(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20220104BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20220104BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20220104BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220104BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H01L21/82 B
H01L27/092 K
H01L27/092 C
H01L27/092 D
H01L27/04 A
(21)【出願番号】P 2020201831
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2019154402の分割
【原出願日】2014-04-18
【審査請求日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】P 2013183350
(32)【優先日】2013-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新保 宏幸
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/106799(WO,A1)
【文献】米国特許第7888736(US,B2)
【文献】特開2009-267094(JP,A)
【文献】特開2007-141971(JP,A)
【文献】国際公開第2011/077664(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0111405(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/8238
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィン型トランジスタを含むスタンダードセルを有する半導体装置であって、
前記スタンダードセルは、
第1方向に延びており、かつ前記スタンダードセルの前記第1方向における一方の端に沿って前記第1方向と直交する第2方向に並べて配置され、かつ前記第2方向に延びる少なくとも一つの第1のゲート配線と直交する、複数の第1のアクティブフィンと、
前記第1方向に延びており、かつ前記スタンダードセルの前記第1方向における他方の端に沿って前記第2方向に並べて配置され、かつ前記第2方向に延びる少なくとも一つの第2のゲート配線と直交する、複数の第2のアクティブフィンとを含んでおり、
前記第2方向において隣接して配置された2つの導電型領域を有し、一方の導電型領域において、前記複数の第1のアクティブフィンと、前記複数の第2のアクティブフィンとの間において、アクティブフィンが配置されていない非アクティブフィン領域が存在し、
他方の導電型領域において、前記非アクティブフィン領域と前記第1方向において同一位置に第3のアクティブフィンが配置されており、前記第3のアクティブフィンは前記第2方向に延びる少なくとも一つの第3のゲート配線と直交し、
前記非アクティブフィン領域にダミーフィンと前記第2方向に延びる少なくとも一つの第4のゲート配線とを備える、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記複数の第1のアクティブフィンと前記複数の第2のアクティブフィンは前記第2方向において対応する位置に配置されている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1のゲート配線は複数の第5のゲート配線を含み、前記第1方向に所定のピッチで配置されている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第4のゲート配線は複数の第6のゲート配線を含み、前記第1方向に所定のピッチで配置されている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置において、
前記他方の導電型領域においてアクティブフィンが前記スタンダードセルの両端部間に延びている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
フィン型トランジスタを含むスタンダードセルを有する半導体装置であって、
前記スタンダードセルは、
第1方向に延びており、かつ前記スタンダードセルの前記第1方向における一方の端に沿って前記第1方向と直交する第2方向に並べて配置され、かつ前記第2方向に延びる少なくとも一つの第1のゲート配線と直交する、複数の第1のアクティブフィンと、
前記第1方向に延びており、かつ前記スタンダードセルの前記第1方向における他方の端に沿って前記第2方向に並べて配置され、かつ前記第2方向に延びる少なくとも一つの第2のゲート配線と直交する、複数の第2のアクティブフィンとを含んでおり、
前記第2方向において隣接して配置された2つの導電型領域を有し、一方の導電型領域において、前記複数の第1のアクティブフィンと、前記複数の第2のアクティブフィンとの間において、アクティブフィンが配置されていない非アクティブフィン領域が存在し、他方の導電型領域において、前記非アクティブフィン領域と前記第1方向において同一位置に第3のアクティブフィンが配置されており、前記第3のアクティブフィンは前記第2方向に延びる少なくとも一つの第3のゲート配線と直交し、
前記非アクティブフィン領域にダミーフィンと前記第2方向に延びる少なくとも一つの第4のゲート配線とを備え、前記ダミーフィンおよび前記第4のゲート配線はオフトランジスタを構成する、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置において、
前記複数の第1のアクティブフィンと前記複数の第2のアクティブフィンは前記第2方向において対応する位置に配置されている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6記載の半導体装置において、
