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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】復旧状況判断装置及び復旧状況判断方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018059474
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019176547
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000102728
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊竹 淳一
(72)【発明者】
【氏名】荒井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】角谷 太郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲生
(72)【発明者】
【氏名】中峯 將行
(72)【発明者】
【氏名】有田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】長田 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】宮野 岳大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 麻央
【審査官】原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-25911(JP,A)
【文献】特開2012-133529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 11/00-11/66
21/00-22/10
35/00-35/06
G01V 1/00-99/00
G06F 17/60
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z 99/00
H02J 3/00-5/00
13/00
H03J 9/00-9/06
H04Q 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア内の各建物に設置されたスマートメータから定期的に取得される低圧電力使用量と高圧電力使用量を記憶する記憶部と、
前記エリア内で災害が発生した場合に、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量の波形と前記災害の発生後の電力使用量の波形の類似度を算出する算出部と、
前記算出された類似度に基づいて前記エリアの復旧状況を判断する第1判断部と、
前記判断された復旧状況を表示部に表示させる表示制御部と
を備える復旧状況判断装置。
【請求項2】
前記エリア内の避難所について、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量と前記災害の発生後の電力使用量を比較する第1比較部と、
前記エリア内の住宅について、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量と前記災害の発生後の電力使用量を比較する第2比較部と、
前記第1比較部による比較の結果と前記第2比較部による比較の結果に基づいて、前記エリア内の避難の実施状況を判断する第2判断部と
をさらに備え、
前記表示制御部はさらに、前記判断された避難の実施状況を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の復旧状況判断装置。
【請求項3】
前記エリア内の建物について電力使用量が取得されなかった場合であって、当該電力使用量が取得されなかったタイミングにおいて当該建物が停電状態でなかったときに、当該建物が損傷していると判断する第3判断部をさらに備え、
前記表示制御部はさらに、前記第3判断部による判断の結果を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の復旧状況判断装置。
【請求項4】
前記判断された復旧状況に基づいて災害支援策を判断する第4判断部をさらに備え、
前記表示制御部はさらに、前記判断された災害支援策を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の復旧状況判断装置。
【請求項5】
所定のエリア内の各建物に設置されたスマートメータから定期的に取得される低圧電力使用量と高圧電力使用量を記憶部に記憶するステップと、
前記エリア内で災害が発生した場合に、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量の波形と前記災害の発生後の電力使用量の波形の類似度を算出部が算出するステップと、
前記算出された類似度に基づいて前記エリアの復旧状況を第1判断部が判断するステップと、
前記判断された復旧状況を表示制御部が表示部に表示させるステップと
