IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロックス コンテナー テクノロジー エービーの特許一覧

特許6989971輸送用コンテナを定位置へと係止するためのコンテナ・コーナー係止装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】輸送用コンテナを定位置へと係止するためのコンテナ・コーナー係止装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/00 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
B65D90/00 G
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019523640
(86)(22)【出願日】2017-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2017074691
(87)【国際公開番号】W WO2018077568
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-06-03
(31)【優先権主張番号】1651403-6
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519152098
【氏名又は名称】ロックス コンテナー テクノロジー エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オムレ、ケント
(72)【発明者】
【氏名】レーン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スクライター、グンナー
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-018349(JP,A)
【文献】特開2006-143329(JP,A)
【文献】特開2010-030337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0171597(US,A1)
【文献】特開2008-184225(JP,A)
【文献】特開2014-040232(JP,A)
【文献】特開2009-040508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/00
B60P 7/13
B63B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ねられた上側輸送用コンテナ及び下側輸送用コンテナを定位置で固定するための係止装置であって、
- 上側部分(13)及び底側部分(14)を有する垂直方向ハウジング(1)であって、前記上側部分(13)が、上側コンテナ(3)のコーナー・キャスティング(2)内の専用の開口部(21)の中に嵌合可能な形状を有し、前記底側部分(14)が、下側コンテナ(3’)のコーナー・キャスティング(2’)内の専用の開口部(21’)の中に嵌合可能な形状を有し、
- 前記ハウジング(1)が、第1のハウジング部分(11)及び第2のハウジング部分(12)を備え、
- 前記第1のハウジング部分(11)は、前記底側部分(14)の下側端部において側方開口部(111)を有する
垂直方向ハウジング(1)と、
- 少なくとも、前記係止装置を前記コーナー・キャスティング(2’)に結合し、及び前記コーナー・キャスティング(2’)から解除するために、前記側方開口部(111)を通って外側に移動させたり、戻るように移動させたりできるフック端部(311)を有する、前記ハウジング(1)の内部で枢動可能に設置されるフック部材(31)と、
- それぞれの前記フック部材(31)を前記フック端部(311)の外側移動位置の方へ押圧するように配置されたばね(16)と、
- 前記フック端部(311)の前記外側移動位置で前記フック部材(31)を係止するために、又は前記フック端部(311)の前記外側移動位置と戻り位置との間で前記フック部材(31)が移動するのを可能にするために前記少なくとも1つのフック部材(31)に動作可能に接続される、前記ハウジング(1)内に設置されるシャフト(41)と、
- 前記シャフト(41)を移動させるためのモータ(43)と
- 前記シャフト(41)に固着される係止用棒(42)であって、前記係止用棒(42)が、前記モータ(43)による前記シャフト(41)の移動時に、前記係止用棒(42)を前記フック部材(31)の係止面(34)に前記外側移動位置で係合させる係止位置と、前記係止用棒(42)が前記フック部材(31)の係合から外れる自由位置との間で移動可能となる、係止用棒(42)と、
- ネック部分(131)、及び前記ネック部分(131)の上にあるヘッド部分(132)を有する、前記ハウジング(1)の前記上側部分(13)であって、前記上側コンテナ(3)の前記コーナー・キャスティング(2)内の前記専用の開口部(21)の中に前記上側部分(13)が嵌合されているときに保持機能を提供するように構成された保持用フランジ(133)を備える、前記上側部分(13)と
を備えることを特徴とする、係止装置。
【請求項2】
前記ハウジング(1)が、前記第1のハウジング部分(11)及び前記第2のハウジング部分(12)へと垂直方向に分割される、請求項1に記載の係止装置。
【請求項3】
