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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】サーバ装置、ペアリングシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20220104BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
H04Q9/00 301E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018086656
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019191471
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】武士田 紗代
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-279795(JP,A)
【文献】特開2008-250219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0223725(US,A1)
【文献】特開2008-224753(JP,A)
【文献】特開2017-156416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるカラオケ装置とペアリングされ、利用可能となっている稼働端末、及びいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない予備端末を含む複数のリモコン装置と前記あるカラオケ装置を管理するサーバ装置であって、
前記稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた稼働端末通信情報、及び前記予備端末がサーバ装置と通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた予備端末通信情報を管理する情報管理部と、
前記稼働端末から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、前記予備端末に対し、当該稼働端末のペアリング情報を送信する第1の情報送信部と、
前記稼働端末がペアリングされているカラオケ装置に対し、前記予備端末のリモコン識別情報を送信する第2の情報送信部と、
前記稼働端末のペアリング情報を送信した場合、前記情報管理部で管理されている前記稼働端末のペアリング情報に関連付けられているリモコン識別情報を、前記予備端末のリモコン識別情報に変更することで前記稼働端末通信情報を更新する更新処理部と、
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記第1の情報送信部は、前記交換要求信号を送信した稼働端末に対し、前記予備端末のアドレス情報を送信し、
前記更新処理部は、前記予備端末のアドレス情報を送信した場合、前記情報管理部で管理されている前記予備端末のアドレス情報に関連付けられているリモコン識別情報を当該稼働端末のリモコン識別情報に変更することで前記予備端末通信情報を更新することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記ペアリング情報または前記アドレス情報が送信された各リモコン装置に対し、通信可能な状態にあるかを確認するためのテスト信号を送信し、各リモコン装置から返信があった場合に通信可能な状態にあると判定する判定部を有し、
前記更新処理部は、通信可能な状態にあると判定された場合に、前記稼働端末通信情報または前記予備端末通信情報を更新することを特徴とする請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
あるカラオケ装置とペアリングされ、利用可能となっている稼働端末、及びいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない予備端末を含む複数のリモコン装置と、各リモコン装置と前記あるカラオケ装置を管理するサーバ装置とを有するペアリングシステムであって、
前記複数のリモコン装置は、
前記稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた稼働端末通信情報、または前記予備端末がサーバ装置と通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた予備端末通信情報のいずれかを記憶する情報記憶部と、
電池残量が少ない場合、その旨の交換要求信号をサーバ装置に対して送信する信号送信部と、
前記サーバ装置から受信した各種情報に基づいて、前記情報記憶部に記憶されている情報を変更する変更処理部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記稼働端末通信情報及び前記予備端末通信情報を管理する情報管理部と、
前記稼働端末から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、前記予備端末に対し、当該稼働端末のペアリング情報を送信する第1の情報送信部と、
