IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コスモ石油マーケティング株式会社の特許一覧

特許6990286購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法
<>
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図1
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図2
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図3
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図4
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図5
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図6
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図7
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図8
  • 特許-購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220104BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220104BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220104BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20220104BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G06Q30/02 350
G06Q50/10
G06Q30/06
G07G1/00 311D
G07G1/12 321Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020197339
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】515320123
【氏名又は名称】コスモ石油マーケティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】松崎 慧
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕一
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特許第4038232(JP,B1)
【文献】特開2008-181538(JP,A)
【文献】特開2015-056063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0243260(US,A1)
【文献】特開2017-27374(JP,A)
【文献】特開2014-220008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料油、ワイパーなどの物品や、洗車や車検などのサービスを提供するサービスステーションにおいて、
車両ナンバーと紐づけて売上物品または売上サービス、売上日時、売上金額を含む売上データが記録された購入履歴データベースを更新する購入履歴の取得システムであって、
車両のナンバープレートを撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像から前記車両のナンバープレートの前記車両ナンバーを特定し、特定した前記車両ナンバーと撮影日時または特定日時とを含む撮影データを出力可能なナンバー特定部と、
来店した顧客が商品やサービスを購入する際の決済を行い、少なくとも前記売上物品または前記売上サービスと、前記売上日時と、売上金額を含む売上データを出力可能な決済端末と、
ある撮影データの前記撮影日時または前記特定日時から所定時間内の前記売上日時の前記売上データを特定し、ある前記撮影データの前記車両ナンバーと特定した前記売上データを紐づけて前記購入履歴データベースに記録する、データ整合部と、
を備える購入履歴の取得システム。
【請求項2】
前記決済端末ごとに前記カメラが設置されており、
前記カメラは対応する前記決済端末を識別可能なカメラ識別情報を含む前記撮影データを出力可能であり、
前記決済端末は、各々を識別可能な端末情報を前記売上データとともに出力可能であり、
前記データ整合部は、前記撮影日時または前記特定日時、前記売上日時、前記カメラ識別情報、前記端末情報に基づいて、前記車両ナンバーと前記売上データとを紐づける、請求項1に記載の購入履歴の取得システム。
【請求項3】
前記カメラおよび前記決済端末は、少なくとも給油レーンおよび洗車機に設けられている、請求項1に記載の購入履歴の取得システム。
【請求項4】