前記ネック部分(131)の周りに設置される回転式ガイド・ネック部分(5)を備え、前記ガイド・ネック部分(5)が、上側コンテナ(3)のコーナー・キャスティング(2)内の専用の開口部(21)の中に嵌合されるように作られた周縁部形状を有する、請求項1又は2に記載の係止装置。
【請求項4】
前記回転式ガイド・ネック部分(5)が、前記ヘッド部分(132)を基準として前記ガイド・ネック部分(5)を1/4回転だけ捻じる位置において前記ハウジング(1)の前記ヘッド部分(132)を基準として前記ガイド・ネック部分(5)を解除可能に係止するように構成されるガイド・ネック係止装置(50)を備える、請求項3に記載の係止装置。
【請求項5】
前記外側移動位置にある前記フック部材(31)の前記フック端部(311)が、前記コーナー・キャスティング(2’)の概略水平方向の壁の内側(221’)上に当接されるように適合された概略水平方向の第1の当接面(312)を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項6】
ばね(16)が、前記フック端部(311)の前記外側移動位置の方へ前記フック部材(31)を押圧する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項7】
前記フック端部(311)は、前記ハウジング(1)から外側を向くガイド面(314)を備える底側部分(313)を有し、前記コーナー・キャスティング(2’)の中に前記係止装置が挿入されると、前記ガイド面(314)が前記コーナー・キャスティング(2’)内の開口部(21’)のリム(211’)上に当接されて、前記係止装置を所定の位置まで弾性的に誘導する、請求項6に記載の係止装置。
【請求項8】
前記フック部材(31)は、枢動軸(33)と、前記枢動軸(33)に隣接する前記係止面(34)とを有し、係止用棒(42)が前記シャフト(41)に固着され、前記シャフト(41)の移動時に、少なくともコンテナの持ち上げ時に前記係止用棒(42)を前記フック部材(31)の前記係止面(34)に係合させる係止位置と、前記係止用棒(42)が前記フック部材(31)との係合から外れる自由位置との間で移動可能となる、請求項1から7までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項9】
前記フック部材(31)は、中間的な垂直平面を基準として前記フック端部(311)の方向と反対の方向において、前記枢動軸(33)から概略水平方向に突出する肩部(35)を有し、前記係止面(34)が前記肩部(35)の上に位置する、請求項8に記載の係止装置。
【請求項10】
前記肩部(35)が前記係止面(34)の側部に位置する凹部(351)を有し、前記凹部(351)が前記自由位置において前記係止用棒(42)の一部分を受けるように成形されて、前記フック部材(31)が前記ハウジング(1)の中に戻るように移動することを可能にする、請求項9に記載の係止装置。
【請求項11】
前記ハウジング(1)が、前記フック部材肩部(35)及び前記係止用棒(42)の垂直方向上方へのいかなる移動も阻止する内部当接部(15)を有する、請求項9又は10に記載の係止装置。
【請求項12】
前記ハウジング(1)のヘッド部分(132)が、最も上側のコンテナ(3)内の専用の開口部(21)の中に嵌合されるように作られた周縁部形状を有し、前記ヘッド部分(132)が、前記ハウジング(1)の前記底側部分(14)の向き対して垂直に方向付けられる、請求項1から11までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項13】
前記第2のハウジング部分(12)も前記底側部分(14)の下側端部に側方開口部(112)を有し、追加のフック部材(32)が、前記ハウジング(1)内に枢動可能に設置され、前記第2のハウジング部分(12)の前記側方開口部(112)を通って外側に移動されたり、戻されたりすることができるフック端部(321)を有し、前記シャフト(41)は、前記フック部材(31、32)の両方に動作可能に接続されて、前記フック端部(311、312)の前記外側移動位置と戻り位置との間で前記フック部材を旋回させる、請求項1から12までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項14】
前記シャフト(41)が概略垂直方向の回転シャフトであり、前記モータ(43)が前記シャフト(41)を回転させる、請求項1から13までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項15】
前記シャフト(41)が線形方向に変位可能である棒であり、前記モータ(43)が前記シャフト(41)を線形方向に変位させる、請求項1から13までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項16】
前記シャフト(41)が概略水平方向である、請求項15に記載の係止装置。
【請求項17】
前記モータ(43)が前記ハウジング(1)の内側に位置する、請求項1から16までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項18】
前記モータ(43)がDCモータである、請求項1から16までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項19】
