(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
C25D 1/00 20060101AFI20220104BHJP
C25D 1/04 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C25D1/00 Z
C25D1/04
C25D1/00 311
(21)【出願番号】P 2018048389
(22)【出願日】2018-03-15
【審査請求日】2020-12-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「革新的新構造材料等研究開発、アルミニウム材新製造プロセス技術開発」の委託研究成果について、産業技術力強化法第19条の適用を受けようとする特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000107538
【氏名又は名称】株式会社UACJ
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】布村 順司
(72)【発明者】
【氏名】本川 幸翁
(72)【発明者】
【氏名】兒島 洋一
(72)【発明者】
【氏名】平藤 哲司
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正男
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-143784(JP,A)
【文献】特開平06-093490(JP,A)
【文献】特開平10-018076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00
C25D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム電解液に一部浸漬して回転するカソードドラムと、前記アルミニウム電解液に浸漬されているカソードドラムの周面に対向させ、その周面を囲むように配置された断面円弧状のアノードとの間に、前記アルミニウム電解液を供給し、直流電流を通電することにより前記カソードドラムの周面上にアルミニウムを電析させ、電析させたアルミニウムを前記カソードドラムから剥離して得られた電解アルミニウム箔を回収する電解アルミニウム箔の製造方法であって、
前記アルミニウム電解液が供給される前記カソードドラムの周面と前記アノードとの間に、前記カソードドラムの周面に対向し、かつ前記アルミニウム電解液に一部浸漬するように配置された補助カソードがさらに設けられており、かつ、
前記カソードドラムの浸漬深さに対する前記補助カソードの浸漬深さの比率が、1未満であることを特徴とする、電解アルミニウム箔の製造方法。
【請求項2】
前記補助カソードと前記カソードドラムとの第1極間距離が10mm以下
であり、
前記第1極間距離は、補助カソード-カソードドラム間の最短の直線距離が補助カソード-カソードドラム間の区間で一定になるよう補助カソードが配置されるときの、補助カソード-カソードドラム間の最短の直線距離である、請求項1に記載の電解アルミニウム箔の製造方法。
【請求項3】
前記補助カソードと前記アノードとの第2極間距離が5~30mm
であり、
前記第2極間距離は、補助カソード-アノード間の最短の直線距離が補助カソード-アノード間の区間で一定になるよう補助カソードが配置されるときの、補助カソード-アノード間の最短の直線距離である、請求項1または2に記載の電解アルミニウム箔の製造方法。
【請求項4】
前記カソードドラムの浸漬深さに対する前記補助カソードの浸漬深さの比率が、0.05~0.50である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電解アルミニウム箔の製造方法。
【請求項5】
前記アルミニウム電解液が、アルキルイミダゾリウムクロリド又はアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムとを含有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電解アルミニウム箔の製造方法。
【請求項6】
アルミニウム電解液を収容した電解槽と、
前記電解槽内で、前記アルミニウム電解液に一部浸漬し回転可能に支持されているカソードドラムと、
前記アルミニウム電解液に浸漬されているカソードドラムの周面に対向し、その周面を囲むように配置された断面円弧状のアノードと、
前記アルミニウム電解液が供給される前記カソードドラムの周面と前記アノードとの間に、前記カソードドラムの周面に対向し、かつ前記アルミニウム電解液に一部浸漬するように配置された補助カソードと、
前記カソードドラムと前記アノードとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記カソードドラム上に電析させたアルミニウムを剥離して得られた電解アルミニウム箔を巻き取る回収用ドラムと、
を有し、
