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特許6990303MEGAMONAS FUNIFORMIS及びその適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】MEGAMONAS FUNIFORMIS及びその適用
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20220127BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20220127BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20220127BHJP
   A61K 35/74 20150101ALI20220127BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220127BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20220127BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220127BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220127BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220127BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20220127BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20220127BHJP
   A61K 35/745 20150101ALI20220127BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20220127BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 31/702 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20220127BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
C12N1/20 A ZNA
C12N15/11 Z
A23L33/135
A61K35/74 A
A61K35/74 G
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P1/04
A61P9/00
A61P19/02
A61P3/06
A61P9/12
A61P3/02
A61K35/744
A61K35/745
A61K35/747
A61K38/22
A61K31/702
A61K31/715
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/20
A61K47/10
A61K47/06
A61K47/22
A61K47/24
A61K47/46
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020515131
(86)(22)【出願日】2017-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2017101915
(87)【国際公開番号】W WO2019051790
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2020-04-01
【微生物の受託番号】GDMCC  GDMCC 60093
(73)【特許権者】
【識別番号】517110612
【氏名又は名称】ビージーアイ シェンチェン
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】ユェンチャン・ゾウ
(72)【発明者】
【氏名】リャン・シャオ
(72)【発明者】
【氏名】シャオピン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ジンホン・ユー
(72)【発明者】
【氏名】チュアン・リウ
【審査官】福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104546938(CN,A)
【文献】Uncultured bacterium clone SJTU_D_04_84 16S ribosomal RNA gene, partial sequence.,Database DDBJ/EMBL/GenBank [online],2008年02月20日,Accession No. EF400970,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/ef400970
【文献】Uncultured bacterium clone SJTU_D_01_72 16S ribosomal RNA gene, partial sequence.,Database DDBJ/EMBL/GenBank [online],2008年02月20日,Accession No. EF400804,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/ef400804
【文献】Uncultured bacterium clone SJTU_D_02_33 16S ribosomal RNA gene, partial sequence.,Database DDBJ/EMBL/GenBank [online],2008年02月20日,Accession No. EF400848,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/ef400848
【文献】Megamonas sp. Marseille-P3344 partial 16S rRNA gene, strain Marseille-P3344.,Database DDBJ/EMBL/GenBank [online], Accession No. LT628480,2016年10月18日,Accession No. LT628480,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/lt628480
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00-15/90
CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Genbank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1に示される16s rDNAの配列を有するMegamonas funiformisであり、
前記Megamonas funiformisが、寄託番号GDMCC 60093のMegamonas funiformis AF24-28ACであることを特徴とする単離された細菌。
【請求項2】
(a)請求項1に記載の単離された細菌及び/又はその代謝産物の安全且つ有効な量、及び
(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする組成物。
【請求項3】
前記組成物が、前記組成物の総体積又は総重量に基づいて、1×10~1×10 15 cfu/mL又はcfu/gのMegamonas funiformis AF24-28ACを含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、前記組成物の総体積又は総重量に基づいて、1×10 ~1×10 10 cfu/mL又はcfu/gのMegamonas funiformis AF24-28ACを含む請求項2から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスを更に含む請求項から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記プロバイオティクスが、乳酸菌、Bifidobacteria、Lactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択され、
任意に、前記プレバイオティクスが、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択される請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、Megamonas funiformisの生存率を維持することができる物質を更に含む請求項から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記Megamonas funiformisの生存率を維持することができる物質が、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、成長因子を更に含む請求項から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
単離された細菌及び/又はその代謝産物と、食品として許容される又は薬学的に許容される担体と、を含む組成物であって、
前記組成物が、
(a)炎症性腸疾患を予防及び/又は治療すること;及び/又は
(b)心血管疾患を予防及び/又は治療すること、
のために用いられるものであり、
前記単離された細菌が、配列番号1に示される16s rDNAの配列を有するMegamonas funiformisであることを特徴とする組成物。
【請求項11】
(a)炎症性腸疾患を予防及び/又は治療すること;及び/又は
(b)心血管疾患を予防及び/又は治療すること、
のための医薬の製造における単離された細菌の使用であって、
