。包装用紙の下記最外塗工層を有する側を表面とする。そして、本発明の包装用紙は、少なくとも表面が良好な印刷適性を有する。
【0025】
いくつかの実施態様において、包装用紙は、紙基材と塗工層との間及び/又は塗工層が二層以上の場合に塗工層と塗工層との間に、紙基材と塗工層との接着性を向上する、又は酸素バリア若しくは水蒸気バリアなどバリア性を有する樹脂層を設けることができる。
樹脂層を形成する樹脂は、包装用紙分野で従来公知の樹脂であって、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロンなど)、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリウレタン系樹脂、生分解性樹脂(ポリ乳酸など)、及びセルロース系樹脂を挙げることができる。
【0026】
包装用紙のいくつかの実施態様において、白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であり、その上に更なる層を有しない。すなわち、包装用紙が有する層において、少なくとも、紙基材を基準にして最外に位置する最外層が、白色無機顔料及びバインダーを含有する。この理由は、印刷適性がより良化するからである。本明細書中において、紙基材を基準にして最外に位置する最外層が白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層である場合、当該塗工層を「最外塗工層」と呼ぶ場合がある。例えば、白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層の層数が一層であり、当該塗工層が紙基材を基準にして最外に位置し、当該塗工層の上に更なる層を有しない場合、当該塗工層が「最外塗工層」となる。
【0027】
包装用紙の少なくとも一つの実施態様において、白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であり、及び前記最外層がヒートシール性を有しない。この理由は、印刷適性がより良化するからである。ここで、「ヒートシール性を有しない」とは、下記の方法によって得られる剥離強度の数値が、2N/15mm未満であることを指す。最外塗工層は、例えば、最外塗工層を形成する乾燥固形分の総質量に対し、白色無機顔料の含有量が80質量%以上であれば、ヒートシール性を有しない。
【0028】
(ヒートシール性の確認方法)
同じ構成の2枚の包装用紙を用いて、包装用紙の最外塗工層を有する側の面どうしを対向させてヒートシーラーにより圧力0.5MPa、130℃、1秒間の条件によってヒートシール操作を施す。ヒートシール操作を施した包装用紙を15mm幅で切り出し、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置後、引張り試験機を用い、引張り速度300mm/分、引張り角度180度でヒートシール操作を施した箇所の剥離強度を測定する。測定は、サンプル数5部で行い、5部の平均値とする。
【0029】
塗工層に係る前記白色無機顔料は、塗工紙分野で従来公知のものである。白色無機顔料は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、シリカ、珪酸アルミニウム、珪藻土、活性白土、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。いくつかの実施態様において、白色無機顔料の少なくとも一種がカオリンである。この理由は、印刷機の中で特にグラビア印刷機への印刷適性が良化するからである。
【0030】
塗工層に係る前記バインダーは、塗工紙分野で従来公知の水分散性バインダー又は水溶性バインダーである。水分散性バインダーは、例えば、スチレンブタジエン系共重合樹脂などのスチレン系樹脂、(メタ)アクリロニトリルブタジエン系共重合樹脂などの共役ジエン系共重合樹脂、(メタ)アクリル酸エステルブタジエン系共重合樹脂、(メタ)アクリル酸エステルスチレン系共重合樹脂及び(メタ)アクリル酸エステル系重合樹脂などのアクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル系共重合樹脂及び塩化ビニル酢酸ビニル系共重合樹脂などのビニル系共重合樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、並びにこれらの各種単量体を用いた変性樹脂、さらに尿素系樹脂及びメラミン系樹脂などの熱硬化合成樹脂を挙げることができる。水溶性バインダーは、例えば、澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、未変性のポリビニルアルコール及び各種変性ポリビニルアルコールポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系樹脂、カゼイン若しくはゼラチン又はそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、アルギン酸ソーダ、マレイン酸系樹脂などを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、塗工層に含まれるバインダーは、水分散性バインダーと水溶性バインダーとの組み合わせであり得る。水分散性バインダーは、前記水分散性バインダーの例から成る群から選ばれる一種又は二種以上であり得る。水溶性バインダーは、前記水溶性バインダーの例から成る群から選ばれる一種又は二種以上であり得る。この理由は、印刷適性が良化するからである。
