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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】擬似肉食品及び擬似肉食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23J 3/00 20060101AFI20220104BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A23J3/00 502
A23J3/14
A23J3/00 504
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021155609
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2021018423
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519108235
【氏名又は名称】株式会社晩聲社
(74)【代理人】
【識別番号】100209129
【弁理士】
【氏名又は名称】山城 正機
(72)【発明者】
【氏名】成 永順
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523090(JP,A)
【文献】Food Tec Info, 2021.01.09 [検索日 2021.11.12], インターネット:<URL:https://food-tech-info.com/hemp-based-plant-meat-in-europe/>
【文献】食品と開発,2020年,Vol.55, No.7,pp.20-24
【文献】一般社団法人日本フードバリアフリー協会, 2019.06.12 [検索日 2021.11.12], インターネット:<URL:https://foodbf.jp/280/>
【文献】Going Green Haruka, 2020.11.16 [検索日 2021.11.12], インターネット:<URL:https://www.goinggreenharuka.com/soy-meat-brands/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23J 3/00
A23J 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性タンパク質源を主原料とした擬似肉食品であって、
前記植物性タンパク質源が、ヘンプシード及び/又はヘンプナッツからなるヘンプタンパク質源と、前記ヘンプタンパク質源に対して所定の割合となるよう混合した粉末状キヌアとの混合物からなる、
ことを特徴とする擬似肉食品。
【請求項2】
前記ヘンプタンパク質源に混合する粉末状キヌアの割合を、生成される擬似肉食品の味、におい及び食感を数値化した食材データに基づいて決定する、
請求項1に記載の擬似肉食品。
【請求項3】
植物性タンパク質源を主原料とした擬似肉食品の製造方法であって、
ヘンプシード及び/又はヘンプナッツからなるヘンプタンパク質源を用意するステップ、
前記ヘンプタンパク質源に対して所定の割合となるよう粉末状キヌアを計量するステップ、
前記ヘンプタンパク質源と前記計量された粉末状キヌアを混合して混錬するステップ、
前記混合されたヘンプタンパク質源と粉末状キヌアを加熱凝固するステップ、
を有することを特徴とする、擬似肉食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は肉代替物として使用できる擬似肉食品及び擬似肉食品の製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
擬似肉食品素材は、かつては動物性タンパクの安価な代替物として開発されたものであるが、今日においては低カロリー食材として、或いは動物性タンパクの摂取が制限されている疾患の患者のための畜肉代替素材として改めて注目されている。擬似肉食品に関する従来技術としては例えば特許文献1に開示された肉様食品がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭60-156345公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている、塊状の植物性タンパク質と繊維状の植物性タンパク質と結合剤とから製造された擬似肉食品では、植物性タンパク質で食肉を再現しているものの、風味が乏しく食感も不自然であるという問題があった。
【0005】