前記単離された細菌が、配列番号1に示される16s rDNAの配列を有するMegamonas funiformisであることを特徴とする使用。
【請求項12】
前記炎症性腸疾患が、潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎(general enteritis)、又はそれらの組合せからなる群から選択され、
任意に、前記心血管疾患が、高血圧、高脂血症、冠状動脈性心疾患、又はそれらの組合せからなる群から選択される請求項11に記載の使用。
【請求項13】
単離された細菌が、
(i)哺乳動物の血中脂質レベルを低下させること;
(ii)哺乳動物の体重損失を制御すること;
(iii)哺乳動物の疾患活動性指数(DAI)を減少させること;及び
(iv)哺乳動物の腸病変を軽減すること;
からなる群からなる群から選択される1つ以上の活性を示す請求項11から12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
前記単離された細菌又は組成物を含む組成物が、被験体に投与され、
好ましくは、前記組成物が、経口投与され、
任意に、投与量が、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重であり、
任意に、前記被験体が、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含み、
好ましくは、前記非ヒト哺乳動物が、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含み、
任意に、前記組成物が、1つの錠剤、1つのカプセル、又は1つのバイアルの単位剤形であり、各単位剤形中の前記組成物が、0.05g~5g、好ましくは0.1g~1gの質量である請求項11から13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
請求項2から9のいずれかに記載の組成物を調製するための方法であって、
請求項1に記載の単離された細菌又はその代謝産物を、食品として許容される又は薬学的に許容される担体と混合して、前記組成物を生成する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
(a)請求項1に記載の単離された細菌を培養に適した条件下で培養し、それにより培養産物を得る工程;
(b)任意に、前記培養産物から細菌細胞及び/又はその代謝産物を単離する工程;及び
(c)任意に、(a)で得られた前記培養産物又は(b)で得られた細菌細胞及び/又はその代謝産物を、食品として許容される又は薬学的に許容される担体と混合し、それにより組成物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微生物の分野、特に、Megamonas funiformisとその適用に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症性腸疾患(IBD)は、病因が不明な慢性炎症性腸疾患の一種であり、再発の傾向があるため、患者の生活の質に深刻な影響を及ぼす。現代医学では、炎症性腸疾患(IBD)は、遺伝、食事、感染、自己免疫、心理的要因、環境などの要因によって引き起こされると考えられている。炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病(CD)を含み、いずれも炎症関連疾患である。
【0003】
心血管疾患は、先進国で最も多い死因であり、発展途上国でますます一般的になってきている。近年、自国の経済は急速に発展し、人々の生活水準は大幅な向上し、ライフスタイルが大きく変化している。仕事と生活のペースはより速くなり、食事カロリーが増加する一方、身体活動は減少している。そのような不健康なライフスタイルは、心血管疾患、例えば、肥満などのリスクファクターの著しい増加をもたらし、心脳血管疾患の発生率を急速に増加させる。現代の医学研究では、心脳血管疾患の基礎はアテローム性動脈硬化症であり、その酸化型低密度リポタンパク質(Ox-LDL)がアテローム性動脈硬化症の中核であると考えられている。現在、心脳血管疾患を予防するための国内特許は、主に血液循環の促進、うっ滞(stasis)の減少、血中脂質又はコレステロールの低下、したがって低密度リポタンパク質(LDL)低下という側面に焦点を当てている。欧米諸国における心脳血管疾患の予防は、主に抗酸化による血中脂質又はコレステロールの低下の側面に焦点を当てているため、欧米諸国における心脳血管疾患の予防には多くの抗酸化ヘルスケア製品が使用されているが、大きな効果は達成されていない。同様に、血液循環を促進してうっ滞を低減するための漢方薬や、気(qi)を養い、循環を活性化して心脳血管疾患を予防するための伝統的な中国のヘルスケア医薬の適用は、効果的ではあるとしても、達成される効果は限定的である。
【0004】
潰瘍性大腸炎(UC)は、病因が不明な重要なタイプの炎症性腸疾患(IBD)であり、慢性腸疾患のタイプに属し、その病変部は、主に結腸粘膜(colonic mucosa)の粘膜下層にある。現在の研究に基づくと、潰瘍性大腸炎の主因は、宿主の遺伝的感受性、腸内細菌叢、及び腸粘膜免疫応答である。潰瘍性大腸炎の臨床的及び病理学的症状は、絶え間ない腹痛、下痢、粘液及び血便、並びに再発性発作である。自国のUC患者の数は、近年、大幅な増加傾向を示している。
【0005】
現在、潰瘍性大腸炎(UC)の臨床薬は、主に、サリチル酸、副腎グルココルチコイド、及び免疫剤を含む。サリチル酸薬は、炎症応答を緩和する目的を達成するために、プロスタグランジン合成を効果的に阻害し、酸素フリーラジカルを除去することができるが、短期間しか炎症を緩和することができず、UC疾患を治癒させることはできない。潰瘍性大腸炎(UC)の臨床治療では、一般に使用されるサリチル酸の西洋医学は、スルファサラジン(SASP)であり、主に軽度、中等度、及び慢性のUC患者を対象としている。副腎グルココルチコイドは、重度又は発作性のUC患者に適しており、例えば、ベタメタゾンなどがある。シクロスポリンなどの免疫剤は、T細胞IL-2の生成を阻害することにより免疫応答の進行に影響を及ぼし、それにより潰瘍性大腸炎(UC)を防ぐ。
【0006】
潰瘍性大腸炎(UC)の3種類の既存薬は、UCをある程度緩和することができるが、特定の副作用も引き起こす。サリチル酸には、胃腸反応、頭痛、網状赤血球の増加、精子の減少、アレルギー反応による発疹、肝臓毒性、白血球減少、貧血などの副作用があり、また、そのような薬の抗菌効果による細菌叢障害や薬剤耐性の強化を引き起こし易い。副腎グルココルチコイドは、代謝障害、水の貯留などの副作用を引き起こすことがあり、これは緊急薬としてのみ使用でき、長期間投与することはできない。免疫剤療法は、薬物依存性が高く、治療サイクルが長いため、腎毒性と二次感染を引き起こす可能性があり、補助療法としてのみ使用することができる。
【0007】
したがって、炎症関連疾患及び心血管疾患を治療及び/又は予防するための新しい、非毒性且つ非副作用薬を開発する喫緊の必要性が当技術分野に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的は、炎症関連疾患及び心血管疾患をを治療及び/又は予防するための新しい、非毒性且つ非副作用薬を提供することである。
【0009】
第1の態様においては、実施形態における本開示は、Megamonas funiformis株を提供し、前記Megamonas funiformis株は、Megamonas funiformisである。
【0010】
別の好ましい実施形態では、前記Megamonas funiformisは、配列番号1に示される16s rDNAの配列を有する。
【0011】
別の好ましい実施形態では、前記Megamonas funiformisは、寄託番号GDMCC 60093のMegamonas funiformis AF24-28ACである。
【0012】
別の好ましい実施形態では、前記Megamonas funiformisは、腸、動物の糞便、発酵タンク及び/又は嫌気性リアクターに由来する。
【0013】
別の好ましい実施形態では、前記Megamonas funiformisは、ヒト又は非ヒト哺乳動物に由来する。
【0014】
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、並びにサルなどの霊長類を含む。
【0015】
第2の態様においては、実施形態における本開示は、(a)本開示の第1の態様のMegamonas funiformis及び/又はその代謝産物の安全且つ有効な量、及び(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0016】
別の好ましい実施形態では、組成物は成長因子、好ましくは乳成長因子を更に含む。
【0017】
別の好ましい実施形態では、組成物は、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、飼料組成物、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0018】
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口製剤である。
【0019】
別の好ましい実施形態では、組成物は、液体製剤、固体製剤、又は半固体製剤である。
【0020】
別の好ましい実施形態では、組成物の剤形は、粉末、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル、顆粒、懸濁液、溶液、シロップ、ドロップ、舌下錠剤、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
別の好ましい実施形態では、食品組成物は、エマルジョン製品、溶液製品、粉末製品、又は懸濁物製品を含む。
【0022】
別の好ましい実施形態では、食品組成物は、乳製品、粉乳、又はエマルジョンを含む。
【0023】
別の好ましい実施形態では、液体製剤は、溶液製品及び懸濁液製品からなる群から選択される。