【0031】
いくつかの実施態様において、白色無機顔料及びバインダーを含有する少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であって、前記最外層が更に中空有機顔料を含有する。すなわち、包装用紙が有する層において、少なくとも、紙基材を基準にして最外に位置する最外層が、白色無機顔料、バインダー及び中空有機顔料を含有する。この理由は、印刷適性だけでなく、紙の「こし感」もより良化するからである。
中空有機顔料は、内部空間、空洞、空隙及び気泡などの内部に空気層を有する顔料であって、塗工紙分野で従来公知のものである。中空有機顔料は、材料により熱硬化性樹脂製及び熱可塑性樹脂製が存在し、これらのいずれであってもよい。中空有機顔料は、種々の方法によって製造できる。中空有機顔料の製造方法としては、例えば、特公昭36-9168号公報及び同37-14327号公報に開示されるように、水に不溶の非重合性有機溶剤の存在下において懸濁重合または乳化重合を実施することにより、該溶剤を内孔中に含有する有機粒子を得て、この有機粒子から内包物を除去する方法、特開昭61-87734号公報に開示されるように、親水性モノマー、架橋性モノマー及び油性物質が共存する分散液を懸濁重合または乳化重合を実施することにより、該油性物質を内孔中に含有する有機粒子を得て、この有機粒子から油性物質を除去する方法、特開平9-19635号公報に開示されるように、ブタン又はペンタンなどの揮発性物質を封入したマイクロカプセルを加熱し、揮発性物質をガス化膨張させることにより中空有機粒子を得る方法、特開昭56-32513号公報に開示されるように、アルカリ膨潤性のコア部とそれを覆うシェル部とからなる重合体粒子に塩基性物質を作用させて該コア部を膨潤及び膨張させることにより乾燥時に中空を形成する方法、特開平2-173101号公報に開示されるように、コア部が酢酸ビニル重合体からなるコア/シェル型重合体の該コア部を加水分解する方法などを挙げることができる。ただし、これらの方法に限定されない。また、中空有機顔料は、例えば、ダウ・ケミカル日本社、JSR社、日本ゼオン社、松本油脂製薬社、積水化学工業社、日本フィライト社などから市販される。
中空有機顔料を構成する樹脂は、例えば、スチレンアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、塩素化ポリエーテル系樹脂、及びポリ塩化ビニル系樹脂など、並びに塩化ビニリデンとアクリロニトリルとを主な構成成分とする共重合系樹脂などを挙げることができる。
【0032】
白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層は、さらに、分散剤、滑剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等の任意の添加剤を含んでいてもよい。
【0033】
本発明の包装用紙は、前記の通り得られた紙基材に対して、白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層及び必要に応じてバックコート層や樹脂層等のその他の層を設けることにより、製造することができる。塗工層及び任意のその他の層は、所定の材料を含有する塗工液を塗工及び乾燥することによって得ることができる。塗工及び乾燥は、例えば、塗工紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いる方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター(登録商標)、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター及びフィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。また、塗工では、実験的手法である手塗用ワイヤーバーを用いた塗工を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、及びマイクロ波を利用した乾燥機などの各種乾燥装置を挙げることができる。
【0034】
