(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】コンタクト端子、コンタクトピンモジュール、および、それを備える半導体装置用ソケット
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20220104BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20220104BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R31/26 J
(21)【出願番号】P 2017091869
(22)【出願日】2017-05-02
【審査請求日】2020-02-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000177690
【氏名又は名称】山一電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小海 邦仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆広
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕司
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-359025(JP,A)
【文献】特開2014-001997(JP,A)
【文献】実開平02-111081(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に半導体装置の電極部に当接される当接部を有する可動接点部と、配線基板の電極部に当接される当接部を有する基板側固定端子部と、前記可動接点部と該基板側固定端子部とを連結する弾性を有する連結片とを備え、
前記基板側固定端子部または前記可動接点部は、少なくとも一つの仮止め部を有し、該仮止め部は、前記連結片の両端のうちの少なくとも一方に配されるコンタクト端子支持基板の凹部の内周面に係合される第1の位置と、該凹部から取り出される第2の位置をと
り、
前記基板側固定端子部および前記可動接点部のうちのいずれか一方または両方には、前記凹部に係合される張出部を有し、前記仮止め部は、前記基板側固定端子部の張出部に隣接し、または、離隔して形成されることを特徴とするコンタクト端子。
【請求項2】
前記基板側固定端子部の張出部の幅は、前記少なくとも一つの仮止め部の対応する幅よりも大であることを特徴とする請求項1記載のコンタクト端子。
【請求項3】
一端に半導体装置の電極部に当接される当接部を有する可動接点部と、配線基板の電極部に当接される当接部を有する基板側固定端子部と、前記可動接点部と該基板側固定端子部とを連結する弾性を有する連結片とを備え、前記基板側固定端子部または前記可動接点部は、少なくとも一つの仮止め部を有
する少なくとも1つのコンタクト端子と、
前記連結片の両端のうちの少なくとも一方に配される第1のコンタクト端子支持基板または第2のコンタクト端子支持基板と、を備え、
前記コンタクト端子の前記仮止め部が、前記第1のコンタクト端子支持基板または前記第2のコンタクト端子支持基板の凹部の内周面に係合される第1の位置と、該凹部から取り出される第2の位置をとり、
前記基板側固定端子部および前記可動接点部のうちのいずれか一方または両方には、前記凹部に係合される張出部を有し、前記仮止め部は、前記基板側固定端子部の張出部に隣接し、または、離隔して形成されることを特徴とする
コンタクトピンモジュール。
【請求項4】
前記コンタクト端子の少なくとも一つの仮止め部が前記第1の位置のとき、該少なくとも一つの仮止め部から前記第1のコンタクト端子支持基板の内面までの距離が、第1のコンタクト端子支持基板の外面から突出する該基板側固定端子部の当接部までの距離に比して小であることを特徴とする請求項3記載のコンタクトピンモジュール。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載のコンタクトピンモジュールと、
前記コンタクトピンモジュールを収容するコンタクトピンモジュール収容部と、
前記コンタクトピンモジュールにおける位置決め基板に載置された半導体装置を押圧し該半導体装置の電極部とコンタクト端子とを電気的に接続する押圧機構ユニットと、を具備して構成される半導体装置用ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクト端子、コンタクトピンモジュール、および、それを備える半導体装置用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置用ソケットにおいては、例えば、特許文献1に示されるように、コンタクトピンモジュールを備えるものが提案されている。そのようなコンタクトピンモジュールは、一組のサイドプレートと、サイドプレートとサイドプレートとの間にスペーサを介して略平行になるように重ねられて配される複数個のリードフレームとを主な要素として含んで構成されている。コンタクトピンモジュールおよびリードフレームの端子部は、ソケット本体部の開口部の周縁、および、整列板に対し位置決めされている。各リードフレームは、共通の平面上に配される第1の接続部としてのコンタクトピン群と、第2の接続部としてのコンタクトピン群と、両者のコンタクトピン群の中間に設けられる支持プレートとから構成されている。1本のリードから構成されるコンタクトピンは、第1の接続部の端子群を形成する端子部と、第2の接続部の端子群を形成する端子部と、支持プレートに支持される連結線部と、各端子部と連結線部とを連結する2つの湾曲部とから構成されている。斯かる構成により、コンタクトピンモジュールは、各リードフレームのコンタクト端子における被検査物の端子に対する接触力とプリント配線基板の電極に対する接触力とが個別に設定可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなコンタクトピンモジュールの組み立ては、手作業により、先ず、リードフレームと一組のスペーサとを交互に配置し互いに重ね合わされる。次に、重ねあわされた複数のリードフレームおよびスペーサを挟持するように、各サイドプレートが配置される。続いて、リードフレームおよびスペーサと、各サイドプレートとを一体にすべく、複数本の結合ピンが、各スペーサおよび各サイドプレートの各透孔にそれぞれ挿入されることにより、コンタクトピンモジュールの組み立てが完了する。
【0005】
このようなコンタクトピンモジュールにおいては、リードフレームを位置決めする複数のスペーサが必要とされるとともに、組み立て工数が多いので製造コストが嵩む。また、そのようなコンタクトピンモジュールの組み立ては、手作業により行われ、自動組み立て機による組み立てが容易でないので生産効率の向上が図れない。
【0006】
以上の問題点を考慮し、本発明は、コンタクト端子、コンタクトピンモジュール、および、それを備える半導体装置用ソケットであって、コンタクトピンモジュールの製造コストを低減でき、しかも、コンタクトピンモジュールの組み立ての自動化を図ることができるコンタクト端子、コンタクトピンモジュール、および、それを備える半導体装置用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明に係るコンタクト端子は、一端に半導体装置の電極部に当接される当接部を有する可動接点部と、配線基板の電極部に当接される当接部を有する基板側固定端子部と、可動接点部と基板側固定端子部とを連結する弾性を有する連結片とを備え、基板側固定端子部または可動接点部は、少なくとも一つの仮止め部を有し、仮止め部は、連結片の両端のうちの少なくとも一方に配されるコンタクト端子支持基板の凹部の内周面に係合される第1の位置と、凹部から取り出される第2の位置をとり、基板側固定端子部および可動接点部のうちのいずれか一方または両方には、凹部に係合される張出部を有し、仮止め部は、基板側固定端子部の張出部に隣接し、または、離隔して形成されることを特徴とする。
【0009】
また、基板側固定端子部の張出部の幅は、少なくとも一つの仮止め部の対応する幅よりも大であってもよい。
【0010】
本発明に係るコンタクトピンモジュールは、一端に半導体装置の電極部に当接される当接部を有する可動接点部と、配線基板の電極部に当接される当接部を有する基板側固定端子部と、可動接点部と基板側固定端子部とを連結する弾性を有する連結片とを備え、基板側固定端子部または可動接点部は、少なくとも一つの仮止め部を有する少なくとも1つのコンタクト端子と、連結片の両端のうちの少なくとも一方に配される第1のコンタクト端子支持基板または第2のコンタクト端子支持基板と、を備え、コンタクト端子の仮止め部が、第1のコンタクト端子支持基板または第2のコンタクト端子支持基板の凹部の内周面に係合される第1の位置と、該凹部から取り出される第2の位置をとり、基板側固定端子部および可動接点部のうちのいずれか一方または両方には、凹部に係合される張出部を有し、仮止め部は、基板側固定端子部の張出部に隣接し、または、離隔して形成されることを特徴とする。
【0011】
コンタクト端子の少なくとも一つの仮止め部が第1の位置のとき、少なくとも一つの仮止め部から第1のコンタクト端子支持基板の内面までの距離が、第1のコンタクト端子支持基板の外面から突出する基板側固定端子部の当接部までの距離に比して小であってもよい。
【0012】
本発明に係る半導体装置用ソケットは、上述のコンタクトピンモジュールと、コンタクトピンモジュールを収容するコンタクトピンモジュール収容部と、コンタクトピンモジュールにおける位置決め基板に載置された半導体装置を押圧し半導体装置の電極部とコンタクト端子とを電気的に接続する押圧機構ユニットと、を備えて構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るコンタクト端子、コンタクトピンモジュール、および、それを備える半導体装置用ソケットよれば、基板側固定端子部または可動接点部における少なくとも一つの仮止め部は、連結片の両端のうちの少なくとも一方に配されるコンタクト端子支持基板の凹部の内周面に係合される第1の位置と、凹部から取り出される第2の位置をとるので、例えば、コンタクトピンモジュールにおけるコンタクト端子の基板側固定端子部における少なくとも一対の仮止め部が、コンタクト端子支持基板の凹部の内周面に係合される第1の位置のとき、コンタクト端子をコンタクト端子支持基板に容易に配列することによって、コンタクトピンモジュールの製造コストを低減でき、しかも、コンタクトピンモジュールの組み立ての自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るコンタクトピンモジュールの一例の構成を分解して示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る半導体装置用ソケットの一部を構成するベース部材を、
図1に示されるコンタクトピンモジュールとともに示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例の全体の構成を概略的に示す図である。
【
図4】本発明に係るコンタクト端子の第1実施例の示す斜視図である。
【
図5】(A)および(B)は、それぞれ、
図4に示されるコンタクト端子の側面図、および、正面図である。
【
図6】(A)および(B)は、それぞれ、
図5に示される例における一部を拡大して示す拡大図である。
【
図7】(A)および(B)は、それぞれ、
図1に示されるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図8】(A)および(B)は、それぞれ、
