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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】水の浸入を二重に遮断するスーツ
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/012 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
A41D13/012
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020547130
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 KR2019004157
(87)【国際公開番号】W WO2020209395
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2020-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520329313
【氏名又は名称】サーフロ シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】surflo Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】#1208, #1209, 77, Changnyong-daero 256beon-gil, Yeongtong-gu, Suwon-si, Gyeonggi-do, 16229, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨン ヒ
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0271196(US,A1)
【文献】特開2015-151662(JP,A)
【文献】特開2011-006827(JP,A)
【文献】特開2004-353113(JP,A)
【文献】特開2014-034751(JP,A)
【文献】特開2016-117967(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0277277(US,A1)
【文献】特開2008-019548(JP,A)
【文献】特開平08-058686(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0125284(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0067886(US,A1)
【文献】登録実用新案第3175096(JP,U)
【文献】登録実用新案第3100208(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/012
B63C11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の浸入を二重に遮断するスーツであって、
下体部と、
前記下体部の上部に一体に形成され、上部中央には上部に開放された開口部が設けられた上体部と、
前記上体部と分離形成され、首を覆う首部と、首回りを覆うように前記首部の下部から外側へ拡張されて前記上体部の開口部に挿入され、前記上体部の内側面に結合される拡張部からなり、前記上体部の開口部に水が浸入するのを遮断するネックカバーとを含み、
前記上体部は、一側部が前記上体部の後面部に固定され、他側部が前記上体部の中央部を交差して前記上体部の前面部と結合されるように形成され、頭が挿入される頭挿入孔が設けられ、前記ネックカバーが挿入される前記上体部の開口部を覆って首を密閉することによって前記上体部の開口部に水が浸入するのを二重に遮断するオーバーヘッドカバーを含むことを特徴とし、
前記オーバーヘッドカバーは、前記上体部の開口部を覆って首を密閉した状態で浸入する水を遮断するための防水ゴム及び水浸入防止膜を含み、
前記防水ゴムは前記オーバーヘッドカバーの両端に内蔵され、前記オーバーヘッドカバーが前記上体部の開口部を覆って首を密閉した状態で浸入する水を一次的に遮断し、
前記水浸入防止膜は、前記防水ゴムの内側に形成されて、前記防水ゴムにより遮断されずに浸入する水を二次的に遮断する、水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【請求項2】
前記水浸入防止膜は、前記オーバーヘッドカバーの内側面及び前記上体部の外側面のそれぞれに複数個が一定間隔で離間形成されることを特徴とする請求項1に記載の水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【請求項3】
前記オーバーヘッドカバーの内側面に形成された水浸入防止膜と前記上体部の外側面に形成された水浸入防止膜とが互いにジグザグ状に配置されて前記オーバーヘッドカバーの内側面に形成された水浸入防止膜の間を前記上体部の外側面に形成された水浸入防止膜が埋める方式で相互結合されることを特徴とする請求項2に記載の水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【請求項4】
前記防水ゴムは弾性ゴムからなり、前記オーバーヘッドカバーの両端を弾性加圧することによって、前記オーバーヘッドカバーの両端を前記上体部に密着させることを特徴とする請求項1に記載の水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【請求項5】
前記上体部は、前記上体部の前記前面部に固定される固定カバーを更に含み、
