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特許6990246サンプラからの体液試料を分析するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】サンプラからの体液試料を分析するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
G01N35/00 A
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019532773
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2017081316
(87)【国際公開番号】W WO2018114295
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2019-06-17
(31)【優先権主張番号】PA201600791
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】500554782
【氏名又は名称】ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】サアアンスン,カスパ・ニーザゴー
(72)【発明者】
【氏名】ボンゴー,フレズレク
(72)【発明者】
【氏名】ビトフェルト,クレスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ラウアスン,ニナ・ピダ
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-211948(JP,A)
【文献】特開平05-072215(JP,A)
【文献】特表2006-510883(JP,A)
【文献】特表平10-512677(JP,A)
【文献】中国実用新案第204740254(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054307(US,A1)
【文献】RadiometerMedical,It's as simple as Drop 'n' Go!,YouTube [online][video],2013年09月25日,<https://www.youtube.com/watch?v=FK795WTT0xo&feature=youtu.be
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプラからの体液試料を分析するための装置(2)であって、
-複数のスロット(10a,10b,10c)を含むサンプラベッド(4)であって、各スロットが、体液試料を収容するサンプラを受容するように構成されている、サンプラベッド(4)と、
-体液試料を分析するように構成された分析ユニットと、
-前記スロット(10a,10b,10c)のいずれかから、サンプラからの体液試料を引き出し、前記引き出された体液試料を前記分析ユニットに供給するように構成された少なくとも1つの入口(6,30)と、
-少なくとも1つの表示領域(8,18)を含む少なくとも1つの表示ユニットと、を備え、
前記装置(2)が、前記少なくとも1つの表示領域(8,18)の複数の一次ゾーン(12a,12b,12c)内に画像情報を同時に表示するように構成され、前記複数の一次ゾーン(12a,12b,12c)が、各スロットのための一次ゾーン(12a,12b,12c)を含む、装置において、
前記一次ゾーンの各々が、それぞれのスロット(10a,10b,10c)に個々に対面し、前記画像情報が、各一次ゾーン(12a,12b,12c)内のそれぞれの一次画像情報部分を含み、各それぞれの一次画像情報部分が、前記それぞれの一次ゾーン(12a,12b,12c)によって対面される前記それぞれのスロット(10a,10b,10c)に関係する、装置(2)。
【請求項2】
各スロット(10a,10b,10c)が、前記少なくとも1つの表示領域(8,18)の第1の縁部上にそれぞれの近接点(14a,14b,14c)を画定し、各それぞれの近接点(14a,14b,14c)が、前記それぞれのスロット(10a,10b,10c)に最も近い、前記第1の縁部上の点として画定され、各一次ゾーン(12a,12b,12c)が、別のスロット(10a,10b,10c)により画定された他のいずれかの近接点(14a,14b,14c)に対してよりも、前記関係したスロット(10a,10b,10c)により画定された前記近接点(14a,14b,14c)に近い、請求項1に記載の装置(2)。
【請求項3】
前記複数のスロット(10a,10b,10c)が、第1の整列を形成し、前記一次ゾーン(12a,12b,12c)が、前記第1の整列と平行である第2の整列を形成する、請求項1又は2に記載の装置(2)。
【請求項4】
前記複数のスロット(10a,10b,10c)及び前記一次ゾーン(12a,12b,12c)が、格子状構造に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項5】
各一次ゾーン(12a,12b,12c)が、前記関係したスロット(10a,10b,10c)とのそれぞれの一次整列を形成し、すべてのそれぞれの一次整列が平行である、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項6】
一次ゾーン(12a,12b,12c)と前記関係したスロット(10a,10b,10c)との間の距離が、20cm未満である、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項7】
2つの一次ゾーン(12a,12b,12c)間の距離が、前記関係した2つのスロット(10a,10b,10c)間の距離と一致する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項8】
前記複数のスロット(10a,10b,10c)が、少なくとも3つのスロット(10a,10b,10c)を含み、それぞれの一次ゾーン(12a,12b,12c)と、隣接する一次ゾーン(12a,12b,12c)との間の距離が、同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの一次画像情報部分が、色分けされた情報を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項10】
少なくとも1つの一次画像情報部分が、前記関係したスロット(10a,10b,10c)の状態に関する情報を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項11】
少なくとも1つの一次画像情報部分が、前記関係したスロット(10a,10b,10c)によって保持されたサンプラに関する情報を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項12】
各スロット(10a,10b,10c)のための中間表示部分(26a,26b,26c)を含む複数の中間表示部分(26a,26b,26c)を備え、各中間表示部分(26a,26b,26c)が、前記それぞれのスロット(10a,10b,10c)に関するそれぞれの中間情報を表示するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項13】
各中間表示部分(26a,26b,26c)は、前記それぞれの中間表示部分(26a,26b,26c)と、前記少なくとも1つの表示領域(8,18)との間の距離が、前記関係したスロット(10a,10b,10c)と、前記少なくとも1つの表示領域(8,18)との間の距離よりも小さくなるように設けられ、各それぞれの中間表示部分(26a,26b,26c)と、前記関係したスロット(10a,10b,10c)との間の距離が、10cm未満である、請求項12に記載の装置(2)。
【請求項14】
各中間表示部分(26a,26b,26c)が、LEDを含む、請求項12又は13に記載の装置(2)。
【請求項15】
一次ゾーン(12a,12b,12c)において表示された前記一次画像情報部分が、脈動及び/又は変化する強度画像を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項16】
