(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】商品陳列台
(51)【国際特許分類】
A47F 5/02 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
A47F5/02
(21)【出願番号】P 2017130536
(22)【出願日】2017-07-03
【審査請求日】2020-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000226426
【氏名又は名称】日研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】片貝 美貴
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-300942(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0089844(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0372443(KR,Y1)
【文献】実開昭54-135895(JP,U)
【文献】実開昭64-035962(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00~ 5/16
A47B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を載置可能な上面を有する陳列台本体と、
前記陳列台本体の下面に取り付けられる回転盤と
を備え、
前記陳列台本体は、長手方向の一端部に向かって先細りとなる方向に傾斜する第1傾斜辺及び第2傾斜辺を有し、かつ、長手方向に沿って延びる中心線を中心として対称な外縁形状を有し、
前記陳列台本体は、前記第1傾斜辺及び前記第2傾斜辺の先端を結ぶ垂直辺を更に有しており、
前記垂直辺は、前記第1傾斜辺及び前記第2傾斜辺より短
く、
前記陳列台本体の底面には、前記回転盤を収容可能な収容凹部が長手方向に沿って延在するように形成されており、
前記収容凹部は、前記回転盤が長手方向に沿って移動可能、かつ、前記回転盤が該収容凹部内において回転可能に構成されている
ことを特徴とする商品陳列台。
【請求項2】
前記陳列台本体は、前記第1傾斜辺と平行な第3傾斜辺と、前記第2傾斜辺と平行な第4傾斜辺とを有する六角形状又は八角形状の外縁形状を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の商品陳列台。
【請求項3】
前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか一方は、いずれか他方に向けて突出する係止突起を有し、
前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか他方は、前記係止突起が係合可能な複数の係合孔を有し、
前記複数の係合孔は、前記回転盤の回転方向に沿って所定の間隔で離間して設けられており、
前記係止突起が係合する前記係合孔を切り替えることにより、前記陳列台本体の回転位置を変更可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列台。
【請求項4】
前記係合孔は、前記回転盤の回転方向に沿って離間して設けられた第1係合孔、第2係合孔及び第3係合孔を備え、
前記第1係合孔、前記第2係合孔及び前記第3係合孔は、該第1係合孔と該第2係合孔とを結ぶ線が前記第1傾斜辺と平行となり、該第1係合孔と該第3係合孔とを結ぶ線が前記第2傾斜辺と平行となる位置に形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の商品陳列台。
【請求項5】
前記回転盤の底面には、該底面に垂直に立設され、かつ、互いに平行な一対の板部を有する取付部が設けられており、
前記係合孔は、前記第1係合孔が前記一対の板部と直交する回転位置に位置する状態において、該一対の板部と平行な方向に位置する第4係合孔及び第5係合孔を有し、
前記第5係合孔は、前記第4係合孔に対して前記回転盤の回転方向に180度位相をずらした位置に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の商品陳列台。
【請求項6】
前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか一方は、いずれか他方に向けて突出する複数の係止突起を有し、
