(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】ゴム積層金属用NBR組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 9/02 20060101AFI20220104BHJP
C08K 3/06 20060101ALI20220104BHJP
C08K 3/011 20180101ALI20220104BHJP
C08K 5/43 20060101ALI20220104BHJP
B32B 15/06 20060101ALI20220104BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20220104BHJP
F16D 65/095 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C08L9/02
C08K3/06
C08K3/011
C08K5/43
B32B15/06 Z
F16J15/10 Y
F16D65/095 H
(21)【出願番号】P 2019556132
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 JP2018038506
(87)【国際公開番号】W WO2019102747
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2017225810
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 勲
(72)【発明者】
【氏名】武川 大起
【審査官】横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-185758(JP,A)
【文献】特開平08-295742(JP,A)
【文献】特開2003-113366(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104154236(CN,A)
【文献】特開2008-018707(JP,A)
【文献】特開2012-214542(JP,A)
【文献】特開2009-056632(JP,A)
【文献】特開2006-328335(JP,A)
【文献】特開平08-259739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
B32B 15/06
B32B 25/14
F16D 65/095
F16J 15/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NBR 100重量部に対し、硫黄1~3重量部および
4,4′-ジチオジモルホリンまたはジチオジカプロラクタムであるジスルフィド化合物1~15重量部を配合したゴム積層金属用NBR組成物。
【請求項2】
さらに15重量部以下の他の含硫黄加硫促進剤を配合した請求項1記載のゴム積層金属用NBR組成物。
【請求項3】
請求項1記載のNBR組成物の加硫物層を金属板上に積層させたゴム積層金属板。
【請求項4】
請求項3記載のゴム積層金属板よりなるガスケット。
【請求項5】
請求項3記載のゴム積層金属板および他の金属板の積層複合金属よりなるブレーキシム材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム積層金属用NBR組成物に関する。さらに詳しくは、ブレーキシム材等のゴム層を形成せしめるゴム積層金属用NBR組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
金属板の片面または両面にNBRまたは水素化NBRを積層したゴム積層金属ガスケットは、金属の間に締め付けて使うため、ゴム層表面に強い圧縮応力がかかる。この締付応力に耐えられずゴムが変形すると、目的とするシール機能を果たすことができない。
【0003】
一般には、はみ出し性を改善するために、カーボンブラック、シリカ等の充填剤を配合して硬度を上げる方法が行われるが、ゴム硬度の上昇により、混練加工性の悪化、シール性の低下などがみられる。また、加硫剤である硫黄の配合量を増して架橋密度を上げても、大きな改善効果は見込めない。
【0004】
特許文献1には、(A)NBRを70重量%以上含み、AN含有量が25~50重量%のゴム成分100重量部当り、(B)加硫剤として、(イ)硫黄0~0.5重量部および(ロ)モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィドまたは高分子多硫化物0.5~3重量部および(C)4,4′-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン老化防止剤0.5~5重量部を含むガスホルダーシール材用耐熱性NBR組成物が記載されている。