外部通信ユニットへ情報を送信するように及び外部通信ユニットから情報を受信するように構成されたデバイス(6)と、前記係止装置が係止されているか又は係止解除されているかに関する情報を保存するように構成されたメモリとを前記ハウジング(1)の内部にさらに備える、請求項1から18までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項20】
前記デバイス(6)が、前記外部通信ユニットと無線通信するための、アンテナ(62)及び無線送信機/無線受信機を含む、請求項19に記載の係止装置。
【請求項21】
前記ハウジング(1)の内部に位置する少なくとも1つのバッテリをさらに備える、請求項18から20までのいずれか一項に記載の係止装置。
【請求項22】
上側コーナー・キャスティング(2’)を備えた下側コンテナ(3’)と、前記上側コーナー・キャスティング(2’)の上の、下側コーナー・キャスティング(2)を備えた上側コンテナ(3)と、前記請求項18から21までのいずれか一項に記載の少なくとも1つの係止装置とを含み、前記係止装置が前記上側コーナー・キャスティングと前記下側コーナー・キャスティングとに嵌合される、上下に重ねられるコンテナ(3、3‘)を定位置に固定するためのシステム。
【請求項23】
前記下側コンテナが4つの上側コーナー・キャスティングを備え、前記上側コンテナが、前記4つの上側コーナー・キャスティングの上に重なるように4つの下側コーナー・キャスティングを備え、1つの前記係止装置が、前記重ねられた上側と下側のコーナー・キャスティングのそれぞれのペアの間に嵌合されている、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下側コンテナの上に重ねられるとき輸送用コンテナを定位置で係止するための係止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ツイストロック及びコーナー・キャスティングは共に、例えば、コンテナ船、セミトレーラー・トラック、又は鉄道コンテナ列車(railway container train)などの上に積み重ねられたときの、輸送用コンテナを互いの上に固定及び係止するための標準化された回転式コネクタを形成する。コーナー・キャスティングがコネクタの雌型部分を構成し、8つのコーナーに1つずつ、コンテナ自体に嵌合される。コーナー・キャスティングは可動部分を有さず、その側方表面、上部表面、及び底部表面のそれぞれに楕円孔のみを有する。雄型構成要素がツイストロックであり、ツイストロックは、コーナー・キャスティングに係合されるように構成され、回転式上側部分及び回転式底側部分を備え、孔を通して挿入される。さらに、上側部分又は底側部分が90°回転させられて、コーナー・キャスティングに対してツイストロックを係止する。図1を参照すると、確立した方法に従って、ツイストロックが埠頭にあるコンテナの最も下側の4つのコーナー・キャスティングの中へと手動で導入されており、次いで定位置へと係止されている。この位置では、ツイストロックがコーナー・キャスティングの内部で係止される1つの部分と、上記コーナー・キャスティングから外へと下方向に突出する1つの部分とを有する。次いで、コンテナが、通常、スプレッダを備えるSTS(ship to shore)クレーンにより船まで移動させられ、船の上に既に積載されているコンテナの上に重ねられることになる。積載されることになるコンテナの各々の4つのツイストロックの突出部分が、船の上に既に配置されているコンテナの最も上側のコーナー・キャスティングの中に挿入され、それにより2つのコンテナを互いに上に固定し、それにより2つのコンテナが位置がずれて互いから離れたり又は滑って海の中に落ちたりするのを防止する。
【0003】
1950年代以来、回転式コネクタの雄型係止デバイスは、係止装置をコーナー・キャスティングに取り付けるときに底側部分を手動で回転させることの必要性を回避するために進化し続けている。コーナー・キャスティングの寸法はISO1161:1984で標準化されている。
【0004】
文献DE102009019955Alが、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に設置される垂直方向の係止部材とを有する係止デバイスを開示している。係止部材を回転させることにより、係止デバイスをコーナー・キャスティングに係合でき又はコーナー・キャスティングから外すことができる。係止部材に係合するようにできる停止部材がガイド部材によって移動可能であり、その結果、1つの位置において停止部材が係止部材が回転するのを防止し、別の1つの位置においてその回転を可能にする。
【0005】
文献EP2910421A2は、ハウジングと、係止機構とを備える係止デバイスを開示しており、手動動作式の制御レバーにより、係止機構によりコーナー・キャスティングに対して係止デバイスを係止する係止位置と、係止機構及びコーナー・キャスティングを互いから解放する開位置との間で、この係止デバイスの位置をずらすことができる。係止機構は、フック端部を備える少なくとも1つの枢動アームを含む。2つのアームが使用される場合、2つのアームが反対方向に旋回させられる。この係止デバイスは、輸送用コンテナをその上に降下させる車両又は同様の固定場所の上に設置されるのに適する。しかし、車両又は同様の固定場所に対して係止デバイスが如何にして固定されるかに関しては開示されていない。
【0006】
