(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】自転車用バッテリユニットおよび自転車用バッテリユニットの取付構造
(51)【国際特許分類】
B62J 43/13 20200101AFI20220104BHJP
B62J 43/20 20200101ALI20220104BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20220104BHJP
【FI】
B62J43/13
B62J43/20
B62M6/90
(21)【出願番号】P 2017148110
(22)【出願日】2017-07-31
【審査請求日】2019-08-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】光安 建都
(72)【発明者】
【氏名】白井 豊土
(72)【発明者】
【氏名】三木 良晃
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-105759(JP,A)
【文献】特開2002-193165(JP,A)
【文献】特開平10-230882(JP,A)
【文献】特開昭55-007315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 43/00 - 43/30
B62M 6/40 - 6/75
B62M 6/90
H01M 50/249
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
回転軸線、操作部、および、係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材と、を含む自転車用バッテリユニットであって、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられ、
前記係合部が前記被係合部に係合した状態において、前記自転車用バッテリユニットが取り外される方向への力が加わると、前記係合部には前記被係合部に向かって押される力が与えら
れ、
前記自転車用バッテリユニットが取り外される方向への力は、前記自転車用バッテリユニットの自重による力を含む、自転車用バッテリユニット。
【請求項2】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
回転軸線、操作部、および、係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材と、を含み、
前記操作部は、前記ハウジングの長手方向に平行な前記回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられる、自転車用バッテリユニット。
【請求項3】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
前記ハウジングに設けられる操作部と、
前記操作部に連動する係合部と、を含み、
前記操作部は、前記ハウジングの長手方向に平行な回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成される、自転車用バッテリユニット。
【請求項4】
回転軸線、前記操作部、および、前記係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材を含み、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの前記第1操作位置と、前記第2操作位置との間で移動可能であり、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられる、
請求項3に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、
前記操作部および前記係合部は、前記第1端部に設けられる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項6】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
回転軸線、操作部、および、係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材と、を含み、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられ、
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、
前記操作部および前記係合部は、前記長手方向における前記第1端部の端面に設けられる、自転車用バッテリユニット。
【請求項7】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
前記ハウジングに設けられる操作部と、
前記操作部に連動する係合部と、を含み、
前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成され、
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、
前記操作部および前記係合部は、前記長手方向における前記第1端部の端面に設けられる、自転車用バッテリユニット。
【請求項8】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
回転軸線、操作部、および、係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材と、を含み、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられ、
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、
前記操作部および前記係合部は、前記ハウジングが前記自転車のフレームに取り付けられた状態において、前記自転車のバッテリ収容部の収容空間に収容されるように前記第1端部に設けられる、自転車用バッテリユニット。
【請求項9】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
前記ハウジングに設けられる操作部と、
前記操作部に連動する係合部と、を含み、
前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成され、
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、
前記操作部および前記係合部は、前記ハウジングが前記自転車のフレームに取り付けられた状態において、前記自転車のバッテリ収容部の収容空間に収容されるように前記第1端部に設けられる、自転車用バッテリユニット。
【請求項10】
回転軸線、前記操作部、および、前記係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材を含み、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの前記第1操作位置と、前記第2操作位置との間で移動可能であり、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられる、
請求項7または9に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項11】
前記係合部は、前記被係合部と接触可能なローラを含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項12】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
回転軸線、操作部、および、係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材と、を含み、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられ、
前記係合部は、前記被係合部と接触可能なローラを含む、自転車用バッテリユニット。
【請求項13】
バッテリセルが設けられるハウジングと、
前記ハウジングに設けられる操作部と、
前記操作部に連動する係合部と、を含み、
前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、
前記係合部は、
前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、
前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、
前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成され、
前記係合部は、前記被係合部と接触可能なローラを含む、自転車用バッテリユニット。
【請求項14】
回転軸線、前記操作部、および、前記係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材を含み、
前記操作部は、前記回転軸線まわりの前記第1操作位置と、前記第2操作位置との間で移動可能であり、
前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられる、
請求項13に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、
前記操作部および前記係合部は、前記第1端部に設けられる、
請求項12~14のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項16】
前記係合部は、前記被係合部と係合した状態で、前記ハウジングが前記被係合部に対して下方に移動することを規制し、前記係合部は、前記被係合部から離間した状態で、前記ハウジングが前記被係合部に対して下方に移動することを許容するように構成される、
請求項1~15のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項17】
前記第2操作位置から前記第1操作位置に向かう力を前記操作部に付与する付勢部をさらに含む、
請求項1~16のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項18】
前記操作部の移動をガイドするガイド部をさらに含む、
請求項1~17のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項19】
前記ガイド部は、第1凹部および第1凸部の一方を含み、
前記操作部は、前記第1凹部に嵌まる第2凸部、および、第1凸部に嵌まる第2凹部の一方をさらに含む、
請求項18に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項20】
前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第2端部を含み、
前記第2端部は、前記フレームに設けられる凸部および凹部の少なくとも一方に嵌まる凸部および凹部の少なくとも他方を含む、
請求項19に記載の自転車用バッテリユニット。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の自転車用バッテリユニットと、
前記自転車に設けられる前記被係合部と、を含む、自転車用バッテリユニットの取付構造。
【請求項22】
前記被係合部は、前記係合部を係合可能な凹部を含む、
請求項21に記載の自転車用バッテリユニットの取付構造。
【請求項23】
前記被係合部は、前記自転車のフレームのダウンチューブに設けられる、
請求項21または22に記載の自転車用バッテリユニットの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用バッテリユニットおよび自転車用バッテリユニットの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される自転車では、自転車のフレームに設けられる操作部を操作することによって、自転車用バッテリユニットをフレームから取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自転車では、ユーザが操作部を操作した場合、自転車用バッテリユニットの移動可能な方向に重力等の外部からの力がかっていると、自転車用バッテリユニットが意図せず移動してしまう場合がある。