を含む復旧状況判断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生後の復旧状況を把握するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートメータを利用した防災システムが知られている。例えば、特許文献1には、スマートメータの測定装置が所定の閾値以上の震度を検出すると、電気等の供給を遮断して、二次災害の発生を防止するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-235458公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地震等の災害後の復興のためには、生活者の生活レベルがどの程度まで回復しているかをマクロ的な視点で把握する必要がある。なぜなら、被害状況や生活回復状況によって、必要な物資やサポートが異なるからである。しかし、従来は、避難していた人が帰宅し、生活が回復しているかどうかをマクロ的な視点で把握する方法が無く、感覚的に判断する他なかった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、災害発生後の復旧状況を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る復旧状況判断装置は、所定のエリア内の各建物に設置されたスマートメータから定期的に取得される低圧電力使用量と高圧電力使用量を記憶する記憶部と、前記エリア内で災害が発生した場合に、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量の波形と前記災害の発生後の電力使用量の波形の類似度を算出する算出部と、前記算出された類似度に基づいて前記エリアの復旧状況を判断する第1判断部と、前記判断された復旧状況を表示部に表示させる表示制御部とを備える。
【0007】
上記の復旧状況判断装置は、前記エリア内の避難所について、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量と前記災害の発生後の電力使用量を比較する第1比較部と、前記エリア内の住宅について、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量と前記災害の発生後の電力使用量を比較する第2比較部と、前記第1比較部による比較の結果と前記第2比較部による比較の結果に基づいて、前記エリア内の避難の実施状況を判断する第2判断部とをさらに備え、前記表示制御部はさらに、前記判断された避難の実施状況を前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
上記の復旧状況判断装置は、前記エリア内の建物について電力使用量が取得されなかった場合であって、当該電力使用量が取得されなかったタイミングにおいて当該建物が停電状態でなかったときに、当該建物が損傷していると判断する第3判断部をさらに備え、前記表示制御部はさらに、前記第3判断部による判断の結果を前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
上記の復旧状況判断装置は、前記判断された復旧状況に基づいて災害支援策を判断する第4判断部をさらに備え、前記表示制御部はさらに、前記判断された災害支援策を前記表示部に表示させてもよい。
【0010】
また、本発明に係る復旧状況判断方法は、所定のエリア内の各建物に設置されたスマートメータから定期的に取得される低圧電力使用量と高圧電力使用量を記憶部に記憶するステップと、前記エリア内で災害が発生した場合に、前記記憶部に記憶された電力使用量を参照して、前記災害の発生前の電力使用量の波形と前記災害の発生後の電力使用量の波形の類似度を算出部が算出するステップと、前記算出された類似度に基づいて前記エリアの復旧状況を第1判断部が判断するステップと、前記判断された復旧状況を表示制御部が表示部に表示させるステップとを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、災害発生後の復旧状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】復旧状況判断装置1の構成の一例を示すブロック図
図2】低圧データD1の一例を示す図
図3】低圧データ集約処理の一例を示すフローチャート
図4】計器の位置情報D2の一例を示す図
図5】停電データD3の一例を示す図
図6】生活パターンベース波形データD4の一例を示す図
図7】低圧エリア日集約データD5の一例を示す図
図8】低圧エリア30分集約データD6の一例を示す図
図9】低圧避難所日集約データD7の一例を示す図
図10】避難所情報D8の一例を示す図
図11】高圧データD9の一例を示す図
図12】高圧データ集約処理の一例を示すフローチャート
図13】計器の位置情報D10の一例を示す図
図14】高圧エリア日集約データD11の一例を示す図
図15】高圧エリア30分集約データD12の一例を示す図
図16】高圧避難所日集約データD13の一例を示す図
図17】低圧データ比較処理の一例を示すフローチャート
図18】低圧エリア比較データD14の一例を示す図
図19】高圧データ比較処理の一例を示すフローチャート
図20】高圧エリア比較データD15の一例を示す図