図1に示されるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図9】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例の変形例および第1のコンタクト端子支持基板の他の一例の一部を拡大して示す部分断面図、および、IXB矢視図である。
【
図10】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例の他の変形例の一部を拡大して示す部分断面図、および、XB矢視図であり、(C)は、
図10(A)におけるXC-XC線に沿って示される部分断面図である。
【
図11】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例の一部を拡大して示す部分断面図、および、XIB矢視図であり、(C)は、
図11(A)におけるXIC-XIC線に沿って示される部分断面図である。
【
図12】(A)、(B)、(C)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図13】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図であり、(B)は、
図13(A)におけるXIIIB-XIIIB線に沿って示される部分断面図である。
【
図14】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図であり、(B)は、
図14(A)におけるXIVB-XIVB線に沿って示される部分断面図である。
【
図15】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図であり、(B)は、
図15(A)におけるXVB-XVB線に沿って示される部分断面図である。
【
図16】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分拡大図であり、(B)は、(A)に示される例の側面図である。
【
図17】(A)、(B)、(C)、および、(D)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図18】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図であり、(B)は、
図18(A)におけるXVIIIB-XVIIIB線に沿って示される部分断面図である。(C)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図であり、(D)は、
図18(C)におけるXVIIID-XVIIID線に沿って示される部分断面図である。(E)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる変形例の一部を拡大して示す部分断面図であり、(F)は、
図18(E)におけるXVIIIF-XVIIIF線に沿って示される部分断面図である。
【
図19】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例を示す部分断面図であり、(B)は、(A)におけるXIXB-XIXB線に沿って示される部分断面図であり、(C)は、XIXC矢視図である。
【
図20】(A)は、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例を示す部分断面図であり、(B)は、(A)におけるXIIB-XIIB線に沿って示される部分断面図であり、(C)は、XIIC矢視図である。
【
図21】本発明に係るコンタクト端子の第2実施例を、コンタクトピンモジュールの構成要素とともに示す部分断面図である。
【
図22】(A)および(B)は、それぞれ、
図21(A)および(B)に示されるコンタクト端子の動作説明に供される部分断面図である。
【
図23】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例が用いられるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図24】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例が用いられるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図25】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例が用いられるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図26】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子の第1実施例のさらなる他の変形例が用いられるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図27】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクトピンモジュールの他の一例の要部を示す部分断面図である。
【
図28】
図27(A)および(B)に示されるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図29】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクトピンモジュールのさらなる他の一例の要部を示す部分断面図である。
【
図30】
図29(A)および(B)に示されるコンタクトピンモジュールの動作説明に供される部分断面図である。
【
図31】(A)および(B)は、それぞれ、本発明に係るコンタクト端子のさらなる他の変形例を示す部分断面図であり、(C)は、XXXIC矢視図である。
【
図32】(A)および(B)は、それぞれ、
図31(A)および(B)に示される例における動作説明に供される部分断面図であり、(C)は、XXXIIC矢視図である。
【
図33】(A)および(B)は、本発明に係るコンタクト端子のさらなる他の変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図3は、本発明に係るコンタクトピンモジュールの一例を備える半導体装置用ソケットの構成を概略的に示す。
【0016】
半導体装置用ソケットは、例えば、テストボードとしてのプリント配線基板PCB上に複数個、配置されている。なお、
図3においては、代表的に、プリント配線基板PCB上における1個の半導体装置用ソケットが示されている。
【0017】
プリント配線基板PCBは、例えば、ガラスエポキシ樹脂で作られ、後述するコンタクト端子の配置に対応し格子状に形成される複数の電極パッドからなる電極群(不図示)を一方の表面部の略中央部に有している。その周囲には、後述する小ねじBS1が挿入される透孔が4箇所に形成されている。
【0018】
半導体装置用ソケットは、例えば、クラムシェルタイプの押圧機構ユニットと、押圧機構ユニットの一部を構成するベース部材30のコンタクトピンモジュール収容部30Aに収容されるコンタクトピンモジュール20(
図2参照)とを主な要素として備えるものとされる。
【0019】
押圧機構ユニットは、ベース部材30と、押圧体36を移動可能に有するリッド部材32とを含んで構成されている。
【0020】
半導体装置DVは、例えば、BGA型のパッケージ内に集積回路を備えるものとされる。半導体装置DVの底部には、複数個の電極部DVa(
図3参照)が縦横に形成されている。半導体装置DVが後述するコンタクトピンモジュール20の位置決め部材40に位置決めされるとき、半導体装置DVの各電極部DVaが、コンタクト端子整列板42に形成される各段付き孔42ai(i=1~n,nは正の整数)(
図7(A)および(B)参照)内に挿入される。なお、半導体装置DVは、斯かる例に限られることなく、例えば、LGA型のパッケージ内に集積回路を備えるものであってもよい。
【0021】
ベース部材30の中央部には、コンタクトピンモジュール20が配置されるコンタクトピンモジュール収容部30A(
図2参照)が形成されている。
【0022】
リッド部材32は、その一端部で支持軸46を介してベース部材30の端部に回動可能に支持されている。支持軸46の両端は、それぞれ、ベース部材30の凹部30Rの両脇に形成される軸支持部の孔30Raに挿入されている。リッド部材32の押圧体36は、装着された半導体装置DVの複数の電極部DVaを後述するコンタクトピンモジュール20のコンタクト端子群に対して押圧するものとされる。
【0023】
リッド部材32の他端部には、リッド部材32をベース部材30に保持する状態、あるいは、
図3に示されるように、リッド部材32を解放状態とするラッチ部材34が回動可能に設けられている。ラッチ部材34は、その横断面の中央部がリッド部材32に支持軸44を介して回動可能に支持されている。その一端の爪部34Nがベース部材30の凹部30F内にベース部材30と一体に形成される係止部30N(
図2参照)に選択的に係止される。凹部30Fは、上述のベース部材30の凹部30Rに向き合って形成されている。ラッチ部材34の他端は、
図3において反時計回り方向にコイルスプリング(不図示)で付勢されている。
【0024】
上述のリッド部材32がベース部材30に保持されるとき、ベース部材30に向き合うリッド部材32の内面側における中央部の凹部内には、押圧体36が小ネジにより支持され、移動可能に設けられている。押圧体36は、複数のコイルスプリング(不図示)により、後述する押圧用突起部36Pがリッド部材32の開口部から離隔する方向に付勢されている。押圧体36のベース部材30に向き合う部分における中央部には、ベース部材30に向けて突出する押圧用突起部36Pが形成されている。半導体装置DVがベース部材30内のコンタクトピンモジュール20の位置決め部材40内のコンタクト端子整列板42に搭載された状態で、リッド部材32がベース部材30に保持される場合、押圧用突起部36Pの端面は、半導体装置DVのパッケージの上面に当接し半導体装置DVの電極部DVaをコンタクト端子群に向けて押圧するものとされる。
【0025】
コンタクトピンモジュール20は、
図1に示されるように、装着される半導体装置DVをコンタクト端子整列板42に対し位置決めする位置決め部材40と、位置決め部材40に連結されるコンタクト端子整列板42と、プリント配線基板PCBの一方の表面部に対向配置され後述するコンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fを支持する第1のコンタクト端子支持板26と、コンタクト端子整列板42に連結され可動接点部22Cを移動可能に支持する第2のコンタクト端子支持板28と、第1のコンタクト端子支持板26および第2のコンタクト端子支持板28相互間に配され半導体装置DVとプリント配線基板PCBとを電気的に接続する複数のコンタクト端子22ai(i=1~n、nは正の整数)とを主な要素として含んで構成されている。
【0026】
位置決め部材40は、例えば、樹脂材料で成形され、載置される半導体装置DVが配される開口部40Aをその中央部に有している。開口部40Aの周縁には、半導体装置DVのパッケージの各角部がそれぞれ、係合される隅部40a、40b、40c、および、40dが形成されている。隅部40aと隅部40bとの間の部分、隅部40bと隅部40cとの間の部分、隅部40cと隅部40dとの間の部分、隅部40dと隅部40aとの間の部分には、それぞれ、逃げ部40gが形成されている。
【0027】
コンタクト端子整列板42は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形され、載置される半導体装置DVの各電極部DVaがそれぞれ、挿入される複数の段付き孔42aiを有している。コンタクト端子整列板42の外形寸法は、例えば、上述の位置決め部材40の外形寸法と略同一に設定されている。複数の段付き孔42ai(i=1~n,nは正の整数)は、半導体装置DVの電極部DVaの配列に対応して縦横に形成されている。段付き孔42aiは、
