(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】安否確認装置、情報処理端末、安否確認方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20220104BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20220104BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G08B25/04 K
H04M11/04
G08B25/10 D
(21)【出願番号】P 2017194611
(22)【出願日】2017-10-04
【審査請求日】2020-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】593089895
【氏名又は名称】株式会社オービックビジネスコンサルタント
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】和田 成史
(72)【発明者】
【氏名】唐鎌 勝彦
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-065412(JP,A)
【文献】特開2007-188441(JP,A)
【文献】特開2003-331090(JP,A)
【文献】特開2003-186980(JP,A)
【文献】ALSOK安否確認サービス 管理者ガイド ―運用偏―,第1版,日本,綜合警備保障株式会社,2013年04月26日,第25、27、34-36頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B23/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
従業員を識別する従業員識別子と、当該従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点と、当該従業員識別子によって識別される従業員に関する属性である従業員属性とを有する従業員情報を複数有する人事情報が記憶される人事情報記憶部と、
災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する災害情報受信部と、
前記災害情報受信部によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点であり、あらかじめ決められた従業員属性を有する従業員の従業員識別子
のみを、前記人事情報を用いて特定する特定部と、
前記特定部によって特定された従業員識別子で識別される従業員に
のみ、安否報告を指示する指示情報を送信する送信部と、
前記指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する報告情報受信部と、
前記報告情報受信部によって受信された報告情報に関する処理を行う処理部と、
前記処理部による処理の結果を出力する出力部と、を備え、
前記従業員属性は、従業員の役職を示す役職情報である、安否確認装置。
【請求項2】
前記従業員情報は、当該従業員情報に含まれる従業員識別子によって識別される従業員の部署を示す部署情報をも含んでおり、
前記処理部は、指示情報の送信された従業員のうち、あらかじめ決められた部署の従業員の報告情報に関する処理を行う、請求項
1記載の安否確認装置。
【請求項3】
前記処理部は、指示情報の送信された全従業員の報告情報に関する処理を行う、請求項1
または請求項
2記載の安否確認装置。
【請求項4】
前記処理部は、指示情報の送信に対する報告情報の受信の推移を示す推移情報を取得する、請求項1から請求項
3のいずれか記載の安否確認装置。
【請求項5】
従業員識別子と、当該従業員識別子によって識別される従業員の現在位置とを対応付ける現在位置情報が複数記憶される現在位置情報記憶部をさらに備え、
前記特定部は、災害場所に応じた領域が現在位置である従業員の従業員識別子をも特定する、請求項1から請求項
4のいずれか記載の安否確認装置。
【請求項6】
従業員を識別する従業員識別子と、当該従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点と、当該従業員識別子によって識別される従業員に関する属性である従業員属性とを有する従業員情報を複数有する人事情報が記憶される人事情報記憶部と、災害情報受信部と、特定部と、送信部と、報告情報受信部と、処理部と、出力部とを用いて処理される安否確認方法であって、
前記災害情報受信部が、災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する災害情報受信ステップと、
前記特定部が、前記災害情報受信ステップにおいて受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点であり、あらかじめ決められた従業員属性を有する従業員の従業員識別子
のみを、前記人事情報を用いて特定する特定ステップと、
前記送信部が、前記特定ステップにおいて特定された従業員識別子で識別される従業員に
のみ、安否報告を指示する指示情報を送信する送信ステップと、
前記報告情報受信部が、前記指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する報告情報受信ステップと、
前記処理部が、前記報告情報受信ステップにおいて受信された報告情報に関する処理を行う処理ステップと、
前記出力部が、前記処理ステップにおいて処理の結果を出力する出力ステップと、を備え、
前記従業員属性は、従業員の役職を示す役職情報である、安否確認方法。
【請求項7】
従業員を識別する従業員識別子と、当該従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点と、当該従業員識別子によって識別される従業員に関する属性である従業員属性とを有する従業員情報を複数有する人事情報が記憶される人事情報記憶部にアクセス可能なコンピュータを、
災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する災害情報受信部、
前記災害情報受信部によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点であり、あらかじめ決められた従業員属性を有する従業員の従業員識別子
のみを、前記人事情報を用いて特定する特定部、
前記特定部によって特定された従業員識別子で識別される従業員に
のみ、安否報告を指示する指示情報を送信する送信部、
前記指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する報告情報受信部、
前記報告情報受信部によって受信された報告情報に関する処理を行う処理部、
前記処理部による処理の結果を出力する出力部として機能させ、
前記従業員属性は、従業員の役職を示す役職情報である、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害の発生した際に、従業員に安否報告を指示すると共に、その指示に応じて従業員から送信された安否報告を受信する安否確認装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害が発生した場合に、通信ネットワークを介して被災者の安否を確認することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
