(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20220104BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20220104BHJP
A61Q 90/00 20090101ALI20220104BHJP
C11D 9/26 20060101ALI20220104BHJP
C11D 9/30 20060101ALI20220104BHJP
C11D 9/32 20060101ALI20220104BHJP
C11D 9/60 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/86
A61Q90/00
C11D9/26
C11D9/30
C11D9/32
C11D9/60
(21)【出願番号】P 2016012234
(22)【出願日】2016-01-26
【審査請求日】2019-01-17
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】特許業務法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 健夫
【合議体】
【審判長】岡崎 美穂
【審判官】大久保 元浩
【審判官】齋藤 恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-50089(JP,A)
【文献】特開2005-187411(JP,A)
【文献】特開2006-83140(JP,A)
【文献】特開2013-67610(JP,A)
【文献】特開2008-94903(JP,A)
【文献】特開2007-261688(JP,A)
【文献】特開2015-107927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(C)を含有し、(B)/(C)が1.0以下であることを特徴とする洗浄剤組成物。
(A)脂肪酸塩
(B)
炭素数10~14の長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モルのエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
(C)アルキルベタイン、イミダゾリウムベタインおよびスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤
【請求項2】
(B)の炭素数10~14の長鎖アルキルアルコールが、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキルアルコールである請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記(B)成分を洗浄剤組成物全体質量中0.5~5質量%含有する請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
(C)がイミダゾリウムベタインである請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、詳しくは泡のキメが細かく、泡弾力、持続性に優れた、ポンプ内部のメッシュで目詰まりを起こさない泡吐出容器用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりボディソープや洗顔料といった皮膚洗浄剤には、使用時の泡の量や、キメの細かいクリーミィな泡質を有するという観点から開発がなされてきた。
【0003】
キメの細かいクリーミィな泡は使用感の良い使い心地を有するだけでなく、汚れの吸引性にも優れることが知られている。洗浄剤組成物は通常、水に希釈し、空気を含ませながら田で泡立てるか、もしくはボディタオルや泡立てネットといったツールを使用し、泡立てて用いている。一方、洗浄剤組成物を泡吐出容器の充填し、キメの細かいクリーミィな泡を吐出する製品は、泡立てる手間を省き、また誰でも均一なキメの細かいクリーミィな泡を使用できるといった点から近年、市場で急増している。
【0004】
泡吐出容器は、洗浄剤組成物を吸い上げ、吐出させる際に、容器内部の多孔質膜を通過させることで、洗浄剤組成物に空気を含ませ、混合することで泡沫状としている。つまり泡形成のためには、多孔質膜を通過させる必要があり、洗浄剤組成物が多孔質膜で目詰まりを起すという問題がある。特に、石鹸を用いた場合、低温保存時に析出することにより、目詰まりが生じ易いといった問題があった。
【0005】
このような問題を解決する手段として、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤、高級脂肪酸石鹸、特定の多価アルコール組合わせることで、目詰まりがなく、キメが細かく、弾力が高い泡が持続する泡吐出容器用洗浄剤組成物(例えば、特許文献1)や、特定の2種類のアミノ酸系界面活性剤を組み合わせ、これに特定のベタイン型界面活性剤とポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を加えた泡吐出容器用洗浄剤組成物(例えば、特許文献2)が提供されている。
【0006】
しかしながら、この手法では泡吐出容器の押圧が高くなり、子供の力では押せなくなるといった問題もあった。
【0007】
また、泡吐出容器用洗浄剤組成物の泡のキメの細かさや泡の弾力性は、洗浄剤組成物の組成内容だけでなく、多孔質膜の孔のサイズや吐出量、吐出速度によって大きく左右される。多孔質膜の孔のサイズを小さくすればするほど、泡のキメの細かさや泡の弾力性は向上する。
【0008】
このような問題を解決する手段として、吐出口の小さい物を用いることで、押圧を減少させ、より孔サイズの細かな多孔質膜を容器に採用する等の手法が取られてきたが、この手法では、吐出量が少なく、特に身体洗浄料として用いる場合にプッシュ数が多くなり、洗う手間がかかり、製品として満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2015-107927号公報
【文献】特開2013-166739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来技術を背景とした本発明の目的は、泡のキメが細かく、泡弾力、持続性に優れた、ポンプ内部のメッシュで目詰まりを起こさない泡吐出容器用洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、高級脂肪酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤と、アルキルベタイン、イミダゾリウムベタインおよびスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤とを組合わせることにより、泡弾力に優れた、ポンプ内部のメッシュで目詰まりを起こさない泡吐出容器用洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
第一の発明は、下記成分(A)~(C)を含有し、(B)/(C)が1.0以下であることを特徴とする洗浄剤組成物。
(A)脂肪酸塩
(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤
(C)アルキルベタイン、イミダゾリウムベタインおよびスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤
【0013】
第二の発明は、(C)がイミダゾリウムベタインであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、泡のキメが細かく、泡弾力、持続性に優れた、ポンプ内部のメッシュで目詰まりを起こさない泡吐出容器用洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の泡吐出容器用洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(A)は高級脂肪酸塩である。高級脂肪酸塩を構成する脂肪酸としては、好ましくは炭素数8~22の飽和の脂肪酸である。例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの単一の脂肪酸や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などから誘導される脂肪酸、又はそれらの混合物が挙げられる。高級脂肪酸塩を構成する塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、低級アルカノールアミン塩などが挙げられるが、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩である。
【0017】
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(A)高級脂肪酸塩を具体的に例示すれば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸トリエタノ―ルアミン、ミリスチン酸トリエタノ―ルアミン、パルミチン酸トリエタノ―ルアミン、ステアリン酸トリエタノ―ルアミン、イソステアリン酸トリエタノ―ルアミン、オレイン酸トリエタノ―ルアミン、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸ナトリウム、オリーブ油脂肪酸ナトリウム、パーム油脂肪酸ナトリウム、パーム核油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、牛脂脂肪酸カリウム、ヒマシ油脂肪酸カリウム、オリーブ油脂肪酸カリウム、パーム油脂肪酸カリウム、パーム核油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、牛脂脂肪酸トリエタノ―ルアミン、ヒマシ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、オリーブ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、パーム油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、パーム核油脂