図7(A)および(B)に部分的に拡大して示されるように、一端が開口し電極部DVaが挿入される円柱状の孔42bと、矩形状の横断面を有し孔42bに連通する孔42eとからなる。なお、
図7(A)および(B)においては、複数個の段付き孔42aiのうちの2個の段付き孔42aiが代表的に示されている。
【0028】
孔42bには、後述するコンタクト端子22aiの可動接点部22Cが移動可能に挿入される。複数の段付き孔42aiの周辺には、位置決め部材40の連結爪(不図示)が挿入される互いに離隔した二つの貫通孔42da、42dbが各辺に向き合って形成されている。位置決め部材40の連結爪は、二つの貫通孔42da、42dbの周縁に係止される。
【0029】
また、コンタクト端子整列板42における第2のコンタクト端子支持板28に向き合う表面には、二つの貫通孔42da、42dbに対応した位置に、それぞれ、2つの連結爪42NA、2つの連結爪42NBが突出している。2つの連結爪42NA、2つの連結爪42NBは、それぞれ、第2のコンタクト端子支持板28の2つの貫通孔28da、および、2つの貫通孔28dbに挿入される。挿入された2つの連結爪42NA、および、2つの連結爪42NBは、それぞれ、2つの貫通孔28da、および、2つの貫通孔28dbの周縁に係止される。
【0030】
第2のコンタクト端子支持板28は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形され、コンタクト端子整列板42における各段付き孔42aiと共通の中心軸線上に貫通孔28ai(i=1~n,nは正の整数)を有している。第2のコンタクト端子支持板28の外形寸法は、コンタクト端子整列板42の外形寸法よりも若干大に設定されている。複数の貫通孔28aiは、段付き孔42aiに対応し縦横に形成されている。各貫通孔28aiは、例えば、略長方形の横断面を有し、
図1における直交座標におけるZ座標軸に沿って貫通している。各貫通孔28aiの長辺は、
図1における直交座標におけるY座標軸に沿って所定の長さ延びている。複数の貫通孔28aiの周辺には、第2のコンタクト端子支持板28の各角部に対応した貫通孔28daおよび28dbに隣接した位置に、コイルスプリング24の一端を受け止める窪み28Dが形成されている。コイルスプリング24は、コンタクト端子整列板42を第2のコンタクト端子支持板28に対し離隔させる方向に付勢するものとされる。これにより、コンタクト端子整列板42は、第2のコンタクト端子支持板28に対し近接または離隔可能に配されることとなる。
【0031】
第1のコンタクト端子支持板26は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形され、中央部に凹部26Aを有している。第1のコンタクト端子支持板26における凹部26Aの開口端周縁には、第2のコンタクト端子支持板28の表面が当接されている。
【0032】
第1のコンタクト端子支持板26の外形寸法は、第2のコンタクト端子支持板28の外形寸法よりも若干小に設定されている。凹部26Aの内側の底面を形成する部分には、第2のコンタクト端子支持板28の貫通孔28aiと共通の中心軸線上に段付き孔26bi(i=1~n,nは正の整数)が形成されている(
図7(A)参照)。複数の段付き孔26biは、第2のコンタクト端子支持板28の貫通孔28aiに対応し縦横に形成されている。
【0033】
段付き孔26biは、例えば、略長方形の横断面を有し、
図1における直交座標におけるZ座標軸に沿って貫通している。段付き孔26biは、
図7(A)に部分的に拡大されて示されるように、Y座標軸に沿って細長い孔26dと、細長い孔26dに対しZ座標軸に沿って直交する孔26eとからなる。
【0034】
本発明に係るコンタクト端子の第1実施例であるコンタクト端子22aiは、薄板金属材料、例えば、ベリリウム銅でプレス加工により作られている。コンタクト端子22aiは、例えば、
図4に拡大されて示されるように、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部22Pを有する可動接点部22Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部22fpを一端に有する基板側固定端子部22Fと、可動接点部22Cと基板側固定端子部22Fとを連結する連結片としての湾曲した湾曲片部22mと、を含んで構成されている。
【0035】
可動接点部22Cは、後述する湾曲片部22mの一端部近傍に
図1においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部22caを有している。
【0036】
弾性変位可能な湾曲片部22mは、例えば、
図1においてY座標軸に沿って所定の幅を有する帯状片である。湾曲片部22mは、例えば、
図1においてX座標軸に沿って一方に向って凸状に形成されている。基板側固定端子部22Fは、
図6(A)および(B)に示されるように、湾曲片部22mの他端部から
図1においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部22faと、張出部22faに連なり湾曲片部22mの中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片22tとを有している。その突起片22tは、各張出部22faに隣接した位置に一体に形成される仮止め部としての一対の仮止用爪部22fcを有している。一対の張出部22faは、
図7(A)および(B)に示されるように、上述の段付き孔26biの孔26dに挿入される。一対の仮止用爪部22fcは、上述の孔26eに挿入され係合される。仮止用爪部22fcから細長い孔26dまでの距離L2が、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部22fpの長さL1に比して小に設定されている。その際、略円形のだぼ22ftが、上述した孔26dにおけるY座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ22ftは、
図6(A)および(B)に示されるように、一方の表面における一対の張出部22faの中央部に形成されている。だぼ22ftの円形の縁から凹部26Aの内側の底面までの距離L3は、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部22fpの長さL1に比して小に設定されている。だぼ22ftは、コンタクト端子22aiのX座標軸方向の倒れ防止として機能するとともに、仮止め部としても機能する。
【0037】
また、一対の張出部22fa、だぼ22ftおよび一対の仮止用爪部22fcは、それぞれ、孔26dおよび孔26eに挿入された後、
図8(A)および(B)に示されるように、第1のコンタクト端子支持板26の外面から突出した基板側固定端子部22Fの突起片22tの当接部22fpが所定の圧力Fにより押圧されることにより、当接部22fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、孔26dおよび孔26eから押し出される。
【0038】
コンタクトピンモジュール20を組み立てるにあたり、先ず、複数のコンタクト端子22aiが、第1のコンタクト端子支持板26の凹部26A内に配置される。その際、各コンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fの一対の張出部22fa、だぼ22ftおよび一対の仮止用爪部22fcが、それぞれ、
図7(A)および(B)に示されるように、孔26d、孔26eに挿入され仮止めされる。次に、各コンタクト端子22aiの可動接点部22Cが、互いに近接された第2のコンタクト端子支持板28の貫通孔28ai、および、コンタクト端子整列板42における各段付き孔42aiに挿入される。これにより、各コンタクト端子22aiの可動接点部22Cが、自動的にコンタクト端子整列板42の孔42eに挿入される。その際、第2のコンタクト端子支持板28の2本の爪部が、それぞれ、第1のコンタクト端子支持板26の各孔26dbに挿入され孔26dbの周辺に係止される。続いて、コイルスプリング24が、コンタクト端子整列板42と第2のコンタクト端子支持板28との間に挿入されるともにその一端が窪み28Dに挿入される。位置決め部材40が取り付けられたコンタクト端子整列板42の2つの連結爪42NA、および、2つの連結爪42NBは、それぞれ、2つの貫通孔28da、および、2つの貫通孔28dbに挿入されその周縁に係止される。
【0039】
これにより、コンタクトピンモジュール20の組み立てが完了する。従って、複数のコンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fが第1のコンタクト端子支持板26に支持され配列された状態で第2のコンタクト端子支持板28がコンタクト端子22aiに対し組み付けられるので例えば、自動組立機によっても、複数のコンタクト端子22aiを第1のコンタクト端子支持板26および第2のコンタクト端子支持板28に容易に組み付けられる。
【0040】
続いて、組み立てられたコンタクトピンモジュール20において、
図8(A)および(B)に示されるように、第1のコンタクト端子支持板26の外面から突出した各コンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fの当接部22fpが、例えば、所定の治具等により、押圧されることにより、一対の仮止用爪部22fcが、孔26eから押し出されるとともに、一対の張出部22faが孔26dから押し出されるように、例えば、当接部22fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、一対の張出部22fa、だぼ22ftおよび一対の仮止用爪部22fcが、それぞれ、孔26dおよび孔26eから押し出される。即ち、各コンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fの一対の張出部22faおよび一対の仮止用爪部22fcは、それぞれ、孔26dおよび孔26eに挿入され係合された第1の位置の状態から孔26dおよび孔26eから押し出される第2の位置の状態となる。
【0041】
そして、組み立てられたコンタクトピンモジュール20が上述のベース部材30のコンタクトピンモジュール収容部30A内に装着された後、ベース部材30が小ねじBS1によりプリント配線基板PCBに固定される。その際、一対の張出部22caが第2のコンタクト端子支持板28の端面に当接されるので所定の予荷重(プリロード)が湾曲片部22mに作用される。
【0042】
従って、コンタクト端子整列板42に載置された半導体装置DVの電極部DVaが孔42bにより位置決めされた半導体装置DVが押圧体36の押圧用突起部36Pにより押圧され、コンタクト端子整列板42が第2のコンタクト端子支持板28に近接されるとき、半導体装置DVの電極部DVaが孔42bに突出した当接部22Pに電気的に接続される。
【0043】
上述の本発明に係るコンタクト端子の第1実施例において、コンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fの一対の張出部22faおよび一対の仮止用爪部22fcが、それぞれ、第1のコンタクト端子支持板26の段付き孔26biにおける孔26d、孔26eに挿入され仮止めされているが、斯かる例に限られることなく、第1のコンタクト端子支持板26の段付き孔26biの代わりに、例えば、
図9(A)および(B)に示されるように、円形の孔26´eであってもよい。
【0044】