包装用紙は、塗工層及び必要に応じて任意のその他の層を設けた後に、製紙分野で従来公知のカレンダー処理を施すことができる。この理由は、紙基材の最終的な平滑性が良化するからである。カレンダー処理は、製紙分野で従来公知のカレンダー装置を用いて達成できる。カレンダー装置は、下記する紙基材のカレンダー処理に挙げた例と同じである。
【0035】
本発明の包装用紙において、包装用紙の厚さは、70μm以上170μm以下である。本明細書中において、包装用紙の厚さは、ISO534:2011「Paper and board - Determination of thickness, density and specific volume」に準じて求められる値である。
包装用紙の厚さは、製紙分野で従来公知の物理量であって経験的に例えば、紙基材の抄造における紙料の供給量、抄紙工程のワイヤーパート及びプレスパートの条件、並びにカレンダー処理条件、塗工層の塗工量及びカレンダー処理条件によって制御することができる。
【0036】
本発明の包装用紙において、前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係は、A/B=18~55である。ここで、横方向(CD)のCDとは、「Cross Direction」の略であって、抄紙の流れ方向(MD)に対する直交する方向を意味する。通常、パルプの繊維は抄紙の流れ方向(MD:Machine Direction)に倣う傾向を有するところ、横方向(CD)は、パルプ繊維に交差する向きとなり、紙がひずみ易い方向である。
本明細書において、包装用紙の弾性率は、引張に関する弾性率であって、ISO1924-2:1994「Paper and board - Determination of tensile properties - Part 2 :Constant rate of elongation mryhod」に準じて求められる値である。本明細書において、包装用紙の横方向(CD)における弾性率を、弾性率A(MPa)と呼ぶ。
通常、紙は、応力×ひずみ曲線において線形弾性領域と非線形弾性領域とを有する。非線形弾性領域に達すると回復できないひずみが残る。そして、紙の線形弾性領域は、パルプ繊維の長さ、パルプの叩解度、パルプ繊維の絡み量、パルプ繊維の絡み強さ、繊維配向及び密度などが関係する複合的な要因に依存する。力に対する反発性の向上には、パルプが共通する場合、パルプ繊維の絡み量が増すために紙の坪量を増すこと、又はパルプ繊維の絡み量及び強さが増すために紙の密度を増すことが有効である。しかしながら、坪量ないし密度を増す単なる方法では、紙が硬い強張った触感となる。さらに、紙の密度を過度に減ずることは、感触及び反発性に不利である。
本発明者らは、厚さが特定の範囲内でかつ単位厚さ当たりの横方向(CD)の弾性率が特定の範囲内であると、紙が良好な「こし感」を有することができることを突き止め、本発明に至った。
【0037】
包装用紙の弾性率は、製紙分野で従来公知の物理量であって、経験的に例えば、パルプが共通の場合、紙料の濃度、紙料の供給量、抄紙工程のJ/W比、抄紙工程のワイヤーパート条件及び脱水強さ、並びに抄造後の乾燥ゾーンにおける水分量によって制御することができる。特に、水分の存在がパルプ繊維の絡み増に影響する。包装用紙において、紙基材に比べて白色無機顔料及びバインダーを含有する塗工層の弾性率への寄与は小さい。
【0038】
いくつかの実施態様において、包装用紙は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であり、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙である。
【0039】
いくつかの実施態様において、包装用紙は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であり、前記最外層が更に中空有機顔料を含有し、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙である。
【0040】
いくつかの実施態様において、包装用紙は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記紙基材が、表面サイズ剤として澱粉類を含み、
前記少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であり、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙である。
【0041】
いくつかの実施態様において、包装用紙は、パルプを含有する紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に少なくとも一層の塗工層とを有する包装用紙であって、
前記少なくとも一層の塗工層が、白色無機顔料及びバインダーを含有し、