安否確認においては、通常、安否確認のための報告を行う旨の指示を送信し、その指示に応じて返信された安否の報告を受信することが行われている。会社等の組織において各従業員の安否を確認する場合に、すべての従業員に、安否確認のための報告を行う旨の指示を送信すると、災害の発生地から遠く離れている場所にいる従業員にも安否報告を行わせることになる。その結果、本来であれば、安否の報告を行わなくてもよい従業員に対しても安否報告をさせることになり、従業員全体としての負担が大きくなるという問題があった。また、そのような安否確認を行った場合には、結果として、無事である旨の安否報告が増えることになり、被害が小さいと捉えるなどのように、従業員の被害状況の把握を誤る可能性もあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、安否報告に関する従業員の負担を軽減すると共に、被害の状況をより正確に把握することができる安否確認装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による安否確認装置は、従業員を識別する従業員識別子と、従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点とを有する従業員情報を複数有する人事情報が記憶される人事情報記憶部と、災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する災害情報受信部と、災害情報受信部によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員の従業員識別子を、人事情報を用いて特定する特定部と、特定部によって特定された従業員識別子で識別される従業員に、安否報告を指示する指示情報を送信する送信部と、指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する報告情報受信部と、報告情報受信部によって受信された報告情報に関する処理を行う処理部と、処理部による処理の結果を出力する出力部と、を備えたものである。
このような構成により、災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員に、安否確認を行うことになる。そのため、例えば、九州で災害が発生した場合に、北海道の従業員に対しては安否確認を行わないようにすることができ、災害場所と関係のない場所にいる従業員の負担を軽減することができる。また、そのように、災害場所と関係のない場所にいる従業員からは報告情報を受信しないことになるため、必要性のない「無事」を示す報告情報を減らすことができ、送信される報告情報によって、被害の状況をより正確に把握することができるようになる。
【0007】
また、本発明による安否確認装置では、従業員情報は、従業員情報に含まれる従業員識別子によって識別される従業員の役職を示す役職情報をも含んでおり、処理部は、指示情報の送信された従業員のうち、あらかじめ決められた役職の従業員の報告情報に関する処理を行ってもよい。
このような構成により、例えば、役職の高い従業員等の被災状況を容易に把握できるようになる。そして、その被災状況に応じて、例えば、代わりの人材を手当てするなどの対策をとることができるようになる。
【0008】
また、本発明による安否確認装置では、従業員情報は、従業員情報に含まれる従業員識別子によって識別される従業員の部署を示す部署情報をも含んでおり、処理部は、指示情報の送信された従業員のうち、あらかじめ決められた部署の従業員の報告情報に関する処理を行ってもよい。
このような構成により、例えば、公共性の高い仕事を担当している部署の従業員や、重要プロジェクトを担当している部署の従業員等の被災状況を容易に把握できるようになる。そして、その被災状況に応じて、例えば、代わりの人員を手当てすることなどによって、公共性の高い仕事や重要プロジェクトへの影響が小さくなるように対策をとることができるようになる。
【0009】
また、本発明による安否確認装置では、処理部は、指示情報の送信された全従業員の報告情報に関する処理を行ってもよい。
このような構成により、災害場所に応じた領域の従業員の被災状況を容易に把握できるようになる。
【0010】
また、本発明による安否確認装置では、処理部は、指示情報の送信に対する報告情報の受信の推移を示す推移情報を取得してもよい。
このような構成により、指示情報の送信から報告情報の受信までの時間の長い従業員が多いかどうかを容易に把握できるようになる。その結果によって、例えば、災害の従業員への影響が大きいかどうかを知ることができるようになる。
【0011】
また、本発明による安否確認装置では、従業員情報は、従業員情報に含まれる従業員識別子によって識別される従業員に関する属性である従業員属性をも含んでおり、特定部は、災害情報受信部によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点であり、あらかじめ決められた従業員属性を有する従業員の従業員識別子を特定してもよい。
このような構成により、災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員のうち、特定の属性を有する従業員に対してのみ、安否確認を行うようになる。そのため、例えば、所定の部署の従業員に対してのみ、安否確認を行うことができるようになる。通常、災害発生時には通信回線が混み合うため、通信量を少なくすることが好適であるが、このように、特定の属性を有する従業員のみに安否確認を行うことによって、そのような制限を行わない場合と比較して、通信量を少なくすることができる。
【0012】
また、本発明による安否確認装置では、従業員識別子と、従業員識別子によって識別される従業員の現在位置とを対応付ける現在位置情報が複数記憶される現在位置情報記憶部をさらに備え、特定部は、災害場所に応じた領域が現在位置である従業員の従業員識別子をも特定してもよい。
このような構成により、従業員の現在位置をも用いて、災害場所に応じた領域にいる従業員を特定することができるようになる。その結果、例えば、勤務地や居住地は被災場所から離れていても、出張等によって被災場所にいる従業員に対しても、安否確認を行うことができるようになる。
【0013】
また、本発明による情報処理端末は、災害の発生に応じて安否確認装置から送信された、安否報告を指示する指示情報を受信する受信部と、受信部によって指示情報が受信された場合に、安否情報を受け付ける受付部と、受付部によって受け付けられた安否情報を含む報告情報を安否確認装置に送信する送信部と、現在位置を取得する現在位置取得部と、を備え、送信部は、従業員を急いで救助する必要があることを示す安否情報が受付部によって受け付けられた場合に、現在位置取得部によって取得された現在位置を繰り返して送信するものである。
このような構成により、緊急であることを示す安否情報が従業員によって選択された場合に、その従業員の現在位置が繰り返して送信されるようになることによって、その従業員を救助に向かう際に、従業員の位置を特定することが容易になる。特に、洪水や津波などによって従業員の位置が変化し得る場合であっても、従業員の位置を迅速かつ的確に特定できるようになる。
【0014】
また、本発明による安否確認方法は、従業員を識別する従業員識別子と、従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点とを有する従業員情報を複数有する人事情報が記憶される人事情報記憶部と、災害情報受信部と、特定部と、送信部と、報告情報受信部と、処理部と、出力部とを用いて処理される安否確認方法であって、災害情報受信部が、災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する災害情報受信ステップと、特定部が、災害情報受信ステップにおいて受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員の従業員識別子を、人事情報を用いて特定する特定ステップと、送信部が、特定ステップにおいて特定された従業員識別子で識別される従業員に、安否報告を指示する指示情報を送信する送信ステップと、報告情報受信部が、指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する報告情報受信ステップと、処理部が、報告情報受信ステップにおいて受信された報告情報に関する処理を行う処理ステップと、出力部が、処理ステップにおいて処理の結果を出力する出力ステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明による安否確認装置等によれば、災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員に安否確認を行うことになる。その結果、災害場所と関係のない場所にいる従業員から報告情報を受信する可能性を低減することができ、被害状況をより正確に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態による安否確認装置を含む通信システムの構成を示す図
