(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】物品管理サーバ、物品管理プログラムおよび物品管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220104BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
(21)【出願番号】P 2017086415
(22)【出願日】2017-04-25
【審査請求日】2020-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591170784
【氏名又は名称】株式会社エバ
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100133260
【氏名又は名称】小林 基子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】江場 大二
【審査官】橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-182206(JP,A)
【文献】特開2007-083320(JP,A)
【文献】特開2009-276923(JP,A)
【文献】特開2012-010019(JP,A)
【文献】特開2008-282211(JP,A)
【文献】特開2004-265317(JP,A)
【文献】米国特許第08526922(US,B1)
【文献】山澤一誠ほか,インターフェース - 拡張現実感を用いたマルチメディア付箋システム,画像ラボ,日本,日本工業出版株式会社,2012年06月10日,第23巻,第6号,pp.35-43,ISSN:0915-6755
【文献】美崎栄一郎,"ビジネスに効く! iPhone Biz 美崎栄一郎のアプリ術 - リアルな付箋とiPhoneアプリの出会いが新たな価値を生み出した! 驚きの「デジタル付箋」術",Mac Fan,日本,株式会社マイナビ,2013年06月01日,第21巻,第6号,pp.118-119
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別コードが装着されている物品を管理するための物品管理サーバであって、
物品管理端末から受信した前記識別コードの物品に個別に対応付けられた個別メッセージ情報を前記識別コードに対応付けてメッセージ記憶部に記憶させるメッセージ管理部と、
物品管理端末から受信した前記識別コードに対して前記個別メッセージ情報が記憶されている
か否かを判別し、記憶されていると判別された場合に、前記個別メッセージ情報が存在する旨を物品管理端末に通知するメッセージ通知部と、
物品管理端末から前記個別メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部から前記識別コードに対応付けられた前記個別メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末に送信するメッセージ送信部と
を有する、前記物品管理サーバ。
【請求項2】
前記メッセージ管理部は、物品管理端末から受信した前記識別コードに対応する前記物品の種別に割り当てられた物品IDに共通する共通メッセージ情報を前記物品IDに対応付けてメッセージ記憶部に記憶させるとともに、
前記メッセージ通知部は、物品管理端末から受信した識別コードに係る前記物品IDに対して前記共通メッセージ情報が記憶されている
か否かを判別し、記憶されていると判別された場合に、前記共通メッセージ情報が存在する旨を物品管理端末に通知し、
前記メッセージ送信部は、物品管理端末から前記共通メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部から前記物品IDに対応付けられた前記共通メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末に送信する、請求項1に記載の物品管理サーバ。
【請求項3】
前記個別メッセージ情報および前記共通メッセージ情報が、前記物品管理端末のカメラ機能を用いて撮影された写真データ、前記物品管理端末のカメラ機能を用いて撮影された動画データ、前記物品管理端末により取得されたPDF形式データ、前記物品管理端末の音声入力機能を用いて入力された音声データ、前記物品管理端末のテキスト入力機能を用いて入力されたテキストデータ、および前記物品管理端末に予め記憶された定型文から選択された定型テキストデータのうち少なくとも一つである、
請求項2に記載の物品管理サーバ。
【請求項4】
識別コードが装着されている物品を管理するための物品管理プログラムであって、
物品管理端末から受信した前記識別コードの物品に個別に対応付けられた個別メッセージ情報を前記識別コードに対応付けてメッセージ記憶部に記憶させるメッセージ管理部と、
物品管理端末から受信した前記識別コードに対して前記個別メッセージ情報が記憶されている
か否かを判別し、記憶されていると判別された場合に、前記個別メッセージ情報が存在する旨を物品管理端末に通知するメッセージ通知部と、
物品管理端末から前記個別メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部から前記識別コードに対応付けられた前記個別メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末に送信するメッセージ送信部
としてコンピュータを機能させる、前記物品管理プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された物品管理サーバと、識別コードを読み取る識別コード読取手段およびメッセージ情報を表示可能な表示手段を備えた物品管理端末とを有する物品管理システムであって、
前記物品管理端末は、前記識別コード読取手段によって読み取られた前記識別コードとともに前記物品管理端末が備えている機能を使用して取得したメッセージ情報を前記物品管理サーバに送信し、
前記物品管理サーバは、受信したメッセージ情報を前記識別コードに対応付けた個別メッセージ情報および/または物品IDに対応付けた共通メッセージ情報としてメッセージ記憶部に記憶させる、前記物品管理システム。