図21】避難所データ比較処理の一例を示すフローチャート
図22】避難所周辺比較データD16の一例を示す図
図23】計器状態比較処理の一例を示すフローチャート
図24】計器状態比較データD17の一例を示す図
図25】復旧状況表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態
本発明の一実施形態に係る復旧状況判断装置1について説明する。この復旧状況判断装置1は、各建物に設置されたスマートメータ(通信機能を備えた電力計)から取得される電力使用量を記録しておき、地震等の災害が発生すると、災害の発生前後の電力使用量を比較することにより、災害発生後の復旧状況を判断する装置である。具体的には、災害の発生前後で電力の使用パターンが類似する場合には復旧したと判断し、災害の発生前後で電力の使用パターンが類似しない場合には復旧していないと判断する。
【0014】
図1は、復旧状況判断装置1の構成の一例を示すブロック図である。復旧状況判断装置1は、CPU等のプロセッサと、図1に示す各種データを記憶するためのHDD等の記憶装置と、外部装置と通信するための通信装置と、キーボード等の入力装置と、LCD等の表示装置を備える。復旧状況判断装置1は、1又は複数のサーバにより構成される。この復旧状況判断装置1のプロセッサが、記憶装置に記憶されているプログラムを実行すると、図1に示す各機能が実現される。以下、各機能について説明する。なお、記憶装置に記憶されるプログラムは、インターネット等のネットワークや非一時的な記録媒体を介して頒布可能なプログラムである。
【0015】
低圧データ集約部11は、住宅等の建物(毎月の契約電力が、例えば50kW未満の建物)に設置されたスマートメータから定期的に取得される低圧電力の使用量データをエリアごとと避難所ごとに集約する。図2は、低圧データ集約部11により集約される低圧電力の使用量データの一例を示す図である。同図に示すデータは、低圧計器ID「xxxxxxx」により識別されるスマートメータにより、年月日「2017-05-17」に測定された電力使用量を1日48コマの30分単位で示している。また、同図に示す記号「P」は主キーを表している(他の図においても同様)。なお、以下の説明では、低圧電力の使用量データを単に「低圧データD1」と呼び、スマートメータを単に「計器」と呼ぶ。
【0016】
図3は、低圧データ集約部11により実行される低圧データ集約処理の一例を示すフローチャートである。
本処理のステップSa1において、低圧データ集約部11は、第1に、各計器についてエリアメッシュを特定する。具体的にはまず、計器から低圧データD1とともに取得される位置情報D2が正常値であるか否かを判定する。図4は、計器の位置情報D2の一例を示す図である。同図に示す位置情報D2は、低圧計器IDと緯度経度により構成される。上記の判定の結果、計器の緯度経度が正常値でない場合には、当該計器を「異常」と判定し、処理の対象外とする。一方、この判定の結果、計器の緯度経度が正常値である場合には、計器の緯度経度から125m、250m、500m及び1000mの各メッシュコードを算出する。算出された各メッシュコードは、後述するステップSa4においてエリアIDとして利用される。なお、メッシュサイズは任意に設定可能である。変形例として、行政区画をエリア単位としてもよい。
【0017】
第2に、低圧データ集約部11は、各計器の計器状態を判定する。具体的には、1日48コマの30分電力使用量を参照して計器状態を判定する。その際、1日48コマの30分電力使用量に欠測がなくすべて正常値である場合には、計器状態を「有効」と判定する。欠測はないが異常値が含まれる場合には、計器状態を「異常」と判定する。欠測があり、計器のIDが停電データD3に含まれている場合には、計器状態を「停電」と判定する。欠測があり、かつ計器のIDが停電データD3に含まれていない場合には、計器状態を「倒壊・損壊」と判定する。これは、建物が停電状態でないにもかかわらず計器からメータデータが取得できていないということは、当該建物が倒壊又は損壊している可能性が高いと考えられるからである。ここで、図5は、停電データD3の一例を示す図である。同図に示す停電データD3は、低圧計器ID「xxxxxxx」により識別される計器が、停電発生年月日時分「2017-05-17 02:30」から停電復旧年月日時分「2017-05-17 05:30」までの間、停電状態であったことを示している。
【0018】
次に、ステップSa2において、低圧データ集約部11は、各計器について生活パターンを判定する。具体的にはまず、1日48コマの30分電力使用量を基準化する。そして、基準化した30分電力使用量の波形と複数の生活パターンベース波形Dデータ4の各々とのユークリッド距離を算出し、最も距離の近い波形を特定する。この特定された波形が表す生活パターンが、計器の生活パターンと判定される。ここで、複数の生活パターンベース波形データD4には、例えば、早朝ピーク、昼ピーク、夜ピーク、朝夜ピーク、朝深夜ピーク、夕方深夜ピーク、ピークなし、空き室、事業所といった生活パターンを表す波形が含まれる。図6は、生活パターンベース波形データD4の一例を示す図である。同図に示すデータは、波形IDと1日48コマの30分電力使用量により構成される。
【0019】