前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか他方は、前記複数の係止突起が選択的に係合可能な係合孔を有し、
前記複数の係止突起は、前記回転盤の回転方向に沿って所定の間隔で離間して設けられており、
前記係合孔に係合する前記係止突起を切り替えることにより、前記陳列台本体の回転位置を変更可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列台。
【請求項7】
前記係止突起は、前記回転盤の回転方向に沿って離間して設けられた第1係止突起、第2係止突起及び第3係止突起を備え、
前記第1係止突起、前記第2係止突起及び前記第3係止突起は、該第1係止突起と該第2係止突起とを結ぶ線が前記第1傾斜辺と平行となり、該第1係止突起と該第3係止突起とを結ぶ線が前記第2傾斜辺と平行となる位置に形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の商品陳列台。
【請求項8】
前記回転盤の底面には、該底面に垂直に立設され、かつ、互いに平行な一対の板部を有する取付部が設けられており、
前記係止突起は、前記第1係止突起が前記一対の板部と直交する回転位置に位置する状態において、該一対の板部と平行な方向に位置する第4係止突起及び第5係止突起を有し、
前記第5係止突起は、前記第4係止突起に対して前記回転盤の回転方向に180度位相をずらした位置に形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の商品陳列台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスーパーマーケットやデパート等の量販店において商品を陳列するために用いられる商品陳列台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやデパート等の量販店における冷ケースやワゴン等では、商品陳列の演出効果を高めるために、商品を傾斜状態で陳列させるための傾斜式商品陳列台や(特許文献1等)、商品を雛壇状に陳列させるための雛壇式商品陳列台等が用いられている(特許文献2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-8424号公報
【文献】実用新案登録第3096023号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、傾斜式商品陳列台を用いた傾斜陳列や、雛壇式商品陳列台を用いた雛壇陳列は、近年ではありふれた陳列方法であるため、購買者の注意を引くほどの演出効果が期待できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、商品陳列の演出効果を高めることが可能な商品陳列台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る商品陳列台は、商品を載置可能な上面を有する陳列台本体と、前記陳列台本体の下面に取り付けられる回転盤とを備え、前記陳列台本体は、長手方向の一端部に向かって先細りとなる方向に傾斜する第1傾斜辺及び第2傾斜辺を有し、かつ、長手方向に沿って延びる中心線を中心として対称な外縁形状を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る商品陳列台において、前記陳列台本体は、前記第1傾斜辺と平行な第3傾斜辺と、前記第2傾斜辺と平行な第4傾斜辺とを有する六角形状又は八角形状の外縁形状を有することが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る商品陳列台において、前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか一方は、いずれか他方に向けて突出する係止突起を有し、前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか他方は、前記係止突起が係合可能な複数の係合孔を有し、前記複数の係合孔は、前記回転盤の回転方向に沿って所定の間隔で離間して設けられており、前記係止突起が係合する前記係合孔を切り替えることにより、前記陳列台本体の回転位置を変更可能に構成されても良い。
【0009】
この場合において、前記係合孔は、前記回転盤の回転方向に沿って離間して設けられた第1係合孔、第2係合孔及び第3係合孔を備え、前記第1係合孔、前記第2係合孔及び前記第3係合孔は、該第1係合孔と該第2係合孔とを結ぶ線が前記第1傾斜辺と平行となり、該第1係合孔と該第3係合孔とを結ぶ線が前記第2傾斜辺と平行となる位置に形成されることが好ましい。
【0010】