【請求項6】
前記物品管理端末は、前記識別コード読取手段によって読み取られた前記識別コードを前記物品管理サーバに送信し、
前記物品管理サーバは、受信した前記識別コードに対して前記個別メッセージ情報が記憶されている
か否かを判別し、記憶されていると判別された場合および/または前記識別コードに係る物品IDに対して共通メッセージ情報が記憶されている
か否かを判別し、記憶されていると判別された場合に、前記メッセージ情報が存在する旨を前記物品管理端末に通知し、
前記物品管理端末は、通知を受けた前記識別コードに対する前記個別メッセージ情報および/または前記物品IDに対する前記共通メッセージ情報を受け取る場合に、当該メッセージを受け取る指示を前記物品管理サーバに送信し、
前記物品管理サーバは、前記メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合に、前記個別メッセージ情報および/または前記共通メッセージ情報を前記物品管理端末に送信する、請求項5に記載の物品管理システム。
【請求項7】
前記物品管理端末は、前記物品管理サーバから前記個別メッセージ情報および/または前記共通メッセージ情報が存在する旨の通知を受けた場合には、前記メッセージ情報にアクセス可能な一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードを表示手段に表示し、
前記物品管理サーバは、他の物品管理端末により前記一次元シンボル、前記二次元シンボルまたはカラーバーコードが読み取られてメッセージを受け取る指示を受信した場合には、その物品管理端末に前記個別メッセージ情報および/または前記共通メッセージ情報を送信する、請求項6に記載の物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別コードが装着されている物品を管理するための物品管理サーバ、物品管理プログラムおよび物品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各産業分野において、一つの物品が複数の者によって繰り返し使用される場面は数多く存在する。例えば、製造業の分野において、旋盤に使用されるバイト、フライス盤のフライスまたは金槌等の工具は、使用終了毎に保管場所に返却され、その後に異なる者によっても使用される。また、医療の分野において、手術器材は洗浄や滅菌処理を経て何度も繰り返し使用される。
【0003】
従来、このような複数の者が繰り返し使用する物品に識別コードを装着して、前記物品の管理を行う発明が提案されている。例えば、特開2003-16198号公報では、識別コードが設けられた手術器材と、前記識別コードを読み取る読取装置と、前記手術器材に関する器材データを予め記憶する記憶手段と、前記記憶手段に基づき前記手術器材を管理する管理装置とを備えた手術器材管理システムにおいて、医療行為に使用した手術器材に対し、医療行為後に前記読取装置により前記識別コードを読み取り、記憶された前記器材データと照合して前記手術器材の管理を行う、手術器材管理システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、手術器材や工具等の物品は使用を繰り返すことにより損耗したり、変形したり、破損したりする。このような物品に関する損耗した状態は他の使用者にも伝えておくべき事項となる。また、物品の使用上の留意であったり、欠品・補充等の情報も伝達したい場合がある。従来、このような場合には、物品管理者に連絡を取って伝言したり、その物品にメッセージを記載した付箋紙を直接貼って伝えることがなされている。しかし、伝言は情報が不正確に伝わるおそれがあるし、失念される可能性もある。また、付箋紙は剥がれやすく途中で剥がれ落ちてしまっては伝達されないという問題がある。あるいは物品管理者や他の使用者に電子メールを送信してメッセージを伝達する方法もあるが、電子メールが読まれるタイミングと物品を使用するタイミングがずれてしまうこともあり、メッセージが必要な時に伝わらないおそれもある。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、個々の物品に装着されている識別コードを利用して次に物品を使用または管理する者へメッセージを確実に伝達することができる、物品管理サーバ、物品管理プログラムおよび物品管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物品管理サーバおよびコンピュータを物品管理サーバとして機能させる物品管理プログラムは、物品に装着されている識別コードを利用して次に物品を使用または管理する者へメッセージを確実に伝達するという課題を解決するために、識別コードが装着されている物品を管理するための物品管理サーバであって、物品管理端末から受信した前記識別コードの物品に個別に対応付けられた個別メッセージ情報を前記識別コードに対応付けてメッセージ記憶部に記憶させるメッセージ管理部と、物品管理端末から受信した前記識別コードに対して前記個別メッセージ情報が記憶されている場合に、前記個別メッセージ情報が存在する旨を物品管理端末に通知するメッセージ通知部と、物品管理端末から前記個別メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部から前記識別コードに対応付けられた前記個別メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末に送信するメッセージ送信部とを有する。
【0008】
また、本発明の一態様として、識別コードを利用して物品の種別に割り当てられた物品IDに共通する共通メッセージ情報を次に使用または管理する者へ確実に伝達するという課題を解決するために、前記メッセージ管理部は、物品管理端末から受信した前記識別コードに対応する前記物品の種別に割り当てられた物品IDに共通する共通メッセージ情報を前記物品IDに対応付けてメッセージ記憶部に記憶させるとともに、前記メッセージ通知部は、物品管理端末から受信した識別コードに係る前記物品IDに対して前記共通メッセージ情報が記憶されている場合に、前記共通メッセージ情報が存在する旨を物品管理端末に通知し、前記メッセージ送信部は、物品管理端末から前記共通メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部から前記物品IDに対応付けられた前記共通メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末に送信するようにしてもよい。