このような場合、コンタクト端子22´aiの一対の仮止用爪部22´fcが、第1のコンタクト端子支持板26´の円形の孔26´eに挿入され仮止めされ、一対の張出部22´faが、孔26´eの周縁に当接されてもよい。コンタクト端子22´aiは、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部を有する可動接点部と、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部22´fpを一端に有する基板側固定端子部22´Fと、可動接点部と基板側固定端子部22´Fとを連結する連結片としての湾曲した湾曲片部と、を含んで構成されている。なお、
図9(A)および(B)に示されるコンタクト端子22´aiにおいては、だぼが、張出部22´faに形成されなくともよい。
【0045】
斯かる例においても、コンタクト端子22´aiの当接部22´fpが押圧されることにより、突起片22´tの当接部22´fpが第1のコンタクト端子支持板26´の外面と一致するまで押し込まれるとき、一対の仮止用爪部22´fcが孔26´eから押し出される。
【0046】
また、第1のコンタクト端子支持板26´が円形の孔26´eを有する場合、斯かる例に限られることなく、例えば、
図10(A)、(B)、および、(C)に示されるように、上述のコンタクト端子22´aiの一対の仮止用爪部22´fcに加えて、コンタクト端子23は、第1のコンタクト端子支持板26´の円形の孔26´eに挿入される仮止め用係止片(以下、切起片ともいう)23fkを、突起片23tに有するものでもよい。
【0047】
コンタクト端子23は、突起片23tおよび張出部23faを除き、他の部分の構成がコンタクト端子22´aiの構成と同一とされるので他の部分の構成の説明を省略する。
【0048】
コンタクト端子23は、湾曲片部の他端部から
図1においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部23faと、張出部23faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片23tとを有している。突起片23tは、第1のコンタクト端子支持板26´の円形の孔26´eから外部に突出し、一対の張出部23faに隣接して一対の仮止用爪部23fcを有している。また、一対の仮止用爪部23fc相互間には、突起片23tが厚さ方向にプレス加工により打ち抜かれて成形された仮止め用係止片23fkが形成されている。
【0049】
斯かる例においても、コンタクト端子23の当接部23fpが押圧されることにより、突起片23tの当接部23fpが第1のコンタクト端子支持板26´の外面と一致するまで押し込まれるとき、一対の仮止用爪部23fcおよび仮止め用係止片23fkが孔26´eから押し出される。
【0050】
さらに、
図10(A)、(B)、および、(C)に示される例においては、コンタクト端子23は、仮止め用係止片23fkを1箇所に有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図11(A)、(B)、および、(C)に示されるように、コンタクト端子25が、二つの仮止め用係止片25K1および25K2を所定の間隔をもって有するものでもよい。二つの仮止め用係止片25K1および25K2は、それぞれ、第1のコンタクト端子支持板26´´の円形の孔26´´eに挿入され仮止めされる。第1のコンタクト端子支持板26´´の厚さは、第1のコンタクト端子支持板26´の厚さに比して大に設定されている。
【0051】
コンタクト端子25は、突起片25tおよび張出部25faを除き、他の部分の構成は、コンタクト端子23の構成と同一なので他の部分の構成の説明を省略する。
【0052】
コンタクト端子25は、湾曲片部の他端部から
図1においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部25faと、張出部25faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片25tとを有している。突起片25tは、第1のコンタクト端子支持板26´´の円形の孔26´´eから外部に突出し、一対の張出部25faに隣接して一対の仮止用爪部25fcを有している。また、一対の仮止用爪部25fc相互間には、突起片25tが厚さ方向に一方に打ち抜かれて成形された仮止め用係止片25K1が形成されている。また、仮止め用係止片25K1に対し当接部25fp側に所定距離、離隔した位置には、仮止め用係止片25K2が突起片25tが厚さ方向に他方に打ち抜かれて成形されている。
【0053】
斯かる例においても、コンタクト端子25の当接部25fpが押圧されることにより、突起片25tの当接部25fpが第1のコンタクト端子支持板26´´の外面と一致するまで押し込まれるとき、一対の仮止用爪部25fcおよび仮止め用係止片25K1および25K2が孔26´´eから押し出される。
【0054】
さらにまた、
図12(A)、(B)、および、(C)乃至
図20(A)、(B)、および、(C)は、それぞれ、コンタクト端子22aiの変形例を示す。
【0055】
上述のコンタクト端子22aiの突起片22tにおける一対の仮止用爪部22fcの位置が一対の張出部22faに隣接した位置とされるが、その代わりに、
図12(A)に示される例においては、コンタクト端子52の突起片52tにおける一対の仮止用爪部52fcの位置が、一対の張出部52faから所定距離、当接部52fpに向って離隔した位置に設定されている。第1のコンタクト端子支持板56における段付き孔56biは、
図12(A)に部分的に拡大されて示されるように、Y座標軸に沿って細長い孔56dと、細長い孔56dに対しZ座標軸に沿って直交する孔56eとからなる。
【0056】
コンタクト端子52は、突起片52tおよび張出部52faを除き、他の部分の構成は、コンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0057】
基板側固定端子部52Fは、湾曲片部の端部から
図12(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部52faと、張出部52faに連なる突起片52tとを有している。突起片52tは、各張出部52faから所定距離、当接部52fpに向って離隔した位置に一体に形成される一対の仮止用爪部52fcを有している。一対の張出部52faは、上述の段付き孔56biの孔56dに挿入される。一対の仮止用爪部52fcは、楔状に形成され、上述の孔56eに挿入され係合される。仮止用爪部52fcから孔56dまでの長さL3が、第1のコンタクト端子支持板56の外面から突出する突起片52t
の当接部52fpまでの長さL4に比して小に設定されている。
【0058】
円形のだぼ52ftは、一方の表面における一対の張出部52faの中央部に形成されている。だぼ52ftが、上述した孔56dにおけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ52ftの円形の縁から第1のコンタクト端子支持板56における凹部の底面までの長さL5は、上述の長さL4に比して小に設定されている。
【0059】
斯かる構成においても、コンタクト端子52の当接部52fpが押圧されることにより、突起片52tの当接部52fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、基板側固定端子部52Fの一対の張出部52fa、だぼ52ftおよび一対の仮止用爪部52fcは、それぞれ、孔56dおよび孔56eに挿入された第1の位置の状態から孔56dおよび孔56eから押し出される第2の位置の状態となる。
【0060】
図12(B)に示される例においては、一対の仮止用爪部が突起片52´tに形成されることなく、その代わりに、一対の仮止用爪部52´fcが一対の張出部52´faと一体に形成されている。コンタクト端子52´の突起片52´tは、長円形のだぼ52´taを有している。
【0061】
第1のコンタクト端子支持板56´における段付き孔56´biは、Y座標軸に沿って細長い孔56´dと、細長い孔56´dに対しZ座標軸に沿って直交する孔56´eとからなる。
【0062】
コンタクト端子52´は、突起片52´tおよび張出部52´faを除き、他の部分の構成がコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその説明を省略する。
【0063】
基板側固定端子部52´Fは、湾曲片部の端部から
図12(B)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部52´faと、一対の張出部52´faに連なる突起片52´tとを有している。一対の張出部52´faは、Z座標軸に沿った両端に一体に形成される一対の仮止用爪部52´fcを有している。
【0064】
一対の張出部52´faは、上述の段付き孔56´biの孔56´dに挿入される。一対の仮止用爪部52´fcも、上述の孔56´dに挿入され、その内周面に係合される。仮止用爪部52´fcから第1のコンタクト端子支持板56´の凹部の底部を形成する内周面までの長さは、第1のコンタクト端子支持板56´の外面から当接部52´fpまでの長さに比して小に設定されている。
【0065】
長円形のだぼ52´taは、突起片52´tの一方の表面における中央部に形成されている。だぼ52´taが、上述した孔56eにおけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ52´taにおける当接部52´fp側の端部から孔56´dまでの長さは、第1のコンタクト端子支持板56´の外面から当接部52´fpまでの長さに比して小に設定されている。
【0066】
斯かる構成においても、コンタクト端子52´の当接部52´fpが押圧されることにより、突起片52´tの当接部52´fpが第1のコンタクト端子支持板56´の外面と一致するまで押し込まれるとき、基板側固定端子部52´Fの一対の張出部52´fa、一対の仮止用爪部52´fc、および、だぼ52´taは、それぞれ、孔56´dに挿入された第1の位置の状態から孔56´dから押し出される第2の位置の状態となる。
【0067】
図12(C)に示される例においては、コンタクト端子52´´の一対の張出部52´´faが、2個のだぼ52´´ftを所定距離、互いに離隔して有している。だぼ52´´ftが、後述する孔56´´dにおけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。
【0068】
第1のコンタクト端子支持板56´´における段付き孔56´´biは、
図12(C)に部分的に拡大されて示されるように、Y座標軸に沿って細長い孔56´´dと、細長い孔56´´dに対しZ座標軸に沿って直交する孔56´´eとからなる。細長い孔56´´dの長さは、
図12(A)および(B)に示される細長い孔56d、56´dの長さに比して大に設定されている。
【0069】
コンタクト端子52´´は、突起片52´´tおよび張出部52´´faを除き、他の部分の構成がコンタクト端子22aiの構成と同一なので他の部分の構成の説明を省略する。
【0070】
基板側固定端子部52´´Fは、湾曲片部の端部から
図12(C)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部52´´faと、一対の張出部52´´faに連なる突起片52´´tとを有している。突起片52´´tは、一対の張出部52´´faに隣接して一対の仮止用爪部52´fcを有している。
【0071】
一対の張出部52´´faは、上述の段付き孔56´´biの孔56´´dに挿入される。一対の仮止用爪部52´´fcは、孔56´´eに挿入され、その内周面に係合される。仮止用爪部52´fcから孔56´´dまでの長さは、第1のコンタクト端子支持板56´´の外面から当接部52´´fpまでの長さに比して小に設定されている。