前記中間表示部分(26a,26b,26c)によって表示された前記中間情報が、脈動及び/又は変化する強度画像を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの表示領域(8,18)の二次ゾーン(28)において二次画像情報を表示するように構成され、前記二次画像情報が、選択された一次ゾーン(12a,12b,12c)に関する前記スロットに関係する、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項18】
前記二次ゾーン(28)は、前記選択された一次ゾーン(12a,12b,12c)と前記関係したスロット(10a,10b,10c)との間の距離が、前記二次ゾーン(28)と前記関係したスロット(10a,10b,10c)との間の距離よりも小さくなるように設けられている、請求項17に記載の装置(2)。
【請求項19】
前記二次ゾーン(28)は、前記選択された一次ゾーン(12a,12b,12c)が、前記二次ゾーン(28)と、前記関係したスロット(10a,10b,10c)により画定された前記近接点(14a,14b,14c)との間に存在するように設けられている、請求項2に従属した、請求項18に記載の装置(2)。
【請求項20】
前記二次画像情報が、前記関係した一次画像情報部分を補完する、請求項17~19のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの入口が、前記スロット(10a,10b,10c)のいずれかから、サンプラからの体液試料を引き出すように構成された第1の入口(6,30)を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項22】
前記サンプラベッド(4)及び/又は前記個々のスロット(10a,10b,10c)が、前記第1の入口(6,30)に対して移動可能である、請求項21に記載の装置(2)。
【請求項23】
サンプラからの体液試料を分析するための方法であって、
-複数のスロット(10a,10b,10c)を含むサンプラベッド(4)のスロット(10a,10b,10c)において体液試料を収容するサンプラを受容することと、
-入口(6,30)を使用して前記サンプラから前記体液試料を引き出すことと、
-前記引き出された体液試料を、体液試料を分析するように構成された分析ユニットに提供することと、
-少なくとも1つの表示ユニットのうちの少なくとも1つの表示領域(8,18)の複数の一次ゾーン(12a,12b,12c)内で画像情報を同時に表示することであって、前記複数の一次ゾーン(12a,12b,12c)が、各スロット(10a,10b,10c)のための一次ゾーン(12a,12b,12c)を含み、前記一次ゾーン(12a,12b,12c)の各々が、それぞれのスロット(10a,10b,10c)に個々に対面し、前記画像情報が、各一次ゾーン(12a,12b,12c)内でそれぞれの一次画像情報部分を含み、各それぞれの一次画像情報部分が、前記それぞれの一次ゾーン(12a,12b,12c)によって対面される前記それぞれのスロット(10a,10b,10c)に関係する、表示することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプラからの体液試料を分析するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
救急部門(Emergency Department、ED)は、事故及び救急部門、救急予備室、又は救急病棟としても知られており、救急医療、特に通常、事前の予約なしに到着する患者の救急処置に特化した医療施設である。更に、患者は、意識不明であることがあり、彼らの医療履歴、アレルギー、及び血液型などの情報が、到着時点では入手できない場合がある。EDにおいて患者対応に関して予測できないという特質から、EDは、病気及び傷害の幅広い分野に対して初期治療を提供しなければならず、それらのいくつかは、生命に関わり、かつ早急な対応が要求される場合がある。したがって、特に、生きるか死ぬかに関わる場合の迅速な判断は、EDにおいて重要である。
【0003】
その結果、EDにおける医師は、多くの場合、患者に関する様々な多くの局面に対して試験をするのに大きな重圧に直面する。そのような複数の局面は、体液を分析するための分析ユニットを使って、一人の患者からの、血液試料などの単一の体液試料から推定され得る。更に、体液試料を分析したことから得られる結果は、例えば血液分析ユニットによって1分又は数分以内などの比較的高速で提供され得る。結果として、多くの場合、EDにおけるすべての又はほとんどの患者から体液試料を採取してEDにおいてこれらの試料を分析することが奨励されている。サンプリングは、通常、医療診断の過程、及び/若しくは治療指示の評価、更には医療試験又は他の手技において支援するために、患者の身体から体液などの物質を収集することとして理解されている。この意味では、試料は、収集された物質(患者からの体液試料など)であり、サンプリングツール(また、サンプラとしても知られている)は、採取される身体から試料を取得及び/又は収容するために用いられる装置である。時間は、救急治療においてそのような重要な因子であるため、EDは、典型的には、ED自体が所有する診断機器を有し、その機器は、ED職員によって使用される。これは、そうでない場合にはサンプラを取り扱う専門家が配置され得る同じ病院内などの他の場所にある機器及び職員を待つことを回避するためである。更に、EDは、1日に24時間稼働している場合があり、これは、さもなければ寝ているであろう1日のうちの時間に働くことになるED職員に更なるストレスを与え得る。更に、複数の患者及びサンプラは、多くの場合、並行して取り扱われ、これらの患者及び/又はサンプラは、多くの場合、複数のED職員によって取り扱われる。
【0004】
サンプラの自動化処理としては、「ABL800FLEX血液ガス分析器」のものが知られており、この分析器は、いつでも最大で3つのサンプラを取り扱うことが可能である。各サンプラは、収容された試料を順次引き出すことができ、そして分析され、続いて分析の結果に関する情報を表示することができる。
【0005】
したがって、この業界では、上述及び他の欠点を克服する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の発明者は、サンプラからの体液試料を分析するための方法及び装置を提供する必要性を明確に理解し、その方法及び装置は、改善された使い勝手、及びそれらの使用に起因する疲労の原因、特に、複数の職員によって使用される場合、及び/又は限定するものではないがEDにおいて使用するためなどに、複数のサンプラを取り扱う場合の原因を低減する。
【0007】
本発明は、EDにおける使用に限定されない場合がある。本発明の方法及び装置は、どんな場所でも使用することができる。それらの場所の非限定的な例としては、サンプラからの、血液試料などの体液試料の分析が実施され得る任意の種類の病院及び研究所が挙げられる。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、サンプラからの体液試料を分析するための装置が提供される。この装置は、サンプラベッド、分析ユニット、少なくとも1つの入口、及び少なくとも1つの表示ユニットを備える。サンプラベッドは、複数のスロットを含み、各スロットは、体液試料を収容するサンプラを受容するように構成されている。分析ユニットは、体液試料を分析するように構成されている。少なくとも1つの入口は、スロットのいずれかから、サンプラからの体液試料を引き出し、引き出された体液試料を分析ユニットに供給するように構成されている。少なくとも1つの表示ユニットは、少なくとも1つの表示領域を含む。この装置は、少なくとも1つの表示領域の複数の一次ゾーン内で画像情報を同時に表示するように構成されている。複数の一次ゾーンは、各スロットのための一次ゾーンを含む。一次ゾーンの各々は、それぞれのスロットに個々に対面する。画像情報は、各一次ゾーン内のそれぞれの一次画像情報部分を含む。各それぞれの一次画像情報部分は、それぞれの一次ゾーンによって対面されるそれぞれのスロットに関係する。
【0009】
