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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】発光玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/22 20060101AFI20220104BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220104BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A63H33/22 Z
A63H33/00 303Z
G09F13/18 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018044604
(22)【出願日】2018-03-12
(65)【公開番号】P2019154721
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】植田 真弘
(72)【発明者】
【氏名】福谷 泰明
(72)【発明者】
【氏名】浅野 真由
(72)【発明者】
【氏名】笹田 泰生
(72)【発明者】
【氏名】久田 将史
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-201719(JP,A)
【文献】特開2003-181159(JP,A)
【文献】実公昭51-002547(JP,Y1)
【文献】実開昭49-100699(JP,U)
【文献】特開平02-061693(JP,A)
【文献】特公平01-032992(JP,B2)
【文献】"電子工作探偵団",「子供の科学 2011年4月号」,日本,株式会社誠文堂新光社,2011年03月10日,第74巻,第4号,p.61-63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00-33/42
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の発光素子を有する発光部と、
光透過性であり、前記発光素子から出射された光と交わって前記光が入射する第1面と、前記第1面と交わる第2面と、を有しており、前記第2面に複数の凹部が形成されている可動部と、
を備え、
前記可動部は、前記複数の凹部が前記光を横切る方向に移動される発光玩具。
【請求項2】
請求項1記載の発光玩具であって、
前記複数の凹部は、一つ以上の群を構成しており、
一群の凹部は、前記可動部の移動方向及び前記光の進行方向に対して傾いた線上で間隔をあけて並んでいる発光玩具。
【請求項3】
請求項1記載の発光玩具であって、
前記可動部は、円環板状に形成されており、
前記発光部は、前記可動部の中心側に配置されており、
前記発光素子は、前記可動部の径方向に前記光を射出し、
前記第1面は前記可動部の内周面であり、前記第2面は前記可動部の軸方向一方側の端面であり、前記可動部は中心軸まわりに回転される発光玩具。
【請求項4】
請求項3記載の発光玩具であって、
前記複数の凹部は、一つ以上の群を構成しており、
一群の凹部は、前記可動部の中心軸から外径側に延びる渦巻き線上で間隔をあけて並んでいる発光玩具。
【請求項5】
請求項3又は4記載の発光玩具であって、
前記発光部は、複数の発光素子を有しており、
前記複数の発光素子は、前記可動部の周方向に間隔をあけて配置されている発光玩具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の発光玩具であって、
前記複数の凹部は、貫通孔である発光玩具。
【請求項7】
請求項1か6のいずれか一項記載の発光玩具であって、
前記発光素子は、点滅する発光玩具。
【請求項8】
請求項7記載の発光玩具であって、
前記発光素子は、多色に点滅する発光玩具。
【請求項9】
請求項7又は8記載の発光玩具であって、
識別情報を保持した副玩具が着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記副玩具の識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた識別情報に基づき、前記発光素子の点滅パターンを変化させる制御部と、