【0005】
本発明の目的は、取り外しを安定して行うことができる自転車用バッテリユニットおよび自転車用バッテリユニットの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面に従う自転車用バッテリユニットの一形態は、バッテリセルが設けられるハウジングと、回転軸線、操作部、および、係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材と、を含み、前記操作部は、前記回転軸線まわりの第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、前記係合部は、前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられる。
上記第1側面に従えば、操作部が第1操作位置から第2操作位置に移動するとき、ユーザは自転車用バッテリユニットの操作部に触れている。このため、係合部が被係合部から離間しても自転車用バッテリユニットが移動しにくい。このため、自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。また、係合部が回転軸線と操作部との間に設けられるため、回転軸線と操作部との距離を一定とした場合に、係合部が回転軸線よりも操作部から遠くに設けられる構成と比較して、操作部材を小さくすることができる。
【0007】
本発明の第2側面に従う自転車用バッテリユニットの一形態は、バッテリセルが設けられるハウジングと、前記ハウジングに設けられる操作部と、前記操作部に連動する係合部と、を含み、前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、前記係合部は、前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から第2操作位置に移動するように構成される。
上記第2側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。また、例えば、ユーザが手で操作部を操作する場合、操作部が第2操作位置に位置するときにユーザの手がハウジングに近くなるため、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0008】
本発明の第3側面に従う自転車用バッテリユニットの一形態は、バッテリセルが設けられるハウジングと、前記ハウジングに設けられる操作部と、前記操作部に連動する係合部と、を含み、前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、前記係合部は、前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、前記操作部は、第1操作部、および、前記第1操作部とは別体で設けられる第2操作部を含む。
上記第3側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。また、例えば、操作部が第1操作部および第2操作部を含むため、ユーザが手で操作部を操作する場合、ユーザは複数の指を用いて操作部を操作する。このため、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0009】
本発明の第4側面に従う自転車用バッテリユニットの一形態は、バッテリセルが設けられるハウジングと、前記ハウジングに設けられる操作部と、前記操作部に連動する係合部と、を含み、前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、前記係合部は、前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、自転車に設けられる被係合部と係合し、前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記被係合部から離間するように構成され、前記ハウジングが前記自転車に取り付けられた状態において、前記係合部は、前記自転車の幅方向に移動可能に前記ハウジングに設けられる。
上記第4側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。また、係合部が自転車の幅方向に移動可能なため、操作部が第1操作位置にある場合に、自転車用バッテリユニットの自転車の幅方向と交差する方向への移動を好適に規制できる。
【0010】
前記第2~第4側面のいずれか1つに従う第5側面の自転車用バッテリユニットにおいて、回転軸線、前記操作部、および、前記係合部を有し、前記回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材を含み、前記操作部は、前記回転軸線まわりの前記第1操作位置と、前記第2操作位置との間で移動可能であり、前記回転軸線と前記操作部との間に前記係合部が設けられる。
上記第5側面に従えば、係合部が回転軸線と操作部との間に設けられるため、回転軸線と操作部との距離を一定とした場合に、係合部が回転軸線よりも操作部から遠くに設けられる構成と比較して、操作部材を小さくすることができる。
【0011】
前記第3または第4側面に従う第6側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成される。
上記第6側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0012】
前記第4側面に従う第7側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部は、第1操作部、および、前記第1操作部とは別体で設けられる第2操作部を含む。
上記第7側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0013】
前記第7側面に従う第8側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成される。
上記第8側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0014】
前記第6~第8側面のいずれか1つに従う第9側面の自転車用バッテリユニットにおいて、回転軸線、前記操作部、および、前記係合部を有し、回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる操作部材を含み、前記操作部は、前記回転軸線まわりの前記第1操作位置と、前記第2操作位置との間で移動可能であり、前記回転軸線と前記操作部材との間に前記係合部が設けられる。
上記第9側面に従えば、係合部が回転軸線と操作部との間に設けられるため、回転軸線と操作部との距離を一定とした場合に、係合部が回転軸線よりも操作部から遠くに設けられる構成と比較して、操作部を小さくすることができる。
【0015】
前記第1~第9側面のいずれか1つに従う第10側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記係合部は、前記被係合部と係合した状態で、前記ハウジングが前記被係合部に対して下方に移動することを規制し、前記係合部は、前記被係合部から離間した状態で、前記ハウジングが前記被係合部に対して下方に移動することを許容するように構成される。
上記第10側面に従えば、自転車用バッテリユニットを下方に移動させて取り外すことができるため、ユーザが自転車用バッテリユニットを持ち上げずに簡単に取り外すことができる。
【0016】
本発明の第11側面に従う自転車用バッテリユニットの一形態は、バッテリセルが設けられるハウジングと、前記ハウジングに設けられる操作部と、前記操作部に連動し、自転車の被係合部と係合可能な係合部と、を含み、前記操作部は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能であり、前記被係合部は、第1被係合部および第2被係合部を含み、前記係合部は、第1係合部および第2係合部を含み、前記第1係合部は、前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、前記自転車に設けられる第1被係合部と係合し、前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記第1被係合部から離間するように構成され、前記第2係合部は、前記操作部が前記第1操作位置に位置する場合に、前記自転車に設けられる第2被係合部と係合し、前記操作部が前記第2操作位置に位置する場合に、前記第2被係合部から離間するように構成され、前記操作部が前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動する場合に、前記第1係合部および前記第2係合部の相対位置が変化する。
上記第11側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。また、第1係合部および第2係合部の相対位置を変化させるために第1係合部および第2係合部が異なる方向に移動する。このため、自転車用バッテリユニットを自転車に安定して取り付けることができる。
【0017】
前記第11側面に従う第12側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部は、押されることによって前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動するように構成される。
上記第12側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0018】
前記第11または第12側面に従う第13側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記ハウジングが前記自転車に取り付けられた状態において、前記係合部は、前記自転車の幅方向に移動可能に前記ハウジングに設けられる。
上記第13側面に従えば、操作部が第1操作位置にある場合に、自転車用バッテリユニットの自転車の幅方向と交差する方向への移動を好適に規制できる。
【0019】
前記第11~第13側面のいずれか1つに従う第14側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部は、第1操作部、および、前記第1操作部とは別体で設けられる第2操作部を含み、前記第1係合部は、前記第1操作部に連動し、前記第2係合部は、前記第2操作部に連動する。
上記第14側面に従えば、ユーザが第1操作部および第2操作部のそれぞれを操作することによって自転車用バッテリユニットを自転車から取り外せるようになるため、自転車用バッテリユニットの取り外しをより安定して行うことができる。
【0020】
前記第11~第14側面のいずれか1つに従う第15側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部が前記第1操作位置から前記第2操作位置に移動する場合に、前記第1係合部および前記第2係合部は互いに近づき、前記操作部が前記第2操作位置から前記第1操作位置に移動する場合に、前記第1係合部および前記第2係合部は互いに離れる。
上記第15側面に従えば、第1係合部および第2係合部の間の相対位置を変化させるために第1係合部および第2係合部が反対方向に移動する。このため、自転車用バッテリユニットを自転車に安定して取り付けることができる。
【0021】