【
図2】同実施の形態による安否確認装置の動作を示すフローチャート
【
図3】同実施の形態における人事情報の一例を示す図
【
図4】同実施の形態における現在位置情報の一例を示す図
【
図5A】同実施の形態における報告状況情報の一例を示す図
【
図5B】同実施の形態における報告状況情報の一例を示す図
【
図6】同実施の形態における指示情報の一例を示す図
【
図7】同実施の形態における情報処理端末の表示の一例を示す図
【
図8A】同実施の形態における処理結果の表示の一例を示す図
【
図8B】同実施の形態における処理結果の表示の一例を示す図
【
図8C】同実施の形態における処理結果の表示の一例を示す図
【
図9】同実施の形態における情報処理端末の構成の一例を示すブロック図
【
図10】同実施の形態における情報処理端末の動作の一例を示すフローチャート
【
図11】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【
図12】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による安否確認装置、情報処理端末等について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による安否確認装置は、災害が発生した場合に、人事情報を用いて、災害場所に応じた領域の従業員を特定し、その特定した従業員に対して安否確認を行うものである。
【0018】
図1は、本実施の形態による安否確認装置1を含む通信システムの構成を示す図である。その通信システムは、安否確認装置1と、複数の情報処理端末2とを備える。安否確認装置1と、複数の情報処理端末2とは、有線または無線の通信回線500によって通信可能に接続されている。なお、通信回線500は、例えば、インターネット、イントラネット、または、公有電話回線網等であってもよい。情報処理端末2は、安否確認の対象となる従業員が操作する端末であり、例えば、パーソナル・コンピュータであってもよく、スマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な端末であってもよい。通常、情報処理端末2は、従業員が携帯している携帯電話やスマートフォン等である。
【0019】
図1において、安否確認装置1は、人事情報記憶部11と、現在位置情報記憶部12と、災害情報受信部13と、特定部14と、送信部15と、報告情報受信部16と、処理部17と、出力部18とを備える。
【0020】
人事情報記憶部11では、複数の従業員情報を有する人事情報が記憶される。各従業員情報は、一人の従業員に対応しており、従業員を識別する従業員識別子と、その従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点とを有している。従業員とは、ある組織の構成員のことである。その組織は、例えば、会社や企業等の法人であってもよく、国の行政機関や地方公共団体などであってもよい。また、従業員には、その組織に属するすべての人が含まれてもよい。例えば、会社の代表者や役員も従業員に含まれてもよい。従業員識別子は、従業員を一意に特定できるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、従業員識別子は、従業員の氏名であってもよく、従業員に割り当てられた所定の文字列等であってもよい。従業員地点は、例えば、従業員の勤務地であってもよく、従業員の居住地であってもよい。本実施の形態では、従業員地点に、従業員の勤務地と居住地との両方が含まれる場合について主に説明する。その従業員地点は、例えば、緯度や経度などの位置を示す情報であってもよく、住所であってもよく、または、地点を示すその他の情報であってもよい。その従業員地点が住所である場合に、その住所は、例えば、「東京都新宿区西新宿六丁目8番1号」などのように、場所を一意に特定できる住所であってもよく、「東京都新宿区西新宿」などのように、面状の領域を示す住所であってもよい。他の住所についても同様であってもよい。
【0021】
また、各従業員情報は、それ以外の情報を有していてもよい。例えば、従業員情報は、その従業員情報に含まれる従業員識別子によって識別される従業員の氏名や、その従業員の連絡先のアドレス、その従業員の属性である従業員属性などを有していてもよい。従業員の連絡先のアドレスは、例えば、従業員の電子メールアドレスであってもよく、従業員の携帯電話の電話番号であってもよく、情報の連絡先を示すその他の情報であってもよい。従業員属性は、例えば、従業員の部署を示す部署情報を含んでいてもよく、従業員の役職を示す役職情報を含んでいてもよく、従業員のその他の属性を含んでいてもよい。複数の従業員が属する組織のヒエラルキーにおいて、部署は、横方向(幅方向)のグループ分けであり、役職は、縦方向(階層方向)のグループ分けであると考えることもできる。通常、各組織において従業員の情報が人事データベースで管理されているため、その人事データベースの情報を、上記人事情報として用いてもよい。
【0022】
人事情報記憶部11に人事情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して人事情報が人事情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された人事情報が人事情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、または、入力デバイスを介して入力された人事情報が人事情報記憶部11で記憶されるようになってもよい。人事情報記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、または、長期的な記憶でもよい。人事情報記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現され得る。
【0023】
現在位置情報記憶部12では、複数の現在位置情報が記憶される。現在位置情報は、従業員識別子と、その従業員識別子によって識別される従業員の現在位置とを対応付ける情報である。その現在位置は、例えば、従業員が携帯している情報処理端末2等が有する現在位置取得手段(例えば、GPS(Global Positioning System)等)によって取得された現在位置であってもよく、従業員のスケジュールや予定によって示される現在位置であってもよい。前者の場合には、リアルタイムで現在位置が更新されることになる。後者の場合には、現在位置は、予想されたものであるため、正確でないこともあり得る。現在位置は、例えば、ピンポイントの点状の位置であってもよく、面状の領域であってもよい。その点状の位置は、例えば、緯度・経度によって示されてもよく、場所を一意に特定できる住所によって示されてもよい。また、その面状の領域は、例えば、関東地方や近畿地方などの地域であってもよく、都道府県や市町村などの領域であってもよく、その他の領域であってもよい。なお、人事情報は、人事異動等がなければ変更されない静的な情報であるのに対して、現在位置情報は、人事情報よりも頻繁に更新される動的な情報であると言うことができる。本実施の形態では、現在位置が従業員のスケジュールによって示される場合について主に説明する。
【0024】
現在位置情報記憶部12に現在位置情報が記憶される過程は問わない。例えば、通信回線等を介して送信された現在位置情報が現在位置情報記憶部12で記憶されるようになってもよく、または、入力デバイスを介して入力された現在位置情報が現在位置情報記憶部12で記憶されるようになってもよい。現在位置情報記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、または、長期的な記憶でもよい。現在位置情報記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスクなど)によって実現され得る。
【0025】
