(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】美容器
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20220207BHJP
A61H 37/00 20060101ALN20220207BHJP
【FI】
A61H23/02 341
A61H37/00 A
(21)【出願番号】P 2019223090
(22)【出願日】2019-12-10
(62)【分割の表示】P 2016143296の分割
【原出願日】2016-07-21
【審査請求日】2020-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岩男
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3192136(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1034029(KR,B1)
【文献】国際公開第2014/196195(WO,A1)
【文献】特表2014-525314(JP,A)
【文献】実開昭60-005676(JP,U)
【文献】登録実用新案第3125080(JP,U)
【文献】特開平11-241384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/02
A61H 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に連なり肌に接する縁が環状である凸部と、肌に接する側から見て前記縁の内周側に形成された
半球形状の凹部とを有し、前記凸部は、中空ではなく前記縁から前記底部に向かうにつれて前記凹部側に径方向の厚みが増して
いる振動部と、
前記底部を挟んで前記凹部及び前記凸部がある側と反対側に設けられ、前記振動部を振動させる振動子と
を備える美容器。
【請求項2】
環状の電極と、
前記電極と前記振動部へラジオ波の交流電圧を印加する供給部と
を有し、
前記凸部は、前記環状の電極の内周面より内側に位置する
請求項
1に記載の美容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波振動を発生する超音波発生部と、筒状の突起を有し、超音波発生部の超音波振動を皮膚に伝達する皮膚接触部材を備えた皮膚美容装置が開示されている。この皮膚美容装置は、皮膚接触部材を皮膚に接触させて超音波振動を皮膚に伝達することにより、皮膚の老廃物を皮膚外に排出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波振動によって皮膚外に排出された老廃物は、筒状の突起の内側に入る。特許文献1の
図1に示されているように、突起が皮膚接触部材の底に対して垂直になっている場合、突起と底が交わる部分に老廃物が付着すると、付着した老廃物を取り除くのが困難となる。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、皮膚から取り除かれて皮膚を振動させる部材に付着した物の除去を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底部に連なり肌に接する縁が環状である凸部と、肌に接する側から見て前記縁の内周側に形成された凹部とを有し、前記凸部は、中空ではなく前記縁から前記底部に向かうにつれて前記凹部側に径方向の厚みが増しており、前記凹部の深さは、中央から前記縁に向かうにつれて浅くなっている振動部と、前記底部を挟んで前記凹部及び前記凸部がある側と反対側に設けられ、前記振動部を振動させる振動子とを備える美容器を提供する。
【0007】
本発明においては、前記凹部は半球形状である構成であってもよい。
【0008】
また、本発明においては、環状の電極と、前記電極と前記振動部へラジオ波の交流電圧を印加する供給部とを有し、前記凸部は、前記環状の電極の内周面より内側に位置する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、皮膚から取り除かれて皮膚を振動させる部材に付着した物の除去を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4A】第2実施形態に係る振動部10Aの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る美容器1の外観を示した図であり、
図2は、美容器1の電気的構成を示したブロック図である。美容器1は、皮膚の表面にある角質や皮脂、化粧などを皮膚から取り除く装置である。
【0012】