また、この場合において、前記回転盤の底面には、該底面に垂直に立設され、かつ、互いに平行な一対の板部を有する取付部が設けられており、前記係合孔は、前記第1係合孔が前記一対の板部と直交する回転位置に位置する状態において、該一対の板部と平行な方向に位置する第4係合孔及び第5係合孔を有し、前記第5係合孔は、前記第4係合孔に対して前記回転盤の回転方向に180度位相をずらした位置に形成されることが更に好ましい。
【0011】
また、本発明に係る商品陳列台において、前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか一方は、いずれか他方に向けて突出する複数の係止突起を有し、前記陳列台本体及び前記回転盤のいずれか他方は、前記複数の係止突起が選択的に係合可能な係合孔を有し、前記複数の係止突起は、前記回転盤の回転方向に沿って所定の間隔で離間して設けられており、前記係合孔に係合する前記係止突起を切り替えることにより、前記陳列台本体の回転位置を変更可能に構成されても良い。
【0012】
この場合において、前記係止突起は、前記回転盤の回転方向に沿って離間して設けられた第1係止突起、第2係止突起及び第3係止突起を備え、前記第1係止突起、前記第2係止突起及び前記第3係止突起は、該第1係止突起と該第2係止突起とを結ぶ線が前記第1傾斜辺と平行となり、該第1係止突起と該第3係止突起とを結ぶ線が前記第2傾斜辺と平行となる位置に形成されることが好ましい。
【0013】
また、この場合において、前記回転盤の底面には、該底面に垂直に立設され、かつ、互いに平行な一対の板部を有する取付部が設けられており、前記係止突起は、前記第1係止突起が前記一対の板部と直交する回転位置に位置する状態において、該一対の板部と平行な方向に位置する第4係止突起及び第5係止突起を有し、前記第5係止突起は、前記第4係止突起に対して前記回転盤の回転方向に180度位相をずらした位置に形成されることが更に好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商品陳列の演出効果を高めることが可能な商品陳列台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態に係る商品陳列台を概略的に示す平面斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る商品陳列台を概略的に示す底面斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る商品陳列台の分解図である。
【
図4】本実施形態に係る陳列台本体を概略的に示す平面図である。
【
図5】
図5(a)は、本実施形態に係る回転盤を概略的に示す平面図であり、
図5(b)は、本実施形態に係る回転盤を概略的に示す底面図である。
【
図6】
図6(a)は、陳列台本体の係止突起を回転盤の第1係合孔に係合させた状態を概略的に示す図であり、
図6(b)は、陳列台本体の他の係止突起を回転盤の第1係合孔に係合させた状態を概略的に示す図である。
【
図7】
図7(a)は、陳列台本体の係止突起を回転盤の第5係合孔に係合させた状態を概略的に示す図であり、
図7(b)は、陳列台本体の係止突起を回転盤の第4係合孔に係合させた状態を概略的に示す図である。
【
図8】
図8(a)は、陳列台本体の係止突起を回転盤の第2係合孔に係合させた状態を概略的に示す図であり、
図8(b)は、陳列台本体の係止突起を回転盤の第3係合孔に係合させた状態を概略的に示す図である。
【
図9】本実施形態に係る商品陳列台の第1の使用例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る商品陳列台の第2の使用例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る商品陳列台の第3の使用例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る商品陳列台の第4の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
本実施形態に係る商品陳列台1は、
図1~
図3に示すように、商品を載置可能な上面を有する陳列台本体2と、陳列台本体2の下面に相対回転可能に取り付けられた回転盤4とを備えており、回転盤4に対して陳列台本体2を回転させることにより、陳列台本体2の向きを自由に変更可能に構成されている。
【0018】
陳列台本体2は、
図1~
図4に示すように、長手方向及び短手方向を有する六角形状に形成されており、長手方向に沿って延びる中心線X(