【0005】
硫黄の配合量については、0~0.5重量部、好ましくは0~0.3重量部とされ、これ以上の配合量では耐熱性にすぐれた組成物が得られないと記載されている。各実施例では、硫黄は用いられてはおらず、硫黄が2重量部用いられた比較例1では耐熱性に劣るばかりか、硬度の上昇が著しい。
【0006】
また、モルホリンジスルフィド(バルノックR)は、0.5~3重量部、好ましくは0.5~2重量部用いられており、これ以上の配合量では早期加硫を生じ、スコーチ現象の原因となると記載されている。
【0007】
特許文献2には、2種の異なるヨウ素価を有するニトリル基含有共重合ゴム100重量部に対し、硫黄量換算で0.1~1.5重量部、好ましくは0.2~1重量部、より好ましくは0.3~0.8重量部の硫黄および/または4,4′-ジチオジモルホリンを含有させた加硫性ゴム組成物が記載されている。
【0008】
その実施例または比較例では、硫黄または4,4′-ジチオジモルホリンの一方のみが用いられており、両者を併用した実施例はみられない。
【0009】
特許文献3では、NBR 100質量部に対して加硫促進剤としてチウラム系化合物0.5~7質量部、4,4′-ジチオジモルホリン0~2.5質量部およびチアゾール系化合物2.0~7.0質量部を用い、MW700~2000の可塑剤5~50質量部の存在下で加硫されたNBR組成物を用いた自動車用エアーホースが記載されている。
【0010】
4,4′-ジチオジモルホリンの配合量が2.5質量部を超えると耐熱性に劣るようになると記載され、各実施例では0~1質量部用いられている。また、硫黄の配合量は0.1~1.0質量部が好ましいとされ、各実施例ではいずれも0.3質量部用いられている。
【0011】
特許文献4~5では、転がり軸受に用いられるシール装置を構成するシール部材が、NBR 100重量部に対して(A)カーボンブラックおよびクレーを40~200重量部、(B)4,4′-ジチオジモルホリンを0.5~3重量部または0.2~5重量部、(C)スルフェンアミド系加硫促進剤を1~10重量部配合してなり、かつスプリング硬さAスケールが71~75であるゴム組成物の成形体であるものが記載されている。
【0012】
4,4′-ジチオジモルホリンと共に、架橋剤として硫黄を少量添加することができると記載されてはいるが、各実施例では加硫剤B(4,4′-ジチオジモルホリン)1~2重量部のみが用いられていて、加硫剤A(高分散性硫黄)0.3重量部との併用は、引用文献5の実施例7だけにすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特許第3856679号公報
【文献】特開2003-192834公報
【文献】特開2016-70347公報
【文献】特許第4228179号公報
【文献】特開2009-30808公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、ゴム積層金属板として、例えばこれをガスケットあるいは他の金属板と積層した積層複合金属であるブレーキシム材として用いたとき、ゴム層のはみ出し性を改善することを可能とするゴム組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる本発明の目的は、NBR 100重量部に対し、硫黄1~3重量部および4,4′-ジチオジモルホリンまたはジチオジカプロラクタムであるジスルフィド化合物1~15重量部を配合したゴム積層金属用NBR組成物によって達成される。
【発明の効果】
【0016】
ジスルフィド化合物を用いたはみ出し性の改善は、充填剤等の配合に頼らず、したがって硬度上昇を伴わないため、混練加工性やシール性の点で効果がある。
【0017】
ゴム硬度の上昇は、例えばブレーキシム材の制震特性にも悪影響を及ぼすため、ジスルフィド化合物を使用したはみ出し性の改善は、高硬度化を抑えることができ、結果的にブレーキシム材では制震特性を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
NBRとしては、アクリロニトリル(AN)含量は任意のもの、例えば18~48重量%を有するものが用いられる。
【0019】
NBRには、それの100重量部に対して、硫黄が1~3重量部、好ましくは1.8~2.5重量部と4,4′-ジチオジモルホリンまたはジチオジカプロラクタムであるジスルフィド化合物1~15重量部、好ましくは1~10重量部との両者が配合して用いられる。
【0020】
硫黄の配合割合がこれよりも少ないと、はみ出し性が不十分となり、一方これより多く用いられても、はみ出し性は改善されない。
