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<図1>
  • 特許-車載情報端末 図1
  • 特許-車載情報端末 図2
  • 特許-車載情報端末 図3
  • 特許-車載情報端末 図4
  • 特許-車載情報端末 図5
  • 特許-車載情報端末 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】車載情報端末
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20220104BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220104BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20220104BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G08B27/00 A
G08B25/04 K
G01C21/34
G08G1/09 S
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017222879
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2019095914
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】593026627
【氏名又は名称】セルスター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 勇治
(72)【発明者】
【氏名】小箱 智
(72)【発明者】
【氏名】小野 幸範
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-203595(JP,A)
【文献】特開2016-004026(JP,A)
【文献】特開2010-064552(JP,A)
【文献】特開2014-120913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/00-27/00
G01C 21/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載情報端末であって、
緊急通報を受信する緊急通報受信部と、
避難場所の位置情報を記憶する避難場所記憶部と、
衛星からの電波信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した電波信号に基づき、前記車両の現在位置を取得する測位部と、
前記緊急通報の報知を行う報知部と、
前記緊急通報受信部が前記緊急通報を受信したとき、前記測位部が取得した前記車両の現在位置の近傍に位置する避難場所の位置情報を前記避難場所記憶部から検索し、当該検索の結果得られた避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する制御部と、を備え
前記制御部は、
前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報が津波警報である場合、前記検索の結果、前記現在位置から所定距離内に位置する避難場所が存在しないときは、前記現在位置よりも標高が高い場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する、車載情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報端末であって、
前記制御部は、前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報の内容に応じて、前記検索の結果得られた避難場所のうち、前記内容に適した避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する、車載情報端末。
【請求項3】
請求項2に記載の車載情報端末であって、
前記避難場所記憶部は、各避難場所の標高情報を位置情報と共に記憶し、
前記制御部は、
前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報が津波警報である場合、前記検索の結果得られた避難場所の中で最も標高が高い避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する、車載情報端末。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の車載情報端末であって、
前記車載情報端末は、前記車両から取り外し可能であり、
前記車載情報端末は、前記車両から取り外された状態のとき各部に電力を供給する蓄電器を有する、車載情報端末。
【請求項5】
請求項に記載の車載情報端末であって、
前記車載情報端末は、レーダー探知機であり、
前記レーダー探知機が前記車両から取り外された使用態様においては、前記レーダー探知機としての機能を停止させる、車載情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、GPS(Global positioning system)衛星からの信号に基づく位置情報を利用した様々なサービスが実用化されている。また、GPSとは別に、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の準天頂衛星システムである「みちびき」が知られている。みちびきはGPS衛星と一体で利用でき、GPSとみちびきを併用することで、安定した高精度測位を行うことが可能となる。みちびきに対応した受信機は比較的安価に調達することができるため、地理空間情報を高度に活用した位置情報ビジネスの発展が期待できる。