前記第1のゲート配線は複数の第5のゲート配線を含み、前記第1方向に所定のピッチで配置されている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項6記載の半導体装置において、
前記第4のゲート配線は複数の第6のゲート配線を含み、前記第1方向に所定のピッチで配置されている、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項6記載の半導体装置において、
前記他方の導電型領域においてアクティブフィンが前記スタンダードセルの両端部間に延びている、
ことを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、スタンダードセル方式を用いたレイアウト設計により形成された半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に半導体集積回路を形成する方法として、スタンダードセル方式が知られている。スタンダードセル方式とは、特定の論理機能を有する基本的単位(例えば、インバータ、ラッチ、フリップフロップ、全加算器など)を標準論理セルとして予め用意しておき、半導体基板上に複数の標準論理セルを配置してそれらの標準論理セルの間を、金属配線を用いて接続することによってLSI(Large Scale Integration)チップを設計する方式のことである。
【0003】
図11はフィン型トランジスタの構造を説明するための図である。フィン型トランジスタのソースおよびドレインは、従来の二次元構造のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)と異なり、隆起したフィンと呼ばれる立体構造を持つ。フィン型トランジスタのゲートは、このフィンを包むようにフィンと直交して配置される。トランジスタをこのような構造にすることにより、従来は単一の平面だけで制御していたチャネル領域の制御において、ゲートとフィンとが接する3つの面で制御できるようになる。これにより、チャネルの制御性が大幅に改善するため、フィン型トランジスタを搭載した半導体集積回路において、リーク電力削減、オン電流の向上、および動作電圧の低減などの性能が向上する。
【0004】
特許文献1には、フィン型トランジスタを使用してスタンダードを形成した技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、フィン型トランジスタの特性は、従来の二次元構造のCMOSトランジスタ以上に、隣接するトランジスタとの距離による影響を受ける。具体的には、従来のOSE(OD-Spacing-Effect)による電流特性の変動に加えて、例えば、物理的な応力、あるいはSi面に対して直立するフィン同士の間隔によって、電流特性の変動および容量特性の変動が発生する。
【0007】
また、スタンダードセルにおけるフィンの位置は、スタンダードセルを構成する論理や駆動力によって様々である。したがって、フィン型トランジスタを含むスタンダードセルが左右方向に隣接するように並べて配置されたとき、その隣接境界を挟んで配置された2つのフィンの間隔が隣接するセルの種類によって異なる場合がある。これにより、フィン型トランジスタの特性がばらつきを有し、結果として上記のスタンダードセルを備えた半導体装置の特性がばらつきを有することになる。
【0008】
また、スタンダードセルが左右に隣接しないとき(例えば、回路ブロックの右辺、左辺に並ぶスタンダードセルの場合等)に、スタンダードセル内の左右端部のフィンと隣接するフィンが存在しない場合があり、フィン同士の間隔が実質的に無限大となることもある。
【0009】
このようなフィン同士の間隔の変動を考慮して設計を行うには、あらかじめ各回路(各トランジスタ)の容量特性や電流特性に一定のマージンを加えて設計を行うことが考えられるが、これによりスタンダードセルを備えた半導体装置の性能の劣化やコストアップが発生するという課題があった。
【0010】
上記問題に鑑み、本開示は、フィン型トランジスタを含むスタンダードセルを備えた半導体装置において、左右に隣接するスタンダードセルの種類による特性(例えば、電流特性や容量特性等)の変動のばらつきを抑制して、半導体装置の性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1態様では、第1方向において隣接して配置され、かつそれぞれがフィン型トランジスタを含む第1および第2のスタンダードセルを有する半導体装置において、前記第1のスタンダードセルは、前記第1方向に延びており、かつ前記第2のスタンダードセルとの境界に沿って、前記第1方向と直交する第2方向に並べて配置された複数の第1のフィンを含み、前記第2のスタンダードセルは、前記第1方向に延びており、かつ前記第2方向において、前記第1のスタンダードセルとの境界に沿って、前記各第1のフィンと対応する位置に並べて配置された複数の第2のフィンを含み、前記複数の第2のフィンのうちの少なくともいずれか1個は、論理機能に寄与しないダミーフィンであることを特徴とする。
【0012】
この第1態様によると、第1のスタンダードセルと第2のスタンダードセルとの境界を挟んで隣接する各第1のフィンと各第2のフィンとが対応する位置に並べて配置されている。この配置された複数の第2のフィンのうちのいずれか1個はダミーフィンである。これにより、第1および第2のスタンダードセルの種類によらず、第1のスタンダードセルの各第1のフィンと、セル境界を挟んで隣接する第2のスタンダードセルの各第2のフィンとの距離が一意に定まる。これにより、隣接するスタンダードセルの種類に起因する半導体装置の特性のばらつきを抑制することができる。
【0013】
本開示の第2態様では、フィン型トランジスタを含むスタンダードセルを有する半導体装置において、前記スタンダードセルは、第1方向に延びており、かつ前記スタンダードセルの前記第1方向における一方の端に沿って、前記第1方向と直交する第2方向に並べて配置された複数の第1のアクティブフィンと、前記第1方向に延びており、かつ前記スタンダードセルの前記第1方向における他方の端に沿って、前記第2方向に並べて配置された複数の第2のアクティブフィンとを含んでおり、前記第2方向において、隣接して配置された2つの導電型領域を有し、一方の導電型領域において、前記複数の第1のアクティブフィンと、前記複数の第2のアクティブフィンとの間において、アクティブフィンが配置されていない非アクティブフィン領域が存在し、他方の導電型領域において、前記非アクティブフィン領域と前記第2方向において同一位置にアクティブフィンが配置されている。