前記第14側面に従う第16側面の自転車用バッテリユニットにおいて、第1回転軸線、前記第1操作部、および、前記第1係合部を有し、前記第1回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる第1操作部材と、第2回転軸線、前記第2操作部、および、前記第2係合部を有し、前記第2回転軸線まわりに移動可能に前記ハウジングに設けられる第2操作部材と、を含み、前記第1操作部は、前記第1回転軸線まわりの第3操作位置と、第4操作位置との間で移動可能であり、前記第2操作部は、前記第2回転軸線まわりの第5操作位置と、第6操作位置との間で移動可能であり、前記第1回転軸線と前記第1操作部との間に前記第1係合部が設けられ、前記第2回転軸線と前記第2操作部との間に前記第2係合部が設けられる。
上記第16側面に従えば、第1係合部が第1回転軸線と第1操作部との間に設けられるため、第1回転軸線と第1操作部との距離を一定とした場合に、係合部が回転軸線よりも操作部から遠くに設けられる構成と比較して、第1操作部材を小さくすることができる。第2係合部が第2回転軸線と第2操作部との間に設けられるため、第2回転軸線と第2操作部との距離を一定とした場合に、係合部が回転軸線よりも操作部から遠くに設けられる構成と比較して、第2操作部材を小さくすることができる。
【0022】
前記第16側面に従う第17側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記第1操作部が前記第3操作位置から前記第4操作位置に移動し、前記第2操作部が前記第5操作位置から前記第6操作位置に移動する場合に、前記第1係合部および前記第2係合部は互いに近づき、前記第1操作部が前記第4操作位置から前記第3操作位置に移動し、前記第2操作部が前記第6操作位置から前記第5操作位置に移動する場合に、前記第1係合部および前記第2係合部は互いに離れる。
上記第17側面に従えば、第1係合部および第2係合部の間の相対位置を変化させるために第1係合部および第2係合部が反対方向に移動する。このため、自転車用バッテリユニットを自転車に安定して取り付けることができる。
【0023】
前記第11~第17側面のいずれか1つに従う第18側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記第1係合部は、前記第1被係合部と係合した状態で、前記ハウジングが前記第1被係合部に対して下方に移動することを規制し、前記第1被係合部から離間した状態で、前記ハウジングが前記第1被係合部に対して下方に移動することを許容するように構成され、前記第2係合部は、前記第2被係合部と係合した状態で、前記ハウジングが前記第2被係合部に対して下方に移動することを規制し、前記第2被係合部から離間した状態で、前記ハウジングが前記第2被係合部に対して下方に移動することを許容するように構成される。
上記第18側面に従えば、ユーザが自転車用バッテリユニットを持ち上げずに簡単に取り外すことができる。
【0024】
前記第7、第8、および、第14~第18側面のいずれか1つに従う第19側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記第1操作部と前記第2操作部とは、所定の平面に関して対称に設けられる。
上記第19側面に従えば、第1係合部および第2係合部を操作し易くすることができる。
【0025】
前記第1~第19側面のいずれか1つに従う第20側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記第2操作位置から前記第1操作位置に向かう力を前記操作部に付与する付勢部をさらに含む。
上記第20側面に従えば、操作部が操作されていない場合に操作部は第1操作位置に維持される。
【0026】
前記第1~第20側面のいずれか1つに従う第21側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記操作部の移動をガイドするガイド部をさらに含む。
上記第21側面に従えば、ガイド部によって操作部が予め定められる軌跡に沿って移動する。
【0027】
前記第21側面に従う第22側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記ガイド部は、第1凹部および第1凸部の一方を含み、前記操作部は、前記第1凹部に嵌まる第2凸部、および、第1凸部に嵌まる第2凹部の一方をさらに含む。
上記第22側面に従えば、第1凹部および第1凸部の一方を、第2凸部および第2凹部の一方に嵌め込むことによって簡単な構成で操作部の移動をガイドすることができる。
【0028】
前記第1~第22側面のいずれか1つに従う第23側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記係合部は、前記被係合部と接触可能なローラを含む。
上記第23側面に従えば、操作部が第1操作位置と第2操作位置との間で移動するときに、ローラが回転することによって係合部が被係合部からスムーズに離脱させることができ、また、係合部を被係合部にスムーズに係合させることができる。
【0029】
前記第1~第23側面のいずれか1つに従う第24側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記ハウジングは、前記自転車のフレームに取り付けられた状態において前記フレームの長手方向における第1端部を含み、前記操作部および前記係合部は、前記第1端部に設けられる。
上記第24側面に従えば、ハウジングの第1端部をフレームの被係合部に係合させることができる。
【0030】
前記第24側面に従う第25側面の自転車用バッテリユニットにおいて、前記ハウジングは、前記フレームに取り付けられた状態において前記長手方向における第2端部を含み、前記第2端部は、前記フレームに設けられる凸部および凹部の少なくとも一方に嵌まる凸部および凹部の少なくとも他方を含む。
上記第25側面に従えば、ハウジングの第2端部をフレームに設けられる凸部および凹部の少なくとも一方に嵌め込むことによって、ハウジングの第2端部をフレームに係合させることができる。
【0031】
本発明の第26側面に従う自転車用バッテリユニットの取付構造の一形態は、前記第1~第25側面のいずれか1つに従う自転車用バッテリユニットと、前記自転車に設けられる前記被係合部と、を含む。
上記第26側面に従えば、自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。
【0032】
前記第26側面に従う第27側面の自転車用バッテリユニットの取付構造において、前記被係合部は、前記係合部を係合可能な凹部を含む。
上記第27側面に従えば、係合部を被係合部に含まれる凹部に嵌め込むことによって、自転車用バッテリユニットを自転車に安定して取り付けることができる。
【0033】
前記第26または第27側面に従う第28側面の自転車用バッテリユニットの取付構造において、前記被係合部は、前記自転車のフレームのダウンチューブに設けられる。
上記第28側面に従えば、ダウンチューブに取り付けられる自転車用バッテリユニットの取り外しを安定して行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の自転車用バッテリユニットおよび自転車用バッテリユニットの取付構造は、取り外しを安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第1実施形態の自転車用バッテリユニットを含む自転車の側面図。
【
図2】
図1の自転車用バッテリユニットの取付構造を示す部分断面図。
【
図3】
図2の自転車用バッテリユニットの第1の斜視図。
【
図4】
図2の自転車用バッテリユニットの第2の斜視図。
【
図5】
図2の自転車用バッテリユニットの第1端部の平面図。
【
図6】
図2の自転車用バッテリユニットの第2支持部分を外した状態の支持部の平面図。
【
図7】
図2の自転車用バッテリユニットの第1支持部分を外した状態の支持部の平面図。
【
図15】第2実施形態の自転車用バッテリユニットの第2支持部分を外した状態の支持部の平面図。
【
図16】第3実施形態の自転車用バッテリユニットの第2支持部分を外した状態の支持部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1実施形態)
図1を参照して、自転車用バッテリユニット50を含む自転車10について説明する。以下、自転車用バッテリユニットを、単にバッテリユニットと記載する。自転車10は、マウンテンバイクであってもよく、ロードバイクであってもよく、シティバイクであってもよい。また、自転車10は、三輪車であってもよく、カーゴバイクであってもよい。
【0037】
自転車10は、フレーム12、フロントフォーク14、前輪16A、後輪16B、および、ハンドル18をさらに含む。フレーム12は、ヘッドチューブ12A、トップチューブ12B、ダウンチューブ12C、シートチューブ12E、シートステー12F、および、チェーンステー12Gを含む。
【0038】
自転車10は、バッテリ取付部22をさらに含む。バッテリ取付部22は、自転車10のフレーム12に設けられる。一例では、バッテリ取付部22は、フレーム12の一部を構成する。
図1に示される例では、バッテリ取付部22は、ダウンチューブ12Cの一部を構成する。ダウンチューブ12Cは、ヘッドチューブ12Aに連結される連結部12Dと、バッテリ取付部22とを含む。一例では、バッテリ取付部22の一方の端部が連結部12Dと接続され、バッテリ取付部22の他方の端部がシートチューブ12Eと接続される。バッテリ取付部22とシートチューブ12Eとの間には、ドライブユニットが取り付けられるドライブユニット装着部が設けられてもよい。連結部12Dは、バッテリ取付部22に一体成形されていてもよく、バッテリ取付部22とは別体で形成され、溶接または接着等によって一体に接合されていてもよい。バッテリ取付部22は、フレーム12とは別体に設けられてもよい。
【0039】
図2に示されるとおり、バッテリ取付部22は、バッテリ収容部26を含む。バッテリ収容部26の材料は、金属または繊維強化樹脂を含む。一例では、バッテリ収容部26は、少なくともフレーム12のうちバッテリ収容部26に連結されている部分と同じ材料によって形成されることが好ましい。バッテリ収容部26は、バッテリユニット50を収容する収容空間26Aを形成する。バッテリ収容部26は、例えば、フレーム12の延びる方向に延びる。バッテリ収容部26の外観形状は、自転車10の種類およびフレーム12の形状等に合わせて任意にデザインされることが好ましい。
【0040】
バッテリ収容部26は、開口26Bをさらに含む。開口26Bは、例えば自転車10が平地に置かれた状態で下方に開口するように、バッテリ収容部26に形成されている。開口26Bは、バッテリ収容部26の収容空間26Aと繋がっている。開口26Bは、バッテリユニット50を収容空間26Aに挿入可能な大きさに形成される。バッテリユニット50は、開口26Bを介して収容空間26Aに収容され、バッテリ取付部22に取り付けられる。
【0041】
自転車10は、バッテリユニット50の取付構造30を含む。取付構造30は、バッテリユニット50と、自転車10に設けられる被係合部32(図10参照)と、を含む。取付構造30は、カバーを含んでもよい。取付構造30がカバーを含む場合、バッテリユニット50のハウジング52は、カバーを取り付け可能なカバー取付部をさらに含むことが好ましい。カバーは、バッテリユニット50がバッテリ収容部26の収容空間26Aに収容された状態で、開口26Bを覆う。バッテリユニット50はバッテリ収容部26およびカバーによって外部から保護される。
【0042】
図2および
図10に示されるとおり、被係合部32は、自転車10に設けられる。被係合部32は、自転車10のフレーム12のダウンチューブ12Cに設けられる。具体的には、取付構造30は、バッテリホルダ34およびブラケット36をさらに含む。被係合部32が設けられるブラケット36は、ダウンチューブ12Cに取り付けられる。バッテリホルダ34は、例えばバッテリ収容部26の長手方向の一方の端部に設けられる。ブラケット36は、バッテリ収容部26の長手方向の他方の端部に設けられる。バッテリホルダ34は、バッテリ収容部26の下方側の端部に設けられ、ブラケット36は、バッテリ収容部26の上方側の端部に設けられることが好ましい。
【0043】
図2に示されるとおり、ブラケット36は、第1部分37Aと、第2部分37Bとを有する。第1部分37Aは、