【0021】
ジスルフィド化合物としては、4,4′-ジチオジモルホリン、ジチオジカプロラクタムが挙げられ、4,4′-ジチオジモルホリンが好んで用いられる。
【0022】
その配合割合は、1~15重量部、好ましくは1~10重量部であり、これよりも少ない配合割合でははみ出し性は改善されず、一方これより多い配合割合では、はみ出し性は改善されるものの硬度上昇が著しい。
【0023】
NBR組成物には、さらに他の含硫黄加硫促進剤が配合されることが好ましい。含硫黄加硫促進剤としては、グアニジン系、アルデヒド-アミン系、アルデヒド-アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、キサンテート系等の各種加硫促進剤が用いられ、好ましくはテトラメチルチウラムジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。
【0024】
これらの含硫黄加硫促進剤は、一般にNBR 100重量部に対して約15重量部以下、好ましくは1~10重量部の割合で用いられる。
【0025】
これらの各成分に加えて、約40~150重量部のカーボンブラック、重質炭酸カルシウム、受酸剤、滑剤、その他の配合剤を配合したNBR組成物は、その加硫物層を金属板上に積層させたゴム積層金属板として用いられる。
【0026】
金属板としては、ステンレス鋼板、軟鋼板、亜鉛メッキ鋼板、SPCC鋼板、銅板、マグネシウム板、アルミニウム板、アルミニウムダイキャスト板等が用いられる。これらは、一般に脱脂した状態で用いられ、必要に応じて金属表面をショットブラスト、スコッチブライド、ヘアーライン、ダル仕上げなどで粗面化することが行われる。また、その板厚は、シール材用途の場合にあっては、一般に約0.1~1mm程度のものが用いられる。
【0027】
これらの金属板上には、好ましくはプライマー層が形成される。プライマー層は、ゴム金属積層体のゴム接着層にかかる耐熱性および耐水性の大幅な向上が望めるものであり、特にゴム積層金属板を他の金属板、好ましくは鋼板等と積層した積層複合金属であるブレーキシム材として使用する場合にはそれを形成させることが望ましい。
【0028】
プライマー層としては、リン酸亜鉛皮膜、リン酸鉄皮膜、塗布型クロメート皮膜、バナジウム、ジルコニウム、アルミニウム、シリコン、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、亜鉛、セリウム等の金属の化合物、特にこれら金属の酸化物等の無機系被膜、シラン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等の有機系被膜など、一般に市販されている薬液あるいは公知技術をそのまま用いることができる。
【0029】
以上の各成分よりなるプライマーは、その固形分濃度が約0.2~5重量%となるように有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などの溶液として調製され、液安定性が保たれる限りにおいては、水性溶液としても調製される。
【0030】
得られたプライマー溶液は、金属板上にスプレー、浸せき、刷毛、ロールコータ等を用いて、約50~200mg/m2量の片面目付量で塗布され、室温または温風にて乾燥させた後、約100~250℃、約0.5~20分間焼付け処理され、プライマー層が形成される。
【0031】
また、接着剤としては、シラン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等の各種樹脂被膜形成用として一般に市販されている接着剤をそのまま使用することができる。また、ノボラック型フェノール樹脂およびレゾール型フェノール樹脂の2種類のフェノール樹脂と未加硫ニトリルゴムからなる接着剤も使用することができる。
【0032】
ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノール、p-クレゾール、m-クレゾール、p-第3ブチルフェノール等のフェノール水酸基に対してo-位および/またはp-位に2個または3個の置換可能な核水素原子を有するフェノール類またはそれらの混合物とホルムアルデヒドとを、シュウ酸、塩酸、マレイン酸等の酸触媒の存在下において縮合反応させることによって得られる融点80~150℃の樹脂、好ましくはm-クレゾールとホルムアルデヒドから製造された融点120℃以上のものが使用される。
【0033】
レゾール型フェノール樹脂としては、フェノール、p-クレゾール、m-クレゾール、p-第3ブチルフェノール等のフェノール水酸基に対してo-位および/またはp-位に2個または3個の置換可能な核水素原子を有するフェノール類またはそれらの混合物とホルムアルデヒドとを、アンモニア、アルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム等のアルカリ触媒の存在下において縮合反応させることによって得られるものが使用される。