【0024】
別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総体積又は総重量に基づいて、1×10~1×1015cfu/mL又はcfu/gのMegamonas funiformis AF24-28AC、好ましくは1×10~1×1010cfu/mL又はcfu/gのMegamonas funiformis AF24-28ACを含む。
【0025】
別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.0001wt%~99wt%、好ましくは0.1wt%~90wt%のMegamonas funiformis及び/又はその代謝産物を含む。
【0026】
別の好ましい実施形態では、組成物は、単位剤形、即ち、1つの錠剤、1つのカプセル、又は1つのバイアルであり、各単位剤形中の組成物は、0.05g~5g、好ましくは0.1g~1gの質量である。
【0027】
別の好ましい実施形態では、組成物は、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスを更に含む。
【0028】
別の好ましい実施形態では、プロバイオティクスは、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0029】
別の好ましい実施形態では、プレバイオティクスは、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0030】
別の好ましい実施形態では、組成物は、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質を更に含む。
【0031】
別の好ましい実施形態では、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0032】
別の好ましい実施形態では、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質は、組成物の総重量に基づいて、0.1%~2%、好ましくは0.5%~1.5%、より好ましくは0.5%~1.0%の重量比である。
【0033】
別の好ましい実施形態では、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質は、組成物1gに基づいて、1mg~20mg、好ましくは5mg~15mg、より好ましくは5mg~10mgの量である。
【0034】
第3の態様においては、実施形態における本開示は、以下からなる群から選択される1つ以上のための組成物又は製剤の製造における、本開示の第1の態様のMegamonas funiformis又は本開示の第2の態様の組成物の使用を提供する:
(a)炎症関連疾患の予防及び/又は治療、及び/又は
(b)心血管疾患の予防及び/又は治療。
【0035】
別の好ましい実施形態では、炎症関連疾患は、炎症性腸疾患、関節リウマチ、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0036】
別の好ましい実施形態では、炎症関連疾患は、潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎(general enteritis)、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0037】
別の好ましい実施形態では、心血管疾患は、高血圧、高脂血症、冠状動脈性心疾患、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0038】
別の好ましい実施形態では、製剤は、微生物生態学的(microecological)製剤を含む。
【0039】
第4の態様においては、実施形態における本開示は、以下からなる群から選択される1つ以上のための組成物又は製剤の製造における、本開示の第1の態様のMegamonas funiformis又は本開示の第2の態様の組成物の使用を提供する:
(i)哺乳動物の血中脂質レベルを低下させること;
(ii)哺乳動物の体重損失を制御すること;
(iii)哺乳動物の疾患活動性指数(DAI)を減少させること;及び
(iv)哺乳動物の腸病変を軽減すること。
【0040】
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の血中脂質レベルを低下させることは、コレステロールレベルを低下させることを含む。
【0041】
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の体重損失を制御することは、実験群の哺乳動物の体重が、モデル群の哺乳動物と比較して10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下減少することを意味する。
【0042】
別の好ましい実施形態では、哺乳動物の腸病変を軽減することは、結腸(colon)の長さの短縮を遅らせること、及び/又は結腸の炎症反応を緩和することを含む。
【0043】
別の好ましい実施形態では、哺乳動物は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む。
【0044】
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
【0045】
第5の態様においては、実施形態における本開示は、本開示の第2の態様の組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第1の態様のMegamonas funiformis及び/又はその代謝産物を、食品として許容される又は薬学的に許容される担体と混合して、本開示の第2の態様の組成物を生成する工程を含む。
【0046】
別の好ましい実施形態では、方法は、成長因子と混合する工程を更に含む。
【0047】
別の好ましい実施形態では、方法は、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質と混合する工程を更に含む。
【0048】
別の好ましい実施形態では、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0049】
別の好ましい実施形態では、方法は、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスと混合する工程を更に含む。
【0050】
別の好ましい実施形態では、プロバイオティクスは、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0051】
別の好ましい実施形態では、プレバイオティクスは、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0052】
別の好ましい実施形態では、成長因子は、乳成長因子である。
【0053】
別の好ましい実施形態では、成長因子は、ビタミン、プリン、ピリミジン、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0054】
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口製剤である。
【0055】
第6の態様においては、実施形態における本開示は、以下の工程を含む製造方法を提供する:
(a)本開示の第1の態様のMegamonas funiformisを培養に適した条件下で培養し、それにより培養産物を得る工程;
(b)任意に、前記培養産物からMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を単離する工程;及び/又は
(c)任意に、(a)で得られた前記培養産物又は(b)で得られたMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を、食品として許容される又は薬学的に許容される担体と混合し、それにより本開示の組成物を得る工程。
【0056】
別の好ましい実施形態では、工程(c)の前に、方法は、(a)で得られた培養産物又は(b)で得られたMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を、成長因子と混合する工程を更に含む。
【0057】
別の好ましい実施形態では、成長因子は、乳成長因子である。
【0058】
別の好ましい実施形態では、成長因子は、ビタミン、プリン、ピリミジン、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0059】
別の好ましい実施形態では、工程(c)の前に、方法は、(a)で得られた培養産物又は(b)で得られたMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を、保護剤などのMegamonas funiformisの生存率を維持することができる物質と混合する工程を更に含む。
【0060】
別の好ましい実施形態では、工程(c)の前に、方法は、(a)で得られた培養産物又は(b)で得られたMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスと混合する工程を更に含む。
【0061】
第7の態様においては、実施形態における本開示は、哺乳動物の腸病変を軽減するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第2の態様の組成物を哺乳動物に投与することを含む。
【0062】
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0063】
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
【0064】
別の好ましい実施形態では、哺乳動物は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む。
【0065】