前記カソードドラムの浸漬深さに対する前記補助カソードの浸漬深さの比率が、1未満である、電解アルミニウム箔の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置に関し、詳細には、生産効率が良好で、電解液中に部分的に浸漬したカソードの気液界面における電析不良が抑制された電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、自動車用やパソコン用のバッテリーとして、リチウムイオン電池の開発が進んでいる。リチウムイオン電池においては、電池容量の向上のためにアルミニウム箔が正極集電体として用いられている。
【0003】
アルミニウム箔は、従来、アルミニウム箔地を圧延することによって製造されている。このような圧延法によって製造されるアルミニウム箔の厚さは、通常は10μm程度が下限である。しかしながら、リチウムイオン電池の電池容量を更に高めて小型化するためには、できるだけ薄い、例えば5~10μmの厚さのアルミニウム箔を用いることが好ましい。また、アルミニウム箔の薄箔化に伴い、従来よりも機械的特性に優れたアルミニウム箔が求められている。このようなアルミニウム薄箔は圧延法によっても製造可能ではあるが、圧延工程の回数を多くする必要があるため製造コストが割高になるという問題があった。
【0004】
電解法でアルミニウム箔を製造する際、連続的に製造したアルミニウム箔を箔切れが生じることなく回収するためには、電析不良のないアルミニウム箔を製造する必要がある。このような電析不良を制御する手段として、電解銅箔を製造する方法ではあるものの、補助電極の使用が有効であることが知られている。
【0005】
例えば、特許文献1には、アノードの側壁に陰極ドラムに対面する補助分割アノードを配置し、アノードと補助分割アノードに供給する電気量を個別に制御して、銅箔の膜厚を制御する電解銅箔の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、陰極ドラム面に電解銅箔を製造する方法において、陽極の上部に補助陽極を設けることが開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1、2のいずれにおいても、電解銅箔の製造方法に関し、補助アノードによりガス発生に起因する欠点、銅箔の厚さを制御する技術であるため、補助カソードの使用、さらには電解アルミニウム箔の製造については開示されていない。
【0007】
一方、電解によりアルミニウムが析出される際の電析反応は、一般に以下(1)、(2)の反応で進行する。すなわち、電解によるアルミニウム箔の製造において、電解時にガスが発生せず、銅の電析反応よりも多くの電子が反応に寄与される。そのため、ガス発生に起因するカールやピンホールの影響よりも電解液の気液界面における電流線の集中に起因する電析不良の影響が顕著である。よって、補助電極を電解によるアルミニウム箔の製造方法に適用する場合、気液界面での電析不良の抑制に効果的な補助電極が求められる。
【0008】
カソード反応:4Al2Cl7
- + 3e- → Al + 7AlCl4
- (1)
アノード反応:Al + 7AlCl4
- → 4Al2Cl7
- + 3e- (2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2012-107266号公報
【文献】特許第4439081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、電解法で金属箔を製造する際、補助電極の使用が効果的であることが従来技術として知られているが、いずれも銅箔における知見であり、補助電極として補助アノードを活用するものである。そのため、反応機構の異なる電解アルミニウム箔の製造においては、補助電極として補助アノードの活用では気液界面での電析不良を抑制し、さらには隙間なく均一なアルミニウム箔を電解によって製造することが困難であった。また、通常、電解法によるアルミニウム箔は連続的に製造されるため、できる限り高い生産効率が望まれる。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、生産効率が良好で、電析不良が抑制された電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の態様は、アルミニウム電解液に一部浸漬して回転するカソードドラムと、前記アルミニウム電解液に浸漬されているカソードドラムの周面に対向させ、その周面を囲むように配置された断面円弧状のアノードとの間に、前記アルミニウム電解液を供給し、直流電流を通電することにより前記カソードドラムの周面上にアルミニウムを電析させ、電析させたアルミニウムを前記カソードドラムから剥離して得られた電解アルミニウム箔を回収する電解アルミニウム箔の製造方法であって、前記アルミニウム電解液が供給される前記カソードドラムの周面と前記アノードとの間に、前記カソードドラムの周面に対向し、かつ前記アルミニウム電解液に一部浸漬するように配置された補助カソードがさらに設けられており、前記カソードドラムの浸漬深さに対する前記補助カソードの浸漬深さの比率が、1未満である、電解アルミニウム箔の製造方法である。