【0034】
これらの各成分を含有する接着剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などの有機溶剤単独またはこれらの混合溶剤に溶解され、溶液状として使用される。
【0035】
好ましい接着剤を形成する以上の各成分は、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して、レゾール型フェノール樹脂10~1000重量部、好ましくは60~400重量部の割合で用いられる。これらの各成分は、成分合計量濃度が約3~10重量%になるように有機溶剤を加え、混合、攪拌することにより加硫性接着剤として調製される。レゾール型フェノール樹脂がこれより多く用いられると、ニトリルゴム材料の接着性が低下し、一方これより少ない場合には金属面またはプライマー層との接着性低下が起こるようになり好ましくない。これらの各成分を用いての接着剤の調製は、各成分の所定量をそれぞれ有機溶剤中に溶解し、混合、攪拌することにより行われる。
【0036】
金属板上への接着剤層の形成は、好ましくはプライマー層を形成させた金属板上に、上記接着剤溶液を塗布し、室温下で風乾または温風にて乾燥させた後、約100~250℃で約5~30分間程度の焼付けを行うことにより行われる。乾燥後の接着剤層の塗布厚みは、約0.5~5μm程度であることが好ましい。
【0037】
接着剤層としては、一層の構成のみならず多層構成とすることもできる。例えば、プライマー層上には有機金属化合物を含むフェノール系の接着剤層を形成し、さらにその上にはフェノール系接着剤層を設けて接着剤を多段塗布した上で、ゴム層を形成させたものが挙げられる。このような構成とすることにより、接着剤層の塗布工程は増加するものの、プライマー層およびゴム層の接着性をより強固なものとすることが可能となる。
【0038】
接着剤層上には、ニトリルゴムコーティング剤が約10~200μm程度の厚みとなるように塗布され、室温下で風乾または温風にて乾燥させた後、約160~250℃で約0.5~30分間程度加硫が行われる。得られたゴム金属積層体には、ゴムの粘着防止を目的として、樹脂系、グラファイト系などのコーティング剤をゴム層上に塗布することもできる。
【0039】
得られたゴム積層金属は、ガスケットあるいは他の鋼板等の金属板をさらに積層させたブレーキシム材などとして用いられる。
【実施例】
【0040】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0041】
実施例1
NBR(日本ゼオン製品Nipol DN3350) 100重量部
MTカーボンブラック 80 〃
重質炭酸カルシウム 50 〃
酸化亜鉛 5 〃
ステアリン酸 1 〃
老化防止剤CD 2 〃
〔4,4′-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン〕
加硫促進剤TT(テトラメチルチウラムジスルフィド) 3 〃
加硫促進剤CZ 3 〃
(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)
コロイド硫黄 2 〃
4,4′-ジチオジモルホリン 1 〃
以上の各成分をニーダおよびオープンロールで混練し、混練物(組成物)を175℃で5分間加硫し、厚さ2mmのゴムシートを作製した。このゴムシートの硬度を、JIS K6253に準拠して測定した。
【0042】
圧縮試験評価サンプルは、次のようにして作製された。
リン酸亜鉛により表面処理されたSPCC鋼板(厚さ0.6mm)上に、フェノール樹脂をメチルエチルケトン、メタノール等の有機溶剤で固形分濃度5重量%に希釈してSPCC鋼板上に乾燥後の塗布厚3μmとなるように塗布し、室温下で乾燥させた。フェノール樹脂としては、NBRに加硫接着できるものであれば特に限定されず、例えば市販品であるダウケミカル製品シクソン715等が使用される。
【0043】
フェノール樹脂塗布SPCC鋼板上には、上記NBRコンパウンドを有機溶剤で溶解させ、乾燥後の塗布厚80μmとなるように塗布する。
【0044】
この場合の有機溶剤としては、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等が使用される。
【0045】
このようにしてNBRを塗布したSPCC鋼板は、200℃のオーブンで3分間加硫してゴム積層金属板を形成させ、さらに必要に応じて、ゴム層表面に粘着防止層を塗布する。
【0046】
