IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Kotozna株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-翻訳システム 図1
  • 特許-翻訳システム 図2
  • 特許-翻訳システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】翻訳システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/58 20200101AFI20220104BHJP
【FI】
G06F40/58
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020029763
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021135614
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2020-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】517021260
【氏名又は名称】Kotozna株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 玄利
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-123691(JP,A)
【文献】特開2019-003666(JP,A)
【文献】特開2018-163657(JP,A)
【文献】特開2008-026971(JP,A)
【文献】特開平11-232275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/20-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ端末から、第1の言語で作成された原文メッセージを受信するメッセージ受信部と、
複数の翻訳エンジンの中から第1の翻訳エンジンを選択する翻訳エンジン選択部と、
前記第1の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを翻訳し、第2の言語で作成された翻訳メッセージを作成するメッセージ翻訳部と、
前記翻訳メッセージを、第2のユーザ端末へ送信するメッセージ送信部と、
前記第2のユーザ端末から、前記翻訳メッセージの再翻訳を要求する再翻訳要求を受信する再翻訳要求受信部と、
を備える翻訳システムにおいて
前記翻訳エンジン選択部は、前記再翻訳要求の受信に応じて、前記複数の翻訳エンジンの中から選択された前記第1の翻訳エンジンと異なる第2の翻訳エンジンを選択し、
前記メッセージ翻訳部は、前記第2の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを再翻訳し、第2の言語で作成された再翻訳メッセージを作成し、
前記メッセージ送信部は、前記再翻訳メッセージを前記第2のユーザ端末へ送信し、
前記翻訳システムは、
翻訳が行われる毎に、前記翻訳に用いられた翻訳エンジンの情報と、前記原文メッセージで使用された前記第1の言語と前記翻訳メッセージで使用された前記第2の言語の情報を、前記再翻訳が行われたか否かの情報とともに、翻訳ログとして記録する翻訳ログ記録部を備え、
前記翻訳エンジン選択部は、前記翻訳ログに基づいて、前記複数の翻訳エンジンの中から、前記第1の言語から前記第2の言語への翻訳に用いられる頻度が多く、前記再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジンを、前記第1の翻訳エンジンとして選択することを特徴とする翻訳システム。
【請求項2】
前記メッセージ送信部は、前記再翻訳メッセージを前記第2のユーザ端末へ送信するとともに、再翻訳が行われたことを示す再翻訳通知を前記第1のユーザ端末へ送信する、請求項1に記載の翻訳システム。
【請求項3】
翻訳システムで実行される翻訳方法であって、
第1のユーザ端末から、第1の言語で作成された原文メッセージを受信するステップと、
複数の翻訳エンジンの中から第1の翻訳エンジンを選択するステップと、
前記第1の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを翻訳し、第2の言語で作成された翻訳メッセージを作成するステップと、
前記翻訳メッセージを、第2のユーザ端末へ送信するステップと、