請求項1に記載の購入履歴の取得システムにより更新される前記購入履歴データベースに基づき作成される、車両の保有者名と、車両データと、前記売上データを含む顧客データベースの更新システムであって、
車両の保有者と車検情報を含む前記車両データと前記車両ナンバーを含む外部データベースを読み込む外部データ読込部と、
前記外部データ読込部が読み込んだ外部データベースに、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーが存在する場合、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーおよび前記車両データを前記購入履歴データベースに追加させる外部データ追加部を有する、顧客データベースの更新システム。
【請求項5】
燃料油、ワイパーなどの物品や、洗車や車検などのサービスを提供するサービスステーションにおいて、
車両ナンバーと紐づけて売上物品または売上サービス、売上日時、売上金額を含む売上データが記録された購入履歴データベースを更新する購入履歴の取得システムを用いた購入履歴取得方法であって、
前記取得システムは、コンピュータ可読命令を記録したメモリと、前記コンピュータ可読命令を実行する情報処理装置と、を備え、
前記購入履歴取得方法は前記取得システムに、
車両のナンバープレートを撮影するカメラが撮影した画像から前記車両の前記車両ナンバーを特定し、特定した前記車両ナンバーと撮影日時または特定日時とを含む撮影データを出力させ、
来店した顧客が商品やサービスを購入した際に、少なくとも前記売上物品または前記売上サービスと、前記売上日時と、売上金額を含む売上データを出力させ、
ある撮影データの前記撮影日時または前記特定日時から所定時間内にある前記売上日時の前記売上データを特定し、ある前記撮影データの前記車両ナンバーと特定した前記売上データを紐づけて購入履歴データベースに記録させる、購入履歴の取得方法。
【請求項6】
請求項5に記載の購入履歴の取得方法により更新される前記購入履歴データベースに基づき作成される、車両の保有者名と、車両データと、前記売上データを含む顧客データベースの、更新システムを用いた更新方法であって、
前記更新システムは、コンピュータ可読命令を記録したメモリと、前記コンピュータ可読命令を実行する情報処理装置と、を備え、
前記更新方法は前記更新システムに、
車両の保有者と車検情報を含む車両データと前記車両ナンバーを含む外部データベースを読み込ませ、
読み込んだ前記外部データベースに、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーが存在する場合に、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーおよび前記車両データを前記購入履歴データベースに追加させる、顧客データベースの更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入履歴の取得システムおよび方法、およびそれらを用いた顧客データベースの更新システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により、給油所に来店する自動車の車両データを取得する車両データ取得システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6655317号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、油種を選択するボタンを押すとカメラが撮影する。つまり、決済するPOS端末の近傍に車両が存在しており、この車両をカメラで撮影することを前提としているようである。
しかしながら、サービスステーションが提供する業務の中には、ワイパーやオイルなどの消耗品の販売や、洗車や車検サービスなども含まれている。これらの業務のうち、消耗品の販売や車検サービスの精算は店内のPOS端末で行われたりするなど、必ずしもPOS端末の近くに車両が存在しない。このような場合は、サービスステーションの販売員が車両情報を顧客から取得し、得た情報を車両情報取得システムへ入力する必要がある。このため、販売員の労力軽減という観点において、特許文献1には改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、さらに販売員の労力が軽減された購入履歴の取得システムおよび購入履歴の取得方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
燃料油、ワイパーなどの物品や、洗車や車検などのサービスを提供するサービスステーションにおいて、
車両ナンバーと紐づけて売上物品または売上サービス、売上日時、売上金額を含む売上データが記録された購入履歴データベースを更新する購入履歴の取得システムであって、
車両のナンバープレートを撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像から前記車両のナンバープレートの前記車両ナンバーを特定し、特定した前記車両ナンバーと撮影日時または特定日時とを含む撮影データを出力可能なナンバー特定部と、
来店した顧客が商品やサービスを購入する際の決済を行い、少なくとも前記売上物品または前記売上サービスと、前記売上日時と、売上金額を含む売上データを出力可能な決済端末と、