前記固定カバーは、ファスナを用いて前記オーバーヘッドカバーの前記他側部を前記上体部の前記前面部に結合して固定することを特徴とする請求項1に記載の水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【請求項6】
前記ネックカバーの前記拡張部の前後面部及び前記上体部の前後面部には、スナップボタンがそれぞれ形成され、前記ネックカバーが前記上体部と脱着可能に結合されることを特徴とする請求項1に記載の水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【請求項7】
前記ネックカバーの内皮は、前記ネックカバーが前記首回りの皮膚に緊密に密着するようにして前記上体部の開口部に水が前記ネックカバーと前記首回りとの間を介して浸入するのを遮断する防水ゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載の水の浸入を二重に遮断するスーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水上及び水中で用いられるウォータースポーツ用スーツに関し、より詳細には、水の浸入を二重に遮断するスーツに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウォータースポーツ用スーツはスクーバダイビング、サーフィン、スイミング、トライアスロン、ウィンドサーフィンなどのような多様なウォータースポーツを楽しむ際に身体を保護するために着用するスーツであって、ウェットスーツ(wet suit)とドライスーツ(dry suit)がある。ウェットスーツは、水中で徐々に海水がスーツ内に入ることによって体温で 温められた内部の海水が皮膚とスーツとの間で維持されるスーツをいい、ドライスーツは、水中での使用時に水(海水)が内部に浸入するのを根本的に遮断するスーツであって、内部に水が浸入しないように防水ファスナを用いて製作するため、比較的に高価である。
【0003】
しかし、従来のドライスーツは、防水ファスナがスーツの背中側に備えられており、一人でスーツを着たり脱いだりする場合、防水ファスナが壊れないように注意しながらスーツを着用又は脱衣しなければならないため、防水ファスナの開閉操作が不便であるほか、一人でスーツを着たり脱いだりすることが容易でないため不便であった。
【0004】
そして、ウェットスーツは内部に海水が多く浸入せず、徐々に少量だけ浸入して身体と密着するように着用することが好ましい。即ち、スーツが大き過ぎると、足首、手首、首回りから水がスーツ内に多量浸入してスーツと皮膚との間に空間が生じ、スーツが身体にフィットせず、多量の水が浸入することによって体温の低下と浮力の喪失により事故の原因になる恐れもある。
【0005】
これにより、ウェットスーツはスーツがぶかぶかしないように身体にフィットするように着用することが好ましいが、この場合、一人でスーツを着たり脱いだりすることが非常に不便であった。更に、水上及び水中での使用時に頭の動きにより着用者の首回りで着用者の首とスーツとの間が伸びてしまい、スーツが首に完全に密着せず、これにより伸びた首回りから海水が多量浸入して体温の低下を招く原因となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来のウェットスーツに比べて脱着時に時間と労力を顕著に低減させ、誰かの手助けがなくても一人で容易、かつ簡便に着用及び脱衣可能にすると共に、着用者がスーツを着用した後、水上及び水中で使用するときに水の浸入を二重に遮断するスーツを提供することによって、外部の水が内部に浸入するのを効果的に遮断することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限らず、言及していない他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための本発明の一側面による水の浸入を二重に遮断するスーツは下体部と、前記下体部の上部に一体に形成され、上部中央には上部に開放された開口部が設けられた上体部と、前記上体部と分離形成され、首を覆う首部と、首回りを覆うように前記首部の下部から外側へ拡張されて前記上体部の開口部に挿入され、前記上体部の内側面に結合される拡張部からなり、前記上体部の開口部に水が浸入するのを遮断するネックカバーとを含み、前記上体部は、一側部が前記上体部の後面部に固定され、他側部が前記上体部の中央部を交差して前記上体部の前面部と結合されるように形成され、頭が挿入される頭挿入孔が設けられ、前記ネックカバーが挿入される前記上体部の開口部を覆って首を密閉することによって前記上体部の開口部に水が浸入するのを二重に遮断するオーバーヘッドカバーを含むことを特徴とし、前記オーバーヘッドカバーは、前記上体部の開口部を覆って首を密閉した状態で浸入する水を遮断するための防水ゴム及び水浸入防止膜を含み、前記防水ゴムは前記オーバーヘッドカバーの両端に内蔵され、前記オーバーヘッドカバーが前記上体部の開口部を覆って首を密閉した状態で浸入する水を一次的に遮断し、前記水浸入防止膜は、前記防水ゴムの内側に形成されて、前記防水ゴムにより遮断されずに浸入する水を二次的に遮断することを特徴とする。
【0009】
一実施例によって、前記水浸入防止膜は、前記オーバーヘッドカバーの内側面及び前記上体部の外側面のそれぞれに複数個が一定間隔で離間形成され、前記オーバーヘッドカバーの内側面に形成された水浸入防止膜と前記上体部の外側面に形成された水浸入防止膜とが互いにジグザグ状に配置されて前記オーバーヘッドカバーの内側面に形成された水浸入防止膜の間を前記上体部の外側面に形成された水浸入防止膜が埋める方式で相互結合されることを特徴とする。
【0010】