文献EP2143665Alは、輸送用コンテナの積み重ねが、互いの位置がずれたり又は滑ってコンテナ船から海の中に落ちたりするのを防止することを目的として、上側輸送用コンテナ及び下側輸送用コンテナを一体に固定するための係止デバイスを開示している。係止デバイスは、相互接続される上側保持部材及び下側保持部材を含み、上側保持部材及び下側保持部材の各々はそれぞれの上側及び下側輸送用コンテナのコーナー部片内の孔の中に挿入されるように適合されており、また下側保持部材の内部に配置される少なくとも1つの旋回部材を含む。上側保持部材が、係止デバイスの軸方向の線に沿って下側保持部材の底側端部に位置合わせされる上側端部を有する。旋回部材は、下側保持部材に枢動可能に接続される下側枢動部分と、非係合位置において且つ係止デバイスの軸方向の線の概略垂直時において軸方向の線の近傍にあり、係合位置において軸方向の線から離れるように移動させられる上側係合部分とを含み、係合位置では係止デバイスの軸方向の線が傾斜し、非垂直である。
【0007】
文献WO2005/054086A1は、結合部片を自動で係止及び係止解除するための方法を開示しており、ここでは、結合部片を少なくとも部分的に係止することが、デッキの平面内で輸送用コンテナを変位させることにより行われ、これが、コンテナを反対方向に変位させることにより逆にされ得る。完全自動の結合部片が、コンテナを垂直方向において接続するための結合用突出部を有し、これがコンテナの横方向に延びるアンカー・ラグを備え、このコンテナの横方向において少なくとも1つのアンカー・ラグが変位させられ得る。この狙いは、コンテナの自動の係止を実行することを目的としてデッキの方向におけるコンテナの相対的変位を利用することである。上記の変位の逆では、コンテナの同様に自動の係止解除が可能である。
【0008】
文献WO2011110743A1は、輸送用コンテナを結合するための、また具体的にはコンテナ船で及び陸上輸送(land transport)で使用されるコンテナを結合するための、結合デバイスを開示している。結合デバイスがそのボディ部分の上側の部分内に形成される留め部片を含み、この留め部片により、ボディ部分が、その垂直方向軸を中心としてボディ部分を回転させることにより、コンテナのコーナーにおいてコーナー・キャスティング内に留めることができ、それにより、留め部片がコンテナのコーナー部片内で係止される。ボディ部分はその上側の部分と下側の部分との間に形成される平坦な結合プレートを含み、ボディ部分は結合プレートの下方にカム部分をさらに含む。加えて、ボディ部分には、ボディ部分の運動を防止及び/又は解放するために第1の回転可能なレバー状係止部分が備え付けられており、またボディ部分は、ボディ部分の運動を可能にする及び/又は防止するための第2の回転可能なレバー状係止部分を含む。第2のレバー状係止部分が第1のレバー状係止部分に直接に又は間接的に接触し、その結果、第1のレバー状係止部分が回転すると、第2のレバー状係止部分も回転することができるようになり、それにより係止モード及び係止解除モードを可能にする。第2のレバー状係止部分内に、コンテナ間の垂直方向の力を受けるための突出部が形成される。
【0009】
米国特許第8,228,185(B2)号及び米国特許第8,228,186(B2)号は、輸送用コンテナのための係止装置の係止及び係止解除を遠隔制御するためのシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】DE102009019955Al
【文献】EP2910421A2
【文献】EP2143665Al
【文献】WO2005/054086A1
【文献】WO2011110743A1
【文献】米国特許第8,228,185(B2)号
【文献】米国特許第8,228,186(B2)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、例えばコンテナ船上において、別のコンテナの上に重ねられるときの輸送用コンテナを定位置で係止するための係止装置であって、例えば荒れた海の場合において貨物船上で起こる可能性がある突然の垂直方向及び水平方向の移動により、2つの重ねられた積載コンテナが意図されず解放されることを防止する係止装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に記載の係止装置によって達成される。
【0013】
この解決策により、下側コンテナのコーナー・キャスティングの中に底側部分が導入されてさらにフック部材が外側移動位置で係止されている、係止構成にあるとき、請求項1に記載の係止装置が、上側コンテナ及び下側コンテナの移動の方向に関係なく上側コンテナ及び下側コンテナを一体に保持することになる。例えば、貨物船に積載される場合、大きい波が船舶を例えば持ち上げたり、横揺れさせたり、及び船首揺れさせたりするときに、積載されるコンテナは予測不能な強い力を受ける可能性がある。請求項1に記載の係止装置は、突然の垂直方向及び水平方向の移動の場合においても、2つのコンテナを互いに確実に連結して維持する。
【0014】
本発明の別の目的は、コンテナを積載してから係止装置が実際に係止構成にあるのか否かを自動的に遠隔的に確認することを可能にする、船の上で自動で係止さらには係止解除され得る(つまり、船内での手動の取り扱いを必要としない)係止装置を提供することである。
【0015】