ある撮影データの前記撮影日時または前記特定日時から所定時間内の前記売上日時の前記売上データを特定し、ある前記撮影データの前記車両ナンバーと特定した前記売上データを紐づけて前記購入履歴データベースに記録する、データ整合部と、
を備える購入履歴の取得システムが提供される。
【0007】
上述した取得システムにおいて、
前記決済端末ごとに前記カメラが設置されており、
前記カメラは対応する前記決済端末を識別可能なカメラ識別情報を含む前記撮影データを出力可能であり、
前記決済端末は、各々を識別可能な端末情報を前記売上データとともに出力可能であり、
前記データ整合部は、前記撮影日時または前記特定日時、前記売上日時、前記カメラ識別情報、前記端末情報に基づいて、前記車両ナンバーと前記売上データとを紐づけてもよい。
【0008】
上述した取得システムにおいて、
前記カメラおよび前記決済端末は、少なくとも給油レーンおよび洗車機に設けられていてもよい。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
上記の購入履歴の取得システムにより更新される前記購入履歴データベースに基づき作成される、車両の保有者名と、車両データと、前記売上データを含む顧客データベースの更新システムであって、
車両の保有者と車検情報を含む前記車両データと前記車両ナンバーを含む外部データベースを読み込む外部データ読込部と、
前記外部データ読込部が読み込んだ外部データベースに、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーが存在する場合、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーおよび前記車両データを前記購入履歴データベースに追加させる外部データ追加部を有する、顧客データベースの更新システムが提供される。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
燃料油、ワイパーなどの物品や、洗車や車検などのサービスを提供するサービスステーションにおいて、
車両ナンバーと紐づけて売上物品または売上サービス、売上日時、売上金額を含む売上データが記録された購入履歴データベースを更新する購入履歴の取得システムを用いた購入履歴取得方法であって、
前記取得システムは、コンピュータ可読命令を記録したメモリと、前記コンピュータ可読命令を実行する情報処理装置と、を備え、
前記購入履歴取得方法は前記取得システムに、
車両のナンバープレートを撮影するカメラが撮影した画像から前記車両の前記車両ナンバーを特定し、特定した前記車両ナンバーと撮影日時または特定日時とを含む撮影データを出力させ、
来店した顧客が商品やサービスを購入した際に、少なくとも前記売上物品または前記売上サービスと、前記売上日時と、売上金額を含む売上データを出力させ、
ある撮影データの前記撮影日時または前記特定日時から所定時間内にある前記売上日時の前記売上データを特定し、ある前記撮影データの前記車両ナンバーと特定した前記売上データを紐づけて購入履歴データベースに記録させる、購入履歴の取得方法が提供される。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
上記の購入履歴の取得方法により更新される前記購入履歴データベースに基づき作成される、車両の保有者名と、車両データと、前記売上データを含む顧客データベースの、更新システムを用いた更新方法であって、
前記更新システムは、コンピュータ可読命令を記録したメモリと、前記コンピュータ可読命令を実行する情報処理装置と、を備え、
前記更新方法は前記更新システムに、
車両の保有者と車検情報を含む車両データと前記車両ナンバーを含む外部データベースを読み込ませ、
読み込んだ前記外部データベースに、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーが存在する場合に、前記購入履歴データベースに記録されていない前記車両ナンバーおよび前記車両データを前記購入履歴データベースに追加させる、顧客データベースの更新方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、さらに販売員の労力が軽減された購入履歴の取得システムおよび購入履歴の取得方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の購入履歴の取得システムのブロック図である。
図2】ナンバー特定部が出力するデータを示す。
図3】売上データベースの一例である。
図4】購入履歴の取得システムが実行する処理のフローチャートである。
図5】購入履歴データベースの一例である。
図6】顧客データベースの更新システムのブロック図である。
図7】顧客データベースの一例である。
図8】外部データベースの一例である。
図9】更新後の顧客データベースの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<購入履歴の取得システム1および方法>