美容器1は、振動部10、操作部20、表示部30及び筐体50を備える。筐体50の内部には、振動部10を振動させる振動素子40、制御部101、振動素子40を振動させる振動制御部60、美容器1の電源となる二次電池(図示略)がある。
【0013】
図3Aは、振動部10の上面図であり、
図3Bは、
図3Aに示した振動部10のA-A線断面図である。振動部10の素材は金属であるが、金属に限定されず他の素材であってもよい。振動部10は、上方から見て円形であって所定の厚みがある底部110と、底部110に連なる管状の凸部111を有する。凸部111は、内側の底部110側に所定の半径のR面112を有しており、R面112がある部分においては、内面側が底部110に向かって厚みが増す形状となっている。また、凸部111は、底部110と反対側の縁部がC面取りされている。なお、凸部111の縁部は、C面取りではなくR面取りされていてもよい。
【0014】
振動素子40は、圧電セラミックスを一対の電極で挟んだ振動素子である。振動素子40は、底部110の底面に接着されている。振動素子40の形状は中央に穴が設けられた円環形状である。振動素子40は、電極に交流電圧が印加されると円環形状の径方向に振動する。本実施形態においては、振動素子40の振動の周波数は、80kHz~100kHzであるが、この周波数以外の周波数で振動するものであってもよい。
【0015】
操作部20は、ボタン20Aとボタン20Bを含む。ボタン20Aは、美容器1の電源をオン又はオフにするためのボタンであり、筐体50に配置されている。ボタン20Aを操作する毎に、美容器1はオン状態とオフ状態が切り替わる。ボタン20Bは、振動素子40の振動を制御するためのボタンであり、筐体50に配置されている。筐体50に配置された表示部30は、液晶ディスプレイであり、二次電池の残量や振動素子40の振動状態などを表示する。
【0016】
次に美容器1の電気的構成について、
図2を用いて説明する。振動制御部60は、制御部101と振動素子40に接続されており、振動素子40に交流電圧を印加する回路を有している。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータであり、ROMに記憶されているプログラムに従って振動制御部60を制御する。制御部101には、振動制御部60に加えて操作部20と表示部30が接続されている。制御部101は、二次電池の残量が表示されるように表示部30を制御する。
【0017】
制御部101は、振動素子40を振動させていない状態においてボタン20Bが操作されると、交流電圧の印加を指示する信号を振動制御部60へ出力する。振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて交流電圧を振動素子40に印加し、振動素子40を振動させる。制御部101は、交流電圧の印加を指示する信号を出力した後、振動状態であることを示すアイコンが表示されるように表示部30を制御する。
【0018】
振動素子40が振動すると、振動素子40が接着されている振動部10も振動する。美容器1の使用者は、振動している凸部111の縁を顔の皮膚に接触させながら移動させる。振動している凸部111の縁が皮膚上を移動すると、皮膚の表面に付着している角質や皮脂、皮膚の表面に残っている化粧などが皮膚の表面から除去される。また、皮膚の毛穴の中にある角質や皮脂、化粧が振動によって毛穴から除去される。皮膚の表面や毛穴から除去された角質や皮脂、化粧は、凸部111の外側や凸部111の内側に移動する。
【0019】
次に、制御部101は、振動素子40を振動させている状態においてボタン20Bが操作されると、交流電圧の印加停止を指示する信号を振動制御部60へ出力する。振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて振動素子40への交流電圧の印加を停止し、振動素子40の振動を停止させる。制御部101は、交流電圧の印加停止を指示する信号を出力した後、振動状態であることを示すアイコンを消去するように表示部30を制御する。
【0020】
凸部111の内側に移動した角質や皮脂、化粧は、凸部111の内側に付着する。凸部111の底部110側にR面112がなく、例えば、底部110に対して凸部111が垂直になっている場合、角質や皮脂、化粧などは、凸部111と底部110が交わる角の部分に付着し、角の部分から除去するのが困難となる。一方、本実施形態においては、凸部111の内側に移動した角質や皮脂、化粧は、凸部111の内側やR面112、底部110の上面側などに付着する。振動部10においては、凸部111の底部110側にR面112があり、角となっている部分がないため、凸部111の内側に付着した角質や皮脂、化粧などを容易に除去し、凸部111を清潔にすることができる。