図10に示されるとおり、バッテリユニット50の長手方向に垂直な断面がU字形状となるように構成されている。
図2に示されるとおり、第2部分37Bは、第1部分37Aのバッテリユニット50の長手方向の一方に設けられている。第1部分37Aと第2部分37Bとは一体成形されていてもよい。
図10に示されるとおり、被係合部32は、バッテリユニット50の係合部58を係合可能な凹部32Aを含む。被係合部32は、第1被係合部40および第2被係合部42を含む。第1被係合部40は、自転車10に設けられる。第2被係合部42は、自転車10に設けられる。第1被係合部40は、ブラケット36のうちの幅方向の一方の端部(
図10では、自転車10の右側の端部)に設けられる。第2被係合部42は、ブラケット36のうちの幅方向の他方の端部(
図10では、自転車10の左側の端部)に設けられる。第1被係合部40は、バッテリユニット50の第1係合部94を係合可能な凹部40Aを含む。第2被係合部42は、バッテリユニット50の第2係合部96を係合可能な凹部42Aを含む。第1被係合部40および第2被係合部42は、ブラケット36の第1部分37Aに設けられる。第1被係合部40および第2被係合部42は、ブラケット36の第1部分37Aのうち、相互に向き合う部分に設けられる。第1被係合部40は、係合部58が係合した状態で、バッテリユニット50の長手方向に垂直かつ幅方向に垂直な方向、およびバッテリユニット50の幅方向の外側への係合部58の移動を規制することができるように構成されることが好ましい。第2被係合部42は、係合部58が係合した状態で、バッテリユニット50の長手方向に垂直かつ幅方向に垂直な方向、およびバッテリユニット50の幅方向の外側への係合部58の移動を規制することができるように構成されることが好ましい。ブラケット36は、第1被係合部40および第2被係合部42に係合部を案内する第1案内面36Aを含む。第1案内面36Aは、第1部分37Aの被係合部40,42よりもフレーム12の開口26Bに近い部分に設けられている。ブラケット36の第2部分37Bは、ブラケット36にバッテリユニット50が取り付けられた状態で、バッテリユニット50がバッテリユニット50の長手方向への移動することを規制する。バッテリユニット50がブラケット36に取り付けられている状態で、第2部分37Bは、フレーム12の開口26Bに向かってバッテリユニット50から遠ざかる方向に傾斜する傾斜面37C(
図2参照)を有する。ブラケット36の第1部分37Aは、ブラケット36にバッテリユニット50が取り付けられた状態で、バッテリユニット50がバッテリ収容部26の開口26Bとは反対側の方向への移動することを規制する。ブラケット36の第1部分37Aは、フレーム12の開口26Bに向かってバッテリユニット50の幅方向に広がる傾斜面(図示しない)を含んでいてもよい。
【0044】
バッテリユニット50は、バッテリ取付部22に取り付けられた状態で、自転車10に含まれる電気的な要素に電力を供給可能である。自転車10に含まれる電気的な要素は、電動コンポーネントを含む。電動コンポーネントは、ドライブユニット、電動変速機、電動サスペンション、電動シートポスト、表示装置、サイクルコンピュータ、ランプ、および、電動操作装置のうちの少なくとも1つを含む。ドライブユニットは、自転車10の推進をアシストするモータを含む。
【0045】
一例では、バッテリユニット50は、少なくともハウジング52と、操作部材54とを含む。一例では、バッテリユニット50は、少なくともハウジング52と、操作部56と、係合部58とを含む。バッテリユニット50は、バッテリセル60(
図2参照)、および、制御部62(
図2参照)、コネクタ64(図
4参照)、付勢部66、ガイド部68、および、弾性部材70をさらに含む。
【0046】
図2に示されるとおり、バッテリセル60および制御部62は、ハウジング52に設けられる。バッテリセル60は、1つでもよく、複数であってもよい。バッテリセル60は、例えば円柱形状を有する。バッテリセル60は、充電池を含む。バッテリセル60は、好ましくはリチウムイオン電池を含む。
【0047】
制御部62は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部62は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部62は、記憶部をさらに含む。記憶部は、不揮発性メモリを含む。制御部62は、通信部をさらに含んでいてもよい。通信部は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)を行うための通信回路を含む。
【0048】
ハウジング52は、第1端部74、および、第2端部76を含む。ハウジング52の材料は、樹脂材料を含む。ハウジング52は、略直方体形状に形成されている。ハウジング52は、長手方向を有する。ハウジング52の長手方向は、バッテリユニット50が自転車10のフレーム12に取り付けられた状態において、フレーム12の長手方向と一致する。バッテリセル60および制御部62は、ハウジング52に収容される。第1端部74は、自転車10のフレーム12に取り付けられた状態においてフレーム12の長手方向におけるハウジング52の一方の端部である。第2端部76は、自転車10のフレーム12に取り付けられた状態においてフレーム12の長手方向におけるハウジング52の他方の端部である。第2端部76は、フレーム12に設けられる凸部および凹部の少なくとも一方に嵌まる凸部および凹部の少なくとも他方を含む。本実施形態では、第2端部76は、フレーム12に設けられる凸部46Aに嵌まる凹部76Aを含む。
【0049】
図4に示されるとおり、コネクタ64は、ハウジング52に設けられる。コネクタ64は、ハウジング52の第2端部76に設けられる。コネクタ64は、1つ以上の電気端子を含む。コネクタ64は、凸部または凹部を含む。コネクタ64は、バッテリセル60(
図2参照)に電気的に接続される。コネクタ64とバッテリセル60とは、電線によって接続される。コネクタ64は、制御部62(
図2参照)と電気的に接続される。コネクタ64と制御部62とは、電線によって接続される。制御部62が電線によって電力線通信を行う場合には、電線は、電力通信線を含む。
【0050】
図3に示されるとおり、操作部56は、ハウジング52に設けられる。操作部56および係合部58は、第1端部74に設けられる。具体的には、操作部56および係合部58を有する操作部材54を支持する支持部80が第1端部74に取り付けられる。支持部80は、ハウジング52の長手方向において第1端部74の端面に取り付けられる。支持部80には、操作部材54、第1支持部分82、第2支持部分84、付勢部66(図
6参照)、ガイド部68(図
6参照)、および、弾性部材70が設けられる。
【0051】
バッテリユニット50の幅方向において、第1支持部分82は、第2支持部分84よりも大きい。第1支持部分82と第2支持部分84とは、ハウジング52の長手方向において互いに重ね合わせられる。ハウジング52の長手方向において第1支持部分82のうちの第2支持部分84に重ならない部分には、1つ以上の孔82A(
図6参照)が形成されている。孔82Aには、ボルトBが挿入される。ボルトBが孔82Aに挿入され、ハウジング52の第1端部74に設けられるねじ孔に挿入されることによって、支持部80が第1端部74に取り付けられる。支持部80には、弾性部材70が取り付けられる。弾性部材70は、例えばゴムを含む。弾性部材70は、支持部80のうちのブラケット36と対向する部分に取り付けられる。支持部80は、バッテリユニット50の長手方向に垂直かつ幅方向に垂直な方向のうち、バッテリ収容部26の開口26Bとは反対側の方向と、バッテリユニット50の幅方向と、バッテリユニット50の長手方向のうち第2端部から第1端部に向かう方向との少なくとも1つにおいて、ブラケット36と対向するように構成される。弾性部材70は、バッテリユニット50をブラケット36に取り付けた状態で、ブラケット36に接触し、支持部80とブラケット36との間に挟まれるように構成される。
【0052】
図6に示されるとおり、操作部材54は、回転軸線C、操作部56、および、係合部58を有する。一例では、操作部材54は、回転軸線Cを有する軸受部86をさらに含む。操作部材54は、回転軸線Cまわりに移動可能にハウジング52に設けられる。操作部材54の少なくとも一部は、第1支持部分82と、第2支持部分84との間に挟み込まれる。操作部材54の少なくとも一部は、支持部80の第1支持部分82と、第2支持部分84との間に形成される空間に収容される。
【0053】
図8および
図9に示されるとおり、操作部材54は、第1端部54A、第2端部54B、および、第1端部54Aと第2端部54Bとの間の中間部54Cを含む。軸受部86は、操作部材54のうちの第1端部54Aに設けられる。軸受部86には、孔86Aが形成されている。孔86Aの中心軸は、回転軸線Cと一致する。軸受部86に形成される孔86Aには、軸部材88が挿入される。軸部材88は、第1支持部分82と第2支持部分84とに回転不能に支持される。軸受部86は、軸部材88に回転可能に支持される。軸部材88は、軸受部86を回転不能に支持し、第1支持部分82および第2支持部分84に回転可能に支持されてもよい。軸部材88は、軸受部86を回転可能に支持し、第1支持部分82および第2支持部分84に回転可能に支持されてもよい。軸部材88の中心軸は、回転軸線Cと一致する。軸受部86と軸部材88とは、一体成形されていてもよい。回転軸線Cは、ハウジング52の長手方向に平行に延びていることが好ましい。
【0054】
図10および
図11に示されるとおり、操作部56は、回転軸線Cまわりの第1操作位置P1と、第2操作位置P2との間で移動可能である。操作部56は、操作部材54のうちの第2端部54Bに設けられる。操作部56は、ユーザが操作可能に構成される。
図8および
図9に示されるとおり、操作部材54は、中間部54Cから第1端部54Aまでの第1部分54Dと、中間部54Cから第2端部54Bまでの第2部分54Eとを含む。操作部材54は、回転軸線C方向から見て、中間部54Cで折れ曲がった形状を有する。第1部分54Dの延びる方向と第2部分54Eの延びる方向とが所定角度を形成する。所定角度は、0°よりも大きく、90°以下に選ばれることが好ましい。操作部56に含まれる第2端部54Bは、第2支持部分84からバッテリユニット50の幅方向の外側に突出する。操作部56は、第1操作位置P1にあるとき、第2操作位置P2にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。
【0055】
係合部58は、回転軸線Cと操作部56との間に設けられる。係合部58は、操作部材54のうちの第1端部54Aと第2端部54Bとの間の部分に設けられる。係合部58は、操作部材54のうちの第1部分54Dに設けられる。操作部56が第1操作位置P1にあるとき、係合部58は、回転軸線Cに平行な方向から見て、バッテリユニット50の幅方向において、回転軸線Cからオフセットした位置に配置されるよう操作部材54に設けられている。本実施形態では、係合部58は、操作部材54のうちのバッテリユニット50の幅方向の外側の部分に設けられている。ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、係合部58は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。
図12に示されるとおり、係合部58は、回転軸線Cに平行な方向から見て、所定の領域Rに位置する。所定の領域Rは、回転軸線Cに平行な方向から見て、第1仮想線A1と第2仮想線A2との間の領域を含む。第1仮想線A1は、回転軸線Cと操作部56のうちの回転軸線Cから最も離間した点とを結ぶ直線Lに垂直で、回転軸線Cを通る。第2仮想線A2は、直線Lに垂直で、操作部56のうち回転軸線Cから最も離間した点を通る。本実施形態において、軸受部86、操作部56、および、係合部58は、回転軸線C方向に垂直な方向から見て、少なくとも一部分が重なるように配置されている。軸受部86、操作部56、および、係合部58の少なくとも1つは、回転軸線C方向に垂直な方向から見て、軸受部86、操作部56、および、係合部58のうちの他のものと重ならないように配置されていてもよい。操作部材54は、操作部56が第1操作位置P1にあるときおよび第2操作位置P2にあるときのいずれの場合においても、回転軸線Cに平行な方向から見て、ハウジング52の外周縁の範囲内に設けられていることが好ましい。