図1は、本発明の実施形態に係る購入履歴の取得システム1(以降、取得システム1と呼ぶ)のブロック図である。この取得システム1は、燃料油などを販売するサービスステーションに設置されている。取得システム1は、車両ナンバー(自動車登録番号)と紐づけて売上物品または売上サービス、売上日時、売上金額を含む売上データが記録された購入履歴データベースを自動的に更新する。
【0015】
図1に示すように、取得システム1は、第一給油レーン10に設置された機器群、第二給油レーン20に設置された機器群、灯油レーン30に設置された機器群、洗車レーン40に設置された機器群と、管理サーバ60と、購入履歴データベースを記録したデータサーバ61とから構成されている。管理サーバ60は、コンピュータ可読命令を記録したメモリと、コンピュータ可読命令を実行する情報処理装置とにより構成されている。
【0016】
第一給油レーン10では、車両へレギュラーガソリンなどの燃料油が供給される。第一給油レーン10には、第一カメラ11、第一給油機12、第一POS13(決済端末)が設置されている。
第一給油機12は、ユーザの車両へ燃料を供給し、供給した燃料油の数量をカウントする。第一給油機12は、給油ノズル、計量器などを備えている。
【0017】
第一POS13は第一給油機12で給油した燃料油の種類および数量に応じて、ユーザに金銭の支払いを求め、決済を行う装置である。第一POS13は、給油するユーザによって操作される操作部と、決済金額などを表示する表示部と、現金やクレジットカードを受け入れる金銭受け取り部などを備えている。
第一POS13は、供給した燃料油の種類、数量、決済日時を含む売上データを出力する。また、本実施形態では、第一POS13は他のPOSと識別するために用いられるPOSID(POS識別情報)も売上データに含めて出力する。
【0018】
第一カメラ11は、第一給油レーン10で給油を受ける車両のナンバープレートを撮影する。第一カメラ11は、第一カメラ11が撮影したことを示すカメラID(カメラ識別情報)とともに、第一カメラ11が取得した画像を出力する。本実施形態の第一カメラ11は常に撮像し続け、撮像した画像を出力し続けている。
【0019】
第二給油レーン20では、第一給油レーン10と同様に燃料油が供給される。第二給油レーン20にも、第一給油機12と同様に、第二カメラ21、第二給油機22、第二POS23が設置されている。カメラ、給油機、POSの構成については、第一給油レーン10に設置されたそれぞれの機器と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0020】
灯油レーン30では、顧客に灯油が供給される。灯油レーン30にも第一給油レーン10と同様に、第三カメラ31、灯油給油機32、第三POS33が設置されている。灯油給油機32の前に駐車スペースが設けてあり、第三カメラ31は、この駐車スペースに駐車して灯油を購入する顧客の車両のナンバープレートを撮影する。
【0021】
洗車レーン40では、顧客に洗車サービスが提供される。洗車レーン40にも第一給油レーン10と同様に、第四カメラ41、洗車機42、第四POS43が設置されている。第四カメラ41は、洗車機42に進入する車両のナンバープレートを撮影する。第四POS43は洗車機42に設定された洗車コースなどに応じた料金にて決済を行う。
【0022】
管理サーバ60は、ナンバー特定部62と、売上データ管理部63と、データ整合部64とを含んでいる。管理サーバ60は、第一カメラ11~第四カメラ41、および、第一POS13~第四POS43と通信可能に接続されている。これらの接続は、有線接続でも良いし、無線接続であってもよい。
【0023】
ナンバー特定部62は、第一カメラ11~第四カメラ41が撮影した画像から車両のナンバープレートの車両ナンバーを特定し、特定した車両ナンバーと撮影日時または特定日時とを含む撮影データを出力する。
ナンバー特定部62は、第一カメラ11~第四カメラ41から、画像データと撮影日時を取得する。ナンバー特定部62は、画像データを解析して車両ナンバーを特定する。ナンバー特定部62は、第一カメラ11から出力され続けている画像中に車両が出現すると、車両ナンバーを特定して特定した車両ナンバーを出力する。また、同じ車両が画像に存在し続ける場合や車両が画像中に存在しない場合は車両ナンバーを出力しない。
【0024】
図2は、ナンバー特定部62が出力するデータの一例を示す。図示した例では、ナンバー特定部62は、特定した車両ナンバーとともに、車両ナンバーを特定した画像を撮影したカメラのカメラIDと、撮影日時を含む撮影データを出力する。なお図2は、撮影時刻順にナンバー特定部62が出力するデータを表形式でまとめたものであるが、データサーバ61が、図2に示した情報をデータベースとして記録するように構成してもよい。
【0025】
売上データ管理部63は、第一POS13~第四POS43から、燃料油やエンジンオイル交換など売上物品または売上サービスと、売上日時と、売上金額を含む売上データを取得し、売上データに基づき図3に示した売上データベースを出力する。
【0026】
図3に示した売上データベースは、売上日時順に、各々のPOS13~43から取得した売上データをまとめたものである。図3に示したように、売上データベースには、どのPOSから取得した売上データかを示すPOSID、売上日時、伝票番号、売上商品または売上サービスを示す商品コード、販売した数量、売上金額、顧客がPOSに会員情報を入力した場合に入力される顧客コード、顧客がクレジットカードによって決済を行った場合に入力されるクレジットカード番号、が含まれている。