前記紙基材中の針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプから成る群から選ばれるパルプの合計含有量が、前記紙基材中に含まれる全パルプ総質量に対し70質量%以上であり、
前記紙基材が、表面サイズ剤として澱粉類を含み、
前記少なくとも一層の塗工層のうちの一層が、紙基材を基準にして最外に位置する最外層であり、前記最外層が更に中空有機顔料を含有し、
前記包装用紙の厚さが、70μm以上170μm以下であり、
前記包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)と、前記包装用紙の厚さB(μm)との関係が、A/B=18~55である、
包装用紙である。
【0042】
本発明の包装用紙は、内容物を包装するための包装用紙として使用することができる。本発明の包装用紙は、特に、内容物に直接接する一次包装の個装体を収納する二次包装に好適である。
本発明の包装用紙は、包装用途に応じて、適宜、袋の形状に製袋して用いることができる。
【0043】
本発明の包装用紙は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、UV印刷及びEB印刷等の従来公知の各種印刷方式に対応することができる。印刷が施された包装用紙もまた、本発明の包装用紙に含まれる。
【実施例0044】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
【0045】
<紙基材-1>
CSF濾水度430mlのLBKP800質量部、CSF濾水度570mlのNBKP200質量部から成るパルプスラリーに、ロジン系サイズ剤4質量部、紙力剤としてカチオン化澱粉12質量部、硫酸アルミニウム定着剤10質量部、及びアクリルアミド系歩留り剤0.1質量部を配合して紙料を調成した。
前記紙料を長網抄紙機で抄造して抄造紙を得た。前記抄造紙の両面に対して、表面サイズ剤としてアクリルアミド系サイズ剤を含むサイズプレス液でサイズプレスを施し、続いてマシンカレンダーを用いてカレンダー処理を施して基材となる紙基材を得た。表面サイズ剤の付着量は、片面あたり1g/m2とした。包装用紙の厚さ及び弾性率は、所定の値となるように、紙料の濃度、紙料の供給量、抄紙工程のプレスパート及びドライヤーパートの条件、抄造後の乾燥ゾーンにおける水分量並びにカレンダー処理によって調整した。
【0046】
<紙基材-2>
CSF濾水度430mlのLBKP800質量部、CSF濾水度570mlのNBKP200質量部から成るパルプスラリーに、ロジン系サイズ剤4質量部、紙力剤としてカチオン化澱粉12質量部、硫酸アルミニウム定着剤10質量部、及びアクリルアミド系歩留り剤0.1質量部を配合して紙料を調成した。
前記紙料を長網抄紙機で抄造して抄造紙を得た。前記抄造紙の両面に対して、表面サイズ剤として酸化澱粉を含むサイズプレス液でサイズプレスを施し、続いてマシンカレンダーを用いてカレンダー処理を施して基材となる紙基材を得た。表面サイズ剤の付着量は、片面あたり1g/m2とした。包装用紙の厚さ及び弾性率は、所定の値となるように、紙料の濃度、紙料の供給量、抄紙工程のプレスパート及びドライヤーパートの条件、抄造後の乾燥ゾーンにおける水分量並びにカレンダー処理によって調整した。
【0047】
<紙基材-3>
CSF濾水度430mlのLBKP500質量部、CSF濾水度570mlのNBKP50質量部及び脱墨古紙パルプ450質量部から成るパルプスラリーに、ロジン系サイズ剤4質量部、紙力剤としてカチオン化澱粉12質量部、硫酸アルミニウム定着剤10質量部、及びアクリルアミド系歩留り剤0.1質量部を配合して紙料を調成した。
前記紙料を長網抄紙機で抄造して抄造紙を得た。前記抄造紙の両面に対して、表面サイズ剤としてアクリルアミド系サイズ剤を含むサイズプレス液でサイズプレスを施し、続いてマシンカレンダーを用いてカレンダー処理を施して基材となる紙基材を得た。表面サイズ剤の付着量は、片面あたり1g/m2とした。包装用紙の厚さ及び弾性率は、所定の値となるように、紙料の濃度、紙料の供給量、抄紙工程のプレスパート及びドライヤーパートの条件、抄造後の乾燥ゾーンにおける水分量並びにカレンダー処理によって調整した。
【0048】
<第一塗工層塗工液>
第一塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
白色顔料(軽質炭酸カルシウム) 100質量部
リン酸エステル化澱粉 2質量部
スチレンブタジエン系樹脂 9質量部
ステアリン酸カルシウム(滑剤) 0.3質量部
消泡剤(2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール)
0.07質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度48質量%に調整した。
【0049】
<最外塗工層塗工液-1>
最外塗工層塗工液-1は、下記の内容により調製した。
白色顔料(カオリン) 88質量部