別の目的は、係止装置の係止・係止解除機能の遠隔制御を可能にする構成要素を上記係止装置に提供することである。それにより、手持ちでも、又はコンテナ・クレーン内の操作者からアクセス可能となるように設置されてもよい外部制御ユニットが、係止装置の係止/係止解除を制御するために使用できる。したがって、本発明により、係止装置が自動で操作(係止/係止解除)でき、船内での手動の取り扱いが必要なくなる。これは非常に有利である。その理由は、このような自動化が作業員の安全レベルを劇的に向上させるのを可能にするからである。場合によっては視覚不良と相まって、荒天(雨、風など)により、毎年多くの人がコンテナ船上でのコンテナ係止装置の取り扱い/係止に関連する事故に巻き込まれている。
【0016】
係止の遠隔制御はまた、コンテナを積載してから係止装置が実際に係止構成にあるのか否かを確認する好都合な手法を可能にする。
【0017】
本発明の一態様によると、係止装置がコーナー・キャスティングの開口部を埋め、その結果、コンテナが側方に滑ることが防止され、高い堅調性及び信頼性を有する形で係止装置がコーナー・キャスティングの中に接続されることになる。
【0018】
係止装置が請求項1に記載の特徴を備えることにより、本発明のこの目的及び他の目的、利点、及び態様が達成され得る。本発明の他の特徴及び態様は、独立請求項によって定義され、又は好適な実施例の説明から明らかとなる。
【0019】
以下で、好適な実施例及び添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1a】従来技術による従来の係止装置がコンテナのコーナー・キャスティングの中へ如何にして固定されるかを示す図である。
図1b】2つの重ねられたコンテナの断面を示す概略図である。
図1c】下方のある角度から見た、コンテナの最も下側のコーナー・キャスティングの等角図である。
図1d】上方のある角度から見た、コンテナの最も上側のコーナー・キャスティングの等角図である。
図2a】ハウジングの中へ引っ込められた第1のフック部材を示している、本発明の好適な実施例による係止装置の等角図である。
図2b】キャスティング内の開口部を通るように外側に押された第2のフック部材を示す、垂直方向軸を中心として90°回転させられた、図2の係止装置の等角図である。
図2c】垂直方向軸を中心として180°回転させられた、図2aの係止装置の等角図である。
図3図2a~cの係止装置の分解図である。
図4】ハウジングが第1及び第2のハウジング部分へと垂直方向に分割され、フック部材とフック部材を枢動させるためのモータとを含めた内部を示すためにハウジング部分のうちの一方が取り外されている、図1の係止装置の等角図である。
図5a】2つのハウジング部分の内部をそれぞれ示す側面図である。
図5b】2つのハウジング部分の内部をそれぞれ示す側面図である。
図6】モータ、横方向の係止用棒、及び2つの枢動係止部材の等角図である。
図7】フック部材が押し出し位置にあってフック部材の枢動移動を阻止している場合の、横方向の係止用棒の位置を示す等角図である。
図8図7に類似するが、フック部材が延伸位置から引っ込み位置まで移動することを可能にするモードにある、横方向の係止用棒の位置を示す等角図である。
図9a】概略水平方向の当接面をコーナー・キャスティングの内側の上面に当接させる位置まで1つのフック部材が外側に押されている状態の、いくつかの部分を取り外した図1の係止装置の側面図である。
図9b】上側コーナー・キャスティング及び下側コーナー・キャスティングの中にそれぞれ配置されて固定されている、好適な実施例による係止装置を示す側断面図である。
図10】フック部材のうちの1つのフック部材に付随するばね部材を示す詳細図である。
図11a】係止用棒に接続されたシャフト及びモータを示す等角図である。
図11b図11aに示されるようなモータに対するカバーを示す等角図である。
図12a】フック部材のデザインの1つの実例を示す図である。
図12b】フック部材のデザインの1つの実例を示す図である。
図13a】係止用棒のデザインの1つの実例を示す図である。
図13b】係止用棒のデザインの1つの実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図2a~cは、例えばコンテナ船上において、別の下側コンテナ3’の上に重ねられるときの輸送用コンテナ3を定位置で係止するための係止装置の好適な実施例を示す。係止装置は上側部分13及び底側部分14を有する垂直方向ハウジング1を備え、ここでは、底側部分14が、コンテナ3’のコーナー・キャスティング2’内の専用の開口部21’(図1dに示される)の中に嵌合される形状を有する。コーナー・キャスティング開口部21’は概略楕円であるが、その2つの長側面は互いに平行である。ハウジング1が第1のハウジング部分11及び第2のハウジング部分12へと垂直方向に分割され、少なくとも第1のハウジング部分11が底側部分14の下側端部に側方開口部111を有する。2つのハウジング部分11及び12がねじ113及びナット114により互いに取り付けられ、ハウジング1を形成する。
【0022】
