(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】歯科用インプラント包装容器
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20220104BHJP
A61C 19/02 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
A61C19/02
(21)【出願番号】P 2019558697
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2019075854
(87)【国際公開番号】W WO2020133664
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2019-10-28
(31)【優先権主張番号】201811628546.6
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201822240998.9
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519159499
【氏名又は名称】桂林市啄木鳥医療器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUILIN WOODPECKER MEDICAL INSTRUMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Information Industrial Park, Guilin National High-Tech Zone Guilin, Guangxi 541004, CN
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】周 俊
(72)【発明者】
【氏名】賓 士友
(72)【発明者】
【氏名】常 林
(72)【発明者】
【氏名】王 艶
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/164497(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3184171(JP,U)
【文献】特表2002-520084(JP,A)
【文献】特表2020-508809(JP,A)
【文献】特開2000-300582(JP,A)
【文献】特開平07-255750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00 - 8/02
A61C 19/00 - 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント及びそれと組み合わされるカバースクリューを包装するための歯科用インプラント包装容器であって、
第1容器本体、容器カバー及び上部カバーを備え、前記第1容器本体は、第1容器チャンバ、及び該第1容器チャンバと連通する第1容器開口を備え、前記容器カバーは、対向する第1端及び第2端を備え、前記第1端に係着部が設けられ、前記第1端は第1容器開口に着脱可能に取り付けられ、且つ前記容器カバーは前記第1容器本体とともに第1密閉チャンバを画定し、前記第2端に収納溝が設置され、前記上部カバーは、前記収納溝の溝口に着脱可能に取り付けられ、前記容器カバーとともに第2密閉チャンバを画定
し、
前記容器カバーは、第1カバー本体及び第2カバー本体を備え、前記第1カバー本体の密閉端は前記第2カバー本体の密閉端と接続され、前記第1カバー本体の開口端は前記第1端であり、前記第2カバー本体の開口端は前記第2端であり、前記第1カバー本体は前記第1容器本体に螺着され、前記上部カバーは前記第2カバー本体と締まり嵌めされ、前記係着部は、前記第1カバー本体に取り付けられ、
前記第1カバー本体はネジ孔を備え、前記第1容器本体の外周面に雄ネジが設けられ、前記ネジ孔は前記雄ネジに螺着され、
前記第1容器本体の外周面に第1回転防止用位置決めリブが設置され、前記第1カバー本体の内周壁に第2回転防止用位置決めリブが設置され、前記第1回転防止用位置決めリブは、前記第2回転防止用位置決めリブと係着され、且つ前記第2回転防止用位置決めリブと前記第2カバー本体との間に位置する、
ことを特徴とする歯科用インプラント包装容器。
【請求項2】
前記第1カバー本体の内底壁に環状密封プレートが設置され、前記環状密封プレートの外周面と前記第1カバー本体の内周壁との間に環状密封溝が形成され、前記第1容器本体の端部は前記環状密封溝内に挿着され、前記第1容器本体と前記環状密封溝との接触面は第1密封面を形成する、ことを特徴とする請求項
1に記載の歯科用インプラント包装容器。