次に、ステップSa3において、低圧データ集約部11は、各計器の計器種別を判定する。具体的にはまず、1日48コマの30分電力使用量を総計して日間電力使用量を算出する。そして、算出した日間電力使用量と、ステップSa2で判定した生活パターンに基づいて計器種別を判定する。その際、ステップSa2で判定した生活パターンが「空き室」である場合には、計器種別を「空き室」と判定する。ステップSa2で判定した生活パターンが「事業所」である場合には、計器種別を「事業所」と判定する。ステップSa2で判定した生活パターンが「空き室」と「事業所」以外である場合には、日間電力使用量を、計器種別ごとに設定される閾値と比較することにより、「空き室」、「単身世帯」、「複数世帯」及び「事業所」のいずれかに分類する。
【0020】
次に、ステップSa4において、低圧データ集約部11は、低圧データD1をエリアごとに集約する。具体的には第1に、エリア、日、計器種別及び生活パターンの組み合わせ単位で低圧データD1を集約する。図7は、この集約処理の結果生成される低圧エリア日集約データD5の一例を示す図である。同図に示すデータは、年月日「2017-05-17」に、エリアID「533900051」により識別されるエリアに属し、計器種別と生活パターンが各々「単身世帯」、「朝夜ピーク」と判定された計器の数を計器状態ごとに示している。また、同データは、有効計器と判定された計器の平均の日間電力使用量「3.567(kWh)」を示している。
【0021】
第2に、低圧データ集約部11は、エリア、30分コマ、計器種別及び生活パターンの組み合わせ単位で低圧データD1を集約する。図8は、この集約処理の結果生成される低圧エリア30分集約データD6の一例を示す図である。同図に示すデータは、年月日「2017-05-17」の30分コマ「00:00」に、エリアID「533900051」により識別されるエリアに属し、計器種別と生活パターンが各々「単身世帯」、「朝夜ピーク」と判定された計器の数を示している。また、同データは、計器群の平均の30分電力使用量「0.224(kWh)」を示している。
【0022】
次に、ステップSa5において、低圧データ集約部11は、低圧データD1を避難所ごとに集約する。より具体的には、避難所、日、計器種別及び生活パターンの組み合わせ単位で低圧データD1を集約する。図9は、この集約処理の結果生成される低圧避難所日集約データD7の一例を示す図である。同図に示すデータは、年月日「2017-05-17」に、避難所ID「yyyyyyyy」により識別される避難所から所定の距離内に位置し、計器種別と生活パターンが各々「単身世帯」、「朝夜ピーク」と判定された計器の数を計器状態ごとに示している。また、同データは、有効計器と判定された計器の平均の日間電力使用量「3.567(kWh)」を示している。本ステップにおいて低圧データD1が集約される単位となる避難所は、避難所情報D8に登録されている。図10は、避難所情報D8の一例を示す図である。同図に示す避難所情報D8は、避難所IDと、避難所に設置される計器の高圧計器IDと、施設種別により構成される。施設種別には、例えば、一時滞在施設、避難所(学校など)、避難場所、給水拠点、医療機関があり、施設種別により、低圧データD1が集約される範囲(例えば、半径距離)が変わる。
以上が、低圧データ集約処理についての説明である。
【0023】
次に、高圧データ集約部12は、オフィスや工場や学校等の法人建物(毎月の契約電力が、例えば50kW以上の建物)に設置された計器から定期的に取得される高圧電力の使用量データをエリアごとと避難所ごとに集約する。図11は、高圧データ集約部12により集約される高圧電力の使用量データの一例を示す図である。同図に示すデータは、高圧計器ID「xxxxxxx」により識別される計器により、年月日「2017-05-17」に測定された電力使用量を1日48コマの30分単位で示している。なお、以下の説明では、高圧電力の使用量データを単に「高圧データD9」と呼ぶ。
【0024】
図12は、高圧データ集約部12により実行される高圧データ集約処理の一例を示すフローチャートである。
本処理のステップSb1において、高圧データ集約部12は、各計器についてエリアメッシュを特定する。具体的にはまず、計器から高圧データD9とともに取得される位置情報D10が正常値であるか否かを判定する。図13は、計器の位置情報D10の一例を示す図である。同図に示す位置情報D10は、高圧計器IDと緯度経度により構成される。上記の判定の結果、計器の緯度経度が正常値でない場合には、当該計器を「異常」と判定し、処理の対象外とする。一方、この判定の結果、計器の緯度経度が正常値である場合には、計器の緯度経度から125m、250m、500m及び1000mの各メッシュコードを算出する。算出された各メッシュコードは、後述するステップSb2においてエリアIDとして利用される。
【0025】
次に、ステップSb2において、高圧データ集約部12は、高圧データD9をエリアごとに集約する。具体的には第1に、エリアと日の組み合わせ単位で高圧データD9を集約する。図14は、この集約処理の結果生成される高圧エリア日集約データD11の一例を示す図である。同図に示すデータは、年月日「2017-05-17」に、エリアID「533900051」により識別されるエリアに属する計器の数を示している。また、同データは、計器群の平均の日間電力使用量「34.123(kWh)」を示している。