本発明の更なる態様によれば、サンプラからの体液試料を分析するための方法が提供される。この方法は、複数のスロットを含むサンプラベッドのスロットにおいて、体液試料を収容するサンプラを受容することを含む。この方法は、サンプラから体液試料を引き出すことを含む。この方法は、引き出された体液試料を、体液試料を分析するように構成された分析ユニットに提供することを含む。この方法は、少なくとも1つの表示領域の複数の一次ゾーン内で画像情報を同時に表示することを含む。複数の一次ゾーンは、各スロットのための一次ゾーンを含む。一次ゾーンの各々は、それぞれのスロットに個々に対面する。画像情報は、各一次ゾーン内のそれぞれの一次画像情報部分を含む。各それぞれの一次画像情報部分は、それぞれの一次ゾーンによって対面されるそれぞれのスロットに関係する。サンプラからの体液試料を分析するための方法の上記のステップの一覧は、上述したもの以外の任意の他の順番で実行することができる。例えば、「画像情報を表示すること」は、「サンプラを受容すること」の以前に提供されてもよい。
【0010】
したがって、既知の解決策と比較して、ユーザの目へのストレスを低減する装置及び方法が提供される。低減されたストレスが提供される理由は、それぞれのスロットと、少なくとも1つの表示領域上の関係した情報との間の関係/対応を識別及び/又は確認するために、ユーザの目が、それほど移動する必要がないからである。更に、かつ/又はその結果として、ユーザがサンプラ及び/又は対応する試験結果を混同するリスクが、より低いことが挙げられる。
【0011】
本開示は、上述及び以下の装置を含む様々な態様、並びに上述及び以下などの対応する方法に関する。各態様は、他の態様のうちの1つ以上と関連して記載された利益及び利点のうちの1つ以上をもたらすことができ、各態様は、他の態様のうちの1つ以上と関連して記載され、かつ/又は添付の特許請求の範囲に開示された実施形態に対応する特徴のうちのすべて又はほんのいくつかを有する1つ以上の実施形態を有し得る。
【0012】
本発明の他のシステム、方法、及び特徴は、以下の図面、及び詳細な説明を吟味する当業者を有する者にとって明らかであり、又は明らかとなるであろう。そのような追加的なシステム、方法、及び特徴は、すべて本明細書に含まれ、本発明の範囲内であり、そして、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上記、並びに本発明の概念の追加的な目的、特徴、及び利点は、同様の参照番号が同様の要素に対して使用されている添付の図面を参照しながら、本発明の概念の好ましい実施形態に関する以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じて、より良く理解されるであろう。
【0014】
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。それらの図面は、本発明の実施形態を例示し、その説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0015】
他の、並びに更なる態様及び特徴は、以下の実施形態の詳細な説明を読み取ることから明らかであろう。
【0016】
図面は、実施形態の設計及び有用性を例示し、その中で、同様の要素は、共通の参照番号により参照される。これらの図面は、必ずしも縮尺とおりに描かれているわけではない。上記に列挙された、並びに他の利点及び目的がどのようにして得られるかをより良く理解するために、その実施形態のより具体的な説明が示されており、添付の図面に例示されている。これらの図面は、単なる典型的な実施形態を叙述するのみであり、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではない。
図1】本発明に基づく装置の第1の実施形態を概略的に例示する図である。
図2】装置の一部の整列を例示する重なり合った点線を有する、図1の実施形態を概略的に例示する図である。
図3図1の実施形態を概略的に例示し、サンプラベッドが第2の位置に存在する図である。
図4図1の装置の少なくとも1つの表示領域の典型的なゾーンを概略的に例示する図である。
図5】本発明に基づく方法の第1の実施形態を概略的に例示する図である。
図6図1の実施形態の断面側面図を概略的に例示する図である。
図7図1の実施形態のブロック図を概略的に例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に基づく装置は、以下{ヒト血液、胸膜液、透析液、又は尿}のいずれかを含み、又はこれらからなる体液試料を分析するために構成され得る。
【0018】
この装置は、任意の既知の血液ガス分析器などの任意の既知の装置からの要素を備えることができ、かつ/又は同様な方法で機能し得る。
【0019】
サンプラベッドは、スロットを支持するフレームを含み得る。スロットは、そのフレームに対して、個々に移動可能に取り付けられ得る。個々のスロットの移動は、それぞれのスロットから、それぞれのサンプラからの体液試料の引き出しと関連して利用され得、それによって、それぞれのサンプラから少なくとも1つの入口への接続が、達成され得る。装置のスロットは、複数のスロットとして理解され得る。複数のスロットは、以下の数のスロット{2個、3個、4個、又は5個以上}を含み、又はこれらからなり得る。
【0020】
サンプラベッドは、第1の入口に対して移動可能であり得る。サンプラベッドの移動は、それぞれのスロットから、それぞれのサンプラからの体液試料の引き出しと関連して利用され得、それによって、それぞれのサンプラから少なくとも1つの入口への接続が、達成され得る。
【0021】
別の方法では、又は組み合わせて、第1の入口(又は複数の入口)は、サンプラベッド、及び/又はそれぞれの別々のスロットに対して移動可能であってもよい。
【0022】
別の方法では、又は組み合わせて、それぞれのサンプラは、{サンプラベッド、それぞれのスロット、又は入口}のいずれかを互いに対して移動させることなく、少なくとも1つの入口に接続されてもよい。
【0023】
スロットは、サンプラベッド内に凹部を含み、又はそれによって画定されてもよく、その凹部は、サンプラを受容及び/又は保持するように構成される。スロットは、ポート若しくはレセプタクル、又はサンプラを受容及び/若しくは保持するように構成されている任意の部分として理解され得る。スロットは、一方向における、別の方向におけるよりも長い延在部を有してもよいが、そのように限定されなくてもよい。
【0024】
スロットの位置又は配置を指示する場合、これは、それぞれのスロットによって保持及び/又は受容されるサンプラの位置又は配置として理解されてもよい。
【0025】
スロットは、細長い形状を有するサンプラを受容するために構成されてもよい。
【0026】
体液試料を収容するサンプラを受容することは、それぞれのスロットの上/場所/中にそのようなサンプラを手動で配置することによって実現することができる。
【0027】
分析ユニットは、体液試料を分析するように構成され、分析ユニットの分野で知られているように提供されてもよい。分析ユニットは、例えば、血液ガスを分析するように構成されてもよい。
【0028】
少なくとも1つの入口は、アパーチャを含んでもよく、そのアパーチャは、サンプラの内容物(すなわち、試料)を引き出すためにサンプラと結合するように構成されてもよい。
【0029】
「引き出し」はまた、「吸引」としても知られ得る。体液試料がサンプラから引き出されるとき、それぞれのサンプラの内容物全体(又は実質的に全体)が、引き出されてもよい。ただし、残留物が、それぞれのサンプラ内に残ってもよい。あるいは、試料のほんの一部が、引き出されてもよい。看護師が患者から血液試料を取得するとき、その看護師は、少なくとも最小充填ラインまでサンプラを充填する。最小充填ラインは、血液の容積が、血液の構成成分を妨害することなく、サンプラ内の化学物質を血液中に希釈するのに十分であることを確実にする。しかしながら、分析器は、サンプラから一定の容積を吸引し、その容積は、最小充填ラインに充填されたときのサンプラ内の容積よりも少ない。
【0030】
引き出された試料は、それぞれのサンプラから引き出された後すぐに、分析ユニットに提供され得る。本発明の装置は、引き出された試料を入口から分析ユニットに提供するための配管系を備えることができる。そのような配管系は、入口及び/又は分析ユニットの一部を形成するように考慮され得る。
【0031】