【請求項3】
前記第2カバー本体は装着部、挿着部及びハンドル部を備え、前記装着部の一端は前記第1カバー本体と接続され、前記収納溝は装着部の他端に設けられ、前記装着部の内周壁に第1凹凸構造が設けられ、前記挿着部は前記収納溝内に取り付けられ、前記挿着部に第1係着溝が設けられ、前記ハンドル部は、前記装着部の外側に嵌設され、前記収納溝の径方向に沿って前記装着部の外周面から外向きに突出し、前記上部カバーの外周壁に第2凹凸構造が設けられ、前記上部カバーは前記収納溝内に挿着され、前記第1凹凸構造と前記第2凹凸構造は係着され且つその接触位置に第2密封面を画定する、ことを特徴とする請求項
1に記載の歯科用インプラント包装容器。
【請求項4】
前記上部カバーは柱状部、環状操作部及び当接部を備え、前記柱状部に凹溝が設けられ、前記当接部は前記凹溝の溝底壁に取り付けられ、前記第2凹凸構造は前記柱状部の外周面に位置し、前記環状操作部は前記柱状部の一端面に取り付けられ、前記環状操作部は、前記柱状部の径方向に沿って前記柱状部の外周面から外向きに突出し、前記環状操作部の前記凹溝の溝口に近い環状面と前記ハンドル部の前記第1カバー本体から離れた環状面とは間隔をおいて設けられる、ことを特徴とする請求項
3に記載の歯科用インプラント包装容器。
【請求項5】
更に第2容器本体を備え、前記第2容器本体は第2容器チャンバ、前記第2容器本体の側部に第2容器チャンバと連通する出入口及び前記第2容器本体の底部に位置される第2係着溝を備え、前記第2係着溝は前記第2容器チャンバと連通し、前記係着部は前記第2容器本体と着脱可能に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用インプラント包装容器。
【請求項6】
前記第2容器本体の上部に前記第2容器チャンバと連通する第2容器開口が設けられ、前記係着部は前記第2容器開口内に挿着される、ことを特徴とする請求項
5に記載の歯科用インプラント包装容器。
【請求項7】
前記第2容器本体は上部プレート、容器ネック、囲い、第1装着プレート及び第2装着プレートを備え、前記囲いの片側に切欠きが設けられ、前記切欠きは前記出入口であり、前記上部プレートは前記囲いの一端でカバーされ、前記容器ネックは前記上部プレートの前記囲いから離れた板面に取り付けられ、前記容器ネックの前記上部プレートから離れた一端に挿着溝が設けられ、前記第1装着プレートと前記第2装着プレートは前記囲いの長手方向に沿って前記囲い上に間隔をおいて設置され、前記第1装着プレートと第2装着プレートにいずれも前記第2係着溝が設けられ、前記上部プレート、第1装着プレート又は第2装着プレートのうちの少なくとも1つは前記第1容器本体の内周壁と接触する、ことを特徴とする請求項
5に記載の歯科用インプラント包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具分野に関し、特に、歯科用インプラント包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
中国国内において口腔修復手術におけるインプラント技術の応用が益々増えており、それは埋込後に患者の咀嚼機能を回復させるとともに、外観に対するニーズを満たす。
【0003】
歯科インプラントの使用過程において、その表面に収縮空孔、かき傷、へこみ等のような可視欠陥が発生することを防止し、特に、埋込前、空気中の物質との接触を遮断して無菌状態を保持することが必要である。埋め込む間も、インプラントの表面機能に影響を与えないように、空気中に露出する時間を短縮することが求められる。一回法の埋込手術に用いられるカバースクリューも、必ず同じ型番のインプラントと組み合わせて使用する必要がある。
【0004】
従来技術においてカバースクリューとインプラントは分けて包装されているが、埋込手術において、カバースクリューの規格や種類が多く、注意を怠る等の理由で、カバースクリューとインプラントをセットで使用しないことがあり、これにより手術の過程で医師の操作がしにくくなるという影響が生じ、インプラント埋込手術の進捗を遅らせて、修復効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のインプラントとカバースクリューが分けて包装されており、手術の過程でマッチングしないという状況が発生し、手術の効率及び質に影響を及ぼすという課題を改善する歯科インプラント包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の技術的解決手段に基づき実現される。
【0007】