を備える発光玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された玩具は、透光性を有する円盤状のケースと、ケースの内部に回転自在に軸支された円盤状の回転体と、回転体を回転させる駆動手段を備える。回転体は複数の発光ダイオード(LED)と、回転体の回転を検出する検出手段と、LEDの発光を制御する制御手段とを有し、ケースの外部から操作可能な駆動手段によって回転体が回転されると、制御手段は検出手段の検出結果に基づいてLEDを発光させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-70555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の回転玩具では、LEDが回転体と一体に回転されており、LEDの発光を利用して多彩な演出を行うためには多数のLEDを要し、玩具が高価となる。また、LEDと、検出手段と、制御手段とが回転体に設けられており、さらにLED、検出手段及び制御手段に電力を供給する電池も回転体に設けられている。このため、回転体が重くなり、回転体の支持部及び駆動手段に負荷がかかり、耐久性の低下が懸念される。検出手段と、制御手段と、電池とがケースに設けられる場合に、回転体の重量は軽減され得るが、LEDに電力を供給するための配線に負荷がかかり、やはり耐久性の低下が懸念される。
【0005】
本発明は、耐久性に優れる発光玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光玩具は、一つ以上の発光素子を有する発光部と、光透過性であり、前記発光素子から出射された光と交わって前記光が入射する第1面と、前記第1面と交わる第2面と、を有しており、前記第2面に複数の凹部が形成されている可動部と、を備え、前記可動部は、前記複数の凹部が前記光を横切る方向に移動されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記複数の凹部は、一つ以上の群を構成しており、一群の凹部は、前記可動部の移動方向及び前記光の進行方向に対して傾いた線上で間隔をあけて並んでもよい。
【0008】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記可動部は、円環板状に形成されており、前記発光部は、前記可動部の中心側に配置されており、前記発光素子は、前記可動部の径方向に前記光を射出し、前記第1面は前記可動部の内周面であり、前記第2面は前記可動部の軸方向一方側の端面であり、前記可動部は中心軸まわりに回転されてもよい。
【0009】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記複数の凹部は、一つ以上の群を構成しており、一群の凹部は、前記可動部の中心軸から外径側に延びる渦巻き線上で間隔あけて並んでもよい。
【0010】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記発光部は、複数の発光素子を有しており、前記複数の発光素子は、前記可動部の周方向に間隔をあけて配置されてもよい。
【0011】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記複数の凹部は、貫通孔でもよい。
【0012】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記発光素子は、点滅してもよい。
【0013】
また、本発明に係る発光玩具においては、前記発光素子は、多色に点滅してもよい。
【0014】
また、本発明に係る発光玩具においては、識別情報を保持した副玩具が着脱可能に装着される装着部と、前記装着部に装着された前記副玩具の識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた識別情報に基づき、前記発光素子の点滅パターンを変化させる制御部と、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐久性に優れる発光玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態を説明するための、発光玩具の一例の斜視図である。
図2図1の発光玩具のII-II線断面図である。
図3図1の発光玩具の可動部の正面図である。
図4図1の発光玩具の駆動部の斜視図である。
図5図1の発光玩具の駆動部の動作を示す斜視図である。
図6図1の発光玩具の可動部が止まっている状態の演出の態様を示す模式図である。
図7図1の発光玩具の可動部が低速度で回転している状態の演出の態様を示す模式図である。
図8図1の発光玩具の可動部が中速度で回転している状態の演出の態様を示す模式図である。
図9図1の発光玩具の可動部が高速度で回転している状態の演出の態様を示す模式図である。
図10図1の発光玩具の変形例の機能ブロック図である。
図11図10の発光玩具に用いられる副玩具体の一例の斜視図である。
図12図10の発光玩具の装着部の拡大斜視図である。
図13】本発明の実施形態を説明するための、発光玩具の他の例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための、発光玩具の一例を示す。
【0018】