【0013】
本発明の態様は、前記補助カソードと前記カソードドラムとの第1極間距離が10mm以下である、電解アルミニウム箔の製造方法である。
【0014】
本発明の態様は、前記補助カソードと前記アノードとの第2極間距離が5~30mmである、電解アルミニウム箔の製造方法である。
【0015】
本発明の態様は、前記カソードドラムの浸漬深さに対する前記補助カソードの浸漬深さの比率が0.05~0.50である、電解アルミニウム箔の製造方法である。
【0016】
本発明の態様は、前記アルミニウム電解液が、アルキルイミダゾリウムクロリド又はアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムとを含有する、電解アルミニウム箔の製造方法である。
【0017】
本発明の態様は、アルミニウム電解液を収容した電解槽と、
前記電解槽内で、前記アルミニウム電解液に一部浸漬し回転可能に支持されているカソードドラムと、
前記アルミニウム電解液に浸漬されている前記カソードドラムの周面に対向し、その周面を囲むように配置された断面円弧状のアノードと、
前記アルミニウム電解液が供給される前記カソードドラムの周面と前記アノードとの間に、前記カソードドラムの周面に対向し、かつ前記アルミニウム電解液に一部浸漬するように配置された補助カソードと、
前記カソードドラムと前記アノードとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記カソードドラム上に電析させたアルミニウムを剥離して得られた電解アルミニウム箔を巻き取る回収用ドラムと、
を有し、
前記カソードドラムの浸漬深さに対する前記補助カソードの浸漬深さの比率が、1未満である、電解アルミニウム箔の製造装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、電析不良が抑制された電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置を提供できる。本発明の態様によれば、アルミニウム電解液が供給されるカソードドラムの周面とアノードとの間に、カソードドラムの周面に対向し、かつアルミニウム電解液に一部浸漬するように配置された補助カソードがさらに設けられているため、電解液の気液界面における電析不良が抑制された電解アルミニウム箔を得ることができる。
【0019】
また、本発明の態様によれば、補助カソードとカソードドラムとの第1極間距離が10mm以下であることにより、補助カソードによる上記効果を十分に発揮することができ、隙間のない均一な電解アルミニウム箔を得ることができると共に、電解液の気液界面における電析不良をより抑制することができる。
【0020】
また、本発明の態様によれば、補助カソードとアノードとの第2極間距離が5~30mmであることにより、補助カソードによる上記効果を十分に発揮することができ、隙間のない均一な電解アルミニウム箔を得ることができると共に、電解液の気液界面における電析不良をより抑制することができる。
【0021】
さらに、本発明の態様によれば、カソードドラムの浸漬深さに対する補助カソードの浸漬深さの比率が、0.05~0.50であることにより、補助カソードによる上記効果を十分に発揮することができると共に、アルミニウムの電析をより良好な成膜速度で行うことができ、高い生産効率で電解アルミニウム箔を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置における補助カソードの機構を説明するための概略図である。
【
図2】
図2(A)は、本発明に係る電解アルミニウム箔の製造装置を示す概略図であり、
図2(B)は、実施例3において、
図2(A)中のカソードドラムの(a)~(d)の各部位の表面上に得られた電析物の外観を撮影した画像である。
【
図3】
図3は、比較例1において、カソードドラムの気液界面付近で得られた電析物の外観を撮影した画像であり、(e)はカソードドラム回転後に電析により得られた電析物、(f)はカソードドラム静止時の気液界面、(g)はカソードドラム静止時に電析により得られた電析物である。
【
図4】
図4は、
図3に示される電析物の表面をSEM観察したときの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
【0024】
本発明の実施形態である電解アルミニウム箔の製造方法は、電解によるアルミニウム箔を製造するために、適切な電解液、アノード、カソードドラム、補助カソードをそれぞれ用いて、適切な電析条件で電析を行ない、製造した電解アルミニウム箔を回収するものである。具体的には、