同様に、植物性タンパク質を用いた擬似肉食品として、大豆を使用したものが多く流通している。しかしながら、大豆や大豆の加工食品を用いた擬似肉は、大豆特有の風味が強く、淡白な味であるため、肉特有のコクや甘みを感じることができない。また、噛み心地も肉様の食感を感じることができず、不自然さを払しょくすることはできない。さらに、大豆や大豆の加工食品を用いた擬似肉は、高タンパクではあるものの大豆以上の栄養価はなく、栄養価の面で課題がある。同様のことは、そら豆を使用した擬似肉食品についてもいえる。
【0006】
そこで発明者らは、大豆やそら豆に代わる擬似肉食品の主原料となる植物性タンパク質として、麻の実であるヘンプシードやヘンプナッツを粉末状にしたヘンプタンパク質源に着目し、擬似肉食品の開発に着手した。
【0007】
ヘンプシードやヘンプナッツはタンパク質のみならず、必須アミノ酸やミネラルも豊富であり、大豆やそら豆を用いた擬似肉食品では再現することができなかった食肉の栄養素を全て網羅しており、食肉の完全な代替物となることができる。
【0008】
また、食肉の生産が地球の環境を破壊していることは自明であるが、ヘンプは興奮作用のない種類を選べば、山でもたやすく群生することができるような栽培が容易な植物であり、二酸化炭素を吸収し酸素を放出することから、環境への負荷が小さく栄養価の高い完全なタンパク質の取得が容易となる。
【0009】
しかしながら、容易に入手することができ栄養価が高いものの、ヘンプには独特の青臭さや苦み・渋みがあり、ヘンプ由来の植物性タンパク質をそのまま使用して食肉の風味を持つ擬似肉食品を製造することは難しい。また、ヘンプには粘性や弾力性がなく、肉様の食感を得るためにはさらなる改良の余地があった。
【0010】
そこで本発明は、環境への負荷が小さく栄養価の高いヘンプタンパク質源を使用するともに、噛んだ時に天然肉に近い風味及び食感を得ることが可能な擬似肉食品及び擬似肉食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者らは鋭意研究の結果、ヘンプタンパク質源にキヌアパウダーを混合することで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
【0012】
第1の特徴に係る擬似肉食品は、植物性タンパク質源を主原料とした擬似肉食品であって、植物性タンパク質源が、ヘンプシード及び/又はヘンプナッツからなるヘンプタンパク質源と、ヘンプタンパク質源に対して所定の割合となるよう混合した粉末状キヌアとの混合物からなる。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、ヘンプタンパク質源に対して所定割合となるよう粉末状キヌアを混合することで、ヘンプ特有の苦みや食感の乏しさを、キヌアの持つ弾力性と風味で補うことができ、肉様の弾力を有するとともにヘンプ由来の苦みの少ない擬似肉食品を提供することができる。
【0014】
第2の特徴に係る擬似肉食品は、第1の特徴に係る発明であって、ヘンプタンパク質源に混合する粉末状キヌアの割合を、生成される擬似肉食品の味、におい及び食感を数値化した食材データに基づいて決定する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、ヘンプタンパク質源に混合する粉末状キヌアの割合を、生成される擬似肉食品の味、におい及び食感を数値化した食材データに基づいて決定することで、キヌアタンパク質を混合することによる過剰な粘着性や過剰な甘味の発現を抑止し、適度な弾力と風味を持つ擬似肉食品を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、環境への負荷が小さく栄養価の高いヘンプタンパク質源を使用するともに、噛んだ時に天然肉に近い風味及び食感を得ることが可能な擬似肉食品及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の擬似肉食品の製造方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理の装置概要を示す説明図である。
図3図3は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
図4図4は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
図5図5は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
図6図6は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
図7図7は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