また、一実施例によって、前記防水ゴムは弾性ゴムからなり、前記オーバーヘッドカバーの両端を弾性加圧することによって、前記オーバーヘッドカバーの両端を前記上体部に密着させる。
【0011】
更に、一実施例によって、前記上体部は、前記上体部の前記前面部に固定される固定カバーを更に含み、前記固定カバーは、ファスナを用いて前記オーバーヘッドカバーの前記他側部を前記上体部の前記前面部に結合して固定する。
【0012】
また、一実施例によって、前記ネックカバーの前記拡張部の前後面部及び前記上体部の前後面部には、スナップボタンがそれぞれ形成されて、前記ネックカバーが前記上体部と脱着可能に結合されることを特徴とする。
【0013】
更に、一実施例によって、前記ネックカバーの内皮は、前記ネックカバーが前記首回りの皮膚に緊密に密着するようにして前記上体部の開口部に水が前記ネックカバーと前記首回りとの間を介して浸入するのを遮断する防水ゴムを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上体部の開口部に結合されたネックカバーと、前記ネックカバーと前記上体部の開口部との間を二重に覆って密閉するオーバーヘッドカバーを含むスーツを提供することによって着用者がスーツを着用した後、水上及び水中で使用する際に外部の水が内部に浸入するのを効果的に遮断できるという効果を奏する。
【0016】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限らず、言及していない他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例による水の浸入を二重に遮断するスーツを説明するために示す図である。
図2図1に示されたオーバーヘッドカバーとネックカバーとが分離された状態を示す図である。
図3図1に示されたオーバーヘッドカバーの着用前の状態を説明するために示す図である。
図4図1に示されたオーバーヘッドカバーの着用後の状態を示す図である。
図5】本発明の実施例による水の浸入を二重に遮断するスーツを着用する過程を簡略に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現できるであろう。
【0019】
本明細書において本実施例は本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものである。そして、本発明は請求項の範疇により定義されるに過ぎない。従って、幾つかの実施例において、周知の構成要素、周知の動作及び周知の技術は、本発明が曖昧に解釈されるのを避けるために具体的に説明されない。
【0020】
また、明細書全体に亘って同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。そして、本明細書で用いられた(言及された)用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り、複数型も含む。また、「含む(又は、備える)」で言及した構成要素及び動作は、1つ以上の他の構成要素及び動作の存在又は追加を排除しない。
【0021】
他の定義がなければ、本明細書で用いられるあらゆる用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が共通して理解できる意味として用いられる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の技術的な特徴を具体的に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施例による水の浸入を二重に遮断するスーツを説明するために示す図であり、図2は、図1に示されたオーバーヘッドカバーとネックカバーとが分離された状態を示す図である。
【0024】
図1及び図2を参照すれば、本発明の実施例によるスーツ10はスクーバダイビング、サーフィン、スイミング、トライアスロン、ウィンドサーフィンなどのような多様なウォータースポーツ活動をするとき、身体を保護するために着用するものであって、水中スポーツ活動中に体温が下がるのを防止する保護効果を実現し、外部の物体により身体が損傷するのを防止する。
【0025】
スーツ10は、着用と脱衣が簡便なようにワンピース状に製造され、着用後に身体との密着力を最大化させて内部に水が浸入しないように弾性力に優れたネオプレンを用いる。そして、ネオプレンの外面にポリウレタンコーティングをしてスクーバダイビング又はスイミング中に水との表面摩擦力を減少させて水中活動時に水の抵抗力を下げることができる。
【0026】
このようなスーツ10は、ワンピース状に製作され、身体の着用部位によって下体部1と上体部2とに分けられる。図2に示すように、上体部2の上部中央には、上部に開放された開口部2aが設けられている。このとき、開口部2aは、着用者がスーツ10を着たり脱いだりする際に不便を感じないようにするために、略「Y」字状に上端部を切り欠いて形成する。これにより、スーツ10を着たり脱いだりするとき、上体部2の開口部2aを着用者の肩幅以上に開口させることが可能であり、着用と脱衣時間を顕著に短縮でき、身体的ハンディキャップにより着用が困難な人も着用が容易である。
【0027】
上体部2の開口部2aには、図1及び図2に示すように、着用者の首回りの保護を外部の物体から保護する一方、首回りの保温維持、そしてウォータースポーツ活動中に上体部2の開口部2aに水が浸入するのを遮断するためにネックカバー21が備えられる。
【0028】
このようなネックカバー21は、略ネックウォーマー状になり得る。例えば、首を覆う首部と、首回りを覆うように前記首部の下部から外側へ拡張されて上体部2の内側面に結合される拡張部からなり得る。このようなネックカバー21は、少なくとも一部が上体部2の開口部2aを介して上体部2の内側に挿入されて上体部2の内面に緊密に密着結合される。このとき、ネックカバー21の前後面部には、スナップボタン21aが備えられており、上体部2の前後面部に備えられたスナップボタン2bに脱着可能に結合されることができる。