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
【0066】
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
【0067】
第8の態様において、実施形態における本開示は、哺乳動物の血中脂質レベルを低下させる、体重損失を制御する、及び/又は疾患活動性指数(DAI)を減少させるための方法を提供し、前記方法は、本開示の第2の態様の組成物を前記哺乳動物に投与することを含む。
【0068】
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0069】
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
【0070】
別の好ましい実施形態では、哺乳動物は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む。
【0071】
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
【0072】
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
【0073】
第9の態様においては、実施形態における本開示は、炎症関連疾患を予防及び/又は治療するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第2の態様の組成物を被験体に投与し、それによって炎症関連疾患を予防及び/又は治療する工程を含む。
【0074】
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0075】
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
【0076】
別の好ましい実施形態では、被験体は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む。
【0077】
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
【0078】
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
【0079】
第10の態様においては、実施形態における本開示は、心血管疾患を予防及び/又は治療するための方法を提供し、前記方法は、本開示の第2の態様の組成物を被験体に投与し、それによって心血管疾患を予防及び/又は治療する工程を含む。
【0080】
別の好ましい実施形態では、組成物は、経口投与される。
【0081】
別の好ましい実施形態では、投与量は、1日当たり0.01~5g/50kg体重、好ましくは1日当たり0.1~2g/50kg体重である。
【0082】
別の好ましい実施形態では、被験体は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む。
【0083】
別の好ましい実施形態では、非ヒト哺乳動物は、マウス及びラットなどのげっ歯類、及びサルなどの霊長類を含む。
【0084】
別の好ましい実施形態では、方法は、非治療的又は非診断的である。
【0085】
前記した本開示の技術的特徴及び以下に具体的に記載される技術的特徴(実施例など)を互いに組み合わせて、本開示の範囲(紙面の都合上再掲せず)内で新しい又は好ましい技術的解決策を形成できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1図1は、48時間培養後のMegamonas funiformis AF24-28ACのコロニーを示す写真である。
図2図2は、顕微鏡下でのMegamonas funiformis AF24-28ACのグラム染色を示す写真(1000倍)である。
図3図3は、コレステロール検出のための標準曲線を示す。
図4図4は、対照群、モデル群、VSL3処理群、及びAF24-28AC処理群のマウスの体重変化を示す。
図5図5は、対照群、モデル群、VSL3処理群、及びAF24-28AC処理群のマウスのDAI指数の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0087】
驚くべきことに、本発明者らは、広範且つ徹底的な研究及び実験の後に、Megamonas funiformis株が、炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)及び関節リウマチ)及び/又は心血管疾患(例えば、高血圧、高脂血症、冠状動脈性心疾患など)を予防及び/又は治療する効果を示すことを見出した。本開示のMegamonas funiformisを含む活性組成物は、実験被験体に与えることにより、体重損失を制御し、血中脂質を低下させ、疾患活動性指数(DAI)を減少させ、腸病変を軽減することができ、したがって炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)及び関節リウマチ)、心血管疾患などを効果的に軽減できることが見出された。これに基づいて、本発明者らは本開示を完成した。
【0088】
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語は、様々な成分が、本開示の混合物又は組成物中に一緒に適用できることを意味する。したがって、「本質的に~からなる(essentially consisting of・・・」及び「~からなる(consisting of・・・)」という用語は、「含む(comprising)」という用語の範囲に包含される。
【0089】
本明細書で使用される「成長因子」という用語は、特にビタミン、プリン、ピリミジン、又はそれらの組合せの栄養素を含む乳成長因子を含む。
ここで、ビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆体、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、葉酸、又はそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
プリンとしては、プリンヌクレオシドの5’-リン酸エステルを含むプリンヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。プリンヌクレオシドの5’-リン酸エステルは、イノシン酸(イノシン-5’-リン酸エステル;IMP)、グアニル酸(グアノシン-5’-リン酸エステル;GMP)、キサンチル酸(キサンチン-5’-リン酸エステル;XMP)、アデニル酸(アデノシン-5’-リン酸エステル;AMP)、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
ピリミジンは、ピリミジン構造を含む全ての物質を含む。
【0090】
本明細書で使用される「哺乳動物の体重損失を制御すること」、「哺乳動物の体重損失を遅らせること」、「哺乳動物の体重減少を制御すること」、及び「哺乳動物の体重減少を遅らせること」という用語は、相互変換可能に用いることができ、実験動物の体重が、炎症の重症度の増加により、潰瘍性大腸炎モデルの構築中に減少することを意味し、体重損失率は、元の体重に対する減少した体重の割合である。体重がより減少するほど、疾患はより深刻になる。哺乳動物における潰瘍性大腸炎の治療中、本開示のMegamonas funiformisは、実験動物の体重損失を制御し、疾患の症状を緩和することができる。
【0091】
疾患活動性指数(DAI)
本明細書で使用される「疾患活動性指数」という用語は、患者又は罹患動物における3つの指標(即ち、体重損失率、糞便粘度、及び糞便出血)の包括的スコアを意味する。
【0092】
Megamonas funiformisとその適用
本明細書で使用される「Megamonas funiformis株」、「Megamonas funiformis」、及び「本開示のMegamonas funiformis」という用語は、相互変換可能に用いることができる。好ましい実施形態では、株は、ヒトの糞便、好ましくは健康な女性から単離された、寄託番号GDMCC 60093のMegamonas funiformis AF24-28ACである。Megamonas funiformisの生理学的特徴は、以下の通りである。Megamonas funiformis AF24-28ACは、37℃の嫌気性条件でPYG培地を使用して分離される。PYG培地で2日間培養した後のMegamonas funiformis AF24-28ACのコロニーは、淡黄色で平らで、不規則な波状の縁があり、含水量が少なく、直径が約2~3mmである。顕微鏡下の菌糸体は、桿状で、グラム陰性であり、胞子と鞭毛を生成しない。Megamonas funiformis AF24-28ACは、カタラーゼとオキシダーゼに対して陰性であると検出される。Megamonas funiformis AF24-28ACは、発酵後、グルコース、マンニトール、ラクトース、スクロース、マルトース、サリチルアルコール、キシロース、アラビノース、グリセロール、セロビオース、マンニトール、メレジトース、ラフィノース、ソルビトール、ラムノース、及びトレハロースなどのいくつかの炭水化物を生成でき、主に、酢酸、プロピオン酸、イソ吉草酸、安息香酸、及び乳酸を生成でき、また、少量の吉草酸、3-メチル酪酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、及びクエン酸も生成できる。更に、本開示のMegamonas funiformis AF24-28ACは、ペニシリン、オキサシリン、及びセフォペラゾンに対して耐性である一方、表2の他の17種の抗生物質に対しては感受性である。
【0093】
