(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】フィルムカメラ用スマートフォンのアタッチメント
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20220104BHJP
G03B 17/48 20210101ALI20220104BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G03B17/48
G03B17/56 A
(21)【出願番号】P 2021067379
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2021-03-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521110208
【氏名又は名称】ファイヤーワークス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小森 義浩
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-5428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0184947(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 17/02 - 17/17
G03B 17/48
H04N 5/222- 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
フィルムカメラ(2)と、請求項1又は2に記載のフィルムカメラ用のスマートフォンのアタッチメント(3)と、アタッチメントに装着されたスマートフォン(4)とを備え、フィルムカメラ(2)のシャッターが開いたとき、投影スクリーン(312)に投影される光を、スマートフォンカメラ(42)のイメージセンサが検知して、スマートフォン(4)のカメラのシャッターを切ることで、フィルムカメラの撮影画像を、イメージセンサに結合させ、保存できる事を特徴とするフィルムカメラ用のスマートフォンアタッチメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルムカメラの撮影画像をスマートフォンに取り込む為のアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルムカメラはカメラレンズから光軸の受光窓に配置したフィルムに光をあてることで画像を映して保存している。デジタル化して電子媒体に保存するものは無かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、フィルムカメラはスマートフォンのカメラ機能を用いて容易に電子媒体に記録して保存できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
カメラ裏蓋部に装着するカメラアタッチメント(31)と、カメラアタッチメント(31)に連結したスマートフォンを保持するスマートフォンアタッチメント(32)を備え、カメラアタッチメント(31)はカメラレンズを通して撮影画像を投影する投影スクリーン(312)を備え、スマートフォンアタッチメント(32)は投影スクリーンに映し出された画像に焦点を合わせ、スマートフォンカメラで接近撮影する為の補正レンズ(322)を備え、カメラのレンズと、投影スクリーン、補正レンズ、カメラの撮像の光軸(5)を合わせ、焦点をスマートフォンの撮像媒体に合わせる事で、フィルムカメラをデジタル化し保存できるようにしたことを特徴とするフィルムカメラ用スマートフォンのアタッチメント。
【0005】
カメラアタッチメント(31)とスマートフォンアタッチメント(32)を分離して夫々、別のフィルムカメラ用のカメラアタッチメント(31)、別のスマートフォン用のスマートフォンアタッチメント(32)に交換できるようにした事を特徴とするフィルムカメラ用スマートフォンのアタッチメント。
【0006】
フィルムカメラ(2)と、フィルムカメラ用のスマートフォンのアタッチメント(3)と、アタッチメントに装着されたスマートフォン(4)とを備え、フィルムカメラ(2)のシャッターが開いたとき、投影スクリーン(312)に投影される光を、スマートフォン(42)のイメージセンサが検知して、スマートフォン(4)のカメラのシャッターをきり、フィルムカメラの撮影画像を、イメージセンサに結合させ、保存できる事を特徴とするフィルムカメラ用のスマートフォンアタッチメントシステム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルムカメラはスマートフォンのカメラ機能を用いて容易に電子媒体に記録して保存することができる。
【0008】
また、アタッチメントはカメラアタッチメントと、スマートフォンアタッチメントでなり、フィルムカメラに応じたカメラアタッチメント、スマートフォンに応じたスマートフォンアタッチメントに脱着交換ができることで、多機種にわたるフィルムカメラとスマートフォンに対応することを可能とする。
【0009】
名機と呼ばれる多くのフィルムカメラや、名玉と呼ばれるカメラレンズの機能はそのままにスマートフォンのカメラ機能を応用することでデジタル化し、SNS等による写真共有などの現代の要望に応えるという目的を、最小の部品点数で構成し低コスト化も実現できる。
【0010】
スマートフォンには、デジタル撮影データの保存、消去、およびデジタル撮影時においてカラーまたはモノクロ撮影の選択機能、ホワイトバランス調整や、撮像データの撮影条件設定機能等はスマートフォン本体やスマートフォンのアプリケーションに備えられているので、本発明のアタッチメントを使用することで、通常デジタル撮影で必要となるCCDセンサ、CMOSセンサと呼ばれるイメージセンサや、バッテリー、撮影条件等を設定する入力装置や電源スイッチ、記録用媒体を省くことを可能とし、低コスト化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】フィルムカメラ用のスマートフォンアタッチメントシステムの構成