上記目的に基づき、本発明の実施例は、インプラント及びそれと組み合わされるカバースクリューを包装するための歯科インプラント包装容器であって、第1容器本体、容器カバー及び上部カバーを備え、前記第1容器本体は、第1容器チャンバ、及び該第1容器チャンバと連通する第1容器開口を備え、前記容器カバーは、相互に対向する第1端及び第2端を備え、前記第1端に係着部が設けられ、前記第1端は、前記第1容器開口に着脱可能に取り付けられ、且つ前記容器カバーは前記第1容器本体とともに第1密閉チャンバを画定し、前記第2端に収納溝が設置され、前記上部カバーは、前記収納溝の溝口に着脱可能に取り付けられ、前記上部カバーは、前記容器カバーとともに第2密閉チャンバを画定する歯科インプラント包装容器を提供する。
【0008】
前記容器カバーは、第1カバー本体及び第2カバー本体を備え、前記第1カバー本体の密閉端は前記第2カバー本体の密閉端と接続され、前記第1カバー本体の開口端は前記第1端であり、前記第2カバー本体の開口端は前記第2端であり、前記第1カバー本体は前記第1容器本体に螺着され、前記上部カバーは前記第2カバー本体と締まり嵌めされ、前記係着部は、前記第1カバー本体に取り付けられることが好ましい。
前記第1カバー本体はネジ孔を備え、前記第1容器本体の外周面に雄ネジが設けられ、前記ネジ孔は前記雄ネジに螺着されることが好ましい。
【0009】
前記第1カバー本体の内底壁に環状密封プレートが設置され、前記環状密封プレートの外周面と前記第1カバー本体の内周壁との間に環状密封溝が形成され、前記第1容器本体の端部は前記環状密封溝内に挿着され、前記第1容器本体と前記環状密封溝との接触面は第1密封面を形成することが好ましい。
【0010】
前記第1容器本体の外周面に第1回転防止用位置決めリブが設置され、前記第1カバー本体の内周壁に第2回転防止用位置決めリブが設置され、前記第1回転防止用位置決めリブは前記第2回転防止用位置決めリブと係着され、且つ前記第1回転防止用位置決めリブは前記第2回転防止用位置決めリブと前記第2カバー本体との間に位置することが好ましい。
【0011】
前記第2カバー本体は、装着部、挿着部及びハンドル部を備え、前記装着部の一端は前記第1カバー本体と接続され、前記収納溝は装着部の他端に設けられ、前記装着部の内周壁に第1凹凸構造が設けられ、前記挿着部は前記収納溝内に取り付けられ、前記挿着部に第1係着溝が設けられ、前記ハンドル部は前記装着部の外側に嵌設され、前記ハンドル部は、前記収納溝の径方向に沿って前記装着部の外周面から外向きに突出し、前記上部カバーの外周壁に第2凹凸構造が設けられ、前記上部カバーは前記収納溝内に挿着され、前記第1凹凸構造と前記第2凹凸構造は係着され且つその接触位置に第2密封面を画定することが好ましい。
【0012】
前記上部カバーは、柱状部、環状操作部及び当接部を備え、前記柱状部に凹溝が設けられ、前記当接部は前記凹溝の溝底壁上に取り付けられ、前記第2凹凸構造は前記柱状部の外周面に位置し、前記環状操作部は前記柱状部の一端面に取り付けられ、前記環状操作部は、前記柱状部の径方向に沿って前記柱状部の外周面から外向きに突出し、前記環状操作部の前記凹溝の溝口に近い環状面と前記ハンドル部の前記第1カバー本体から離れた環状面との間は間隔をおいて設けられることが好ましい。
【0013】
更に第2容器本体を備え、前記第2容器本体は第2容器チャンバ、前記第2容器本体の側部に第2容器チャンバと連通する出入口及び前記第2容器本体底部に位置する第2係着溝を備え、前記第2係着溝は前記第2容器チャンバと連通し、前記係着部は前記第2容器本体と着脱可能に接続されることが好ましい。
前記第2容器本体の上部に前記第2容器チャンバと連通する第2容器開口が設けられ、前記係着部は前記第2容器開口内に挿着されることが好ましい。
【0014】
前記第2容器本体は、上部プレート、容器ネック、囲い、第1装着プレート及び第2装着プレートを備え、前記囲いの片側に切欠きが設けられ、前記切欠きは前記出入口であり、前記上部プレートは前記囲いの一端でカバーされ、前記容器ネックは前記上部プレートの前記囲いから離れた板面に取り付けられ、前記第1装着プレートと前記第2装着プレートは前記囲いの長手方向に沿って前記囲い上に間隔をおいて設けられ、前記容器ネックの前記上部プレートから離れた一端に挿着溝が設けられ、前記第1装着プレートと第2装着プレートにいずれも前記第2係着溝が設けられ、前記上部プレート、第1装着プレート又は第2装着プレートのうちの少なくとも1つは前記第1容器本体の内周壁と接触することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べ、本発明の好適実施例が提供する歯科インプラント包装容器の有益な効果は以下のとおりである。
【0016】