少なくとも1つの表示領域を含む少なくとも1つの表示ユニットは、任意の電子ディスプレイなどの任意の表示装置によって提供され得る。非限定的な例としては、{発光ダイオードディスプレイ(Light-Emitting Diode display、LED)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(Electroluminescent Display、ELD)、電子ペーパ、Eインク、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、高性能アドレシングディスプレイ(High-Performance Addressing display、HPA)、薄膜トランジスタディスプレイ(Thin-Film Transistor display、TFT)、有機発光ダイオードディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode display、OLED)}が挙げられる。少なくとも1つの表示ユニットは、第1の表示ユニットを含み得る。少なくとも1つの表示領域は、第1の表示領域を含み得る。第1の表示ユニットは、第1の表示領域を含み得る。
【0032】
少なくとも1つの表示領域は、実質的に平坦である、などの平坦であってもよい。少なくとも1つの表示領域は、1つ以上の湾曲した縁部などの1つ以上の湾曲部を含んでもよい。
【0033】
複数の一次ゾーン内に画像情報を同時に表示することは、装置のユーザによって知覚されるように、同時に又は並行して知覚される存在として理解され得る。
【0034】
複数の一次ゾーンの各々は、少なくとも1つの表示領域内に画定されてもよい。
【0035】
一次ゾーンの数は、スロットの数と等しくてもよい。
【0036】
複数の一次ゾーンは、複数のスロットと対面してもよい。
【0037】
それぞれの一次画像情報部分は、それぞれの一次ゾーン内のすべての画像情報として理解されてもよい。
【0038】
各それぞれの画像情報部分は、それぞれの一次ゾーンによって対面されるそれぞれのスロットに関係してもよい。「に関係する」とは、「を参照する」、及び/又は「の情報を含む」として理解されてもよい。
【0039】
複数の一次ゾーンは、第1の表示領域内に画定されてもよい。第1の表示領域は、第1の縁部を画定し得る。第1の表示領域は、4つの縁部を画定し得る。第1の縁部は、4つの縁部などの複数の縁部から取得された、サンプラに最も近い第1の表示領域の縁部として画定されてもよい。
【0040】
複数の一次ゾーンは、第1の表示領域の第1の縁部が、その複数の一次ゾーンの複数のスロットに対するよりも近いように、提供され得る。
【0041】
複数の一次ゾーンは、第1の縁部と境界を接してもよい。
【0042】
複数の一次ゾーンは、第1の表示領域の第1の縁部が、複数の一次ゾーンと複数のスロットとの間に配置されるように提供されてもよい。この文脈では(かつ、本開示全体を通じて、1つの部分は、2つの他の部分の間に存在するものとして定義されている)、「間」とは、ユーザの視点、及び/又はユーザの意図された視点から見えるように理解され得る。ユーザの意図された視点とは、サンプラベッド、及び少なくとも1つの表示領域の前方空間内の領域又は点として定義され得る。これは、サンプラベッドの20cm~110cm以内、及び少なくとも1つの表示領域の20cm~110cm以内、並びに/又は両方の「腕の届く距離」以内であってもよい。これは、以下の図6によって更に例示されている。
【0043】
少なくとも1つの表示領域(第1の表示領域など)、及びサンプラベッドは、互いに対して傾斜していてもよい。この傾斜は、少なくとも1つの表示領域により画定された第1の平面と、サンプラベッドにより画定された第2の平面との間で画定され得る。サンプラベッドにより画定された第2の平面は、そのような形成がスロットによって提供された場合、例えば、複数のスロットにより形成される一般的な細長い方向として理解され得る。別の方法として、又は組み合わせて、そのような第2の平面は、サンプラベッドにより保持された複数のサンプラにより形成されている一般的な細長い方向によって画定されてもよい。
【0044】
一次ゾーンの各々は、各スロットが少なくとも1つの表示領域の第1の縁部(第1の表示領域の第1の縁部など)上にそれぞれの近接点を画定するように、個々にそれぞれのスロットに対面してもよく、各それぞれの近接点は、それぞれのスロットに最も近い第1の縁部上の点として画定されており、各一次ゾーンは、別のスロットにより画定された任意の他の近接点に対してよりも、関係したスロットにより画定された近接点に近い。
【0045】
一次ゾーンの各々は、各一次ゾーンが少なくとも1つの表示領域の第1の縁部(第1の表示領域の第1の縁部など)上にそれぞれの近接点を画定するように、それぞれのスロットに個々に対面してもよく、各それぞれの近接点は、それぞれの一次ゾーンに最も近い第1の縁部上の点として画定されており、各スロットは、別の一次ゾーンにより画定された任意の他の近接点に対してよりも、関係した一次ゾーンにより画定された近接点に近い。
【0046】
一次ゾーン、及び関係したスロットによりそれぞれ画定された近接点は、一致してもよい。
【0047】
注意:「それぞれのスロットに個々に対面する一次ゾーン」は、装置の使用中にサンプラベッドの第1の位置に対してなど、装置の使用中に少なくとも一時的に生じることが理解される。したがって、一次ゾーンは、関係したスロットと必ずしも常に対面していなくてもよい。例えば、サンプラベッドは、第1の表示領域に対してなど、少なくとも1つの表示領域に対して一時的に置換可能であってもよい。
【0048】
「対面する」という用語は、それぞれの個々の一次ゾーンが、任意の他のスロットに対してよりも関係したスロットに近いように理解されてもよい。
【0049】
「スロット」という用語は、その上/その地点などの、装置上又は装置の場所/部分として理解されてもよい。スロットは、必ずしも細長い形状を有する必要はない。個々のスロットの形状は、サンプラの形状に適合されてもよい。
【0050】
画像情報(以下に定義されるように、1つ、2つ以上、若しくはすべての一次ゾーン、及び/又は以下に定義される二次画像情報に表示される一次画像情報部分など)は、1つ以上の単語、数字、又は番号などの1つ以上の文字又は記号を含んでもよい。例えば、一次画像情報部分は、例えば1つ以上の単語を使用して、サンプラが、関係したスロット{に配置され得るか、から取り外されるべきか、から取り外されるべきではないか、に配置され得ず又はそこから取り外されるべきではなかったか}どうかを指示し得る。後者の場合は、例えば、ユーザがスロットから取り外されるべきではなかったサンプラを取り外してしまった状況を対象として含み得る。したがって、ユーザは、「サンプラを取り替える」(すなわち、それぞれのスロットにおいてもう一度、又は別の空きスロットにおいて、それぞれのサンプラを設置する)ように促され得る。
【0051】
少なくとも1つの入口は、共通の入口、及び/又は各スロットに対して入口を備えてもよい。共通の入口は、サンプラベッド、及び/又はそれぞれのスロットを使用せずにサンプラから試料を引き出すために手動で使用されるように構成されてもよい。
【0052】
少なくとも1つの表示領域は、ユーザがやり取りすることができる1つ以上のタッチセンサ式の領域を含んでもよい。やり取りの他の手段は、例えば、キーボード及び/又はカーソル制御による制御を提供することによって設けられてもよい。
【0053】
やり取りは、例えば、関係した一次ゾーンをクリック又はタッチすることによって、サンプラ及び/若しくはスロット並びに/又は試料を選択することを含んでもよい。
【0054】
それぞれのスロットに関する情報は、以下のうちの任意の1つ以上に関する情報を含んでもよい{それぞれのスロットの利用可能状態(例えば、サンプラが配置され得るかどうか、取り外されるべきかどうか、又は取り外されるべきではないかどうか)、それぞれのスロットにより受容/保持される若しくはされたサンプラによって収容される若しくは収容された試料又は試料内容物、操作者(例えば、患者から前述の試料を取得する者)、前述の患者等}。
【0055】
一次情報は、{サンプラ及びスロット}のうちの任意の1つ以上に関係してもよく、これに対して、二次情報(以下に定義される)は、{試料、患者、及び操作者}のうちの任意の1つ以上に関係してもよい。
【0056】