前記稼働端末がペアリングされているカラオケ装置に対し、前記予備端末のリモコン識別情報を送信する第2の情報送信部と、
前記稼働端末のペアリング情報を送信した場合、前記情報管理部で管理されている前記稼働端末のペアリング情報に関連付けられているリモコン識別情報を、前記予備端末のリモコン識別情報に変更することで前記稼働端末通信情報を更新する更新処理部と、
を有するペアリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバ装置、及びペアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置に付属するリモコン装置は多機能化が進んでいる。具体的に、リモコン装置は、カラオケ歌唱する楽曲の検索や予約に利用するだけでなく、カラオケ歌唱を行う利用者を撮影した動画を再生したり、カラオケ演奏される楽曲の歌詞テロップを表示したりできる。
【0003】
リモコン装置の多機能化に際しては、カラオケ装置とペアリングを行う必要がある。
【0004】
たとえば、特許文献1には、無線端末(リモコン装置)が特定のカラオケ装置に対して自己のIDを赤外線信号として送信し、カラオケ装置が受信した無線端末のIDを含む確認メッセージをネットワーク上にブロードキャストし、無線端末が自己のIDを含む確認メッセージをカラオケ装置から受信したとき、そのカラオケ装置を通信相手のカラオケ装置として登録し、このカラオケ装置を宛先とする確認メッセージを送信し、カラオケ装置が自己を宛先とする確認メッセージを無線端末から受信したとき、この無線端末を通信相手の無線端末として登録することでペアリングを行う技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、後から参加した多機能携帯端末が、速やかにカラオケ装置とペアリングできるように、既にペアリング済みの他の多機能携帯端末にペアリング用の二次元コードを表示させ、当該二次元コードを後から参加した多機能端末に読み込ませることで、カラオケ装置とのペアリングを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-261807号公報
【文献】特開2015-55753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、カラオケ装置とペアリングされているリモコン装置の充電が不十分な場合、使用途中に電池が切れてしまい、リモコン装置を使用できなくなることがある。
【0008】
このような場合、カラオケ店舗の従業員は、使用できなくなったリモコン装置をフロントに備え付けの予備のリモコン装置と交換し、当該予備のリモコン装置とカラオケ装置とをペアリングする作業を行う必要があった。また、ペアリングの作業中、カラオケ装置の利用者はリモコン装置を使用した楽曲予約等が行えないため、カラオケ歌唱を十分に楽しむことができない。
【0009】
本発明の目的は、使用中のリモコン装置が電池切れになりそうな場合に、予備のリモコン装置とカラオケ装置とのペアリングを容易に行うことができるサーバ装置及びペアリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための一の発明は、あるカラオケ装置とペアリングされ、利用可能となっている稼働端末、及びいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない予備端末を含む複数のリモコン装置と前記あるカラオケ装置を管理するサーバ装置であって、前記稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた稼働端末通信情報、及び前記予備端末がサーバ装置と通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた予備端末通信情報を管理する情報管理部と、前記稼働端末から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、前記予備端末に対し、当該稼働端末のペアリング情報を送信する第1の情報送信部と、前記稼働端末がペアリングされているカラオケ装置に対し、前記予備端末のリモコン識別情報を送信する第2の情報送信部と、前記稼働端末のペアリング情報を送信した場合、前記情報管理部で管理されている前記稼働端末のペアリング情報に関連付けられているリモコン識別情報を、前記予備端末のリモコン識別情報に変更することで前記稼働端末通信情報を更新する更新処理部と、を有するサーバ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用中のリモコン装置が電池切れになりそうな場合に、予備のリモコン装置とカラオケ装置とのペアリングを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るペアリングシステムの概略を示す図である。
図2】実施形態に係るリモコン装置を示す図である。
図3】実施形態に係るサーバ装置を示す図である。
図4】実施形態に係るサーバ装置が記憶する情報を示す図である。
図5】実施形態に係るサーバ装置が記憶する情報を示す図である。
図6】実施形態に係るペアリングシステムの処理を示すフローチャートである。