【
図2】フィルムカメラ用のスマートフォンアタッチメントシステムの分解図
【
図3】フィルムカメラ用のスマートフォンアタッチメントの組み立て構成
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、フィルムカメラ(2)とアタッチメント(3)とスマートフォン(4)からなるスマートフォンアタッチメントシステムの構成である。
アタッチメント(3)は、フィルムカメラの裏蓋を取り外し、取り外した裏蓋部に装着するカメラアタッチメント(31)と、カメラアタッチメント(31)に連結したスマートフォンを保持するスマートフォンアタッチメント(32)を備える。カメラアタッチメント(31)は、フィルムカメラのレンズを通して光の投影を行う、投影スクリーン(312)を備える。スマートフォンアタッチメント(32)は、投影スクリーンに写し出された像に近接し焦点を合わせ、スマートフォンカメラで全体像を鮮明に撮影する為の補正レンズ(322)を備える。カメラのレンズと、投影スクリーンと、補正レンズの光軸(5)として、カメラの撮像の焦点がスマートフォンのイメージセンサ(撮像媒体)に合わせることで、フィルムカメラをデジタル化し電子媒体に保存できる。
【0013】
投影スクリーン(312)は、フィルムカメラ(2)のフィルムの位置に、受光窓(23)に覆い被さるようカメラアタッチメント(31)内に配置し、カメラレンズを通して入った光を投影する。
【0014】
補正レンズ(322)は、投影スクリーン(312)に投影された像の全体に可能な限り近づき、スマートフォン(4)本体(41)に内蔵するカメラ(42)部と焦点が合うようにスマートフォンアタッチメント(32)に内蔵する。
【0015】
図2は、スマートフォンアタッチメントシステムの分解図であり、フィルムカメラ(2)のレンズ(22)とカメラアタッチメント(31)の投影スクリーン(312)と、スマートフォンアタッチメント(32)の補正レンズ(322)と、スマートフォン(4)のカメラ(42)が、光軸(5)に直線上に配置する。
【0016】
スマートフォンには、スマートフォンカメラのイメージセンサがフィルムカメラレンズから入光し、投影スクリーンに投影された光を検出し、スマートフォンカメラのシャッターを切るプログラムでなるアプリケーションを備える。
【0017】
スマートフォンのアプリケーションを起動した状態はフィルムカメラのシャッターは閉じているのでスマートフォンカメラのイメージセンサは黒を認識しスマートフォンのシャッターは作動しない。フィルムカメラシャッターを切ると、フィルムカメラのシャッター幕が開き投影スクリーンに映し出される。そして光軸に配置されたスマートフォンカメラのイメージセンサが光を検出すると入光してる間、フィルムカメラのシャッター幕が開いている事を電気信号から読み取り、スマートフォンのカメラも連動してシャッターが開きフィルムカメラのシャッターが閉じると投影スクリーンは黒くなりスマートフォンカメラのイメージセンサは黒を検出し、フィルムカメラのシャッター幕が閉じた事がわかる。スマートフォンのカメラのシャッターが開放しているタイミング、例えば、シャッターの開放から一定時間内にフィルムカメラの撮影画像をイメージセンサに取り込む(シャッターを切ることに相当)。イメージセンサに取り込まれた電子データは、記録メモリなどの電子媒体に格納できる。
【0018】
図3は、アタッチメントの構成であり、カメラアタッチメント(31)とスマートフォンアタッチメント(32)は分離して交換できる。例えば、カメラアタッチメントの本体(311)の凹部(313)にスマートフォンアタッチメントの本体(321)の凸部(323)をスライドして容易に脱着交換ができる。また、凹部と凸部は逆であっても良い。また操作中にアタッチメントが動かないようにロック機能を付けても良い。また、この着脱交換方法は一例とする。アタッチメントは脱着交換ができることで、多機種にわたるフィルムカメラとスマートフォンに対応することを可能とする。
【0019】
図3のカメラ裏蓋とカメラアタッチメント(31)の交換については、一例として記載する。フィルムカメラの多くの機種のカメラ底部には三脚用ねじ穴(24)がある。三脚用ねじ穴(24)を利用して、カメラアタッチメント底部と一体となった取り付け用ねじ穴(314)とカメラ底部の三脚用ねじ穴(24)を合わせ取り付け、ねじにて固定する。それ以外にカメラ裏蓋とカメラアタッチメント(31)の交換については、フィルムカメラの多くの機種は、開閉ヒンジ式となっているので、ヒンジの芯線を抜き取ることで簡便に交換できる
【符号の説明】
【0020】
1 スマートフォンアタッチメントシステム
2 フィルムカメラ
21 本体
22 レンズ
23 受光窓
24 三脚用ねじ穴
25 開閉ヒンジ
3 アタッチメント
31 カメラアタッチメント
311 本体
312 投影スクリーン
313 凹部
314 取り付け用ねじ穴
32 スマートフォンアタッチメント
321 本体
322 補正レンズ
323 凸部
4 スマートフォン
41 本体
42 カメラ
5 光軸
【要約】
【課題】従来、フィルムカメラはスマートフォンのカメラ機能を用いて容易に電子媒体に記録して保存できなかった。
【解決手段】カメラ裏蓋部に装着するカメラアタッチメント(31)と、カメラアタッチメント(31)に連結したスマートフォンを保持するスマートフォンアタッチメント(32)を備え、カメラアタッチメント(31)はカメラレンズを通して撮影画像を投影する投影スクリーン(312)を備え、スマートフォンアタッチメント(32)は投影スクリーンに映し出された画像に焦点を合わせ、スマートフォンカメラで接近撮影する為の補正レンズ(322)を備え、カメラのレンズと、投影スクリーン、補正レンズ、カメラの撮像の光軸(5)を合わせ、焦点をスマートフォンの撮像媒体に合わせる事で、フィルムカメラをデジタル化し保存できるようにしたことを特徴とするフィルムカメラ用スマートフォンのアタッチメント。
【選択図】
図2