図8図8は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
図9図9は、本発明の擬似肉食品の製造方法において擬似肉の成型処理を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る擬似肉食品の製造方法の実施形態を詳細に説明する。図1は、第一実施形態に係る擬似肉食品の製造方法の概要を示す説明図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0019】
[第一実施形態に係る擬似肉食品]
まず、第一実施形態に係る擬似肉食品について、その製造方法及び製造装置を説明する。
【0020】
〔第一実施形態に係る擬似肉食品の製造方法〕
第一実施形態に係る擬似肉食品の製造方法は、図1に示すように、大きくヘンプタンパク質源を含む植物性タンパク原料と、デンプンとを水和させ解繊させて組織化植物性タンパク質を生成する処理(ステップS101)と、生成された組織化植物性タンパク質と結着剤とを含む原料混合物を凝固させる処理(ステップS102及びステップS103)と、所定の食品の形状に成型する処理(ステップS104)を含む。各処理については以下に詳述する。
【0021】
(1)組織化植物性タンパク質生成処理
組織化植物性タンパク質生成処理(S101)では、ヘンプタンパク質源を含む植物性タンパク質とデンプンとを水和させ解繊させて組織化植物性タンパク質を生成する。第一実施形態において、この組織化植物性タンパク質生成処理では、ヘンプタンパク質源を含む植物性タンパク質を水和させ解繊させて調製される繊維状物が含まれる。具体的にこのヘンプタンパク質源として、第一実施形態ではヘンプシード(麻の実)を粉砕して粉状にした粉末状ヘンプを用いる。このヘンプシードは、ヘンプタンパク質資源として豊富なタンパク質や繊維状物を含んでおり、このタンパク質には20種類のアミノ酸が含まれ、このうち9種類のアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれるものが含まれる。
【0022】
次いで、このようにして得られた植物性タンパク質である粉末状ヘンプとデンプンに含水させて水和させ、必要に応じて過剰な水分を脱水する。その後、この水和物を解繊、つまり繊維状物にほぐす。水和は、乾燥した粒状植物性タンパク質を水や温水に浸すことにより行うことができる。このとき、デンプンとしては、芋類、ナッツ類、玄米等の穀類、栗やどんぐり等の堅果などを粉砕したものを用いる。また、この時点で、キノコ類(椎茸やエリンギ)を解繊して繊維状物としたものを配合してもよい。
【0023】
なお、上述した組織化植物性タンパク質を生成する処理では、ヘンプシードを粉砕して得られる粉末状ヘンプをカルシウム塩水溶液で抽出して、タンパク質源からヘンプタンパク質を可溶化させ、ヘンプタンパク質水溶液を形成する処理と、ヘンプタンパク質水溶液を残留ヘンプタンパク質源から少なくとも部分的に分離する処理とを施してもよい。そして、分離されたヘンプタンパク質水溶液を濃縮し、この濃縮されたヘンプタンパク質溶液を乾燥させるようにしてもよい。
【0024】
また、植物性タンパク質としては、ヘンプタンパク質源の他、ヘンプタンパク質源と合わせて、大豆タンパク質、小麦タンパク質等を用いることができる。この大豆タンパク質としては脱脂大豆粉末を用いてもよいし、粉末状大豆タンパク質(分離大豆タンパク質)を用いてもよい。
【0025】
このとき、植物性タンパク質原料と水とを少なくとも含み、必要に応じて油脂、デンプン、色素、フレーバー等をさらに含む混合物を加圧加熱して膨化させる。この膨化物は、一定の方向性を持った繊維状の内部組織を有しており、所謂組織化されている。そして、得られた膨化物を適当な大きさにカットし、乾燥させて組織化植物性タンパク質を生成する。
【0026】
例えば、ビーツの粉や塩、カルシウム、オリーブ油の他、野菜スープ(キャベッ、ジャガイモ、椎茸、エリンギ、大根、タマネギ等)や大根シレギ(乾燥させた大根の葉)などを配合する。
【0027】
以上説明した組織化植物性タンパク質は着色して用いることができる。着色することによって、外観的にも天然肉に近い擬似肉食品を提供することができる。例えば、牛肉を模する場合には、いずれかを赤系色とし、他方を白系色とすればよく、特に組織化植物性タンパク質を白系色として、繊維状植物性タンパク質を赤系色とすることで、天然の牛肉に近い擬似肉食品を提供することができる。
【0028】
(2)原料混合物生成処理
次いで、上述した組織化植物性タンパク質生成処理で生成された組織化植物性タンパク質と結着剤とを混錬して原料混合物を生成させる処理(S102)を行う。
【0029】