【0029】
そして、着用者の首と直接接触するネックカバー21の内皮は、シャークスキン生地が用いられ、水と接触するときにネックカバー21がより緊密に首回りの皮膚に密着されることで、水がネックカバー21と首回りから内部に浸入するのを遮断できる。
【0030】
図2に示すように、上体部2の後面部(背中側)には、ネックカバー21と開口部2aとの間を二重に覆って密閉するために一側部が締結されたオーバーヘッドカバー22が備えられており、上体部2の前面部(腹側)には、ファスナ23によってオーバーヘッドカバー22と結合されてオーバーヘッドカバー22の他側部を上体部2に固定する固定カバー24が備えられている。このとき、ファスナ23は、防水ファスナを使用できる。
【0031】
オーバーヘッドカバー22は、図2に示すように、着用者の頭が挿入される頭挿入孔22aが形成されている。これにより、着用時には、一側部が上体部2の後面部に固定されたオーバーヘッドカバー22の他側部を、上体部2の上部中央部を交差するように引っ張った後、頭挿入孔22aに頭を引込させて着用し、その後、ファスナ23を用いてオーバーヘッドカバー22の他端部を固定カバー24の上端部に結合して固定する。
【0032】
一方、オーバーヘッドカバー22の両端には、水が内部に浸入するのを防止するとともに、オーバーヘッドカバー22の両端が丸まるのを防止する防水ゴム25が内蔵されることができる。このとき、防水ゴム25は、オーバーヘッドカバー22の両端に沿って内部に内蔵される弾性ゴムからなる。
【0033】
このような防水ゴム25は、弾性力を利用してオーバーヘッドカバー22の両端を弾性加圧してオーバーヘッドカバー22の両端を上体部2に緊密に密着させてウォータースポーツ活動時に水がオーバーヘッドカバー22と上体部2との間を介して内部に浸入するのを防止する。
【0034】
図3は、図1に示されたオーバーヘッドカバーの着用前の状態を説明するために示す図であり、図4は、図1に示されたオーバーヘッドカバーの着用後の状態を示す図である。
【0035】
図2及び図3に示すように、ネックカバー21を上体部2の開口部2aに挿入させた後、スナップボタン21a、2bを用いて内側に結合させた状態で、図4に示すように、オーバーヘッドカバー22の他側部を上体部2の上部中央部を交差するように引っ張った後、ファスナ23を用いてオーバーヘッドカバー22の他端部を固定カバー24の上端部に結合して固定する。
【0036】
このように、オーバーヘッドカバー22を用いてネックカバー21が結合される上体部2の開口部2aを二重に覆って首回りを密閉することによって伝統的な方式であるゴムシールよりも水が内部に浸入するのを効果的に遮断できる。特に、ウォータースポーツ活動時に頭の動きによって伸びる恐れがある首回りを二重に覆って密閉することによって、上体部2の開口部2aを介して水が浸入するのをより完壁に遮断できる。
【0037】
一方、図2及び図3に示すように、オーバーヘッドカバー22を着用した後、オーバーヘッドカバー22の内側面は、上体部2の外面に単に接触状態にのみ維持される。これにより、オーバーヘッドカバー22と上体部2との間に形成された隙間に水が浸入し得る。これにより、本発明では、オーバーヘッドカバー22の内側面と上体部2の外側面にそれぞれ互いに対応するように水浸入防止膜22b、2cを形成して、オーバーヘッドカバー22が上体部2の外側面に密着した状態で水浸入防止膜22b、2cがオーバーヘッドカバー22と上体部2との間の隙間を閉鎖してこれらの間に水が浸入するのを防止できる。
【0038】
このような水浸入防止膜22b、2cは、それぞれシリコン膜からなり得る。図2及び図3に示すように、オーバーヘッドカバー22に形成された水浸入防止膜22bは、オーバーヘッドカバー22の内側面に複数個が一定間隔で離間形成されている。そして、上体部2の前後面部の外側面にそれぞれ形成された水浸入防止膜2cもオーバーヘッドカバー22に形成された水浸入防止膜22bに対応して複数個が一定間隔で離間形成されている。
【0039】
オーバーヘッドカバー22を上体部2の前面部を覆うように固定カバー24に結合させた状態において、オーバーヘッドカバー22に形成された水浸入防止膜22bと上体部2の前後面部の外側面にそれぞれ形成された水浸入防止膜2cは、図4に示すように、互いにジグザグ状に配置される。即ち、オーバーヘッドカバー22に形成された水浸入防止膜22bの間を上体部2の外側面に形成された水浸入防止膜2cが埋める方式で相互結合される。
【0040】
図5は、本発明の実施例による水の浸入を二重に遮断するスーツを着用する過程を簡略に示す図であって、(a)はスーツの前面から見た図であり、(b)は後面から見た図である。
【0041】
図5を参照すれば、まず上体部2の開口部2aにネックカバー21を挿入させて結合した後、オーバーヘッドカバー22の他側部を上体部2の上部中央部を交差するように引っ張り、頭挿入孔22aに頭を引込させて着用する。その後、オーバーヘッドカバー22の他端部をファスナ23を用いて固定カバー24の上端部に結合して固定して着用を完了する。そして、脱衣は着用順序と逆順に行うことができる。
【0042】
以上のように、本発明の技術的思想は好適な実施例で具体的に記述されたが、前述した実施例はその説明のためのものであり、それを制限するためのものではない。このように本技術分野における通常の専門家であれば、本発明の技術思想の範囲内で本発明の実施例の結合によって多様な実施例が可能であることが理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】