なお、人事情報記憶部11と、現在位置情報記憶部12とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、または、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、人事情報を記憶している領域が人事情報記憶部11となり、現在位置情報を記憶している領域が現在位置情報記憶部12となる。人事情報記憶部11と現在位置情報記憶部12とが同一の記録媒体によって構成される場合には、従業員情報に含まれる従業員識別子に、現在位置が対応付けられていてもよい。その場合には、現在位置と、従業員情報に含まれる従業員識別子とによって、現在位置情報が構成されていると考えることができる。
【0026】
災害情報受信部13は、災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する。災害は、洪水、暴風、豪雨、竜巻、地震、津波、高潮、山崩れ、地すべり、急傾斜崩落、火山の噴火、土石流、雷、豪雪、雪崩、その他の異常な自然現象によって生じる自然災害であってもよく、火災、暴動、テロ、戦争、その他の異常な人為的原因によって生じる人為的な災害であってもよい。災害場所は、例えば、ピンポイントの点状の位置を示す情報であってもよく、面状の領域を示す情報であってもよく、線状の領域を示す情報(例えば、ある海岸線を示す情報など)であってもよい。災害場所は、例えば、緯度・経度で示されてもよく、住所で示されてもよい。緯度・経度によって面状の領域である災害場所が示される場合には、その災害場所は、例えば、緯度・経度によって示されるピンポイントの位置を中心とする所定の半径(例えば、20kmなどであってもよく、その半径は災害場所に含まれてもよい。)の円によって示されてもよく、面状の領域の輪郭を示す複数のピンポイントの位置によって示されてもよい。なお、災害情報には、災害の内容や程度を示す情報が含まれていてもよい。災害の内容は、例えば、洪水や津波、台風等である。災害の程度は、例えば、地震について「震度5」、津波について「2メートル」、台風について「非常に強い」等である。
【0027】
災害情報は、災害の発生直後に送信されるものであり、例えば、Jアラート(全国瞬時警報システム)などのシステムを用いて送信されてもよく、または、他の方法によって送信されてもよい。災害情報受信部13において、災害情報は、プッシュ方式によって受信されてもよく、プル方式によって受信されてもよい。災害情報は、通信回線500を介して受信されてもよく、または、他の方法で受信されてもよい。なお、災害情報受信部13は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、災害情報受信部13は、放送(ブロードキャスト)で送信された災害情報を受信するものであってもよい。また、災害情報受信部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、または受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0028】
特定部14は、災害情報受信部13によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員の従業員識別子を特定する。その特定は、人事情報を用いて行われる。なお、災害場所に応じた領域は、例えば、点状の位置であってもよく、面状の領域であってもよい。また、災害場所に応じた領域は、例えば、災害場所そのものであってもよく、災害場所を含む領域であってもよい。後者の場合には、例えば、災害場所が「東京都新宿区」であっても、災害場所に応じた領域は、「東京都」や「関東地方」であってもよく、また、災害場所が緯度・経度で示されるピンポイントの位置であっても、災害場所に応じた領域は、そのピンポイントの位置を中心とする半径50kmや半径100kmの領域であってもよい。災害場所に応じた領域が面状の領域であり、従業員地点が点状の位置である場合には、例えば、災害場所に応じた面状の領域に、従業員地点が含まれるときに、その災害場所に応じた領域が従業員地点であると判断され、そうでないときに、その災害場所に応じた領域が従業員地点でないと判断されてもよい。また、災害場所に応じた領域が面状の領域であり、従業員地点も面状の領域である場合には、例えば、両者の一部が少なくとも重なっているときに、その災害場所に応じた領域が従業員地点であると判断されて、そうでないときに、その災害場所に応じた領域が従業員地点でないと判断されてもよい。災害場所に応じた領域が点状の位置であり、従業員地点が面状の領域である場合には、例えば、災害場所に応じた点状の位置が、従業員地点である面状の領域に含まれるときに、その災害場所に応じた領域が従業員地点であると判断され、そうでないときに、その災害場所に応じた領域が従業員地点でないと判断されてもよい。特定部14は、具体的には、複数の従業員情報のうち、災害場所に応じた領域である従業員地点を含む従業員情報に含まれている従業員識別子を特定してもよい。その従業員識別子の特定は、例えば、特定対象の従業員識別子を所定の記録媒体に蓄積することによって行われてもよく、特定対象の従業員識別子に特定したことを示すフラグ等を設定することによって行われてもよい。また、従業員情報に、2以上の従業員地点(例えば、勤務地と居住地等)が含まれる場合には、例えば、被災場所に応じた領域が、その2以上の従業員地点のうち少なくともいずれかであるときに、その災害場所に応じた領域が従業員情報に含まれる従業員地点であると判断されて、そうでないときに、その災害場所に応じた領域が従業員情報に含まれる従業員地点でないと判断されてもよい。
【0029】
また、特定部14は、災害情報受信部13によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点であり、あらかじめ決められた従業員属性を有する従業員の従業員識別子を特定してもよい。この場合には、従業員情報に、従業員属性が含まれているものとする。そして、特定部14は、具体的には、複数の従業員情報のうち、災害場所に応じた領域である従業員地点を含む従業員情報のうち、あらかじめ決められた従業員属性を含む従業員情報に含まれている従業員識別子を特定してもよい。あらかじめ決められた従業員属性は、例えば、あらかじめ決められた部署であってもよく、あらかじめ決められた役職であってもよく、その他のあらかじめ決められた従業員属性であってもよい。このような特定を行うことによって、後述する指示情報の送信先を、所定の部署の従業員や、所定の役職の従業員に絞り込むことができる。したがって、例えば、重要役職者についてのみ安否確認を行ったり、公共性の高い仕事を担当している部署の従業員や重要プロジェクト等の重要な業務を担当している部署の従業員についてのみ安否確認を行ったりすることができる。
【0030】
また、特定部14は、災害場所に応じた領域が現在位置である従業員の従業員識別子をも特定してもよい。その特定は、現在位置情報記憶部12で記憶されている現在位置情報を用いて行われてもよい。災害場所に応じた領域が現在位置であるかどうかの判断は、災害場所に応じた領域が従業員地点であるかどうかの判断と同様にして行われてもよい。特定部14は、具体的には、複数の従業員識別子のうち、災害場所に応じた領域である現在位置に対応付けられている従業員識別子を特定してもよい。なお、特定部14は、従業員地点を用いた従業員識別子の特定と、現在位置を用いた従業員識別子の特定とを行った後に、特定した従業員識別子をマージし、従業員識別子の重複をなくすためにユニーク処理を行ってもよい。または、特定部14は、まず、従業員地点を用いた従業員識別子の特定を行い、その後に、特定されなかった従業員識別子に対応付けられている現在位置のみについて、現在位置を用いた従業員識別子の特定を行ってもよい。その処理の順番は、逆であってもよい。また、現在位置情報を用いた従業員識別子の特定を行う場合においても、特定部14は、あらかじめ決められた従業員属性を有する従業員の従業員識別子のみを特定してもよい。
【0031】