サンプラは、シリンジ及び/又は毛細管の一部を含むか、又は形成してもよい。本発明に基づく装置は、変化する磁界によって作動させることができる磁気的に操作可能な球体などの組み込み混合球を含むサンプラと共に使用されるように構成されることができる。そのような磁界は、本発明の装置によって、好適なユニットにより発生され得る。したがって、サンプラの内容物は、サンプラがスロットに配置されている間に、混合され得る。これは、試料が引き出され、そして分析器に提供されるのを待つ間に、例えば血液の試料が凝固するのを遅らせることができる。
【0057】
各スロットは、第1の表示領域の第1の縁部などの、少なくとも1つの表示領域の第1の縁部上にそれぞれの近接点を画定することができる。各それぞれの近接点は、それぞれのスロットに最も近い第1の縁部上の点として、すなわち、第1の縁部上の任意の他の点と比較して画定され得る。「に最も近い」という用語は、それぞれのスロットの各点/部分に平均的に最も近い第1の縁部の1点として理解されてよい。
【0058】
各一次ゾーンは、別のスロットにより画定された任意の他の近接点に対してよりも、関係したスロットにより画定された近接点に近くてもよい。
【0059】
したがって、ユーザが特定のスロットに関する一次ゾーンを視覚的に配置する必要がある場合、ストレスのレベルが低減されてユーザの目にもたらし得、その理由は、目が、最初に(第1の/少なくとも1つの)表示領域の縁部を垂直方向に探し、次いで、その縁部の境界とちょうど接し得る最も近い一次ゾーンに移動することによって、最短距離を移動する必要があるからである。
【0060】
近接点は、一次ゾーン、及び関係したスロットに対して画定され得、逆もまた同様である。したがって、ユーザが特定の一次ゾーンに関するスロットを視覚的に配置する必要がある場合に、同様の利点がもたらされ得る。
【0061】
一次ゾーンに関するスロットは、一次ゾーンによって関係し合っているスロットとして理解されてもよい。
【0062】
複数のスロットは、第1の整列を形成してもよい。それぞれの一次ゾーンは、第2の整列を形成してもよい。第2の整列は、第1の整列と平行であってもよい。したがって、ユーザの目は、各それぞれのスロットと、関係した一次ゾーンとの間の対応/関係を確認するために、スロット/一次ゾーンの各「ペア」に対して同様の方法で移動してもよい。「関係した一次ゾーン」という用語は、それぞれのスロットに関する一次ゾーンとして理解されてもよい。
【0063】
複数のスロット、及びそれぞれの一次ゾーンは、格子状構造に配置されてもよい。格子状構造は、等間隔の水平線、及び/又は等間隔の垂直線から構成されるネットワークとして理解され得る。他の格子状構造が、提供されてもよい。したがって、交差する線は、一次ゾーン/スロットの位置を画定し得る。
【0064】
各一次ゾーンは、関係したスロットと共に一次整列を形成し得、その結果、すべての一次整列は、平行である。これは、ユーザが目を凝らして使うのを軽減することができる。
【0065】
一次ゾーンと、関係したスロットとの間の距離は、20cm未満、例えば15cm、10cm、又は5cmとしてもよい。少なくとも1つの表示領域の第1の縁部と、複数のスロットとの間の距離は、20cm未満、例えば15cm、10cm、又は5cmとしてもよい。上記で定義された距離は、それらの最も近い部分の間にあるものとして定義されてもよい。
【0066】
本開示全体を通じて、2つの部分/要素の間の距離は、それぞれの部分/要素の最も近い点の間の距離として理解されてもよい。
【0067】
2つの一次ゾーンの間の距離は、それぞれの一次ゾーンに関する2つのスロット間の距離と一致してもよい。
【0068】
複数のスロットは、3つのスロットを含んでもよい。3つのスロット、すなわち少なくとも3つのスロットを含む任意の実施形態の場合、隣接する一次ゾーンの間の距離は、同じであってもよい。
【0069】
少なくとも1つの一次画像情報部分は、色分けされた情報を含んでもよい。これは、例えば、「バイナリ」色分け(すなわち、2つの異なる色による色分けの使用)を含み得、例えば、緑色/橙色、又は2つの異なる色の任意の他の組み合わせを用いて、スロットの利用可能/利用不可を指示することができる。例えば、空のスロットに関する各一次ゾーンは、第1の色、例えば緑色を含んでもよく、また空でないスロットに関する各一次ゾーンは、第2の色、例えば赤色/橙色を含んでもよい。
【0070】
情報は、色分けされた情報ではなく、又は色分けされた情報と組み合わせて、光強度によって符号化されてもよい。例えば、スロットからのサンプラの取り外しなどの、ユーザによって必要とされ得る任意の動作の場合には、関係した一次ゾーンの少なくとも一部分の光強度を適宜変更することができる。
【0071】
少なくとも1つの一次画像情報部分は、{空、「占有中-使用中」、「エラー--削除されるべき」、「吸引中(終了)-削除されるべき」等}などの、関係したスロットの状態に関する情報を含んでもよい。
【0072】
少なくとも1つの一次画像情報部分は、「処理中」などのサンプラの状態に関する情報など、又はサンプラを識別する情報などの、関係したスロットによって保持されるサンプラに関する情報を含んでもよい。
【0073】
本発明に基づく装置は、複数の中間表示部分を備えることができ、これは、各スロットのための中間表示部分を含むことができる。各中間表示部分は、それぞれのスロットと、少なくとも1つの表示領域との間に設けられてもよい。「間」という用語は、上述のように、すなわち、例えば、ユーザの(意図された)視点に対して理解されてもよい。したがって、それぞれの中間表示部分は、一次ゾーンと、関係したスロットとの間の目を案内することができる。
【0074】
各中間表示部分は、それぞれのスロットに関するそれぞれの中間情報を表示するように構成されてもよい。
【0075】
各中間表示部分は、それぞれの中間表示部分と、少なくとも1つの表示領域との間の距離が、関係したスロットと、少なくとも1つの表示領域との間の距離よりも小さくなるように設けられてもよい。
【0076】
各中間表示部分は、それぞれの中間表示部分と、少なくとも1つの表示領域の第1の縁部(第1の表示領域のうちの第1の縁部など)との間の距離が、関係したスロットと、少なくとも1つの表示領域の第1の縁部との間の距離よりも小さくなるように設けられてもよい。
【0077】
それぞれの中間表示部分と、関係したスロットとの間の距離は、10cm未満、例えば、5cm未満であってもよい。
【0078】
各中間表示部分は、それぞれのスロットと、それぞれのスロットに関する一次ゾーンとの間に設けられてもよい。「間」という用語は、上述のように、すなわち、例えば、ユーザの(意図された)視点に対して理解されてもよい。したがって、それぞれの中間表示部分は、一次ゾーンと、関係したスロットとの間でユーザの目を案内することができる。
【0079】
この装置は、それぞれの中間表示部分によって、関係したスロットの状態を指示するように構成されてもよい。
【0080】
各中間表示部分は、LEDなどの発光部分を含んでもよい。
【0081】
中間表示部分は、サンプラベッドのフレームなどによって、サンプラベッドと一体化され、かつ/又はサンプラベッドによって保持されてもよい。
【0082】
一次ゾーンにおいて表示される一次画像情報部分、及び/又は中間表示部分によって表示される中間情報は、固定又は可変周波数リズムなどの脈動及び/又は変化する強度画像を含んでもよい。可変周波数脈動画像の場合、情報は、例えば、周波数によって符号化されてもよい。例えば、動作が必須であるか否かを指示することによってである。例えば、比較的遅い点滅は、ユーザからの注意/入力/動作が必須であることを指示してもよい。例えば、比較的速い点滅は、エラーを指示してもよい。これは、関係したスロットによって保持されている関係したサンプラが取り外される必要があることを指示することができる。
【0083】
したがって、情報は、ユーザによって解釈され得る、単なる画像の呈示として理解されてもよい。
【0084】
LEDは、オン/オフ方式を用いて制御されてもよく、その方式によって、各LEDは、オン又はオフのいずれかである。例えば、50Hzよりも速い切り替えは、それぞれのLEDに、減衰させる錯覚を作り出すために利用されてもよい。
【0085】
中間表示部分で画像を脈動させることは、特に有利な点であり得、その理由は、速やかに注意を引くことができ、また、一次ゾーンにおいて及び/又はそれ以外では少なくとも1つの表示ユニット/少なくとも1つの表示領域上に呈示されるなどの、特定のサンプラ/スロット、並びに関係した情報に確実に注意を引くことができるからである。比較的遅い点滅は、(以下に定義されるように)二次ゾーンのタッチセンサ式領域を使用するなどの情報を入力する必要性を指示することができる。