第一実施形態において原料混合物には、デンプン、グルテン及び脂質が配合されていることが好ましい。なお、ここにいうデンプン、グルテン及び脂質としては、芋類、ナッツ類、玄米等の穀類、栗やどんぐり等の堅果などを粉砕したものを用いることができる。
【0030】
原料混合物を凝固させる処理において、結着剤は、植物性タンパク質、動物性タンパク質、及び多糖類からなる群から選択する1種以上とすることができる。また、結着剤の少なくとも一部が、水和した場合に熱可逆性ゲルを形成する結着剤であり、原料混合物が当該結着剤を水和した熱可逆性ゲルの形態で含ませることができる。
【0031】
さらに、原料混合物を凝固させる処理には、原料混合物の配合を変化させて、異なる食感を備える複数の食感基本要素を生成する処理と、生成された複数の食感基本要素を加熱又は冷却して凝固させる処理と、凝固された原料混合物を成型する処理とを含めることができる。
【0032】
ここで、結着剤として用いる植物注タンパク質としては大豆タンパク質、小麦タンパク質等が挙げられ、動物性タンパク質としては卵白、コラーゲン、乳タンパク質等が挙げられ、多糖類としてはデンプン、グアーガム等のガム質、カラギーナン、グルコマンナン等のゲル化剤が挙げられる。また、この結着剤としては、水や油脂とともに混練したペーストの形態で原料混合物に添加することができる。さらに、結着剤は水及び油脂とともに乳化したエマルジョンの形態で原料混合物に添加することが好ましい。この実施形態では、エマルジョンが擬似肉組成物中で脂身様組織を形成するため、より肉に近い外見と食感(脂身のジューシー感)が付与される。油脂としては、大豆油、綿実油、トウモロコシ油、ごま油等の植物性食用油脂、牛脂、豚脂、鶏脂、バター等の動物性食用油脂のいずれも使用することができる。
【0033】
また、結着剤の少なくとも一部分として、水和した場合に熱可逆性ゲルを形成する結着剤を使用することができる。その場合、当該結着剤を予め水和して熱可逆性ゲルを形成し、形成された熱可逆性ゲルを他の原料と混合した原糾混合物を成形加熱工程に供する。熱可逆注ゲルとは、加熱すると溶解し、冷却すると凝固する性質のゲルを指す。この実施形態では、熱可逆性ゲルが擬似肉組成物中で脂身様組織を形成するため、より肉に近い外見と食感(脂身のジューシー感)が付与される。水和した場合に熱可逆性ゲルを形成する結着剤としてはカラギーナン、グルコマンナン、寒天等が挙げられる。ゲルを形成するためには、例えばこれらの結着剤に水を質量で40~100倍量を加え、必要に応じて適宜加熱し、攪拌し、冷却すればよい。
【0034】
原料混合物にはさらに、トランスグルタミナーゼ等のタンパク質接着酵素を配合することができる。タンパク質接着酵素を配合することにより、組織化植物注タンパク質及び繊維状植物性タンパク質の繊維と繊維、並びにこれらの繊維と結着剤との結着が強化され、天然肉様の組織が得られ、天然肉様の歯応えのある食感が強化される。
【0035】
また、原料混合物は、水、油脂、フレーバー、調味料(動物エキスを含む)、デンプン、色素等を含んでもよい。特に、ビーフ、ポーク、チキン等の畜肉の味を付与するためのフレーバー、動物エキス等が添加されることが好ましい。油脂としては、結着剤について上記したものと同様のものが使用できる。
【0036】
なお、この原料混合物における植物性タンパク質、水、その他の原材料の配合比率、圧カ、温度等の各条件は目的とする食感に応じて適宜選択する。乾燥後の組織化植物性タンパク質の形状としては、粒状、棒状、フレーク状等が挙げられるが特に限定されない。乾燥させた組織化植物性タンパク質及び各形状に成形された組織化植物性タンパク質はいずれも粒状植物性タンパク質に包含される。
【0037】
(3)加熱凝固工程及び成形工程
次いで、原料混合物生成処理(S102)により生成された原料混合物を凝固させる(S103)。第一実施形態において、この原料混合物を凝固させる処理には、原料混合物の配合を変化させて異なる味や食感を備える複数の食材基本要素を生成する処理と、生成された複数の食感基本要素を加熱又は冷却して凝固させる処理とが含まれる。これらの後、成型工程(S104)を行う。
【0038】
なお、原料混合物は所望の形状(例えば一枚肉の形状、ブロック肉の形状、ダイスカットされた形状等)に成形される。成形は適当な型を用いて行うことができる。成形された原料混合物を60~135℃、好ましくは70~120℃の温度で加熱することにより、成形物が凝固し、擬似肉食品が得られる。原料混合物の成形物は、成形のための型内又はレトルトパウチ等の容器内に密封した状態で加熱され、凝固されることが好ましい。成形は型成形に限らず、要は得られる擬似肉食品が所望の形状になればよく、原料混合物を湯中に投入する等の方法を採用してもよい。
【0039】
〔第一実施形態に係る擬似肉食品の食品製造装置〕