【0056】
図10および
図11に示されるとおり、係合部58は、被係合部32と係合可能である。係合部58は、被係合部32と接触可能なローラ58Aを含む。係合部58は、操作部56に連動する。係合部58は、操作部56が第1操作位置P1に位置する場合に、被係合部32と係合するように構成される。係合部58は、操作部56が第2操作位置P2に位置する場合に、被係合部32から離間するように構成される。係合部58は、被係合部32と係合した状態で、ハウジング52が被係合部32に対して下方に移動することを規制するように構成される。係合部58は、被係合部32から離間した状態で、ハウジング52が被係合部32に対して下方に移動することを許容するように構成される。係合部58は、操作部56が第1操作位置P1にあるとき、操作部56が第2操作位置P2にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。ローラ58Aは、回転軸線Cに平行な軸線まわりに回転可能に構成されている。操作部材54の第1部分54Dには、ローラ58Aを支持する支持軸が設けられている。ローラ58Aと支持軸との間には、スリーブまたはベアリングが設けられていてもよい。
【0057】
付勢部66は、第2操作位置P2から第1操作位置P1に向かう力を操作部56に付与する。付勢部66は、例えば、ばねを含む。ばねは、例えば、コイルばね、板ばねなどを含む。付勢部66がコイルばねを含む場合、コイルばねは、軸受部86に巻き掛けられる。コイルばねの一端部は操作部材54に接触し、他端部は支持部80に接触する。操作部56に外部からの力が付与されていない状態では、付勢部66は操作部56を第1操作位置P1に保持する。
【0058】
操作部56は、第1操作部90、および、第1操作部90とは別体で設けられる第2操作部92を含む。第1操作部90と第2操作部92とは、所定の平面に関して対称に設けられる。所定の平面は、第1操作部90と第2操作部92とは、バッテリユニット50の長手方向と平行し、かつ、バッテリユニット50の幅方向と直交することが好ましい。所定の平面は、さらにバッテリユニット50の幅方向の中心を通ることが好ましい。係合部58は、第1係合部94および第2係合部96を含む。回転軸線Cは、第1回転軸線C1および第2回転軸線C2を含む。第1操作位置P1は、第3操作位置P3および第5操作位置P5を含む。第2操作位置P2は、第4操作位置P4および第6操作位置P6を含む。軸受部86は、第1軸受部98と、第2軸受部100とを含む。操作部材54は、第1操作部材102と、第2操作部材104と、を含む。付勢部66は、第1付勢部66Aおよび第2付勢部66Bを含む。軸部材88は、第1軸部材88Aおよび第2軸部材88Bを含む。バッテリユニット50は、第1操作部材102と、第2操作部材104と、を含む。第1操作部材102と第2操作部材104とは、所定の平面に関して対称に設けられる。第1操作部材102と第2操作部材104とは、所定の平面に関して面対称の形状を有する。
【0059】
図3に示されるとおり、第1操作部90は、ハウジング52に設けられる。第1操作部90および第1係合部94は、第1端部74に設けられる。具体的には、第1操作部90および第1係合部94を有する第1操作部材102を支持する支持部80が、ハウジング52の第1端部74に取り付けられる。支持部80には、第1操作部材102、第1支持部分82、第2支持部分84、第1付勢部66A、第1ガイド部68A、第2ガイド部68B、および、弾性部材70が設けられる。
【0060】
図6に示されるとおり、第1操作部材102は、第1回転軸線C1、操作部56、および、第1係合部94を有する。一例では、第1操作部材102は、第1軸受部98をさらに含む。第1操作部材102は、第1回転軸線C1まわりに移動可能にハウジング52に設けられる。第1操作部材102の少なくとも一部は、第1支持部分82と、第2支持部分84との間に挟み込まれる。第1操作部材102の少なくとも一部は、第1支持部分82と第2支持部分84との間に形成される空間に収容される。
【0061】
図8に示されるとおり、第1操作部材102は、第1端部102A、第2端部102B、および、第1端部102Aと第2端部102Bとの間の中間部102Cを含む。第1軸受部98は、第1操作部材102のうちの第1端部102Aに設けられる。第1軸受部98には、孔98Aが形成されている。孔98Aの中心軸は、第1回転軸線C1と一致する。第1軸受部98に形成される孔98Aには、第1軸部材88Aが挿入される。第1軸部材88Aは、第1支持部分82と第2支持部分84とに回転不能に支持される。第1軸受部98は、第1軸部材88Aに回転可能に支持される。第1軸部材88Aは、第1軸受部98を回転不能に支持し、第1支持部分82および第2支持部分84に回転可能に支持されてもよい。第1軸部材88Aの中心軸は、第1回転軸線C1と一致する。第1軸受部98と第1軸部材88Aとは、一体成形されていてもよい。第1回転軸線C1は、ハウジング52の長手方向に平行に延びていることが好ましい。
【0062】
図10および
図11に示されるとおり、第1操作部90は、第1回転軸線C1まわりの第3操作位置P3と、第4操作位置P4との間で移動可能である。第1操作部90は、第1操作部材102のうちの第2端部102Bに設けられる。第1操作部90は、ユーザが操作可能に構成される。
図8に示されるとおり、第1操作部材102は、中間部102Cから第1端部102Aまでの第1部分102Dと、中間部102Cから第2端部102Bまでの第2部分102Eとを含む。第1操作部材102は、第1回転軸線C1方向から見て、中間部102Cで折れ曲がった形状を有する。第1部分102Dの延びる方向と第2部分102Eの延びる方向とが所定角度を形成する。所定角度は、0°よりも大きく、90°以下に選ばれることが好ましい。第1操作部90に含まれる第2端部102Bは、第2支持部分84からバッテリユニット50の幅方向の外側に突出する。第1操作部90は、第3操作位置P3にあるとき、第4操作位置P4にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。
【0063】
第1係合部94は、第1回転軸線C1と第1操作部90との間に設けられる。第1係合部94は、第1操作部材102のうちの第1端部102Aと第2端部102Bとの間に設けられる。第1係合部94は、第1操作部材102のうちの第1部分102Dに設けられる。第1操作部90が第3操作位置P3にあるとき、第1係合部94は、第1回転軸線C1に平行な方向から見て、バッテリユニット50の幅方向において、第1回転軸線C1からオフセットした位置に配置されるように第1操作部材102に設けられている。本実施形態では、第1係合部94は、第1操作部材102のうちのバッテリユニット50の幅方向の外側の部分に設けられている。ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、第1係合部94は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。
図12に示されるとおり、第1係合部94は、第1回転軸線C1に平行な方向から見て、所定の領域Rに位置する。本実施形態において、第1軸受部98、第1操作部90、および、第1係合部94は、第1回転軸線C1方向に垂直な方向から見て、少なくとも一部分が重なるように配置されている。第1軸受部98、第1操作部90、および、第1係合部94の少なくとも1つは、第1回転軸線C1方向に垂直な方向から見て、第1軸受部98、第1操作部90、および、第1係合部94のうちの他のものと重ならないように配置されていてもよい。第1操作部材102は、第1操作部90が第3操作位置P3にあるときおよび第4操作位置P4にあるときのいずれにおいても、第1回転軸線C1に平行な方向から見て、ハウジング52の外周縁の範囲内に設けられていることが好ましい。
【0064】
図10および
図11に示されるとおり、第1係合部94は、第1被係合部40と係合可能である。第1係合部94は、第1被係合部40と接触可能なローラ94Aを含む。第1係合部94は、第1操作部90に連動する。第1係合部94は、第1操作部90が第3操作位置P3に位置する場合に、第1被係合部40と係合する。第1係合部94は、第1操作部90が第4操作位置P4に位置する場合に、第1被係合部40から離間するように構成される。第1係合部94は、第1被係合部40と係合した状態で、ハウジング52が第1被係合部40に対して下方に移動することを規制するように構成される。第1係合部94は、第1被係合部40から離間した状態で、ハウジング52が第1被係合部40に対して下方に移動することを許容するように構成される。第1係合部94は、第1操作部90が第3操作位置P3にあるとき、第1操作部90が第4操作位置P4にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。ローラ94Aは、第1回転軸線C1に平行な軸線回りに回転可能に構成されている。第1操作部材102の第1部分102Dには、ローラ94Aを支持する支持軸が設けられている。ローラ94Aと支持軸との間には、スリーブまたはベアリングが設けられていてもよい。
【0065】
第1付勢部66Aは、第4操作位置P4から第3操作位置P3に向かう力を第1操作部90に付与する。第1付勢部66Aは、例えば、ばねを含む。ばねは、例えば、コイルばね、板ばねなどを含む。第1付勢部66Aがコイルばねを含む場合、コイルばねは、第1軸受部98に巻き掛けられる。コイルばねの一端部は、第1操作部材102に接触し、他端部は支持部80に接触する。第1操作部90に外部からの力が付与されていない状態では、第1付勢部66Aは第1操作部90を第3操作位置P3に保持する。
【0066】
図3に示されるとおり、第2操作部92は、ハウジング52に設けられる。第2操作部92および第2係合部96は、第1端部74に設けられる。具体的には、第2操作部92および第2係合部96を有する第2操作部材104を支持する支持部80が、ハウジング52の第1端部74に取り付けられる。支持部80には、第2操作部材104、第1支持部分82、第2支持部分84、第2付勢部66B、第1ガイド部68A、第2ガイド部68B、および、弾性部材70が設けられる。
【0067】
図6に示されるとおり、第2操作部材104は、第2回転軸線C2、第2操作部92、および、第2係合部96を有する。一例では、第2操作部材104は、第2軸受部100をさらに含む。第2操作部材104は、第2回転軸線C2まわりに移動可能にハウジング52に設けられる。第2操作部材104の少なくとも一部は、第1支持部分82と、第2支持部分84との間に挟み込まれる。第2操作部材104の少なくとも一部は、第1支持部分82と第2支持部分84との間に形成される空間に収容される。
【0068】
図9に示されるとおり、第2操作部材104は、第1端部104A、第2端部104B、および、第1端部104Aと第2端部104Bとの間の中間部104Cを含む。第2軸受部100は、第2操作部材104のうちの第1端部104Aに設けられる。第2軸受部100には、孔100Aが形成されている。孔100Aの中心軸は、第2回転軸線C2と一致する。第2軸受部100形成される孔100Aには、第2軸部材88Bが挿入される。第2軸部材88Bは、第1支持部分82と第2支持部分84とに回転不能に支持される。第2軸受部100は、第2軸部材88Bに回転可能に支持される。第2軸部材88Bは、第2軸受部100を回転不能に支持し、第1支持部分82および第2支持部分84に回転可能に支持されてもよい。第2軸部材88Bの中心軸は、第2回転軸線C2と一致する。第2軸受部100と第2軸部材88Bとは、一体成形されていてもよい。第2回転軸線C2は、ハウジング52の長手方向に平行に延びていることが好ましい。
【0069】
図10および