【0021】
また、R面112がない構成と比較すると、本実施形態においては、R面112があり、凸部111は、底部110側において底部110に向かって厚みが増す形状となっているため、振動素子40の振動がより皮膚に伝わり、より角質や皮脂、化粧などを除去することができる。なお、上述した実施形態においては、凸部111は、内側の底部側にR面112を有しているが、R面112に替えてC面を有する構成としてもよい。
【0022】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る美容器1は、振動部と振動素子の構成が第1実施形態と異なり、他の構成は第1実施形態と同じである。そのため、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を使用し、その説明を省略する。
【0023】
図4Aは、第2実施形態に係る振動部10Aの上面図であり、
図4Bは、
図4Aに示した振動部10AのB-B線断面図である。振動部10Aの素材は、振動部10と同じく金属である。振動部10Aは、上方から見て円形であって所定の厚みがある底部110と、底部110に連なる管状の凸部111を有する。凸部111は、内側の底部110側にR面112を有しており、R面112がある部分においては、内面側が底部110に向かって厚みが増す形状となっている。凸部111は、底部110と反対側の縁部がC面取りされている。
【0024】
また、振動部10Aは、底部110に連なる管状の凸部113を有する。凸部113は、上方から見て中心が凸部111と同じ位置にあり、その内径が凸部111の外径より大きく、底部110と反対側の縁部がC面取りされている。凸部111の底部110側と凸部113の底部110側の間には、凸部111の外周面と凸部113の内周面に連なるR面114がある。凸部113は、R面114がある部分においては、内面側が底部110に向かって厚みが増す形状となっている。また、凸部111は、R面114がある部分においては、外面側も底部110に向かって厚みが増す形状となっている。
【0025】
振動素子41は、圧電セラミックスを一対の電極で挟んだ振動素子である。振動素子41は、中央に穴が設けられた円環形状であり、内径が振動素子40の外径より大きい。振動素子41は、底部110の底面においてR面114の下方に接着されている。振動素子41は、電極に交流電圧が印加されると円環形状の径方向に振動する。
【0026】
本実施形態においては、振動素子41の振動の周波数は40kHzであり、振動素子40の振動の周波数は100kHzとなっている。振動素子40と振動素子41の振動の周波数は、この組み合わせに限定されるものではなく、他の組み合わせであってもよい。例えば、振動素子40の振動の周波数>振動素子41の振動の周波数という関係で、振動素子40の振動の周波数を100kHz以外の周波数とし、振動素子41の振動の周波数を40kHz以外の周波数としてもよい。また、振動素子40の振動の周波数と振動素子41の振動の周波数との関係を、振動素子40の振動の周波数<振動素子41の振動の周波数という関係としてもよい。また、振動素子40の振動の周波数と振動素子41の振動の周波数を同じとしてもよい。
【0027】
図5は、第2実施形態に係る美容器1のブロック図である。振動制御部60は、振動素子40と振動素子41に接続されている。制御部101は、振動素子40及び振動素子41を振動させていない状態においてボタン20Bが操作されると、交流電圧の印加を指示する信号を振動制御部60へ出力する。振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて交流電圧を振動素子40に印加し、振動素子40を振動させる。また、振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて交流電圧を振動素子41に印加し、振動素子41を振動させる。制御部101は、交流電圧の印加を指示する信号を出力した後、振動状態であることを示すアイコンが表示されるように表示部30を制御する。
【0028】
振動素子40及び振動素子41が振動すると、振動素子40及び振動素子41が接着されている振動部10Aも振動する。美容器1の使用者は、振動している凸部111の縁と凸部113の縁を顔の皮膚に接触させながら移動させる。振動素子40の振動により、皮膚の表面に付着している角質や皮脂、皮膚の表面に残っている化粧などが皮膚の表面から除去される。また、毛穴の中にある角質や皮脂、化粧が振動によって毛穴から除去される。また、振動素子41の振動により、皮膚の表面に付着していたPM2.5などの微小粒子状物質が皮膚の表面から除去される。皮膚の表面や毛穴から除去された角質や皮脂、化粧、微小粒子状物質などは、凸部113の外側や凸部111と凸部111の間、凸部111の内側に移動する。