【0009】
さらに、本発明の一態様として、個別メッセージ情報および共通メッセージ情報として多種多様な形式を採用するという課題を解決するために、前記個別メッセージ情報および前記共通メッセージ情報が、前記物品管理端末のカメラ機能を用いて撮影された写真データ、前記物品管理端末のカメラ機能を用いて撮影された動画データ、前記物品管理端末により取得されたPDF形式データ、前記物品管理端末の音声入力機能を用いて入力された音声データ、前記物品管理端末のテキスト入力機能を用いて入力されたテキストデータ、および前記物品管理端末に予め記憶された定型文から選択された定型テキストデータのうち少なくとも一つであってもよい。
【0010】
本発明に係る物品管理システムは、物品に装着されている識別コードを利用して次に物品を使用または管理する者へメッセージを確実に伝達するという課題を解決するために、前記物品管理サーバと、識別コードを読み取る識別コード読取手段およびメッセージ情報を表示可能な表示手段を備えた物品管理端末とを有する物品管理システムであって、前記物品管理端末は、前記識別コード読取手段によって読み取られた前記識別コードとともに前記物品管理端末が備えている機能を使用して取得したメッセージ情報を前記物品管理サーバに送信し、前記物品管理サーバは、受信したメッセージ情報を前記識別コードに対応付けた個別メッセージ情報および/または物品IDに対応付けた共通メッセージ情報としてメッセージ記憶部に記憶させる。
【0011】
また、本発明の一態様として、物品に装着されている識別コードを利用して次に物品を使用または管理する者へメッセージを確実に伝達するという課題を解決するために、前記物品管理端末は、前記識別コード読取手段によって読み取られた前記識別コードを前記物品管理サーバに送信し、前記物品管理サーバは、受信した前記識別コードに対して前記個別メッセージ情報が記憶されている場合および/または前記識別コードに係る物品IDに対して共通メッセージ情報が記憶されている場合に、前記メッセージ情報が存在する旨を前記物品管理端末に通知し、前記物品管理端末は、通知を受けた前記識別コードに対する前記個別メッセージ情報および/または前記物品IDに対する前記共通メッセージ情報を受け取る場合に、当該メッセージを受け取る指示を前記物品管理サーバに送信し、前記物品管理サーバは、前記メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合に、前記個別メッセージ情報および/または前記共通メッセージ情報を前記物品管理端末に送信するようにしてもよい。
【0012】
さらに、本発明の一態様として、個別メッセージ情報を任意の物品管理端末から取得するという課題を解決するために、前記物品管理端末は、前記物品管理サーバから前記個別メッセージ情報および/または前記共通メッセージ情報が存在する旨の通知を受けた場合には、前記メッセージ情報にアクセス可能な一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードを表示手段に表示し、前記物品管理サーバは、他の物品管理端末により前記一次元シンボル、前記二次元シンボルまたはカラーバーコードが読み取られてメッセージを受け取る指示を受信した場合には、その物品管理端末に前記個別メッセージ情報および/または前記共通メッセージ情報を送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、個々の物品に装着されている識別コードを利用して次に物品を使用または管理する者へメッセージを確実に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る物品管理システムの一実施形態を示す概念図である。
【
図2】本発明に係る物品管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態におけるID記憶部に記憶された各種データのイメージ図である。
【
図4】本実施形態におけるマスター情報記憶部に記憶された各種データのイメージ図である。
【
図5】本実施形態の物品管理端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態においてメッセージ登録時の物品管理端末の表示画面を示すスクリーンショット画像である。
【
図7】本実施形態において物品の情報とともにメッセージ通知アイコンおよび一次元シンボルを表示させた物品管理端末の表示画面を示すスクリーンショット画像である。
【
図8】本実施形態の物品管理システムを用いたメッセージ登録処理を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の物品管理システムを用いたメッセージ伝達処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る物品管理サーバ、物品管理プログラムおよび物品管理システムの一実施形態について図面を用いて説明する。
【0016】
本実施形態の物品管理システム1は、
図1に示すように、物品管理サーバ2と、この物品管理サーバ2にインターネット回線を介して接続された複数台の物品管理端末3とを有する。なお、本実施形態における物品管理システム1では、物品として手術器材を例に以下の説明を行う。
【0017】
本実施形態の物品管理サーバ2は、識別コードが装着されている物品を管理するために用いられるサーバであり、
図2に示すように、主に、物品管理プログラム2aや物品の管理に使用する各種データを記憶するサーバ記憶手段21と、このサーバ記憶手段21および物品管理端末3から各種データを取得して演算処理を実行するサーバ演算処理手段22とを有する。
【0018】