【0072】
斯かる構成においても、コンタクト端子52´´の当接部52´fpが押圧されることにより、突起片52´´tの当接部52´´fpが第1のコンタクト端子支持板56´´の外面と一致するまで押し込まれるとき、基板側固定端子部52´´Fの一対の張出部52´´faは、孔56´´dに挿入された第1の位置の状態から孔56´´dから押し出される第2の位置の状態となり、一対の仮止用爪部52´´fcも、孔56´´eに挿入された第1の位置の状態から孔56´´eから押し出される第2の位置の状態となる。
【0073】
上述の
図4、
図7(A)および(B)に示される例においては、コンタクト端子において、円形のだぼが、一方の表面における一対の張出部の中央部に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図13(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子53において、円形のだぼが、形成されなくてもよい。
【0074】
コンタクト端子53は、突起片53tおよび張出部53faを除き、他の部分の構成が上述のコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0075】
基板側固定端子部53Fは、湾曲片部の他端部から
図13(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部53faと、張出部53faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片53tとを有している。その突起片53tは、各張出部53faに隣接した位置に一体に形成される仮止め部としての一対の仮止用爪部53fcを有している。一対の張出部53faは、上述の段付き孔26biの孔26dに挿入される。一対の仮止用爪部53fcは、上述の孔26eに挿入され係合される。一対の仮止用爪部53fcから孔26dまでの長さL2は、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部53fpの長さL1に比して小に設定されている。
【0076】
上述の
図4、
図7(A)および(B)に示される例においては、コンタクト端子において、一対の仮止用爪部が突起片に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図14(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子55において、一対の仮止用爪部が形成されなくてもよい。
【0077】
コンタクト端子55は、突起片55tおよび張出部55faを除き、他の部分の構成がコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0078】
基板側固定端子部55Fは、湾曲片部の他端部から
図14(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部55faと、張出部55faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片55tとを有している。一対の張出部53faは、その中央部に、仮止め部としての円形のだぼ55ftを有している。一対の張出部53faおよびだぼ55ftは、上述の段付き孔26biの孔26dに挿入される。円形のだぼ55ftの縁から第1のコンタクト端子支持板26の凹部を形成する底面までの長さL3は、
第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部53fpの長さL1に比して小に設定されている。
【0079】
図14(A)および(B)に示される例においては、円形のだぼ55ftが一対の張出部53faの中央部に形成されているが、斯かる例に限られることなく、だぼ55ftの代わりに、例えば、
図15(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子59が係止片59Kを有するものでもよい。
【0080】
コンタクト端子59は、突起片59tおよび張出部59faを除き、他の部分の構成が上述のコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0081】
コンタクト端子59の基板側固定端子部59Fは、湾曲片部の他端部から
図15(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部59faと、張出部59faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片59tとを有している。一対の張出部59faは、その中央部に、仮止め部としての係止片59Kを有している。プレス加工により打ち抜かれて成形された係止片59Kの一端は、孔57dの内周面に所定の弾性力により当接されている。
【0082】
一対の張出部59faおよび係止片59Kは、第1のコンタクト端子支持板57の段付き孔の細長い孔57dに挿入される。係止片59Kの基端連結部から第1のコンタクト端子支持板57の凹部を形成する底面までの長さL4は、第1のコンタクト端子支持板57の外周面から突出した当接部59fpの長さL1に比して小に設定されている。
【0083】
なお、コンタクト端子59は、仮止め部としての係止片59Kを一対の張出部53faの中央部に有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図16(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子59´が、係止片59´Kに加えて、仮止め部としての一対の仮止用爪部59´fcを一対の張出部53faに隣接して有するものでもよい。コンタクト端子59´は、突起片59´tおよび張出部59´faを除き、他の部分の構成は、上述のコンタクト端子59の構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0084】
基板側固定端子部59´Fは、湾曲片部の他端部から
図16(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部59´faと、張出部59´faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片59´tとを有している。
【0085】
さらにまた、上述の
図13(A)および(B)に示される例においては、その突起片53tは、各張出部53faに隣接した位置に一体に形成される仮止め部としての一対の仮止用爪部53fcを有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図17(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子53´の突起片53´tは、各張出部53´faに対し当接部53´fp側に所定距離、離隔した位置に一体に形成される仮止め部としての一対の仮止用爪部53´fcを有するものでもよい。
【0086】
コンタクト端子53´は、突起片53´tおよび張出部53´faを除き、他の部分の構成がコンタクト端子53の構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0087】
基板側固定端子部53´Fは、湾曲片部の他端部から
図17(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部53´faと、張出部53´faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片53´tとを有している。
【0088】
突起片53´tは、各張出部53´faから所定距離、当接部53´fpに向って離隔した位置に一体に形成される一対の仮止用爪部53´fcを有している。一対の張出部53´faは、第1のコンタクト端子支持板86の段付き孔の細長い孔86dに挿入される。一対の仮止用爪部53´fcは、細長い孔86dに連通する孔86eに挿入され係合される。
【0089】
図12(B)に示される例においては、コンタクト端子52´の突起片52´tは、長円形のだぼ52´taを有しているが、その代わりに、コンタクト端子51の突起片51tが、プレス加工により打ち抜かれて成形された係止片51Kを有するものでもよい。
【0090】
コンタクト端子51は、突起片51tおよび張出部51faを除き、他の部分の構成は、コンタクト端子52´の構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0091】
基板側固定端子部51Fは、湾曲片部の端部から
図17(B)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部51faと、一対の張出部51faに連なる突起片51tとを有している。一対の張出部51faは、Z座標軸に沿った両端に一体に形成される一対の仮止用爪部51fcを有している。
【0092】
一対の張出部51faは、上述の段付き孔の細長い孔57dに挿入される。一対の仮止用爪部51fcも、孔57dに挿入され、その内周面に係合される。また、仮止部としての係止片51Kの先端は、孔57dに連通する孔57eの内周面に当接され係止される。
【0093】
上述した本発明に係るコンタクト端子のすべての一例においては、一対の仮止用爪部を有するものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図17(C)に示されるように、コンタクト端子82の突起片82tが、1つの仮止用爪部82fcを有するものでもよい。なお、コンタクト端子82は、突起片82tおよび張出部82faを除き、他の部分の構成が
図13(A)に示されるコンタクト端子53の構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0094】
コンタクト端子82の基板側固定端子部82Fは、湾曲片部の他端部から
図17(C)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部82faと、張出部82faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片82tとを有している。その突起片82tは、左側の張出部82faに隣接した位置に一体に形成される仮止め部としての仮止用爪部82fcを有している。一対の張出部82faは、段付き孔26biの孔26dに挿入される。仮止用爪部82fcは、孔26eに挿入され係合される。なお、その突起片82tは、右側の張出部82faに隣接した位置に一体に形成されてもよい。
【0095】
また、上述した本発明に係るコンタクト端子のすべての一例においては、一対の張出部を有するものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図17(D)に示されように、コンタクト端子88が1つの張出部88faを有するものでもよい。なお、コンタクト端子88は、突起片88tおよび張出部88faを除き、他の部分の構成が
図13(A)に示されるコンタクト端子53の構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0096】
コンタクト端子88の基板側固定端子部88Fは、湾曲片部の他端部から
図17(D)においてY座標軸に沿って左側に張り出した張出部88faと、張出部88faに連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片88tとを有している。その突起片88tは、右側面に一体に形成される仮止め部としての仮止用爪部88fcを有している。張出部88faは、第1のコンタクト端子支持板84の一方に偏倚した段付き孔の細長い孔84dに挿入される。仮止用爪部88fcは、孔84eに挿入され係合される。なお、張出部88faは、Y座標軸に沿って右側に張り出しても良く、また、その突起片88tの仮止用爪部88fcは、左側面に一体に形成されてもよい。