図4参照)を中心として対称な外縁形状を有している。ここで、「六角形状」とは、各辺の交点が尖った角である構成に限定されず、各辺の交点がR状(丸みを帯びた角)である構成を広く含むものとする。
【0019】
具体的には、陳列台本体2は、
図4に示すように、長手方向の一端部に向かって先細りとなる方向に傾斜する第1傾斜辺11及び第2傾斜辺12と、長手方向の他端部に向かって先細りとなる方向に傾斜する第3傾斜辺13及び第4傾斜辺14と、第1傾斜辺11の先端及び第2傾斜辺12の先端を結ぶ第5垂直辺15と、第3傾斜辺13の先端及び第4傾斜辺14の先端を結ぶ第6垂直辺16とを有している。
【0020】
第3傾斜辺13は、
図4に示すように、第1傾斜辺11と平行な辺であり、第4傾斜辺14は、第2傾斜辺12と平行な辺である。また、第5垂直辺15及び第6垂直辺16は、互いに平行、かつ、陳列台本体2の長手方向と直交する方向に延在している。
【0021】
第1傾斜辺11と第4傾斜辺14とがなす角θ1、及び、第2傾斜辺12と第3傾斜辺13とがなす角θ1は、例えば144度である。また、第5垂直辺15と第1傾斜辺11又は第2傾斜辺12とがなす角θ2、及び、第6垂直辺16と第3傾斜辺13又は第4傾斜辺14とがなす角θ2は、例えば108度である。
【0022】
陳列台本体2の第1傾斜辺11~第4傾斜辺14、第5垂直辺15及び第6垂直辺16には、
図1に示すように、それぞれ、上面から上方に向けて延出する仕切り板17a~17fが立設されている。これら仕切り板17a~17fは、陳列台本体2に対して着脱可能に構成されると共に、基端を中心として陳列台本体2の内側に折り畳み可能に構成されている。
【0023】
陳列台本体2の底面には、
図2~
図4に示すように、回転盤4を収容可能な収容凹部18が長手方向に沿って延在するよう形成されている。収容凹部18には、陳列台本体2に対して回転盤4をねじ止めするための長孔20が長手方向に沿って形成されている。収容凹部18は、回転盤4の直径よりも僅かに大きい溝幅と、回転盤4の直よりも大きい長手方向の長さを有しており、溝幅方向に僅かなクリアランスが存在する状態で、回転盤4が長手方向に沿って移動可能、かつ、回転盤4が収容凹部18内において回転可能に構成されている。
【0024】
収容凹部18の長手方向の一端部及び他端部は、回転盤4の曲率と同じ曲率を有する円弧状に形成されると共に、回転盤4の抜け落ちを防止するためのフランジ19がそれぞれ形成されている。また、収容凹部18の長手方向の一端部及び他端部には、弾性変形可能な舌片状の弾性片21a,21bと、該弾性片21a,21bにそれぞれ設けられた係止突起22a,22bとが形成されている。係止突起22a,22bは、回転盤4側に向けて突出しており、回転盤4の後述する第1~第5係合孔31~35のいずれか1つに選択的に嵌入するよう構成されている。
【0025】
回転盤4は、
図1~
図3に示すように、陳列台本体2の収容凹部18に装着可能な金属製の円盤部材であり、陳列台本体2に対して相対回転可能、かつ、陳列台本体2の収容凹部18内において長手方向に沿って移動可能な状態で、陳列台本体2の長孔20にねじ等により着脱可能に取り付けられている。
【0026】
回転盤4の底面には、
図2及び
図3に示すように、本実施形態に係る商品陳列台1が設置される冷ケースやワゴン等の商品陳列用什器の枠体等、例えば、冷ケースやワゴンの周壁の上縁部等に万力の原理で取り付け可能に構成された断面コの字状の取付部30が固設されている。取付部30は、底面から離間する方向に向けて垂直に立設され、かつ、互いに平行となるよう設けられた一対の板部30a,30bと、一対の板部30a,30b間を連結し、かつ、回転盤4の底面に固設された連結部30cと、一方の板部30aを貫通して設けられたねじ式押圧部材30dとを有している。一対の板部30a,30bは、商品陳列用什器の枠体等に嵌め込み可能な間隔を有するよう互いに離間して設けられている。ねじ式押圧部材30dは、シャフト部に形成されたねじにより他方の板部30bに向けて進退可能に構成されており、一対の板部30a,30b間に嵌め込まれた商品陳列用什器の枠体等を他方の板部30bに向けて押圧することで、該他方の板部30bとの間で商品陳列用什器の枠体等を挟持するよう構成されている。
【0027】
回転盤4には、
図5に示すように、陳列台本体2の係止突起22a,22bが係合可能な第1~第5係合孔31~35が貫通して形成されている。第1~第5係合孔31~35は、回転盤4の回転方向に沿って、同一径の円周C上に所定の間隔で離間して設けられており、陳列台本体2のいずれか一方の係止突起22a,22bが係合する係合孔を切り替えることにより、陳列台本体2の回転位置を変更可能に構成されている。