サーバ記憶手段21は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等によって構成されており、各種のデータを記憶するとともに、サーバ演算処理手段22が演算を実行する際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態におけるサーバ記憶手段21は、主に、物品管理プログラム2aを記憶するプログラム記憶部211とともに、ID記憶部212、マスター情報記憶部213およびメッセージ記憶部214を有する。
【0019】
プログラム記憶部211には、本実施形態の物品管理プログラム2aがインストールされている。そして、サーバ演算処理手段22が、前記手物品管理プログラム2aを実行し、後述する各構成部として機能させることにより、コンピュータを物品管理サーバ2として機能させるようになっている。
【0020】
なお、物品管理プログラム2aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、CD-ROMやUSBメモリ等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に物品管理プログラム2aを記憶させておき、この記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP(application service provider)方式等で利用してもよい。
【0021】
ID記憶部212は、
図3に示すように、物品に装着された識別コードに対応付けて物品の種別に割り当てられた物品IDを記憶している。
【0022】
識別コードは、物品の一つ一つを識別するための固有の識別子であり、2つとして同じ識別コードはない。よって、ID記憶部212には、管理を行う物品の数量分のデータが記憶されている。本実施形態における識別コードは、RFID(radio frequency identifier)、一次元シンボル、二次元シンボルおよびカラーバーコード等により表現される任意の文字および数字の組合せからなる。
【0023】
ここで、本実施形態における物品に装着される識別コードの装着形態について簡単に説明する。本実施形態における物品には、主に、RFIDが直接的に装着されている。また、RFIDを装着できない手術器材には、一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードが、インクによりプリントされているかまたはレーザー、ドットピン、エッチングまたはサンドブラスト等により刻み込まれている。
【0024】
なお、本実施形態では、ID記憶部212において識別コードを管理しているが、これに限定されるものではなく、ID記憶部212とは別にID記憶部212のID番号に対応付けて識別コードを管理する識別コード管理記憶部を備えていてもよい。このようにID記憶部212と識別コードを別に管理することにより、RFIDが故障した場合または二次元シンボル等が摩耗により読み取り不可になった場合に、識別コード管理記憶部において、故障したRFIDまたは摩耗した二次元シンボルの識別コードを、新たなRFIDまたは新たな二次元シンボルの識別コードに変更することだけで、他の記憶部の情報を変更する必要がなく便利である。
【0025】
物品IDは、物品の種別毎に割り当てられたIDである。つまり、同じ種別の物品には同じ物品IDが割り当てられる。例えば、
図3に示すように、識別コード「E00401503D4C9BA5」(ID番号「1」)に対応する物品IDと、識別コード「E00401502F133D30」(ID番号「2」)に対応する物品IDとは同じ「1」が割り当てられている。よって、これらの物品は同じ種別のものとして判別される。
【0026】
次に、マスター情報記憶部213について説明する。マスター情報記憶部213は、物品IDに対応付けられたマスター情報を記憶するものであり、本実施形態では、
図4に示すように、物品IDに対応付けてその物品名称を記憶している。例えば、物品ID「1」については、物品の名称として「ベックマン氏剪刀」が記憶されている。よって、
図3における識別コード「E00401503D4C9BA5」(ID番号「1」)および「E00401502F133D30」(ID番号「2」)に係る物品は、いずれも「ベックマン氏剪刀」ということになる。
【0027】
メッセージ記憶部214は、物品管理端末3から送信された個別メッセージ情報または共通メッセージ情報を記憶させるものである。本実施形態において個別メッセージ情報とは、個々の物品に関して他者に伝達したいメッセージのことであり、識別コードに対応付けて0件以上のメッセージ情報が記憶される。また、本実施形態における共通メッセージ情報とは、物品が属する種別(グループ)に関して他者に伝達したいメッセージのことであり、物品の種別毎に割り当てられた物品IDに対応付けて0件以上のメッセージ情報が記憶される。
【0028】
また、本実施形態において前記個別メッセージ情報および前記共通メッセージ情報は、メッセージとして伝達可能な形式から適宜選択されるものであるが、物品管理端末3が備えている機能を使用して容易に取得できるものが好ましい。例えば、前記物品管理端末3のカメラ機能を用いて撮影された写真データや動画データ、前記物品管理端末3によるpdf作成機能やダウンロードを実行するブラウザ機能を用いて取得されたPDF形式データ、前記物品管理端末3の音声入力機能を用いて入力された音声データ、前記物品管理端末3のテキスト入力機能を用いて入力されたテキストデータ、および前記物品管理端末3に予め記憶された定型文から選択された定型テキストデータが挙げられる。これらの形式に限定されるものではないが、適宜、適当な情報を選択すればよい。
【0029】
次に、サーバ演算処理手段22について説明する。サーバ演算処理手段22は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、サーバ記憶手段21にインストールされた物品管理プログラム2aを実行させることにより、
図2に示すように、物品管理サーバ2としてのコンピュータを、ID取得部221、物品情報送信部222、メッセージ管理部223、メッセージ通知部224およびメッセージ送信部225として機能させるようになっている。
