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特許6990211旋回可能な折り曲げ縁ユニットを備える接着テープアプリケーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】旋回可能な折り曲げ縁ユニットを備える接着テープアプリケーター
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
B65H35/07 D
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019104119
(22)【出願日】2019-06-04
(65)【公開番号】P2020033183
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2019-09-30
(31)【優先権主張番号】10 2018 208 845.4
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ゲルツマン
(72)【発明者】
【氏名】トリスタン・ヴィーンツェク
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-253825(JP,A)
【文献】特開2014-005136(JP,A)
【文献】特開2016-150837(JP,A)
【文献】特開2008-007249(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0000589(US,A1)
【文献】特開平07-242364(JP,A)
【文献】特開2002-167111(JP,A)
【文献】登録実用新案第3012931(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/07
B65H 37/00-37/06
B65H 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着テープロール(2)のための受入部(1)と、少なくとも一つの握り手(12)と、握り手(12)に対して位置を固定されて配置されているアプリケーターヘッド(7)とを備える接着テープアプリケーターであって、
折り曲げ縁ユニット(8)がアプリケーターヘッド(7)に対してとりわけ可動式に配置されており、
折り曲げ縁ユニット(8)がアプリケーターヘッド(7)に対して軸を中心に角度(α)分を回転可能に配置され、および折り曲げ縁ユニット(8)がばねを用いてアプリケーターヘッド(7)と連結されており、ばねは折り曲げ縁ユニット(8)をアプリケーターヘッド(7)に対して中立位置へと付勢することを特徴とする、接着テープアプリケーター。
【請求項2】
アプリケーターヘッド(7)が少なくとも一つの、貼り付け方向(A)に対して横方向に伸びる、接着テープ(3)のための横方向溝(19)を備え、および折り曲げ縁ユニット(8)の貼り付け側面(14)に、貼り付け方向(A)に配置されている縦方向溝(16)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の接着テープアプリケーター。
【請求項3】
縦方向溝(16)内に押し付け用接着テープ(17)が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の接着テープアプリケーター。
【請求項4】
受入部(1)が貼り付け方向(A)に向けられている棘状部を備え、その棘状部上に接着テープロール(2)が差し込まれることができ、接着テープ(3)が少なくとも二つのガイドロール(4、6)の周りを回ってアプリケーターヘッド(7)に供給され得ることを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の接着テープアプリケーター。
【請求項5】
アプリケーターヘッド(7)が側方の接触側面(26)を備え、接触側面(26)に少なくとも一つの磁石(28a、28b)が配置され、および貼り付け側面(14)にも同じく少なくとも一つの磁石(27)が設けられており、これらの磁石により、貼り付け中に接触側面(26)と貼り付け側面(14)がそれぞれ金属性側面に常に接触していることを維持されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の接着テープアプリケーター。
【請求項6】