本開示は、炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)、関節リウマチ)及び心血管疾患(高血圧、高脂血症、冠状動脈性心臓病など)の予防及び/又は治療におけるMegamonas funiformisの使用を提供する。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)は、被験体におけるモデルを誘発するために使用される。Megamonas funiformis AF24-28AC株は、(i)被験体の体重損失を制御すること、(ii)疾患活動性指数(DAI)を減少させること、(iii)腸病変を軽減すること、及び(iv)血中脂質レベルを低下させることからなる群から選択される1つ以上を行うことができる。本開示の好ましい実施形態によれば、C57bl/6マウスを実験マウスとして使用し、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を使用してモデルを誘発し、これにより潰瘍性大腸炎(UC)マウスモデルを得て、次いでこれをMegamonas funiformis AF24-28ACで処理する。Megamonas funiformis AF24-28AC処理UCマウスモデルは、未処理対照群(モデル群)と比較して、体重損失の遅延、血中脂質の低下、炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)、関節リウマチ)に関連する指標の低減、例えば、腸病変の軽減(結腸の長さの短縮の遅延、結腸の炎症反応の減少など)、疾患活動性指数(DAI)などの減少を示す。したがって、この株は、炎症関連疾患(炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)、関節リウマチなど)、心血管疾患(高血圧、高脂血症、冠状動脈性心疾患など)の予防及び/又は治療に有用であり得る。
【0094】
組成物とその用途
本開示は、組成物も提供する。好ましくは、組成物は、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、又は飼料組成物を含む。より好ましくは、組成物は、医薬組成物である。組成物は、Megamonas funiformisの有効量を含む。好ましい実施形態では、組成物は、乳成長因子などの成長因子を更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、Megamonas funiformisの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される。Megamonas funiformisの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)は、組成物の総重量に基づいて、0.1%~2%、好ましくは0.5%~1.5%、より好ましくは0.5%~1.0%の重量比である。
【0095】
好ましい実施形態では、組成物は、液体製剤、固体製剤、又は半固体製剤である。
【0096】
好ましい実施形態では、液体製剤は、溶液製品又は懸濁物製品からなる群から選択される。
【0097】
好ましい実施形態では、組成物の剤形は、粉末、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル、顆粒、懸濁液、溶液、シロップ、ドロップ、舌下錠剤、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0098】
本開示の組成物は、経口液剤、錠剤、注射剤、口腔内崩壊錠、凍結乾燥粉末、又はカプセルのいずれかの形態で、好ましくは腸溶剤(カプセルなど)の剤形で投与することができる。本開示において、本開示において使用される賦形剤、薬学的に許容されるビヒクル、及び担体は、主に、細菌又はその代謝産物に適した性質に応じて選択され、細菌又はその代謝産物が、特別な兆候を示さずに、スムーズに胃を通過し、投与された被験体に吸収されるのに有益である必要な具体的投与手段に応じて選択される。これらの物質は、投与経路に応じて選択することができる。
【0099】
本開示の組成物は、例えば、組成物自体の安定化、又は容易に分散され得ること、又は適切な味の付与のために、医薬製剤に一般に使用される追加の賦形剤を更に含むことができる。
【0100】
賦形剤のうち、適切な例としては、イヌリン、フルクトース、デンプン、キシロオリゴ糖、二酸化ケイ素、緩衝剤、及び香味剤が挙げられる。
【0101】
本開示の医薬製剤は、補助活性成分を更に含むことができる。
【0102】
ラクトース、マルトデキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンノース、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などはいずれも、本開示の医薬組成物の担体、賦形剤、希釈剤などとして使用することができる。
【0103】
更に、本開示の医薬組成物は、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁安定剤、防腐剤、甘味剤、風味剤などを更に含むことができる。本開示の医薬組成物は、医薬組成物の活性成分(即ち、微生物)が胃酸によって破壊されることなく胃をスムーズに通過できるように、様々な周知の方法により腸溶性コーティング製剤として製造することができる。
【0104】
更に、本開示の微生物は、従来の方法により調製されたカプセルの形態で使用され得る。例えば、本開示の標準的賦形剤及び凍結乾燥微生物を混合して丸剤を得、これをその後ゼラチンカプセルに分配する。更に、本開示の微生物及び薬学的に許容される賦形剤(例えば、液体ガム、セルロース、ケイ酸塩、鉱油など)は、懸濁物又は分散物として混合及び調製することができ、そのような懸濁物又は分散物は、ソフトゼラチンカプセルに充填することができる。
【0105】
本開示の医薬組成物は、経口使用のための腸溶性コーティング錠剤として調製することができる。本開示における「腸溶性コーティング」という用語は、従来の薬物に許容される全てのコーティングを含む。これらのコーティングは胃酸によって分解されないが、小腸で完全に分解され、その後、本開示の微生物を迅速に放出することができる。本開示の腸溶性コーティングは、胃液合成用のHCl溶液(例えば、pH=1など)中で36℃~38℃で2時間超維持することができ、好ましくは腸液合成用の緩衝液(例えば、pH=7.0など)中に1時間以内維持することができる。
【0106】
本開示の腸溶性コーティングは、1錠剤当たり約16~30mg、好ましくは1錠剤当たり16~25mg、より好ましくは1錠剤当たり16~20mgの量でコーティングされる。本開示における腸溶性コーティングの厚みは、5~100μm、理想的には20~80μmである。腸溶性コーティングの成分は、公知の従来のポリマーから選択される。
【0107】
本開示の好ましい腸溶性コーティングは、セルロースアセタートフタラートポリマー又はセルロースアセタートトリメリタートポリマーとメタクリル酸とのコポリマー、例えばメタクリル酸とメチルセルロースヒドロキシプロピルフタラート又はそのエステル誘導体とのコポリマーによって調製され、メタクリル酸の量は、40%超である。
【0108】
本開示の腸溶性コーティングで使用されるセルロースアセタートフタラートは、約45~90cpの粘度、17~26%のアセチル含量、及び30~40%のフタル酸含量を有する。腸溶性コーティングに使用されるセルロースアセタートトリメリタートは、約5~21cpの粘度、及び17~26%のアセチル含量を有する。Eastman Kodak Companyによって製造されたセルロースアセタートトリメリタートを、本開示における腸溶性コーティング材料として使用することができる。
【0109】
本開示の腸溶性コーティングに使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートは、一般に、分子量が20,000~130,000ダルトン(理想的には、80,000~100,000ダルトン)、ヒドロキシプロピル含量が5~10%、メトキシル含量が18~24%であり、フタロイル含量が21~35%である。
【0110】
本開示の腸溶性コーティングに使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートは、日本の信越化学工業株式会社によって製造されたHP50である。HP50は、6~10%のヒドロキシプロピル、20~24%のメトキシ、及び21~27%のプロピルを含み、分子量は84,000ダルトンである。別の腸溶性コーティング材料は、HP55であり、5~9%のヒドロキシプロピル、18~22%のメトキシ、及び27~35%のフタル酸を含み、分子量は78,000ダルトンである。
【0111】
本開示の腸溶性コーティングは、従来の方法によりコアに腸溶コーティング溶液をスプレーすることにより調製される。腸溶性コーティングのための溶媒は、アルコール(例えば、エタノールなど)、ケトン(例えば、アセトンなど)、ハロゲン化炭化水素化合物(例えば、ジクロロメタンなど)、又はそれらの組合せである。ジ-n-ブチルフタラート及びグリセリルトリアセタートなどの軟化剤は、軟化剤約0.05部(又は約0.3部)、コーティング1部の比率で腸溶性コーティング溶液に添加される。スプレー法は連続的に実施することが好ましく、スプレー材料の量は、コーティングの条件にしたがって制御することができる。スプレー圧は柔軟に調整でき、通常、平均圧力1~1.5Paで理想的な結果となる。
【0112】
本明細書における「薬学的に有効な量」とは、ヒト及び/又は動物にとって機能的又は活性であり、ヒト及び/又は動物にとって許容可能な量を意味する。例えば、本開示では、1×10~1×1015cfu/ml又はcfu/g(特に、1×10~1×1010cfu/ml又はcfu/g、特に、1×10~1×1010cfu/ml又はcfu/g)のMegamonas funiformis及び/又はその代謝産物を含む製剤を調製することができる。
【0113】