前記第2のユーザ端末から、前記翻訳メッセージの再翻訳を要求する再翻訳要求を受信するステップと、
前記再翻訳要求の受信に応じて、前記複数の翻訳エンジンの中から選択された前記第1の翻訳エンジンと異なる第2の翻訳エンジンを選択するステップと、
前記第2の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを再翻訳し、第2の言語で作成された再翻訳メッセージを作成するステップと、
前記再翻訳メッセージを前記第2のユーザ端末へ送信するステップと、
を含み、
前記翻訳方法は、
翻訳が行われる毎に、前記翻訳に用いられた翻訳エンジンの情報と、前記原文メッセージで使用された前記第1の言語と前記翻訳メッセージで使用された前記第2の言語の情報を、前記再翻訳が行われたか否かの情報とともに、翻訳ログとして記録するステップと、
前記翻訳ログに基づいて、前記複数の翻訳エンジンの中から、前記第1の言語から前記第2の言語への翻訳に用いられる頻度が多く、前記再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジンを、前記第1の翻訳エンジンとして選択するステップと、
を含むことを特徴とする翻訳方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の翻訳エンジンを用いて翻訳/再翻訳を行う機能を備えた翻訳システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な翻訳システムが提案されている。例えば、異なる言語を使用する相手とのコミュニケーションの質を高める翻訳システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-175426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の翻訳システムにおいては、自分と異なる言語を使う相手の顔を見ながら話しつつ、相手が話す内容を理解することができるようにすることで、異なる言語を使用する相手とのコミュニケーションの質を高めている。しかしながら、従来の翻訳システムでは、翻訳そのものの質を向上することはできないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、翻訳の質を向上することのできる翻訳システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の翻訳システムは、第1のユーザ端末から、第1の言語で作成された原文メッセージを受信するメッセージ受信部と、複数の翻訳エンジンの中から第1の翻訳エンジンを選択する翻訳エンジン選択部と、前記第1の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを翻訳し、第2の言語で作成された翻訳メッセージを作成するメッセージ翻訳部と、前記翻訳メッセージを、第2のユーザ端末へ送信するメッセージ送信部と、前記第2のユーザ端末から、前記翻訳メッセージの再翻訳を要求する再翻訳要求を受信する再翻訳要求受信部と、を備え、前記翻訳エンジン選択部は、前記再翻訳要求の受信に応じて、前記複数の翻訳エンジンの中から選択された前記第1の翻訳エンジンと異なる第2の翻訳エンジンを選択し、前記メッセージ翻訳部は、前記第2の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを再翻訳し、第2の言語で作成された再翻訳メッセージを作成し、前記メッセージ送信部は、前記再翻訳メッセージを前記第2のユーザ端末へ送信する。
【0007】
この構成によれば、第1のユーザ端末から、第1の言語で作成された原文メッセージを受信すると、複数の翻訳エンジンの中から選択された第1の翻訳エンジンを用いて原文メッセージの翻訳が行われて、第2の言語で作成された翻訳メッセージが作成され、第2のユーザ端末へ送信される。翻訳メッセージを読んだ第2のユーザ端末のユーザが、その意味を理解しにくいと思った場合には、第2のユーザ端末から再翻訳要求が送信される。第2のユーザ端末から再翻訳要求を受信すると、複数の翻訳エンジンの中から選択された第2の翻訳エンジンを用いて原文メッセージの再翻訳が行われて、第2の言語で作成された再翻訳メッセージが作成され、第2のユーザ端末へ送信される。これにより、第1の翻訳エンジンを用いた翻訳では意味が理解しにくいような場合に、第1の翻訳エンジンとは異なる第2の翻訳エンジンを用いた再翻訳が行われる。このように、複数の翻訳エンジンを利用して翻訳/再翻訳を行うことにより、翻訳の質を向上することができる。
【0008】