【0003】
一方、衛星を利用することで位置情報を取得できる他、防災危機管理を担う政府機関から、津波や地震、テロなど、災害危機管理情報の発令状況に関する情報(以下「緊急通報」という。)を送信するサービスが知られている。このサービスを利用することで、受信機が設置された場所では、いち早く緊急通報を受け取ることができる。
【0004】
屋外においては、街灯、信号機、自動販売機などに受信機を設置しておくことにより、災害発生時に緊急通報を受信し、その通報内容をスピーカーなどでアナウンスすることができる。これにより、海水浴やジョギング中の人など手ぶらで移動している人だけでなく、携帯電話やスマートフォンなど携帯端末を所持していない人、更には災害により携帯端末が不通となっている人に対しても通報内容を迅速に伝えることができる。
【0005】
また、学校、病院、図書館など、携帯電話の電源を切ることが求められる環境においては、衛星からの電波が届く窓際やバルコニー等に受信機を設置しておくことにより、緊急通報を受信してその通報内容を迅速に報知することができる。このように、様々な場所に受信機を設置しておくことにより、様々な場所で緊急通報を受信し報知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-232786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、緊急通報を受信し報知することができたとしても、その通報内容のみでは適切な判断が困難となる状況が想定される。特に緊急性の高い状況においては、人の判断力は低下する。このため、例えば、自動車の運転中に受信機が緊急通報を受信した場合、現在地からどこに向かうべきであるかをその緊急通報のみから適切に判断することは難しい。
【0008】
本発明は、緊急通報に応じた適切な避難誘導を行うことができる車載情報端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両に搭載される車載情報端末であって、
緊急通報を受信する緊急通報受信部と、
避難場所の位置情報を記憶する避難場所記憶部と、
衛星からの電波信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した電波信号に基づき、前記車両の現在位置を取得する測位部と、
前記緊急通報の報知を行う報知部と、
前記緊急通報受信部が前記緊急通報を受信したとき、前記測位部が取得した前記車両の現在位置の近傍に位置する避難場所の位置情報を前記避難場所記憶部から検索し、当該検索の結果得られた避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する制御部と、を備え
前記制御部は、
前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報が津波警報である場合、前記検索の結果、前記現在位置から所定距離内に位置する避難場所が存在しないときは、前記現在位置よりも標高が高い場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、緊急通報受信部が緊急通報を受信したとき、測位部が取得した車両の現在位置の近傍に位置する避難場所の位置情報を避難場所記憶部から検索し、当該検索の結果得られた避難場所への誘導情報を報知部が報知するため、緊急通報に応じた適切な避難誘導を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態の車載情報端末であるレーダー探知機の車室内設置例を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態の車載情報端末であるレーダー探知機の他の車室内設置例を示す概略図である。
図3図1及び図2に示したレーダー探知機の内部構成を示すブロック図である。
図4】制御部による避難誘導処理の流れを示すフローチャートである。
図5】制御部による避難地域特定処理の流れを示すフローチャートである。
図6】(a)は緊急通報受信画面の一例を示す図であり、(b)は避難警告画面の一例を示す図であり、(c)は検索中画面の一例を示す図であり、(d)は避難誘導画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態の車載情報端末としてレーダー探知機について図面を参照しながら説明する。レーダー探知機は、自動車等の車両の制限速度を遵守させるため、警告等を行って速度遵守を促す機能を備える。
【0013】
図1は、車室内に設けられた一実施形態のレーダー探知機を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態のレーダー探知機100は、車両のダッシュボードDBの上面に両面テープ等によって固着されたブラケットに保持されている。なお、レーダー探知機100は、図2に示すように、車両に備え付けのルームミラーRMの上下に挟み込んで固定されるミラー型であってもよい。なお、図1及び図2は符号の向きに見るものとし、前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をDとして示す。
【0014】