アプリケーターヘッド(7)が基礎ユニット(9)上に交換可能に配置されており、ならびに基礎ユニット(9)が握り手(12)および受入部(1)を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の接着テープアプリケーター。
【請求項7】
折り曲げ縁ユニット(8)が第一の折り曲げ縁(18)、および第二の、第一の折り曲げ縁(18)に対して鏡面像状に配置されている折り曲げ縁(18)を備えていることを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載の接着テープアプリケーター。
【請求項8】
折り曲げ縁ユニット(8)が、蓋(29)をもって開放および閉鎖可能な、その一つの磁石(27)のための内部空間(31)を備えていることを特徴とする、請求項に記載の接着テープアプリケーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着テープロールのための受入部と、少なくとも一つの握り手と、握り手に対向して位置を固定されて配置されているアプリケーターヘッドとを備える接着テープアプリケーターに関する。
【背景技術】
【0002】
接着テープアプリケーターは従来技術においてもちろん基本的に公知である。
【0003】
DE202007011400U1(特許文献1)からは、コンパクトな構造方式の接着テープ手持ち繰り出し装置が公知である。そこに開示されている接着テープ手持ち繰り出し装置は、閉じられた状態で接着テープロールを備蓄する、二つの深皿状ハウジング半片を持つ、開閉可能なハウジングを備えている。接着テープロールを差し込むための軸は、二つの互いに入れ子式に差し込み可能な軸支持部によって形成され、軸支持部はそれぞれ、二つの深皿状ハウジング半片のうちの一つの内側に配置されている。この接着テープ手持ち繰り出し装置で問題となるのは、縁に沿って、特定の間隔でマスキングテープを誘導して貼付することが困難を伴ってのみ可能であるということである。
【0004】
DE102005034007A1(特許文献2)は、接着テープの繰り出しのための手持ち機器を開示している。接着テープは片面に接着層が取り付け加工されている支持体からなり、その接着剤は剥離紙によって被覆されている。この接着テープ手持ち繰り出し装置は、塗布過程中に剥離紙を支持体の接着層から自動的に剥がすことを可能にする。この接着テープ手持ち繰り出し装置でも、一つには、縁に沿って接着テープを誘導して貼付することが困難を伴ってのみ可能であるということ、他方で、塗布方向に方向付けられた握り手が、塗布方向への塗布を妨げるということが欠点である。
【0005】
DE202012004079U1(特許文献3)からは、汚染された表面上に、塗布方向に接着テープを塗布するための接着テープ手持ち繰り出し装置が公知である。その場合押し付けローラーの塗布方向の前方に、表面浄化のための浄化装置が設けられている。
【0006】
公知のアプリケーターで問題となるのは、これらが接着テープを間隙の内側内に貼付するためには適していないことである。この種の間隙は、例えば自動車製造の際にルーフフレームとドアとの間に生じる。
【0007】
車両製造中は、ドアにはまだ内装も密封材も備えられてはおらず、その結果数ミリメートルの幅の間隙がドアとルーフとの間に形成される。このようにして前ドアに沿ってAピラーとBピラーとの間に、および後ドアに沿ってBピラーとCピラーとの間に、それぞれ全ルーフフレームに沿って間隙が形成される。
【0008】
車両製造中には、ドアは懸架され、閉じられている。車両の徐々に好まれるようになっている二重塗装の場合、まず車体全体が第一の色で塗装される。続いて、第一の塗装と第二の塗装との間に定義された塗装縁を保証するために、第一の色の上に、剥がすことができる接着テープが塗布されなければならない。この接着テープはドアの間隙に沿って、ルーフフレームの内側に貼付される。不利なことに、このルーフフレームは内側と外側との間に長手方向への伸延にわたって変化可能な角度を持ち、それは約90度であるが、45度と145度との間で十分に変化し得る。
【0009】
公知の接着テープアプリケーターは、この間隙に沿った、手動による安定した誘導を可能にしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】DE202007011400U1
【文献】DE102005034007A1