また、本発明の翻訳システムでは、前記メッセージ送信部は、前記再翻訳メッセージを前記第2のユーザ端末へ送信するとともに、再翻訳が行われたことを示す再翻訳通知を前記第1のユーザ端末へ送信してもよい。
【0009】
この構成によれば、原文メッセージの再翻訳が行われた場合(第1の翻訳エンジンを用いた翻訳では意味が理解しにくいような場合)には、第1のユーザ端末に再翻訳通知が送信される。この再翻訳通知により、第1のユーザ端末のユーザは、原文メッセージの再翻訳が行われたこと(原文メッセージが翻訳エンジンによって翻訳しにくい文章となっていた可能性があること)を知ることができ、原文メッセージの書き直し(翻訳エンジンによって翻訳しやすい文章への書き直し)を促すことができる。このようにして、原文メッセージの質を向上させることができ、翻訳の質を向上することができる。
【0010】
また、本発明の翻訳システムは、翻訳が行われる毎に、前記翻訳に用いられた翻訳エンジンの情報と、前記原文メッセージで使用された前記第1の言語と前記翻訳メッセージで使用された前記第2の言語の情報を、前記再翻訳が行われたか否かの情報とともに、翻訳ログとして記録する翻訳ログ記録部を備え、前記翻訳エンジン選択部は、前記翻訳ログに基づいて、前記複数の翻訳エンジンの中から、前記第1の言語から前記第2の言語への翻訳に用いられる頻度が多く、前記再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジンを、前記第1の翻訳エンジンとして選択してもよい。
【0011】
この構成によれば、翻訳が行われる毎に翻訳ログが記録され、その翻訳ログに基づいて、複数の翻訳エンジンの中から第1の翻訳エンジンが選択される。具体的には、第1の言語から第2の言語への翻訳に用いられる頻度が多く、再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジンが、第1の翻訳エンジンとして選択される。このように、翻訳に用いる翻訳エンジンを適切に選択することにより、翻訳の質を向上することができる。
【0012】
本発明の翻訳方法は、翻訳システムで実行される翻訳方法であって、第1のユーザ端末から、第1の言語で作成された原文メッセージを受信するステップと、複数の翻訳エンジンの中から第1の翻訳エンジンを選択するステップと、前記第1の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを翻訳し、第2の言語で作成された翻訳メッセージを作成するステップと、前記翻訳メッセージを、第2のユーザ端末へ送信するステップと、前記第2のユーザ端末から、前記翻訳メッセージの再翻訳を要求する再翻訳要求を受信するステップと、前記再翻訳要求の受信に応じて、前記複数の翻訳エンジンの中から選択された前記第1の翻訳エンジンと異なる第2の翻訳エンジンを選択するステップと、前記第2の翻訳エンジンを用いて前記原文メッセージを再翻訳し、第2の言語で作成された再翻訳メッセージを作成するステップと、前記再翻訳メッセージを前記第2のユーザ端末へ送信するステップと、を含んでいる。
【0013】
この方法によっても、上記のシステムと同様に、第1のユーザ端末から、第1の言語で作成された原文メッセージを受信すると、複数の翻訳エンジンの中から選択された第1の翻訳エンジンを用いて原文メッセージの翻訳が行われて、第2の言語で作成された翻訳メッセージが作成され、第2のユーザ端末へ送信される。翻訳メッセージを読んだ第2のユーザ端末のユーザが、その意味を理解しにくいと思った場合には、第2のユーザ端末から再翻訳要求が送信される。第2のユーザ端末から再翻訳要求を受信すると、複数の翻訳エンジンの中から選択された第2の翻訳エンジンを用いて原文メッセージの再翻訳が行われて、第2の言語で作成された再翻訳メッセージが作成され、第2のユーザ端末へ送信される。これにより、第1の翻訳エンジンを用いた翻訳では意味が理解しにくいような場合に、第1の翻訳エンジンとは異なる第2の翻訳エンジンを用いた再翻訳が行われる。このように、複数の翻訳エンジンを利用して翻訳/再翻訳を行うことにより、翻訳の質を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の翻訳エンジンを利用して翻訳/再翻訳を行うことにより、翻訳の質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態における翻訳システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態における翻訳ログの一例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態における翻訳システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の翻訳システムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、飲食サービスや宿泊サービスなどの様々なサービスに用いられる翻訳システムの場合を例示する。