発光玩具1は、可動部101と、発光部102とを備える。可動部101は、光透過性であり、円環板状に形成されている。発光部102は複数の発光素子103を有する。発光素子103は、例えば発光ダイオード(LED)である。
【0019】
可動部101は、発光玩具1の筐体104に収容されている回転台105に固定されている。回転台105には、可動部101の中心軸に一致する回転軸106が設けられており、可動部101及び回転台105は、回転軸106を中心に回転可能に、筐体104によって支持されている。なお、可動部101と回転台105とは一体に形成されていてもよい。
【0020】
本例では、可動部101は手動操作によって回転され、筐体104には、操作部としての一対のハンドル107a,107bが設けられている。筐体104には、可動部101の軸方向一方側の端面である表面101bを視認可能とする開口部が設けられており、一対のハンドル107a,107bは、この開口部を左右から挟んで配置されており、左右方向に直線移動可能に、筐体104によって支持されている。
【0021】
発光部102はケース108に収容されており、ケース108は可動部101及び回転台105と非接触に可動部101の中心側に配置されている。ケース108は、可動部101の表面101b上でケース108と筐体104の開口部の縁との間に架け渡された一対の支持板109を介して筐体104に固定されている。発光素子103は、可動部101の径方向に光を射出するように配置されている。
【0022】
発光素子103から射出された光は、可動部101の内周面(第1面)101aに入射する。なお、発光素子103と可動部101の内周面101aとの間に介在しているケース108の周壁は、光透過性であるか又は開口部を有し、光が通過可能に構成されている。光が入射する内周面(第1面)101aと交わる可動部101の表面(第2面)101bには、複数の凹部110が形成されている。これらの凹部110は、可動部101の回転に伴って周方向に移動し、内周面101aに入射した光であって可動部101の内部を進む光を横切る。特に、本実施形態においては、これらの凹部110は、可動部101の回転に伴って周方向に移動し、内周面101aに入射した光であって可動部101の内部を進む光を表面101bと平行な平面に沿って横切るようになっている。
【0023】
図3は、凹部110の配置例を示す。
【0024】
図3に示す例では、複数の凹部110は複数の凹部群111を構成しており、一つの凹部群111に含まれる複数の凹部110は、可動部101の中心軸を中心とする渦巻き線L1上で間隔をあけて並んでいる。なお、凹部群111の数は限定されず、一つであってもよい。可動部101は、渦巻き線L1を外径側から内径側に辿った際の回転方向Aに回転される。
【0025】
図4及び図5は、可動部101を回転させる駆動部の一例を示す。
【0026】
上記のとおり、可動部101は手動操作によって回転され、操作部としての一対のハンドル107a,107bは、駆動部112に連結されている。駆動部112は、ラック113と、複数の中間ギア114a~114cと、可動部101の回転軸106に固定されている出力ギア115とを備える。
【0027】
ラック113は、一方のハンドル107aに固定されており、ハンドル107aと一体に移動される。なお、一方のハンドル107aと他方のハンドル107bとは、連結部材116を介して連結されており、互いに接近し又は離間するように連動する。したがって、他方のハンドル107bが操作された場合にも、ハンドル107bに連動してハンドル107aが移動し、ラック113はハンドル107aと一体に移動される。ラック113の直線移動は、ラック113と噛み合う中間ギア114aによって回転に変換される。そして、複数の中間ギア114a~114cによって適宜増速され、回転軸106に固定されている出力ギア115に伝達される。これにより、可動部101が回転される。
【0028】
ここで、一対のハンドル107a,107bが互いに離間するように操作された場合に、ラック113、複数の中間ギア114a~114c、及び出力ギア115が順次噛み合い、可動部101は回転方向A(図3及び図5参照)に回転される。一方、一対のハンドル107a,107bが互いに接近するように操作された場合には、複数の中間ギア114a~114cのうちの一つのギアが噛み合いから外れるように構成されている。例えば、中間ギア114cが、図示しないばねにより、隣り合う中間ギア114b及び出力ギア115と噛み合う方向に付勢され、且つ一対のハンドル107a,107bが互いに接近するように操作され場合の中間ギア114bの回転により、中間ギア114b及び出力ギア115との噛み合いから弾き出されるように構成される。一つの中間ギアが噛み合いから外れるこれにより、出力ギア115は空転し、可動部101は惰性によって回転方向Aに回転し続ける。
【0029】
なお、可動部101の回転は手動操作に限定されず、モータによって回転されてもよい。