送信部15は、特定部14によって特定された従業員識別子で識別される従業員に、安否報告を指示する指示情報を送信する。その指示情報には、安否報告である報告情報の送信先に関する情報(例えば、送信先のURLや、送信先のアドレス等)が含まれていてもよい。また、その指示情報には、安否報告を行う旨の指示を示す文字列が含まれていてもよい。従業員に指示情報を送信するとは、厳密には、その従業員の情報処理端末2に指示情報を送信することである。したがって、送信部15は、通常、通信回線500を介して指示情報を送信する。具体的には、従業員情報に連絡先アドレスが含まれる場合には、送信部15は、特定された従業員識別子を含む従業員情報に含まれている連絡先アドレスを読み出し、その連絡先アドレスを送信先として指示情報を送信してもよい。複数の従業員識別子が特定された場合には、その特定された複数の従業員識別子にそれぞれ対応する複数の送信先に、指示情報がそれぞれ送信されることになる。なお、従業員情報に連絡先アドレスが含まれていない場合には、送信部15は、人事情報とは別に管理されている、従業員識別子と連絡先アドレスとを対応付ける情報にアクセスできるものとする。そして、その情報を用いて、特定された従業員識別子に対応する連絡先アドレスを特定し、その特定した連絡先アドレスを送信先として指示情報を送信するものとする。指示情報は、例えば、電子メールで送信されてもよく、その他の方法によって送信されてもよい。
【0032】
なお、送信部15は、指示情報を従業員の情報処理端末2に直接送信してもよく、または、サーバ等を介して間接的に送信してもよい。また、送信部15は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、送信部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、または送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0033】
報告情報受信部16は、指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する。従業員から送信された報告情報とは、厳密には、その従業員の情報処理端末2から送信された報告情報のことである。したがって、報告情報受信部16は、通常、通信回線500を介して、その報告情報を受信する。その報告情報には、例えば、「無事」「軽傷」「重傷」などの安否を示す安否情報が含まれていることが好適である。また、従業員が自由に記入できるコメントも報告情報に含まれていてもよい。報告情報は、例えば、電子メールで受信されてもよく、または、ウェブサイト経由で受信されてもよい。
【0034】
また、報告情報は、その報告情報を送信した従業員の従業員識別子と紐付けられるようになっていることが好適である。例えば、その報告情報に従業員識別子が含まれていてもよく、その報告情報に、従業員識別子に紐付けられている情報が含まれており、その情報を介して、報告情報と従業員識別子とが紐付けられるようになっていてもよい。従業員識別子と紐付けられている情報は、例えば、従業員の連絡先のアドレスであってもよく、指示情報を識別する情報であってもよく、その他の情報であってもよい。指示情報を識別する情報が報告情報に含まれている場合には、指示情報と、従業員識別子とがあらかじめ紐付けられていることが好適である。例えば、報告情報が電子メールで送信される場合には、その電子メールの送信元のアドレスを用いて、送信元の従業員の従業員識別子を特定することができ得る。また、例えば、報告情報がウェブサイト経由で送信される場合には、そのウェブサイトのURLを用いて、送信元の従業員の従業員識別子を特定することができ得る。また、報告情報受信部16は、報告情報の内容や報告情報を受信した日時を記録してもよい。それらの情報は、例えば、報告情報を送信した従業員の従業員識別子に対応付けて記録されてもよい。
【0035】
なお、報告情報受信部16は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、報告情報受信部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、または受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0036】
処理部17は、報告情報受信部16によって受信された報告情報に関する処理を行う。その処理は、どのような処理であってもよい。ここでは、その処理が、(1)所定の役職の従業員の報告情報に関する処理である場合、(2)所定の部署の従業員の報告情報に関する処理である場合、(3)全従業員の報告情報に関する処理である場合、(4)報告情報の受信の推移に関する処理である場合について説明する。
【0037】
(1)所定の役職の従業員の報告情報に関する処理
この場合には、従業員情報に、役職情報も含まれているものとする。そして、処理部17は、指示情報の送信された従業員のうち、あらかじめ決められた役職の従業員の報告情報に関する処理を行う。ここで、あらかじめ決められた役職の従業員のことを、以下、「所定の役職従業員」と呼ぶこともある。上記のように、報告情報と、その報告情報を送信した従業員の従業員識別子とは紐付け可能になっている。そのため、処理部17は、報告情報に対応する従業員識別子を特定し、その特定した従業員識別子に対応する役職情報を、人事情報を用いて特定することができる。同様にして、処理部17は、指示情報の送信された従業員のうち、所定の役職従業員を特定することができる。その結果、処理部17は、例えば、指示情報の送信された所定の役職従業員の人数や、報告情報を送信した所定の役職従業員の人数、報告情報に含まれる安否情報ごとの所定の役職従業員の人数(例えば、報告情報の安否情報が「無事」であった所定の役職従業員の人数等)を取得することができる。したがって、処理部17は、それらの情報を用いることによって、例えば、指示情報の送信された所定の役職従業員に対する、報告情報を送信した所定の役職従業員の割合を算出したり、指示情報の送信された所定の役職従業員に対する、あらかじめ決められた1以上の安否情報(例えば、「無事」であってもよく、「軽傷」または「重傷」であってもよい)を含む報告情報を送信した所定の役職従業員の割合を算出したり、指示情報の送信された所定の役職従業員のうち、報告情報を送信していない所定の役職従業員の人数を取得したりすることができる。処理部17は、上記の人数の取得や割合の算出の処理のうち、少なくともいずれかを行ってもよく、任意の2以上の処理を行ってもよい。なお、所定の役職従業員は、例えば、役職の高い従業員であってもよい。より具体的には、所定の役職従業員は、役職情報によって示される役職が、あらかじめ決められた役職(例えば、課長や部長など)以上である従業員であってもよい。
【0038】
このように、所定の役職従業員の報告情報に関する処理を行うことによって、例えば、役職の高い従業員の被災状況を容易に把握することができるようになる。通常、役職の高い従業員は、他の従業員を統制し、指示する立場にあるため、そのような従業員が被災して指示等を行うことができない場合には、代わりの人材の手当てなどが必要になる。したがって、災害の発生時に所定の役職従業員の被災状況を容易に把握できることは好適である。また、その所定の役職従業員の被災状況によって、役職の高い従業員に災害の影響がないことが示される場合には、組織の指示系統が機能していると理解することができ得る。
【0039】
(2)所定の部署の従業員の報告情報に関する処理
この場合には、従業員情報に、部署情報も含まれているものとする。そして、処理部17は、指示情報の送信された従業員のうち、あらかじめ決められた部署の従業員の報告情報に関する処理を行う。ここで、あらかじめ決められた部署の従業員のことを、以下、「所定の部署従業員」と呼ぶこともある。上記(1)の場合と同様に、処理部17は、報告情報に対応する従業員識別子を特定し、その特定した従業員識別子に対応する部署情報を特定できる。また、処理部17は、指示情報の送信された従業員のうち、所定の部署従業員を特定することができる。その結果、処理部17は、例えば、指示情報の送信された所定の部署従業員の人数や、報告情報を送信した所定の部署従業員の人数、報告情報に含まれる安否情報ごとの所定の部署従業員の人数(例えば、報告情報の安否情報が「無事」であった所定の部署従業員の人数等)を取得することができる。したがって、処理部17は、それらの情報を用いることによって、例えば、指示情報の送信された所定の部署従業員に対する、報告情報を送信した所定の部署従業員の割合を算出したり、指示情報の送信された所定の部署従業員に対する、あらかじめ決められた1以上の安否情報(例えば、「無事」であってもよく、「軽傷」または「重傷」であってもよい)を含む報告情報を送信した所定の部署従業員の割合を算出したり、指示情報の送信された所定の部署従業員のうち、報告情報を送信していない所定の部署従業員の人数を取得したりすることができる。処理部17は、上記の人数の取得や割合の算出の処理のうち、少なくともいずれかを行ってもよく、任意の2以上の処理を行ってもよい。なお、所定の部署従業員は、例えば、他の被災者への影響が大きい部署(例えば、インフラ関係の業務に携わる部署等)の従業員であってもよく、公共性の高い仕事を担当している部署の従業員であってもよく、重要プロジェクト等の重要な業務を担当している部署の従業員であってもよい。