【0030】
ID取得部221は、ID記憶部212から識別コードに対応する物品IDを取得するものである。本実施形態におけるID取得部221は、物品管理端末3から送信された識別コードとID記憶部212に記憶された識別コードとを照合し、一致する前記識別コードに対応付けられている物品IDを取得する。
【0031】
物品情報送信部222は、ID取得部221によって取得された物品IDに関する情報を物品管理端末3に送信するものである。本実施形態における物品情報送信部222は、マスター情報記憶部213に記憶された前記物品IDに対応する名称を物品管理端末3に送信するようになっている。
【0032】
メッセージ管理部223は、物品管理端末3から送信された個別メッセージ情報または共通メッセージ情報を受信し、前記各種メッセージ情報をメッセージ記憶部214に記憶させるものである。本実施形態におけるメッセージ管理部223は、物品管理端末3から送信されたメッセージ情報およびこのメッセージ情報を識別コードに対応付けて登録するか物品IDに対応付けて登録するかの登録対象情報を受信する。もし、登録対象が識別コードの場合には前記メッセージ情報を個別メッセージ情報として識別コードに対応付けてメッセージ記憶部214に記憶させる。一方、登録対象が物品IDの場合には前記メッセージ情報を共通メッセージ情報として物品IDに対応付けてメッセージ記憶部214に記憶させる。
【0033】
メッセージ通知部224は、物品管理端末3から送信された識別コードに係る物品に対して個別メッセージ情報または共通メッセージ情報が記憶されている場合に、各メッセージ情報が存在する旨を物品管理端末3に通知するものである。本実施形態におけるメッセージ通知部224は、物品管理端末3から送信された識別コードを受信し、メッセージ記憶部214に前記識別コードに対応付けられた個別メッセージ情報または前記識別コードに係る物品IDに対応付けられた共通メッセージ情報のいずれかが1件以上記憶されているか否かを判別し、いずれかのメッセージ情報が1件以上記憶されている場合には、前記物品管理端末3に対しメッセージ情報が添付されていることを通知する通知情報を送信する。
【0034】
メッセージ送信部225は、物品管理端末3から送信されたメッセージ情報の受け取りの指示を受けた場合、メッセージ記憶部214に記憶されている個別メッセージ情報または共通メッセージ情報を前記物品管理端末3に送信するものである。よって、メッセージ送信部225は、前記物品管理端末3から前記個別メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部214から前記識別コードに対応付けられた前記個別メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末3に送信する。または、メッセージ送信部225は、前記物品管理端末3から前記共通メッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部214から前記物品IDに対応付けられた前記共通メッセージ情報を読み出して前記物品管理端末3に送信する。あるいは前記物品管理端末3から個別メッセージ情報または共通メッセージ情報にかかわらずメッセージ情報を受け取る指示を受信した場合には、前記メッセージ記憶部214から前記識別コードおよび前記物品IDに対応付けられた個別メッセージ情報および共通メッセージ情報の全てを読み出して前記物品管理端末3に送信する。
【0035】
次に、本実施形態の物品管理端末3について説明する。本実施形態の物品管理端末3は、識別コードが装着されている物品を管理するために用いられる端末であり、
図5に示すように、主に、物品に関する情報等を表示する表示手段31と、この表示手段31と一体的に構成されたタッチパネル式の入力手段32と、写真または動画を撮影する撮影手段33と、音声を入力する音声入力手段34と、音声を出力する音声出力手段35と、識別コードを読み取る識別コード読取手段36と、物品管理端末用プログラム3aおよび物品の管理に用いられる各種データを記憶する端末記憶手段37と、物品管理端末3が備える前記各手段および物品管理サーバ2から各種データを取得して演算処理を実行する端末演算処理手段38とを有する。
【0036】
表示手段31は、物品に関する各種情報、ならびに、写真データ、動画データ、PDF形式データおよびテキストデータからなるメッセージ情報を表示させるものである。本実施形態における表示手段31は、タッチパネル式の液晶ディスプレイによって構成されており、入力手段32を兼ねている。
【0037】
入力手段32は、物品管理端末3を操作するユーザインターフェースであり、本実施形態では、各種メッセージ情報としてテキストデータを入力するテキスト入力機能または定型テキストデータを選択する選択操作機能として用いられる。本実施形態における入力手段32は、上述のとおり、表示手段31の画面部分と一体的に構成されたタッチパネルからなる。なお、入力手段32は、タッチパネルに限定されるものではなく、キーボード、マウス等によって構成されていてもよい。
【0038】
撮影手段33は、写真または動画を撮影するものであり、本実施形態では、各種メッセージ情報として写真データまたは動画データを撮影するカメラ機能として用いられるとともに、二次元シンボルやカラーバーコードを読み取る識別コード読取手段36としても用いられる。
【0039】
音声入力手段34は、音声を入力するものであり、本実施形態では、各種メッセージ情報として音声データまたは音声付きの動画データを入力する際の音声入力機能として用いられるものである。
【0040】
音声出力手段35は、各種メッセージ情報として音声付きの動画データまたは音声データを受信した場合にその音声を出力するものである。
【0041】
識別コード読取手段36は、RFID、一次元シンボル、二次元シンボルおよびカラーバーコードを読み取ることのできるものであり、RFIDを読み取るRFIDリーダー、一次元シンボルを読み取るバーコードスキャナ、二次元シンボルおよびカラーバーコードを読み取るカメラにより構成される。本実施形態では、パーソナルコンピュータからなる据置型の物品管理端末3においては識別コード読取手段36としてRFIDリーダーを備えており、小型コンピュータからなる携帯型の物品管理端末3においては識別コード読取手段36としてバーコードスキャナおよび撮影手段33と共通したカメラを備えている。