本発明が提供する歯科インプラント包装容器において、組み合わされるインプラント及びカバースクリュー(癒合キャップ)をそれぞれ収納するための第1密閉チャンバと第2密閉チャンバを設置することにより、医療従事者は、手術の過程で包装容器内からインプラント及びカバースクリューを取り出すだけで直接使用でき、カバースクリューとインプラントがマッチングしないことで手術の進捗及び効果に影響を及ぼすことがなく、患者の修復治療に有利である。且つインプラントとカバースクリューは、いずれも密閉チャンバ内に置かれているため、保存環境に優れ、外部環境からの汚染を受けにくい。使用時、カバースクリューを使用する場合、上部カバーを開け、カバースクリューを取り出すだけで良い。インプラントを使用する場合、容器カバーを開けると、インプラントは容器カバーと一体に接続されており、容器カバーを第1容器本体上から取り外した後、続けて容器カバーを操作して、容器カバーを用いてインプラントを第1容器本体内から容易に取り出すことができる。明らかな点として、インプラントとカバースクリューの取り扱い順序は必要に応じて選択することができ、両者は干渉せず、安全且つ確実に扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例で必要な図面を用いて簡単に説明するが、理解されるべき点として、以下の図面は本発明のいくつかの実施例を示すに過ぎず、その範囲を限定するものではない。当業者が、創造的な労力を要することなくこれらの図面に基づいて想到し得る他の図面も本発明の保護範囲に属する。
【
図1】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の組立図である。
【
図2】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の分解図である。
【
図3】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の上部カバーの概略図である。
【
図4】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の容器カバーの概略図である。
【
図5】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の容器カバーの断面図である。
【
図6】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の第1容器本体の概略図である。
【
図7】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の第2容器本体の概略図である。
【
図8】本実施例が提供する歯科インプラント包装容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照してき、本発明の実施例の技術的解決手段を明確、完全に説明するが、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、全てのではない。一般的に、図面において説明及び図示される本発明の実施例のアセンブリは、各種の異なる配置に従って手配及び設計されてもよい。従って、以下の図面において提供される本発明の実施例に対する詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の好適実施例を示すものに過ぎない。当業者が本発明の実施例に基づき、創造的労働を要さずに獲得する他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0019】
注意すべき点は以下のとおりである。以下の図面において、類似した記号及びアルファベットは類似の項目を示しており、項目の意味が図面の中で定義された場合、その後の図面においてその定義及び説明を省略する。
【0020】
説明すべき点として、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、図面に基づき指示される方位又は位置関係、又は本発明による製品を使用する時に一般的に配置される位置又は位置関係であり、本発明を説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、指示される装置又は素子が特定の方位にあり、特定の方位で構築及び操作されるべきであることを指示又は示唆するものではなく、したがって本発明を限定するものであると解釈すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、区別して説明するために用いられ、相対的な重要性を指示又は示唆するものである解釈すべきではない。
【0021】
また、「水平」、「垂直」、「垂下」等の用語は、部品が絶対に水平又は垂下であることを要求するものではなく、多少傾いても良い。例えば、「水平」という用語は、該構造が絶対に水平であることに限定されるものではなく、その方向が「垂直」に対してより水平であることであり、多少傾いても良い。