図11に示されるとおり、第2操作部92は、第2回転軸線C2まわりの第5操作位置P5と、第6操作位置P6との間で移動可能である。第2操作部92は、第2操作部材104のうちの第2端部104Bに設けられる。第2操作部92は、ユーザが操作可能に構成される。
図9に示されるとおり、第2操作部材104は、中間部104Cから第1端部104Aまでの第1部分104Dと、中間部104Cから第2端部104Bまでの第2部分10
4Eとを含む。第2操作部材104は、第2回転軸線C2方向から見て、中間部104Cで折れ曲がった形状を有する。第1部分104Dの延びる方向と第2部分104Eの延びる方向とが所定角度を形成する。所定角度は、0°よりも大きく、90°以下に選ばれることが好ましい。第2操作部92に含まれる第2端部104Bは、第2支持部分84からバッテリユニット50の幅方向の外側に突出する。第2操作部92は、第5操作位置P5にあるとき、第6操作位置P6にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。
【0070】
第2係合部96は、第2回転軸線C2と第2操作部92との間に設けられる。第2係合部96は、第2操作部材104のうちの第1端部104Aと第2端部104Bとの間に設けられる。第2係合部96は、第2操作部材104のうちの第1部分104Dに設けられる。第2操作部92が第5操作位置P5にあるとき、第2係合部96は、第2回転軸線C2に平行な方向から見て、バッテリユニット50の幅方向において、第1回転軸線C1からオフセットした位置に配置されるように第2操作部材104に設けられている。本実施形態では、第2係合部96は、第2操作部材104のうちのバッテリユニット50の幅方向の外側の部分に設けられている。ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、第2係合部96は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。
図12に示す第1係合部94と同様に、第2係合部96は、第2回転軸線C2に平行な方向から見て、所定の領域Rに位置する。本実施形態において、第2軸受部100、第2操作部92、および、第2係合部96は、第2回転軸線C2方向に垂直な方向から見て、少なくとも一部分が重なるように配置されている。第2軸受部100、第2操作部92、および、第2係合部96の少なくとも1つは、第2回転軸線C2方向に垂直な方向から見て、第2軸受部100、第2操作部92、および、第2係合部96のうちの他のものと重ならないように配置されていてもよい。第2操作部材104は、第2操作部92が第5操作位置P5にあるときおよび第6操作位置P6にあるときのいずれにおいても、第2回転軸線C2に平行な方向から見て、ハウジング52の外周縁の範囲内に設けられていることが好ましい。
【0071】
図10および
図11に示されるとおり、第2係合部96は、第2被係合部42と係合可能である。第2係合部96は、第2被係合部42と接触可能なローラ96Aを含む。第2係合部96は、第2操作部92に連動する。第2係合部96は、第2操作部92が第5操作位置P5に位置する場合に、第2被係合部42と係合する。第2係合部96は、第2操作部92が第6操作位置P6に位置する場合に、第2被係合部42から離間するように構成される。第2係合部96は、第2被係合部42と係合した状態で、ハウジング52が第2被係合部42に対して下方に移動することを規制するように構成される。第2係合部96は、第2被係合部42から離間した状態で、ハウジング52が第2被係合部42に対して下方に移動することを許容するように構成される。第2係合部96は、第2操作部92が第5操作位置P5にあるとき、第2操作部92が第6操作位置P6にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。ローラ96Aは、第2回転軸線C2に平行な軸線回りに回転可能に構成されている。第2操作部材104の第1部分104Dには、ローラ96Aを支持する支持軸が設けられている。ローラ96Aと支持軸との間には、スリーブまたはベアリングが設けられていてもよい。
【0072】
第2付勢部66Bは、第6操作位置P6から第5操作位置P5に向かう力を第2操作部92に付与する。第2付勢部66Bは、例えば、ばねを含む。ばねは、例えば、コイルばね、板ばねなどを含む。第2付勢部66Bがコイルばねを含む場合、コイルばねは、第2軸受部100に巻き掛けられる。コイルばねの一端部は、第2操作部材104に接触し、他端部は支持部80に接触する。第2操作部92に外部からの力が付与されていない状態では、第1付勢部66Aは第2操作部92を第5操作位置P5に保持する。
【0073】
操作部56は、押されることによって第1操作位置P1から第2操作位置P2に移動するように構成される。
操作部56が第1操作位置P1から第2操作位置P2に移動する場合に、第1係合部94および第2係合部96の相対位置が変化する。操作部56が第1操作位置P1から第2操作位置P2に移動する場合に、第1係合部94および第2係合部96は互いに近づく。第1操作部90が第3操作位置P3から第4操作位置P4に移動し、第2操作部92が第5操作位置P5から第6操作位置P6に移動する場合に、第1係合部94および第2係合部96は互いに近づく。具体的には、第1操作部90が第3操作位置P3から第4操作位置P4に移動する場合、第1係合部94は、バッテリユニット50の幅方向の中央に向かって移動する。第2操作部92が第5操作位置P5から第6操作位置P6に移動する場合、第2係合部96は、バッテリユニット50の幅方向の中央に向かって移動する。
【0074】
操作部56が第2操作位置P2から第1操作位置P1に移動する場合に、第1係合部94および第2係合部96は互いに離れる。第1操作部90が第4操作位置P4から第3操作位置P3に移動し、第2操作部92が第6操作位置P6から第5操作位置P5に移動する場合に、第1係合部94および第2係合部96は互いに離れる。具体的には、第1操作部90が第4操作位置P4から第3操作位置P3に移動する場合、第1係合部94は、バッテリユニット50の幅方向の外側(
図11では、右側)に向かって移動する。第2操作部92が第6操作位置P6から第5操作位置P5に移動する場合、第2係合部96は、バッテリユニット50の幅方向の外側(
図11では、左側)に向かって移動する。
【0075】
図6および
図7に示すガイド部68は、操作部56の移動をガイドする。ガイド部68は、支持部80に設けられる。ガイド部68は、第1凹部および第1凸部の一方を含む。操作部56は、第1凹部に嵌まる第2凸部、および、第1凸部に嵌まる第2凹部の一方をさらに含む。本実施形態では、ガイド部68は、第1凹部を含み、操作部56は、第2凸部56Aを含む。第1凹部は、第1支持部分82のうちの第2支持部分84側の面に形成される溝と、第2支持部分84のうちの第1支持部分82側の面に形成される溝とによって構成される。第2凸部56Aは、第1支持部分82の溝に嵌め込まれる第1部分56Bと、第2支持部分84の溝に嵌め込まれる第2部分56Cとを含む。第1凹部の溝は、操作部56が第1操作位置P1と第2操作位置P2との間で移動する場合に、第2部分56Cが移動する軌跡と対応する円弧状に形成される。ガイド部68は、第1ガイド部68Aおよび第2ガイド部68Bを含む。第1操作部90および第2操作部92は、それぞれ第2凸部56Aを含む。第1ガイド部68Aには、第1操作部90の第2凸部56Aが嵌め込まれる。第1ガイド部68Aは、第1操作部90の移動をガイドする。第2ガイド部68Bには、第2操作部92の第2凸部56Aが嵌め込まれる。第2ガイド部68Bは、第2操作部92の移動をガイドする。
【0076】
図5に示されるとおり、支持部80は、回転軸線Cから操作部56よりも離れた位置に、バッテリユニット50の幅方向に突出する突出部81をさらに含む。突出部81は、バッテリユニット50の長手方向に垂直かつ幅方向に垂直な方向から見て、第1操作位置P1にある操作部56に重なるように構成されている。バッテリユニット50の下側から見て、第1操作位置P1にある操作部56が突出部81によって隠れるように、突出部81が形成されることが好ましい。
【0077】
図13に示されるとおり、バッテリホルダ34は、プラグ取付部44、ホルダ本体46、および、プラグ支持部48を含む。プラグ取付部44は、バッテリ収容部26内に配置され、バッテリ収容部26(
図2参照)にボルト等を介して取り付けられる。ホルダ本体46は、バッテリ収容部26内に配置され、バッテリ収容部26にボルト等を介して取り付けられる。プラグ支持部48は、プラグ取付部44に取り付けられる。
【0078】
ホルダ本体46は、バッテリユニット50を保持可能である。ホルダ本体46は、U字形状を有する。フレーム12の幅方向において、ホルダ本体46の両端部は、バッテリ収容部26の長手方向に突出する凸部46Aを含む。
図14に示されるとおり、凸部46Aは、バッテリユニット50の第2端部76に形成される凹部76Aに嵌合可能に構成される。ホルダ本体46の両端部間の中間部が、バッテリ収容部26に固定される。
【0079】
図13に示されるとおり、プラグ取付部44は、U字形状を有する。プラグ取付部44の両端部の少なくとも一部と、プラグ支持部48の少なくとも一部とは、ホルダ本体46に囲まれる領域に配置される。プラグ取付部44の両端部間の中間部が、バッテリ収容部26に固定される。プラグ取付部44は、U字形状の開口が開口26Bを向くようにバッテリ収容部26内に配置される。プラグ支持部48は、プラグPが嵌め込まれる孔48Aおよび軸部48Bを含む。軸部48Bは、プラグ支持部48の幅方向の両端部から
プラグ取付部44の幅方向の内側に向かって突出する。プラグ支持部48の幅方向は、自転車の幅方向と等しい。プラグ支持部48の幅方向の両端部とホルダ本体46との間には、プラグ取付部44の一部が配置されている。軸部48Bは、プラグ取付部44に形成される凹部(図示略)に嵌め込まれる。プラグ取付部44は、プラグ支持部48を軸部48Bの回転軸線まわりに回転可能に支持する。プラグPは、プラグ支持部48の孔48Aに挿入されて固定されている。プラグPは、プラグ支持部48からブラケット36(
図2参照)側に突出していることが好ましい。プラグ支持部48を軸部48Bの回転軸線まわりに回転させることによって、バッテリユニット50をバッテリホルダ34に取り付け、または、バッテリホルダ34から取り外しするときに、バッテリユニット50のコネクタをプラグPに取り付け、または、バッテリホルダ34から取り外ししやすくできる。プラグ支持部48は、外部から力が与えられていない状態で、自重によって軸部48Bの回転軸線まわりに回転し、プラグPがフレーム12の長手方向から下方に傾斜した方向に向くように構成されることが好ましい。軸部48Bに、ばねなどの付勢部材を設けて、プラグ支持部48は、外部から力が与えられていない状態で、プラグPがフレームの長手方向から下方に傾斜した方向に向くように付勢してもよい。プラグ支持部48には、軸部48Bの回転軸線まわりに回転を規制する規制部49が設けられる。規制部49は、バッテリユニット50がフレーム12に取り付けられていない状態において、プラグ取付部44に接触し、プラグ支持部48を位置決めしている。プラグ支持部48は、ブラケット36(
図2参照)側に突出するガイド部48Cをさらに含む。
図14に示されるとおり、ガイド部48Cは、バッテリユニット50の下方の面に接触可能に構成される。ガイド部48Cは、プラグ支持部48から離れるにつれて、プラグ支持部48の幅方向と垂直な断面が先細状になるように形成される。ガイド部48Cのうちのバッテリユニット50の下方の面と接触可能な面は、バッテリユニット50の下方の面を案内する傾斜面を有する。バッテリユニット50の第2端部76には、外周部にガイド部48Cが嵌まる溝が形成されている。ガイド部48Cを設けることによって、バッテリユニット50をバッテリホルダ34に保持させるときに、バッテリユニット50の溝をガイド部48Cに接触させて案内させて、プラグPとバッテリユニット50のコネクタ64とを円滑に接続することができる。
【0080】
図2、
図8、
図9、
図13、および、
図14を参照して、バッテリユニット50のバッテリ取付部22への取付手順について説明する。