図1に示されるように、アルミニウム電解液3に一部浸漬して回転するカソードドラム1と、アルミニウム電解液3に浸漬されているカソードドラム1の周面に対向させ、その周面を囲むように配置された断面円弧状のアノード2との間に、アルミニウム電解液3を供給し、直流電流を通電することによりカソードドラム1の周面上にアルミニウム10を電析させ、電析させたアルミニウム10をカソードドラム1から剥離して、得られた電解アルミニウム箔を回収することにより、好ましくは連続的に、電解アルミニウム箔を製造する。本発明では、アルミニウム電解液3が供給されるカソードドラム1の周面とアノード2との間に、カソードドラム1の周面に対向し、かつアルミニウム電解液3に一部浸漬するように配置された補助カソード4がさらに設けられている。また、補助カソード4の浸漬深さがカソードドラム1の浸漬深さを超えないようにするため、カソードドラム1の浸漬深さに対する補助カソード4の浸漬深さの比率は、1未満である。この補助カソード4により、電解液の気液界面における電析不良が抑制された電解アルミニウム箔を製造することができる。尚、以下において、剥離前の電析させたアルミニウムを「アルミニウム膜」、剥離後の電析させたアルミニウムを「電解アルミニウム箔」と記す。アルミニウム膜とアルミニウム箔の特性は同等である。
【0025】
本発明の実施形態である電解アルミニウム箔の製造装置は、例えば、
図2(A)に示す構成を有する装置である。
図2(A)に示す製造装置100は、アルミニウム電解液3を収容した電解槽6と、電解槽6内で、アルミニウム電解液3に一部浸漬し回転可能に支持されているカソードドラム1と、アルミニウム電解液3に浸漬されているカソードドラム1の周面に対向し、その周面を囲むように配置された断面円弧状のアノード2と、アルミニウム電解液3が供給されるカソードドラム1の周面とアノード2との間に、カソードドラム1の周面に対向し、かつアルミニウム電解液3に一部浸漬するように配置された補助カソード4とを有する。
図2(A)に示されるように、カソードドラム1と補助カソード4は互いに離間して配置されており、同様に、アノード2と補助カソード4も互いに離間して配置されている。また、補助カソード4の浸漬深さがカソードドラム1の浸漬深さを超えないようにするため、カソードドラム1の浸漬深さに対する補助カソード4の浸漬深さの比率は1未満である。さらに、製造装置100は、カソードドラム1とアノード2との間に電圧を印加し、電極間に直流電流を通電するための電圧印加手段8と、カソードドラム1上に電析させたアルミニウム膜を剥離して得られた電解アルミニウム箔を巻き取る回収用ドラム9とを有している。電解槽6内には、アルミニウム電解液3を撹拌するための撹拌子7が備えられていてもよく、また、電解アルミニウム箔をより効率的に回収するため、電解アルミニウム箔を巻き取るための補助ロール11がさらに備えられていてもよい。さらに、製造装置100には、電解槽6の浴槽内の温度を調節する機構として、浴槽内の温度を測定する熱電対12と、測定した温度を表示するサーモスタッド13と、電解槽6の外から浴槽内を温めるラバーヒーター14を設けることもできる。また、製造装置100には、通常、外気と遮断された状況下で作業が可能となるようグローボックス15が備えられていてもよい。このような補助カソード4を備える製造装置により、電解液の気液界面における電析不良が抑制された電解アルミニウム箔を製造することができる。
【0026】
(電解)
次に、本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置において行われる電解について説明する。この電解は、アルミニウム電解液を入れた電解槽を用意し、アルミニウム電解液中にカソードと、アノードとなるアルミニウム板を対向させて配置し、両電極間に直流電流を通電することにより、カソードの表面上にアルミニウムを電析させるものである。本発明では、
図1及び
図2(A)に示されるように、カソードとしてのカソードドラム1の一部をアルミニウム電解液3に浸漬させ、このカソードドラム1の周面に対向するようにアノード2がアルミニウム電解液3中に配置されている。カソードドラム1とアノード2との電極間に直流電流を通電することにより、
図1に示されるように両電極間で電流線5が発生する。この電流線5は気液界面(
図1中、点線で示す)に集中するため、気液界面においてカソードドラム1が浸漬している領域(以下、「端部領域」ともいう)では、アルミニウム電解液3中に深く浸漬しているカソードドラム1の領域(以下、「中央領域」ともいう)に比べて、得られるアルミニウム膜に電析不良が生じる傾向がある。本発明では、カソードドラム1の周面とアノード2との間に、補助カソード4がさらに設けられており、この補助カソード4によりカソードドラム1の端部領域への電流線5の集中を防止する。これにより、電流線5の集中に起因する気液界面における電析不良が抑制された電解アルミニウム箔を製造することができる。
【0027】
(アルミニウム電解液)
