(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】2つのロータコアを有する電子整流式モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/22 20060101AFI20220104BHJP
H02K 29/08 20060101ALI20220104BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H02K1/22 Z
H02K29/08
H02K15/02 K
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017149315
(22)【出願日】2017-08-01
【審査請求日】2020-04-20
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520300482
【氏名又は名称】マクソン インターナショナル アーゲー
【氏名又は名称原語表記】MAXON INTERNATIONAL AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン アムフェルド
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-010294(JP,A)
【文献】特開平07-177690(JP,A)
【文献】特開2007-151314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/22
H02K 29/08
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、該ステータに対して回転可能に取り付けられたロータ(3)と、該ロータと共に回転する磁界を走査する少なくとも1つのセンサ(4)とを備え、前記ステータはステータ巻線及び軟磁性ステータコア(5)を備え、前記ロータは、該ロータの円周方向に分布して配置されたいくつかの永久磁石(7)の他に、前記永久磁石用の第1軟磁性ロータコア(8)も備え、前記永久磁石は、前記ステータ巻線及び前記ステータコアによって生成される前記ステータのステータ磁界と相互作用し、モータを動作させるロータ磁界を、前記第1軟磁性ロータコアと共に生成する、電子整流式モータ(1)において、前記ロータは、該ロータの軸方向において前記第1軟磁性ロータコアと隣接する第2軟磁性ロータコア(9)をさらに備え、前記第1軟磁性ロータコアと前記第2軟磁性ロータコアとの間には、非磁性セパレータ部材(10)が軸方向に配置され、
軸方向に測定される前記非磁性セパレータ部材の厚さは、前記ロータの外径の少なくとも10%であり、前記永久磁石は、前記第1軟磁性ロータコア、前記非磁性セパレータ部材及び前記第2軟磁性ロータコアにわたって軸方向に延在し、前記センサによって走査される磁界は、前記第2軟磁性ロータコアと共に前記永久磁石によって生成される制御磁界であ
り、前記少なくとも1つのセンサは、プリント回路基板(15)の前記第2軟磁性ロータコア(9)と軸方向に対向する側に配置されていることを特徴とする、電子整流式モータ(1)。
【請求項2】
前記第2軟磁性ロータコア(9)は、軸方向において前記軟磁性ステータコア(5)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項3】
前記第1軟磁性ロータコア(8)は、軸方向において前記軟磁性ステータコア(5)と同一位置に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項4】
前記第1軟磁性ロータコア(8)及び前記軟磁性ステータコア(5)は同一の軸方向長さを有することを特徴とする、請求項3に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項5】
前記第2軟磁性ロータコア(9)は、軸方向において前記ステータ巻線の巻線ヘッド(6)で実質的に終端していることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項6】
前記非磁性セパレータ部材(10)はプラスチックディスクであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項7】
前記第1軟磁性ロータコア(8)、前記第2軟磁性ロータコア(9)及び前記非磁性セパレータ部材(10)は、実質的に同一の断面形状を示すことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項8】
前記永久磁石(7)は、前記第1軟磁性ロータコア(8)、前記第2軟磁性ロータコア(9)及び前記非磁性セパレータ部材(10)に形成された溝(11a、11b、11c)に受け入れられることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項9】
前記第1軟磁性ロータコア(8)及び前記第2軟磁性ロータコア(9)は、それぞれ、打ち抜き積層され、両側が絶縁された、軟磁性の金属シートから構成されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項10】