バッテリユニット50は、例えば次の手順を経てバッテリ取付部22に取り付けられる。第1の手順では、ユーザが、バッテリユニット50の第2端部76をバッテリホルダ34に接触させる。具体的には、バッテリユニット50のコネクタ64をプラグPに接続するとともに、バッテリユニット50の第2端部76の凹部76Aをホルダ本体46の凸部46Aに嵌め込む。第2の手順では、ホルダ本体46の凸部46Aを支点として、バッテリユニット50を旋回させてバッテリユニット50の全体を収容空間26A内に移動させる。このとき、係合部58は、ブラケット36の下部に設けられる第1案内面36Aと接触し、第1案内面36Aにローラ58Aが接触しながらバッテリユニット50の幅方向の内側に移動する。そして、ローラ58Aが被係合部32と対応する位置までバッテリユニット50が収容空間26A内に移動すると、付勢部66の力によって係合部58が幅方向の外側に移動し、係合部58が被係合部32に嵌め込まれる。この結果、操作部56が第1操作位置P1に移動する。回転軸線Cに平行な方向から見て、バッテリユニット50の幅方向において、回転軸線Cの一方側で係合部58と被係合部32が接触している。係合部58が被係合部32に係合した状態では、バッテリユニット50の自重によって、係合部58には被係合部32に向かって押される力が与えられる。これによって係合部58が被係合部32に係合した状態では、操作部56を操作しない限り、係合部58が被係合部32から外れにくい。
【0081】
バッテリユニット50のバッテリ取付部22への取り外し手順について説明する。
バッテリユニット50は、例えば次の手順を経てバッテリ取付部22から取り外される。第1の手順では、ユーザは、操作部56をバッテリユニット50の幅方向の内側に押し込む。これによって、操作部56が第1操作位置P1から第2操作位置P2に移動し、係合部58が被係合部32から離間する。第2の手順では、ユーザは、操作部56をバッテリユニット50の幅方向の内側に押し込んだ状態を維持したまま、ホルダ本体46の凸部46Aを支点として、バッテリユニット50を旋回させてバッテリユニット50を収容空間26Aの外に引き出す。第3の手順では、ユーザは、バッテリユニット50の第2端部76の凹部76Aを凸部46Aから引き抜くとともに、バッテリユニット50のコネクタ64をプラグPから引き抜き、バッテリユニット50をバッテリ取付部22から取り外す。
【0082】
(第2実施形態)
図2および
図15を参照して、第2実施形態のバッテリユニット50Aについて説明する。第2実施形態のバッテリユニット50Aは、支持部80に代えて支持部106が設けられる点以外は第1実施形態のバッテリユニット50と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0083】
バッテリユニット50Aは、少なくともハウジング52と、操作部108と、係合部110とを含む。操作部108は、ハウジング52に設けられる。操作部108および係合部110は、第1端部74に設けられる。具体的には、操作部108および係合部110を支持する支持部106が第1端部74に取り付けられる。支持部106には、操作部108、係合部110、ばね116、および、付勢部118が設けられる。操作部108の少なくとも一部、係合部110の少なくとも一部、ばね116、および、付勢部118は、支持部106の内部に収容される。
【0084】
操作部108は、少なくとも一部が支持部106の下方の端部から突出可能に設けられる。操作部108は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能である。操作部108は、ユーザが操作可能に構成される。操作部108は、支持部106からバッテリユニット50Aの下方に突出する部分を含む。操作部108は、第1操作位置にあるとき、第2操作位置にあるときよりも支持部106からの突出量が大きい。
【0085】
ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、係合部110は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。係合部110は、被係合部32(図10参照)と係合可能である。係合部110は、操作部108に連動する。係合部110は、操作部108が第1操作位置に位置する場合に、被係合部32と係合するように構成される。係合部110は、操作部108が第2操作位置に位置する場合に、被係合部32から離間するように構成される。係合部110は、被係合部32と係合した状態で、ハウジング52が被係合部32に対して下方に移動することを規制するように構成される。係合部110は、被係合部32から離間した状態で、ハウジング52が被係合部32に対して下方に移動することを許容するように構成される。係合部110は、操作部108が第1操作位置にあるとき、操作部108が第2操作位置にあるときよりも支持部106からの突出量が大きい。
【0086】
付勢部118は、第2操作位置から第1操作位置に向かう力を操作部108に付与する。付勢部118は、例えば、ばねを含み、操作部108の上方の端部と支持部106とに取り付けられる。付勢部118は、例えば圧縮コイルばねを含む。操作部108に外部からの力が付与されていない状態では、付勢部118は操作部108を第1操作位置に保持する。
【0087】
係合部110は、第1係合部112および第2係合部114を含む。第1係合部112および第2係合部114は、第1端部74に設けられる。具体的には、第1係合部112および第2係合部114を有する支持部106がハウジング52の第1端部74に取り付けられる。第1係合部112と第2係合部114とは、ばね116によって接続される。ばね116は、第1係合部112および第2係合部114に、互いに離れる方向の力を付与する。ばね116は、例えば圧縮コイルばねを含む。
【0088】
第1係合部112は、操作部108に連動する。第1係合部112は、操作部108が第1操作位置に位置する場合に、第1被係合部40(図10参照)と係合する。第1係合部112は、操作部108が第2操作位置に位置する場合に、第1被係合部40から離間するように構成される。第1係合部112は、第1被係合部40と係合した状態で、ハウジング52が第1被係合部40に対して下方に移動することを規制するように構成される。第1係合部112は、第1被係合部40から離間した状態で、ハウジング52が第1被係合部40に対して下方に移動することを許容するように構成される。第1係合部112は、操作部108が第1操作位置にあるとき、操作部108が第2操作位置にあるときよりも支持部106からの突出量が大きい。
【0089】
第2係合部114は、操作部108に連動する。第2係合部114は、操作部108が第1操作位置に位置する場合に、第2被係合部42(図10参照)と係合する。第2係合部114は、操作部108が第2操作位置に位置する場合に、第2被係合部42から離間するように構成される。第2係合部114は、第2被係合部42と係合した状態で、ハウジング52が第2被係合部42に対して下方に移動することを規制するように構成される。第2係合部114は、第2被係合部42から離間した状態で、ハウジング52が第2被係合部42に対して下方に移動することを許容するように構成される。第2係合部114は、操作部108が第1操作位置にあるとき、操作部108が第2操作位置にあるときよりも支持部106からの突出量が大きい。
【0090】
操作部108は、押されることによって第1操作位置から第2操作位置に移動するように構成される。
操作部108が第1操作位置から第2操作位置に移動する場合に、第1係合部112および第2係合部114の相対位置が変化する。操作部108が第1操作位置から第2操作位置に移動する場合に、第1係合部112および第2係合部114は互いに近づく。具体的には、操作部108が第1操作位置から第2操作位置に移動する場合、第1係合部112は、支持部106の幅方向の中央に向かって移動する。操作部108が第1操作位置から第2操作位置に移動する場合、第2係合部114は、支持部106の幅方向の中央に向かって移動する。
【0091】
操作部108が第2操作位置から第1操作位置に移動する場合に、第1係合部112および第2係合部114は互いに離れる。具体的には、操作部108が第2操作位置から第1操作位置に移動する場合、第1係合部112は、支持部106の幅方向の外側(
図15では、右側)に向かって移動する。操作部108が第2操作位置から第1操作位置に移動する場合、第2係合部114は、支持部106の幅方向の外側(
図15では、左側)に向かって移動する。
【0092】
第1係合部112は、第1連結部材112Aを有する。第1連結部材112Aの一端部は、第1係合部112に回転可能に連結される。第2係合部114は、第2連結部材114Aを有する。第2連結部材114Aの一端部は、第2係合部114に回転可能に連結される。第1連結部材112Aの他端部と、第2連結部材114Aの他端部とは、相互に回転可能に連結される。操作部108は、第1連結部材112Aの他端部と、第2連結部材114Aの他端部とに、相互に回転可能に連結される。操作部108に外部からの力が加わらない状態において、操作部108は、支持部106からの突出量が大きい第1操作位置に位置する。操作部108が押されることによって支持部106からの突出量が小さい第2操作位置に移動すると、第1係合部112が支持部106の幅方向の中央に向かって移動し、第2係合部114が支持部106の幅方向の中央に向かって移動する。これによって、第1係合部112および第2係合部114の支持部106からの突出量が小さくなり、第1係合部112および第2係合部114が被係合部40,42から離間する。ユーザが操作部108から手を離すと、操作部108が第2操作位置から第1操作位置に戻り、第1係合部112および第2係合部114がブラケット36の被係合部と係合する。
【0093】
(第3実施形態)
図2および
図16を参照して、第3実施形態のバッテリユニット50Bについて説明する。第3実施形態のバッテリユニット50Bは、支持部80に代えて支持部120が設けられる点以外は第1実施形態のバッテリユニット50と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0094】
バッテリユニット50Bは、少なくともハウジング52と、操作部122と、係合部128とを含む。操作部122は、ハウジング52に設けられる。操作部122および係合部128は、第1端部74に設けられる。具体的には、操作部122および係合部128を支持する支持部120が第1端部74に取り付けられる。支持部120には、操作部122、係合部128、および、付勢部140A,140Bが設けられる。操作部122の少なくとも一部、係合部128の少なくとも一部、付勢部140A,140Bは、支持部120の内部に収容される。
【0095】
操作部材134は、操作部122、および、係合部128を有する。操作部材134は、T字状に形成される。
操作部122は、第1操作位置と、第2操作位置との間で移動可能である。操作部122は、操作部材134のうちの下方に突出した端部に設けられる。操作部122は、ユーザが操作可能に構成される。
【0096】
係合部128は、操作部材134のうちのバッテリユニット50Bの幅方向の外側に突出する部分に設けられる。ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、係合部128は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。係合部128は、被係合部32(図10参照)と係合可能である。係合部128は、操作部122に連動する。係合部128は、操作部122が第1操作位置に位置する場合に、被係合部32と係合するように構成される。係合部128は、操作部122が第2操作位置に位置する場合に、被係合部32から離間するように構成される。係合部128は、被係合部32と係合した状態で、ハウジング52が被係合部32に対して下方に移動することを規制するように構成される。係合部128は、被係合部32から離間した状態で、ハウジング52が被係合部32に対して下方に移動することを許容するように構成される。係合部128は、操作部122が第1操作位置にあるとき、操作部122が第2操作位置にあるときよりも支持部120からの突出量が大きい。