【文献】DE202012004079U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえに本発明の課題は、間隙の外側の接触面が長手方向への伸延にわたって変化しても、接着テープを間隙の内側に貼り付けることを可能にする、冒頭に述べた接着テープアプリケーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は請求項1の特徴を持つ冒頭に述べた接着テープ繰り出し装置で解決される。
【0013】
本発明は、アプリケーターヘッドを持つ接着テープアプリケーターを提供するというアイデアを使い、アプリケーターヘッドには折り曲げ縁ユニット(Umlenkkanteneinheit、deflector edge unit)がアプリケーターヘッドに対して好ましくは可動式に配置されている。折り曲げ縁ユニットは長手方向に短く、すなわち5から10cmまでに、またはさらにより短く形成されており、および折り曲げ縁ユニットは2cmよりも低い、好ましくは1cmよりも低い、好ましくは0.5cmよりも低い高さを有し、その結果折り曲げ縁ユニットは間隙内に挿入され得る。
【0014】
アプリケーターヘッドに対して可動性の折り曲げ縁ユニットは、好ましくはばねで付勢されている。その際に中立位置の角度は、好ましくはルーフフレームの接触側面と貼り付け側面との間の最小角度よりも小さく、その結果折り曲げ縁ユニットの貼り付け側面が常に圧力下でルーフフレームの貼り付け側面に接触する。
【0015】
ルーフフレームの貼り付け側面は、そこに接着テープが塗布されるところの、間隙の側面である。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態では、折り曲げ縁ユニットはアプリケーターヘッドに対して長軸を中心に回転可能に配置されており、および折り曲げ縁ユニットはばねを用いてアプリケーターヘッドと連結されており、このばねは折り曲げ縁ユニットをアプリケーターヘッドに対して中立位置へと付勢する。この中立位置は、自動車の貼り付けられる側面の、とりわけルーフフレームの側方の接触側面と貼り付け側面との間の最小外角よりも小さい、角度位置である。
【0017】
ばねは、好ましくはねじりコイルばねであり得、ねじりコイルばねは長手軸を中心に付勢されており、一方の脚部で折り曲げ縁ユニットに、および他方の脚部でアプリケーターヘッドに当接してそれらを中立位置に保つ。
【0018】
好ましくは、アプリケーターヘッドは少なくとも一つの、貼り付け方向に対して横方向に経過する、接着テープのための横方向溝と、貼り付け方向において折り曲げ縁ユニットの貼り付け側面に配置されている縦方向溝とを備えている。横方向溝は接着テープを、アプリケーターヘッドの握り手側から、アプリケーターの下を横方向溝に沿って、アプリケーターヘッドの貼り付け側面へと誘導するためのものである。横方向溝はその際に、好ましくは完全に、少なくとも部分的に折り曲げ縁ユニットに沿って案内されている。横方向溝は、その周りを回って接着テープが導かれており、および続いてさらに縦方向溝を通って貼り付け側面に沿って導かれているところの、斜めに経過する折り曲げ縁において終わる。この折り曲げ縁はまた溝として形成されることもできる。
【0019】
貼り付け側面上には接着テープの接着面が露出されて載り、その結果接着面はルーフフレームの内側面上に直接貼り付けられ得る。
【0020】
好ましくは縦方向溝に沿って押し付け補助具が、好ましくは押し付け用接着テープが設けられている。押し付け用接着テープは、スポンジ接着テープであり得、それは縦方向溝内をその長手方向への伸延の一区間に沿って、場合によってはその長手方向への伸延の全体に沿っても貼り付けられている。押し付け用補助具の、露出されている、溝に対して反対側に位置する面には、付加的な摩擦を減少する層が設けられ得、その結果接着テープはこの層に沿ってできる限り摩擦が少なく走行し、押し付け用接着テープによってルーフフレームの内側面に押し付けられる。いわゆるグライドテープが、押し付け補助具も含めて全ての溝にわたって貼られるということも考えられ得る。
【0021】
好ましくは受入部が貼り付け方向に向けられている棘状部を備え、その棘状部上に接着テープロールが差し込まれることができ、接着テープは少なくとも一つの、好ましくは二つのガイドロール(折り曲げロール;Umlenkrolle、deflector roller)の周りを回ってアプリケーターヘッドに供給され得る。あらゆるより多数のガイドロールも考えられ得る。