【0022】
説明すべき点として、本発明の説明において、別途明確な規定や限定がない限り、「設置」、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は広義に理解すべきである。例えば、固定接続であってもよく,着脱可能な接続又は一体的な接続であってもよい。機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよい。直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続されるものであってもよく、また、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
説明すべき点として、矛盾しない場合、本発明における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
実施例1
【0023】
本実施例は、組み合わせて使用されるインプラント及びカバースクリュー(癒合キャップ)を包装するための歯科インプラント包装容器を提供する。医療従事者は治療の過程で、包装容器内から組み合わされたインプラント及びカバースクリューを取り出すことができ、カバースクリューとインプラントがマッチングしないことで手術の進捗が遅れることや修復の効果に劣るという問題を防ぐ。
【0024】
図1、
図2及び
図8によると、本実施例が提供する歯科インプラント包装容器は、第1容器本体001、容器カバー002及び上部カバー003を備える。第1容器本体001は、第1容器チャンバ100、及び該第1容器チャンバ100と連通する第1容器開口110を備える。容器カバー002は、対向する第1端及び第2端を備える。第1端に係着部220が設けられる。第1端は、第1容器開口110に着脱可能に取り付けられ、且つ容器カバー002は第1容器本体001とともに第1密閉チャンバ005を画定する。第2端に収納溝2111が設置される。上部カバー003は、収納溝2111の溝口に着脱可能に取り付けられる。上部カバー003は、容器カバー002とともに第2密閉チャンバ006を画定する。
【0025】
本発明が提供する歯科インプラント包装容器において、組み合わされるインプラント及びカバースクリュー(癒合キャップ)をそれぞれ収納するための第1密閉チャンバ005と第2密閉チャンバ006を設置することにより、医療従事者は手術の過程で包装容器内からインプラント及びカバースクリューを取り出すだけで直接使用でき、カバースクリューとインプラントがマッチングしないことで手術の進捗及び効果に影響を及ぼすことがなく、患者の修復治療に有利である。且つインプラントとカバースクリューは、いずれも密閉チャンバ内に置かれているため、保存環境に優れ、外部環境からの汚染を受けにくい。
【0026】
使用時、カバースクリューを使用する場合、上部カバー003を開け、カバースクリューを取り出すだけで良い。インプラントを使用する際、容器カバー002を開けると、インプラントは容器カバー002と一体に接続されており、容器カバー002を第1容器本体001上から取り外した後、続けて容器カバー002を操作して、容器カバー002を用いてインプラントを第1容器本体001内から容易に取り出すことができる。明らかな点として、インプラントとカバースクリューの取り扱い順序は必要に応じて選択することができ、両者は干渉せず、安全且つ確実に扱うことができる。
図3によると、本実施例において、上部カバー003は、円筒状の柱状部300、円環状の環状操作部310及び円柱状の当接部320を備える。
【0027】
柱状部300は、一端が密閉され、他端が開口しており、凹溝を有するカバー本体構造を構成する。柱状部300の外周面に第2凹凸構造301が設けられる。第2凹凸構造301は環状突起でもよい。環状突起は、柱状部300の径方向に沿って柱状部300の外周面から外向きに突出する。環状突起は柱状部300と同軸に設置される。当接部320は、凹溝の溝底壁上に取り付けられ、柱状部300と同軸に設けられる。当接部320の溝底壁から離れた一端は当接表面として、カバースクリューの端面に当接して、カバースクリューがその軸線方向に沿って移動するのを規制するために用いられ、カバースクリューの位置をより堅牢で確実にする。環状操作部310は、柱状部300の密閉端に取り付けられ、柱状部300と同軸に設置される。環状操作部310は、柱状部300の径方向に沿って柱状部300の外周面から外向きに突出する。
【0028】
他の実施例において、柱状部300は、両端が開口している円柱筒であっても良い。環状操作部310は、柱状部300の一端面でカバーされ、柱状部300とともにカバー本体構造を形成する。環状操作部310の一方の板面は凹溝の溝底壁である。