【0026】
第2に、高圧データ集約部12は、エリアと30分コマの組み合わせ単位で高圧データD9を集約する。図15は、この集約処理の結果生成される高圧エリア30分集約データD12の一例を示す図である。同図に示すデータは、年月日「2017-05-17」の30分コマ「00:00」に、エリアID「533900051」により識別されるエリアに属する計器の数を示している。また、同データは、計器群の平均の30分電力使用量「2.224(kWh)」を示している。
【0027】
次に、ステップSb3において、高圧データ集約部12は、高圧データD9を避難所ごとに集約する。より具体的には、避難所と日の組み合わせ単位で高圧データD9を集約する。図16は、この集約処理の結果生成される高圧避難所日集約データD13の一例を示す図である。同図に示すデータは、年月日「2017-05-17」に、避難所ID「yyyyyyyy」により識別される避難所から所定の距離内に位置する計器の数を示している。また、同データは、計器群の平均の日間電力使用量「34.123(kWh)」を示している。本ステップにおいて高圧データD9が集約される単位となる避難所は、上述した避難所情報D8に登録されている。
以上が、高圧データ集約処理についての説明である。
【0028】
次に、低圧データ比較部13は、災害の発生後に、災害の発生前後で、低圧データD1の集約データ同士を比較する。
【0029】
図17は、低圧データ比較部13により実行される低圧データ比較処理の一例を示すフローチャートである。同図に示す処理は、エリアごとに実行される。
ステップSc1において、低圧データ比較部13は、処理対象のエリアについて、災害発生前の過去N日分の低圧エリア30分集約データD6と低圧エリア日集約データD5を抽出する。ここで、変数「N」は任意に設定可能である。
【0030】
次に、ステップSc2において、低圧データ比較部13は、ステップSc1で抽出した低圧エリア30分集約データD6を基に、平日の30分電力使用量の平均波形と休日の30分電力使用量の平均波形を生成する。
【0031】
次に、ステップSc3において、低圧データ比較部13は、ステップSc1で抽出した低圧エリア日集約データD5を基に、平日の平均の日間電力使用量と休日の平均の日間電力使用量を算出する。
【0032】
次に、ステップSc4において、低圧データ比較部13は、ステップSc1で抽出した低圧エリア日集約データD5を基に、災害発生日前日の計器種別ごとの計器数を特定する。
【0033】
次に、ステップSc5において、低圧データ比較部13は、ステップSc1で抽出した低圧エリア日集約データD5を基に、災害発生日前日の生活パターンごとの計器数を特定する。
【0034】
次に、ステップSc6において、低圧データ比較部13は、処理対象のエリアについて、災害発生後である本処理日前日の低圧エリア30分集約データD6と低圧エリア日集約データD5を抽出する。
【0035】
次に、ステップSc7において、低圧データ比較部13は、ステップSc2~Sc5で特定したデータとステップSc6で抽出したデータを比較する。具体的には第1に、ステップSc2で生成した30分電力使用量の平均波形と、ステップSc6で抽出した低圧エリア30分集約データD6が表す30分電力使用量の波形とのユークリッド距離を算出する。その際、本処理日前日が平日の場合は、平日の30分電力使用量の平均波形との間のユークリッド距離を算出し、本処理日前日が休日の場合は、休日の30分電力使用量の平均波形との間のユークリッド距離を算出する。
【0036】
第2に、低圧データ比較部13は、計器種別ごとに、ステップSc4で特定した計器数に対する、ステップSc6で抽出した低圧エリア日集約データD5が表す計器数の比率と差分を算出する。
【0037】
第3に、低圧データ比較部13は、生活パターンごとに、ステップSc5で特定した計器数に対する、ステップSc6で抽出した低圧エリア日集約データD5が表す計器数の比率と差分を算出する。
【0038】
第4に、低圧データ比較部13は、ステップSc3で算出した平均の日間電力使用量に対する、ステップSc6で抽出した低圧エリア日集約データD5が表す日間電力使用量の比率と差分を算出する。その際、本処理日前日が平日の場合は、平日の平均の日間電力使用量に対する比率と差分を算出し、本処理日前日が休日の場合は、休日の平均の日間電力使用量に対する比率と差分を算出する。
以上が、低圧データ比較処理についての説明である。
【0039】
図18は、低圧データ比較処理の結果生成される低圧エリア比較データD14の一例を示す図である。同図に示すデータは、エリアIDと、年月日と、災害発生前後の30分電力使用量の波形のユークリッド距離と、災害発生前後の計器種別ごとの計器数の比率及び差分と、災害発生前後の生活パターンごとの計器数の比率及び差分と、災害発生前後の日間電力使用量の比率及び差分により構成される。
【0040】
次に、高圧データ比較部14は、災害の発生後に、災害の発生前後で、高圧データD9の集約データ同士を比較する。
【0041】
図19は、高圧データ比較部14により実行される高圧データ比較処理の一例を示すフローチャートである。同図に示す処理は、エリアごとに実行される。