【0014】
この第2態様によると、スタンダードセルの第1方向における両端に沿って、複数の第1のアクティブフィンおよび複数の第2のアクティブフィンがそれぞれ第2方向に並べて配置されている。すなわち、スタンダードセルの第1方向における両端に沿う位置に、優先的にアクティブフィンが配置されている。一方で、一方の導電型領域において、両端沿いに配置されたアクティブフィンの内側に非アクティブフィン領域(フィンの配置が可能な領域であり、かつアクティブフィンが配置されていない領域)が形成されている。換言すると、例えばスタンダードセルの種類やスタンダードセル内の各トランジスタの能力(例えばドライブ能力)等に起因して、一方の導電型領域に非アクティブフィン領域が発生するような場合(例えば、一方の導電型領域におけるトランジスタのトータルのサイズが他方の導電型領域におけるトランジスタのトータルのサイズよりも小さい場合)においても、一方の導電型領域の第1方向における両端沿いに優先的にアクティブフィンが配置される。これにより、このような構成のスタンダードセルを第1方向に複数隣接して配置した際に、各第1のアクティブフィンおよび各第2のアクティブフィンのそれぞれについて、スタンダードセルの境界を挟んで隣接するフィン間の距離が、隣接するスタンダードセルの種類によらず一意に定まる。これにより、隣接するスタンダードセルの種類に起因する特性のばらつきを抑制することができ、そのスタンダードセルを備える半導体装置の性能を向上させることができる。このとき、例えば、一方の導電型領域に加えて、他方の導電型領域にも非アクティブフィン領域がある場合においても、両方の導電型領域において、第1方向における両端沿いに優先的にアクティブフィンが配置されるのが好ましい。
【0015】
本開示の第3態様では、フィン型トランジスタを含むスタンダードセルを有する半導体装置において、前記スタンダードセルは、論理機能領域において、第1方向に延び、かつ前記第1方向と直交する第2方向に並べて配置された複数のアクティブフィンと、前記論理機能領域と前記スタンダードセルの前記第1方向における一方の端との間において、前記第1方向に延びており、かつ前記第2方向において、前記各アクティブフィンと対応する位置に並べて配置された複数の第1のダミーフィンとを含むことを特徴とする。
【0016】
この第3態様によると、各アクティブフィンからみて、スタンダードセルの第1方向における一方の端側には第1のダミーフィンが存在するため、一方の端側において、上記のスタンダードセルと隣接して配置されるセル(例えばスタンダードセル)の種類やセルの有無によらず、各アクティブフィンと隣接するフィン(例えば第1のダミーフィン)との距離は一意に定まる。これにより、隣接するセルの種類によらず、論理機能領域のアクティブトランジスタの特性のばらつきを抑制することができ、本態様に係るスタンダードセルを備える半導体装置の性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
2つの隣接するスタンダードセルにおいて、一方のスタンダードセルにおける隣接境界沿いのフィンと、その境界を挟んで隣接する他方のスタンダードセルにおける隣接境界沿いのフィンとの距離がスタンダードセルの種類によらず一意に定まるため、隣接するスタンダードセルの種類に起因する特性のばらつきを抑制することができる。これにより、上記のスタンダードセルを備える半導体装置の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態1に係る半導体装置に用いるスタンダードセルが複数個隣接して配置されたレイアウト構成例を示す平面図である。
【
図2】実施形態1に係るスタンダードセルのレイアウト構成の一例を示す平面図である。
【
図3】実施形態1に係るスタンダードセルのレイアウト構成の他の例を示す平面図である。
【
図4】実施形態1に係るスタンダードセルのレイアウト構成の他の例を示す平面図である。
【
図5】実施形態2に係るスタンダードセルのレイアウト構成の一例を示す平面図である。
【
図6】実施形態3に係るスタンダードセルのレイアウト構成の一例を示す平面図である。
【
図7】スタンダードセルのその他のレイアウト構成例を示す平面図である。
【
図8】スタンダードセルのその他のレイアウト構成例を示す平面図である。
【
図9】スタンダードセルのその他のレイアウト構成例を示す平面図である。
【
図10】スタンダードセルのその他のレイアウト構成例を示す平面図である。
【
図11】フィン型トランジスタの構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の実施の形態では、半導体集積回路装置は複数のスタンダードセルを備えており、この複数のスタンダードセルのうち少なくとも一部は、フィン型トランジスタを用いているものとする。なお、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0020】
また、本明細書では、スタンダードセルの論理機能に寄与するトランジスタのことを「アクティブトランジスタ」といい、スタンダードセルの論理機能に寄与しないトランジスタのことを「非アクティブトランジスタ」という。そして、「アクティブトランジスタ」を構成するフィンのことを「アクティブフィン」といい、「アクティブフィン」以外のフィンのことを「ダミーフィン」という。すなわち、「ダミーフィン」は、「非アクティブトランジスタ」を構成するフィン、または、トランジスタを構成しないフィンのことをいう。
【0021】
[実施形態1]
図1は実施形態1に係る半導体装置に用いるスタンダードセルが複数個隣接して配置されたレイアウト構成例を示す平面図である。具体的には、それぞれにフィン型トランジスタを含む5個のスタンダードセル10,20A,20B,20C,30が、第1方向としての図面横方向(X方向)において隣接して配置されている。