図1a~1bが、埠頭地域にある係止装置10をコンテナ3のコーナー・キャスティング2の中に手動で取り付けるときの確立された原理を示す。図1aに示される手法に対応する手法として、本発明による係止装置は、コンテナ3の最も下側のコーナー・キャスティング2の中に手動で配置されるようにも構成され、ここでは4つのコーナーが1つのまとまりである。係止装置をこのように配置することが完了すると、コンテナ・クレーンが、埠頭から持ち上げることにより輸送用コンテナ3をコンテナ船の上まで移送し、そこで、図1bに概略的に示されるように、既に積載されているコンテナ3’の上に上記コンテナ3が重ねられることになる。この時点では、コーナー・キャスティング2から突出するそれぞれの係止装置の底側部分14が、既に積載されている下側コンテナ3’の上側コーナー・キャスティング2’の中に導入されて嵌合されるように構成されている。正しく配置されると、本発明によれば好適には、船内での手動の係止の必要性を排除する係止装置の遠隔制御により、各コーナーの係止装置10が作動されて係止構成となる。船上の定位置にくると、4つの係止装置の各々が、それらの最も下側のコーナー・キャスティング2及び最も上側のコーナー・キャスティング2’をそれぞれ介して、上側コンテナ3及び下側コンテナ3’を接続してそれらを保持する。
【0023】
再び、主として図2a~cを参照すると、係止装置は、ハウジング1内に枢動可能に設置され、側方開口部111を通って外側に動かされたり、戻るように動かされたりすることが可能にされ、係止装置をコーナー・キャスティング2’に結合し、係止装置をコーナー・キャスティング2’から解除するフック端部311を有する第1のフック部材31と、ハウジング1内に設置され、上記少なくとも1つのフック部材31に動作可能に接続されて、上記フック端部の外側移動位置でフック部材31を係止する、又は上記フック端部311の外側移動位置と戻り位置との間でフック部材が動くのを可能にするシャフト41(例えば、図6を参照)とをさらに備える。さらに、ハウジング1の上側部分13が、ネック部分131と、ネック部分131の上にあるヘッド部分132とを有し、それにより、上側コンテナ3のコーナー・キャスティング2内の上記専用の開口部21の中に上側部分13が嵌合されているときに保持機能を提供するように構成された保持用フランジ133を備える。
【0024】
好適な実施例では、係止装置が、ネック部分131の周りに設置されるガイド・ネック部分5(ここでは、「回転リング部材」とも称される)をさらに備え、このガイド・ネック部分5が、輸送用コンテナ3の最も下側のコーナー・キャスティング2内の専用の開口部21の中に嵌合されるように作られた周縁部形状を有する(図1a及び9bをそれぞれ参照されたい)。ガイド・ネック部分5をネック部分131の周りに設置するのを可能にするために、ガイド・ネック部分5が2つの等しい半体51及び52へと分割され、これらの2つの等しい半体51及び52がねじ53及びナット54により互いに固着される。
【0025】
図2cの等角図は、ネック部分131の周りに配置されたガイド・ネック部分5を示しており、ここでは、ハウジング1及び保持用フランジ133がガイド・ネック部分を基準として1/4回転だけ捻じられている。また本明細書では、ヘッド部分132及びガイド・ネック部分5の両方がコーナー・キャスティング2の専用の開口部21の中に嵌合されるように設計されていることが分かるであろう。ガイド・ネック部分は、ハウジングのネック部分の周りで回転可能となるようにも構成されている。ハウジング1及びガイド・ネック部分5が、中間部分8の一方側に配置されるガイド・リング係止装置50をさらに備える。また、図3の分解図で係止装置の構成要素を見ることができる。上記係止装置50は、ガイド・ネック部分の内側の凹部内に配置されるばね部材55と、ばねに当接されてばねにより凹部から外へ突出するように付勢される係止ユニット56と、ハウジングの中間部分に枢動可能に設置されるレバー57と、中間部分内にキャビティを呈する係止支持体58とを備える。係止位置にあるとき、係止ユニット56が係止支持体58の上に載置されるように構成され、係止支持体58がレバー57の一部分である。
【0026】
上側部分13をコーナー・キャスティング2の専用の開口部21の中に導入するとき、ハウジング1のヘッド部分132及びガイド・ネック部分が位置合わせされ、その結果、これらの両方が上記開口部21の中に嵌合され得るようになる。この時点でガイド・ネック部分5がそのボディにより開口部の全体を実質的に塞ぐことになる。次いで、係止ユニット56が係止支持体58に到達するまで、ハウジング1がガイド・ネック部分5(開口部21内に嵌合されている形態であることにより移動することができなくなっている)を基準として回される。次いで、係止ユニット56がばね55によって付勢されて係止支持体のキャビティの中に入り、それによりガイド・ネック部分5がさらに回転するのを防止し、ガイド・ネック部分5を対応する位置で係止する。この構成では、保持用フランジ133がコーナー・キャスティングの内側で1/4回転だけ捻じられており、その結果、レバー57を始動させることにより上記ガイド・ネック係止装置50が開けられない限り、ヘッド部分132が専用の開口部から出ることが防止される。
【0027】
図5a~bは2つのハウジング部分の等角図を示す(図5aが第2のハウジング部分12を示し、図5bが第1のハウジング部分11を示す)。2つの半体がねじ113及びナット114によって一体に取り付けられるように構成され、また、一体にねじ留めされ始めるときに、突出部を支持して安定させて対応する凹部に接合されることにより、互いの上で安定化されるように構成される。図5aでは、第2のハウジング部分が一対の上側凹部125、125’、一対の中央/中間突出部126、126’さらには一対の中央/中間突出部127、127’、及び下側凹部128を剥き出しにしている。これらの部分が図5bの接合される第1のハウジング部分11の突出部及び凹部に適合し、第1のハウジング部分11が、対応する形で、上側突出部115、115’、中央/中間凹部117、117’及び中央/中間突出部116、116’、並びに下側突出部118を備える。互いに取り付けられてハウジング1を形成すると、突出部及び凹部が係止装置の強度の向上に寄与し、それにより、係止装置がコンテナ船上での使用時に大きい力、及び衝撃に耐えてその状態を維持するようになる。突出部及び凹部は図5a~bの本明細書で示される実例の手法以外の手法で設計されてもよいことを当業者であれば理解するであろう。