次に、図2図9を参照して、第一実施形態に係る食品製造装置の構成及び動作について説明する。図2は、第一実施形態に係る食品製造装置1の全体図である。第一実施形態では、上述した加熱凝固工程及び成形工程(ステップS103及びS104)をこの食品製造装置1を用いて行い、各種の食材を混錬及び加熱凝固させつつ3次元形状データに基づいて3次元造形物を成型し、食品の複雑な3次元構造を3Dプリンタで再現する。
【0040】
特に、第一実施形態では、所定食品のデータ化、特に味、色、形、食感を数値化した食材データとして保持しておき、その食材データを、異なる食感を備える複数の食感基本要素を組み合わせて所望の味、色、形、食感を再現するための複数の食感基本要素の構成比率に関する食品再現データに変換する。次に、複数の基本要素を所定の割合で混合した混合物を得て、当該混合物を加熱又は冷却することで食材データに基づく所望の味、色、形、食感を再現する。そして、混合物を成型して所望の複合的な形状の食品を製造する。
【0041】
先ず、食品製造装置1全体の概略構成について説明する。図2に示すように、食品製造装置1は、水タンク13、食材タンク17、混合手段18、及び出カノズル19を配置して構成される。
【0042】
水タンク13は、有底円筒形状を有し、内部に水が貯留されている。水タンク13の底部には、下方に向かって延びるメインパイプ20が接続されており、その先端(下端)が最終的には出カノズル19に接続されている。水タンク13には制御手段及び通信手段を構成するコンピュータ(不図示)が搭載されている。
【0043】
食材タンク17は、それぞれ異なる食感、色、味の基本要素が収容されている。具体的に4つの基本要素17a~dは、例えば、ヘンプ及び米を主原料とする第1要素、ヘンプ及び海藻を主原料とする第2要素、ヘンプ及び豆を主原料とする第3要素、及びヘンプ及び蒟翡を主原料とする第4要素と、いったようにヘンプタンパク質と他の食材を混合した複数種の原料混合物である。
【0044】
また、食材タンク17の下端には混合手段18がそれぞれ接続されている。各食材タンク17内の食感基本要素は、図示しない制御部の指令によりディスペンサが制御されることで所定量が送出されて下端から各々の混合手段18に送られる。
【0045】
各混合手段18は、上記各食材タンク17から送出される基本要素とメインパイプ20を通じて供給される水とを混練して得られる混合物を生成する。具体的に混合手段18は、上記した基本要素と水とを混合して攪拌する攪拌手段を備えている。また、混合手段18は、混合物を生成することに加え、当該混合物を加熱又は冷却することで食感データに基づく所望の食感を再現する食感再現手段としての機能も果たす。
【0046】
混合手段18は、メインパイプ20を通じて供給された上記の基本要素と水とが均ーになるように攪拌し、混合物を生成する。また、混合手段18は、これらの混合物に対して湯煎等により加熱処理する機能も有している。また、混合手段18には、冷却ファンなどの冷却手段が混合手段18の下方に設けられており、混合手段18によって攪拌及び加熱された混合物を冷却する。これにより、ゲル状に凝固した混合物を得ることが可能である。
【0047】
各混合手段18の下方には、攪拌手段22を介して押出手段21が接続され、押出手段21の下方には出カノズル19が接続されている。出カノズル19は、水平方向及び垂直方向3軸(x軸、y軸、z軸)方向に移動可能な可動アームによって移動可能に支持されており、3軸(x軸、y軸、z軸)に移動しながら混合手段18を経由した混合物を先端から断続的に押出することにより、混合物を所定の形状に成型する。
【0048】
出カノズル19の下方には型枠23が配置されている。型枠23には、成型対象となる食品の外形が凹部23aとして刳り抜いてあり、この凹部23a内に出カノズル19の先端から混合物を押出し、制御部の指令に基づいて当該出カノズル19を3軸(x軸、y軸、z軸)方向へ動かすことにより、所定形状に成形された新たな擬似肉3を製造することができる。
【0049】
また、水タンク13に接続されるメインパイプ20の途中には、混合物の食感を調整する3つの酵素カートリッジ24が接続されている。各酵素カートリッジ24には、異なる味や食感を再現するための酵素が収容されている。酵素は、例えば、擬似肉3の硬さを再現するTG(トランスグルタミナーゼ)、擬似肉3のしっとりした食感を再現するAG(aーグルコシダーゼ)、擬似肉3の滑らかな食感を再現するPG(プロテイングルタミナーゼ)等が挙げられる。なお、酵素はこれらに限定されず、適宜変更追加が可能である。
【0050】
各酵素カートリッジ24は、ディスペンサ等の液体定量吐出装置を介してメインパイプ20に接続されている。そして、制御部によりディスペンサが制御されることで所定量の酵素がメインパイプ20に送られる。メインパイプ20の各下流端25は、所定量の酵素が混合された水が注入される注水口を介して混合手段18に接続されている。