前記ロータ(3)は、4極、8極、10極、14極又は16極構造を有することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項11】
前記永久磁石(7)は前記ロータ(3)の接線方向に磁化されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項12】
前記制御磁界を走査する前記少なくとも1つのセンサ(4)はホールセンサであり、前記ホールセンサは、プリント回路基板(15)の前記第2軟磁性ロータコア(9)と軸方向に対向する側に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項13】
前記モータ(1)は、60mm未満の直径を有する小型モータであることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)。
【請求項14】
前記ロータ(3)はシャフト(14)を備え、第1ステップにおいて、前記シャフト(14)上に、中央貫通孔(13b)が設けられた前記非磁性セパレータ部材(10)を滑り込ませ、続いて、対応する中央貫通孔(13a、13c)を有する前記第1軟磁性ロータコア(8)及び前記第2軟磁性ロータコア(9)も前記シャフト上に滑り込ませ、次のステップにおいて、前記第1及び第2軟磁性ロータコア(8、9)並びに前記非磁性セパレータ部材(10)の対応する凹部(11a、11b、11c)に前記永久磁石(7)を挿入し、その後、嫌気性の埋込用樹脂又は接着剤を用いて前記ロータ(3)を成型することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の電子整流式モータ(1)用ロータ(3)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前文に記載の電子整流式モータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプの電子整流式モータは、ステータと、ステータに対して回転可能に取り付けられたロータと、ロータと共に回転する磁界を走査する少なくとも1つのセンサとを備える。センサは整流電子回路用の信号を出力する。ステータは、ステータ巻線及び軟磁性ステータコアを備える。ロータは、ロータの円周方向に分布して配置されたいくつかの永久磁石の他に、当該永久磁石用の第1軟磁性ロータコアも備える。モータを動作させるためのロータ磁界は、永久磁石及び第1軟磁性ロータコアによって生成され、ステータ巻線及びステータコアによって生成されるステータのステータ磁界と相互作用する。
【0003】
一般的なタイプの電子整流式モータは、従来技術から知られている。整流電子回路用の信号を出力するセンサは、一般的に、ロータの2つの端面の一方の側に配置されている。構造的条件のために、通常、ロータとセンサとの間に一定の間隔が存在する。最も一般的なモータでは、ロータの位置又は回転速度をそれぞれ確実に検出できるようにするために、センサによって走査される磁界を生成する追加の制御磁石がロータに取り付けられる。この制御磁石は、ロータの2つの端面の一方の側に直接配置するのが有利である。追加の制御磁石を設けることは、一般的に、コストの増加及び追加の製造労力につながる。しかしながら、ロータ磁界を直接走査するモータも存在する。このためには、センサをロータの正面側の端部に非常に近接して配置しなければならず、構造的条件のために実装するのが必ずしも容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ロータの位置又はその速度をそれぞれ確実に検出することができ、容易な設計で、安価に製造できる冒頭で述べたタイプの電子整流式モータを提供することにある。本発明は、特に、60mm未満の外径を有する小型モータを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、独立請求項1の特徴によって達成される。独立請求項1によると、本発明に係る解決手段は、ロータがロータの軸方向において第1軟磁性ロータコアと隣接する第2軟磁性ロータコアをさらに備え、第1軟磁性ロータコアと第2軟磁性ロータコアとの間には、非磁性セパレータ部材が軸方向に配置され、永久磁石が第1軟磁性ロータコア、非磁性セパレータ部材及び第2軟磁性ロータコアにわたって軸方向に延在し、センサによって走査される磁界は、第2軟磁性ロータコアと共に永久磁石によって生成される制御磁界であることを特徴とする、本発明に係る電子整流式モータにおいて提供される。
【0006】
本発明による解決手段は、とりわけ、コストの増加及び追加の製造労力につながるであろう追加の制御磁石を使用する必要なく、確実に検出可能な制御磁界が生成されるという利点を提供する。第2軟磁性ロータコアがあるために、センサが第1軟磁性ロータコアから比較的大きく離れていても、制御磁界をセンサに近づけることができる。第2軟磁性ロータコアは、軟磁性ステータコアを超えて軸方向に突出させるのが有利である。非磁性セパレータ部材を用いることで、軸方向に対して生じるロータ群全体の非対称位置によってロータに軸方向に作用する力が発生するのを防止する。
【0007】