一般的に、電解は水溶液中で行われる。しかしながら、アルミニウムの標準電極電位が-1.662 V vs. SHEであることから理解されるように、アルミニウムの電解を水溶液中で行っても水の電気分解が優先されてしまうため、通常はアルミニウムを水溶液から電析させることは不可能である。そのため、アルミニウムを電析させるアルミニウム電解液(以下、単に「電解液」ともいう)としては、アルミニウム塩との混合物としての溶融塩、或いは、アルミニウム塩を溶解した有機溶媒が用いられる。
【0028】
溶融塩は、無機系溶融塩と有機系室温型溶融塩に大別することができる。有機系室温型溶融塩のうち、例えば1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド(以下、「EMIC」ともいう)と塩化アルミニウム(以下、「AlCl3」ともいう)との混合物は、組成によっては融点が-50℃付近まで低下する。そのため、電解液に有機系室温型溶融塩を用いることで、より低温の環境でアルミニウムの電析を実施することができる。EMICに代えて、例えば1-ブチルピリジニウムクロリド(以下、「BPC」ともいう)を用いても、EMICと同様にアルミニウムの電析を実施することができる。このように、EMICのようなアルキルイミダゾリウムクロリドやBPCのようなアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムのようなアルミニウムハロゲン化物とを含有する有機系室温型溶融塩は、アルミニウム電析用の電解液として好適に用いることができる。電解液の粘度及び導電率の点からすると、電解液が、アルキルイミダゾリウムクロリド又はアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムとを含有することが好ましく、EMICと塩化アルミニウムとの組み合わせが最も好ましい。なお、EMICとAlCl3とのモル比(EMIC:AlCl3)、並びに、BPCとAlCl3とのモル比(BPC:AlCl3)は共に、2:1~1:2であることが好ましく、1:1~1:2であることがより好ましい。
【0029】
(添加剤)
上記溶融塩中に平滑剤として添加剤を使用することができる。例えばベンゼン、トルエン、キシレン、1,10-フェナントロリンなどが使用できる。中でも1,10-フェナントロリンは揮発せず、熱的安定性もあることから、添加剤として好ましい。1,10-フェナントロリンには無水物と水和物があるが、平滑剤としては水和物が有効である。濃度は、溶融塩中0.01~0.50g/Lであることが好ましく、0.10~0.25g/Lであることがより好ましい。濃度が0.01g/L未満では平滑化の効果がなく、0.50g/Lを超えると、形成されるアルミニウム膜が硬くなり過ぎ、脆いため、粗密性、剥離性に劣り、電解アルミニウム箔の回収が困難になる。
【0030】
(電析条件)
次に、電析条件について説明する。まず、電析温度、すなわち、電析における電解浴の温度は、20~100℃が好ましく、30~80℃がより好ましい。電析温度が20℃未満の低温の場合、電解浴の粘度及び抵抗が増大するため、最大電流密度が小さくなる。その結果、電析効率が低下し、アルミニウムの析出が不均一になり易いといった不具合が生ずる傾向がある。一方、電析温度が100℃を超えると、電解液中の塩化アルミニウムの揮発やEMI+カチオンの分解が顕著になり、電解液の組成が不安定になり易い。その結果、電析不良を招くと、電解アルミニウ箔が得られにくくなる。
【0031】
次に、電析条件としての直流電流の電流密度について説明する。電流密度は、好ましくは10~400mAcm-2、より好ましくは20~100mAcm-2である。電析速度は電流密度に対応するため、10mAcm-2未満では電析速度が遅過ぎて生産効率の低下を招きやすい。一方、電解浴の液抵抗の制約から電流密度400mAcm-2を超えることは難しく、例えば400mAcm-2を超えたとしても電析速度が大きくなり過ぎ、電解アルミニウム箔が不均一になり易い。
【0032】
(カソード)
本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置において、カソードとして用いられるカソードドラムには、チタン製、ステンレス製、ニッケル製、カーボン製等のカソードドラムが用いられることが好ましく、チタン製のカソードドラムの使用がより好ましい。チタン、ステンレス、ニッケルなどの金属から構成されるカソードドラムは、表面に緻密な自然酸化被膜を形成しているため、耐食性に優れている。その一方で、自然酸化被膜があることで電析により形成されたアルミニウム膜との密着性が緩和され、アルミニウム膜を剥離しやすくなる。また、カーボンのような非金属材料は金属であるアルミニウム膜との結合力が低いため、同様にアルミニウム膜との密着性が緩和され、アルミニウム膜を剥離しやすい。そのため、これらの材料から構成されるカソードドラムは、カソードとして適している。一方、カソードドラムの表面の一部に大きな凸凹が存在すると、アルミニウムの電析によりこの凹部内にアルミニウムが入り込む。そして、凹部内に形成されたアルミニウム膜を剥離する際に大きな剥離抵抗が発生し、これによって電解アルミニウム箔が破損したり、切断したりする場合がある。