図3は、図1及び図2に示したレーダー探知機100の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、レーダー探知機100は、レーダー波検知部101と、信号受信部103と、加速度センサー105と、ジャイロセンサー107と、気圧センサー109と、データメモリ111と、ディスプレイ113と、スピーカー115と、一次記憶メモリ117と、緊急通報受信部119と、避難場所記憶部201と、測位部203と、地図記憶部205と、制御部207とを有する。レーダー探知機100には、車両のDC電源系に接続された図示しない電源ケーブルを介して電力が供給される。
【0015】
以下、レーダー探知機100が有する各構成要素について説明する。
【0016】
レーダー波検知部101は、レーダー式速度測定器や自動速度違反取締装置等から発射されたレーダー波を検知する。また、レーダー波検知部101は、検知したレーダー波の検波等を行って、レーダー波の検知信号を制御部207に送る。信号受信部103は、GPS衛星、静止衛星及び準天頂軌道衛星等の衛星からの電波信号を受信する。信号受信部103が受信した電波信号は制御部207に送られる。
【0017】
加速度センサー105は、レーダー探知機100を搭載した車両の走行加速度を検知する。加速度センサー105が検知した加速度を示す信号は制御部207に送られる。ジャイロセンサー107は、レーダー探知機100を搭載した車両の回転角速度を検知する。ジャイロセンサー107が検知した角速度を示す信号は制御部207に送られる。気圧センサー109は、レーダー探知機100周辺の気圧を検知する。気圧センサー109が検知した気圧を示す信号は制御部207に送られる。
【0018】
データメモリ111は、日本全国の緯度経度に対応した位置における道路交通情報と、高速道及び一般道の各道路の制限速度情報を記憶する。なお、「道路交通情報」とは、スピード違反取締機(オービス)として、固定式のレーダー式、速度計測機(計測用カメラ)、速度警告板、計測センサーとしてカメラとループセンサーを備えたループコイル式のもの、「NHシステム」、ステルス型、光電管式や赤外線式の計測センサーを使用して車が一定区間を通過する時間を計測して走行速度を割り出すもの、移動式のものにはパトロールカーの屋根に積載されるレーダー式の取締り機等の信号および設置位置を示す情報を言う。
【0019】
ディスプレイ113は、レーダー探知機100の設定画面や警告画面、待受画面、緊急通報受信画面、避難警告画面、避難誘導画面等を表示する。スピーカー115は、例えば図示しないスイッチの操作音や警告、緊急通報の内容、避難場所への誘導内容等の音声を出力する。一次記憶メモリ117は、ディスプレイ113に表示する映像等のデータを一時的に記憶するキャッシュメモリである。
【0020】
緊急通報受信部119は、例えば日本の準天頂衛星システムである「みちびき」から送信された緊急通報を受信する。緊急通報は、防災機関等が発令した緊急情報が、みちびきの管制局から準天頂衛星を介して送信される通報である。緊急通報には、地震、津波、洪水又は大規模火災等の緊急通報や、テロ等の危機管理情報、避難勧告などの発令状況等が含まれる。また、緊急通報は、対象となる地域の情報(都道府県、〇〇地方、〇〇沿岸、火山名、市区町村など情報の種類で異なる。)も含まれる。緊急通報受信部119が受信した緊急通報は制御部207に送られる。なお、緊急通報の受信は、「みちびき」の準天頂衛星から送信された通報に限られない。例えば、緊急通報受信部119は、携帯電話の基地局から送信された緊急通報を受信してもよい。
【0021】
避難場所記憶部201は、複数の避難場所の各位置情報及び各標高情報等を記憶するデータベースである。測位部203は、信号受信部103が受信した電波信号に基づき、レーダー探知機100を搭載した車両の現在位置を取得する。また、測位部203は、信号受信部103が受信した電波信号に基づき、現在位置の標高を取得する。測位部203が取得した現在位置及び当該現在位置の標高を示す情報は制御部207に送られる。地図記憶部205は、日本全国の道路地図の情報を記憶する。
【0022】
制御部207は、レーダー波検知部101からの検知信号に応じてディスプレイ113及び/又はスピーカー115を用いた警告を行う。すなわち、制御部207は、レーダー波検知部101がレーダー波を検知すると、レーダー波による取り締まりが行われている旨の警告画面をディスプレイ113に表示し、スピーカー115が警告音声を出力するよう制御する。また、制御部207は、信号受信部103からの電波信号又は加速度センサー105からの信号の時間変化に基づいて、レーダー探知機100を搭載した車両の走行速度を算出する。また、制御部207は、現在位置に関連した道路交通情報又は制限速度情報をデータメモリ111から取得した上で、当該取得した情報に応じた警告をディスプレイ113及び/又はスピーカー115を用いて行う。
【0023】
さらに、制御部207は、緊急通報受信部119が緊急通報を受信したとき、測位部204が取得した車両の現在位置が、緊急通報の対象地域に該当するか否かを判定する。そして、緊急通報の対象地域に該当した場合、測位部203が取得した車両の現在位置の近傍に位置する避難場所の位置情報を避難場所記憶部201から検索し、当該検索の結果得られた避難場所への誘導情報を、ディスプレイ113及び/又はスピーカー115を介して報知する。なお、対象地域の判定は、緊急通報の内容によって異なるようにする。例えば、緊急通報が地震の場合、震度や震源地からの距離等に応じて、対象地域の判定距離を設定するようにする。図4は、制御部207による避難誘導処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