【0017】
本発明の実施の形態の翻訳システムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の翻訳システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、翻訳システム1は、複数のユーザ端末2とネットワーク3を介して接続されるサーバ装置4を備えている。ユーザ端末2は、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータなどである。なお、図1では、説明の便宜上、2つのユーザ端末2(ユーザ端末A、B)が図示されているが、もちろんユーザ端末2の数はこれに限定されない。ユーザ端末Aが第1のユーザ端末に相当し、ユーザ端末Bが第2のユーザ端末に相当する。
【0018】
サーバ装置4は、複数の翻訳エンジン5(翻訳エンジンA、B、C・・・)とネットワーク3を介して接続されており、各翻訳エンジン5の翻訳機能(各翻訳エンジン5で提供される翻訳サービス)を利用することができる。また、サーバ装置4は、翻訳ログ記録部6にも接続されている。翻訳ログ記録部6は、例えばデータベースなどで構成されている。
【0019】
図1に示すように、サーバ装置4は、メッセージ受信部10、翻訳エンジン選択部11、メッセージ翻訳部12、メッセージ送信部13、再翻訳要求受信部14を備えている。
【0020】
メッセージ受信部10は、ユーザ端末Aから、第1の言語(例えば、言語a)で作成された原文メッセージを受信する。翻訳エンジン選択部11は、複数の翻訳エンジン5(翻訳エンジンA、B、C・・・)の中から、原文メッセージの翻訳に用いる第1の翻訳エンジン(例えば、翻訳エンジンA)を選択する。なお、翻訳に用いる翻訳エンジン5の選択の仕方については、後で詳しく説明する。
【0021】
メッセージ翻訳部12は、翻訳エンジンAの翻訳機能を利用して、第1の言語(例えば、言語a)で作成された原文メッセージを翻訳し、第2の言語(例えば、言語b)で作成された翻訳メッセージを作成する。メッセージ翻訳部12は、翻訳元の第1の言語(例えば、言語a)の情報を、ユーザ端末Aの設定情報(使用言語の設定情報)から取得することができる。また、メッセージ翻訳部12は、翻訳先の第2の言語(例えば、言語b)の情報を、ユーザ端末Bの設定情報(使用言語の設定情報)から取得することができる。
【0022】
メッセージ送信部13は、上記のようにして作成された翻訳メッセージを、ユーザ端末Bへ送信する。ユーザ端末Bの画面には、翻訳メッセージが表示される。その翻訳メッセージをユーザ端末Bのユーザが読んだときに、その意味を理解しにくいと思った場合、ユーザ端末Bでは、再翻訳要求操作(例えば「?」ボタンのクリックなど)が行われる。再翻訳要求操作が行われると、ユーザ端末Bからサーバ装置4に再翻訳要求が送信される。再翻訳要求受信部14は、ユーザ端末Bから、この再翻訳要求(翻訳メッセージの再翻訳を求める要求)を受信する。
【0023】
再翻訳要求を受信すると、翻訳エンジン選択部11は、複数の翻訳エンジン5(翻訳エンジンA、B、C・・・)の中から、原文メッセージの再翻訳に用いる第2の翻訳エンジン(例えば、翻訳エンジンB)を選択する。第2の翻訳エンジン(例えば、翻訳エンジンB)は、第1の翻訳エンジン(例えば、翻訳エンジンA)とは異なる翻訳エンジンである。なお、再翻訳に用いる翻訳エンジン5の選択の仕方についても、後で詳しく説明する。
【0024】
メッセージ翻訳部12は、翻訳エンジンBの翻訳機能を利用して、第1の言語(例えば、言語a)で作成された原文メッセージを再翻訳し、第2の言語(例えば、言語b)で作成された再翻訳メッセージを作成する。
【0025】
メッセージ送信部13は、上記のようにして作成された再翻訳メッセージを、ユーザ端末Bへ送信する。このとき、メッセージ送信部13は、再翻訳メッセージをユーザ端末Bへ送信するとともに、再翻訳が行われたことを示す再翻訳通知をユーザ端末Aへ送信する。ユーザ端末Bの画面には、再翻訳メッセージが表示される。また、ユーザ端末Aの画面には、再翻訳通知(例えば、再翻訳が行われたことを示すメッセージ)が表示される。
【0026】