【0033】
このような剥離抵抗は、カソードドラムの表面粗さによって影響を受ける。そのため、カソードドラムの表面粗さは、表面粗さを表わす指標として、算術平均粗さ(Ra)が0.10~0.40μmであることが好ましく、十点平均粗さ(Rz)が0.20~0.70μmであることがより好ましい。カソードドラムの表面粗さは、機械研磨又は電解研磨などにより調整することができる。カソードドラムの表面粗さを上記の範囲内に調整することにより、剥離抵抗が低減し、アルミニウム膜をカソードドラムから容易に剥離することができる。
【0034】
(補助カソード)
本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置において、補助カソードの材料には、カソードドラムと同様、チタン、ステンレス、ニッケル、カーボンなどを用いることができ、アルミニウムや銅といったカソードと異なる材料であっても導電性があれば使用できる。補助カソードとカソードドラムに使用する材料は同じであっても異なっていてもよいが、補助カソードは、カソードドラムのカソードと同様に通電させておくことで、補助カソードとアノード間で電流線が発生するが、通電されていないじゃま板として使用しても、気液界面においてある程度の電流線の集中を緩和することが可能である。
図1には、本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置における補助カソードの機構が示されており、補助カソード4に通電させると、補助カソード4上にもアルミニウム10が電析される。これにより、補助カソード4によりカソードドラム1の端部領域への電流線5の集中が防止され、電流線5の集中に起因する電析不良を抑制することができる。尚、
図1中、補助カソード4上に電析されるアルミニウム10は、便宜上「〇」で示す。
【0035】
補助カソードとカソードドラムとの第1極間距離は10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。第1極間距離が10mmより長いと、アノードから補助カソード-カソード間への電流線の回り込みが発生し、気液界面にもアルミニウムの電析が生じやすいため、補助カソードによる電流線の集中の抑制効果が十分に発揮されにくくなる。第1極間距離の下限値は、特に限定されるものではないが、物理的に補助カソードとカソードドラムとを離間させることができる距離として0.01mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。なお、第1極間距離は、補助カソード-カソードドラム間の最短の直線距離を意味し、この距離が補助カソード-カソードドラム間の区間で一定になるよう補助カソードが配置される。
【0036】
また、補助カソードとアノードとの第2極間距離は5~30mmであることが好ましく、10~20mmであることがより好ましい。第2極間距離が5mmより短いと、補助カソードへの電流線の集中が促進されやすく、本来カソードドラムの表面上に電析される分まで補助カソードの表面上にアルミニウムが電析されてしまう場合がある。この場合、補助カソードによる電流線の集中の抑制効果が十分に発揮されにくくなり、得られる電解アルミニウム箔は、所望の箔厚を得られにくく、島状の不均一な電析物になりやすい。一方、第2極間距離が30mmより長いと、アノードとカソードドラムと電極間の距離も長くなり、結果としてアノードで発生したAlイオンがカソードドラムに十分に供給されにくくなる。そのため、カソードドラムの表面では、所望とするアルミニウムの結晶核の発生(数)が少なくなる分アルミニウムの結晶核の成長が促進され、得られる電解アルミニウム箔は、隙間のある電析物となってしまうことがある。なお、第2極間距離は、補助カソード-アノード間の最短の直線距離を意味し、この距離が補助カソード-アノード間の区間で一定になるよう補助カソードが配置される。
【0037】
補助カソードは、電解液中に完全には浸漬しておらず、部分的に浸漬している。補助カソードの一部が電解液中に浸漬していることにより、カソードドラムの端部領域における電流線の集中を防止しつつ、中央領域におけるアルミニウムの電析を遮断することなく、アルミニウム膜が形成される。そのため、補助カソードの浸漬深さは、アルミニウムの電析に大きな影響を与える。本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置において、カソードドラムの浸漬深さに対する補助カソードの浸漬深さの比率は、1未満であり、0.05~0.50であることが好ましく、0.10~0.30であることがより好ましい。当該比率が1以上であると、浸漬されているカソードドラムの半分以上が補助カソードに囲まれるため、カソードドラムの表面上にアルミニウムを効率的に電析させることができなくなる。また、当該比率が0.05未満であると、電解液に浸漬する補助カソードの深さが足りず、電流線の集中を十分に抑制することができないことがあるため、下限値の0.05は、浸漬する補助カソードの深さとして十分な値として設定される。