【0040】
このように、所定の部署従業員の報告情報に関する処理を行うことによって、例えば、公共性の高い仕事や重要プロジェクト等を担当している部署の従業員の被災状況を容易に把握できるようになる。通常、公共性の高い仕事や重要プロジェクト等については、継続性が要求されるため、そのような部署の従業員が被災した場合には、代わりの人員の手当などが必要になる。したがって、災害の発生時に所定の部署従業員の被災状況を容易に把握できることは好適である。
また、処理部17は、指示情報の送信された従業員について、報告情報に関する処理を部署ごとに行ってもよい。この場合には、各部署について、所定の部署従業員の報告情報に関する処理と同様の処理が行われることになってもよい。
【0041】
(3)全従業員の報告情報に関する処理
この場合には、処理部17は、指示情報の送信された全従業員の報告情報に関する処理を行う。処理部17は、例えば、指示情報の送信された従業員の人数や、報告情報を送信した従業員の人数、報告情報に含まれる安否情報ごとの従業員の人数(例えば、報告情報の安否情報が「無事」であった従業員の人数等)を取得することができる。したがって、処理部17は、それらの情報を用いることによって、例えば、指示情報の送信された従業員に対する、報告情報を送信した従業員の割合を算出したり、指示情報の送信された従業員に対する、あらかじめ決められた1以上の安否情報(例えば、「無事」であってもよく、「軽傷」または「重傷」であってもよい)を含む報告情報を送信した従業員の割合を算出したり、指示情報の送信された従業員のうち、報告情報を送信していない従業員の人数を取得したりすることができる。処理部17は、上記の人数の取得や割合の算出の処理のうち、少なくともいずれかを行ってもよく、任意の2以上の処理を行ってもよい。
【0042】
このように、指示情報の送信された全従業員の報告情報に関する処理を行うことによって、例えば、全従業員の被災状況を容易に把握することができる。その結果、例えば、被災した従業員が多いような場合には、それらの従業員を助けるためのプロジェクトを立ち上げることなどができる。
【0043】
なお、上記(1)~(3)において説明した各処理、特に人数を計算したり、割合を算出したりする処理は、統計処理であると考えてもよい。また、処理部17は、(1)~(3)のそれぞれにおいて、上記説明以外の処理を行ってもよいことは言うまでもない。例えば、処理部17は、(1)~(3)のそれぞれにおいて、取得した数値や計算した数値等を用いてグラフを作成してもよい。具体的には、処理部17は、「無事」「軽傷」「重傷」「未回答」の従業員の割合を示すグラフを作成してもよい。なお、未回答の従業員は、指示情報の送信された従業員のうち、報告情報を送信していない従業員のことである。
【0044】
(4)報告情報の受信の推移に関する処理
この場合には、報告情報が受信された際に、その受信の日時が分かるようになっているものとする。その受信の日時は、報告情報受信部16によって記録されてもよく、報告情報に含まれる送信日時が、受信の日時として用いられてもよい。そして、処理部17は、指示情報の送信に対する報告情報の受信の推移を示す推移情報を取得する。推移情報は、例えば、指示情報の送信された従業員に対する、報告情報を送信した従業員の割合の時間変化であってもよく、報告情報を送信した従業員の合計人数の時間変化であってもよい。処理部17は、上記のように、指示情報の送信された従業員に対する報告情報を送信した従業員の割合や、報告情報を送信した従業員の人数を取得することができる。したがって、処理部17は、その処理を異なるタイミングで繰り返して行うことによって、推移情報を取得できる。その推移情報は、例えば、時点を示す情報と、その時点における、報告情報を送信した従業員の割合や、報告情報を送信した従業員の合計人数との組を複数有する情報であってもよい。時点を示す情報は、例えば、時刻であってもよく、ある時点を基点とする経過時間(例えば、タイマで計時された値)であってもよい。その基点は、例えば、指示情報の送信時点であってもよい。なお、その推移情報は、例えば、視覚的に把握可能なものであってもよい。すなわち、推移情報は、指示情報の送信された従業員に対する報告情報を送信した従業員の割合や、報告情報を送信した従業員の人数に関する、指示情報が送信されてからの時間変化を示すグラフであってもよい。
【0045】
処理部17は、上記(1)~(4)のいずれかの処理を行ってもよく、上記(1)~(4)の任意の2以上の処理を行ってもよく、または、上記(1)~(4)以外の報告情報に関する処理を行ってもよい。
【0046】
出力部18は、処理部17による処理の結果を出力する。出力部18は、例えば、所定の役職従業員の報告情報に関する処理結果を出力してもよく、所定の部署従業員の報告情報に関する処理結果を出力してもよく、全従業員の報告情報に関する処理結果を出力してもよく、推移情報を出力してもよく、それら以外の処理の結果を出力してもよい。また、出力部18は、処理の結果以外の情報を出力してもよい。出力部18は、例えば、受信された報告情報の内容を出力してもよい。また、その出力の際に、出力部18は、報告情報に紐付けられる従業員識別子に対応する人事情報に含まれる情報、例えば、従業員の氏名や役職情報、部署情報等を、報告情報と一緒に出力してもよい。ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。なお、出力部18は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、出力部18は、ハードウェアによって実現されてもよく、または、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0047】
次に、安否確認装置1の動作について
図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)災害情報受信部13は、災害情報を受信したかどうか判断する。そして、災害情報を受信した場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS104に進む。
【0048】
(ステップS102)特定部14は、ステップS101で受信された災害情報に含まれる災害場所を用いて、指示情報の送信先である従業員を特定する。特定部14は、現在位置情報も用いて、指示情報の送信先である従業員の特定を行ってもよい。
【0049】
(ステップS103)送信部15は、ステップS102で特定された従業員に指示情報を送信する。そして、ステップS101に戻る。
【0050】
(ステップS104)報告情報受信部16は、報告情報を受信したかどうか判断する。そして、報告情報を受信した場合には、ステップS105に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
【0051】
(ステップS105)報告情報受信部16は、報告情報を受信した旨や、報告情報に含まれる安否情報等を、ステップS104で受信された報告情報を送信した従業員の従業員識別子に対応付けて蓄積する。
【0052】
(ステップS106)処理部17は、受信された報告情報に関する処理を行う。この処理は、例えば、上記(1)~(4)の処理などである。
【0053】
(ステップS107)出力部18は、ステップS106の処理の結果を出力する。そして、ステップS101に戻る。
【0054】
なお、
図2のフローチャートでは、新たな報告情報が受信されるたびに処理部17における処理と、その処理結果の出力とが行われる場合について示しているが、そうでなくてもよい。例えば、安否確認装置1のユーザからの指示に応じて、処理部17による処理や、その処理結果の出力が行われてもよい。また、