【0022】
受入部は、好ましくは、接着テープロールがそのロールテープ側面を貼り付け方向に対して、好ましくは横方向に特に好ましくは直角に配置されており、その結果接着テープはその接着面が、貼り付け方向に対して直角に接着テープロールから巻き出るように配置されている。接着テープは少なくとも一つのガイドロールを通過した後、好ましくは45度の角度で配置されている折り曲げ縁の周りを回る折り曲げによって折り曲げられ、貼り付け方向に方向付けられる。
【0023】
特に好ましくは、折り曲げ縁ユニットを伴ったアプリケーターヘッドが、交換可能に基礎ユニット上に配置されている。この基礎ユニットは、握り手と接着テープロールのための受入部とを含む。接着テープが折り曲げ縁の周りを回って導かれ、この折り曲げ縁が時間と共に損耗することから、アプリケーターヘッドは消耗部分である。さらに加えて押し付け接着テープも損耗し、磁石もその強度を失い得る。
【0024】
有利には、折り曲げ縁ユニットが第一のおよび第二の折り曲げ縁を備え、第二の折り曲げ縁が第一の折り曲げ縁に対して鏡面像状に配置されている。折り曲げ縁ユニットはアプリケーターヘッド上に配置されており、およびアプリケーターヘッドはさまざまな位置で基礎ユニットのブロック上に取り付けられることができる。さまざまな位置は、二つの異なった貼り付け方向に対応し、使用者の手動による旋回運動(揺動運動)によって、それらの方向でテープを間隙内に貼り付けることができる。使用者は接着テープを右から左への運動で、または別の左から右への運動で、間隙内に設けることができる。貼り付け方向次第で二つの折り曲げ縁のうちの一つが使われる。貼り付け方向次第で、接着テープアプリケーター全体が相応に改造される。
【0025】
さらに好ましくは、アプリケーターヘッドが側方の接触側面を備え、そこに少なくとも一つの磁石が設けられている。貼り付け側面にも同じく少なくとも一つの磁石が配置されている。これらの磁石は、貼り付け中に接触側面と貼り付け側面がそれぞれ金属性側面に常に接触していることを維持する。
【0026】
この変形形態では、折り曲げ縁ユニットはアプリケーターヘッドに対して可動的に配置され得るが、折り曲げ縁ユニットが固着されている場合が好ましい。
【0027】
本発明を一例示的実施形態に基づいて6枚の図面において記載する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の接着テープアプリケーターの斜視断面図である。
図2図1の接着テープアプリケーターの、部分的に断面図の斜視図である。
図3図1および図2の接着テープアプリケーターの下面図である。
図4】蓋を持つ折り曲げ縁ユニットの上面図である。
図5】蓋の無い折り曲げ縁ユニットの側面図である。
図6】自動車のルーフフレームの四つの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に示されている断面図は、接着テープロール2のための受入部1を備える本発明の接着テープアプリケーターを示している。この接着テープロール2は交換可能または消費後補填可能である。接着テープロール2から繰り出された接着テープ3の自由端部は第一のガイドロール、および図示されていない第二のガイドロール4、6を介して折り曲げられ、折り曲げ縁ユニット8を持つアプリケーターヘッド7へと導かれる。接着テープロール2は巻きの内側に、接着テープ上に塗布された接着面を持つ。
【0030】
接着テープアプリケーターは基礎ユニット9および基礎ユニット9上に交換可能に配置されているアプリケーターヘッド7を含む。この基礎ユニット9は、接着テープロール2のための、その自由端に配置されその上に接着テープロール2が差し込まれることができる棘状部を持つ受入部1と、それに受入部1が位置を固定されて取り付けられているところのブロック11とを含む。ブロック11上にはアプリケーターヘッド7と対向する位置に、ブロック11に対して位置を固定されて、少なくとも一つの握り手12が配置されている。この握り手12はプレート13上に取り付けられており、プレートはまたもやブロック11に取り付けられている。受入部1上にはブロック11の横側に、対向して位置して、二つのガイドロール4、6が回転可能に配置されている。
【0031】