【0029】
次に、制御部101は、振動素子40及び振動素子41を振動させている状態においてボタン20Bが操作されると、交流電圧の印加停止を指示する信号を振動制御部60へ出力する。振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて振動素子40及び振動素子41への交流電圧の印加を停止し、振動素子40及び振動素子41の振動を停止させる。制御部101は、交流電圧の印加停止を指示する信号を出力した後、振動状態であることを示すアイコンを消去するように表示部30を制御する。
【0030】
本実施形態においては、皮膚から除去された角質や皮脂、化粧、微小粒子状物質は、凸部111と凸部111の間や凸部111の内側に付着する。振動部10Aにおいては、角質や皮脂、化粧、微小粒子状物質などが入り込む角がなく、凸部111と凸部113の間にR面114があるため、凸部111と凸部113の間に付着した角質や皮脂、化粧、微粒子状物質などを容易に除去することができる。また、本実施形態においては、R面114があり、凸部113は、底部110側において底部110に向かって厚みが増す形状となっているため、振動素子40や振動素子41の振動がより皮膚に伝わり、角質や皮脂、化粧、微粒子状物質などをより除去することができる。なお、上述した実施形態においては、凸部111と凸部113の間にはR面があるが、
図4Cに示したように、R面114に替えてC面115とC面116を有する構成であってもよい。
【0031】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る美容器1は、高周波(ラジオ波)による温熱効果を発生するための電極を有している点が第1実施形態と異なり、他の構成は第1実施形態と同じである。そのため、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を使用し、その説明を省略する。
【0032】
図6Aは、第3実施形態に係る振動部10の上面図であり、
図6Bは、
図6Aに示した振動部10のC-C線断面図である。第1実施形態と同じ振動部10の凸部111の外周より外側には、電極120と、電極120を固定する固定部130が設けられている。固定部130は、例えばABS樹脂であり、円筒形状に形成されている。固定部130の内周面より内側には振動部10が位置し、固定部130の内周面に振動部10が接着されている。
【0033】
電極120は、皮膚の表層を加熱するための電極であり、導電性を有する。電極120の形状は、円筒の形状であり、一部が固定部130内に位置して固定部130に接着されており、一部が固定部130の外に露出している。
【0034】
図7は、第3実施形態に係る美容器1の電気的構成を示したブロック図である。高周波供給部70は、高周波(ラジオ波)の交流電圧を出力する回路を有しており、制御部101、振動部10及び電極120に接続されている。制御部101は、振動素子40を振動させていない状態においてボタン20Bが操作されると、交流電圧の印加を指示する信号を振動制御部60と高周波供給部70へ出力する。振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて交流電圧を振動素子40に印加し、振動素子40を振動させる。高周波供給部70は、制御部101から出力された信号に応じて交流電圧を電極120及び振動部10へ印加する。制御部101は、交流電圧の印加を指示する信号を出力した後、振動状態であることを示すアイコンと皮膚を加熱している状態であることを示すアイコンが表示されるように表示部30を制御する。
【0035】
皮膚に接触している電極120と振動部10へ高周波の交流電圧が印加されると、電極120と振動部10との間で皮膚を介して高周波電流が流れて皮膚が温められる。高周波電流を皮膚に流さない構成と比較すると、皮膚が温められるため、皮膚の角質や皮脂、化粧などが除去されやすくなる。
【0036】
制御部101は、振動素子40を振動させている状態においてボタン20Bが操作されると、交流電圧の印加停止を指示する信号を振動制御部60と高周波供給部70へ出力する。振動制御部60は、制御部101から出力された信号に応じて振動素子40への交流電圧の印加を停止し、振動素子40の振動を停止させる。高周波供給部70は、制御部101から出力された信号に応じて電極120及び振動部10への交流電圧の印加を停止する。制御部101は、交流電圧の印加停止を指示する信号を出力すると、振動状態であることを示すアイコンと皮膚を加熱している状態であることを示すアイコンを消去するように表示部30を制御する。