ステップSd1において、高圧データ比較部14は、処理対象のエリアについて、災害発生前の過去N日分の高圧エリア30分集約データD12と高圧エリア日集約データD11を抽出する。ここで、変数「N」は任意に設定可能である。
【0042】
次に、ステップSd2において、高圧データ比較部14は、ステップSd1で抽出した高圧エリア30分集約データD12を基に、平日の30分電力使用量の平均波形と休日の30分電力使用量の平均波形を生成する。
【0043】
次に、ステップSd3において、高圧データ比較部14は、ステップSd1で抽出した高圧エリア日集約データD11を基に、平日の平均の日間電力使用量と休日の平均の日間電力使用量を算出する。
【0044】
次に、ステップSd4において、高圧データ比較部14は、処理対象のエリアについて、災害発生後である本処理日前日の高圧エリア30分集約データD12と高圧エリア日集約データD11を抽出する。
【0045】
次に、ステップSd5において、高圧データ比較部14は、ステップSd2及びSd3で特定したデータとステップSd4で抽出したデータを比較する。具体的には第1に、ステップSd2で生成した30分電力使用量の平均波形と、ステップSd4で抽出した高圧エリア30分集約データD12が表す30分電力使用量の波形とのユークリッド距離を算出する。その際、本処理日前日が平日の場合は、平日の30分電力使用量の平均波形との間のユークリッド距離を算出し、本処理日前日が休日の場合は、休日の30分電力使用量の平均波形との間のユークリッド距離を算出する。
【0046】
第2に、高圧データ比較部14は、ステップSd2で算出した平均の日間電力使用量に対する、ステップSd4で抽出した高圧エリア日集約データD11が表す日間電力使用量の比率と差分を算出する。その際、本処理日前日が平日の場合は、平日の平均の日間電力使用量に対する比率と差分を算出し、本処理日前日が休日の場合は、休日の平均の日間電力使用量に対する比率と差分を算出する。
以上が、高圧データ比較処理についての説明である。
【0047】
図20は、高圧データ比較処理の結果生成される高圧エリア比較データD15の一例を示す図である。同図に示すデータは、エリアIDと、年月日と、災害発生前後の30分電力使用量の波形のユークリッド距離と、災害発生前後の日間電力使用量の比率及び差分により構成される。
【0048】
次に、避難所データ比較部15は、災害の発生後に、災害の発生前後で、避難所の高圧データD9同士を比較するとともに、低圧避難所日集約データD7同士を比較する。
【0049】
図21は、避難所データ比較部15により実行される避難所データ比較処理の一例を示すフローチャートである。同図に示す処理は、避難所ごとに実行される。
【0050】
ステップSe1において、避難所データ比較部15は、処理対象の避難所について、災害発生日前日の高圧データD9を抽出し、1日48コマの30分電力使用量を総計して日間電力使用量を算出する。
【0051】
次に、ステップSe2において、避難所データ比較部15は、処理対象の避難所について、災害発生後である、本処理日前日の高圧データD9を抽出し、1日48コマの30分電力使用量を総計して日間電力使用量を算出する。
【0052】
次に、ステップSe3において、避難所データ比較部15は、ステップSe1で算出した災害発生日前日の日間電力使用量に対する、ステップSe2で算出した本処理日前日の日間電力使用量の比率と差分を算出する。
【0053】
次に、ステップSe4において、避難所データ比較部15は、処理対象の避難所について、災害発生日前日の低圧避難所日集約データD7を抽出する。
【0054】
次に、ステップSe5において、避難所データ比較部15は、処理対象の避難所について、災害発生後である、本処理日前日の低圧避難所日集約データD7を抽出する。
【0055】
次に、ステップSe6において、避難所データ比較部15は、処理対象の避難所について、ステップSe4で抽出したデータに含まれる災害発生日前日の日間電力使用量に対する、ステップSe5で抽出したデータに含まれる本処理日前日の日間電力使用量の比率と差分を算出する。
以上が、避難所データ比較処理についての説明である。
【0056】
図22は、避難所データ比較処理の結果生成される避難所周辺比較データD16の一例を示す図である。同図に示すデータは、避難所IDと、年月日と、災害発生前後の避難所の日間電力使用量の比率及び差分と、災害発生前後の避難所周辺の日間電力使用量の比率及び差分により構成される。
【0057】
次に、計器状態比較部16は、災害の発生後に、災害の発生前後で、計器状態ごとの計器数を比較する。
【0058】
図23は、計器状態比較部16により実行される計器状態比較処理の一例を示すフローチャートである。同図に示す処理は、エリアごとに実行される。
ステップSf1において、計器状態比較部16は、処理対象のエリアについて、災害発生日前日の低圧エリア日集約データD5を抽出する。
【0059】
次に、ステップSf2において、計器状態比較部16は、処理対象のエリアについて、災害発生後である、本処理日前日の低圧エリア日集約データD5を抽出する。
【0060】