図7】変形例に係るサーバ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
図1図6を参照して、実施形態に係るペアリングシステムについて説明する。
【0014】
==ペアリングシステム==
図1に示すように、本実施形態に係るペアリングシステム1は、複数のリモコン装置、及びサーバ装置Sを含む。
【0015】
サーバ装置Sは、各リモコン装置及び各カラオケ装置を管理する。サーバ装置Sと、各リモコン装置及び各カラオケ装置とは、ネットワークNを介して通信可能となっている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線等の伝送路である。
【0016】
各カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。各カラオケ装置は、利用者の歌唱音声を集音するマイク、カラオケ演奏音を放音するスピーカ、歌詞テロップ等を表示させるモニタ等(いずれも図示なし)を備える。図1は、カラオケルームKR1~KR3に、カラオケ装置K1~K3が設置されている例を示している。
【0017】
複数のリモコン装置は、あるカラオケ装置とペアリングされ、利用可能となっている稼働端末、及びいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない予備端末を含む。
【0018】
図1には、リモコン装置R1~R3及びリモコン装置Rwの4つのリモコン装置を示している。図1において、リモコン装置R1~R3が「稼働端末」に相当し、リモコン装置Rwが「予備端末」に相当する。
【0019】
リモコン装置R1~R3は、カラオケ装置K1~K3とペアリングされ、カラオケルームKR1~KR3で利用可能となっている。
【0020】
ペアリングは公知の手法を利用することができる。たとえば、リモコン装置R1は、カラオケ装置K1からカラオケ装置K1の識別情報(カラオケID)及びカラオケ装置K1のIPアドレス(カラオケIPアドレス)を入手し、自己のIPアドレス(リモコンIPアドレス)を含むペアリング情報を作成する。そして、リモコン装置R1は、当該ペアリング情報に、自己の識別情報(リモコンID)を関連付けた稼働端末通信情報をサーバ装置Sに送信する。
【0021】
サーバ装置Sは、リモコン装置R1から受信した稼働端末通信情報を管理し、且つペアリング情報に含まれるカラオケID及びカラオケIPアドレスに基づいて、カラオケ装置K1に稼働端末通信情報を送信する。このような処理により、リモコン装置R1とカラオケ装置K1のペアリングが完了する。
【0022】
一方、リモコン装置Rwは、フロントFに設置されている。リモコン装置Rwは、カラオケ店舗に設置されているいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない。なお、フロントFにおいて、リモコン装置Rwは、満充電の状態となるよう充電器(図示なし)に接続されている。
【0023】
リモコン装置Rwは、サーバ装置Sと通信可能となっている。たとえば、リモコン装置Rwは、リモコン装置Rwがサーバ装置Sと通信するためのアドレス情報(リモコンIPアドレス)に、自己の識別情報(リモコンID)を関連付けた予備端末通信情報をサーバ装置Sに送信する。
【0024】
サーバ装置Sは、リモコン装置Rwから受信した予備端末通信情報を管理する。このような処理により、リモコン装置Rwはサーバ装置Sと通信可能となる。
【0025】
なお、図1では、予備端末としてリモコン装置Rwが一台設置されている例を示しているが、フロントFにおいて複数の予備端末が設置されていてもよい。或いは、一のカラオケルームにおいて、同時に使用可能な複数の稼働端末があってもよい。
【0026】
==リモコン装置==
図2はリモコン装置R1のハードウェア構成例を示す図である。ここではリモコン装置R1について説明するが、他のリモコン装置も同様の構成を有する。リモコン装置R1は、記憶部10、通信部11、表示部12、操作部13、及び制御部14を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0027】
[記憶部]
記憶部10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態における記憶部10の記憶領域の一部は、情報記憶部10aとして機能する。
【0028】
(情報記憶部)
情報記憶部10aは、稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた稼働端末通信情報、または予備端末がサーバ装置と通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた予備端末通信情報のいずれかを記憶する。
【0029】
上述の通り、リモコン装置R1とカラオケ装置K1とはペアリングされている。この場合、情報記憶部10aは、ペアリング情報であるカラオケ装置K1のカラオケID、カラオケIPアドレス、及び自己のリモコンIPアドレスと、自己のリモコンIDとを関連付けた稼働端末通信情報を記憶している。
【0030】