【0051】
チューブ16と出カノズル19との間には、基本要素17a~d、水及び酵素を混合して混合物を生成する混合手段としての混合手段18や、混合物を加熱又は冷却することで食材データに基づく所望の味、色、食感を再現する再現手段としての攪拌手段22と、押出手段21が設けられている。
【0052】
〔第一実施形態に係る擬似肉食品の食品製造装置の動作〕
以上説明した食品製造装置1を動作させることによって、第一実施形態に係る擬似肉食品の製造方法を実施することができる。第一実施形態に係る製造方法では、擬似肉の味、色、形及び食感を数値化した食材データに基づいて擬似肉3を製造する方法であり、具体的には、組織化植物性タンパク質を配合した原料混合物を、食材データに基づいて混合し、加熱凝固させ、成形する工程を含んでいる。第一実施形態では、この原料混合物を食材データに基づいて混合し、加熱凝固させ、成形する工程を上述した食品製造装置で行う。
【0053】
詳述すると、食材再現データに基づいて複数の組識化植物性タンパク質を配合した原料混合物である基本要素17a~d、水及び酵素を所定の割合で混合した混合物を得る。具体的に食品製進装置1は、食材再現データに基づいて各カートリッジのディスペンサ等を制御する。また、食品製造装置1は、各カートリッジから所定量で供給される基本要素17a~dや酵素、水タンク13から所定量供給される水を混合手段18で混合し、これらの混合物を生成する。
【0054】
次に、加熱又は冷却による加熱凝固工程が実施される。ここでは混合物を加熱又は冷却することで食材データに基づく所望の味、色、食感を再現する。具体的に混合手段18は、混合物を湯煎等により加熱し、又は冷却ファンなどで冷風を混合物に当てることで混合物に熱処理を施し、所望の食感を再現する。
【0055】
次に、成形工程が実施される。成形工程では、図3図5に示すように、型枠23内において、例えば肉の脂身部分31を、所定の混合物により部分的に成型するとともに、図6図8に示すように、残余部分に肉の赤身部分32となる味、色、食感の混合物を流し込んで所定形状の擬似肉3を製造する。具体的に食品製造装置1は、出力ノズル19から混合物を型枠23上にプロットする。混合物のプロット方法は様々な方法が可能である。
【0056】
食品製造装懺1は、例えば、ゲル状の混合物を点又は線状にプロットして所定厚みの平面視方形状となるように形成し、これを複数回繰り返して複数の層状に積層して所定の形状に成型することが可能である。また、型枠23上の凹部23aの中にゲル状の混合物を所定深さまで注入して硬化させることで所定形状に成形してもよい。このように、再現する所定食品のデータ構造に応じてプロット方法を適宜変更することにより、例えば図9に示すような赤身部分32の中に脂身部分31が配置された擬似肉3など、あらゆるタイプの所定食品について、その食感を再現した新たな擬似肉3を所定の形状に成型することが可能である。
【0057】
なお、上記した混合工程、加熱/冷却工程、及び成形工程は、必ずしもこの順序で実施される必要はなく、各工程を一連の流れで一緒に実施してもよく、又は順序を入れ替えてもよい。例えば、キューブ状に成形した後に加熱/冷却を実施して混合物を硬化させてもよい。この場合、加熱/冷却工程が成形工程の一部を担うことになる。
【0058】
〔第一実施形態に係る発明の作用・効果〕
第一実施形態に係る発明によれば、ヘンプタンパク質源を有効に活用して、表1及び表2に示すように、本来の肉と比較しても栄養価が高く、かつ天然肉に近い風味と食感を得ることができる、見た目にも天然肉に近い擬似肉食品を得ることができる。
【0059】
詳述すると、同表に示すように、ヘンプミートに含まれるヘンプタンパク質源は、大豆やソラ豆などの他の植物性素材と比べても、動物性タンパク質には同等の栄養素がバランスよく含まれ、動物性タンパク質の完全な代替になる。動物性タンパク質は養畜に用いられる水や酸素、また徘出される二酸化炭素の量を鑑みても地球環境への影響は大きい一方、ヘンプタンパク資源は、栽培が容易であり、植物由来であるため二酸化炭素を吸収し酸素を放出することから、環境への負荷が小さく、完全なタンパク質の取得が容易である。
【表1】
【表2】
【0060】
特に、第一実施形態に係る発明によれば、所定食品の食感を数値化した食材データを食材再現データに変換することで、複数の食感基本要素の組み合わせから所定食品の食感を再現した新たな食品を製造することが可能である。また、食品の形状をキューブ状に成形したことにより、複雑な形状を成形する必要がなく、容易に所定食品の食感を再現した新たな食品を提供することが可能である。
【0061】
[第二実施形態に係る擬似肉食品]