図1および他の平面図では、フィンとその上に形成されたゲートとによって、フィン型トランジスタが構成されている。ローカル配線は、平面視でフィンまたはゲートと重なる部分において、フィンまたはゲートの上層に接して形成されており、電気的に接続されている。メタル配線はローカル配線の上層に位置しており、コンタクトを介してローカル配線と接続されている。なお、
図1では図の見やすさのために、フィンにハッチを付している。ただし、ゲートの下に位置する部分についてはハッチを省いている。また、ローカル配線およびメタル配線にも種類が異なるハッチを付しており、メタル配線とローカル配線とがコンタクトで接続された部分を黒く塗りつぶして示している。他の平面図においても同様である。
【0022】
ここで、
図1において、各スタンダードセル10,20A,20B,20C,30の第2方向としての図面縦方向(Y方向)において、配置(描画)可能な最大のフィン枚数(図面縦方向におけるフィンの数)は6枚であるものとする。他の平面図においても同様である。
【0023】
また、本態様では、説明の便宜上、スタンダードセル10,20A,20B,20C,30がすべて2入力NANDセルである例について示しているが、これに限られるものではなく、それぞれに他のセル(インバータセル、ANDセル,ORセル,NORセル,複合セル、フリップフロップ等)であってもよい。他の実施形態においても同様である。
【0024】
スタンダードセル10(第1のスタンダードセル)は、図面横方向において、一方の端部から他方の端部まで延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のアクティブフィン11a,11b,11c,12a,12b,12c(第1のフィン)を含んでいる。すなわち、アクティブフィン11a,11b,11c,12a,12b,12cは、スタンダードセル20Aとの境界に沿って図面縦方向に並べて配置されている。
【0025】
スタンダードセル10において、ゲート配線G11,G12は、図面縦方向に延びており、アクティブフィン11a,11b,11c,12a,12b,12cとそれぞれの中間部分において直交するように、図面横方向に2本並べて配置されている。ゲート配線G11には、入力配線e11が接続されており、この入力配線e11を介して入力信号A1が与えられる。同様に、ゲート配線G12には、入力配線e12が接続されており、この入力配線e12を介して入力信号B1が与えられる。
【0026】
スタンダードセル10において、出力信号Y1が出力される出力配線e13は、ゲート配線G11,G12の間において、アクティブフィン11a,11b,11cと接続されている。また、アクティブフィン11a,11b,11cの図面横方向の両端部は、それぞれ図面縦方向に延びる接続配線e14,e15を介して電源線(例えば電源)V1に接続されている。また、出力配線e13は、アクティブフィン12a,12b,12cの図面横方向の一端部と接続されている。アクティブフィン12a,12b,12cの図面横方向の他端部は、図面縦方向に延びる接続配線e16を介して電源線(例えばグランド)V2に接続されている。
【0027】
図2に示すように、スタンダードセル20A(第2のスタンダードセル)は、論理機能領域AR23に配置されたNANDセルを含んでいる。論理機能領域とは、例えばNANDセルのように論理機能を実現するアクティブトランジスタ(アクティブフィン)が配置される領域を指すものとする。NANDセルの構成は、スタンダードセル10と類似構成であり、図面縦方向の上側におけるアクティブフィンの数が異なっている。具体的には、
図1ではアクティブフィン11a,11b,11cが3本であるのに対し、
図2ではアクティブフィン11a,11bが2本である点が異なる。
【0028】
スタンダードセル20Aは、図面横方向に延びており、論理機能領域AR23と図面横方向の一端(例えば左端)との間(領域AR21)において、スタンダードセル10のアクティブフィン11a,11b,11c,12a,12b,12cと対応するように、(例えば、両スタンダードセル10,20Aが隣接して配置されたときの図面縦方向における位置が実質的に同じになるように)、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン21a,21b,21c,22a,22b,22c(第2のフィン)を含んでいる。すなわち、ダミーフィン21a,21b,21c,22a,22b,22cは、スタンダードセル10との境界に沿って図面縦方向に並べて配置されている。ここで、図面縦方向における位置が実質的に同じとは、設計や製造の誤差等により図面縦方向の位置が多少ずれたものを含むものとする。
【0029】
また、スタンダードセル20Aは、論理機能領域AR23と図面横方向の他端(例えば右端)との間(領域AR22)において、図面横方向に延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン23a,23b,23c,24a,24b,24cを含んでいる。すなわち、ダミーフィン23a,23b,23c,24a,24b,24cは、スタンダードセル20Bとの境界に沿って図面縦方向に並べて配置されている。
【0030】
図3に示すように、スタンダードセル20Bは、論理機能領域AR23に配置されたNANDセルを含んでいる。NANDセルの構成は、スタンダードセル20Aと類似構成であり、図面縦方向の上下両側のアクティブフィンの数が異なっている。具体的には、
図2では上側のアクティブフィン11a,11bが2本であるのに対し、
図3ではアクティブフィン11aが1本である点が異なる。また、
図2では下側のアクティブフィン12a,12b,12cが3本であるのに対し、
図3ではアクティブフィン12cが1本である点が異なる。
【0031】
スタンダードセル20Bは、スタンダードセル20Aと同様に、領域AR21において、図面横方向に延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン21a,21b,21c,22a,22b,22cと、領域AR22において、図面横方向に延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン23a,23b,23c,24a,24b,24cとを含んでいる。