【0086】
本発明に基づく装置は、少なくとも1つの表示領域の二次ゾーンにおいて二次画像情報を表示するように構成されることができる。二次画像情報は、選択された一次ゾーンのスロット、すなわち、選択された一次ゾーンに関するスロットに関係することができる。二次ゾーンは、関係した一次ゾーンが、選択されたスロットと、二次ゾーンとの間に提供されるように、設けられてもよい。
【0087】
「間」という用語は、上述のように、すなわち、例えば、ユーザの(意図された)視点に対して理解されてもよい。したがって、選択された一次ゾーンは、二次ゾーンと、選択された一次ゾーンの関係したスロットとの間でユーザの目を案内することができる。
【0088】
二次ゾーンは、選択された一次ゾーンと、関係したスロットとの間の距離が、二次ゾーンと、関係したスロットとの間の距離よりも小さくなるように設けられてもよい。
【0089】
二次ゾーンは、選択された一次ゾーンが、二次ゾーンと、関係したスロットによって画定された近接点との間に存在するように、設けられてもよい。
【0090】
二次ゾーンは、選択された一次ゾーンが、二次ゾーンと、第1の表示領域の第1の縁部との間に存在するように、設けられてもよい。
【0091】
「選択された」という用語は、ユーザ及び/又は装置によって選択されるものとして理解されてもよい。ユーザ選択は、例えば、それぞれの一次ゾーンを能動的にクリック又はタッチすることによってなされ得る。装置による選択は、以下のうちの任意の1つ以上などの様々な態様に応答してもよい{サンプラとのユーザのやり取り(設置すること又は取り外すことなど)に応答して、分析ユニットから得られた結果に応答して、例えば、ユーザが注意を払う必要がある何かが起こった場合の警報に応答して}。
【0092】
装置は、どの一次ゾーンが選択されたかを指示するように構成されてもよい。これは、例えば、以下のうちの任意の1つ以上によるなどの、本開示に記載された任意の方法によってなされ得る{脈動及び/若しくは変化する強度画像、色分けされた情報、選択された一次ゾーンの表示された情報のサイズの変化(より大きなサイズなど)、並びに/又はゾーン自体のサイズの変化(選択されないゾーンと比較して、かつ/若しくは選択される前に、選択されたゾーンを拡大するなど)}。装置は、1つのゾーンのみが同時に選択され得るように、設けられてもよい。
【0093】
二次ゾーンは、一次ゾーンの各々に隣接してもよい。二次ゾーンは、一次ゾーンの各々と境界を接してもよい。一次ゾーンの各々は、少なくとも1つの表示領域(第1の表示領域など)の境界及び縁部(第1の縁部など)と接してもよい。
【0094】
二次画像情報は、例えば、それぞれのスロットからの、サンプラから取り出された試料に関する情報であってもよい。
【0095】
たとえこの情報が、選択された一次ゾーンに関するスロットの内容物及び/又は情報に対して古い場合であっても、二次画像情報は、少なくとも1つの表示ユニット/少なくとも1つの表示領域上に留まることができる。二次画像情報は、例えば、ユーザが適切な動作を行うまで、又は予め設定された時間が経過するまで、例えば、それらどちらかでも最初に生じるまで、少なくとも1つの表示ユニット/少なくとも1つの表示領域上に留まることができる。ひとたび一次ゾーンが選択されると、関係した二次情報は、例えば、特定の事象が生じるまで、二次ゾーン上に留まることができる。そのような事象は、以下のうちの1つ以上を含んでもよい{ユーザが呈示された情報を選択しない、別の一次ゾーンが選択される(例えば、ユーザによって、別の一次ゾーンに関するスロットにサンプラを設置すること)、装置、及び/又は少なくとも1つの表示ユニットが、アイドル状態に入り、この状態は、例えば、最後のやり取り若しくは選択、又は情報の別の変化から、予め設定された時間が経過した後にあり得る。この予め設定された時間は、例えば、20秒~3時間以上のいずれであってもよい。2分又は5分などの、それらの間の任意の値が可能である。}
【0096】
例えば、サンプラは、スロットから取り外され得、一次画像情報部分を変更することができる。そのとき、これは、例えば、適切な動作がユーザにより取られるまで、二次ゾーン上に表示された任意の関係した情報に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0097】
二次画像情報は、関係した一次画像情報部分を補完することができる。この文脈では、「補完」という用語は、それぞれの一次画像情報部分によって提供されることに加えて情報を提供することとして理解され得る。
【0098】
二次画像情報は、例えば、サンプラがスロットに設けられた後に現れ得る。したがって、ユーザは、サンプラに関する情報を入力するように要求され得る。
【0099】
サンプラがスロットに設けられた後、サンプラの手動及び/又は自動による識別が実行され得る。
【0100】
装置は、サンプラを自動的に識別するように構成された識別子ユニットを含むことができる。これは、例えば、それぞれのサンプラ上のバーコード、及び装置に又は装置と共に提供されるバーコードスキャナによって実行することができる。
【0101】
二次画像情報は、例えば、サンプラに関する入力が提供される必要がある場合に、現れ得る。
【0102】
二次画像情報は、例えば、サンプラに関する分析ユニットからの結果が準備されているときに、現れ得る。
【0103】
二次画像情報は、例えば、ユーザから緊急注意が必要とされる場合に、例えば、エラーが観察された場合に、現れ得る。
【0104】
二次画像情報は、例えば、装置が「使用中」状態にある場合、例えば、サンプラから試料が再度引き出されている場合に、現れ得る。
【0105】
少なくとも1つの入口は、任意のスロットから、サンプラからの体液試料を引き出すように構成された第1の入口を含んでもよい。
【0106】
ユーザは、例えば、二次ゾーン内などの少なくとも1つの表示ユニット/少なくとも1つの表示領域のうちの1つ以上のタッチセンサ式領域を介して、(更なる)情報を入力する必要があり得る。
【0107】
装置は、スロットにおけるサンプラの受容を検出するように構成された1つ以上のセンサを含んでもよい。本発明に基づく装置及び/又は方法の使用は、以下の順番、又は別の順番の以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。
-ユーザが、1つ以上の一次画像情報部分を読み取る
-ユーザが、空のスロットを設置する
-ユーザが、以前の空のスロットにサンプラを設置する
-センサが、スロットにおけるサンプラを検出する
-対応する中間表示部分が、スロットに関係した、更新された中間情報を示す
-表示ユニットが、関係した一次ゾーン内のスロットに関する更新された状態/情報を示す
-識別子ユニットが、受容されたサンプラを自動的に識別する
-表示ユニットが、関係した一次ゾーン内の受容されたサンプラについての更新された状態/情報を示す
-ユーザが、二次ゾーン内に追加情報を入力する
-ユーザが、二次ゾーン内のボタンを押すことによって、表示された二次ゾーン内の情報を承認する
-キューミキサが、サンプラ内容物の混合を開始する
-サンプラベッドが、サンプラスロットを入口に移動させる
-入口が、サンプラから試料を吸引する
-サンプラベッドが、表示器の下方の位置に戻るように移動する
-ユーザは、分析ユニットからの試料の分析が終了するのを待つ
-ユーザは、二次ゾーンから結果を得る
【0108】
図1は、サンプラ(例示せず)からの体液試料を分析するための、本発明に基づく装置2の第1の実施形態を概略的に例示している。この装置2は、{サンプラベッド4、分析ユニット(図7の92を比較参照)、少なくとも1つの入口6、及び少なくとも1つの表示領域8を含む少なくとも1つの表示ユニット}を備える。少なくとも1つの表示領域は、第1の表示領域18を含む。サンプラベッド4は、複数のスロット10(3つのスロット、10a、10b、及び10c)を含み、各スロット10は、体液試料を収容するサンプラを受容するように構成されている。分析ユニットは、体液試料を分析するように構成されている。少なくとも1つの入口6は、スロット10のいずれかから、サンプラからの体液試料を引き出し、引き出された体液試料を分析ユニットに供給するように構成されている。図1では、サンプラベッド4が、第1の位置に存在する。本開示全体を通じて、参照番号10は、{10a、10b、10c}のうちのいずれか又はすべてを指す。同じことが、下記の参照番号12、14、24、26、40、及び42について準用される。