次に、第二実施形態に係る擬似肉食品について説明する。なお、第一実施形態に係る擬似肉食品と共通する項については説明を省略する。
【0062】
第二実施形態に係る擬似肉食品の特徴は、主原料となる植物性タンパク質源として、ヘンプタンパク質源と粉末状キヌアの混合物を使用する点にある。
【0063】
上述の通り、ヘンプは独特の青臭さや苦み・渋みを有するとともに、その食感も弾力がなくパサパサとしている。そのため、そのままでは食肉の代用品として市場に流通させることは難しく、他の物質を混合して実際の食肉に近い風味と食感を実現する必要がある。
【0064】
ところが、風味を食肉に近づけるための畜肉エキスや、食感を向上させるためのデンプン加工品は工業製品であることが多く、必ずしも環境や人体に優しいとは限らない。
【0065】
そこで、第二実施形態においては、天然の植物であるキヌアをヘンプタンパク質源に所定の割合で混合したものを植物性タンパク質源とすることで、上記課題を解決することが可能な擬似肉食品を構成した。
【0066】
キヌアはキビ、アワ、ヒエなどと同様、雑穀に位置づけられる植物であり、主にペルーやボリビアなど南米で生産され、古くから穀物として食用される食物である。栄養価が非常に高く、他の雑穀よりも多くのカリウム、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラル分を含むことや、コレステロールの産出を抑制するリノレン酸を多く含むことから、スーパーフードとして位置づけられる食材である。
【0067】
また、キヌアはグルテンを含まないものの、粘性の高いデンプンを含むため、ヘンプシードのパサパサとした食感に適度な弾力性を持たせることができる。
【0068】
ところで、キヌアは水洗いしたものを茹でてそのまま食することができる程度にくせのない味わいである一方、若干キヌア独特の薬臭さがあり、キヌアだけを大量に摂取しようとすると風味に劣ることとなる。
【0069】
そこで第二実施形態においては、ヘンプタンパク質源とキヌアの混合比の異なる様々なバリエーションの擬似肉食品を製造し、擬似肉食品の味、におい及び食感を数値化した食材データを作成し、最適な混合割合を見出した。
【0070】
表3にその一部を示すように、No.1~No.6のサンプルを生成し、擬似肉食品を製造したうえで、そのにおい、味及び弾力性についてその評価を行った。
【表3】
【0071】
サンプルNo.1は、キヌアを含有させず、ヘンプシード及びヘンプナッツからなるヘンプタンパク質源及び野菜スープを混合して蒸したものである。
【0072】
サンプルNo.2は、ヘンプタンパク質源の含有量は変えず、キヌアを粉末状にしたキヌアパウダーをヘンプタンパク質源の含有量に対して20%(ヘンプ:キヌア=5:1)となるように含有させたものである。なお、混合する野菜スープの量は、ヘンプとキヌアの合計重量に対し約35%の重量となるよう混合した。これはサンプルNo.3~サンプルNo.6においても同様である。
【0073】
同様に、サンプルNo.3は、キヌアをヘンプの25%(ヘンプ:キヌア=4:1)、サンプルNo.4は33%(ヘンプ:キヌア=3:1)、サンプルNo.5は50%(ヘンプ:キヌア=2:1)、サンプルNo.6は75%(ヘンプ:キヌア=4:3)として製造したものである。
【0074】
表4及び表5に、それぞれの評価を数値化した食材データのグラフを示す。
【0075】
なお、評価するにおいとしては、ヘンプ由来のヘンプ臭と、キヌア由来の穀物臭の二種類について評価を実施した。
【表4】
【表5】
【0076】
キヌアを含まないサンプルNo.1の結果を見ると、ヘンプ特有の青臭いにおいがするとともに、ヘンプ由来の苦みと渋みを感じる結果が得られている。また、食肉のような弾力はなく、粉っぽさが口の中に残り、食材としてまとめることも困難であるような状況であった。
【0077】
それに対し、キヌアをヘンプの20%の割合で混合したサンプルNo.2の結果を見ると、弾力性については依然として改善されていないものの、ヘンプ独特のにおいについては若干改善されたスコアとなった。
【0078】
同様に、ヘンプタンパク質源に混合するキヌアの割合を増加させたサンプルNo.3~No.5において、キヌアの割合を増加させるにしたがいヘンプ特有の青臭さが減少し、キヌア由来の穀物のにおいが支配的となった。また、キヌアの割合を増加させるにしたがいヘンプ由来の苦みや渋みが消失して、味が改善されることが分かる。また、食感についても粉っぽさがなくなり、サンプルNo.5においては肉様の弾力性が得られる。
【0079】
一方、キヌアをヘンプの75%の割合で混合したサンプルNo.6においては、ヘンプ特有の青臭さや苦みは消失したものの、キヌア由来による穀物のにおいや甘みが支配的となった。また、粘り気が強く成型時にべたつきが発生するとともに、噛んだ時にやや歯にまとわりつくような粘り気があった。つまり、キヌアの量を多くし過ぎると、キヌアが有する特性が支配的となり、食肉のような風味や食感が失われることになるため、適切な混合割合を保持することが重要となる。