【0032】
ここで、スタンダードセル20A,20Bにおいて、上述のとおり、論理機能領域AR23のアクティブフィン11cが省かれている。したがって、スタンダードセル20A,20Bの境界を挟んで左右に隣接するスタンダードセル20Aのダミーフィン23cおよびスタンダードセル20Bのダミーフィン21cは、両方とも図面横方向において、セルの内側(論理機能領域AR23)にアクティブフィンが存在しない。このような場合、スタンダードセル20Aのダミーフィン23cおよびスタンダードセル20Bのダミーフィン21cは省いてもかまわない。
【0033】
一方で、一般的にスタンダードセルは回路の全体レイアウト前に設計され、その設計されたセルを全体レイアウト時に適宜配置するため、隣接するセルの種類はスタンダードセルを設計した時点ではわからない場合もある。そのため、
図1に示すように、スタンダードセル20A,20B,20Cにおいて、あらかじめ配置(描画)可能な最大のフィン枚数のダミーフィンを図面縦方向に並べて配置してもよい。これにより、設計の利便性が高まる。なお、スタンダードセル20A,20Bでは、配置(描画)可能な最大のフィン枚数のダミーフィンを図面縦方向に並べて配置した例を示している。
【0034】
なお、スタンダードセル20A,20Bにおいて、領域AR21,AR22に配置されたフィンはすべてダミーフィンであるものとしたが、これに限定されない。例えば、
図4に示すスタンダードセル20Cのように領域AR21,AR22に配置されるフィンの一部がアクティブフィンであってもよい。
【0035】
図4に示すように、スタンダードセル20Cは、論理機能領域AR23に配置されたNANDセルを含んでいる。また、NANDセルを構成するアクティブフィン12b,12cは、図面横方向において、スタンダードセル20Cの一方の端部から他方の端部まで(領域AR21から論理機能領域AR23を介して領域AR22まで)延びている。
【0036】
スタンダードセル20Cにおいて、ゲート配線G13は、領域AR21と論理機能領域AR23との境界において、図面縦方向に延びるように配置されている。ゲート配線G14は、領域AR22と論理機能領域AR23との境界において、図面縦方向に延びるように配置されている。すなわち、アクティブフィン12b,12cには、4本のゲート配線G11,G12,G13,G14が直交している。ゲート配線G11,G13には、入力配線e11が接続されており、この入力配線e11を介して入力信号A1が与えられる。同様に、ゲート配線G12,G14には、入力配線e12が接続されており、この入力配線e12を介して入力信号B1が与えられる。
【0037】
スタンダードセル20Cにおいて、アクティブフィン12a,12b,12cにおけるゲート配線G11とゲート配線G12との中間部分は、図面縦方向に延びる接続配線e17によって接続されている。接続配線e17は、図面横方向に延びる接続配線e18および領域AR21内において図面縦方向に延びる接続配線e19を介して、領域AR21側のアクティブフィン12b,12cの端部と接続されている。さらに、接続配線e17は、図面横方向に延びる接続配線e18および領域AR22内において図面縦方向に延びる接続配線e20を介して、領域AR22側のアクティブフィン12b,12cの端部と接続されている。そして、アクティブフィン12a,12b,12cにおけるゲート配線G13とゲート配線G11との中間部分は、図面縦方向に延びる接続配線e16によって電源線V2に接続されている。
【0038】
スタンダードセル20Cは、領域AR21内において、図面横方向に延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン21a,21b,21c,22aと、領域AR22内において、図面横方向に延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン23a,23b,23c,24aとを含んでいる。すなわち、スタンダードセル20Cでは、スタンダードセル20A,20Bと比較すると、領域AR21からダミーフィン22b,22cが省かれており、その省かれた部分にアクティブフィン12b,12cの一端部が延びている。同様に、領域AR22からダミーフィン24b,24cが省かれており、その省かれた部分にアクティブフィン12b,12cの他端部が延びている。
【0039】
図1において、スタンダードセル30は、図面横方向において、一方の端部から他方の端部まで延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のアクティブフィン31a,31b,31c,32a,32b,32cを含んでいる。すなわち、アクティブフィン31a,31b,31c,32a,32b,32cは、スタンダードセル20Cとの境界に沿って図面縦方向に並べて配置されている。
【0040】
以上のように、本実施形態によると、図面横方向に隣接するスタンダードセルにおいて、スタンダードセルの境界に沿って配置されたフィンの図面縦方向における位置が、それぞれ対応するように配置される。結果として、スタンダードセルの境界を挟んで隣接するフィン間の距離が、隣接するスタンダードセルの種類によらず一意に定まる。これにより、隣接するスタンダードセルの種類に起因する特性のばらつきを抑制することができ、そのスタンダードセルを備える半導体装置の性能を向上させることができる。さらに、半導体装置の各回路の容量特性や電流特性に対して付与するマージン量を削減することが可能になるため、コストアップを抑制することができる。
【0041】
[実施形態2]
図5は実施形態2に係るスタンダードセルのレイアウトの一例を示す平面図である。
【0042】