永久磁石は一体的に形成されており、分割されていない。したがって、それらは、2つの軟磁性ロータコアとその間に配置された非磁性セパレータ部材との並置から生じる全長にわたって実質的に延在する。永久磁石は、好ましくは、2つのロータコア及びセパレータ部材に形成された凹部に収容されている。凹部は、好ましくは、関連する構成要素の外周における連続した長手方向の溝とすることができる。永久磁石の配置は、スポーク状とするのが好ましい。2つのロータコア及び非磁性セパレータ部材の断面は、実質的に同一断面とするのが好ましい。さらに好ましくは、ロータは内部ロータとする。この場合、第1軟磁性ロータコアは、ステータコア内に径方向に配置されている。ステータコアには溝を形成し、ステータ巻線のコイルをステータコアの溝内に受け入れる。あるいは、ステータコアは、アイアンレスの中空円筒形で、自己支持型のステータ巻線の外部バックアイアンによって形成することもできる。ロータ磁界と制御磁界との間に空間的分離を少なくとも存在させるために、軸方向に測定される非磁性セパレータ部材の厚さは、ロータの外径の少なくとも10%である。
【0008】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
本発明の1つの特に好ましい実施形態では、第2軟磁性ロータコアを軸方向において軟磁性ステータコアの外側に配置する。先ず、これは、制御磁界をセンサに近づけるようにする。第2に、これは、制御磁界とステータ磁界との相互作用を回避、又は低減し、磁気的生成される不所望な力が発生しないようにする。第1軟磁性ロータコアは、好ましくは、軟磁性ステータコアと同一の軸方向位置に配置する。最も好ましくは、第1軟磁性ロータコア及び軟磁性ステータコアの軸方向長さを同じとして、第1軟磁性ロータコア及び軟磁性ステータコアを、軸方向に見た場合に、重なり合うようにする。第1軟磁性ロータコアが軟磁性ステータコアより幾分短いか、又は長い場合、前述の「同一の軸方向位置」とは、本出願の文脈において、ステータコアの各端面に対する第1軟磁性ロータコアの同一距離又は同一突出量が軸方向両端部に与えられるものと理解されたい。
【0010】
本発明のさらに好ましい実施形態では、第2軟磁性ロータコアは、軸方向においてステータ巻線の巻線ヘッドで実質的に終端する。その結果、最もコンパクトな設計を維持しながら、とりわけ信頼できる、走査可能な制御磁界が確保される。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、非磁性セパレータ部材はプラスチックディスクである。これにより、非磁性セパレータ部材は、特に容易で安価な方法で製造可能である。
【0012】
本発明の別の特に好ましい実施形態によれば、第1軟磁性ロータコア、第2軟磁性ロータコア及び非磁性セパレータ部材は、実質的に同一の断面形状を示す。これにより組み立てが容易になるだけでなく、両方の場合に同一の工具を使用できるので、2つの軟磁性ロータコアの製造もかなり容易になる。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、永久磁石は、第1軟磁性ロータコア、第2軟磁性ロータコア及び非磁性セパレータ部材に形成された溝に受け入れられる。この場合、溝は好ましくは連続的であり、それにより、上述した3つの構成要素の全てにわたって等しく延在する。溝は製造が容易であり、永久磁石の容易な組み立てと、信頼性の高い嵌合を保証する。あるいは、永久磁石は、2つの軟磁性ロータコア及びそれらの間に配置された非磁性セパレータ部材にわたって同様に延在し、貫通孔に挿入することもできる。さらに好ましくは、ロータのシャフトを受け入れるために、2つの軟磁性ロータコア及び非磁性セパレータ部材に中央孔を形成する。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、第1軟磁性ロータコア及び第2軟磁性ロータコアは、それぞれ、打ち抜き積層され、両側が絶縁された、軟磁性の金属シートから構成される。金属シートは、互いに機械的に連結され、レーザーパッケージ化、又は接着剤パッケージ化することも可能である。同一の金属シートを第1軟磁性ロータコア及び第2軟磁性ロータコアに使用することができるため、本発明に係るモータの製造が容易になり、したがって特に安価となる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ロータは、4極、8極、10極、14極又は16極構造を有する。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、永久磁石はロータの接線方向に磁化されている。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、制御磁界を走査する少なくとも1つのセンサはホールセンサであり、ホールセンサは、プリント回路基板の第2軟磁性ロータコアと軸方向に対向する側に配置されている。走査の精度を高めるために、いくつかのホールセンサを設けることももちろん可能である。これらは、さらに好ましくは円周上に分布して配置されている。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、モータは、60mm未満の直径を有する小型モータである。
【0019】