なお、リモコン装置R2及びR3それぞれも、カラオケ装置とペアリングされている。この場合、各リモコン装置の情報記憶部10aは、稼働端末通信情報を記憶している。一方、予備端末であるリモコン装置Rwの情報記憶部10aは、アドレス情報である自己のリモコンIPアドレスと、自己のリモコンIDとを関連付けた予備端末通信情報を記憶している。
【0031】
[通信部・表示部・操作部]
通信部11は、リモコン装置R1とカラオケ装置K1またはサーバ装置Sとを接続するためのインターフェースを提供する。表示部12はカラオケ楽曲の検索画面等、各種表示を行うための構成である。操作部13は、リモコン装置R1に対して各種入力を行うための構成である。
【0032】
[制御部]
制御部14は、リモコン装置R1における各種の制御を行う。制御部14は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。本実施形態において制御部14は、信号送信部14a及び変更処理部14bとして機能する。
【0033】
(信号送信部)
信号送信部14aは、電池残量が少ない場合、その旨の交換要求信号をサーバ装置Sに対して送信する。
【0034】
カラオケルームKR1においてリモコン装置R1を使用した場合、使用時間の経過に伴って電池残量が減少する。信号送信部14aは、リモコン装置R1の電池残量を監視し、所定値以下(たとえば、満充電を100%とした場合に10%以下)なった場合や稼働時間が規定値以上となった場合、交換要求信号をサーバ装置Sに対して送信する。
【0035】
(変更処理部)
変更処理部14bは、サーバ装置Sから受信した各種情報に基づいて、情報記憶部10aに記憶されている情報を変更する。変更処理部14bの具体的な処理については後述する。
【0036】
==サーバ装置==
サーバ装置Sは、各リモコン装置やカラオケ装置を管理するコンピュータである。図3はサーバ装置Sのハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置Sは、記憶部20、通信部21、及び制御部22を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0037】
[記憶部]
記憶部20は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態に係る記憶部20の記憶領域の一部は、情報管理部20aとして機能する。
【0038】
(情報管理部)
情報管理部20aは、稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた稼働端末通信情報、及び予備端末がサーバ装置Sと通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコン識別情報を関連付けた予備端末通信情報を管理する。
【0039】
情報管理部20aは、各リモコン装置から送信された稼働端末通信情報または予備端末通信情報を、リモコン装置毎に管理する。なお、これらの通信情報は、各リモコン装置で記憶されている情報と同じものである。
【0040】
図4は、図1に示した各リモコン装置について、情報管理部20aで管理されている通信情報の一例を示す。図4に示したように、カラオケ装置とペアリングされているリモコン装置(リモコン装置R1~R3)については、カラオケID、カラオケIPアドレス、及びリモコンIPアドレスからなるペアリング情報が、リモコンIDと関連付けられている。一方、いずれのカラオケ装置ともペアリングされていないリモコン装置Rwについては、リモコンIPアドレスからなるアドレス情報が、リモコンIDと関連付けられている。
【0041】
[通信部]
通信部21は、サーバ装置Sとカラオケ装置またはリモコン装置とを接続するためのインターフェースを提供する。
【0042】
[制御部]
制御部22は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御部22は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。本実施形態において制御部22は、第1の情報送信部22a、第2の情報送信部22b、及び更新処理部22cとして機能する。
【0043】
(第1の情報送信部)
第1の情報送信部22aは、稼働端末から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、予備端末に対し、当該稼働端末のペアリング情報を送信する。
【0044】
たとえば、サーバ装置Sは、リモコン装置R1の信号送信部14aから交換要求信号を受信したとする。この場合、第1の情報送信部22aは、情報管理部20aに記憶された複数のペアリング情報の中から、リモコン装置R1のペアリング情報(リモコン装置R1がペアリングされているカラオケ装置K1のカラオケID、カラオケIPアドレス、及びリモコン装置R1のリモコンIPアドレス)を読み出す。そして、第1の情報送信部22aは、フロントFに設置されたリモコン装置Rwに対し、読み出したペアリング情報を送信する。
【0045】
リモコン装置Rwの変更処理部14bは、サーバ装置Sから受信したペアリング情報に基づいて、情報記憶部10aに記憶されている情報を変更する。
【0046】