【0097】
さらにまた、上述した本発明に係るコンタクト端子のすべての一例においては、少なくとも1つの張出部を有するものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図18(A)、(B)、
図18(C)、(D)、
図18(E)、(F)に示されるように、コンタクト端子が、上述のような張出部を有することなく、その突起片が仮止部としてのだぼ、または、係止片を備えるものであってもよい。
【0098】
図18(A)および(B)において、第1のコンタクト端子支持板96は、コンタクト端子74の基板側固定端子部74Fに対応して略長方形横断面を有する貫通孔96を有している。
【0099】
コンタクト端子74は、突起片74tおよび張出部を除き、他の部分の構成が上述のコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0100】
コンタクト端子74の基板側固定端子部74Fは、湾曲片部に連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片74tとを有している。突起片74tは、一対の仮止用爪部74fcを有している。一対の仮止用爪部74fcは、孔96eの内周面に係合されている。なお、加えて、一対の仮止用爪部74fcの相互間には、略円形のだぼ74ftが一体に形成されてもよい。このような場合、だぼ74ftは、
図18(A)に示されるX座標軸に沿った貫通孔96eの内周面に当接されている。
【0101】
また、
図18(C)および(D)においては、突起片74´tが上述のような一対の仮止用爪部74fcを有することなく、その代わりに、突起片74´tが、円形のだぼ74´ftだけを備える構成であってもよい。
【0102】
さらに、
図18(E)および(F)においては、コンタクト端子74´´の基板側固定端子部74´´Fは、湾曲片部の他端部に連なり湾曲片部の中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片74´´tを有している。突起片74´´tは、その中央部に、仮止め部としての係止片74´´Kを有している。プレス加工により打ち抜かれて成形された係止片74´´Kの一端は、第1のコンタクト端子支持板96´の貫通孔96´eの内周面に所定の弾性力により当接されている。
【0103】
さらにまた、
図19(A)に示される例においては、コンタクト端子62における一対の仮止用爪部が突起部62tに形成されることなく、一対の仮止用爪部62fcが一対の張出部62faに一体に形成されている。
【0104】
第1のコンタクト端子支持板66における段付き孔66biは、Y座標軸に沿って細長い溝66d1と、細長い溝66d1に対しZ座標軸に沿って直交する孔66eとからなる。
【0105】
コンタクト端子62は、突起片62tおよび張出部62faを除き、他の部分の構成がコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0106】
コンタクト端子62の基板側固定端子部62Fは、湾曲片部の端部から
図19(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部62faと、一対の張出部62faに連なる円筒状の突起部62tとを有している。一対の張出部62faは、Z座標軸に沿った両端に一体に形成される一対の仮止用爪部62fcを有している。
【0107】
一対の張出部62faは、上述の段付き孔66biの溝66d1に挿入される。一対の仮止用爪部62fcも、上述の溝66d1に挿入され、その内周面に係合される。仮止用爪部62fcから第1のコンタクト端子支持板66の凹部の底部を形成する内周面までの長さは、第1のコンタクト端子支持板66の外面から当接部62fpまでの長さに比して小に設定されている。
【0108】
だぼ62ftは、一方の表面における一対の張出部62faの中央部に形成されている。だぼ62ftが、上述した溝66d1におけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。
【0109】
斯かる構成においても、コンタクト端子62の当接部62fpが押圧されることにより、突起部62tの当接部62fpが第1のコンタクト端子支持板66の外面と一致するまで押し込まれるとき、基板側固定端子部62Fの一対の張出部62faおよび一対の仮止用爪部62fcは、それぞれ、溝66d1に挿入された第1の位置の状態から溝66d1から押し出される第2の位置の状態となる。
【0110】
図20(A)に示される例においては、コンタクト端子64の基板側固定端子部64Fの一対の張出部64faが門型の横断面を有し、だぼを有しない構成とされている。
【0111】
第1のコンタクト端子支持板68における段付き孔68biは、
図20(A)に部分的に拡大されて示されるように、Y座標軸に沿って細長い孔68d2と、細長い孔68d2に対しZ座標軸に沿って直交する孔68d1とからなる。
【0112】
コンタクト端子64は、突起片64tおよび張出部64faを除き、他の部分の構成が上述のコンタクト端子22aiの構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0113】
コンタクト端子64の基板側固定端子部64Fは、湾曲片部の端部から
図20(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部64faと、張出部64faに連なる突起片64tとを有している。突起片64tは、一対の張出部64faに隣接して一対の仮止用爪部64fcを有している。一対の仮止用爪部64fcは、上述の孔68d1に挿入され係合される。一対の張出部64faは、上述の段付き孔68biの孔68d2に挿入される。また、一対の張出部64faは、
図20(A)においてX座標軸に沿った孔68d2の内周面に係合される一対の仮止用爪部64facを有している。
【0114】
仮止用爪部64fcから第1のコンタクト端子支持板68の凹部の底部を形成する内周面までの長さが、第1のコンタクト端子支持板68の外面から当接部64fpまでの長さに比して小に設定されている。
【0115】
斯かる構成においても、コンタクト端子64の当接部64fpが押圧されることにより、当接部64fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、基板側固定端子部64Fの一対の張出部64faおよび一対の仮止用爪部64facは、孔68d2に挿入された第1の位置の状態から孔68d2から押し出される第2の位置の状態となる。また、一対の仮止用爪部64fcも、孔68d1に挿入された第1の位置の状態から孔68d1から押し出される第2の位置の状態となる。
【0116】
図21(A)および(B)は、本発明に係るコンタクト端子の第2実施例を示す。
【0117】
図21(A)および(B)において、コンタクト端子16aiは、薄板金属材料、例えば、ベリリウム銅でプレス加工により作られている。コンタクト端子16aiは、例えば、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部16Pを有する可動接点部16Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部16fpを一端に有する基板側固定端子部16Fと、接点部16Cと基板側固定端子部16Fとを連結する湾曲した湾曲片部16mと、を含んで構成されている。
【0118】
弾性変位可能な湾曲片部16mは、例えば、
図21(A)においてX座標軸に沿って所定の幅を有する帯状片である。湾曲片部16mは、例えば、
図21(A)においてX座標軸に沿って一方に向って凸状に形成されている。
【0119】
コンタクト端子16aiの可動接点部16Cは、第2のコンタクト端子支持板28´の貫通孔28´aiに挿入される。
【0120】
基板側固定端子部16Fは、湾曲片部16mの端部から
図21(A)においてX座標軸に沿って張り出した一対の張出部16faと、張出部16faに連なり湾曲片部16mの中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片16tとを有している。その突起片16tは、各張出部16faに隣接した位置に一体に形成される一対の仮止用爪部16fcを有している。一対の張出部16faは、第1のコンタクト端子支持板18の段付き孔18biの孔18dに挿入される。一対の仮止用爪部16fcは、段付き孔18biの孔18eに挿入され係合される。仮止用爪部16fcから第1のコンタクト端子支持板18の凹部の底部を形成する内周面までの長さは、仮止用爪部16fcから当接部16fpまでの長さに比して小に設定されている。
【0121】
その際、だぼ16ftが、上述した孔18dにおけるY座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ16ftは、一方の表面における一対の張出部16faの中央部に形成されている。
【0122】
また、一対の張出部16faおよび一対の仮止用爪部16fcは、それぞれ、孔18dおよび孔18eに挿入された後、
図22(A)および(B)に示されるように、第1のコンタクト端子支持板18の外面から突出した基板側固定端子部16Fの突起片16tの当接部16fpが所定の圧力により押圧されることにより、当接部16fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、孔18dおよび孔18eから押し出される。その際、各コンタクト端子16aiの接点部16Cが、第2のコンタクト端子支持板28´の孔28´aiを介して自動的にコンタクト端子整列板42´の段付き孔42´aiの孔42´eに挿入される。
【0123】
上述のコンタクトピンモジュール20におけるコンタクト端子22aiおよびコンタクト端子整列板42は、それぞれ、BGA型の半導体装置DVの各電極部DVaに対応したものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図23(A)および(B)に示されるように、LGA型の半導体装置の各電極部に対応したものであってもよい。なお、
図23(A)および(B)、
図24(A)および(B)においては、
図7(A)および(B)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0124】
コンタクト端子整列板42´は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形され、載置される半導体装置の各電極部が対向する複数の貫通孔42´eを有している。貫通孔42´eは、略長方形の横断面を有している。コンタクト端子整列板42´は、貫通孔42´eを除き、他の部分の構成は、上述のコンタクト端子整列板42の構成と同一の構成を有するのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0125】
コンタクト端子100aiは、例えば、上述のコンタクト端子22aiの材質と同一の材質で作られている。コンタクト端子100aiは、半導体装置の電極部に選択的に当接される尖頭状の当接部100Pを有する可動接点部100Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部100fpを一端に有する基板側固定端子部100Fと、可動接点部100Cと基板側固定端子部100Fとを連結する連結片としての湾曲した湾曲片部100mと、を含んで構成されている。
【0126】
可動接点部100Cは、後述する湾曲片部100mの一端部近傍に