【0030】
図6図9は、可動部101が止まっている状態から次第に回転速度を高めて回転される場合の演出の態様を模式的に示す。なお、以下では、発光部102の発光素子103は、間欠的に点灯されるものとする。
【0031】
図6は、可動部101が止まっている状態を示す。発光部102の発光素子103から射出された光は、可動部101の内周面(第1面)101aに入射し、適宜な配光角度で広がりながら可動部101の内部を径方向に進む。そして、可動部101の内部を径方向に進む光は、可動部101の表面(第2面)101bに設けられている凹部110のうち光路上に位置している凹部110において散乱される。これにより、光路上に位置している凹部110が発光しているように視認される。凹部110の形状は特に限定されず、半球状、円柱形状、円錐形状、多角柱形状、又は多角錐形状であってもよい。また、凹部110は、底を有する穴であってもよいし、貫通孔であってもよい。
【0032】
発光素子103の数は限定されないが、好ましくは、発光部102は、複数の発光素子103を備え、これらの発光素子103が可動部101の周方向に等間隔をあけて配置される。これにより、可動部101が止まっている状態であっても、例えば全ての凹部110を発光させることができ、演出の壮麗さを増すことができる。なお、可動部101が止まっている状態で発光させる凹部110は、凹部110の配置との関係で、発光素子103の数(間隔)及び配光角度によって適宜設定可能である。
【0033】
図7に示すとおり、可動部101が回転されると、残像効果により、各凹部110の発光は回転方向に延びて円弧状の帯117として視認される。そして、図8に示すように、可動部101の回転速度が高まるのに伴って円弧状の帯117の長さが延び、図9に示すように、円状の帯118として視認される。このように、可動部101の回転速度に応じて、凹部110の発光を利用した演出が多彩に変化する。
【0034】
本例では、一つの凹部群111に含まれる複数の凹部110が、渦巻き線L1上で間隔をあけて並んでおり、可動部101は、渦巻き線L1を外径側から内径側に辿った際の回転方向Aに回転される。したがって、図7及び図8に示すとおり、内径側の円弧状の光の帯117が、外径側の円弧状の光の帯117よりも回転方向Aに先行する。これにより、可動部101の回転を強調することができる。
【0035】
また、渦巻き線L1上で間隔をあけて並ぶ複数の凹部110は発光素子103に対して周方向にずれて配置される。これにより、外径側に配置される凹部110に到達する光が内径側に配置される凹部110によって減衰されることを防止でき、複数の凹部110が発光素子103に対して径方向に一直線に並ぶ場合に比べて、複数の凹部110の輝度を均一化できる。
【0036】
なお、発光素子103は、点灯期間中において、連続して点灯されてもよいし、点滅されてもよい。発光素子103が点滅されることにより、可動部101が低速度で回転されている場合には、点灯時の凹部110の発光が繋がって視認され、可動部101が高速度で回転されている場合には、点灯時の凹部110の発光が途切れて視認される。これにより、可動部101の回転速度の高まりを強調することができる。さらに、発光素子103が多色(例えば赤色と白色)に発光可能なものであり、多色に点滅されてもよい。この場合、円弧状の光の帯117および円状の帯118は発光素子103の発光色に応じた多色により構成される帯となる(例えば、発光素子103が赤色と白色に発光可能なものであれば、円弧状の光の帯117および円状の帯118は赤色部分と白色の部分が交互に連なったものとなる)ので、凹部110の発光を利用した演出をより多彩に変化させることができる。
【0037】
以上のように構成された発光玩具1によれば、発光素子103は、筐体104に対して回転される可動部101には設けられておらず、筐体104に固定的に設けられている。これにより、発光素子103に電力を供給するための配線を可動部101の回転に起因する負荷から解放し、耐久性を高めることができる。さらに、可動部101を軽量化でき、可動部101を回転可能に支持する筐体104の支持部及び可動部101を回転させる駆動部112にかかる負荷を軽減し、耐久性を高めることができる。そして、可動部101に設けられる凹部110の数及び配置によって、多数の発光素子103を用いずとも多彩な演出が可能であり、発光玩具を安価にできる。
【0038】
図10は、発光玩具1の変形例を示す。
【0039】
本変形例では、発光玩具1は、副玩具体2が保持する識別情報IDを用いて、凹部110の発光を利用した演出をより多彩に変化させる。
【0040】
発光玩具1は、副玩具体2が保持する識別情報IDを読み取る読取部120と、読取部120によって読み取られた識別情報IDに基づいて発光部102を動作させる制御部121とをさらに備える。
【0041】