【0028】
図9a~9bに最も良好に示されるように、外側移動位置にあるフック部材31のフック端部311が、コーナー・キャスティング2’の概略水平方向の壁22’の内側221’上に当接されるように適合された概略水平方向の第1の当接面312を有する。図10にさらに示されるように、ばね16がフック端部311の外側移動位置の方へフック部材31を押圧するように構成される。ここでは、フック端部311が、ハウジング1から外側を向くガイド面314を備える底側部分313を有する。コーナー・キャスティング2’の中に係止装置が挿入されると、このガイド面314がコーナー・キャスティング2’内の上記開口部21’のリム211’上に当接され、それにより係止装置を所定の位置まで弾性的に誘導する。(本文脈では、プリムサイン(prim sign)(’)は、コンテナの上側コーナー・キャスティング2’に対しての参照符号の関連付けを示すのに使用される。)適切には、底側部分14をコーナー・キャスティング2’内の孔21’の中に入れるのを促進するために、孔21’が円錐形状又は漏斗状断面形状を有し、ハウジング1の底側部分14が円形であるが一部切断されている。本発明の係止装置を装備するコンテナ3は、取り付けられることになるコンテナの真上に正確に配置される必要はない。側方における小さい補正が自動で実行されることになり、係止装置がコーナー・キャスティング2’の中に挿入されると、孔21’を通過している状態のばね式フック部材31は、最初はハウジング1内のそれらの戻り位置に戻るように押圧され、それにより係止装置をコーナー・キャスティング2’に入るのを可能にするが、孔21’を通過し終わるとちょうどそれらの外側移動位置に戻ることになり、コンテナ3を固定することになる。
【0029】
図6、7、及び8に最も良好に示されるように、フック部材31が、枢動軸33と、枢動軸33に隣接する係止面34とを有する。フック部材31が、中間的な垂直平面を基準としてフック端部311の方向と反対の方向において、枢動軸33から概略水平方向に突出する肩部35を有し、係止面34が上記肩部35の上に位置する。係止用棒42がシャフト41に固着され、それによりシャフト41の移動時に、係止用棒42をフック部材31の上記係止面34に係合させる、図6及び7に示される係止位置と、係止用棒42をフック部材31との係合から外す、図8に示される自由位置との間で移動可能となる。
【0030】
フック端部311の反対側のフック部材31の端部は円形断面の横方向の頑丈な棒36の形状を有し、この棒は枢動軸33に一致する長手方向軸を有する。ハウジング1の2つの半体11、12は、外側移動位置と戻り位置との間でのフック部材31の枢動移動を可能にする棒36のためのシート17を一体に形成する。
【0031】
肩部35が、係止面34の側部に位置してさらに棒36の一部分の中まで延在する、図7で最も良好に示される凹部351を有する。凹部351は自由位置において係止用棒42の一部分を受けるように成形されて、フック部材31がハウジング1の中に戻るように移動することを可能になる。係止用棒42が自由位置にあるとき、ばね式フック部材31は、ばね16の力に逆らって、その外側移動位置からその戻り位置まで逆方向に押圧され得る。ハウジング1は、係止用棒42が外側移動位置にあるフック部材31を係止してフック部材31が枢動力を受けるときの、フック部材肩部35及び係止用棒42の垂直方向上方へのいかなる移動も阻止する、図5aに示される内部当接部15を有する。
【0032】
ハウジング上側部分13のヘッド部分132が、コンテナのコーナー・キャスティング2内の専用の開口部21の中に嵌合されるように作られた周縁部形状を有し、ヘッド部分132が、ハウジング底側部分14の向きつまり水平方向の主延在方向に対して垂直に方向付けられる。係止装置がコーナー・キャスティング2内の開口部21の中に下方から挿入されてヘッド部分132が開口部を上方に通過してリング5が開口部21の中に嵌合されると、係止装置が垂直方向軸を中心として1/4回転だけ回転させられ、それにより係止装置をコーナー・キャスティング2に固着する。この時点で、ハウジング1の底側部分14が、既に積載されているコンテナ3’の上側コーナー・キャスティング2’の孔21の中に嵌合されるのに必要な向きを有することになる。
【0033】
図面に示される好適な実施例では、さらに、第2のハウジング部分12は底側部分14の下側端部に側方開口部112を有し、追加のフック部材32がハウジング1内に枢動可能に設置され、第2のハウジング部分12の側方開口部112を通るように外側に押されたり引っ込められたりできるフック端部321を有する。フック部材31及び32が互いに反対方向に移動するように設置され、その結果、フック部材31及び32が、それぞれ、それらの外側移動位置において、それらのそれぞれのハウジング部分11及び12から外側に突出する。第1のフック部材31に関連する上記はすべて第2のフック部材32にも適用可能である。シャフト41がフック部材31及び32の両方に動作可能に接続され、それにより係止構成と係止解除構成との間をそれぞれ切り換えることが可能となる。上記係止構成(図7を参照)では、上記係止用棒42がそれぞれのフック部材31、32の上記係止面34に係合されるように構成され、それによりそれらを押し出し位置で維持し(引っ込めるのを防止する)、それに対応して上記係止解除位置(自由位置)(図8を参照)では、棒42が上記凹部351の上方でそれに隣接して位置するように移動させられ、それにより上記フック部材31、32がばね16の力に逆らって引っ込んでハウジング1の中まで戻るように移動することが可能となる。