【0042】
次に、端末記憶手段37は、物品管理サーバ2のサーバ記憶手段21と同様に、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等によって構成されており、各種のデータを記憶するとともに、端末演算処理手段38が演算を実行する際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態における端末記憶手段37は、主に、物品管理端末用プログラム3aを記憶するプログラム記憶部371と、定型テキストデータを記憶する定型テキストデータ記憶部372とを有する。
【0043】
プログラム記憶部371には、本実施形態における物品管理端末用プログラム3aがインストールされている。そして、端末演算処理手段38が、前記物品管理端末用プログラム3aを実行し、後述する各構成部として機能させることにより、コンピュータを物品管理端末3として機能させるようになっている。
【0044】
なお、物品管理端末用プログラム3aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、CD-ROMやUSBメモリ等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に物品管理端末用プログラム3aを記憶させておき、この記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP方式等で利用してもよい。
【0045】
定型テキストデータ記憶部372は、各種メッセージ情報として繰り返し使用されるような定型文を定型テキストデータとして記憶している。
【0046】
次に、端末演算処理手段38は、物品管理サーバ2のサーバ演算処理手段22と同様に、CPU等から構成されており、端末記憶手段37にインストールされた物品管理端末用プログラム3aを実行させることにより、
図5に示すように、物品管理端末3としてのコンピュータを、識別コード取得部381、識別コード送信部382、表示制御部383、メッセージ取得部384、メッセージ登録指示送信部385、メッセージ受取指示送信部386およびメッセージ出力部387として機能させるようになっている。
【0047】
識別コード取得部381は、物品に装着された識別コードを取得するものであり、本実施形態では、識別コード読取手段36を介して物品に装着されたRFIDにより記憶されたテキストデータ、一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードのルールに従ったテキストデータを取得する。
【0048】
識別コード送信部382は、識別コード取得部381によって取得された識別コードを物品管理サーバ2に送信するものである。本実施形態における識別コード送信部382は、識別コード取得部381によって取得された識別コードを物品管理サーバ2に送信することで、物品管理サーバ2では前記識別コードに対応付けられた情報を送信する情報送信処理が実行される。
【0049】
表示制御部383は、物品を管理する上で必要となる情報を表示手段31に表示させるものである。例えば、物品に対してメッセージ情報を添付する場合には、表示制御部383は、
図6に示すように、複数のデータ形式選択アイコンを表示するとともに、紙飛行機をイメージした登録アイコンを表示するようになっている。
【0050】
また、表示制御部383は、物品管理サーバ2からメッセージ情報が添付されていることを通知する通知情報を受信した場合には、各種メッセージ情報にアクセス可能な一次元シンボルまたは二次元シンボル、あるいはカラーバーコードを生成し、
図7に示すように、物品の名称等の情報を表示させるとともに、飛脚をイメージしたメッセージ通知アイコンおよび生成した前記一次元シンボルまたは前記二次元シンボル、あるいは前記カラーバーコードを表示するようになっている。
【0051】
メッセージ取得部384は、ユーザからの入力操作等に応じて、識別コードに対応付けられた個別メッセージ情報または物品IDに対応付けられた共通メッセージ情報を取得するものである。本実施形態におけるメッセージ取得部384は、入力手段32、撮影手段33および音声入力手段34等を介して、メッセージ情報として写真データ、動画データ、PDF形式データ、音声データおよびテキストデータを取得するようになっている。
【0052】
メッセージ登録指示送信部385は、メッセージ取得部384により取得されたメッセージ情報を物品管理サーバ2に送信し、前記各種メッセージ情報の登録指示を行うものである。本実施形態におけるメッセージ登録指示送信部385は、メッセージ情報とともに、ユーザからの入力操作に応じて、識別コードに対応付けて登録するか、あるいは物品IDに対応付けて登録するかの登録対象情報を物品管理サーバ2に送信するようになっている。
【0053】
メッセージ受取指示送信部386は、物品に対してメッセージ情報が添付されている場合に、物品管理サーバ2に記憶されている各種メッセージ情報を受け取る指示を前記物品管理サーバ2に送信するものである。本実施形態におけるメッセージ受取指示送信部386は、表示制御部383によって表示されたメッセージ通知アイコンがクリックされた場合、または、表示手段31に表示された一次元シンボルや二次元シンボルあるいはカラーバーコードを他の物品管理端末3により読み取られた場合に、前記物品管理サーバ2にメッセージ情報を受け取る指示を送信する。ここで、メッセージ情報を受け取る指示は、個別メッセージ情報のみを受け取る指示、共通メッセージ情報のみを受け取る指示、または、前記識別コードおよび前記物品IDに対応付けられた個別メッセージ情報および共通メッセージ情報の両方を受け取る指示のいずれかを任意に選択することができる。
【0054】