図4に示すように、制御部207は、緊急通報受信部119が緊急通報を受信したか否かを常時監視し(ステップS101)、緊急通報を受信したと判断した場合(ステップS101でYes)、車両の現在位置が、緊急通報の対象地域に該当するか否かを判定する(ステップS102)。緊急通報の対象地域に該当した場合(ステップS102でYes)、その旨を示す音声をスピーカー115から出力する処理を行い(ステップS103)、さらに、その旨を示す緊急通報受信画面をディスプレイ113が表示する処理を行う(ステップS104)。図6(a)は、緊急通報受信画面の一例を示す図である。図6(a)に示す緊急通報受信画面G1には、「緊急通報を受信しました」という文字メッセージM1とともに、「!」記号を表したアラート図形Dが表示される。なお、ステップS103でスピーカー115から出力される音声は、ディスプレイ113に表示される文字メッセージM1と同一内容の音声でもアラート音でもよい。
【0025】
次に、制御部207は、緊急通報の内容を示しかつ避難を促す避難警告画面をディスプレイ113に表示させる処理を行う(ステップS105)。図6(b)は、避難警告画面の一例を示す図である。図6(b)に示す避難警告画面G2には、「××地域で震度6強の地震を検知しました 速やかに避難場所へ向かってください」という文字メッセージM2と共に、「!」記号を表したアラート図形Dが表示される。
【0026】
次に、制御部207は、避難場所を検索中である旨を示す検索中画面をディスプレイ113に表示させる処理を行う(ステップS106)。図6(c)は、検索中画面の一例を示す図である。図6(c)に示す検索中画面G3には、「現在地近傍の避難場所検索中!!」という文字メッセージM3が表示される。
【0027】
次に又はこれらの処理と同時に、制御部207は、図4に示すフローチャートにおけるサブルーチンである避難場所特定処理を実行する(ステップS107)。避難場所特定処理は、緊急通報の内容と車両の現在位置に応じた適切な避難場所を特定する処理である。図5は、制御部207による避難場所特定処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、制御部207は、測位部203が取得した車両の現在位置の近傍に位置する避難場所を避難場所記憶部201から検索する(ステップS171)。次に、制御部207は、ステップS171で行った検索の結果、現在位置から所定距離内に位置する避難場所(以下「該当避難場所」という。)が存在するか否か判断し(ステップS172)、該当避難場所が存在する場合はステップS173に進み、存在しない場合にはステップS181に進む。
【0028】
ステップS173では、制御部207は、該当避難場所が複数か1つかを判断し、1つの場合はステップS174に進み、複数の場合はステップS175に進む。ステップS174では、制御部207は、ステップS171での検索の結果得られた1つの該当避難場所を特定する。一方、ステップS175では、制御部207は、緊急通報が津波警報であるか否かを判定し、緊急通報が津波警報でない場合はステップS176に進み、津波警報である場合はステップS177に進む。ステップS176では、制御部207は、複数の該当避難場所のうち、現在位置から最も近い避難場所を特定する。ステップS177では、制御部207は、複数の該当避難場所のうち、最も標高が高い避難場所を特定する。なお、制御部207は、ディスプレイ113に複数の該当避難場所を表示させ、どの避難場所に誘導するかユーザに選択させるようにしてもよい。その場合、避難場所毎に現在地からの距離、方角等が一覧表示される。
【0029】
ステップS172でNoの場合(該当避難場所が存在しない場合)に進むステップS181では、制御部207は、緊急通報が津波警報であるか否かを判定し、緊急通報が津波警報でない場合は、所定距離を拡大して避難場所検索処理(ステップS171)を再度行い、津波警報である場合はステップS182に進む。ステップS182では、制御部207は、現在位置よりも標高が高い場所を避難場所として特定する。
【0030】
制御部207は、避難場所特定処理(ステップS107)を実行した後、ステップS106で特定した避難場所への誘導情報を報知する避難誘導情報報知処理を実行する(ステップS108)。ステップS108で行われる誘導情報の報知は、ディスプレイ113への避難誘導画面の表示及び/又はスピーカー115からの誘導情報の音声出力である。図6(d)は、避難誘導画面の一例を示す図である。図6(d)に示す避難誘導画面G4には、避難場所を含む地図とともに、「東方向○○m先、避難場所(△△公園)あり」という文字メッセージM4が表示される。このように、制御部207は、避難場所特定処理(ステップS107)で特定した避難場所を含む地図情報を地図記憶部205から読み出し、その地図情報と共に文字メッセージM4等の誘導情報をディスプレイ113に表示するよう処理する。
【0031】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記実施形態のレーダー探知機100は、車両のDC電源系に接続された図示しない電源ケーブルを介して電力が供給されるように構成されているが、図3に示した各構成要素に電力を供給可能な蓄電器を備え、車両から取り外し可能に構成されてもよい。この場合、レーダー探知機100が車両から取り外されると、蓄電器から各構成要素に電力が供給される。このようにレーダー探知機100が取り外し可能であれば、車を降りて避難場所へ避難する場合に、取り外したレーダー探知機100が報知する誘導情報を参照することができる。なお、車両から取り外した使用態様においては、蓄電器の電力消費を低減するために、スピード違反取り締まり情報や速度超過情報の表示といったレーダー探知機100としての本来の機能は停止させ、避難誘導装置としてのみレーダー探知機100を機能させることが好ましい。なお、蓄電器は、レーダー探知機100に内蔵されていてもよく、レーダー探知機100に外部接続されていてもよい。