【0027】
図4は、取得システム1が実行する処理のフローチャートである。図4に示すフローは、管理サーバ60によって実行される。なお以降では、管理サーバ60が、図2に示したリスト中のデータである、第一カメラ11から2020年11月16日10時30分31秒に撮影した、車両ナンバー「品川・・・・」のデータを処理する例を説明する。
【0028】
図4に示すように、管理サーバ60は、まずカメラから画像データと画像データを撮影した撮影日時を含む撮影データを取得する(ステップS01)。本例では、第一カメラ11から2020年11月16日10時30分31秒に撮影した画像と、撮影日時と、カメラIDを取得する。すると、管理サーバ60のナンバー特定部62は、この第一カメラ11からの画像を解析し、車両ナンバー「品川・・・・」を特定し、特定した車両ナンバーと撮影日時とカメラIDを出力する。
【0029】
次にPOSから売り上げた商品やサービスとその数量、売上日時を含む売上データを取得する(ステップS02)。ここでは、まだどの売上データが特定した車両ナンバーと対応するかは判明していない。
【0030】
管理サーバ60のデータ整合部64は、売上データの中から、ある撮影データの撮影日時または特定日時から所定時間内の販売時刻の売上データを特定し、ある撮影データの車両ナンバーと特定した売上データを紐づけて購入履歴データベースに記録する。本実施形態においては、所定時間として420秒(7分)が設定されている。
【0031】
本例では、まず撮影日時である2020年11月16日10時30分31秒から所定時間7分を加算した2020年11月16日10時37分31秒を基準日時とする。データ整合部64は、第一カメラ11に対応する第一POS13から出力された売上データの中から、売上日時が撮影日時から基準日時の間に属する伝票番号を特定する。図示の例では、伝票番号P168748の売り上げが特定される。
【0032】
このようにしてナンバー特定部62が特定した車両ナンバーに対応する売上データを特定したら、データ整合部64は、ある撮影データの車両ナンバーと特定した売上データを紐づけて購入履歴データベースに記録する。本例では、図5に示すように、車両ナンバー「品川・・・・」を伝票番号P168748と紐づけて、購入履歴データベースに記録する。
【0033】
本実施形態の取得システム1および方法によれば、POSを介さずにカメラが取得した車両ナンバーと売上データとを紐づけることができる。また、燃料油の販売の他、消耗品の販売や洗車・車検サービスなど、サービスステーションの販売業務の大部分について、販売員を介さずに車両ナンバーと売上データとが紐付けされて購入履歴が収集される。このため、販売員の労力が軽減されている。
また、従来では燃料油の元売り会社が発行するクレジットカードを用いた決済の情報のみを会員の購入履歴として収集していたが、本実施形態の取得システム1によれば、会員以外の購入履歴も収集することができる。
【0034】
また、本実施形態の取得システム1および方法によれば、カメラ11~41およびPOS13~43が給油レーン10,20の他に、灯油レーン30や、洗車レーン40に設けられている。このため、燃料油の購入履歴の他に灯油、洗車サービス、ワイパーやエンジンオイルなどの消耗品、点検や車検サービスなどといった燃料油以外の商品・サービスについても購入履歴を収集できる。従来は、これらの商品やサービスの提供は燃料油の供給システムとは別にシステムが構成されており、こういった商品・サービスの収集は難しかった。しかしながら、本実施形態の取得システム1は、カメラの設置とPOSの改修といった最小限の設備投資によって、購入履歴を自動的に収集できる。このため、燃料油以外の商品・サービスの拡販を充実させることができる。
【0035】
<顧客データベースの更新システム100および方法>
燃料油を販売するに当たって、燃料油の小売会社は、顧客が過去どのような商品・サービスをどのような頻度で購入しているかをまとめた顧客データベースを作成し、販促などに利用している。このような顧客データベースを作成するに当たって、従来では、新規の顧客を顧客データベースに登録する際には、サービスステーションの販売員が顧客データベースに顧客の車両の車両ナンバーを入力することが行われてきた。しかしながら、このような作業は販売員の作業負担が大きい。そこで本実施形態では、上述した購入履歴取得システム1と連動させて、更新システム100を用いて以下のように顧客データベースを更新している。
【0036】
図6は、更新システム100のブロック図である。図6に示したように、更新システム100は、更新サーバ110と、データサーバ61を含んでいる。更新サーバ110は、購入履歴読込部111と、購入履歴更新部112と、外部データ読込部113と、外部データ追加部114を有している。データサーバ61は、上述した購入履歴データベースと、外部データベースと、顧客データベースを記録している。
【0037】