メッセージ出力部387は、メッセージ受取指示送信部386によるメッセージ情報を受け取る指示に応じて物品管理サーバ2から送信されたメッセージ情報を受信し、前記メッセージ情報のデータ形式に応じて出力を行うものである。本実施形態におけるメッセージ出力部387は、メッセージ情報が写真データ、動画データ、PDF形式データおよびテキストデータの場合には表示手段31に表示させ、音声データおよび音声付き動画データの場合には音声出力手段35にその音声を出力させるようになっている。
【0055】
つぎに、本実施形態の物品管理システム1における各構成の作用について説明する。
【0056】
まずは、本実施形態の物品管理システム1を用いて、物品に対してメッセージ情報を登録するメッセージ登録処理について説明する。
【0057】
メッセージ登録処理は、
図8に示すように、まず、物品管理端末3において、識別コード取得部381が、前記識別コード読取手段36によって読み取られた識別コードを取得する(ステップS1)。次に、表示制御部383が、前記メッセージ情報を識別コードに対応付けて登録するか、それとも識別コードに係る物品IDに対応付けて登録するかの選択可能な登録対象選択ボタンを表示させる(ステップS2)。この選択ボタンにより対応付ける対象が選択されると、次に、表示制御部383が、
図6に示すように、添付するメッセージ情報のデータ形式を選択可能なデータ形式選択アイコンを表示手段31に表示させる(ステップS3)。
【0058】
次に、選択されたデータ形式選択アイコンに応じて物品管理端末3の備える各種手段を起動させる(ステップS4)。例えば、物品管理端末3は、データ形式として写真データまたは動画データが選択された場合には、カメラ機能を備えた撮影手段33を起動させる。また、物品管理端末3は、データ形式としてテキストデータまたは定型テキストデータが選択された場合には、テキスト入力機能を備えた入力手段32を起動させる。さらに、物品管理端末3は、データ形式としてPDF形式データが選択された場合には、PDF形式データを作成するプログラムまたはインターネット回線などを用いてダウンロードするためのブラウザなどを起動させる。
【0059】
そして、メッセージ取得部384が、物品管理端末3の各種手段における機能を用いて、メッセージ情報を取得する(ステップS5)。このように、ユーザにとって操作が慣れている物品管理端末3の機能を用いてメッセージ情報が取得できるため、容易にメッセージ情報の取得作業を行うことができる。
【0060】
次に、メッセージ登録指示送信部385は、表示手段31に表示されている登録アイコンが選択されると、メッセージ取得部384により取得されたメッセージ情報とともに、識別コードに対応付けて登録するか物品IDに対応付けて登録するかの登録対象情報を物品管理サーバ2に送信する(ステップS6)。
【0061】
これに対し、物品管理サーバ2では、メッセージ管理部223が、物品管理端末3から送信されたメッセージ情報とともに登録対象情報を受信する(ステップS7)。そして、メッセージ管理部223は、前記登録対象情報が識別コードであるか否かを判別する(ステップS8)。メッセージ管理部223は、前記対象情報が識別コードであると判別した場合には(ステップS8:YES)、前記メッセージ情報を個別メッセージ情報として前記識別コードに対応付けてメッセージ記憶部214に記憶させる(ステップS9)。一方、メッセージ管理部223は、前記登録対象情報が識別コードではないと判別した場合には(ステップS8:NO)、ID取得部221が、ID記憶部212から前記識別コードと一致するものを検索し、検索された識別コードに対応して記憶されている物品IDを取得する(ステップS10)。そして、メッセージ管理部223が、前記メッセージ情報を共通メッセージ情報として前記物品IDに対応付けてメッセージ記憶部214に記憶させる(ステップS11)。
【0062】
以上により、メッセージ登録処理が終了する。
【0063】
次に、本実施形態の物品管理システム1を用いたメッセージ伝達処理について説明する。本実施形態におけるメッセージ伝達処理は、本実施形態の物品管理システム1を用いて物品を管理する際の一連の流れとして処理される。よって、管理対象となる物品に装着された識別コードが物品管理端末3の識別コード読取手段36によって読み取られることでメッセージ伝達処理が開始される。
【0064】
物品管理端末3では、
図9に示すように、識別コード取得部381が、前記識別コード読取手段36によって読み取られた識別コードを取得する(ステップSS1)。次に、識別コード送信部382が、識別コード取得部381によって取得された識別コードを物品管理サーバ2に送信する(ステップSS2)。
【0065】
これに対し、物品管理サーバ2では、ID取得部221が、物品管理端末3から送信された識別コードを受信する(ステップSS3)。次に、ID取得部221が、ID記憶部212から前記識別コードと一致するものを検索し、検索された識別コードに対応して記憶されている物品IDを取得する(ステップSS4)。次に、ID取得部221は、マスター情報記憶部213に記憶されている物品IDに対応する名称を取得する(ステップSS5)。
【0066】
また、メッセージ通知部224は、メッセージ記憶部214に識別コードに対応付けられた個別メッセージまたは物品IDに対応付けられた共通メッセージが1件以上記憶されているか否かを判別する(ステップSS6)。具体的には、メッセージ通知部224は、メッセージ記憶部214にアクセスし、物品管理端末3から送信された識別コードと一致するものを検索し、一致するものが1件以上記憶されている場合は個別メッセージ情報があると判別する。また、メッセージ通知部224は、個別メッセージとは別に、物品IDと一致するものを検索し、一致するものが1件以上記憶されている場合は共通メッセージ情報があると判別する。よって、個々の物品に添付されたメッセージと、物品の種別に共通して添付されたメッセージとをそれぞれ分けて管理することができる。
【0067】
そして、前記個別メッセージまたは前記共通メッセージがあると判別された場合には(ステップSS6:YES)、物品情報送信部222が物品管理端末3に対して物品の情報を送信するとともに、メッセージ通知部224が物品管理端末3に対しメッセージが添付されていることを通知する通知情報を送信する(ステップSS7)。よって、識別コードを受信した場合には、いずれのメッセージ情報が記憶されていてもメッセージが添付されていることを物品管理端末3に通知することができる。