一方、当該比率が0.50を超えると、電流線の集中を抑制することはできるものの、補助カソードを電解液中に浸漬し過ぎてしまい、その分カソードドラムの表面上に電析すべきアルミニウムの相対量が減少してしまう傾向にある。このような場合、電析されるアルミニウム膜を所望の膜厚に調整するために成膜速度を減少させる必要があり、その結果、高い生産効率で電解アルミニウム箔の製造が達成しにくくなる。なお、ここでいう浸漬深さとは、電解液の気液界面から最も深い位置に浸漬しているカソードドラムの表面までの距離、電解液の気液界面から最も深い位置に浸漬し、かつ浸漬しているカソードドラムの表面と対向している補助カソードの表面までの距離を表す。
【0038】
(アノード)
本発明に係る電解アルミニウム箔の製造方法及び製造装置において、アノードにはアルミニウムを用いることが好ましい。アルミニウム製のアノードを使用することで、電析時に消費される電解液中のアルミニウムイオン(Alイオン)をアノードから補給することができる。アノードに使用するアルミニウムは、製造される電解アルミニウム箔の純度を低下させたくない場合、電解液中へ不純物の元素が混入されることを防止する観点から、純度が99.5%以上の純アルミニウムを使用することができ、また、アノード袋やフィルターをアノードの周囲に配置することで低グレードのアルミニウムを使用することもできる。また、任意の元素が混入されたアルミニウム製のアノードを使用することにより、電析時に共析させ、電解アルミニウム合金箔を製造することも可能である。
【0039】
(アルミニウム膜の剥離回収)
上記のようにして、カソードドラムの表面上に形成されたアルミニウム膜は、剥離して回収用ドラムに巻き付け、回収される。回収方法としては、例えば、最初にカソードドラムを停止させた状態で所定の膜厚にアルミニウム膜を成長させた後に電析を一旦中断し、カソードドラムを回転させ、露出したアルミニウム膜を剥離して回収用ドラムに貼り付け、積層させながら巻き取る方法や、剥離と同時に剥離片として回収する方法が挙げられる。なお、本発明によって得られる電解アルミニウム箔の厚さは、通常、1μm~20μmの広範囲にわたるが、用途によってその厚さを適宜選択すればよい。例えば、リチウムイオン電池の正極集電体として用いる場合には、10μm以下とするのが好ましい。
【実施例】
【0040】
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
<アルミニウム膜の形成>
以下の手順に従って、電析によりチタン製カソードドラムの表面上にアルミニウム膜を形成した。
【0042】
(実施例1~21、比較例1)
電解液として、EMIC:AlCl3=1:2のモル比で混合した溶融塩を使用した。電解槽にこの電解液を入れ、電解液中に、カソードとしてのチタン製カソードドラム(周面幅5mmまたは10mm、直径100mm)の下部が浸漬するように配置し、断面円弧状に加工したアノードとしての純度99.9%のアルミニウム板を、カソードドラムの下部の周面に対向するように配置し、カソードドラムとアノードとの電極間の距離が一定になるようにアルミニウム板を離間して配設した。また、離間したカソードドラムとアノードとの間に、チタン製の補助カソードを、カソードドラムの下部の周面に対向させつつ、電解液中に補助カソードの一部が浸漬するように配置した。実施例1~21において、カソードドラム、アノード、補助カソードの配置関係は表1に示す通りである。一方、比較例1では補助カソードを使用せず、カソードドラムとアノードとの電極間の距離が20mmとなるように各電極を配置した。そして、実施例1~21及び比較例1において、静置状態で電流密度40mAcm‐2で電析後のアルミニウム膜の膜厚が10μmとなるように直流電流を通電し、電解操作を行なうことにより、アルミニウムをチタン製カソードドラムの表面上に電析させ、アルミニウム膜を形成した。電析は表1に示す電解浴の温度で行った。その後、カソードドラムを回転させながら直流電流を通電し、連続的に電析を行った。電解液の撹拌はマグネチックスターラーを用いて撹拌した。
【0043】
(比較例2)
比較例2は、実施例4において、補助カソードを、アルミニウム製の補助アノードとした以外は同様の条件でアルミニウムの電析を行った。
【0044】
<電解アルミニウム箔の作製>
静置状態から90度以上カソードドラムを回転させたところで一度電析を中断し、カソードドラムの表面上に連続的な電析により形成させたアルミニウム膜を剥離した。次いで、巻取り側の回収用ドラムへ剥離したアルミニウム膜を固定したのち、電析を再開し、カソードドラム及び回収用ドラムを連続的に回転させながら電解アルミニウム箔を作製した。なお、アルミニウム膜の形成及び電解アルミニウム箔の作製における全ての操作は、水分濃度100ppm以下のAr雰囲気下で行った。
【0045】