上記例において、リモコン装置Rwの情報記憶部10aには、リモコン装置Rwのアドレス情報(リモコンIPアドレス)、及びリモコンIDが記憶されている。変更処理部14bは、記憶されているアドレス情報を、第1の情報送信部22aから送信されたリモコン装置R1のペアリング情報に変更する。このようにアドレス情報をペアリング情報に変更することにより、リモコン装置Rwはカラオケ装置K1とペアリングされる。すなわち、リモコン装置Rwは「稼働端末」として機能するように構成される。
【0047】
また、第1の情報送信部22aは、交換要求信号を送信した稼働端末に対し、予備端末のアドレス情報を送信する。
【0048】
上記例において、第1の情報送信部22aは、稼働端末(リモコン装置R1)に対し、予備端末(リモコン装置Rw)のアドレス情報を送信する。
【0049】
リモコン装置R1の変更処理部14bは、サーバ装置Sから受信した各種情報に基づいて、情報記憶部10aに記憶されている情報を変更する。
【0050】
上記例において、リモコン装置R1の情報記憶部10aには、カラオケ装置K1とのペアリング情報、及び自己のリモコンIDが記憶されている。変更処理部14bは、ペアリング情報を、第1の情報送信部22aから送信されたリモコン装置Rwのアドレス情報に変更する。このようにペアリング情報をアドレス情報に変更することにより、リモコン装置R1はカラオケ装置K1とのペアリングが解除され、サーバ装置Sのみと通信可能となる。すなわち、リモコン装置R1は「予備端末」として機能するように構成される。この場合、リモコン装置R1はカラオケルームで使用されることが無いため、フロントFで充電することができる。
【0051】
(第2の情報送信部)
第2の情報送信部22bは、稼働端末がペアリングされているカラオケ装置に対し、予備端末のリモコン識別情報を送信する。
【0052】
たとえば、上記例のように、リモコン装置R1の信号送信部14aから交換要求信号を受信したとする。
【0053】
この場合、第2の情報送信部22bは、情報管理部20aを参照し、リモコン装置R1がペアリングされているカラオケ装置K1に対し、リモコン装置RwのリモコンIDを送信する。カラオケ装置K1は、受信したリモコン装置RwのリモコンIDをリモコン装置R1のリモコンIDに変えて登録することにより、リモコン装置Rwからの指示入力を受け付けることができる。
【0054】
(更新処理部)
更新処理部22cは、稼働端末のペアリング情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されている稼働端末のペアリング情報に関連付けられているリモコン識別情報を、予備端末のリモコン識別情報に変更することで稼働端末通信情報を更新する。
【0055】
上記例において、第1の情報送信部22aがリモコン装置Rwに対し、リモコン装置R1のペアリング情報を送信したとする。
【0056】
この場合、更新処理部22cは、情報管理部20aで管理されているリモコン装置R1のペアリング情報に関連付けられているリモコンIDを、リモコン装置RwのリモコンIDに変更する(図5参照)。この処理により、カラオケ装置K1で利用する稼働端末の稼働端末通信情報が更新される。
【0057】
更に、更新処理部22cは、稼働端末のペアリング情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されている予備端末のアドレス情報に関連付けられているリモコン識別情報を当該稼働端末のリモコン識別情報に変更することで予備端末通信情報を更新することができる。
【0058】
上記例において、第1の情報送信部22aがリモコン装置Rwに対し、リモコン装置R1のペアリング情報を送信したとする。
【0059】
この場合、更新処理部22cは、情報管理部20aで管理されているリモコン装置Rwのアドレス情報に関連付けられているリモコンIDを、リモコン装置R1のリモコンIDに変更する(図5参照)。この処理により、フロントFで充電可能な予備端末の予備端末通信情報が更新される。
【0060】
なお、リモコン装置R1が「予備端末」としてフロントFに設置されている状態において、ある稼働端末からサーバ装置Sに対して交換要求信号が送信されることもある。この場合、上記と同様の処理を経ることにより、リモコン装置R1は再び「稼働端末」として機能する。
【0061】
==ペアリングシステムにおける処理について==
次に、図6を参照して本実施形態に係るペアリングシステム1における処理の具体例について述べる。図6は、ペアリングシステム1における処理例を示すフローチャートである。この例では、リモコン装置R1(稼働端末)、及びリモコン装置Rw(予備端末)の2つのリモコン装置を例に説明する。また、リモコン装置R1の情報記憶部10aには、 リモコン装置R1がカラオケ装置K1と通信するためのペアリング情報に、自己のリモコンIDを関連付けた稼働端末通信情報が記憶されている。リモコン装置Rwの情報記憶部10aには、リモコン装置Rwがサーバ装置Sと通信するためのアドレス情報に、自己のリモコンIDを関連付けた予備端末通信情報が記憶されている。更に、サーバ装置Sの情報管理部20aには、リモコン装置R1の稼働端末通信情報、及びリモコン装置Rwの予備端末通信情報が管理されている。
【0062】
リモコン装置R1の電池残量が少なくなった場合、信号送信部14aは、その旨の交換要求信号をサーバ装置Sに対して送信する(交換要求信号の送信。ステップ10)。