図2のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。また、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0055】
次に、本実施の形態による安否確認装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、人事情報記憶部11には、
図3で示される人事情報が記憶されているものとする。
図3の人事情報に含まれる各従業員情報は、従業員識別子と、その従業員識別子で識別される従業員の氏名と、その従業員の従業員地点と、その従業員の従業員属性と、その従業員の電子メールアドレスである連絡先アドレスとを含んでいる。従業員地点には、勤務地と、居住地とが含まれている。勤務地も居住地も住所であるとする。また、従業員属性には、役職情報と、部署情報とが含まれている。また、この具体例において、現在位置情報記憶部12には、
図4で示される現在位置情報が記憶されているものとする。
図4の現在位置情報は、従業員識別子と、その従業員識別子で識別される従業員の現在位置とを含んでいる。現在位置は、年月日ごと、時間帯ごとの情報であり、住所によって示されている。この具体例では、従業員のスケジュールに登録されている位置が現在位置であるとする。例えば、従業員識別子「E003」で示される従業員「田中三郎」は、2017年9月5日の14時~16時の間は、東京都新宿区西新宿にいることが示されている。
【0056】
また、この具体例では、ある地方区分(例えば、北海道、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州地方)で災害が発生した場合に、災害場所と同じ地方が従業員地点である従業員と、その地方が現在位置である従業員とが特定されるものとする。また、この具体例では、処理部17は、上記(1)~(4)のすべての処理を行うものとする。なお、この具体例では、所定の役職従業員は、役職情報が「部長」以上である従業員であるとする。また、この具体例では、所定の部署従業員は、部署情報が「開発部」である従業員であるとする。
【0057】
まず、2017年9月5日の14時20分に、東京都のある地点を震源とする震度5の地震が発生したとする。そして、その地震の発生に応じて、東京で震度5の地震が発生した旨を示す災害情報がブロードキャストによって送信されたとする。なお、その災害情報に含まれる「東京」が、災害の発生した場所を示す災害場所であるとする。
【0058】
災害情報受信部13は、その災害情報を受信すると、その災害情報を特定部14と送信部15とに渡す(ステップS101)。特定部14は、災害情報を受け取ると、その災害情報から災害場所を取り出し、その災害場所「東京」に応じた領域「関東地方」を特定する。そして、特定部14は、人事情報記憶部11で記憶されている各従業員情報に含まれる従業員地点を参照し、その従業員地点の少なくともいずれかが、関東地方に含まれるかどうか判断し、含まれる場合には、その従業員情報に含まれる従業員識別子を、指示情報の送信先の従業員の従業員識別子として特定する。従業員地点が関東地方に含まれるかどうかは、従業員地点に含まれる都道府県が、「茨城県」「栃木県」「群馬県」「埼玉県」「千葉県」「東京都」「神奈川県」のいずれかであるかどうかによって判断されてもよい。
図3で示される人事情報では、従業員識別子「E001」「E002」「E004」が特定されることになる。また、特定部14は、現在位置情報を参照し、2017年9月5日の14:20の現在位置が関東地方に含まれる場合に、その現在位置情報に含まれる従業員識別子を、指示情報の送信先の従業員の従業員識別子として特定する。
図4で示される現在位置情報では、従業員識別子「E002」「E003」が特定されるが、従業員識別子「E002」はすでに特定されているため、重ねての特定は行わなくてもよい(ステップS102)。なお、例えば、現在位置が、緯度・経度によって示される場合には、その緯度・経度を、住所に変換してから、上記判断を行ってもよい。他の位置や地点についても同様である。また、緯度・経度を用いて、災害場所に応じた領域に従業員地点や現在位置が含まれるかどうかについて判断する場合には、住所を緯度・経度に変換してから、その判断を行ってもよい。なお、緯度・経度と住所とを相互に変換するシステムは公知である。
【0059】
特定部14は、具体的には、災害の発生に応じて、従業員識別子と、その従業員識別子で識別される従業員が、指示情報の送信先に特定されたかどうかを示す特定フラグと、その従業員から報告情報が受信されたかどうかを示す報告フラグと、その報告情報に含まれていた安否の状況を示す安否情報と、その報告情報が受信された日時と、報告情報に含まれていた従業員からのコメントとを含む複数の報告状況情報を、従業員ごとに人事情報記憶部11に新たに蓄積する。なお、その報告状況情報が蓄積された時点では、特定フラグ、及び報告フラグはすべて「0」であり、安否情報、日時、コメントはすべてヌル(null)であってもよい。そして、特定部14は、上記のようにして特定した従業員識別子に対応する特定フラグを「1」に更新する。なお、特定フラグ「1」は、特定されたことを示し、特定フラグ「0」は、特定されていないことを示すものとする。また、報告フラグ「1」は、報告情報が受信されたことを示し、報告フラグ「0」は、報告情報が受信されていないことを示すものとする。
図5Aは、そのようにして特定フラグが更新された後の複数の報告状況情報を示す図である。
【0060】
送信部15は、
図5Aで示される報告状況情報を参照し、特定フラグ「1」に対応する従業員識別子を読み出す。また、送信部15は、読み出した従業員識別子に対応する連絡先アドレスを、人事情報を用いて取得し、その取得した各連絡先アドレスに、連絡先アドレスに対応して作成した指示情報を送信する(ステップS103)。なお、指示情報は、例えば、テンプレートを用いて作成されてもよい。具体的には、テンプレートの指示情報に、宛先のアドレス(連絡先アドレス)や、送信先の従業員に応じたURL、災害の内容等を追加することによって指示情報が作成されてもよい。
図6は、その指示情報である電子メールの一例を示す図である。その指示情報の電子メールの本文には、災害情報受信部13から受け取った災害情報に含まれている災害の日時や内容等が含まれている。また、報告情報がウェブサイト経由で送信された場合に、送信元の従業員を特定できるようにするため、インターネットでの報告時にアクセスするURLは、従業員ごとに異なっているものとする。なお、報告情報が電子メールの返信によって送信された場合には、送信元の電子メールアドレスによって、送信元の従業員を特定することができる。なお、
図6において、従業員がメールに返信する場合には、あらかじめ指定された文字「あ」「か」「さ」によって、安否情報を指定することができるようになっている。このように、数字ではない文字によって安否情報を指定することによって、文字の入力モードを切り換える必要がなくなり、報告情報を素早く送信することができるメリットがある。
【0061】
例えば、従業員識別子「E001」で識別される従業員「山田太郎」の情報処理端末2において指示情報が受信され、従業員「山田太郎」が指示情報の電子メールに含まれるURLを選択したとする。すると、情報処理端末2において、
図7で示される表示が行われる。従業員「山田太郎」が、その表示において、安否「軽傷」を選択し、コメント欄に「出勤可能」を入力して「報告」ボタンを選択すると、安否情報「軽傷」、コメント「出勤可能」を含む報告情報が安否確認装置1に送信される。指示情報を受信した他の従業員の情報処理端末2からも、同様にして報告情報が安否確認装置1に送信されることになる。
【0062】