ここで、翻訳/再翻訳に用いる翻訳エンジン5の選択の仕方について説明する。図2は、翻訳ログ記録部6に記録される翻訳ログの一例を示す図である。図2に示すように、翻訳ログ記録部6には、その翻訳が行われる毎に、翻訳対象である原文メッセージ(例えば、原文aなど)の情報と、翻訳に用いられた翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンAなど)の情報と、原文メッセージで使用された第1の言語(例えば、言語aなど)と翻訳メッセージで使用された第2の言語(例えば、言語bなど)の情報が、再翻訳が行われたか否かの情報(例えば、再翻訳が行われた、すなわち、再翻訳要求があった場合には「あり」など)とともに、翻訳ログとして記録される。
【0027】
第1の言語(例えば、言語a)から第2の言語(例えば、言語b)への翻訳を行う場合、翻訳エンジン選択部11は、翻訳ログ記録部6に記録された翻訳ログに基づいて、複数の翻訳エンジン5(翻訳エンジンA、B、C・・・)の中から、第1の言語(例えば、言語a)から第2の言語(例えば、言語b)への翻訳に用いられる頻度が多く、かつ、再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジン5を、翻訳に用いる翻訳エンジンとして選択する。
【0028】
また、第1の言語(例えば、言語a)から第2の言語(例えば、言語b)への再翻訳を行う場合、翻訳エンジン選択部11は、翻訳ログ記録部6に記録された翻訳ログに基づいて、複数の翻訳エンジン5(翻訳エンジンA、B、C・・・)の中から、翻訳に用いる翻訳エンジン5として選択した翻訳エンジン(例えば、翻訳エンジンA)の次に、第1の言語(例えば、言語a)から第2の言語(例えば、言語b)への翻訳に用いられる頻度が多く、かつ、再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンB)を、再翻訳に用いる翻訳エンジン5として選択する。
【0029】
以上のように構成された翻訳システム1の動作を、図3のシーケンス図を参照して説明する。
【0030】
本実施の形態の翻訳システム1を使用する場合、図3に示すように、ユーザ端末Aで、第1の言語(例えば、言語a)で作成された原文メッセージを入力すると(S1)、原文メッセージがユーザ端末Aからサーバ装置4へ送信される(S2)。サーバ装置4は、ユーザ端末Aから原文メッセージを受信すると、複数の翻訳エンジン5の中から翻訳に用いる翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンA)を選択する(S3)。そして、その翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンA)の翻訳機能を用いて原文メッセージを翻訳し、第2の言語(例えば、言語b)で作成された翻訳メッセージを作成する(S4)。
【0031】
翻訳メッセージは、サーバ装置4からユーザ端末Bに送信されると(S5)、ユーザ端末Bの画面に表示される(S6)。サーバ装置4では、翻訳が行われる毎に、翻訳に用いられた翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンAなど)の情報と、原文メッセージで使用された第1の言語(例えば、言語aなど)と翻訳メッセージで使用された第2の言語(例えば、言語bなど)の情報が、再翻訳が行われたか否かの情報(例えば、再翻訳が行われた、すなわち、再翻訳要求があった場合には「あり」など)とともに、翻訳ログとして記録される(S7)。
【0032】
ユーザ端末Bのユーザが、翻訳メッセージの意味を理解しにくいと思った場合には、ユーザ端末Bで、再翻訳要求操作(例えば「?」ボタンのクリックなど)が行われる(S7)。再翻訳要求操作が行われると、ユーザ端末Bからサーバ装置4に再翻訳要求が送信される(S9)。
【0033】
サーバ装置4は、ユーザ端末Bから再翻訳要求を受信すると、複数の翻訳エンジン5の中から再翻訳に用いる翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンB)を選択する(S10)。そして、その翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンB)の翻訳機能を用いて原文メッセージを再翻訳し、第2の言語(例えば、言語b)で作成された再翻訳メッセージを作成する(S11)。
【0034】
なお、再翻訳が行われた原文メッセージについては、実際の翻訳者が翻訳を行い、翻訳者による翻訳メッセージを翻訳システム1(例えば、翻訳ログ記録部6など)に登録してもよい。その場合、その後に同様の原文メッセージの翻訳要求があった場合に、翻訳エンジン5で翻訳さらた翻訳メッセージの代わりに、翻訳者により翻訳された翻訳メッセージ(登録された翻訳メッセージ)を、翻訳メッセージとして用いることができる。