【0063】
リモコン装置R1から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、サーバ装置Sの第1の情報送信部22aは、情報管理部20aからリモコン装置R1のペアリング情報を読み出し、リモコン装置Rwに送信する(ペアリング情報の送信。ステップ11)。
【0064】
リモコン装置Rwの変更処理部14bは、ステップ11でサーバ装置Sから送信されたペアリング情報に基づいて、情報記憶部10aに記憶されているアドレス情報を、当該ペアリング情報に変更する(アドレス情報をペアリング情報に変更。ステップ12)。この処理に伴い、リモコン装置Rwは稼働端末として機能する。
【0065】
また、第1の情報送信部22aは、交換要求信号を送信したリモコン装置R1に対し、リモコン装置Rwのアドレス情報を送信する(アドレス情報の送信。ステップ13)。
【0066】
リモコン装置R1の変更処理部14bは、ステップ13でサーバ装置Sから送信されたアドレス情報に基づいて、情報記憶部10aに記憶されているペアリング情報を、当該アドレス情報に変更する(ペアリング情報をアドレス情報に変更。ステップ14)。この処理に伴い、リモコン装置R1は予備端末として機能する。
【0067】
なお、リモコン装置R1に記憶されているペアリング情報をアドレス情報に変更するタイミングとしては、サーバ装置Sから送信されたアドレス情報をリモコン装置R1が受信してから所定時間が経過した後、或いは、アドレス情報をリモコン装置R1が受信した後、リモコン装置R1から利用者よる変更指示がなされた時などである。
【0068】
一方、第2の情報送信部22bは、リモコン装置R1がペアリングされているカラオケ装置K1に対し、リモコン装置RwのリモコンIDを送信する(カラオケ装置にリモコンIDを送信。ステップ15)。
【0069】
そして、サーバ装置Sの更新処理部22cは、ステップ11でリモコン装置R1のペアリング情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されているリモコン装置R1のペアリング情報に関連付けられているリモコンIDを、リモコン装置RwのリモコンIDに変更することで稼働端末通信情報を更新する(稼働端末通信情報の更新。ステップ16)。
【0070】
また、更新処理部22cは、ステップ13でリモコン装置Rwのアドレス情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されているリモコン装置Rwのアドレス情報に関連付けられているリモコンIDをリモコン装置R1のリモコンIDに変更することで予備端末通信情報を更新する(予備端末通信情報の更新。ステップ17)。
【0071】
以上から明らかなように、本実施形態に係るサーバ装置Sは、あるカラオケ装置とペアリングされ、利用可能となっている稼働端末(リモコン装置R1~R3)、及びいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない予備端末(リモコン装置Rw)を含む複数のリモコン装置とあるカラオケ装置を管理する。サーバ装置Sは、稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコンIDを関連付けた稼働端末通信情報、及び予備端末がサーバ装置Sと通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコンIDを関連付けた予備端末通信情報を管理する情報管理部20aと、稼働端末から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、予備端末に対し、当該稼働端末のペアリング情報を送信する第1の情報送信部22aと、稼働端末がペアリングされているカラオケ装置に対し、予備端末のリモコンIDを送信する第2の情報送信部22bと、稼働端末のペアリング情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されている稼働端末のペアリング情報に関連付けられているリモコンIDを、予備端末のリモコンIDに変更することで稼働端末通信情報を更新する更新処理部22cと、を有する。
【0072】
このようなサーバ装置Sによれば、リモコン装置から交換要求信号を受信した場合、予備端末に対してペアリング情報を提供することにより、当該予備端末を稼働端末として機能させることができる。従って、カラオケ店舗の従業員は、カラオケルームにあるリモコン装置(稼働端末)をフロントにあるリモコン装置(予備端末)と取り換えるだけでよく、ペアリングの作業が不要となる。すなわち、本実施形態に係るサーバ装置Sによれば、使用中のリモコン装置が電池切れになりそうな場合に、予備のリモコン装置とカラオケ装置とのペアリングを容易に行うことができる。
【0073】
また、本実施形態に係る第1の情報送信部22aは、交換要求信号を送信した稼働端末に対し、予備端末のアドレス情報を送信し、更新処理部22cは、予備端末のアドレス情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されている予備端末のアドレス情報に関連付けられているリモコンIDを当該稼働端末のリモコンIDに変更することで予備端末通信情報を更新する。