【0109】
装置2は、少なくとも1つの表示領域8の複数の一次ゾーン12(3つの一次ゾーン、12a、12b、及び12c)内に画像情報を同時に表示するように構成されている。複数の一次ゾーンは、各スロット10a、10b、10cに対して各スロット12a、12b、12cを含む。一次ゾーン12の各々は、それぞれのスロット10と個々に対面している。例えば、一次ゾーン12aは、スロット10aと対面し、一次ゾーン12bは、スロット10bと対面し、かつ一次ゾーン12cは、スロット10cと対面している。画像情報は、各一次ゾーン12a、12b、12c内にそれぞれの一次画像情報部分を含む。各それぞれの一次画像情報部分は、それぞれの一次ゾーン12によって対面されたそれぞれのスロット10に関係する。例えば、一次ゾーン12a内の一次画像情報部分は、それぞれの一次ゾーン12aによって対面するそれぞれのスロット10aに関係する。
【0110】
各スロット10a、10b、10cは、第1の表示領域18の第1の縁部16上のそれぞれの近接点14a、14b、14cを画定する。各それぞれの近接点14a、14b、14cは、それぞれのスロット10a、10b、10cに最も近い第1の縁部6上の点として画定されている。各一次ゾーン12は、別のスロット10により画定された任意の他の近接点14に対してよりも、関係したスロット10により画定された近接点14に近い。例えば、一次ゾーン12bは、別のスロット10a、10cによりそれぞれ画定された任意の他の近接点14a、14cに対してよりも、関係したスロット10bにより画定された近接点14bに近い。
【0111】
図2は、装置の一部の特定の整列を例示する、重なり合った点線20、22、24a、24b、24cを有する、図1の実施形態を概略的に例示している。複数のスロット10は、(図2の延長された点線20によって例示されている)第1の整列を形成する。一次ゾーン12は、(図2の延長された点線22によって例示されている)第2の整列を形成する。第2の整列22は、第1の整列20に平行である。
【0112】
複数のスロット10及びそれぞれの一次ゾーン12は、格子状構造に配置されている。
【0113】
各一次ゾーン12は、関係したスロット10と共に一次整列24を形成する(3つの一次整列、24a、24b、及び24cは、図2のそれぞれの延長された点線24a、24b、24cによって例示されている)。一次整列24は、すべて平行である。例えば、一次ゾーン12aは、関係したスロット10aと共に一次整列24aを形成する。
【0114】
一次ゾーン12と、関係したスロット10との間の距離は、20cm未満である。
【0115】
2つの一次ゾーン12間の距離は、関係した2つのスロット10間の距離と一致する。例えば、2つの一次ゾーン12aと12bとの間の距離は、関係した2つのスロット10aと10bとの間の距離と一致する。
【0116】
図1に例示した実施形態の場合、複数のスロット10は、3つのスロット10a、10b、10cを含み、それらからなる。一次ゾーン12bと、各隣接する一次ゾーン12a、12cとの間の距離は、同じである。例えば、12bと12aとの間の距離は、12bと12cとの間の距離と同じである。
【0117】
装置2は、各スロット10のための中間表示部分を含む複数の中間表示部分26(3つの中間表示部分、26a、26b、26c)を含む。各中間表示部分26は、それぞれのスロット10と、少なくとも1つの表示領域8との間に設けられている。例えば、中間表示部分26aは、それぞれのスロット10aと、少なくとも1つの表示領域8との間に設けられている。各中間表示部分26は、それぞれのスロット10に関するそれぞれの中間情報を表示するように構成されている。
【0118】
装置2は、少なくとも1つの表示領域8の二次ゾーン28で二次画像情報を表示するように構成されている。二次画像情報は、選択された一次ゾーン12に関するスロット10と関係する。例えば、一次ゾーン12aが選択された場合、二次画像情報は、選択された一次ゾーン12aに関するスロット10aと関係するであろう。二次ゾーン28は、関係した一次ゾーン12が、選択されたスロット10と、二次ゾーン28との間に設けられるように提供されている。
【0119】
二次ゾーン28は、各一次ゾーン12が、二次ゾーン28と、関係したスロット10により画定されたそれぞれの近接点14との間に存在するように、設けられている。
【0120】
二次ゾーンは、一次ゾーンと境界を接してもよい。隣接する一次ゾーンは、互いに境界を接してもよい。
【0121】
少なくとも1つの入口6は、任意のスロット10から、サンプラからの体液試料を引き出すように構成された第1の入口30を含む。
【0122】
図1~3に例示した装置2の場合、サンプラベッド4(個々のスロット10を含む)は、第1の入口30に対して移動可能である。これは、スロット10から、サンプラからのそれぞれの体液試料を引き出すために利用される。これは、図3に関連して更に説明される。
【0123】
図3は、図1の実施形態を概略的に例示し、サンプラベッド4が第2の位置に移動されている。第2の位置は、スロット10aなどのスロットから、サンプラ(例示せず)からの試料を引き出すために利用される。
【0124】
したがって、以下{サンプラベッド4、少なくとも1つの表示領域8}のうちの少なくとも一方が、他方に対して移動される場合(図1及び2に例示した第1の位置から、図3に例示した第2の位置にサンプラベッド4を移動させるなど)、一次ゾーンは、個々に関係したスロットとは別々に対面しなくてもよい。
【0125】
図4は、本発明の少なくとも1つの表示領域の典型的なゾーンを概略的に例示している。二次ゾーン28は、例えば、異なる二次情報を呈示するための複数のサブゾーン44、46を含んでもよい。各一次ゾーン12は、例えば、異なる一次情報を呈示するための複数のサブゾーン40、42を含んでもよい。サブゾーン40aは、中間表示部分26によって提供されるものと同様の情報を提供することができ、例えば、同じ色、及び/若しくは光強度、並びに/又は光強度の変化と同じ頻度などの変化する外観を呈示することによって、提供することができる。
【0126】
図5は、サンプラからの体液試料を分析するための、本発明に基づく方法60の第1の実施形態を概略的に例示している。方法60は、複数のスロットを含むサンプラベッドのスロットに体液試料を収容するサンプラを受容すること62を含む。方法60は、入口を使用して、サンプラから体液試料を引き出すこと64を含む。方法60は、引き出された体液試料を、体液試料を分析するように構成された分析ユニットに提供すること66を含む。方法60は、少なくとも1つの表示領域の複数の一次ゾーン内に画像情報を同時に表示すること68を含む。複数の一次ゾーンは、各スロットのための一次ゾーンを含む。一次ゾーンの各々は、それぞれのスロットに個々に対面している。画像情報は、各一次ゾーン内にそれぞれの画像情報部分を含む。各それぞれの一次画像情報部分は、それぞれの一次ゾーンによって対面されるそれぞれのスロットに関係する。
【0127】
図6は、図1の実施形態の断面側面図を概略的に例示しており、この断面図は、図2の点線24bに沿って点線24cの方向に向いている。一次ゾーン12bは、二次ゾーン28と、関係したスロット10bとの間に設けられ、「間」という用語は、(本開示で定義されているように)ユーザの(意図された)視点80に対するものとして理解されるべきである。したがって、一次ゾーン12bは、二次ゾーン28と、一次ゾーン12bの関係したスロット10bとの間でユーザの目を案内することができる。
【0128】
例示の目的のため、一次ゾーン12b及び二次ゾーン28は、少なくとも1つの表示領域8のそれぞれの部分の周囲の点線によって印されている。
【0129】
中間表示部分26bは、中間表示部分26bと、少なくとも1つの表示領域8との間の距離が、関係したスロット10bと、少なくとも1つの表示領域8との間の距離よりも小さくなるように設けられている。更に、中間表示部分26bと、関係したスロット10bとの間の距離は、10cm未満である。
【0130】
二次ゾーン28は、一次ゾーン12bと、関係したスロット10bとの間の距離が、二次ゾーン28と、関係したスロット10bとの間の距離よりも小さくなるように設けられている。
【0131】