図7は、更新対象の顧客データベースの一例を示している。図7に示した顧客データベースは、購入履歴データベースに基づき作成されている。顧客データベースは、購入履歴データベースから顧客コードごとにデータをまとめて作成されている。例えば更新サーバ110は、毎日あるいは毎月など定期的に、顧客コード「123456」の購入履歴を購入履歴データベースから抽出し、顧客データベースの顧客コード「123456」の情報を更新している。例えば顧客データベースには、顧客コード、車両ナンバー、次回の車検期限、購入履歴などが含まれている。購入履歴には、最終来店日、累計給油量などが含まれている。
【0038】
このような顧客データベースに新規の顧客を追加する際には、外部データベースを取り込むことにより行われている。外部データベースの一例を図8に示した。図8に示したように、外部データとは、国交省から提供される、車両ナンバーと紐づけて、次回の車検期限といった車両データが記録されているデータベースである。
【0039】
外部データ読込部113は、月毎など定期的に、外部データを読み込む。外部データ追加部114は、読み込んだ外部データベースと、顧客データベースとを比較し、顧客データベースに含まれていない車両ナンバー(未登録ナンバーと呼ぶ)を外部データベースの中から特定する。さらに外部データ追加部114は、外部データベース中の未登録ナンバーの車両の次回の車検期限などの情報に、新たな顧客コードを付して、顧客データベースに登録する。図9は、更新した後の図7の顧客データベースを示す。
【0040】
図7および図8を比較すると、図8の最も下の車両ナンバー「品川9987」は、図7の顧客データベースに含まれていない。そこで外部データ追加部114は、図9に示したように、顧客コード「999876」のレコードを顧客データベースに追加する。この際に、図8から「品川9987」に紐づけられた車両データを、顧客データベースに追加する。
【0041】
このように、本実施形態の更新システム100は、外部データ読込部113が読み込んだ外部データベースに、購入履歴データベースに記録されていない車両ナンバーが存在する場合、購入履歴データベースに記録されていない車両ナンバーおよび車両データを購入履歴データベースに追加させる外部データ追加部114を備えている。
このため、本実施形態の更新システム100および方法によれば、サービスステーションの販売員が新規の顧客を顧客データベースに登録する作業をする必要がなく、販売員の負担が軽減されている。また、外部データベースから新規に登録した顧客がサービスステーションに来店したときにすぐに、該顧客の購入履歴を収集することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0043】
なお上述した実施形態においては、カメラがカメラIDを出力する構成を説明したが、この例に限られない。例えば管理サーバ60が第一カメラ11と第一ポートを介して接続されている場合には、第一カメラ11はカメラIDを出力しなくてもよい。管理サーバ60は、第一ポートから入力される情報が第一カメラ11の出力であると認識可能なためである。
【0044】
また上述した実施形態においては、カメラが撮影日時を出力し、ナンバー特定部は撮影日時を含む撮影データを出力する構成を説明したが、本発明はこれに限られない。ナンバー特定部が車両ナンバーを特定した特定日時を出力するように構成してもよい。
【0045】
なお上述した実施形態においては、顧客データベースに顧客の氏名や住所が含まれることを明示しなかったが、顧客データベースは顧客の氏名や住所を含んでいてもよい。これら顧客の氏名や住所といった情報は、顧客からアプリなどを通じて顧客データベースに入力してもらう、販売員が店頭で顧客から聞き出して顧客データベースに入力するなどといった手法で顧客データベースに追加することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 取得システム(購入履歴取得システム)
10 第一給油レーン
11 第一カメラ
12 第一給油機
13 第一POS
20 第二給油レーン
21 第二カメラ
22 第二給油機
23 第二POS
30 灯油レーン
31 第三カメラ
32 灯油給油機
33 第三POS
40 洗車レーン
41 第四カメラ
42 洗車機
43 第四POS
60 管理サーバ
61 データサーバ
62 ナンバー特定部
63 売上データ管理部
64 データ整合部
100 更新システム
110 更新サーバ
111 購入履歴読込部
112 購入履歴更新部
113 外部データ読込部
114 外部データ追加部
【要約】
【課題】販売員の労力が軽減された購入履歴の取得システムを提供する。
【解決手段】購入履歴の取得システム1は、車両のナンバープレートを撮影するカメラと、カメラが撮影した画像から車両のナンバープレートの車両ナンバーを特定し、車両ナンバーと撮影日時を含む撮影データを出力可能なナンバー特定部62と、少なくとも売上物品と、売上日時と、売上金額を含む売上データを出力可能な決済端末と、ある撮影データの撮影日時から所定時間内の売上日時の売上データを特定し、ある撮影データの車両ナンバーと特定した売上データを紐づけて購入履歴データベースに記録する、データ整合部64と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9