【0035】
再翻訳メッセージは、サーバ装置4からユーザ端末Bに送信されると(S12)、ユーザ端末Bの画面に表示される(S13)。再翻訳メッセージがユーザ端末Bへ送信された場合には、再翻訳が行われたことを示す再翻訳通知がユーザ端末Aへ送信される(S14)。ユーザ端末Aの画面には、再翻訳通知(例えば、再翻訳が行われたことを示すメッセージ)が表示される(S15)。
【0036】
そして、上記のステップS7と同様に、サーバ装置4では、翻訳が行われる毎に、翻訳に用いられた翻訳エンジン5(例えば、翻訳エンジンAなど)の情報と、原文メッセージで使用された第1の言語(例えば、言語aなど)と翻訳メッセージで使用された第2の言語(例えば、言語bなど)の情報が、再翻訳が行われたか否かの情報(例えば、再翻訳が行われた、すなわち、再翻訳要求があった場合には「あり」など)とともに、翻訳ログとして記録される(S16)。
【0037】
このような本実施の形態の翻訳システム1によれば、ユーザ端末Aから、第1の言語(例えば、言語a)で作成された原文メッセージを受信すると、複数の翻訳エンジン5の中から選択された翻訳エンジンAを用いて原文メッセージの翻訳が行われて、第2の言語(例えば、言語b)で作成された翻訳メッセージが作成され、ユーザ端末Bへ送信される。翻訳メッセージを読んだユーザ端末Bのユーザが、その意味を理解しにくいと思った場合には、ユーザ端末Bから再翻訳要求が送信される。ユーザ端末Bから再翻訳要求を受信すると、複数の翻訳エンジン5の中から選択された翻訳エンジンBを用いて原文メッセージの再翻訳が行われて、第2の言語で作成された再翻訳メッセージが作成され、ユーザ端末Bへ送信される。これにより、翻訳エンジンAを用いた翻訳では意味が理解しにくいような場合に、翻訳エンジンAとは異なる翻訳エンジンBを用いた再翻訳が行われる。このように、複数の翻訳エンジン5を利用して翻訳/再翻訳を行うことにより、翻訳の質を向上することができる。
【0038】
本実施の形態では、原文メッセージの再翻訳が行われた場合(翻訳エンジンAを用いた翻訳では意味が理解しにくいような場合)には、ユーザ端末Aに再翻訳通知が送信される。この再翻訳通知により、ユーザ端末Aのユーザは、原文メッセージの再翻訳が行われたこと(原文メッセージが翻訳エンジン5によって翻訳しにくい文章となっていた可能性があること)を知ることができ、原文メッセージの書き直し(翻訳エンジン5によって翻訳しやすい文章への書き直し)を促すことができる。このようにして、原文メッセージの質を向上させることができ、翻訳の質を向上することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、翻訳が行われる毎に翻訳ログが記録され、その翻訳ログに基づいて、複数の翻訳エンジン5の中から、翻訳に用いる翻訳エンジンAが選択される。具体的には、第1の言語から第2の言語への翻訳に用いられる頻度が多く、再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジン5が、翻訳エンジンAとして選択される。このように、翻訳に用いる翻訳エンジン5を適切に選択することにより、翻訳の質を向上することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、翻訳ログに基づいて、複数の翻訳エンジン5の中から、再翻訳に用いる翻訳エンジンBが選択される。具体的には、翻訳エンジンAの次に、第1の言語から第2の言語への翻訳に用いられる頻度が多く、再翻訳が行われる頻度が少ない翻訳エンジン5が、翻訳エンジンBとして選択される。このように、再翻訳に用いる翻訳エンジン5を適切に選択することにより、再翻訳の質を向上することができる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる翻訳システムは、複数の翻訳エンジンを利用して翻訳/再翻訳を行うことにより、翻訳の質を向上することができるという効果を有し、飲食サービスや宿泊サービスなどの様々なサービスに用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 翻訳システム
2 ユーザ端末
3 ネットワーク
4 サーバ装置
5 翻訳エンジン
6 翻訳ログ記録部
10 メッセージ受信部
11 翻訳エンジン選択部
12 メッセージ翻訳部
13 メッセージ送信部
14 再翻訳要求受信部
図1
図2
図3