【0068】
一方、前記個別メッセージまたは前記共通メッセージがないと判別された場合には(ステップSS6:NO)、物品情報送信部222が、物品の情報のみを物品管理端末3に送信する(ステップSS8)。
【0069】
これに対し、物品管理端末3では、表示制御部383が、物品管理サーバ2から送信された情報を受信し、それらの情報を表示手段31に表示させる(ステップSS9)。具体的には、表示制御部383は、物品管理サーバ2から物品の情報のみを受信した場合には物品の情報のみを表示手段31に表示させる。一方、物品管理サーバ2から通知情報を受信した場合には、物品の情報とともに前記物品に対してメッセージが添付されていることを示すメッセージ通知アイコンを表示画面上に表示させる。この際、表示制御部383は、メッセージ通知アイコンに加えて、各種メッセージ情報にアクセス可能な一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードを生成して表示画面上に一緒に表示させてもよい。このように一次元シンボル等を一緒に表示した場合、例えば、デスクトップ型の物品管理端末3に表示し、スマートフォン等の携帯型の物品管理端末3でその一次元シンボル等を読み込んで別途、メッセージを受信することも可能となり、便利である。
【0070】
続いて、物品管理端末3のメッセージ通知アイコンがクリックされた場合には、メッセージ受取指示送信部386が、物品管理サーバ2に対してメッセージ情報を受け取る指示を送信する(ステップSS10)。本実施形態では、メッセージ通知アイコンがクリックされた場合には、前記識別コードおよび前記物品IDに対応付けられた個別メッセージ情報および共通メッセージ情報の両方を受け取る指示を送信する。なお、個別メッセージ情報と共通メッセージ情報をそれぞれ別個に選択して受信する指示を送れるように構成してもよい。
【0071】
これに対し、物品管理サーバ2では、メッセージ送信部225が、メッセージ情報を受け取る指示を受信する(ステップSS11)。そして、メッセージ送信部225が、メッセージ記憶部214から前記識別コードに対応付けられた個別メッセージ情報および物品IDに対応付けられた共通メッセージ情報を全て読み出して物品管理端末3に送信する(ステップSS12)。
【0072】
物品管理端末3では、メッセージ出力部387が、物品管理サーバ2から送信された個別メッセージ情報および共通メッセージ情報を受信し(ステップSS13)、各種メッセージ情報のデータ形式に応じた出力を行う(ステップSS14)。これにより、ユーザは物品管理端末3を介してメッセージ情報を受け取ることができる。
【0073】
また、図示しないが、携帯型の他の物品管理端末3を用いて物品管理端末3の表示手段31に表示された一次元シンボルまたは二次元シンボルあるいはカラーバーコードを読み取ることで、前記他の物品管理端末3から物品管理サーバ2にアクセスし、個別メッセージ情報および共通メッセージ情報を直接的に入手してもよい。
【0074】
以上により、メッセージ伝達処理が終了する。
【0075】
以上のような物品管理サーバ2、物品管理プログラム2aおよび物品管理システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
1.識別コードを単なる物品を識別するために利用するだけでなく、メッセージを登録する宛先として使用することができ、前記物品を後から使用する者に対して確実にメッセージを伝達することができる。
2.個々の物品に添付されたメッセージと、物品の種別に対して共通に伝達したいメッセージとをそれぞれ管理することができる。
3.一次元シンボルまたは二次元シンボルもしくはカラーバーコードによるメッセージ情報へのアクセスを可能にすることで、識別コードを読み取った物品管理端末3のみならず、例えば携帯型の他の物品管理端末3からも個別メッセージ情報または共通メッセージ情報を入手することができる。
4.スマートフォン等の携帯型通信端末が備えている機能を使って所望のメッセージを容易に送受信することができる。
【0076】
なお、本発明に係る物品管理サーバ、物品管理プログラムおよび物品管理システムは、前述した一実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、メッセージ通知アイコンは、個別メッセージ情報に対するものと、共通メッセージ情報に対するものをそれぞれ識別できるような異なるアイコンにして、それらのアイコンをクリック等された場合には、メッセージ送信部225それぞれのメッセージ情報のみ送信するようにしてもよい。また、メッセージ情報のデータ形式は例示したものに限定されるものではなく、次に物品を使用または管理する者へメッセージを伝達可能なデータ形式から適宜選択してもよい。さらに、メッセージ情報へのアクセスは、一次元シンボルまたは二次元シンボルもしくはカラーバーコードによるものに限定されるものではなく、URLなどの物品管理端末3によりアクセス可能なものからから適宜選択してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 物品管理システム
2 物品管理サーバ
2a 物品管理プログラム
3 物品管理端末
3a 物品管理端末用プログラム
21 サーバ記憶手段
22 サーバ演算処理手段
31 表示手段
32 入力手段
33 撮影手段
34 音声入力手段
35 音声出力手段
36 識別コード読取手段
37 端末記憶手段
38 端末演算処理手段
211 プログラム記憶部
212 ID記憶部
213 マスター情報記憶部
214 メッセージ記憶部
221 ID取得部
222 物品情報送信部
223 メッセージ管理部
224 メッセージ通知部
225 メッセージ送信部
371 プログラム記憶部
372 定型テキストデータ記憶部
381 識別コード取得部
382 識別コード送信部
383 表示制御部
384 メッセージ取得部
385 メッセージ登録指示送信部
386 メッセージ受取指示送信部
387 メッセージ出力部