【0028】
具体的には、第1係合孔31は、
図5(b)に示すように、一対の板部30a,30bと直交かつ回転盤4の中心軸を通る線L
1と円周Cとの交点となる回転位置に形成されている。第2係合孔32は、
図5(a)に示すように、第1係合孔31が係止突起22a,22bのいずれか一方と係合した状態において、第1係合孔31と第2係合孔32とを結ぶ線L
2が第1傾斜辺11及び第3傾斜辺13と平行となる回転位置に形成されている。第3係合孔33は、第1係合孔31が係止突起22a,22bのいずれか一方と係合した状態において、第1係合孔31と第3係合孔33とを結ぶ線L
3が第2傾斜辺12及び第4傾斜辺14と平行となる回転位置に形成されている。第4係合孔34及び第5係合孔35は、一対の板部30a,30bと平行かつ回転盤4の中心軸を通る線L
4と円周Cとの交点となる回転位置に、互いに180度位相をずらして形成されている。
【0029】
以上の構成を備える商品陳列台1は、陳列台本体2の係止突起22a,22bを係合させる係合孔を切り替えることにより、陳列台本体2を様々な向きで位置決めすることが可能である。
【0030】
具体的には、商品陳列台1は、回転盤4の取付部30を商品陳列用什器の枠体6に取り付けた状態において、陳列台本体2の係止突起22aを回転盤4の第1係合孔31に係合させることで、
図6(a)に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して陳列台本体2が垂直で、かつ、商品陳列用什器の枠体6から前方側(顧客側)に大きく延出した陳列スペースを作出することができる。また、商品陳列台1は、回転盤4の取付部30を商品陳列用什器の枠体6に取り付けた状態において、陳列台本体2の他方の係止突起22bを回転盤4の第1係合孔31に係合させることで、
図6(b)に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して陳列台本体2が垂直で、かつ、商品陳列用什器の枠体6から前方側に僅かに延出した陳列スペースを作出することができる。すなわち、本実施形態に係る商品陳列台1は、第1係合孔31に係合させる係止突起22a,22bを選択することで、商品陳列用什器の枠体6からの突出量を変更可能に構成されている。
【0031】
また、商品陳列台1は、回転盤4の取付部30を商品陳列用什器の枠体6に取り付けた状態において、陳列台本体2の係止突起22a,22bのいずれか一方を回転盤4の第4係合孔34又は第5係合孔35に係合させることで、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して陳列台本体2が平行となる陳列スペースを作出することができる。特に、商品陳列台1では、商品陳列用什器の枠体6の屈曲部位に取り付けられた状態において、例えば係止突起22bを第5係合孔35に係合させた状態から他方の係止突起22aを第4係合孔34に係合させた状態に切り替えることで、商品陳列用什器の側方側への突出量を変更可能に構成されている。
【0032】
さらに、商品陳列台1は、回転盤4の取付部30を商品陳列用什器の枠体6に取り付けた状態において、陳列台本体2の係止突起22a,22bのいずれか一方を回転盤4の第2係合孔32又は第3係合孔33に係合させることで、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して陳列台本体2が傾斜した陳列スペースを作出することができる。特に、商品陳列台1では、例えば係止突起22bが係合する係合孔を第2係合孔32から第3係合孔33に切り替えることで、商品陳列用什器の傾斜方向を変更可能に構成されている。
【0033】
そして、このように様々な向きで位置決めすることが可能な商品陳列台1によれば、例えば
図9~
図12に示すように、様々な態様で商品の陳列を行うことが可能となるため、従来の商品陳列台と比べ、商品陳列の演出効果を飛躍的に高めることが可能となる。
【0034】
すなわち、本実施形態に係る商品陳列台1によれば、上述した取り付け態様の他に、例えば