Megamonas funiformisが医薬組成物の製造に使用される場合、使用されるMegamonas funiformis又はその代謝産物の有効投与量は、投与経路及び治療される疾患の重症度に応じて異なり得る。内部投与に適した剤形は、約1×10~1×1015cfu/ml又はcfu/g(特に、1×10~1×1010cfu/ml又はcfu/g、より詳細には1×10~1×1010cfu/ml又はcfu/g)の活性なMegamonas funiformis又は発酵により生成されるその活性成分を、固体又は液体の薬学的に許容される担体とよく(closely)混合されて含む。この投与レジメンは、最良の治療応答を得るために調整できる。例えば、数回に分けた用量を毎日投与する、又は治療状態の緊急の必要性に応じて用量を相対的に減らすことができる。
【0114】
Megamonas funiformis又はその代謝産物は、経口経路などによって投与することができる。Megamonas funiformis又はその代謝産物の性質と必要な具体的投与手段に適している限り、固体担体は、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、微結晶セルロース、スクロース、及び白土を含み、液体担体は、培養培地、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、及び食用油(例えば、トウモロコシ油、落花生油、ゴマ油など)を含む。医薬組成物の製造において一般に使用されるアジュバントも有利に含めることができ、例えば、香味剤、顔料、防腐剤、並びにビタミンE、ビタミンC、BHT、及びBHAなどの抗酸化剤を含めることができる。
【0115】
製造及び投与の容易さの観点から、好ましい医薬組成物は、固体組成物、特に錠剤及び/又は固体充填又は液体充填カプセルである。好ましくは、経口投与である。
【0116】
本開示の組成物は、1日当たり1回又は数回、個体に投与される。投与の用量単位は、物理的に分離され、ヒト又は他の哺乳動物の全ての個体への適用に適した用量を意味する。各単位は、薬学的に許容される担体及び本開示の微生物の治療有効量を含む。投与量は、患者の体重及び炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)及び心血管疾患など)の重症度、含まれる補助活性成分、及び使用される微生物によって異なる。更に、可能であれば、組成物は、必要に応じて別々に連続的に投与することができる。したがって、投与量は、本開示の範囲を限定しない。また、本開示における「組成物」とは、薬剤だけでなく、機能性食品及び健康補助食品も意味する。好ましい実施形態では、組成物は、飲料、食品、医薬品、動物飼料などを含む。
【0117】
好ましい実施形態では、本開示は、更に、Megamonas funiformis及び/又はその代謝産物の有効量と、バランスとしての、食品として許容される担体とを含む食品組成物を提供する。食品組成物の剤形は、固体製品、乳製品、溶液製品、粉末製品、及び懸濁物製品から選択される。好ましい実施形態では、食品組成物は、乳成長因子などの成長因子を更に含むことができる。好ましい実施形態では、組成物は、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、Megamonas funiformisの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せを含む。
【0118】
好ましい実施形態では、組成物は、以下の組成を有する:
1×10~1×1015cfu/mLのMegamonas funiformis及び/又はその代謝産物;及び
食品として又は薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤。
【0119】
別の好ましい実施形態では、組成物は、以下の組成を有する:
1×10~1×1010cfu/mLのMegamonas funiformis及び/又はその代謝産物;及び
食品として又は薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤。
【0120】
微生物生態学的製剤
微生物生態学的製剤は、プロバイオティクス及びその代謝産物を含む生物学的製剤、又はプロバイオティクスを供給することができる栄養サプリメントであり、腸内の微生物の生態バランスを調整及び維持することができ、ヒトの健康を改善する目的を達成する。微生物生態学的製剤は、主に、プロバイオティクス、プレバイオティクス、及びシンバイオティクスを含む。
【0121】
本開示では、微生物生態学的製剤は、(a)Megamonas funiformis及び/又はその代謝産物の安全且つ有効な量;及び(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体を含む。好ましい実施形態では、製剤は、好ましくはビタミン、プリン、及び/又はピリミジンを含む乳成長因子などの成長因子を含む。好ましい実施形態では、製剤は、乳酸菌、BifidobacteriaLactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、Megamonas funiformisの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0122】
Megamonas funiformisを製造するための方法
一般に、Megamonas funiformisは、従来の方法で製造することができる。
本開示では、大規模スケールでMegamonas funiformisを製造することができる方法が提供される。具体的には、この方法は、以下の工程を含む:
(a)本開示のMegamonas funiformisを培養に適した条件下で培養し、それにより培養産物を得る工程;
(b)任意に、前記培養産物からMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を単離する工程;及び/又は
(c)任意に、(a)で得られた前記培養産物又は(b)で得られたMegamonas funiformis細菌細胞及び/又はその代謝産物を、食品として許容される又は薬学的に許容される担体と混合し、それにより組成物を得る工程。
【0123】
本開示において、培養に適した条件は、本開示のMegamonas funiformisの培養に適した任意の条件を意味する。好ましい実施形態では、培養に適した条件は、37℃で24~72時間、PYG培地で嫌気的に培養することを意味する。
【0124】
哺乳動物の腸病変を軽減するための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
【0125】
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギである。
【0126】
哺乳動物の体重損失を制御する及び/又は疾患活動性指数(DAI)を減少させるための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
【0127】
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギである。
【0128】
哺乳動物の血中脂質を低下させるための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
【0129】
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギである。
【0130】
炎症関連疾患を予防及び/又は治療するための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
【0131】
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギである。
【0132】
心血管疾患を予防及び/又は治療するための方法
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
【0133】
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、動物飼料、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、動物、好ましくはマウス又はウサギである。
【0134】
微生物の寄託
本開示のMegamonas funiformis AF24-28AC株は、2016年10月13日に、寄託番号GDMCC 60093、寄託名Megamonas funiformis AF24-28ACで、Guangdong Microbial Culture Collection Center(GDMCC, fifth floor of No. 59 Building, 100 Xianlie Middle Road, Guangzhou)に寄託された。
【0135】
本開示の利点としては、主に以下が挙げられる。
(a)本開示のMegamonas funiformisは、炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)、関節リウマチなど)に関連する指標を有意に低減することができ、例えば、体重損失を制御する、腸の病変を軽減する(結腸の長さの短縮の遅延、結腸での炎症反応の低減など)、疾患活動性指数(DAI)などを低減することが挙げられる。
(b)本開示のMegamonas funiformisは、コレステロールレベルなどの血中脂質レベルを有意に低下させることができる。
(c)本開示のMegamonas funiformis AF24-28ACは、UCマウスに対して以下の効力を示す:即ち、DSSにより誘発されるUCマウスの体重損失を効果的に制御すること、マウスの疾患活動性指数(DAI)の上昇を抑制すること、マウスの腸病変を軽減すること、及びコレステロールを分解すること。
【0136】
本開示を、特定の実施形態を参照しつつ、以下に更に記載する。これらの例は、本開示を説明するためだけのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。以下の実施例で具体的に示されていない実験方法の条件は、通常、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている従来の条件、若しくはJournal of Microbiology:An Experimental Handbook(Pearson Education Press、James Cappuccino及びNatalie Sherman編集)に記載されている従来の条件、又は製造業者により提案される条件にしたがう。