【0074】
このように、交換要求信号を送信した稼働端末に対して、予備端末のアドレス情報を提供することにより、当該稼働端末を予備端末として機能させることができる。交換要求信号を送信した稼働端末は、充電残量が少なくなった端末である。そこで、当該稼働端末を予備端末として機能させることにより、フロントFにおいて直ぐに充電することが可能となる。
【0075】
更に、本実施形態に係るペアリングシステム1は、あるカラオケ装置とペアリングされ、利用可能となっている稼働端末、及びいずれのカラオケ装置ともペアリングされていない予備端末を含む複数のリモコン装置と、各リモコン装置とあるカラオケ装置を管理するサーバ装置Sとを有する。複数のリモコン装置は、稼働端末がカラオケ装置と通信するためのペアリング情報に、当該稼働端末を識別するためのリモコンIDを関連付けた稼働端末通信情報、または予備端末がサーバ装置Sと通信するためのアドレス情報に、当該予備端末を識別するためのリモコンIDを関連付けた予備端末通信情報のいずれかを記憶する情報記憶部10aと、電池残量が少ない場合、その旨の交換要求信号をサーバ装置Sに対して送信する信号送信部14aと、サーバ装置Sから受信した各種情報に基づいて、情報記憶部10aに記憶されている情報を変更する変更処理部14bと、を有する。サーバ装置Sは、稼働端末通信情報及び予備端末通信情報を管理する情報管理部20aと、稼働端末から電池残量が少ない旨の交換要求信号を受信した場合、予備端末に対し、当該稼働端末のペアリング情報を送信する第1の情報送信部22aと、稼働端末がペアリングされているカラオケ装置に対し、予備端末のリモコンIDを送信する第2の情報送信部22bと、稼働端末のペアリング情報を送信した場合、情報管理部20aで管理されている稼働端末のペアリング情報に関連付けられているリモコンIDを、予備端末のリモコンIDに変更することで稼働端末通信情報を更新する更新処理部22cと、を有する。このようなペアリングシステム1によれば、使用中のリモコン装置が電池切れになりそうな場合に、予備のリモコン装置とカラオケ装置とのペアリングを容易に行うことができる。
【0076】
<変形例>
上記実施形態の構成において、第1の情報送信部22aからリモコン装置に対してペアリング情報またはアドレス情報を送信したとしても、何らかの理由によりリモコン装置側で情報の変更ができない可能性がある。そこで、予めテスト信号を送信し、リモコン装置から返信があった場合にのみ、稼働端末通信情報または予備端末通信情報の更新を行うようにすることが好ましい。
【0077】
具体的には、図7に示すように、本変形例に係るサーバ装置Sの制御部22は、第1の情報送信部22a、第2の情報送信部22b、更新処理部22c、及び判定部22dとして機能する。
【0078】
判定部22dは、ペアリング情報またはアドレス情報が送信された各リモコン装置に対し、通信可能な状態にあるかを確認するためのテスト信号を送信し、各リモコン装置から返信があった場合に通信可能な状態にあると判定する。
【0079】
たとえば、第1の情報送信部22aがリモコン装置Rwに対してペアリング情報を送信し、且つリモコン装置R1に対してアドレス情報を送信したとする。その後、判定部22dは、リモコン装置Rw及びリモコン装置R1に対してテスト信号を送信する。リモコン装置Rw及びリモコン装置R1それぞれは、ペアリング情報またはアドレス情報の変更が完了し、通信可能な状態にある場合には、サーバ装置Sに対して返信を行う。判定部22dは、返信があった場合に各リモコン装置が通信可能な状態にあると判定する。
【0080】
更新処理部22cは、通信可能な状態にあると判定された場合に、稼働端末通信情報または予備端末通信情報を更新する。
【0081】
上記例において、リモコン装置Rw及びリモコン装置R1の双方から返信があった場合、いずれのリモコン装置も通信可能な状態ある。そこで、更新処理部22cは、情報管理部20aで管理される稼働端末通信情報と予備端末通信情報を更新する。
【0082】
このような構成によれば、リモコン装置が利用できない状態でサーバ装置Sの情報管理部20aの情報が更新されることを防止できる。
【0083】
<その他>
フロントFにおいて予備端末が複数設けられている場合、サーバ装置Sの情報管理部20aは、各リモコンIDに充電開始時刻を関連付けて管理することもできる。そして、稼働端末から交換要求信号の送信があった場合、サーバ装置Sの第1の送信部22aは、充電開始時刻の最も古い予備端末に対して稼働端末のペアリング情報を送信する。このように、充電開始時刻が古い予備端末に対してペアリング情報を送信することにより、充電残量が最も多い予備端末を稼働端末として利用することができる。
【0084】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 ペアリングシステム
10a 情報記憶部
14a 信号送信部
14b 変更処理部
20a 情報管理部
22a 第1の情報送信部
22b 第2の情報送信部
22c 更新処理部
K1~K3 カラオケ装置
KR1~KR3 カラオケルーム
R1~R3 リモコン装置(稼働端末)
Rw リモコン装置(予備端末)
S サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7