図7は、図1~3及び図6に例示した装置2の実施形態のブロック図を概略的に例示している。装置2は、{サンプラベッド4、少なくとも1つの入口6、少なくとも1つの表示ユニットの少なくとも1つの表示領域8、及び分析ユニット92}を制御するように構成された制御ユニット90を備える。これは、それぞれの制御線94によって例示されている。制御ユニット90は、分析ユニット92からの結果を受信することができる。分析ユニット92からの結果は、少なくとも1つの表示領域2上に表示するための少なくとも1つの表示ユニットに提供されることができる。
【0132】
いくつかの特徴を列挙している装置の請求項においては、これらの特徴のうちのいくつかが、ハードウエアのうちの1つ及び同じ項目によって実施することができる。特定の手段が、互いに異なる従属請求項に挙げられている又は異なる実施形態に説明されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことにはならない。
【0133】
特定の実施形態が示され記載されてきたが、特許請求される発明を限定することを意図するものではないことが理解され、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正がなされ得ることが当業者には明白であろう。したがって、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的なものと見なされるべきである。特許請求される発明は、代替物、修正物、及び等価物を包含することを意図している。
【0134】
本明細書で使用する場合「備える(comprises/comprising)」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、又はコンポーネントの存在を規定するように使われるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント又はこれらのグループの存在若しくは追加を排除するものではないことを強調しておきたい。
【0135】
本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明の構造に様々な修正及び変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。上記を考慮すると、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある限り、本発明の修正及び変形を包含することが意図される。
〔態様1〕
サンプラからの体液試料を分析するための装置であって、
-複数のスロットを含むサンプラベッドであって、各スロットが、体液試料を収容するサンプラを受容するように構成されている、サンプラベッドと、
-体液試料を分析するように構成された分析ユニットと、
-前記スロットのいずれかから、サンプラからの体液試料を引き出し、前記引き出された体液試料を前記分析ユニットに供給するように構成された少なくとも1つの入口と、
-少なくとも1つの表示領域を含む少なくとも1つの表示ユニットと、を備え、
前記装置が、前記少なくとも1つの表示領域の複数の一次ゾーン内に画像情報を同時に表示するように構成され、前記複数の一次ゾーンが、各スロットのための一次ゾーンを含み、前記一次ゾーンの各々が、それぞれのスロットに個々に対面し、前記画像情報が、各一次ゾーン内のそれぞれの一次画像情報部分を含み、各それぞれの一次画像情報部分が、前記それぞれの一次ゾーンによって対面される前記それぞれのスロットに関係する、装置。
〔態様2〕
各スロットが、前記少なくとも1つの表示領域の第1の縁部上にそれぞれの近接点を画定し、各それぞれの近接点が、前記それぞれのスロットに最も近い、前記第1の縁部上の前記点として画定され、各一次ゾーンが、別のスロットにより画定された他のいずれかの近接点に対してよりも、前記関係したスロットにより画定された前記近接点に近い、態様1に記載の装置。
〔態様3〕
前記複数のスロットが、第1の整列を形成し、前記一次ゾーンが、前記第1の整列と平行である第2の整列を形成する、態様1又は2に記載の装置。
〔態様4〕
前記複数のスロット及び前記一次ゾーンが、格子状構造に配置されている、態様1~3のいずれか一項に記載の装置。
〔態様5〕
各一次ゾーンが、前記関係したスロットとのそれぞれの一次整列を形成し、すべてのそれぞれの一次整列が平行である、態様1~4のいずれか一項に記載の装置。
〔態様6〕
一次ゾーンと前記関係したスロットとの間の距離が、20cm未満である、態様1~5のいずれか一項に記載の装置。
〔態様7〕
2つの一次ゾーン間の距離が、前記関係した2つのスロット間の距離と一致する、態様1~6のいずれか一項に記載の装置。
〔態様8〕
前記複数のスロットが、少なくとも3つのスロットを含み、それぞれの一次ゾーンと、隣接する一次ゾーンとの間の距離が、同じである、態様1~7のいずれか一項に記載の装置。
〔態様9〕
少なくとも1つの一次画像情報部分が、色分けされた情報を含む、態様1~8のいずれか一項に記載の装置。
〔態様10〕
少なくとも1つの一次画像情報部分が、前記関係したスロットの状態に関する情報を含む、態様1~9のいずれか一項に記載の装置。
〔態様11〕
少なくとも1つの一次画像情報部分が、前記関係したスロットによって保持されたサンプラに関する情報を含む、態様1~10のいずれか一項に記載の装置。
〔態様12〕
各スロットのための中間表示部分を含む複数の中間表示部分を備え、各中間表示部分が、前記それぞれのスロットに関するそれぞれの中間情報を表示するように構成されている、態様1~11のいずれか一項に記載の装置。
〔態様13〕
各中間表示部分は、前記それぞれの中間表示部分と、前記少なくとも1つの表示領域との間の距離が、前記関係したスロットと、前記少なくとも1つの表示領域との間の距離よりも小さくなるように設けられ、各それぞれの中間表示部分と、前記関係したスロットとの間の距離が、10cm未満である、態様12に記載の装置。
〔態様14〕
各中間表示部分が、LEDを含む、態様12又は13に記載の装置。
〔態様15〕
一次ゾーンにおいて表示された前記一次画像情報部分、及び/又は態様12~14のいずれか一項に記載の中間表示部分によって表示された前記中間情報が、脈動及び/又は変化する強度画像を含む、態様1~14のいずれか一項に記載の装置。
〔態様16〕
前記少なくとも1つの表示領域の二次ゾーンにおいて二次画像情報を表示するように構成され、前記二次画像情報が、選択された一次ゾーンに関する前記スロットに関係する、態様1~15のいずれか一項に記載の装置。
〔態様17〕
前記二次ゾーンは、前記選択された一次ゾーンと前記関係したスロットとの間の距離が、前記二次ゾーンと前記関係したスロットとの間の距離よりも小さくなるように設けられている、態様16に記載の装置。
〔態様18〕
前記二次ゾーンは、前記選択された一次ゾーンが、前記二次ゾーンと、前記関係したスロットにより画定された前記近接点との間に存在するように設けられている、態様2に従属した、態様17に記載の装置。
〔態様19〕
前記二次画像情報が、前記関係した一次画像情報部分を補完する、態様16~18のいずれか一項に記載の装置。
〔態様20〕
前記少なくとも1つの入口が、前記スロットのいずれかから、サンプラからの体液試料を引き出すように構成された第1の入口を含む、態様1~19のいずれか一項に記載の装置。
〔態様21〕
前記サンプラベッド及び/又は前記個々のスロットが、前記第1の入口に対して移動可能である、態様20に記載の装置。
〔態様22〕
サンプラからの体液試料を分析するための方法であって、
-複数のスロットを含むサンプラベッドのスロットにおいて体液試料を収容するサンプラを受容することと、
-入口を使用して前記サンプラから前記体液試料を引き出すことと、
-前記引き出された体液試料を、体液試料を分析するように構成された分析ユニットに提供することと、
-少なくとも1つの表示ユニットのうちの少なくとも1つの表示領域の複数の一次ゾーン内で画像情報を同時に表示することであって、前記複数の一次ゾーンが、各スロットのための一次ゾーンを含み、前記一次ゾーンの各々が、それぞれのスロットに個々に対面し、前記画像情報が、各一次ゾーン内でそれぞれの一次画像情報部分を含み、各それぞれの一次画像情報部分が、前記それぞれの一次ゾーンによって対面される前記それぞれのスロットに関係する、表示することと、を含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7