図5において、AR45,AR46は論理機能領域を示し、フィン型トランジスタによって構成されたNANDセルが配置されている。論理機能領域AR45は、例えば第1導電型(例えばp型)の導電型領域を示しており、論理機能領域AR46は、例えば第1導電型とは異なる第2導電型(例えばn型)の導電型領域を示している。本態様では、スタンダードセル40は矩形型であるものとし、論理機能領域AR45に用いる第1導電型の各アクティブトランジスタのサイズより、論理機能領域AR46に用いる第2導電型の各アクティブトランジスタのサイズの方が大きいものとする。すなわち、論理機能領域AR45には、フィンの配置は可能ではあるが、アクティブフィンが配置されていない非アクティブフィン領域があるものとする。AR47は、非アクティブフィン領域を示しており、
図5では12箇所ある。なお、
図5では例えば非アクティブフィン領域の発生は、上記の場合に限定されない。例えば、非アクティブフィン領域がスタンダードセルを構成する論理の種類によって生じる場合もある。例えば、第1導電型の各アクティブトランジスタのサイズと、論理機能領域AR46における第2導電型の各アクティブトランジスタのサイズとが等しい場合においても、各領域に用いるトランジスタ数が異なる場合には、アクティブフィンが存在しない非アクティブフィン領域が生じる。また、各アクティブトランジスタの使用するフィン数に起因して非アクティブフィン領域が生じる場合もある。
【0043】
スタンダードセル40は、図面横方向において、左端部からセルの中間における左寄りの位置まで延びており、スタンダードセル40の左端に沿って、図面縦方向に並べて配置された複数のアクティブフィン41a,41b,41c(第1のアクティブフィン)と、図面横方向において、右端部からセルの中間における右寄りの位置まで延びており、スタンダードセル40の右端に沿って、図面縦方向に並べて配置された複数のアクティブフィン43a,43b,43c(第2のアクティブフィン)とを含んでいる。ここで、複数のアクティブフィン41a,41b,41cと、複数のアクティブフィン43a,43b,43cとは、図面縦方向における位置が対応するように(例えば、図面縦方向における位置が実質的に同じになるように)配置されている。ここで、図面縦方向における位置が実質的に同じとは、設計や製造の誤差等により図面縦方向の位置が多少ずれたものを含むものとし、以下の説明において同様とする。
【0044】
また、スタンダードセル40は、論理機能領域AR46において、図面横方向に一方の端部から他方の端部まで延びており、図面縦方向に並べて配置された複数のアクティブフィン42a,42b,42cを含んでいる。
【0045】
スタンダードセル40において、ゲート配線G41~G48は、図面縦方向に延びており、図面横方向に所定のピッチで配置されている。ゲート配線G41,G42は、アクティブフィン41a,41b,41cとそれぞれの図面横方向における中間部分において直交しており、アクティブフィン42a,42b,42cのそれぞれと左端部寄りの部分において直交している。ゲート配線G43~G46は、非アクティブフィン領域AR47,AR47,…内には直交するフィンがなく、論理機能領域AR46において、アクティブフィン42a,42b,42cの図面横方向における中間部分においてそれぞれと直交している。ゲート配線G47,G48は、アクティブフィン43a,43b,43cの図面横方向における中間部分においてそれぞれと直交しており、アクティブフィン42a,42b,42cの右端部寄りの部分においてそれぞれと直交している。ゲート配線G41~G44には、図面横方向に延びる入力配線e41が接続されており、この入力配線e41を介して入力信号A4が与えられる。同様に、ゲート配線G45~G48には、図面横方向に延びる入力配線e42が接続されており、この入力配線e42を介して入力信号B4が与えられる。
【0046】
スタンダードセル40において、出力信号Y4が出力される出力配線e43は、ゲート配線G41,G42の間において、アクティブフィン41a,41b,41cと接続されている。また、アクティブフィン41a,41b,41cの図面横方向の両端部は、それぞれ図面縦方向に延びる接続配線e44a,e44bを介して電源線V1に接続されている。同様に、出力配線e43は、ゲート配線G47,G48の間において、アクティブフィン43a,43b,43cと接続されている。また、アクティブフィン43a,43b,43cの図面横方向の両端部は、それぞれ図面縦方向に延びる接続配線e45a,e45bを介して電源線V1に接続されている。また、出力配線e13は、ゲート配線G45,G46の間およびゲート配線G47,G48の間において、図面縦方向に延びる接続配線e46a,e46bを介してアクティブフィン42a,42b,42cと接続されている。
【0047】
スタンダードセル40において、アクティブフィン42a,42b,42cの右端とゲート配線G48との中間部分およびゲート配線G46とゲート配線G47との中間部分は、それぞれ図面縦方向に延びる接続配線e47a,e47bによって接続されている。接続配線e47a,e47bは、図面横方向に延びる接続配線e48、図面縦方向に延びる接続配線e49および図面横方向に延びる接続配線e50を介して、図面縦方向に延びる接続配線e51a,e51bに接続される。接続配線e51a,e51bは、それぞれアクティブフィン42a,42b,42cの左端とゲート配線G41との中間部分およびゲート配線G42とゲート配線G43との中間部分と接続されている。そして、アクティブフィン42a,42b,42cにおけるゲート配線G41とゲート配線G42との中間部分およびゲート配線G43とゲート配線G44との中間部分は、それぞれ図面縦方向に延びる接続配線e52a,e52bによって電源線V2に接続されている。
【0048】
以上のように、本態様では、論理機能領域AR45において、非アクティブフィン領域AR47,AR47,…が生じる際に、スタンダードセル40の図面横方向の両端に沿う位置に優先的にアクティブフィンを配置している。同様に、論理機能領域AR46において、スタンダードセル40の図面横方向の両端に沿う位置にアクティブフィンが配置されている。スタンダードセルをこのような構成にすることにより、スタンダードセルを図面横方向に複数隣接して配置した際に、スタンダードセルの境界を挟んで隣接するフィン間の距離が、隣接するスタンダードセルの種類によらず一意に定まる。これにより、隣接するスタンダードセルの種類に起因する特性のばらつきを抑制することができ、そのスタンダードセルを備える半導体装置の性能を向上させることができる。