握り手12に対向して位置する側面上で、ブロック11上にアプリケーターヘッド7が取り外し可能にネジ止めされている。アプリケーターヘッド7上に、接着テープロール2とは反対の側に、折り曲げ縁ユニット8が設けられている。この折り曲げ縁ユニット8は、アプリケーターヘッド7に対して角度α分を旋回可能に形成されている。この折り曲げ縁ユニット8は長手軸Lを中心にして旋回可能にアプリケーターヘッド7上に配置されている。この長手軸Lは接着テープ3の貼り付け方向Aに経過する。接着テープロール2は、同じく長手軸を備え、それは同じく貼り付け方向Aに配列されている。
【0032】
折り曲げ縁ユニット8は貼り付け側面14を備え、それは図1では折り曲げ縁ユニット8上に配置されている。貼り付け側面14に沿って縦方向溝16が設けられている。この縦方向溝16内に、図1には図示されていない押し付け用接着テープ17が貼り付けられている。押し付け用接着テープ17はスポンジ接着テープであり、そのテープは縦方向溝16の幅Bに対応する幅を有している。この押し付け用接着テープ17は縦方向溝16内を、その長手方向へ伸延する区間に沿って伸び、縦方向溝16内に貼り付けられている。縦方向溝16とは逆を向いた、押し付け用接着テープ17の露出されている外側上には、摩擦を減少する層が塗布され得る。
【0033】
接着テープ3は、貼り付け方向Aに対して斜めの折り曲げ縁18の周りを回って案内される。図2は折り曲げ縁ユニット8の透視図で、折り曲げ縁ユニット8の詳細な構造を示す。図2にはもはや示されていない接着テープ3は、図1のように、第一のガイドロール4と、引き出し方向においてそれに続く第二のガイドロール6との周りを回って案内される。接着テープ3は折り曲げ縁ユニット8の下方で、折り曲げ縁ユニット8内に嵌め込まれている横方向溝19内で、握り手側からアプリケーターヘッド7の折り曲げ縁18へと案内される。この横方向溝19は、貼り付け方向Aに対して直角に走り、および折り曲げ縁ユニット8の回転軸に対して直角に経過する。
【0034】
貼り付け側面14では横方向溝19は斜めの折り曲げ縁18に合流する。接着テープの誘導は折り曲げ縁18の周りを回って案内され、アプリケーターヘッド7のまたは折り曲げ縁ユニット8の貼り付け側面14上の縦方向溝16においてさらに案内される。縦方向溝16は貼り付け方向Aに経過する。
【0035】
アプリケーターヘッド7だけでなく折り曲げ縁ユニット8も鏡面対称に形成されており、それゆえに相応する取り付け手段をブロック11上に備えている。図2に示されている接着テープアプリケーターは、貼り付け方向Aへの右から左への手動の運動を用いた接着テープ3の塗布のために形成されている。左から右へと経過する貼り付け方向Aの場合は、受入部1およびアプリケーターヘッド7は鏡面像状にブロック11上に配置されていなければならない。
【0036】
図3は接着テープアプリケーターの下面図を示している。この場合接着テープ3は第二のガイドロール6の周りを回って導かれ、横方向溝19内へ案内され、およびそこから斜めの折り曲げ縁18の周りを回って折り曲げ縁ユニット8の貼り付け側面14上へと導かれる。
【0037】
本発明の折り曲げ縁ユニット8はアプリケーターヘッド7に対して旋回可能に、およびアプリケーターヘッド上に形成されている。アプリケーターヘッド7内には二つの側方の穿孔22a、22bを伴う切り抜き部22が、長手軸Lに沿って経過する軸23のために設けられている。折り曲げ縁ユニット8はこの長手軸Lを中心に旋回可能に配置されている。
【0038】
長手軸L上にはねじりコイルばね24が嵌め込まれ、それは折り曲げ縁ユニット8をアプリケーターヘッド7に対して中立位置に維持する。中立位置ではこの折り曲げ縁ユニット8はアプリケーターヘッド7に対して約20度~90度、好ましくは40度~60度の角度αを有する。その場合に角度αは折り曲げ縁ユニット8の貼り付け側面14とアプリケーターヘッド7の側方の接触側面26との間で測定される。もちろん中立位置の他の角度αも考えられ得る。それぞれ中立位置からの折り曲げ縁ユニット8の開き出しの場合も折り曲げ縁ユニット8の閉じ込みの場合も、折り曲げ縁ユニット8に力が加えられなければならない。
【0039】
接着テープ3を貼り付けるために、折り曲げ縁ユニット8は、親指または一本の指を用いて手動でアプリケーターヘッド7に対しておよそ直角な位置に開き出される。この場合に接着テープロール2は受入部1の棘状部に差し込まれ、および接着テープ3はガイドロール4、6を介して横方向溝19を通り、折り曲げ縁18の周りを回り縦方向溝16を通って通される。
【0040】