【0034】
モータ43と、モータ43に接続されるシャフト41と、係止用棒42とが図11aに示される。図11bが上記モータ及びシャフトのそれぞれのためのカバーを示す。好適には、モータ43はシャフト41を移動させるために提供される。図面に示される好適な実施例では、シャフト41が概略垂直方向の回転シャフトであり、モータ43がシャフトを回転させる。しかし、所望ならば、シャフト41は、モータ43により線形方向に変位され得る、線形方向に変位可能である棒であることも勿論可能であり、また所望ならば、シャフト41が概略水平方向であってもよい。いずれの場合も、モータ43は、適切な形で係止装置ハウジング1の内部に位置し、好適にはDCモータであり、またソレノイドなどの他の種類の適切なモータも可能である。
【0035】
また好適には、係止装置は、例えば、外部通信ユニット(7、図示せず)へ情報を送信するように、及び外部通信ユニットから情報を受信するように構成された、図4に示される内部デバイス6を備える。適切には、内部デバイス6は、CPU61と、係止装置が係止されているか又は係止解除されているかに関する情報を保存するように構成されたメモリ(図示せず)と、外部通信ユニットと無線通信するためのアンテナ62とを含む。一実施例によると、内部デバイス6は無線送信機及び無線受信機を装備することができる。好適には、内部デバイス6は、ハウジング1の内部に位置する少なくとも1つのバッテリ(63、図示せず)をさらに含む。バッテリが、内部通信デバイス6、CPU7、係止装置の位置(係止されているか又は係止解除されている)を評価して連絡するための内部センサ、及びモータ43、を駆動するのに必要なエネルギーを供給する。
【0036】
次に、本発明によるコーナー・キャスティング係止装置により、下側コンテナ3’の上で重ねられて係止されているコンテナ3を船からの荷降ろしについて簡単に説明する。上述したように、移送中、船の上の積み重ねられたコンテナがツイストロックにより互いの上で固定される。コンテナ3を降ろすとき、上記4つのコーナーのツイストロックが開けられることになり、それにより最も上側のコンテナの解放を可能にし、STSクレーンにより最も上側のコンテナを埠頭地域まで移動させる。本発明により、係止装置を開けることが遠隔制御によって行われ得、この遠隔制御は、上記シャフト41を回して、フック部材31、32をそれぞれの側方開口部111、112の中まで又は側方開口部111、112から出るように移動させることが可能である自由構成から、棒42を移動させるようにモータに信号を送る。次いで、上記クレーンがそれ自体は既知である形でコンテナを握持し、持ち上げの移動を開始する。この時点で、フック端部311の概略水平方向の当接面312はコーナー・キャスティング2’の水平方向の内側面221’に対して押圧されることになる。フック部材の枢動軸33がフック端部311を基準として変位させられることから、コーナー・キャスティングの表面221’に対して押圧されることでフックが内側に回転してばね16の力に逆らって押され、それにより側方開口部111を介してハウジング1の中に引っ込められる。完全な押し込み位置にくると、係止装置がコーナー・キャスティング2’から後退させられることができ、それにより、降ろされるコンテナ3が下側コンテナ3’から解放される。
【0037】
本発明は説明される好適な実施例のみに限定されるものとしてみなされず、添付の特許請求の範囲内で変化し得る。例えば、上記係止用棒42及び対応するフック部材31、並びにそれらの係止係合は、上述の実施例とは異なる形でその解決策を見出されてもよい。図12aでは、突出部分を有する上側表面を備える、本発明による別の実施例によるフック部材31’を見ることができる。対応する係止用棒42’を図13aに見ることができる。この代替のフック部材31’の構成は上述の(例えば、図6~8に示される)実施例と同じ原理に基づき、つまり係止位置と係止解除位置との間を切り換えるように構成された上記係止用棒42’に動作可能に接続される。
【0038】
また、本明細書で説明されるようにハウジング1を垂直方向に2つのハウジング部分11、12へと分けることに対しての代替形態として、ハウジング1は、好適には中間セクション8を介して、水平方向に沿って2つのハウジング部分へと分けられてもよく、それにより1つの上側ハウジング部分及び1つの下側ハウジング部分を作る。ハウジング1を水平方向に沿って分ける事例では、上側ハウジング部分及び下側ハウジング部分は、中間セクション8を介してねじ113及びナット114により互いに取り付けられてもよく、それにより一体化されたハウジング1を形成する。
【0039】
さらに、フック部材31の当接面312は好適には水平方向であるが、当業者であれば、本発明による係止装置は、傾斜する当接面を有するような上記フックと共に機能してもよいことを理解するであろう。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b