【0097】
付勢部140A,140Bは、第2操作位置から第1操作位置に向かう力を操作部122に付与する。付勢部140A,140Bは、例えば、ばねを含み、付勢部140A,140Bは、例えば圧縮コイルばねを含む。操作部材134のうちの操作部122とは反対側の端部と支持部120とに取り付けられる。操作部122に外部からの力が付与されていない状態では、付勢部140A,140Bは操作部122を第1操作位置に保持する。
【0098】
操作部122は、第1操作部124、および、第1操作部124とは別体で設けられる第2操作部126を含む。第1操作部124と第2操作部126とは、所定の平面に関して対称に設けられる。第1操作部124と第2操作部126とは、バッテリユニット50の長手方向と平行し、かつ、バッテリユニット50の幅方向と直交する平面に関して対称に設けられる。係合部128は、第1係合部130および第2係合部132を含む。第1操作位置は、第3操作位置および第5操作位置を含む。第2操作位置は、第4操作位置および第6操作位置を含む。操作部材134は、第1操作部材136と、第2操作部材138と、を含む。バッテリユニット50Bは、第1操作部材136と、第2操作部材138と、を含む。
【0099】
第1操作部124は、ハウジング52に設けられる。第1操作部124および第1係合部130は、第1端部74に設けられる。具体的には、第1操作部124および第1係合部130を有する第1操作部材136を支持する支持部120が第1端部74に取り付けられる。
【0100】
第1操作部材136は、操作部122、および、第1係合部130を有する。
第1操作部124は、第3操作位置と、第4操作位置との間で移動可能である。第1操作部124は、ユーザが操作可能に構成される。第1操作部124は、支持部120から下側に突出する部分を含む。
【0101】
第1係合部130は、第1操作部材136からバッテリユニット50Bの幅方向の外側に突出する部分を含む。ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、第1係合部130は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。第1係合部130は、第1被係合部40(
図8参照)と係合可能である。第1係合部130は、第1操作部124に連動する。第1係合部130は、第1操作部124が第3操作位置に位置する場合に、第1被係合部40と係合する。第1係合部130は、第1操作部124が第4操作位置に位置する場合に、第1被係合部40から離間するように構成される。第1係合部130は、第1被係合部40と係合した状態で、ハウジング52が第1被係合部40に対して下方に移動することを規制するように構成される。第1係合部130は、第1被係合部40から離間した状態で、ハウジング52が第1被係合部40に対して下方に移動することを許容するように構成される。第1係合部130は、第1操作部124が第3操作位置にあるとき、第1操作部124が第4操作位置にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。
【0102】
付勢部140Aは、第4操作位置から第3操作位置に向かう力を第1操作部124に付与する。付勢部140Aは、例えば、ばねを含む。第1操作部124に外部からの力が付与されていない状態では、付勢部140Aは第1操作部124を第3操作位置に保持する。
【0103】
第2操作部126は、ハウジング52に設けられる。第2操作部126および第2係合部132は、第1端部74に設けられる。具体的には、第2操作部126および第2係合部132を有する第2操作部材138を支持する支持部120が第1端部74に取り付けられる。
【0104】
第2操作部材138は、第2操作部126、および、第2係合部132を有する。
第2操作部126は、第5操作位置と、第6操作位置との間で移動可能である。第2操作部126は、ユーザが操作可能に構成される。第2操作部126は、支持部120から下側に突出する部分を含む。
【0105】
第2係合部132は、第2操作部材138からバッテリユニット50Bの幅方向の外側に突出する部分を含む。ハウジング52が自転車10に取り付けられた状態において、第2係合部132は、自転車10の幅方向に移動可能にハウジング52に設けられる。第2係合部132は、第2被係合部42(
図8参照)と係合可能である。第2係合部132は、第2操作部126に連動する。第2係合部132は、第2操作部126が第5操作位置に位置する場合に、第2被係合部42と係合する。第2係合部132は、第2操作部126が第6操作位置に位置する場合に、第2被係合部42から離間するように構成される。第2係合部132は、第2被係合部42と係合した状態で、ハウジング52が第2被係合部42に対して下方に移動することを規制するように構成される。第2係合部132は、第2被係合部42から離間した状態で、ハウジング52が第2被係合部42に対して下方に移動することを許容するように構成される。第2係合部132は、第2操作部126が第5操作位置にあるとき、第2操作部126が第6操作位置にあるときよりも第2支持部分84からの突出量が大きい。
【0106】
付勢部140Bは、第6操作位置から第5操作位置に向かう力を第2操作部126に付与する。付勢部140Bは、例えば、ばねを含む。第2操作部126に外部からの力が付与されていない状態では、付勢部140Bは第2操作部126を第5操作位置に保持する。
【0107】
操作部122は、バッテリユニット50Bの幅方向にスライドさせられることによって第1操作位置から第2操作位置に移動する。
操作部122が第1操作位置から第2操作位置に移動する場合に、第1係合部130および第2係合部132の相対位置が変化する。操作部122が第1操作位置から第2操作位置に移動する場合に、第1係合部130および第2係合部132は互いに近づく。第1操作部124が第3操作位置から第4操作位置に移動し、第2操作部126が第5操作位置から第6操作位置に移動する場合に、第1係合部130および第2係合部132は互いに近づく。具体的には、第1操作部124が第3操作位置から第4操作位置に移動する場合、第1係合部130は、支持部120の幅方向の中央に向かって移動する。第2操作部126が第5操作位置から第6操作位置に移動する場合、第2係合部132は、支持部120の幅方向の中央に向かって移動する。
【0108】
操作部122が第2操作位置から第1操作位置に移動する場合に、第1係合部130および第2係合部132は互いに離れる。第1操作部124が第4操作位置から第3操作位置に移動し、第2操作部126が第6操作位置から第5操作位置に移動する場合に、第1係合部130および第2係合部132は互いに離れる。具体的には、第1操作部124が第4操作位置から第3操作位置に移動する場合、第1係合部130は、支持部120の幅方向の外側(
図16では、右側)に向かって移動する。第2操作部126が第6操作位置から第5操作位置に移動する場合、第2係合部132は、支持部120の幅方向の外側(
図16では、左側)に向かって移動する。
【0109】
ユーザは、第1操作部124および第2操作部126を幅方向の内側にスライドさせることによって第1操作部124および第2操作部126を第1操作位置から第2操作位置に移動させる。ユーザが第1操作部124および第2操作部126から手を離すと、第1操作部124および第2操作部126は、第1操作部材136および第2操作部材138のそれぞれに設けられる付勢部140A,140Bの力によって第2操作位置から第1操作位置に戻る。
【0110】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う自転車用バッテリユニットおよび自転車用バッテリユニットの取付構造が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う自転車用バッテリユニットおよび自転車用バッテリユニットの取付構造は、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0111】
・第1実施形態の係合部58を、回転軸線Cよりも操作部56から遠い部分に設けることもできる。第1係合部94を回転軸線C1よりも第1操作部90から遠い部分に設けることもできる。第2係合部96を回転軸線C2よりも第2操作部92から遠い部分に設けることもできる。
【0112】
・第1実施形態の係合部58からローラ58Aを省略することもできる。第1係合部94のローラ94Aおよび第2係合部96のローラ96Aの一方のみを省略することもできる。
【0113】
・第1実施形態のバッテリユニット50から少なくとも1つの弾性部材70を省略することができる。
・第1実施形態のバッテリユニット50から少なくとも1つのガイド部68を省略することができる。バッテリユニット50から第1ガイド部68Aおよび第2ガイド部68Bの少なくとも一方を省略することができる。
【0114】
・第1実施形態の第1操作部材102および第2操作部材104の一方を省略することもできる。
・第2実施形態の第1係合部112および第2係合部114の一方を省略することもできる。
・第3実施形態の第1操作部材136および第2操作部材138の一方を省略することもできる。
【0115】
・第1および第3実施形態の第1操作部90,124および第2操作部92,126を所定の平面に対して非対称に設けることもできる。例えば、第1操作部90,124および第2操作部92,126の一方を、支持部80,106,120の下方の端部から突出するように設ける。
【0116】
・各実施形態の係合部58,110,128を自転車10の幅方向と交差する方向に移動可能にしてもよい。第1係合部94,112,130および第2係合部96,114,132の一方を幅方向に移動可能にし、他方を幅方向と交差する方向に移動可能にしてもよい。
【0117】
・バッテリユニット50,50A,50Bの第2端部76から凹部76Aを省略し、支持部80,106,120を取り付けることもできる。
・各実施の形態のバッテリホルダ34およびブラケット36は、フレーム12の長手方向に平行な軸線まわりに所定角度回転させた状態、例えば90度または180度回転した状態で、フレーム12に取り付けられてもよい。この場合、バッテリユニット50,50A,50Bは、フレーム12の長手方向に平行な軸線まわりに所定角度回転させた状態で、フレーム12に取り付けられる。この場合であっても、係合部58,110,128が被係合部32に係合した状態で、バッテリユニット50を取り外す方向にバッテリユニット50に力を加えると、係合部58,110,128には被係合部32に向かって押される力が与えられる。このため、操作部56,108,122を操作しない限り、係合部58,110,128が被係合部32から外れにくい。この変形例では、バッテリ収容部26の開口26Bを、バッテリユニット50を取り外す方向に開口させてもよく、バッテリ収容部26を省略し、バッテリホルダ34およびブラケット36をフレーム12の外周面に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10…自転車、12…フレーム、12C…ダウンチューブ、30…取付構造(自転車用バッテリユニットの取付構造)、32…被係合部、40…第1被係合部、42…第2被係合部、50,50A,50B…バッテリユニット(自転車用バッテリユニット)、52…ハウジング、54,134…操作部材、56,108,122…操作部、56A…第2凸部、58,110,128…係合部、58A,94A,96A…ローラ、60…バッテリセル、66,118,140A,140B…付勢部、68…ガイド部、68A…第1凹部、74…第1端部、76…第2端部、76A…凹部、90,110,124…第1操作部、92,110,126…第2操作部、94,112,130…第1係合部、96,114,132…第2係合部、102,136…第1操作部材、104,138…第2操作部材、C…回転軸線、C1…第1回転軸線、C2…第2回転軸線。