また、本発明は、本発明の電子整流式モータのロータの製造方法を提供する。本発明によれば、ロータはシャフトを備え、第1ステップにおいて、シャフト上に、中央貫通孔が設けられた非磁性セパレータ部材を滑り込ませる。続いて、対応する中央貫通孔を有する第1軟磁性ロータコア及び第2軟磁性ロータコアもシャフト上に滑り込ませる。次のステップにおいて、第1及び第2軟磁性ロータコア並びに非磁性セパレータ部材の対応する凹部に永久磁石を挿入する。その後、嫌気性の埋込用樹脂又は接着剤を用いてロータを成型する。本方法は、容易かつ安価な製造を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る電子整流式モータの縦断面を示す。
【
図2】
図1の本発明に係る電子整流式モータのロータの斜視図である。
【
図3】
図2のロータを製造するための第1方法ステップにおいて、ロータアセンブリの非磁性セパレータ部材がロータのシャフト上に滑り込む様子を示す。
【
図4】非磁性セパレータ部材が
図3のシャフトの上に配置された様子を示す。
【
図5】
図2のロータを製造するさらなる方法ステップにおいて、第1軟磁性ロータコア及び第2軟磁性ロータコアがシャフト上に滑り込む様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0022】
以下の実施形態では、同様の部品は、同様の参照番号によって示される。図面が、付随する図の説明においてより詳細に述べられていない参照番号を含む場合、その前後の図の説明を参照されたい。
【0023】
図1は、本発明に係る電子整流式モータ1の概略的な縦断面を示す。モータは、外部の中空円筒形のステータ2と、内部ロータとして設計されたロータ3と、ロータの回転位置又は速度をそれぞれ検出するセンサ4とを備える。ステータ2は溝付きステータである。それは、軟磁性ステータコア5の他に、ステータコアの対応する溝に挿入されたいくつかのコイルも備える。これらのコイルは一緒になってステータのステータ巻線を形成する。コイルの巻線ヘッド6のみが示されている。コイルは巻線接続部16を介して整流電子回路に接続されている。整流電子回路はプリント回路基板15上に収容されており、プリント回路基板15はモータの対称軸12に垂直なロータの右端に配置されている。また、プリント回路基板の、ロータの右端に面する側には、ロータの回転位置を検出するセンサ4が配置されている。センサはホールセンサである。なお、走査精度を向上させる目的で、いくつかのセンサを設けることはもちろん可能である。
【0024】
図面は概略図に過ぎず、例えば、モータのハウジングは、
図1には示されていない。
【0025】
図2は、
図1の本発明に係るモータのロータ3をより詳細に示す。ロータは、終端間シャフト14と、第1ロータコア8と、第2ロータコア9と、円周にわたり分布して配置されたいくつかの永久磁石7とを備える。永久磁石7は、棒磁石として設計される。永久磁石7は、2つの軟磁性ロータコアの外周に形成され、かつ、2つの軟磁性ロータコアの全長にわたって延在する、対応する溝内に挿入されている。永久磁石はスポーク状に配置され、ロータの接線方向に磁化されている。第1ロータコア8と第2ロータコア9との間には、プラスチックディスクの形態の非磁性セパレータ部材10が配置されている。2つのロータコアはセパレータ部材を介して互いに絶縁されている。両方の軟磁性ロータコア8及び9の他に非磁性セパレータ部材も実質的に同一の断面を示す。このことは、セパレータ部材10にも、永久磁石7を受け入れる対応する溝が外周上に設けられていることを意味する。
【0026】
図1は、第1軟磁性ロータコア8が外部の軟磁性体ステータコア5と同じ長さを有することを示している。第1軟磁性ロータコア8及び軟磁性ステータコア5は、重ねて配置され、左右両方において軸方向の同一位置で終端する。永久磁石7は、第1軟磁性ロータコア8と共にロータ磁界を生成する。当該ロータ磁界は、モータを動作させるために、ステータ巻線及びステータコア5によって生成されるステータのステータ磁界と相互作用する。
図1は、さらに、第2軟磁性ロータコア9が軟磁性ステータコア5の右端部を超えて軸方向に突出し、ステータ巻線の巻線ヘッド6で実質的に終端している様子を示す。永久磁石7は、第2軟磁性ロータコア9と共に、センサ4によって走査される制御磁界を生成する。非磁性セパレータ部材10は、制御磁界がステータ磁界とほとんど相互作用しないようにするため、不所望な力が軸方向に発生しなくなる。
【0027】
本発明に係るモータのロータを製造する方法を以下の
図3乃至
図5を参照して説明する。
図3に示すように、先ず、非磁性セパレータ部材10をロータのシャフト14上に滑り込ませる。このために、セパレータ部材10は、中央貫通孔13bを備える。
図4は、セパレータ部材10が
図3のシャフト14の上に配置された様子を示す。次のステップでは、第1軟磁性ロータコア8及び第2軟磁性ロータコア9をロータシャフトの両端上に滑り込ませる。このために、2つの軟磁性ロータコアも同様に、中央貫通孔13a又は13cをそれぞれ有する。
図3及び
図5から明らかなように、2つの軟磁性ロータコア8及び9の他に、非磁性セパレータ部材10も、軸方向に互いにシームレスに移行する溝11a、11b、11cを備える。最後に、
図2にすでに示したように、細長い永久磁石7をこれらの溝に挿入する。続いて、ロータアセンブリを嫌気性の埋込用樹脂又は接着剤で成型する。