【0032】
また、報知部としては、ディスプレイ113のみであってもよく、スピーカー115のみであってもよく、ディスプレイ113及びスピーカー115であってもよい。
【0033】
また、本明細書では、車載情報端末の一例としてレーダー探知機100を例に説明したが、例えば、ドライブレコーダー、カーナビゲーションシステムであってもよい。なお、ナビゲーションシステムの場合においては、例えば、VICSを受信することで現在の混雑状況を取得して、近傍の避難場所のみ算出するのではなく、最も短い時間で到着できる避難場所を算出するようにしてもよい。
【0034】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0035】
(1) 車両に搭載される車載情報端末であって、
緊急通報を受信する緊急通報受信部と、
避難場所の位置情報を記憶する避難場所記憶部と、
衛星からの電波信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した電波信号に基づき、前記車両の現在位置を取得する測位部と、
前記緊急通報の報知を行う報知部と、
前記緊急通報受信部が前記緊急通報を受信したとき、前記測位部が取得した前記車両の現在位置の近傍に位置する避難場所の位置情報を前記避難場所記憶部から検索し、当該検索の結果得られた避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する制御部と、を備えた、車載情報端末。
【0036】
(1)によれば、緊急通報受信部が緊急通報を受信したとき、測位部が取得した車両の現在位置の近傍に位置する避難場所の位置情報を避難場所記憶部から検索し、当該検索の結果得られた避難場所への誘導情報を報知部が報知するため、緊急通報に応じた適切な避難誘導を行うことができる。
【0037】
(2) (1)に記載の車載情報端末であって、
前記制御部は、前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報の内容に応じて、前記検索の結果得られた避難場所のうち、前記内容に適した避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する、車載情報端末。
【0038】
(2)によれば、緊急通報の内容に適した避難場所への誘導情報を報知部が報知するため、緊急通報の内容に応じた適切な避難誘導を行うことができる。
【0039】
(3) (2)に記載の車載情報端末であって、
前記避難場所記憶部は、各避難場所の標高情報を位置情報と共に記憶し、
前記制御部は、
前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報が津波警報である場合、前記検索の結果得られた避難場所の中で最も標高が高い避難場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する、車載情報端末。
【0040】
(3)によれば、緊急通報が津波警報である場合には、標高が高い避難場所への避難誘導を行うため、緊急通報の内容に応じた適切な避難場所への避難誘導を行うことができる。
【0041】
(4) (2)に記載の車載情報端末であって、
前記制御部は、
前記緊急通報受信部が受信した前記緊急通報が津波警報である場合、前記検索の結果、前記現在位置から所定距離内に位置する避難場所が存在しないときは、前記現在位置よりも標高が高い場所への誘導情報を前記報知部が報知するよう制御する、車載情報端末。
【0042】
(4)によれば、緊急通報が津波警報である場合に、現在位置から所定距離内に位置する避難場所がなくても、現在位置よりも標高が高い場所を避難場所として誘導するため、緊急通報の内容に応じた適切な避難場所への避難誘導を行うことができる。
【0043】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の車載情報端末であって、
前記車載情報端末は、前記車両から取り外し可能であり、
前記車載情報端末は、前記車両から取り外された状態のとき各部に電力を供給する蓄電器を有する、車載情報端末。
【0044】
(5)によれば、車載情報端末が車両から取り外されると蓄電器から各部に電力が供給されるため、車を降りて避難場所へ避難する場合に、取り外した車載情報端末が報知する誘導情報を参照することができる。
【0045】
(6) (5)に記載の車載情報端末であって、
前記車載情報端末は、レーダー探知機であり、
前記レーダー探知機が前記車両から取り外された使用態様においては、前記レーダー探知機としての機能を停止させる、車載情報端末。
【0046】
(6)によれば、避難場所への誘導時に、誘導に必要のない機能を停止させることで、蓄電器の消費電力を抑制することができる。
【符号の説明】
【0047】
100 レーダー探知機
101 レーダー波検知部
103 信号受信部
105 加速度センサー
107 ジャイロセンサー
109 気圧センサー
111 データメモリ
113 ディスプレイ
115 スピーカー
117 一次記憶メモリ
119 緊急通報受信部
201 避難場所記憶部
203 測位部
205 地図記憶部
207 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6