【0049】
なお、実施形態2では、非アクティブフィン領域AR47,AR47,…にはフィンが存在しない例について説明したが、これに限定されない。例えば、スタンダードセルの論理機能に寄与しないダミーフィン(図示しない)を領域AR47,AR47,…に挿入してもよい。さらに、そのダミーフィンとして、例えばダイオード素子(例えばアンテナダイオード)を構成するダイオードフィン、容量素子を構成する容量フィン、オフトランジスタ(非アクティブトランジスタ)を構成するオフトランジスタフィン等を挿入してもよい。
【0050】
また、論理機能領域AR46において、3本のアクティブフィン42a,42b,42cが、すべて図面横方向にスタンダードセル40の両端部間で延びているものとして説明したが、スタンダードセル40の両端部間にわたって延びるアクティブフィンが1本であってもよい。この場合、残りの2本のアクティブフィンについては、スタンダードセル40の左右端に沿う位置に優先的に配置するのが好ましい。また、スタンダードセル40の両端部間にわたって延びる各アクティブフィンは、全領域で連続している必要はなく、その途中で一部が切除されていてもよい。
【0051】
[実施形態3]
図6は実施形態3に係るスタンダードセルのレイアウトの一例を示す平面図である。
【0052】
図6において、AR53は論理機能領域を示し、フィン型トランジスタによって構成されたNANDセルが配置されている。NANDセルの構成は、スタンダードセル20Aと類似構成である。
【0053】
スタンダードセル50は、図面横方向に延びており、論理機能領域AR53と図面横方向の一端(左端)との間(領域AR51)において、NANDセルを構成するアクティブフィン11a,11b,12a,12b,12cと対応する位置に、図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン51a,51b,52a,52b,52c(第1のダミーフィン)を含んでいる。同様に、スタンダードセル50は、図面横方向に延びており、論理機能領域AR53と図面横方向の他端(右端)との間(領域AR52)において、NANDセルを構成するアクティブフィン11a,11b,12a,12b,12cと対応する位置に図面縦方向に並べて配置された複数のダミーフィン53a,53b,54a,54b,54c(第2のダミーフィン)を含んでいる。具体的には、例えば、アクティブフィン11a,11b,12a,12b,12cと図面縦方向における位置が実質的に同じになるように、複数のダミーフィン51a,51b,52a,52b,52cおよび複数のダミーフィン53a,53b,54a,54b,54cが配置されている。ここで、図面縦方向における位置が実質的に同じとは、設計や製造の誤差等により図面縦方向の位置が多少ずれたものを含むものとする。
【0054】
これにより、図面横方向において、各アクティブフィンのセル両端側にそれぞれダミーフィンが存在するため、このスタンダードセルと隣接して配置されるセル(例えばスタンダードセル)の種類によらず、またセルの有無によらず、各アクティブフィンと隣接するフィン(ダミーフィン)との距離は一意に定まる。これにより、隣接するセルの種類によらず、論理機能領域のアクティブトランジスタの特性のばらつきを抑制することができ、本態様に係るスタンダードセルを備える半導体装置の性能を向上させることができる。
【0055】
なお、本態様では、論理機能領域AR53におけるアクティブフィンは、すべて図面横方向で連続しているものとしたが、その一部が切除されていてもよい。また、スタンダードセル50がフィン枚数の異なる複数のアクティブトランジスタを含んでいてもよい。この場合、領域AR51,AR52のダミーフィンは、すべてのアクティブトランジスタのアクティブフィンと対応する位置に並べて配置されるのが好ましい。
【0056】
なお、
図6では領域AR51,AR52にダミーフィンを配置するものとしたが、例えば片側の領域(領域AR51,AR52のいずれか一方)のみにおいてダミーフィンを配置してもよい。ただし、例えばクロックの供給や分周等に寄与するクロックセル等の精度が必要なスタンダードセルにおいては、スタンダードセル50のようにセル両側の領域AR51,AR52において、ダミーフィンを配置するのが好ましい。
【0057】
[その他の実施形態]
以上、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1~3を説明した。しかしながら本開示における技術はこれに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。以下、その他の実施形態を例示する。
【0058】
図7~
図10は本開示に係るスタンダードセルのその他のレイアウト構成例を示す平面図である。
【0059】
図7のスタンダードセル50Aは、
図6とのスタンダードセル50に対して、領域AR51のダミーフィン52a,52b,52cおよび領域AR52のダミーフィン54a,54b,54cを、アンテナダイオードを構成するダイオードフィンに変更している。
【0060】
具体的には、領域AR51のダミーフィン52a,52b,52c(ダイオードフィン)は、図面縦方向に延びる接続配線e63に接続され、図面横方向に延びる接続配線e61を介して入力配線e11に接続されている。また、領域AR52のダミーフィン54a,54b,54c(ダイオードフィン)は、図面縦方向に延びる接続配線e64に接続され、図面横方向に延びる接続配線e62を介して入力配線e12に接続されている。
【0061】
これにより、スタンダードセル50から回路面積を増加させることなく、NANDセルの入力端子にアンテナダイオードを接続することができる。なお、アンテナダイオードは、NANDセルの入力端子以外の場所に接続してもかまわない。例えば、隣接するスタンダードセルの入力端子と接続してもよいし、スタンダードセル内に他の入力端子がある場合には、その入力端子と接続してもよい。
【0062】
また、
図2~
図4のスタンダードセル20A,20B,20Cにおいて、ダミーフィンのうちの少なくともいずれか1個をアンテナダイオードに変更してもよい。
図8のスタンダードセル20Dは、