図23(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部100caを有している。
【0127】
弾性変位可能な湾曲片部100mは、例えば、
図23(A)においてY座標軸に沿って所定の幅を有する帯状片である。湾曲片部100mは、例えば、
図23(A)においてX座標軸に沿って一方に向って凸状に形成されている。基板側固定端子部100Fは、湾曲片部100mの他端部から
図23(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部100faと、張出部100faに連なり湾曲片部100mの中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片100tとを有している。その突起片100tは、各張出部100faに隣接した位置に一体に形成される仮止め部としての一対の仮止用爪部100fcを有している。一対の張出部100faは、段付き孔26biの孔26dに挿入される。一対の仮止用爪部100fcは、上述の孔26eに挿入され係合される。仮止用爪部100fcから細長い孔26dまでの距離が、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部100fpの長さに比して小に設定されている。その際、略円形のだぼ100ftが、上述した孔26dにおけるY座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ100ftは、一方の表面における一対の張出部100faの中央部に形成されている。だぼ100ftの円形の縁から凹部26Aの内側の底面までの距離は、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部100fpの長さに比して小に設定されている。だぼ100ftは、コンタクト端子100aiのX座標軸方向の倒れ防止として機能するとともに、仮止め部としても機能する。
【0128】
また、一対の張出部100fa、だぼ100ftおよび一対の仮止用爪部100fcは、それぞれ、孔26dおよび孔26eに挿入された後、
図24(A)および(B)に示されるように、第1のコンタクト端子支持板26の外面から突出した基板側固定端子部100Fの突起片100tの当接部100fpが所定の圧力Fにより押圧されることにより、当接部100fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、孔26dおよび孔26eから押し出される。
【0129】
上述のコンタクトピンモジュール20におけるコンタクト端子22aiは、1つの凸部を有する湾曲片部22mを備えるものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図25(A)および(B)、
図26(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子102aiが、二つの凸部を有する湾曲片部102mを備えるものであってもよい。なお、
図25(A)および(B)、
図26(A)および(B)においては、
図7(A)および(B)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0130】
コンタクト端子102aiは、例えば、上述のコンタクト端子22aiの材質と同一の材質で作られている。コンタクト端子102aiは、BGA型の半導体装置の電極部に選択的に当接される当接部102Pを有する可動接点部102Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部102fpを一端に有する基板側固定端子部102Fと、可動接点部102Cと基板側固定端子部102Fとを連結する連結片としての湾曲した湾曲片部102mと、を含んで構成されている。
【0131】
可動接点部102Cは、後述する湾曲片部102mの一端部近傍に
図25(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部100caを有している。
【0132】
弾性変位可能な湾曲片部102mは、例えば、
図25(A)においてY座標軸に沿って所定の幅を有する帯状片である。湾曲片部100mは、例えば、
図25(A)においてX座標軸に沿って一方に向って凸状に形成されている第1の部分102m1と、第1の部分102m1に連なり
図25(A)においてX座標軸に沿って他方に向って凸状に形成されている第2の部分102m2とからなる。第2の部分102m2の一端は、可動接点部102Cの張出部100ca近傍に連結され、第1の部分102m1の一端は、後述する基板側固定端子部102Fの一対の張出部102fa近傍に連結されている。基板側固定端子部102Fは、湾曲片部102mの第1の部分102m1の一端から
図25(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部102faと、張出部102faに連なり湾曲片部102mの中心軸線と共通の軸線上に形成される突起片102tとを有している。その突起片102tは、各張出部102faに隣接した位置に一体に形成される仮止め部としての一対の仮止用爪部102fcを有している。一対の張出部102faは、段付き孔26biの孔26dに挿入される。一対の仮止用爪部102fcは、上述の孔26eに挿入され係合される。仮止用爪部102fcから細長い孔26dまでの距離が、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部102fpの長さに比して小に設定されている。その際、略円形のだぼ102ftが、上述した孔26dにおけるY座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ102ftは、一方の表面における一対の張出部100faの中央部に形成されている。だぼ102ftの円形の縁から凹部26Aの内側の底面までの距離は、第1のコンタクト端子支持板26の外周面から突出した当接部102fpの長さに比して小に設定されている。だぼ102ftは、コンタクト端子100aiのX座標軸方向の倒れ防止として機能するとともに、仮止め部としても機能する。
【0133】
また、一対の張出部102fa、だぼ102ftおよび一対の仮止用爪部102fcは、それぞれ、孔26dおよび孔26eに挿入された後、
図26(A)および(B)に示されるように、第1のコンタクト端子支持板26の外面から突出した基板側固定端子部102Fの突起片102tの当接部102fpが所定の圧力により押圧されることにより、当接部102fpが外面と一致するまで押し込まれるとき、孔26dおよび孔26eから押し出される。
【0134】
図27(A)および(B)は、本発明に係るコンタクトピンモジュールの他の一例の要部を示す。
【0135】
図1に示されるコンタクトピンモジュール20は、コンタクト端子22aiの基板側固定端子部22Fの一対の張出部22faおよび一対の仮止用爪部22fcが、それぞれ、第1のコンタクト端子支持板26の段付き孔26biの孔26d、孔26eに挿入され仮止めされるように、構成されている。
図27(A)および(B)に示される例においては、コンタクト端子72aiの可動接点部72Cの一対の張出部72faおよび一対の仮止用爪部72fcが、それぞれ、第2のコンタクト端子支持板70の段付き孔70biの孔70d、孔70eに挿入され仮止めされるように構成されている。なお、
図27(A)および(B)、
図28(A)および(B)において、
図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0136】
図27(A)および(B)において、コンタクトピンモジュールは、装着される半導体装置DVをコンタクト端子整列板42に対し位置決めする位置決め部材と(不図示)、位置決め部材に連結されるコンタクト端子整列板42と、プリント配線基板PCBの一方の表面部に対向配置され後述するコンタクト端子72aiの基板側固定端子部72Fを支持する第1のコンタクト端子支持板76と、コンタクト端子整列板42に連結され可動接点部72Cを移動可能に支持する第2のコンタクト端子支持板70と、第1のコンタクト端子支持板76および第2のコンタクト端子支持板70相互間に配され半導体装置DVとプリント配線基板PCBとを電気的に接続する複数のコンタクト端子72ai(i=1~n、nは正の整数)とを主な要素として含んで構成されている。
【0137】
第1のコンタクト端子支持板76は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形され、中央部に凹部76Aを有している。第1のコンタクト端子支持板76における凹部76Aの開口端周縁には、第2のコンタクト端子支持板70の表面が当接されている。第1のコンタクト端子支持板76の外形寸法は、第2のコンタクト端子支持板70の外形寸法よりも若干小に設定されている。凹部76Aの内側の底面を形成する部分には、後述する第2のコンタクト端子支持板70の段付き孔72biと共通の中心軸線上に孔76eが形成されている。
【0138】
第2のコンタクト端子支持板70は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形され、コンタクト端子整列板42における各段付き孔42aiと共通の中心軸線上に段付き孔70bi(i=1~n,nは正の整数)を有している。第2のコンタクト端子支持板70の外形寸法は、コンタクト端子整列板42の外形寸法よりも若干大に設定されている。複数の段付き孔70biは、段付き孔42aiに対応し縦横に形成されている。段付き孔70biは、例えば、略長方形の横断面を有し、
図27(A)における直交座標におけるZ座標軸に沿って貫通している。段付き孔70biは、Y座標軸に沿って細長い孔70dと、細長い孔70dに対しZ座標軸に沿って直交する孔70eとからなる。
【0139】
複数の段付き孔70biの周辺には、第2のコンタクト端子支持板70の各角部に対応した位置に、コイルスプリング(不図示)の一端を受け止める窪み(不図示)が形成されている。コイルスプリングは、コンタクト端子整列板42を第2のコンタクト端子支持板70に対し離隔させる方向に付勢するものとされる。これにより、コンタクト端子整列板42は、第2のコンタクト端子支持板70に対し近接または離隔可能に配されることとなる。
【0140】
本発明に係るコンタクト端子の第3実施例であるコンタクト端子72aiは、薄板金属材料、例えば、ベリリウム銅でプレス加工により作られている。コンタクト端子72aiは、例えば、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部72Pを有する可動接点部72Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部72fpを一端に有する基板側固定端子部72Fと、可動接点部72Cと基板側固定端子部72Fとを連結する湾曲した湾曲片部72mと、を含んで構成されている。
【0141】
弾性変位可能な湾曲片部72mは、例えば、
図27(A)においてY座標軸に沿って所定の幅を有する帯状片である。湾曲片部72mは、例えば、
図27(A)においてX座標軸に沿って一方に向って凸状に形成されている。基板側固定端子部72Fは、湾曲片部72mの一端部から
図27(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部72fbを有している。一対の張出部72fbは、半導体装置DVがコンタクト端子整列板42に載置される場合、
図28(A)および(B)に示されるように、孔76eの外周縁に係止される。
【0142】
可動接点部72Cは、湾曲片部72mの他端部から