【0029】
図4と
図5によると、本実施例において、容器カバー002は、第1カバー本体200及び第2カバー本体210を備える。第1カバー本体200と第2カバー本体210は、いずれも円状のカバーであり、同軸に設置され、それぞれの密閉端が接続される。
【0030】
第1カバー本体200の開口端は第1端であり、第1カバー本体200はネジ孔201を備え、すなわち、第1カバー本体200の内周壁に雌ネジが設けられることが好ましい。第1カバー本体200の内底壁に環状密封プレート202及び係着部220が設置される。環状密封プレート202は、断面の形状が円環状であり、第1カバー本体200と同軸に設置される。環状密封プレート202と第1カバー本体200の内周壁との間に環状密封溝203を形成する。係着部220は円柱状であり、環状密封プレート202内に位置する。係着部220と第1カバー本体200は同軸に設置される。さらに、係着部220の外周面に環状係着突起221が設けられる。第1カバー本体200の内周壁に第1回転防止用位置決めリブ120が設置される。第1回転防止用位置決めリブ120は、円環状突起であり、第1カバー本体200と同軸に設置され、第1カバー本体200の雌ネジと開口端との間に位置し、第1カバー本体200の軸線方向に沿うその両側面がいずれも斜面である。更に、第1カバー本体200の外周面に滑り止め模様205が設置される。これにより、第1カバー本体200を操作する際、滑りにくく、扱いやすくなり安全に操作することができる。
【0031】
第2カバー本体210の開口端は第2端である。第2カバー本体210は装着部211、挿着部212及びハンドル部213を備える。装着部211は円筒状であり、一端が密閉される。該密閉端は第1カバー本体200と接続され、且つ装着部211は第1カバー本体200と同軸に設置されることが好ましい。収納溝2111は装着部211の他端に設置される。装着部211の内周壁に第1凹凸構造2112が設置される。第1凹凸構造2112は円状凹溝であってもよく、装着部211と同軸に設置される。上部カバー003の柱状部300は収納溝2111内に挿着される。且つ、第1凹凸構造2112と第2凹凸構造301は締まり嵌めにより係着され且つその接触位置箇所に第2密封面を画定する。上部カバー003と装着部211は第2密閉チャンバ006を画定する。挿着部212は円柱状である。挿着部212にカバースクリューを挿着するための第1係着溝2121が設置される。第1係着溝2121は円柱状の溝である。挿着部212は、収納溝2111内に取り付けられ、装着部211の溝底壁に接続され、且つ装着部211と同軸に設置される。ハンドル部213は、円盤状であり、装着部211の外側に嵌設され、装着部211と同軸に設置され、収納溝2111の径方向に沿って装着部211の外周面から外向きに突出する。上部カバー003が容器カバー002にカバーされることで、環状操作部310の上部カバー003の凹溝の溝に近い環状面と、ハンドル部213の第1カバー本体200から離れた環状面との間に隙間が形成される。これにより、上部カバー003を容器カバー002から取り外しやすくなる。隙間の大きさを詳しく限定することなく、必要に応じて設定してもよい。
【0032】
図6によると、本実施例において、第1容器本体001は、一端が密閉され他端が開放されている円筒状である。第1容器本体001の外周面の第1容器開口110に近い箇所に、雄ネジ130が設けられる。第1容器本体001の外周面に第2回転防止用位置決めリブ204が設けられる。第2回転防止用位置決めリブ204は、雄ネジ130と第1容器本体001の底部との間に位置し、円環状突起である。第1カバー本体200はネジ孔201を介して第1容器本体001に螺着される。第1カバー本体200をねじ込む過程で、第1カバー本体200の第1回転防止用位置決めリブ120が第1容器本体001の第2回転防止用位置決めリブ204を越えると、操作者は抵抗感及び両者の摩擦により生じる音をはっきり感知することができる。これにより、第1カバー本体200と第1容器本体001との螺着が完了し、操作が容易で確実になる。且つ第1カバー本体200の螺着が完了した後、第1容器本体001は環状密封溝203内に挿着される。第1容器本体001と環状密封溝203との接触面は第1密封面を構成する。第1回転防止用位置決めリブ120と第2回転防止用位置決めリブ204との組み合わせによって、第1カバー本体200が第1容器本体001に対して回転し緩むことを防止し、より安全で確実に搬送することができる。
【0033】
図6によると、本実施例において、歯科インプラント包装容器は更に第2容器本体004を備える。第2容器本体004は、上部プレート400、容器ネック410、囲い420、第1装着プレート430及び第2装着プレート440を備える。
【0034】