特段の断りがない限り、実施例で使用される材料及び剤は、いずれも市販品である。
【実施例
【0137】
実施例1:Megamonas funiformis AF24-28ACの単離及び同定
単離対象とするサンプルは、健康な女性の便から得たもので、勾配希釈でスプレッドプレート法による単離を行った。プレートを、嫌気性条件(嫌気性ガス成分:N:CO:H=90:5:5)で48時間、PYG培地(Huankai Microbial Technology Co.,Ltd.から購入)で培養した。単一コロニーを採取し、ストリーキングにより精製して、各単一コロニーの純粋な培養物を得た。
【0138】
単離された細菌のゲノムDNAを抽出し、以下の増幅条件にしたがって16S rDNAユニバーサルプライマー27f及び1492rを使用してPCR増幅を行った。
【0139】
プライマー27fは、5’-AGAGTTTGATCATGGCTCAG-3’(配列番号2)の配列を有する。
【0140】
プライマー1492rは、5’-TAGGGTTACCTTGTTACGACTT-3’(配列番号3)の配列を有する。
【0141】
増幅条件は、以下の通りとした。
【化1】
【0142】
得られた16S rDNA増幅産物を電気泳動検出、精製、及び3730配列決定に付して、長さ142bpの16S rDNA配列(配列番号1)を得た。AF24-28AC株の16S rDNA配列を、EzBioCloudデータベース(http://www.ezbiocloud.net/identify)上でのアライメントに付した。Megamonas funiformis株(Megamonas funiformis DSM 19343、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen,DSMZから購入)が、AF24-28ACと最も高い相同性(即ち、99.09%)を有することが分かる。したがって、AF24-28ACが、Megamonas funiformisに属することが実質的に特定できる。
【0143】
【化2】
【0144】
1.1 AF24-28ACの生理学的及び生化学的特性
PYG培地で48時間培養した後の単離AF24-28ACのコロニー特性は、淡黄色で平らで、不規則な波状の縁があり、水含量が低く、直径が約2~3mmである(図1)。顕微鏡下の菌糸体は、桿状で、グラム陰性であり、胞子と鞭毛を生成しない(図2)。AF24-28ACは、カタラーゼとオキシダーゼに対して陰性であると検出された。炭素源利用に関するAF24-28ACは、API 20A(メリュー、仏国)によって検出した。結果を表1に示し、「+」は陽性反応、「-」は陰性反応、「w」は弱い陽性反応を示す。
【0145】
【表1】
【0146】
1.2 AF24-28ACの抗生物質感受性
20種類の一般的な抗生物質に対するAF24-28ACの感受性を、薬剤感受性ペーパー法(drug sensitive paper method)で試験した。対数期まで培養したAF24-28AC細菌溶液100μlをスプレッドプレーティングした。抗生物質感受性紙(Hangzhou Microbial Reagent Co. LTD.から購入)をプレートの培地表面に貼り付け、37℃で48時間培養した後、阻止帯のサイズを測定した。結果を表2に示す。
【0147】
【表2】
【0148】
結果は、AF24-28ACが、ペニシリン、オキサシリン、及びセフォペラゾンに耐性があり、他の17種の抗生物質に感受性であることを示す。
【0149】
実施例2 Megamonas funiformis AF24-28ACの生物学的活性
この実施例では、主に、PYG培養で48時間培養した後のAF24-28ACの代謝産物の生成について、主に短鎖脂肪酸(SCFA)及び有機酸生成物の含有量などを調べた。SCFAは、主に、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及び吉草酸を含む。有機酸は、3-メチル酪酸、キナ酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、マレイン酸、コハク酸、トランスフマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、シキミ酸、クエン酸、イソクエン酸、及びL-アスコルビン酸を含む。SCFA及び有機酸の標準品はそれぞれ、Sigmaから購入した。検出手順は、次の通りである。
【0150】
2.1 サンプルの前処理
1mlのAF24-28AC細菌溶液を採取し、12000r/minで5分間遠心分離した後、上清を回収し、これを、短鎖脂肪酸(SCFA)及び有機酸の検出用とした。
【0151】
2.2 SCFAの決定
SCFAは、Agilent Meteorological Chromatograph(GC-7890B、Agilent)を使用して検出した。HP-INNOWax(Cross-Linked PEG)キャピラリーカラム(30m×0.25mm×0.25μm)を分析に使用した。検出器は、水素炎イオン検出器とした。GCのパラメータは、次のように設定した:カラム温度:180~200℃;ガス化チャンバー温度:240℃;検出温度:210℃;注入量:2μl;キャリアガスフローレート:N、50ml/min;水素フローレート:50ml/min;及びエアフロー:600~700ml/min。
【0152】
2.3 有機酸の決定
有機酸も、Agilent Meteorological Chromatograph(GC-7890B、Agilent)によって検出した。122-5532G DB-5msカラム(40m×0.25mm×0.25μm)を使用した。カラム温度は270~290℃、入口温度は250℃、ガスフローレートは0.86ml/minである。
【0153】
2.4 実験結果
【表3】
【0154】
表3の結果は、AF24-28ACが、酢酸、プロピオン酸、イソ吉草酸、安息香酸、及び乳酸を生成でき、少量の吉草酸、3-メチル酪酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、及びクエン酸も生成できることを示す。
【0155】
実施例3 Megamonas funiformis AF24-28ACのコレステロール低下作用
コレステロール含量を決定するための方法は、O-フタルアルデヒド比色法(OPA法)を使用して行った。細菌のコレステロール分解能は、一定濃度のコレステロールを含む培地中のコレステロール含量の、一定期間後の変化によって測定した。具体的な方法は、以下の通りとした。
【0156】
(1)標準曲線の作成
40μl、80μl、120μl、160μl、及び200μlの0.5mg/mlコレステロール標準溶液を正確に測定し、それぞれ清浄な試験管に入れた。無水エタノールを添加して、量を1mlにした。4mlのO-フタルアルデヒド(OPA)(氷酢酸1ml中のフタルアルデヒド0.5mg)を各試験管に加え、振とう、混合し、室温で10分間置いた後、濃硫酸2mlを添加し、反応のため10分間静置した。吸光度を550nmで測定した。標準曲線は、濃度を横座標として、吸光度を縦座標として作成した(図3)。線形回帰の式を計算後に得た。即ち、y=0.0085x + 0.0072で、相関係数Rは0.9992である。
【0157】
(2)コレステロール培地の調製と実験株の培養
一定量のコレステロールを秤量し、10mg/mlの濃度でエタノールに溶解させた後、ろ過により滅菌した。10mg/mlのオートクレーブ済み胆汁酸塩、質量で10%の濾過滅菌済みチオグリコール酸ナトリウム、及びコレステロールを、調製したPYG培地に添加し、十分に混合した。AF24-28AC株を、3%の植菌量で培地に植菌し、37℃にて72時間嫌気条件で培養した。
【0158】
(3)コレステロールの決定
コレステロールを含むPYG培地で培養した細菌溶液を10000r/minで遠心分離し、上清をコレステロール検出のために回収した。コレステロールを含む未植菌PYG培地をブランク対照として使用した。500μlの試験サンプルを清浄な試験管に入れ、3mlの95%エタノールと2mlの50%KOHを加え、振とうし、混合した後、60℃の水浴中で10分間、鹸化反応に付し、急冷した。5mlのn-ヘキサンを抽出のために添加した。2.5mlの有機相を別の清浄な試験管に回収し、60℃の水浴中にて窒素ガスで乾燥させた。発色のために、0.5g/lのフタルアルデヒドの酢酸溶液4mlを10分間添加した。2mlの濃HSOを10分間添加し、最後に550nmでの吸光度を測定した。
【0159】
(4)コレステロール分解率の計算
コレステロールの分解は、以下の式にしたがって計算した。
L=(A-B)/A×100%
L:コレステロール分解率;
A:植菌しない場合の、コレステロール含有培地中のコレステロール含量;
B:細菌培養後の、コレステロール含有培地のコレステロール含量。
【0160】
(5)コレステロール分解結果
計算後、AF24-28ACのコレステロール分解率は、68%である。AF24-28ACは、コレステロール分解能力をある程度有することが分かる。
【0161】
実施例4 UCマウスに対するMegamonas funiformis AF24-28ACの処理
この実施例で選択されたマウスモデルは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS、分子量36000~50000、米国のMPBIOから購入)によって誘発された潰瘍性大腸炎マウスモデルとした。これは、0.15%のDSSをマウスに7日間、継続的に給餌することにより構築した。使用したC57bl/6マウスは、Hubei Medical Laboratory Animal Centerから購入した。それらは、8ヶ月齢、体重20g±2gで、特定病原体フリー(SPF)レベルの動物施設に収容された。