次に、ステップSf3において、計器状態比較部16は、ステップSf1で抽出したデータに含まれる計器数に対する、ステップSf2で抽出したデータに含まれる計器数の比率と差分を、計器状態ごとに算出する。具体的には第1に、災害発生日前日の有効計器数に対する、本処理日前日の有効計器数の比率と差分を算出する。第2に、災害発生日前日の停電計器数に対する、本処理日前日の停電計器数の比率と差分を算出する。第3に、災害発生日前日の倒壊・損壊計器数に対する、本処理日前日の倒壊・損壊計器数の比率と差分を算出する。第4に、災害発生日前日の異常計器数に対する、本処理日前日の異常計器数の比率と差分を算出する。
以上が、計器状態比較処理についての説明である。
【0061】
図24は、計器状態比較処理の結果生成される計器状態比較データD17の一例を示す図である。同図に示すデータは、エリアIDと、年月日と、災害発生前後の計器状態ごとの計器数の比率及び差分により構成される。
【0062】
次に、復旧状況判断部17は、災害の発生後に、災害の発生前後のデータを比較することにより、各エリアの復旧状況を判断する。具体的には、以下のいずれかの手法により、復旧レベルを判断する。使用する判断手法は、任意に選択可能である。
(1)低圧エリア比較データD14に含まれるユークリッド距離を、生活パターン(又は生活水準)の復旧レベルごとに設定される閾値と比較することにより、生活パターンの復旧レベルを判定する。判定される復旧レベルは、ユークリッド距離が近いほど高くなる。
(2)低圧エリア比較データD14に含まれる日間電力使用量の比率(又は差分)を、生活パターン(又は生活水準)の復旧レベルごとに設定される閾値と比較することにより、生活パターンの復旧レベルを判定する。判定される復旧レベルは、比率の値が大きいほど(差分が小さいほど)高くなる。
(3)高圧エリア比較データD15に含まれるユークリッド距離を、事業活動の復旧レベルごとに設定される閾値と比較することにより、事業活動の復旧レベルを判定する。判定される復旧レベルは、ユークリッド距離が近いほど高くなる。
(4)高圧エリア比較データD15に含まれる日間電力使用量の比率(又は差分)を、事業活動の復旧レベルごとに設定される閾値と比較することにより、事業活動の復旧レベルを判定する。判定される復旧レベルは、比率の値が大きいほど(差分が小さいほど)高くなる。
(5)避難所周辺比較データD16に含まれる避難所の日間電力使用量の比率(又は差分)と、同データに含まれる避難所周辺の日間電力使用量の比率(又は差分)の組を、避難の実施レベルごとに避難所の日間電力使用量の比率(又は差分)と避難所周辺の日間電力使用量の比率(又は差分)の組を格納するテーブルと照合することにより、避難の実施レベルを判定する。判定される避難の実施レベルは、避難所の日間電力使用量の比率の値が大きく(差分が正であり大きく)、避難所周辺の日間電力使用量の比率が小さい(差分が大きい)場合には、高くなる。反対に、避難所の日間電力使用量の比率の値が小さく(差分が負であり大きく)、避難所周辺の日間電力使用量の比率の値が大きい(差分が小さい)場合には、低くなる。
(6)低圧エリア比較データD14に含まれる空き室の計器数の比率(又は差分)を、避難の実施レベルごとに設定される閾値と比較することにより、避難の実施レベルを判定する。判定される避難の実施レベルは、比率の値が大きいほど(差分が正であり大きいほど)高くなる。
(7)計器状態比較データD17に含まれる倒壊・損壊計器数の比率(又は差分)を、建物の復旧レベルごとに設定される閾値と比較することにより、建物の復旧レベルを判定する。判定される復旧レベルは、比率の値が大きいほど(差分が小さいほど)高くなる。
【0063】
次に、表示制御部18は、復旧状況判断部17によりエリアごとに判断された復旧状況を表示装置に表示させる。図25は、表示装置に表示される復旧状況表示画面の一例を示す図である。同図に示す画面では、エリア単位で区画されたメッシュマップにおいて、網掛けの濃度により復旧レベルが示されている。なお、変形例として、網掛けの濃度に代えて、色の濃度や色の種類により復旧レベルを表現するようにしてもよい。また、地図表示に代えてリスト表示を採用してもよい。
【0064】
以上説明した復旧状況判断装置1によれば、災害発生後の復旧状況を把握することができるようになる。
【0065】
2.変形例
上記の実施形態は下記のように変形してもよい。なお、以下に記載する2以上の変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0066】
2-1.変形例1
低圧データD1及び高圧データD9は、上記の実施形態とは異なる時間単位の電力使用量を表すものであってもよい。例えば、1日24コマの1時間単位の電力使用量を表すものであってもよい。この場合、低圧データ集約部11及び高圧データ集約部12は、30分単位の集約データに代えて1時間単位の集約データを生成する。
【0067】
2-2.変形例2
低圧データ比較部13は、上記のステップSc2において、災害発生前の過去N日分の平均波形を生成するのに代えて、災害発生前の特定の日(例えば、災害発生日前日)の30分電力使用量の波形を特定するようにしてもよい。同様に、上記のステップSc3において、災害発生前の過去N日分の平均の日間電力使用量を算出するのに代えて、災害発生前の特定の日(例えば、災害発生日前日)の日間電力使用量を特定するようにしてもよい。
【0068】