【0080】
このように、製造した擬似肉食品のにおい、味及び弾力性を数値化した食材データを予め作成しておき、予め作成した食材データに基づいて決定した混合比でキヌアを混合することで、風味及び食感が食肉に近い擬似肉食品を製造することが可能となる。
【0081】
特に、第二実施形態においては、独特の臭みや食感を有するヘンプという食材に対し、同様に独特の臭みや食感を有するキヌアを混合しているため、両者の良い点を活かしつつ、悪い点を打ち消しあうような混合比で混合することが重要となる。
【0082】
そのため、ヘンプシードに混合するキヌアの割合を、生成される擬似肉食品の味、におい及び食感を数値化した食材データに基づいて決定することで、ヘンプとキヌアの特性を活かして実際の食肉に近い風味及び食感を有する擬似肉食品を得ることができる。
【0083】
なお、第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、異なる食感を備える複数の食感基本要素を組み合わせて、実際の食肉のように複雑な食感を有する擬似肉食品を生成することが可能である。つまり、ヘンプとキヌアの混合割合を変化させた複数種類の植物性タンパク質源を用意し、図4図9に示すように、一部に一の植物性タンパク質源を、残部に他の植物性タンパク質源を配置するよう成型することで、部分的に異なる食感を有する擬似肉食品を提供できる。
【0084】
また、他の点においても第一の実施形態と同様である。
【0085】
さらに、第二実施形態においても、第一実施形態と同様の製造方法によって、擬似肉食品を製造することができる。
【0086】
つまり、所定量のヘンプタンパク質源を用意するステップ、所定量のヘンプタンパク質源に対して所定の割合となるよう粉末状キヌアを計量するステップ、ヘンプタンパク質源と計量された粉末状キヌアとを混合して植物性タンパク質源を生成するステップ、植物性タンパク質源を水や野菜スープ等の水分と共に混錬して原料混合物を生成するステップ、混錬した原料混合物を加熱凝固させるステップ、加熱凝固したものを成型するステップ、によって擬似肉食品を製造することができる。そして、ヘンプタンパク質源に対して所定の割合となるよう粉末状キヌアを計量するに際し、あらかじめ作成された食材データを参照して、適度な風味と弾力性が得られるよう、計量を行う。
【0087】
なお、ヘンプタンパク質源として、ヘンプシードとヘンプナッツの両方を用いた例を示したが、ヘンプシード又はヘンプナッツのいずれかを用いたものでも構わない。
【0088】
また、ヘンプタンパク質源に混合するものとし粉末状のキヌアを例示しているが、適度な粒度を残した粒状のキヌアを混合したものを用いても構わない。
【0089】
〔第二実施形態に係る発明の作用・効果〕
第二実施形態に係る発明によれば、環境への負荷が小さく栄養価の高いヘンプタンパク質源を使用するともに、ヘンプ特有の苦みや食感の乏しさを、キヌアの持つ弾力性と風味で補うことができ、噛んだ時に天然肉に近い風味及び食感を得ることが可能な擬似肉食品を提供することができる。
【0090】
なお、本実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらに、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態を包含している。
【産業上の利用可能性】
【0091】
この発明の疑似肉食品及びその製造方法は、飲食店における提供やスーパー等における調理済み加工食品としての販売等、様々な形態での提供に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 食品製造装置
3 擬似肉
13 水タンク
16 チューブ
17 食材タンク
17a~d 基本要素
18 混合手段
19 出力ノズル
20 押出手段
21 攪拌手段
22 型枠
23 凹部
24 酵素カートリッジ
25 下流端
31 脂身部分
32 赤身部分

【要約】
【課題】環境への負荷が小さく栄養価の高いヘンプタンパク質源を使用するともに、噛んだ時に天然肉に近い風味及び食感を得ることが可能な擬似肉食品を提供する。
【解決手段】本発明の擬似肉食品は、植物性タンパク質源を主原料とした擬似肉食品であって、植物性タンパク質源が、ヘンプシード及び/又はヘンプナッツからなるヘンプタンパク質源と、ヘンプタンパク質源に対して所定の割合となるよう混合した粉末状キヌアとの混合物からなる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9