白色顔料(軽質炭酸カルシウム) 12質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度98~99mol%、平均重合度400)
1.2質量部
スチレンブタジエン系樹脂 11質量部
ステアリン酸カルシウム(滑剤) 0.3質量部
消泡剤(2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール)
0.35質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度60質量%に調整した。
【0050】
<最外塗工層塗工液-2>
最外塗工層塗工液-2は、下記の内容により調製した。
白色顔料(カオリン) 88質量部
白色顔料(軽質炭酸カルシウム) 6質量部
白色顔料(スチレンアクリル系中空有機顔料) 6質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度98~99mol%、平均重合度400)
1.2質量部
スチレンブタジエン系樹脂 11質量部
ステアリン酸カルシウム(滑剤) 0.3質量部
消泡剤(2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール)
0.35質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度60質量%に調整した。
【0051】
以下のようにして実施例及び比較例の包装用紙を製造した。
【0052】
<包装用紙-二層型>
塗工層を二層有する包装用紙を以下の手順で作製した。
前記紙基材の表面に対して、第一塗工層塗工液をエアナイフコーターで塗工及び乾燥した。次に、得た第一塗工層に対して最外塗工層塗工液をブレードコーターで塗工及び乾燥した。乾燥後にカレンダー処理を施して包装用紙を得た。塗工量は、第一塗工層を5g/m2とし、最外塗工層を8g/m2とした。各実施例及び比較例において、用いた紙基材の種類を表1に示す。
【0053】
<包装用紙-一層型>
塗工層を一層有する包装用紙を以下の手順で作製した。
前記紙基材の表面に対して、最外塗工層塗工液をブレードコーターで塗工及び乾燥した。乾燥後にカレンダー処理を施して包装用紙を得た。塗工量は、9g/m2とした。各実施例及び比較例において、用いた紙基材の種類を表1に示す。
【0054】
<包装用紙-層無型>
塗工層を設けない紙基材-1を用いて比較例6の包装用紙とした。
【0055】
包装用紙の厚さB(μm)はISO534:2011準じて測定し、及び包装用紙の横方向(CD)における弾性率A(MPa)はISO1924-2:1994に準じて測定した。包装用紙の厚さB(μm)及び弾性率A(MPa)から、A/Bの値を算出した。
【0056】
<印刷適性>
印刷適性の評価にはグラビア印刷機を用いた。
水性グラビア用インキを用いたグラボプルーフCM(日商グラビア社)によって包装用紙の最外塗工層を有する側に印刷を実施した。印刷適性の評価は、従来から包装材料に使用されるコロナ放電処理した二軸延伸ポリプロピレンフィルムの印刷物を比較対象として、包装用紙の印刷仕上がりの印象から下記の基準で行われた。本発明において、包装用紙は、評価がA又はBであれば良好な印刷適性を有するとした。
A:比較対象に比べて、遜色なく又は概ね遜色なく、良好。
B:比較対象に比べて、幾分孫色があるものの許容範囲で、概ね良好。
C:比較対象に比べて、明らかに劣ると感じ、不良。
【0057】
<紙の「こし感」>
包装用紙を27cm×30cmの大きさに裁断し、裁断した包装用紙2枚を使用して丸めた新聞紙二玉を収納物として四隅を糊付けして封止した疑似的な包装体を作製した。紙の「こし感」の評価は、被験者は5人とし、被験者が前記包装体を手で触り、紙の硬さ及び強張感、紙の張り及び反発性、並びに紙のしなやかさの感触から、下記5段階で官能的に行われた。最終の評価結果は、被験者5人の平均値を算出し、小数点以下を四捨五入した。本発明において、包装用紙は、評価3点以上であれば良好な「こし感」を有するとした。
5点:極めて良好。
4点:良好。
3点:概ね良好。
2点:普通。
1点:劣る。
【0058】
評価結果を表1に記載する。
【0059】
【0060】
表1から、本発明の包装用紙に該当する実施例1~11は、良好な印刷適性を有しかつ良好な紙の「こし感」を有すると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~6は、これら効果の一方を満足できないと分かる。
【0061】
主に、実施例1と実施例3との対比ないし実施例2と実施例4との対比から、表面サイズ剤として澱粉類を用いてサイズプレス処理して澱粉類を含む紙基材は、紙の「こし感」がより良化すると分かる。
【0062】
主に、実施例1と実施例2との対比ないし実施例3と実施例4との対比から、最外塗工層が中空有機顔料を含有すると紙の「こし感」がより良化すると分かる。