また、低圧データ比較部13は、上記のステップSc4及びSc5において、災害発生日前日に代えて、災害発生前の別の日の計器数を特定するようにしてもよい。
【0069】
また、低圧データ比較部13は、上記のステップSc7において、処理日前日の30分電力使用量の波形に代えて、災害発生後である、処理日前N日分の平均波形と、災害発生前の平均波形とのユークリッド距離を算出するようにしてもよい。同様に、処理日前日の日間電力使用量に代えて、災害発生後である、処理日前N日分の平均の日間電力使用量の、災害発生前の日間電力使用量に対する比率及び差分を算出するようにしてもよい。
【0070】
また、低圧データ比較部13は、上記のステップSc7において、ユークリッド距離以外の周知の評価方法を用いて30分電力使用量の波形の類似度を算出するようにしてもよい。これは、上記のステップSd5においてユークリッド距離を算出する高圧データ比較部14についても同様である。
【0071】
2-3.変形例3
高圧データ比較部14は、上記のステップSd2において、災害発生前の過去N日分の平均波形を生成するのに代えて、災害発生前の特定の日(例えば、災害発生日前日)の30分電力使用量の波形を特定するようにしてもよい。同様に、上記のステップSd3において、災害発生前の過去N日分の平均の日間電力使用量を算出するのに代えて、災害発生前の特定の日(例えば、災害発生日前日)の日間電力使用量を特定するようにしてもよい。
【0072】
また、高圧データ比較部14は、上記のステップSd5において、処理日前日の30分電力使用量の波形に代えて、災害発生後である、処理日前N日分の平均波形と、災害発生前の平均波形とのユークリッド距離を算出するようにしてもよい。同様に、処理日前日の日間電力使用量に代えて、災害発生後である、処理日前N日分の平均の日間電力使用量の、災害発生前の日間電力使用量に対する比率及び差分を算出するようにしてもよい。
【0073】
2-4.変形例4
避難所データ比較部15は、上記のステップSe3及びSe6において、処理日の前日が平日である場合には、災害発生前の平日(災害発生日前日に限られない)の日間電力使用量に対する、処理日前日の日間電力使用量の比率と差分を算出するようにしてもよい。
【0074】
また、避難所データ比較部15は、上記のステップSe3及びSe6において、1日分の日間電力使用量を比較するのに代えて、N日分の平均の日間電力使用量を比較するようにしてもよい。
【0075】
2-5.変形例5
復旧状況判断装置1は、復旧状況判断部17により判断された復旧レベルを時系列で記録しておき、復旧レベルの推移を基に、復旧速度を判定するようにしてもよい。この場合、例えば、復旧レベルが低く、その変化に乏しいエリアは、復旧速度が遅いと判定される。または、復旧レベルの推移を基に、長期的に見た復旧レベルを判断するようにしてもよい。この場合、例えば、休日は復旧レベルが高いが平日は復旧レベルが低いエリアは、一時帰宅により休日の復旧レベルが回復していると考えられるため、長期的に見た復旧レベルは低いと判断される。なお、上記の復旧速度と長期的に見た復旧レベルは、エリアごとに表示制御部18により表示装置に表示されてよい。
【0076】
2-6.変形例6
表示制御部18は、復旧状況判断部17によりエリアごとに判断された復旧状況を、他の装置の表示装置に表示させるようにしてもよい。すなわち、復旧状況を示すデータを、ネットワークを介して他の装置に送信してもよい。
【0077】
また、表示制御部18は、復旧状況だけでなく、低圧エリア比較データD14や、高圧エリア比較データD15や、避難所周辺比較データD16や、計器状態比較データD17を、利用者の指示に応じて表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0078】
2-7.変形例7
復旧状況判断装置1は、復旧状況判断部17により判断された復旧状況に応じて災害支援策を判断するようにしてよい。例えば、復旧レベルごとに災害支援策を格納するテーブルを予め記憶しておき、復旧状況判断部17により判断された復旧レベルに対応する災害支援策を特定するようにしてもよい。特定された災害支援策は、エリアごとに表示制御部18により表示装置に表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…復旧状況判断装置、11…低圧データ集約部、12…高圧データ集約部、13…低圧データ比較部、14…高圧データ比較部、15…避難所データ比較部、16…計器状態比較部、17…復旧状況判断部、18…表示制御部、D1…低圧データ、D2…位置情報、D3…停電データ、D4…生活パターンベース波形データ、D5…低圧エリア日集約データ、D6…低圧エリア30分集約データ、D7…低圧避難所日集約データ、D8…避難所情報、D9…高圧データ、D10…計器の位置情報、D11…高圧エリア日集約データ、D12…高圧エリア30分集約データ、D13…高圧避難所日集約データ、D14…低圧エリア比較データ、D15…高圧エリア比較データ、D16…避難所周辺比較データ、D17…計器状態比較データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図22
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