【0037】
なお、美容器1が電極120を有する構成においては、凸部111の内周より内側に電極120が配置された構成であってもよい。この構成の場合、凸部111の内周より内側に固定部130が配置され、固定部130に電極120が固定される。固定部130の上面は、C面取りされた凸部111の縁より下方にあり、固定部130は、本発明に係る底部となる。凸部111は、内周面側において固定部130上面に繋がる所定の半径のR面112又はC面を有する。なお、凸部111の内周より内側に配置された電極120においても、内周面側と外周面側において固定部130の上面に繋がる所定の半径のR面又はC面を有する構成としてもよい。この構成においては、凸部111や電極120の底部側において角となる部分がないため、凸部111や固定部130、電極120に付着した角質や皮脂、化粧などを容易に除去し、凸部111や固定部130、電極120を清潔にすることができる。
【0038】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0039】
上述した実施形態においては、振動素子40と振動素子41が振動する方向は、円環形状の径方向であるが、径方向ではなく厚み方向に振動する構成であってもよい。また、振動素子40と振動素子41の一方が径方向に振動子、他方が厚み方向へ振動する構成であってもよい。
【0040】
上述した実施形態においては、底部110は、振動素子40が接着される側と反対側に平坦な部分があるが、底部110が平坦な部分を有しない構成であってもよい。
図8Aは、本変形例に係る振動部10Bの上面図であり、
図8Bは、
図8Aに示した振動部10BのD-D線断面図である。振動部10Bの素材は、金属である。振動部10Bは、上方から見て円形であって所定の厚みがある底部110と、底部110に連なる凸部117を有し、凸部117は、半球状の凹部118を有する。本変形例においては、凸部117は、内面側が底部110に向かって厚みが増す形状となっている。凸部117の内側に移動した角質や皮脂、化粧は、凹部118に付着する。振動部10Bにおいては、凸部117の内側は半球面であるため、角質や皮脂、化粧などが入り込む角がなく、凸部117の内側に付着した角質や皮脂、化粧などを容易に除去し、凸部117を清潔にすることができる。
【0041】
上述した実施形態においては、凸部111や凸部113は、円管の形状であるが、円管の形状に限定されるものではなく、内側の底部110側にR面又はC面を有するのであれば角管の形状であってもよい。
【0042】
また、振動部は、上方から見て雫型の形状であってもよい。
図9Aは、上方から見て雫型の振動部10Cの上面図であり、
図9Bは、
図9Aに示した振動部10CのE-E線断面図である。また、
図9Cは、
図9Aに示した振動部10CのF-F線断面図である。振動部10Cの素材は金属である。振動部10Cは、上方から見て雫型であって所定の厚みがある底部110Aと、底部110に連なる管状の凸部119を有する。凸部119は、内側の底部110A側にR面112を有しており、R面112がある部分においては、内面側が底部110Aに向かって厚みが増す形状となっている。振動部10Cにおいても、凸部119の底部110A側にR面112があるため、角質や皮脂、化粧などが入り込む角がなく、凸部119の内側に付着した角質や皮脂、化粧などを容易に除去し、凸部119を清潔にすることができる。
【0043】
上述した第2実施形態においては、美容器1は、振動素子40と振動素子41を備える構成であるが、振動部10Aに対して一つの振動素子を接着する構成であってもよい。また、上述した第2実施形態においては、美容器1は、凸部111と凸部113の2つの凸部を備える構成であるが、3つ以上の凸部を備える構成であってもよい。また、上述した第2実施形態においては、振動素子40と振動素子41の振動の周波数は固定となっているが、使用者の操作に応じて振動の周波数を変更で着る構成であってもよい。
【0044】
上述した実施形態においては、振動素子40は円環形状であるが、振動素子40は、円盤形状であって厚み方向へ振動する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…美容器、10,10A,10B,10C…振動部、20…操作部、20A,20B…ボタン、30…表示部、40,41…振動素子、50…筐体、60…振動制御部、70…高周波供給部、110,110A…底部、111,113,117,119…凸部、112,114…R面、115,116…C面、118…凹部、120…電極、130…固定部。