次に接着テープアプリケーターの折り曲げ縁ユニット8は貼り付け間隙に差し込まれ、接着テープアプリケーターは貼り付け間隙に沿って右から左へと移動される。この場合この貼り付け間隙は例えば自動車のルーフフレーム36と自動車の閉じられたドアとの間の間隙であり、ドアにはまだ内装も密封材も備えられてはおらず、その結果数ミリメートルの幅の間隙がドアとルーフフレーム36との間に形成される。しかし断面図においてルーフフレーム36は、例えば自動車のCピラーとBピラーとの間およびBピラーとAピラーとの間では異なる角度を有するが、本発明の接着テープアプリケーターは、接着テープアプリケーターが側方の接触側面26をもってルーフフレーム36に対して移動されるのみでなく、下方から折り曲げ縁ユニット8がその貼り付け側面14をもってルーフフレーム36に対して移動されることで、それに沿って移動する場合に自動的にそれらの角度に適合する。
【0041】
通例では直角ではない、貼り付け側面14と側方の接触側面26との間のさまざまに形成された角度は、折り曲げ縁ユニット8のアプリケーターヘッド7に対する旋回性によって均整される。
【0042】
貼り付け側面14内へは、側方の接触側面26内と同様にそれぞれ少なくとも一つの磁石が嵌め込まれている。貼り付け側面14内へは貼り付け側面の磁石27が、ならびに側方の接触側面には第一のおよび第二の側方の接触面側の磁石28a、28bが嵌め込まれている。磁石27、28a、28bは貼り付け側面14または側方の接触側面26をルーフ32の鋼性側面に引き付ける。
【0043】
図4は折り曲げ縁ユニット8の上面図を、図5は側面図を示している。折り曲げ縁ユニット8は実質的に二つの部分から形成されている。折り曲げ縁ユニット8は本来の折り曲げ縁ユニット8と、摺動可能な蓋29を備えている。折り曲げ縁ユニット8内の内部空間31にはその一つの磁石27が挟まれ、貼り付けられまたは入れられ、およびそれから容易に再び取り出されることも可能である。内部空間31内に入れられた磁石27は蓋29を閉じることによって外に落下することが妨げられる。蓋29は、蓋29内に設けられた、それを通って(図示されていない)ネジが通されている穿孔を介して、偶然に開くことが阻止され得る。図4および図5に示されている折り曲げ縁ユニット8はアプリケーターヘッド7内で軸23を中心にその回りを回転可能に支承されている。
【0044】
図5図4の折り曲げ縁ユニット8の側面図を示している。この場合は、その中に相応のばねが備え付けられている蓋29を差し込むことができる、T字型の溝30が認められる。図5は、続いて折り曲げ縁18を介して折り曲げられるために、それらに沿って接着テープが案内されている、二つの横方向溝19も示している。
【0045】
図6は下方の領域に、車両の側面と自動車のルーフ32との側面図を示している。図6の上方部分には、矢印で示されている、ルーフフレーム36のさまざまな位置の断面図が示されている。第一の断面図は自動車のAピラーの前方、第二および第三の断面図はAピラーとBピラーとの間、第三の断面図はCピラーの領域に配置されている。ドアに向いた内側34と、ルーフ32へと移行するルーフフレーム36の外側33との間の角度αが可変であるということが認められる。Aピラーの前方の第一の断面では内側34と外側33との間の角度αはα>90度であり、他方AピラーとBピラーとの間では角度αは約85度~95度で変化し、Cピラーの領域では例えば再びα=95度である。この接着テープアプリケーターが外側からルーフフレーム36の外側33に対し、および下側からルーフフレーム36の内側34に押し付けられるため、ルーフフレーム36に沿って接着テープアプリケーターを誘導する場合に、折り曲げ縁ユニット8とアプリケーターヘッド7との間の角度αは外側33と内側34との間のこの角度に自動的に適合される。
【符号の説明】
【0046】
1 受入部
2 接着テープロール
3 接着テープ
4 ガイドロール
6 ガイドロール
7 アプリケーターヘッド
8 折り曲げ縁ユニット
9 基礎ユニット
11 ブロック
12 握り手
13 プレート
14 貼り付け側面
16 縦方向溝
17 押し付け用接着テープ
18 折り曲げ縁
19 横方向溝
22 切り抜き部
22a 穿孔
22b 穿孔
23 軸
24 ねじりコイルばね
26 側方の接触側面
27 磁石
28a 磁石
28b 磁石
29 蓋
30 T字型の溝
31 内部空間
32 ルーフ
33 外側
34 内側
36 ルーフフレーム
A 貼り付け方向
B 幅
L 長手軸
α 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6