制御部121は、記憶媒体122と、プロセッサ123とを有する。記憶媒体122は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であり、プロセッサ123によって実行されるプログラムと、発光素子103の点灯を制御する制御データとを記憶している。プロセッサ123は、記憶媒体122から制御データを読み出し、読み出した制御データに基づいて発光部102を動作させる。
【0042】
図11は、副玩具体2の一例を示す。
【0043】
副玩具体2は、識別情報を構成する少なくとも一つの要素を有する情報保持部125を備える。本例では、識別情報を構成する要素は、副玩具体2の表面に配置される突起126であり、突起126の配置パターンによって識別情報IDが構成される。
【0044】
図12は、図11に示した副玩具体2の識別情報IDを読み取る読取部120の構成を示す。
【0045】
発光玩具1は、識別情報IDを保持した副玩具体2が着脱可能に装着される装着部127を備える。本例では、装着部127は、発光部102を収容するケース108の正面に設けられている。副玩具体2の識別情報IDを読み取る読取部120は装着部127に設けられている。
【0046】
読取部120は、副玩具体2の突起126を検出する検出部128を有し、検出部128は、突起126によって押し下げ可能なスイッチ129を含む。副玩具体2が装着部127に装着された際に、副玩具体2の突起126はスイッチ129によって検出され、突起126の配置パターンに基づいて識別情報IDが読み取られる。
【0047】
制御部121のプロセッサ123は、読取部120によって読み取られた識別情報IDに対応する制御データを記憶媒体122から読み出し、読み出した制御データに基づいて発光部102を動作させ、可動部101の凹部110の発光を利用した演出を変化させる。演出の変化は、間欠的に点灯される発光素子103の点灯の周期の変化、発光素子103の点灯期間における点滅速度の変化を例示でき、発光素子103が多色に発光可能なものである場合には、さらに発光色の変化を例示できる。なお、副玩具体2における識別情報IDの保持態様及び識別情報IDの読み取り方法は、上記のものに限定されない。
【0048】
ここまで、可動部101が回転されるものとして説明したが、可動部101は回転されるものに限定されない。図13に示す例では、可動部201は、光透過性であり、矩形板状に形成されている。そして、可動部201は、表面201bと平行な矢印Bで示される方向に往復直線移動される。
【0049】
発光部202の発光素子203から射出された光は、可動部201の移動方向Bと略平行な側面(第1面)201aに入射する。光が入射する側面201aと交わる可動部201の表面(第2面)201bには、複数の凹部210が形成されている。これらの凹部210は、可動部201の往復直線移動に伴い、側面201aに入射した光であって可動部201の内部を進む光を横切る。特に本実施形態においては、これらの凹部210は、可動部201の往復直線移動に伴い、側面201aに入射した光であって可動部201の内部を進む光を表面201bに平行な平面に沿って横切るようになっている。
【0050】
可動部201が移動されると、残像効果により、各凹部210の発光は移動方向に延びる帯として視認される。そして、可動部201の移動速度が高まるのに伴って帯の長さが延びる。このように、可動部201の移動速度に応じて、凹部210の発光を利用した演出が多彩に変化する。
【0051】
なお、本例においても、複数の凹部210は、一つ凹部群を構成しており、これらの凹部210は、可動部201の移動方向B及び光の進行方向に対して傾いた線L2上で間隔をあけて並んでいる。これにより、発光素子203から離れて配置される凹部210に到達する光が発光素子203の近くに配置される凹部210によって減衰されることを防止でき、複数の凹部210の輝度を均一化できる。
【符号の説明】
【0052】
1 発光玩具
2 副玩具体
101 可動部
101a 可動部の内周面(第1面)
101b 可動部の表面(第2面)
102 発光部
103 発光素子
104 筐体
105 回転台
106 回転軸
107a,107b ハンドル
108 ケース
109 支持板
110 凹部
111 凹部群
112 駆動部
113 ラック
114a~114c 中間ギア
115 出力ギア
116 連結部材
117 光の帯
118 光の帯
120 読取部
121 制御部
122 記憶媒体
123 プロセッサ
125 情報保持部
126 突起
127 装着部
128 検出部
129 スイッチ
201 可動部
201a 可動部の側面(第1面)
201b 可動部の表面(第2面)
202 発光部
203 発光素子
210 凹部
A 回転方向
B 移動方向
ID 識別情報
L1 線
L2 線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13