圧縮試験の評価は、次のようにして行われた。
ゴム積層金属板のゴム面に、ドーナツ状の凸型形状の金具を150℃で10分間所定の圧力(120MPa)で圧縮した後、ゴム層の状態を下記基準で評価した。
評価5点:金属の露出がなく、ゴムの流れも殆ど認められない
評価4点:金属の露出がなく、ゴムの流れも少量である
評価3点:ゴムの流れは少なからず生じてはいるが、金属露出には至
っていない
評価2点:ゴムの流れは大きいが、金属の露出は少ない
評価1点:ゴムの流れ、金属の露出は共に大きい
はみ出し性は、5~4点を○、3点を△、2~1点を×と評価した。
【0047】
実施例2
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリン量が4重量部に変更された。
【0048】
実施例3
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリン量が8重量部に変更された。
【0049】
実施例4
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリン量が12重量部に変更された。
【0050】
実施例5
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリン量が15重量部に変更された。
【0051】
比較例1
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリン量が20重量部に変更された。
【0052】
比較例2
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリン量が0.5重量部に変更された。
【0053】
比較例3
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリンが用いられなかった。
【0054】
比較例4
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリンが用いられず、コロイド硫黄量が3重量部に変更された。
【0055】
比較例5
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリンが用いられず、コロイド硫黄量が4重量部に変更された。
【0056】
比較例6
実施例1において、4,4′-ジチオジモルホリンが用いられず、MTカーボンブラック量が130重量部に変更された。
【0057】
比較例7
実施例3において、コロイド硫黄が用いられなかった。
【0058】
以上の実施例1~5および比較例1~7で得られた結果は、次の表1に示される。なお、無添加物からの硬度上昇は、4,4′-ジチオジモルホリン無添加物(比較例3)と比較した硬度上昇を算出し、硬度差0~+1ptsを○、+2ptsを△、+3pts以上を×と評価した。
表1
無添加物からの
例
硬度(Duro A)
硬度上昇
評 価
圧縮試験
評 価
実施例1 83 0 ○ 4点 ○
〃 2 83 0 ○ 4点 ○
〃 3 84 +1 ○ 4点 ○
〃 4 85 +2 △ 5点 ○
〃 5 85 +2 △ 5点 ○
比較例1 >86 >+3 × 5点 ○
〃 2 83 0 ○ 3点 △
〃 3 83 - ○ 1点 ×
〃 4 83 0 ○ 1点 ×
〃 5 83 0 ○ 1点 ×
〃 6 90 +7 × 4点 ○
〃 7 75 -8 ○ 1点 ×
【0059】
実施例6
NBR(JSR製品JSR N237) 100重量部
MTカーボンブラック 150 〃
酸化亜鉛 5 〃
ステアリン酸 1 〃
老化防止剤CD 2 〃
加硫促進剤TT 3 〃
加硫促進剤CZ 3 〃
コロイド硫黄 1.5 〃
ジチオジカプロラクタム 3 〃
以上の各成分を用いて、実施例1と同様にゴムシートの作製、硬度の測定および圧縮試験が行われた。なお、圧縮試験後の硬度上昇は、ジチオジカプロラクタム無添加物(比較例9)と比較された。
【0060】
実施例7
実施例6において、ジチオジカプロラクタム量が15重量部に変更された。
【0061】
比較例7
実施例6において、ジチオジカプロラクタム量が20重量部に変更された。
【0062】
比較例8
実施例6において、ジチオジカプロラクタム量が0.5重量部に変更された。
【0063】
比較例9
実施例6において、ジチオジカプロラクタムが用いられなかった。
【0064】
以上の実施例6~7および比較例7~9で得られた結果は、次の表2に示される。
表2
無添加物からの
例
硬度(Duro A)
硬度上昇
評 価
圧縮試験
評 価
実施例6 89 +1 ○ 4点 ○
〃 7 90 +2 △ 5点 ○
比較例7 >91 >+3 × 5点 ○
〃 8 88 0 ○ 3点 △
〃 9 88 - ○ 1点 ×