図9に示すように、商品陳列用什器の枠体6の角部に取り付けることが可能となるため、デッドスペースとなることが多い商品陳列用什器の角部を陳列スペースとして有効に活用し、商品陳列の演出効果を飛躍的に高めることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態に係る商品陳列台1は、上述のとおり、長手方向の一端部に向かって先細りとなる方向に傾斜する第1傾斜辺11及び第2傾斜辺12を有し、かつ、長手方向に沿って延びる中心線Xを中心として対称な外縁形状を有することにより、複数の商品陳列台1を隣接して配置することが可能となる。そして、このように、複数の商品陳列台1を隣接して配置することで、各商品陳列台1によって個々の陳列スペースを作出しつつ、複数の商品陳列台1が一体となってまとまりある陳列スペースを作出することが可能となる。これにより、例えば、一部の商品陳列台1にメインの食材等を陳列し、他の商品陳列台1に該食材に使用する調味料や付け合せの食材等を陳列する等の陳列態様が可能となり、顧客の購買意欲を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0036】
具体的には、例えば
図10に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して垂直に取り付けた商品陳列台1aを挟むように、互いに反対方向に傾斜した商品陳列台1b,1cを配置することにより、商品陳列用什器の前方側(顧客側)に向けて広がる扇形の陳列スペース(
図10参照)や、商品陳列用什器の前方側(顧客側)に向けて収束する扇形の陳列スペース(図示せず)等を作出することが可能となる。また、例えば
図11に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して同一方向に傾斜した状態の商品陳列台1bを複数並べて設置する態様や、例えば
図12に示すように、商品陳列用什器の枠体6に対して平行な状態の商品陳列台1dを複数並べて設置する態様等とすることも可能となる。
【0037】
本発明に係る商品陳列台は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0038】
例えば、上述した実施形態では、陳列台本体が六角形の外縁形状を有するものとして説明したが、これに限定されず、長手方向の一端部に向かって先細りとなる方向に傾斜する第1傾斜辺及び第2傾斜辺を有し、かつ、長手方向に沿って延びる中心線を中心として対称な外縁形状を有するものであれば、種々の形状を採用することが可能である。例えば、三角形状や五角形状に形成されても良いし、第1傾斜辺と平行な第3傾斜辺と、第2傾斜辺と平行な第4傾斜辺とを有する八角形状に形成されても良い。
【0039】
上述した実施形態では、商品陳列用什器の枠体、例えば冷ケースやワゴンの周壁の上縁部に取り付けられるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、商品陳列用什器の商品陳列面上に台座を介して設置される態様としても良いし、回転盤を台座部と該台座部に対して回転可能な回転部との二重構造に構成し、該回転盤を商品陳列用什器の商品陳列面上に直接載置させる態様としても良い。
【0040】
上述した実施形態では、陳列台本体に係止突起が形成され、回転盤に第1~第5係合孔が形成されることで、回転盤に対して陳列台本体を多段的に回転可能な構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、陳列台本体に第1~第5係合孔が形成され、回転盤に係止突起が形成される構成としても良い。また、係合孔が複数形成される構成に代えて、係止突起が複数形成される構成(上述した係止突起を係合孔に置き換え、上述した第1~第5係合孔を第1~第5係止突起に置き換えた構成)としても良い。なお、回転盤又は陳列台本体に形成される複数の係合孔(又は複数の係止突起)は、上述した構成に限定されず、種々の位置及び個数に変更することが可能である。
【0041】
また、これら係止突起と係合孔とにより位置決めする構成に代えて、例えば、回転盤の周縁に歯車を形成すると共に、該歯車の歯間に嵌合可能な突起を陳列台本体側に設け、該突起が嵌合する歯を切り替えることで多段的に回転可能な構成としても良いし、別部材として設けられたピン部材等により、回転盤に対する陳列台本体の回転位置を位置決めする構成としても良い。さらに、陳列台本体及び回転盤に位置決め機構が設けられず、回転盤に対して陳列台本体が自由に回転可能な構成としても良いし、陳列台本体に対して回転盤が相対回転不能に取り付けられる構成としても良い。後者の場合には、例えば、上述した台座部と回転部との二重構造を回転盤に採用することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1,1a,1b,1c,1d 商品陳列台、2 陳列台本体、4 回転盤、11 第1傾斜辺、12 第2傾斜辺、13 第3傾斜辺、14 第4傾斜辺、5 第5垂直辺、
16 第6垂直辺、22a,22b 係止突起、30 取付部、31 第1係合孔、32 第2係合孔、33 第3係合孔、34 第4係合孔、35 第5係合孔、X 中心線