図27(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部72faと、各張出部72faに隣接した位置に一体に形成される一対の仮止用爪部72fcを有している。一対の張出部72faは、上述の段付き孔70biの孔70dに挿入される。一対の仮止用爪部72fcは、上述の孔70eに挿入され係合される。仮止用爪部72fcから第2のコンタクト端子支持板70における第1のコンタクト端子支持板76に向き合う面までの長さが、一対の張出部72fbから第1のコンタクト端子支持板76の内面までの相互間距離に比して小に設定されている。
【0143】
その際、だぼ72ftが、上述した孔70dにおけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ72ftは、一方の表面における一対の張出部72faの中央部に形成されている。
【0144】
基板側固定端子部72Fは、
図27(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部72fbを有している。
【0145】
また、一対の張出部72faおよび一対の仮止用爪部72fcは、それぞれ、孔70dおよび孔70eに挿入された後、
図28(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子整列板42の段付き孔42aiに突出した可動接点部72Cの当接部72Pが半導体装置DVの電極部DVaにより押圧されることにより、一対の張出部72faおよび一対の仮止用爪部72fcが孔70dおよび孔70eから押し出される。
【0146】
従って、コンタクト端子72aiの可動接点部72Cが第2のコンタクト端子支持板70に支持された状態で第1のコンタクト端子支持板76が組み付けられるので例えば、自動組立機によっても、複数のコンタクト端子72aiを第1のコンタクト端子支持板76および第2のコンタクト端子支持板70に容易に組み付けられる。
【0147】
図27(A)および(B)に示される例においては、コンタクト端子72aiの可動接点部72Cは、湾曲片部72mの他端部から
図27(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部72faと、だぼ72ftとを有し、基板側固定端子部72Fは、
図27(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部72fbを有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、
図29(A)および(B)に示されるように、コンタクト端子72´aiの可動接点部72´Cが、一対の張出部72´faと、張出部72´faから所定距離、離隔した位置に、円形のだぼ72´ftに有するものでもよい。
【0148】
なお、
図29(A)および(B)、
図30(A)および(B)において、
図27(A)および(B)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0149】
第2のコンタクト端子支持板70´は、例えば、樹脂材料で略正方形に成形される。第2のコンタクト端子支持板70´は、コンタクト端子整列板42における各段付き孔42aiと共通の中心軸線上に、略長方形横断面を有する貫通孔70´eを有している。複数の段付き孔70´eは、段付き孔42aiに対応し縦横に形成されている。第2のコンタクト端子支持板70´は、貫通孔70´eを除き、他の部分の構成の構成が、第2のコンタクト端子支持板70の構成と同一なのでその他の部分の構成の説明を省略する。
【0150】
コンタクト端子72´aiは、上述のコンタクト端子72aiの材質と同一の材質で成形されている。コンタクト端子72´aiは、例えば、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部72´Pを有する可動接点部72´Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部72´fpを一端に有する基板側固定端子部72´Fと、可動接点部72´Cと基板側固定端子部72´Fとを連結する湾曲した湾曲片部72´mと、を含んで構成されている。
【0151】
弾性変位可能な湾曲片部72´mは、例えば、
図29(A)においてY座標軸に沿って所定の幅を有する帯状片である。湾曲片部72´mは、例えば、
図29(A)においてX座標軸に沿って一方に向って凸状に形成されている。
【0152】
可動接点部72´Cは、湾曲片部72´mの他端部から
図29(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部72´faと、各張出部72´faに対し当接部72´Pに向けて所定距離、離隔した位置に一体に形成される一対の仮止用爪部72´fcと、仮止用爪部72´fcの相互間に一体に形成されるだぼ72´ftとを有している。一対の張出部72´faは、
図30(A)および(B)に示されるように、第2のコンタクト端子支持板70の端面に係止される。一対の仮止用爪部72´fcは、上述の孔70´eに挿入され係合される。その際、だぼ72´ftが、上述した孔70´eにおけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。
【0153】
また、一対の仮止用爪部72´fcおよびだぼ72´ftは、それぞれ、孔70´eに挿入された後、
図30(A)および(B)に示されるように、基板側固定端子部72´Fの当接部72´fpが押圧されることにより、一対の仮止用爪部72´fcおよびだぼ72´ftが、孔70´eから押し出される。その際、一対の張出部72´faは、第2のコンタクト端子支持板70の端面に係止されるので湾曲片部72´mに所定の予荷重が作用されることとなる。
【0154】
さらに、上述の
図27(A)および(B)、
図28(A)および(B)に示される例においては、コンタクト端子72aiの可動接点部72Cの一対の張出部72faおよび一対の仮止用爪部72fcが、それぞれ、第2のコンタクト端子支持板70の段付き孔70biの孔70d、孔70eに挿入され仮止めされるように構成されている。
【0155】
斯かる構成において、一対の張出部72faおよび一対の仮止用爪部72fcは、それぞれ、孔70dおよび孔70eに挿入された後、コンタクト端子整列板42の段付き孔42aiに突出した可動接点部72Cの当接部72Pが半導体装置DVの電極部DVaにより押圧されることにより、仮止めされた一対の張出部72faおよび一対の仮止用爪部72fcが第2のコンタクト端子支持板70の孔70dおよび孔70eから押し出されるものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、コンタクト端子整列板42が備えられておらず、位置決め部材40が直接的に第2のコンタクト端子支持板70に支持されている場合、
図31(A)、(B)および(C)、
図32(A)、(B)、および、(C)に示されるような構成において、コンタクト端子75の接点部75Cの一対の仮止用爪部75fc、および、だぼ75ftが引き抜かれる構成であってもよい。即ち、コンタクト端子75の接点部75Cの一対の仮止用爪部75fc、および、だぼ75ftが、孔70eの内周面に仮止めされた状態(
図31(A)、(B)および(C)参照)から第2のコンタクト端子支持板70の孔70eから位置決め部材40に向かって引き抜かれるように構成されてもよい(
図32(A)、(B)、および、(C)参照)。なお、
図31(A)および(B)、
図32(A)および(B)、
図33(A)および(B)において、
図27(A)および(B)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
【0156】
コンタクト端子75は、薄板金属材料、例えば、ベリリウム銅でプレス加工により作られている。コンタクト端子75は、例えば、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部75Pを有する可動接点部75Cと、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部を一端に有する基板側固定端子部(不図示)と、可動接点部75Cと基板側固定端子部とを互いに離隔する方向に付勢するコイルスプリング77とを含んで構成されている。可動接点部75Cは、略U字形横断面を有し、
図31(A)においてY座標軸に沿って張り出した一対の張出部75faと、張出部75faに連なる突起片75tとからなる。突起片75tは、所定の位置に一体に形成される一対の仮止用爪部75fcを有している。一対の張出部75faは、孔70dに対し離隔した位置と、上述の段付き孔70biの孔70dに挿入される位置をとる(
図32(A)参照)。一対の仮止用爪部75fcは、上述の孔70eに挿入され内周面に係合される位置と、孔70eから突き出る位置(
図32(A)参照)をとる。
【0157】
その際、だぼ75ftが、上述した孔70eにおけるX座標軸に沿った一方の内周面に当接される。だぼ75ftは、突起片75tの中央部に形成されている。
【0158】
図32(A)および(B)に示されるように、突起片75tが位置決め部材40に向けて引張られた場合、一対の張出部75faは、孔70dに挿入された後、一対の仮止用爪部75fcおよび、だぼ75ftは、それぞれ、孔70eから引き出される。これにより、可動接点部75Cと基板側固定端子部とが互いに近接または離隔可能とされる。
【0159】
従って、コンタクト端子75の可動接点部75Cが第2のコンタクト端子支持板70に支持された状態で第1のコンタクト端子支持板が組み付けられるので例えば、自動組立機によっても、複数のコンタクト端子75を第1のコンタクト端子支持板および第2のコンタクト端子支持板70に容易に組み付けられる。
【0160】
さらに、一対の仮止用爪部をそれぞれ有する複数のコンタクト端子が、プレス加工により作られたコンタクト端子に限られることなく、例えば、
図33(A)および(B)に示されるように、複数のプローブピン78であってもよい。
【0161】
プローブピン78は、例えば、半導体装置DVの電極部DVaに選択的に当接される当接部76Cを有するデバイス側プランジャ76と、プリント配線基板PCBの電極パッドに当接される当接部を一端に有する基板側プランジャ(不図示)と、デバイス側プランジャ76と基板側プランジャとを互いに離隔する方向に付勢するコイルスプリング(不図示)と、デバイス側プランジャ76の基端部および基板側プランジャの基端部と、コイルスプリングとを収容するスリーブ79とを含んで構成されている。
【0162】
デバイス側プランジャ76は、所定の位置に一体に形成される一対の仮止用リング部76fcを有している。仮止用リング部75fcは、上述の孔70eに挿入され内周面に係合される位置と、孔70eから突き出る位置(
図33(B)参照)をとる。
【0163】
従って、斯かる構成においても、プローブピン78のデバイス側プランジャ76が第2のコンタクト端子支持板70に支持された状態で第1のコンタクト端子支持板が組み付けられるので例えば、自動組立機によっても、複数のデバイス側プランジャ76を第1のコンタクト端子支持板および第2のコンタクト端子支持板70に容易に組み付けられる。
なお、上述の例においては、コンタクト端子の基板側固定端子部は、一対の仮止用爪部を1箇所に有するものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、一対の仮止用爪部を複数個所に有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0164】
16ai、22ai、52、52´、52´´、62、64、72ai、74、75 コンタクト端子
20 コンタクトピンモジュール
26 第1のコンタクト端子支持基板
28、70 第2のコンタクト端子支持基板
40 位置決め基板
DV 半導体装置