巻取り側の回収用ドラムに巻き取った電解アルミニウム箔を回収し、試料とした。作製した電解アルミニウム箔の試料について、以下の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
【0046】
【0047】
<電解アルミニウム箔の外観観察>
回収した電解アルミニウム箔を目視で確認し、電析不良がなく電解アルミニウム箔が製造できた場合を「○」、回収した電解アルミニウム箔を光に透かしてみるとピンホールが確認できる程度の場合を「△」、電析不良により膜状の電析物が得られなかった場合を「×」とした。すなわち、「△」以上の評価であれば、電析不良が抑制されていると評価した。
【0048】
<電解アルミニウム箔の表面のSEM>
得られた電解アルミニウム箔をより詳細に観察するため、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(JEOL製、商品名:JSM-5510)で電解アルミニウム箔の表面を観察した。電析不良が抑制可能であった電解アルミニウム箔の中で、隙間なく均一な電析物が得られた場合を「○」、電析物に隙間が生じて下地の露出が観察された場合を「△」とした。尚、電解アルミニウム箔の外観観察で電析不良が抑制されていなかった場合は、SEM観察の評価も「×」とした。
【0049】
<電解アルミニウム箔の生産効率>
電析後のアルミニウム膜を10μmの厚さに調整する際、所望の成膜速度でアルミニウム膜を形成でき、高い生産効率で電解アルミニウム箔を作製できた場合を「〇」、所望の成膜速度よりも遅く、若干の生産効率の低下を招いた場合を「△」とした。尚、電解アルミニウム箔の外観観察で電析不良が抑制されていなかった場合は、所望量の電解アルミニウム箔が得られていないとして、生産効率の評価も「×」とした。すなわち、「△」以上の評価であれば、生産効率が良好であると評価した。
【0050】
補助カソードを使用した実施例1~21では、電解液の気液界面における電析不良が抑制された電解アルミニウム箔が得られた。また、所望とする成膜速度で効率よくアルミニウム膜が形成されたため、良好な生産効率で電解アルミニウム箔を作製することができた。例えば、実施例3においては、得られた電析物は、
図2(B)に示すように、カソードドラムの(a)~(d)のどの部位においても電析不良が生じておらず、隙間もなく均一であった。
【0051】
これに対して、比較例1では補助カソードを使用しなかったため、電析不良により膜状の電析物が得られず、また、気液界面における電析不良が生じた。そのときのカソードドラムの気液界面付近で得られた電析物の外観を
図3、この電析物のSEM画像を
図4に示す。
図3、4から、比較例1で得られた電析物は、気液界面を境に電析不良が生じていた。また、電析不良に伴い、カソードドラム上に析出せず、溶液中に脱離する回収できない電析物が増大したため、生産効率の低下も招いた。
【0052】
比較例2では、通電された補助アノードを使用したため、補助アノードはじゃま板としての機能も発揮せず、また、カソードドラムと補助アノードとの電極間距離と、カソードドラムとアノードとの電極間距離に差があるため、カソードドラムの端部領域は、中央領域に比べてより電流線が集中し、比較例1と同様、気液界面を境に電析不良が生じていた。また、電析不良に伴い、カソードドラム上に析出せず、溶液中に脱離する回収できない電析物が増大したため、生産効率の低下も招いた。
【0053】
また、実施例1~5と実施例18とを比較すると、実施例1~5では、ピンホールのない、より良好な電解アルミニウム箔が得られていることがわかる。よって、補助カソードとカソードドラムとの第1極間距離をより厳密に制御することにより、補助カソードとしての効果を十分に発揮することができると共に、隙間のない均一な電解アルミニウム箔を得ることができる。
【0054】
さらに、実施例4、6~9と実施例19~20とを比較すると、実施例4、6~9では、ピンホールのない、より良好な電解アルミニウム箔が得られていることがわかる。よって、補助カソードとアノードとの第2極間距離をより厳密に制御することにより、補助カソードとしての効果を十分に発揮することができると共に、隙間のない均一な電解アルミニウム箔を得ることができる。
【0055】
また、実施例4、10~13と実施例21とを比較すると、実施例4、10~13では、より良好な電解アルミニウム箔が得られていることがわかる。よって、カソードドラムの浸漬深さに対する補助カソードの浸漬深さの比率をより厳密に制御することにより、補助カソードとしての効果を十分に発揮することができると共に、アルミニウムの電析をより良好な成膜速度で行うことができ、高い生産効率で電解アルミニウム箔を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 カソードドラム
2 アノード
3 アルミニウム電解液
4 補助カソード
5 電流線
6 電解槽
7 撹拌子
8 電圧印加手段
9 回収用ドラム
10 アルミニウム
11 補助ロール
12 熱電対
13 サーモスタッド
14 ラバーヒーター
15 グローボックス
100 製造装置