上部プレート400は円状のプレートである。容器ネック410は円柱状であり、上部プレート400に取り付けられ、上部プレート400と同軸に設けられる。容器ネック410の上部プレート400から離れた一端に係着部220を挿着するための第2容器開口411が設置される。第2容器開口411は、上部を貫通する円柱状孔である。第2容器開口411の内壁に環状係着突起221と係着されて嵌合される環状係着凹溝が設置される。これにより、第2容器本体004と容器カバー002との接続の堅牢さを強化する。囲い420は、順次接続される第1矩形状プレート423、第2矩形状プレート424及び第3矩形状プレート425を含む。第1矩形状プレート423は、第3矩形状プレート425と平行であり、第3矩形状プレート425との間に切欠きが形成される。切欠きはインプラントを出し入れする出入口422である。囲い420によって囲まれた領域は第2容器チャンバ421である。第2容器開口411は第2容器チャンバ421と連通する。上部プレート400は囲い420の一端でカバーされる。第1装着プレート430と第2装着プレート440は囲い420の他端の近くにあり、第1装着プレート430と第2装着プレート440は囲い420の長手方向に沿って囲い420上に間隔をおいて設置される。第1装着プレート430と第2装着プレート440にいずれも第2係着溝450が設置される。第2係着溝450の溝口は切欠きと同一側に位置する。上部プレート400、第1装着プレート430又は第2装着プレート440のうちの少なくとも1つは第1容器本体001の内周壁と接触する。
【0035】
本実施例が提供する歯科インプラント包装容器において、インプラントの付属品は第2容器本体004の第2係着溝450内に係着される。第2係着溝450が2つ設置されることで、接触点が多くなり、インプラントの位置をより安定させる。次に、第2容器本体004の容器ネック410を容器カバー002の係着部220に挿着して固定させる。第2容器本体004を第1容器チャンバ100内に挿着する。この過程で、容器カバー002を第1容器本体001の外側に螺着する。容器カバー002と第1容器本体001は第1密閉チャンバ005を形成する。インプラントが第1密閉チャンバ005内に位置する。インプラントは支えがなく浮いているため、第2容器本体004の内壁と接触しにくく、安全且つ確実に配置される。且つ、第1容器本体001の内壁は第2容器本体004の外壁と少なくとも部分的に接触する。第2容器本体004が第1容器本体001内に挿着されると、両者の相対的ながたつきを抑制する。第2容器本体004を取り出す過程で、容器カバー002を操作するだけで第2容器本体004を同時に取り出すことができ、扱いやすい。且つ、第1容器本体001の内壁がガイドとして機能するため、同様にがたつきを抑制するとともに、衝突する確率を低下させる。これにより、搬送及び取り出しを安全且つ確実に行うことができる。カバースクリューを容器カバー002の第1係着溝2121内に挿着してから、上部カバー003を容器カバー002内に挿着する。これにより、上部カバー003と容器カバー002により第2密閉チャンバ006が形成され、カバースクリューを安全に保存することができる。
なお、インプラントとカバースクリューの着脱順序は、詳しく限定することなく、必要に応じて選択してもよい。
【0036】
上記は本発明の好ましい実施形態であるに過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとって本発明は各種修正や変更が可能である。本発明の主旨と原則の範囲内で行われるいかなる修正、等価置換、改良などはいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
001 第1容器本体、100 第1容器チャンバ、110 第1容器開口、120 第1回転防止用位置決めリブ、130 雄ネジ、002 容器カバー、200 第1カバー本体、201 ネジ孔、202 環状密封プレート、203 環状密封溝、204 第2回転防止用位置決めリブ、205 滑り止め模様、210 第2カバー本体、211 装着部、2111 収納溝、2112 第1凹凸構造、212 挿着部、2121 第1係着溝、213 ハンドル部、220 係着部、221 環状係着突起、003 上部カバー、300 柱状部、301 第2凹凸構造、310 環状操作部、320 当接部、004 第2容器本体、400 上部プレート、410 容器ネック、411 第2容器開口、420 囲い、421 第2容器チャンバ、422 出入口、423 第1矩形状プレート、424 第2矩形状プレート、425 第3矩形状プレート、430 第1装着プレート、440 第2装着プレート、450 第2係着溝、005 第1密閉チャンバ、006 第2密閉チャンバ、007 隙間