図2のスタンダードセル20Aの領域AR21のダミーフィン22a,22b,22cおよび領域AR22のダミーフィン24a,24b,24cがアンテナダイオードを構成するダイオードフィンである例を示している。
【0063】
これにより、
図7のスタンダードセル50Aと同様に、スタンダードセル20Aから回路面積を増加させることなく、NANDセルの入力端子にアンテナダイオードを接続することができる。
【0064】
図9のスタンダードセル50Bは、
図6のスタンダードセル50に対して、領域AR51のダミーフィン51a,51b,52a,52b,52cを、アンテナダイオードを構成するダイオードフィンに変更し、かつ領域AR52のダミーフィン53a,53b,54a,54b,54cを、容量素子61,62を構成するダミーフィン61a,61b,62a,62b,62c(容量フィン)に変更している。
【0065】
具体的には、領域AR51のダミーフィン51a,51bは、図面縦方向に延びる接続配線e66に接続され、図面横方向に延びる接続配線e65および図面縦方向に延びる接続配線e64を介して入力配線e12に接続されている。領域AR51のダミーフィン52a,52b,52cは、図面縦方向に延びる接続配線e63に接続され、図面横方向に延びる接続配線e61を介して入力配線e11に接続されている。
【0066】
図9において、容量素子61は、ダミーフィン61a,61bとゲート配線G61とを含んでいる。ゲート配線G61は、図面縦方向に延びており、ダミーフィン61a,61bとそれぞれの中間部分において直交するように配置されている。また、ゲート配線G61は、図面横方向に延びる接続配線e65および図面縦方向に延びる接続配線e66を介して電源線V2に接続されている。また、ダミーフィン61a,61bの図面横方向の両端部は、それぞれ図面縦方向に延びる接続配線e68,e69を介して電源線V1に接続されている。
【0067】
同様に、容量素子62は、ダミーフィン62a,62b,62cとゲート配線G62とを含んでいる。ゲート配線G62は、図面縦方向に延びており、ダミーフィン62a,62b,62cとそれぞれの中間部分において直交するように配置されている。ゲート配線G62は、図面横方向に延びる接続配線e67および上記の接続配線e68を介して電源線V1に接続されている。また、ダミーフィン62a,62b,62cの図面横方向の両端部は、図面縦方向に延びる接続配線e70および上記の接続配線e66を介して、それぞれ電源線V2に接続されている。
【0068】
このような構成とすることにより、スタンダードセル50に容量素子を追加する際の回路面積の増加を抑制することができる。なお、
図2~
図4のスタンダードセル20A,20B,20Cにおいて、
図9と同様に、ダミーフィンのうちの少なくともいずれか1個を、容量素子を構成する容量フィンに変更してもよい。
【0069】
図10のスタンダードセル50Cは、
図6のスタンダードセル50に対して、領域AR51,AR52にオフトランジスタ71,72,71,72を配置した例を示している。
【0070】
スタンダードセル50Cにおいて、オフトランジスタ71は、ダミーフィン71a,71b(オフトランジスタフィン)とゲート配線G71とを含んでいる。ダミーフィン71a,71bは図面横方向に延びており、アクティブフィン11a,11bと対応するように図面縦方向に並べて配置されている。ゲート配線G71は、図面横方向に延びる接続配線e71aに接続されており、ダミーフィン71a,71bおよび接続配線e71aの図面横方向の両端部は、図面縦方向に延びる接続配線e71b,e71cによってそれぞれ電源線V1に接続されている。オフトランジスタ72は、ダミーフィン72a,72b,72c(オフトランジスタフィン)とゲート配線G72とを含んでいる。ダミーフィン72a,72b,72cは図面横方向に延びており、アクティブフィン12a,12b,12cと対応するように図面縦方向に並べて配置されている。ゲート配線G72は、図面横方向に延びる接続配線e72aに接続されており、ダミーフィン72a,72b,72cおよび接続配線e72aの図面横方向の両端部は、図面縦方向に延びる接続配線e72b,e72cによってそれぞれ電源線V2に接続されている。
【0071】
このような構成とすることにより、スタンダードセル50にオフトランジスタを追加する場合においても、回路面積の増加を抑制することができる。なお、
図2~
図4のスタンダードセル20A,20B,20Cにおいて、
図10と同様に、ダミーフィンのうちの少なくともいずれか1個を、オフトランジスタを構成するオフトランジスタフィンに変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示では、左右に隣接するスタンダードセルの種類による特性(例えば、電流特性や容量特性等)の変動のばらつきを抑制した半導体装置を提供することができるため、例えば各種電子機器に搭載される半導体装置の性能向上等に有用である。
【符号の説明】
【0073】
10,30 スタンダードセル(第1のスタンダードセル)
20A,20B,20C,20D スタンダードセル(第1のスタンダードセル、第2のスタンダードセル)
40,50,50A,50B,50C スタンダードセル
11a,11b,11c,12a,12b,12c アクティブフィン(第1のフィン)
21a,21b,21c,22a,22b,22c,23a,23b,23c,24a,24b,24c ダミーフィン(第1のフィン、第2のフィン)
31a,31b,31c,32a,32b,32c アクティブフィン(第1のフィン)
41a,41b,41c アクティブフィン(第1のアクティブフィン)
43a,43b,43c アクティブフィン(第2のアクティブフィン)
51a,51b,52a,52b,52c ダミーフィン(第1のダミーフィン)
53a,53b,54a,54b,54c ダミーフィン(第2のダミーフィン)
61,62 容量素子
61a,61b,62a,62b,62c ダミーフィン(容量フィン)
71,72 オフトランジスタ
71a,71b,72a,72b,72c ダミーフィン(オフトランジスタフィン)
AR45,AR46 論理機能領域(導電型領域)
AR47 非アクティブフィン領域
AR53 論理機能領域