【0162】
合計48頭の実験マウスをランダムに4つの群(即ち、1群12頭のマウス)に分けた:
正常群(対照群);各マウスに通常の給餌をした。
モデル群;DSSモデリング中に、各マウスに0.2mlのリン酸緩衝液(PBS)を胃内投与した。
AF24-28AC処理群;DSSモデリング中に、各マウスに0.2mlのAF24-28AC細菌溶液を胃内投与した。
VSL3処理群;DSSモデリング中に、各マウスに0.2mlのプロバイオティクスVSL3(米国のAlfasigmaから購入、臨床におけるUCの治療的プロバイオティクス)を胃内投与した。
【0163】
AF24-28AC処理プロセスは、AF24-28AC細菌溶液の24時間の培養、遠心分離による細菌細胞の回収、リン酸緩衝液(PBS)による懸濁、細菌濃度の10cfu/mlへの調整、及び1日当たり200μlのAF24-28ACの、各マウスへの胃内投与を含んだ。VSL3処理プロセスは、また、リン酸緩衝液(PBS)による懸濁、プロバイオティクス濃度の10cfu/mlへの調整、及び1日当たり200μlのVSL3の、各マウスへの胃内投与を含んだ。
【0164】
AF24-28AC及びVSL3は、それぞれDSSモデリング前の最初の3日間に胃内投与された。マウスの飲料水にDSSを添加し、マウスにDSSを含む飲料水を7日間、自由摂取させることでUCモデルを構築した。マウスの体重、食餌、及び水の消費量を毎日記録し、マウスの糞便特性及び便潜血を観察した。1日目、3日目、5日目、及び7日目のマウスの疾患活動性指数(DAI)を、表4のDAIスコアリング基準にしたがって計算した。実験の終了後にマウスを屠殺し、全マウスの血液サンプリングをした。屠殺は、頸部脱臼により行った。結腸組織の回収、撮像、体重測定、及び結腸の長さの測定を行った。結腸組織は、-80℃の冷蔵庫又はパラホルムアルデヒド中で保存した。
【0165】
【表4】
【0166】
表中の糞便特性は、具体的には以下のようである。即ち、正常な糞便とは、糞便が有形であることを意味し、軟便とは、糞便が粘性で半有形であるが肛門に付着しないことを意味し、水様下痢は、糞便が水っぽく、肛門に付着することがあることを意味する。表中の便潜血は、具体的には以下のようである。正常な糞便とは、潜血が性であることを意味し、目に見える出血とは、糞便が赤色又は茶色の血液を有することを意味し、血液の存在とは、肉眼では見えないが、テトラメチルベンジジンで検出できることを意味する。DAI指数は、体重損失、糞便特性、及び便潜血の積分の合計を意味する。
【0167】
以下において、AF24-28ACのDSS誘発UCマウスモデルに対する治療効果を、それぞれ体重損失、DAI、及び結腸の長さの比較により測定した。
【0168】
4.1 体重変化
処理前後のマウスの体重変化を、以下の表5及び図4に示す。
【0169】
【表5】
【0170】
表5の結果は、対照群のマウスの体重がゆっくりと増加しているのに対し、3つのDSS誘発群のマウスの体重が減少し続けていることを示す。3日目に、モデル群のマウスの体重は、対照群と比較して有意に減少し始めた(P<0.05)。7日目に、モデル群と対照群の体重差は、より有意であった(**P<0.01)。AF24-28ACとVSL3の介入により、UCマウスの体重損失を遅らせることができる。7日目に、AF24-28AC及びVSL3の各群のマウスの体重損失は、モデル群と比較して有意に制御された(P<0.05)。結果は、AF24-28ACとVSL3が、UC疾患により引き起こされる体重損失を制御できることを示す。7日目に、AF24-28AC群のマウスの体重は、VSL3群よりも僅かに重く、これは、AF24-28ACがUCマウスの体重損失の制御に関してVSL3と同じ効果を達成できることを示す。
【0171】
4.2 DAI指数の変化
DSS誘発UCマウスのDAI指数は、体重損失、糞便特性、及び便潜血の変化により変化した。処理前後のマウスのDAI指数の変化を、表6及び図5に示す。
【0172】
【表6】
【0173】
表6及び図5のデータは、対照群のマウスのDAIは基本的に変化しない一方で、モデル群、AF24-28AC及びVSL3の各群のマウスのDAIは、DSSの誘発と共に徐々に増加することを示す。3日目に、モデル群のマウスのDAIは、対照群と比較して有意に増加し始めた(P<0.05)。7日目に、モデル群のマウスのDAIは、対照群と比較して最高レベルに達した(**P<0.01)。本開示の細菌の介入は、DAIの増加を制御することができ、AF24-28AC群のマウスのDAIは、対照群と比較して、5日目及び7日目に有意に制御され(P<0.05)、AF24-28AC群のマウスのDAIはVSL3群よりも低く、VSL3群は、DAIの制御に対して有意な効果を示さなかった。したがって、AF24-28ACは、UCマウスのDAI増加の制御に関してVSL3よりも優れている。
【0174】
4.3 結腸の長さの変化
潰瘍と炎症が結腸組織の短縮を引き起こすことから、UCモデルマウスの結腸組織は変化することがある。処理後、解剖により測定したマウスの結腸の長さを、表7に示す。
【0175】
【表7】
【0176】
表7の結果は、モデル群のマウスの結腸組織が、DSS誘発後7日目に有意に短縮されることを示す。これは、対照群と比較しても非常に有意である(**P<0.01)。本開示のAF24-28AC株及びVSL3の介入は、マウスの結腸短縮を有意に制御することができ、これは、モデル群と比較して非常に有意である(P<0.01)。表7のデータによると、AF24-28AC群のマウスの結腸の長さは、VSL3群のマウスの結腸の長さよりも長いことが分かる。したがって、AF24-28ACは、VSL3よりもUCマウスの結腸短縮を制御する能力が僅かに高い。本開示のAF24-28AC株は、マウスの結腸病変を有意に軽減することができ、これは、VSL3と比較して同等又は更に優れた効力を有することが分かる。
【0177】
実施例5 Megamonas funiformis AF24-28ACを含む食品組成物
原材料及びその割合を表8に示した。
【0178】
【表8】
【0179】
前記組成の割合でミルクと糖を混合し、完全な混合物まで攪拌し、予熱し、20Mpaの圧力でホモジナイズし、次いで、約90℃で5~10分間滅菌し、40~43℃に冷却した後、保護剤(ビタミンC)を添加し、1~100×10cfu/gのMegamonas funiformis AF24-28ACの植菌を行うことにより、Megamonas funiformis AF24-28ACを含む食品組成物を得た。
【0180】
実施例6 Megamonas funiformis AF24-28ACを含む医薬組成物
原材料及びその割合を表9に示した。
【0181】
【表9】
【0182】
各割合のラクトース、イーストパウダー、及びペプトンを精製水と混合して均一にし、60~65℃に予熱し、20Mpaの圧力でホモジナイズし、その後、約90℃で20~30分間滅菌し、36~38℃に冷却し、その後、ビタミンCを添加し、1~50×10cfu/mLの活性なMegamonas funiformis AF24-28ACを植菌し、その後、36~38℃でpH6.0まで発酵させ、遠心分離し、含水量3%未満まで凍結乾燥し、Megamonas funiformis AF24-28ACを含む凍結乾燥製品を得た。Megamonas funiformis AF24-28ACを含む凍結乾燥製品0.5gを秤量し、等量のマルトデキストリンと保護剤(例えば、ビタミンC、システインなど)と混合し、カプセル状にカプセル化することにより、Megamonas funiformis AF24-28ACを含む医薬組成物を得た。
【0183】
実施例7 潰瘍性大腸炎(UC)などの炎症関連疾患を治療するための薬剤の製造
7.1 細菌溶液の調製
Megamonas funiformis AF24-28AC(1×10cfu/ml)を、PYG培地で37℃にて2~3日間、嫌気的に発酵させた。
【0184】
7.2 成長因子の調製
脱脂乳とカゼインを混合し、遠心分離し、限外濾過して、ビタミン、プリン、及び/又はピリミジンの栄養素を含む乳成長因子の粗抽出物を得た。
【0185】
7.3 医薬又は医薬剤形の製造
5体積(ml)の成長因子と1体積(ml)の保護剤(例えば、ビタミンC、システインなど)を、100体積(ml)の、Megamonas funiformis AF24-28ACの発酵細菌溶液に添加し、完全に攪拌して均一にし、その後、澱粉賦形剤(マルトデキストリンなど)を添加して、Megamonas funiformis AF24-28ACを含む医薬又は医薬剤形を得た。
【0186】
実施例8 高脂血症などの心血管疾患を治療するための医薬の製造
8.1 細菌溶液の調製
Megamonas funiformis AF24-28AC(1×10cfu/ml)を、PYG培地にて37℃で2~3日間、嫌気的に発酵させた。
【0187】
8.2 成長因子の調製
脱脂乳とカゼインを混合し、遠心分離し、限外濾過して、ビタミン、プリン、及び/又はピリミジンの栄養素を含む乳成長因子の粗抽出物を得た。
【0188】
8.3 医薬又は医薬剤形の製造
5容量(ml)の成長因子と1容量(ml)の保護剤(例えば、ビタミンC、システインなど)を100容量(ml)の、Megamonas funiformis AF24-28ACの発酵後細菌溶液に添加し、均一になるまで十分に攪拌し、その後、デンプン賦形剤(例えば、マルトデキストリンなど)を添加することによって、Megamonas funiformis AF24-28ACを含む医薬又は医薬剤形を得た。
【0189】
本明細書中に言及される刊行物はいずれも、各文献が、本出願において参照として引用されているかのように、参照により援用される。本開示の前記教示を読めば、当業者は、様々な変更又は修正を行うことができ、それらの等価物は、添付の請求項に定義される特許請求の範囲に含まれることも理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
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