肪酸トリエタノ―ルアミン等が挙げられる。本発明の洗浄剤組成物には、これら高級脂肪酸塩を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物において、成分(A)高級脂肪酸塩の配合量は、好ましくは2~10質量%である。より好ましくは2~7質量%である。2質量%未満では、キメの細かいクリーミィな泡質、泡の弾力性が得られない。一方10質量%を超えると、ポンプ内部のメッシュで目詰まりが生じてしまう。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(B)は長鎖アルキルアルコールに平均付加モル数が85~150モルのエチレンオキシドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテルである。長鎖アルキルアルコールは、炭素数が10~14の飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキルアルコールを使用できる。例えば、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等が挙げられ、好ましくはラウリルアルコール、ミリスチルアルコールである。これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物において、成分(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテルの配合量は、好ましくは0.5~5質量%である。より好ましくは1~3質量%である。0.5質量%未満では、泡の弾力性、持続性が得られない。一方5質量%を超えると、目詰まりの原因となる。
【0021】
本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分(C)はアルキルベタイン、イミダゾリウムベタインおよびスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤である。具体的に例示すれば、ラウリルベタイン、ミリスチルベタイン、ココイルベタイン、ラウロアンホ酢酸Na、ココアンホ酢酸Na、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、等が挙げられる。これら両性界面活性剤は市販品を使用することができ、具体的に例示すれば、オバゾリンLB(東邦化学社製)、アンホレックス50(ミヨシ油脂社製)、アンヒトール20HD(花王社製)等が挙げられる。本発明の洗浄剤組成物には、これら両性界面活性剤を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明の洗浄剤組成物において、成分(B)/成分(C)は1.0以下であることが好ましい。1.0を超えると、吐出された泡の大きさに均一性がなくなり、キメの細かいクリーミィな泡質が得られない。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子化合物(ノニオン性、アニオン性等を含む)、粉体(顔料、色素、樹脂等)、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0024】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0025】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N'-カルボキシメチル-
N'-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0026】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばモノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0027】
上記水溶性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0028】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0029】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0030】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロー
ル、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0031】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0032】
本発明の洗浄剤組成物は、洗顔、クレンジング、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング料、マッサージ料等の皮膚用洗浄剤として好適に使用できる。
【実施例】
【0033】
次に本発明の洗浄剤組成物について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0034】
実施例1~11及び比較例1~4
表1に示す組成の洗浄剤組成物を常法により調製した。泡質(クリーミィ性)、泡弾力、泡持続性、目詰まり性の結果は表1に併せて示した。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は質量%である。
【0035】
(1)泡質評価
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例の洗浄剤組成物を使用し、泡質(クリーミィ性)、泡弾力、泡持続性について官能評価により評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
【0036】
[泡質(クリーミィ性)]
◎:極めて良好 泡質(クリーミィ性)が良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 泡質(クリーミィ性)が良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満△:やや悪い 泡質(クリーミィ性)が良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満×:悪い 泡質(クリーミィ性)が良いと答えた被験者の数が4人未満
【0037】
[泡弾力]
◎:極めて良好 泡弾力が良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 泡弾力が良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 泡弾力が良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 泡弾力が良いと答えた被験者の数が4人未満
【0038】
[泡持続性]
◎:極めて良好 泡持続性が良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 泡持続性が良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 泡持続性が良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 泡持続性が良いと答えた被験者の数が4人未満
【0039】
(2)目詰まり性試験
実施例及び比較例の洗浄剤組成物を泡吐出容器に充填し、0℃で静置し、20回プッシュしたときの目詰まり性について、下記判断基準により評価を行った。
◎:2ヶ月間目詰まりなし
○:1ヶ月間目詰まりなし(2ヶ月後目詰まり有り)
△:2週間目詰まりなし(1ヶ月後目詰まり有り)
×:1週間目詰まりなし(2週間後目詰まり有り)
【0040】
【0041】
表1より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~11の洗浄剤組成物は比較例1~4の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0042】
以下、本発明の洗浄剤組成物のその他の処方例を実施例12として挙げる。なお、これらの実施例の洗浄剤組成物についても、上記の泡質(クリーミィ性)、泡弾力、泡持続性、目詰まり性の各項目を評価した。
【0043】
実施例12
(1)ラウリン酸カリウム 1.0
(2)ミリスチン酸カリウム 1.0
(3)ポリオキシエチレン(100)ラウリルエーテル 2.0
(4)ポリオキシエチレン(120)ラウリルエーテル 1.0
(5)ラウリルベタイン 5.0
(6)ラウロアンホ酢酸Na 5.0
(7)バラエキス 0.5
(8)サピンヅストリホリアツス果実エキス 0.5
(9)モモ葉エキス 0.5
(10)アロエベラ葉エキス 0.5
(11)N-アセチルグルコサミン 0.5
(12)カニナバラ果実エキス 0.5
(13)エデト酸二ナトリウム 0.5
(14)フェノキシエタノール 0.5
(15)DPG 0.5
(16)グリセリン 30.0
(17)ラウリルグルコシド 3.0
(18)香料 0.2
(19)精製水 残余
【0044】
常法により上記組成の洗浄剤組成物を調製し、初期の泡立ち、泡量、泡質(クリーミィ性)、低温安定性を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。