その後、指示情報を受信した従業員の情報処理端末2から送信された報告情報が報告情報受信部16で受信されると(ステップS104)、その報告情報に含まれている安否情報やコメント、その報告情報の受信された日時が、その報告情報を送信した従業員の報告状況情報に追記される(ステップS105)。なお、その日時は、報告情報が受信された際に、図示しないカレンダー部や時計部から取得されてもよい。また、報告情報が電子メールで送信された場合には、報告情報受信部16は、送信元の電子メールアドレスに対応する従業員識別子を、人事情報を用いて特定することによって、報告情報を送信した従業員を特定することができる。また、報告情報がウェブサイト経由で送信された場合には、報告情報受信部16は、そのウェブサイトのURLを用いて、報告情報を送信した従業員を特定することができる。上記のように、報告情報を送信する際に用いられるウェブサイトのURLは、従業員ごとに異なっているからである。また、処理部17は、新たな報告情報の受信があるごとに、上記(1)~(4)の処理を行い、出力部18は、その処理の結果をそれぞれ出力する(ステップS106,S107)。例えば、従業員識別子「E001」「E002」で識別される従業員から送信された報告情報が受信された場合には、報告状況情報は、
図5Bで示されるようになる。
【0063】
また、そのような報告情報の受信が繰り返され、地震の発生から2時間後には、指示情報の送信された86人の従業員のうち、82人から報告情報が受信されたとする。また、役職が部長以上である従業員のうち、指示情報の送信された従業員は4人であり、そのうち、3人から報告情報の送信があったとする。その3人の報告情報において、「無事」は2人、「軽傷」は1人であったとする。また、部署が開発部である従業員のうち、指示情報の送信された従業員は14人であり、そのうち、12人から報告情報の送信があったとする。その12人の報告情報において、「無事」は10人、「軽傷」は1人、「重傷」は1人であったとする。また、地震の発生から1時間の時点では、64人の従業員から報告情報の送信があったとする。
【0064】
すると、処理部17は、所定の役職の従業員の報告情報に関する処理として、安否情報が軽傷または重傷である所定の役職従業員の人数「1」と、安否情報が無事である所定の役職従業員の人数「2」と、報告情報を送信していない未回答の所定の役職従業員の人数「1」とを取得して出力部18に渡す。
【0065】
また、処理部17は、所定の部署の従業員の報告情報に関する処理として、報告情報を送信した開発部の従業員のうち、安否情報が「無事」「軽傷」「重傷」である従業員の人数をそれぞれ取得する。上記のとおり、無事の人数は10人であり、軽傷の人数は1人であり、重傷の人数は1人である。すると、処理部17は、指示情報の送信された開発部の従業員に対する、「無事」である旨の報告情報を送信した従業員の割合「71%」(≒10/14×100)を算出する。また、処理部17は、指示情報の送信された開発部の従業員の人数「14人」から、報告情報を送信した従業員の人数「12人」を減算することによって、報告情報を送信していない開発部の従業員の人数、すなわち未回答の開発部の従業員の人数「2人」(=14-12)を算出する。また、処理部17は、指示情報の送信された開発部の従業員に関して、「無事」「軽傷」「重傷」の報告情報を送信した従業員のそれぞれの人数と、未回答の開発部の従業員の人数との示すグラフを作成する。そして、処理部17は、その算出した割合と、作成したグラフと、指示情報の送信された開発部の従業員の人数「14人」と、「無事」である旨の報告情報を送信した従業員の人数「10人」とを出力部18に渡す。
【0066】
また、処理部17は、全従業員の報告情報に関する処理として、指示情報の送信された従業員の人数「86人」と、報告情報を送信した従業員の人数「82人」とを取得し、指示情報の送信された従業員に対する、報告情報を送信した従業員の割合「95%」(≒82/86×100)を算出する。そして、それらの取得した人数と、算出した割合とを出力部18に渡す。
【0067】
また、処理部17は、地震の発生から1時間の時点における、指示情報の送信された従業員に対する、報告情報を送信した従業員の割合「74%」(≒64/86×100)を算出する。そして、その割合(回答率)の時間変化を示す回答推移のグラフ、すなわち、推移情報を作成して、出力部18に渡す(ステップS106)。
【0068】
処理部17から種々の情報を受け取ると、出力部18は、それらの情報を外部のディスプレイに表示する(ステップS107)。また、出力部18は、処理部17から受け取った情報以外にも、全体の回答率を表示している欄、及び開発部の安否状況を表示している欄に、「未回答者に再通知」ボタンと、「各回答確認」ボタンとを表示し、重要役職者の安否状況を表示している欄に、安否情報ごとの重要役職者の氏名、部署、役職、状況(安否情報)、コメントを表示する。その結果、
図8Aで示される表示が行われる。
図8Aの表示において、ユーザは、全体の回答率を見ることによって、指示情報の送信された従業員のうち、95%の従業員が回答していることを知ることができる。また、ユーザは、重要役職者の安否状況を見ることによって、重要役職者の安否の状況を知ることができる。具体的には、未回答の重要役職者が1人いるため、その重要役職者が無事かどうかを確かめたり、その確認ができなかった場合には、その重要役職者の代理を手当てしたりすることができる。また、ユーザは、開発部の安否状況を見ることによって、開発部の従業員の安否の状況を知ることができる。具体的には、2人の未回答の従業員と、1人の重傷の従業者とがいるため、その2人の未回答の従業員が無事かどうかを確かめたり、重傷の従業者の代理を手当てしたりすることができる。また、ユーザは、回答推移を見ることによって、回答率の時間変化を確認することができる。その回答率の時間変化の立ち上がりが鈍い場合には、被害が大きいと考えられるが、立ち上がりが早い場合には、被害は小さいと考えられる。
図8Aの場合には、その回答率の時間変化の立ち上がりが早いため、ネットワーク環境などを含めた被害はそれほど大きくはないと推定することができ得る。
【0069】
なお、
図8Aの表示において、ユーザが、全体の回答率を表示している欄における「未回答者に再通知」ボタンを選択した場合には、その選択が、安否確認装置1の図示しない受付部によって受け付けられ、送信部15に渡される。そして、送信部15は、報告状況情報において、特定フラグ「1」と、報告フラグ「0」とに対応する従業員識別子を特定し、その特定した従業員識別子に対応する連絡先アドレスに、再度、指示情報を送信する。また、ユーザが、全体の回答率を表示している欄における「各回答確認」ボタンを選択した場合には、出力部18は、人事情報記憶部11で記憶されている報告状況情報を読み出し、その報告状況情報のうち、特定フラグ「1」に対応する報告状況情報に含まれる従業員識別子と、その従業員識別子に対応する氏名と、その従業員識別子に対応する報告フラグによって示される報告の有無と、その従業員識別子に対応する安否情報と、その従業員識別子に対応する部署情報及び役職情報とを表示してもよい。その表示によって、指示情報の送信された各従業員に関する情報を知ることができるようになる。開発部の安否状況を表示している欄における「未回答者に再通知」ボタンや「各回答確認」ボタンが選択された場合には、再通知や表示の対象となる従業員が、部署情報が「開発部」である従業員に限定される以外は、上記説明と同様にして、再通知や表示が行われることになる。
【0070】
また、重要役職者の安否状況を表示している欄において、「無事」等の安否情報のタブが選択されると、そのタブの安否情報に対応する、指示情報の送信された重要役職者に関する情報が表示されることになる。なお、その表示は、「各回答確認」ボタンが選択された場合において、表示の対象となる従業員が重要役職者に限定され、安否情報が、選択されたタブに対応するものに限定される以外は、上記説明と同様にして行われることになる。
【0071】
また、この具体例では、すべての従業員に対応する報告状況情報が蓄積される場合について説明したが、そうでなくてもよい。特定部14によって特定された従業員に対応する報告状況情報のみが蓄積されてもよい。その場合には、報告状況情報に特定フラグが含まれていなくてもよい。なお、報告状況情報は、災害ごとに構成されることが好適である。より具体的には、報告状況情報は、安否確認装置1で受信される災害情報ごとに構成されてもよい。したがって、例えば、指示情報や報告情報等に、災害を識別する識別子(例えば、災害情報を識別する識別子であってもよい)が含まれており、ある識別子を含む報告情報が受信された場合には、その報告情報を用いて、その報告情報に含まれる識別子に対応する報告状況情報が更新されてもよい。
【0072】
また、この具体例では、報告状況情報に報告フラグが含まれる場合について説明したが、そうでなくてもよい。報告フラグが含まれていない場合であっても、報告状況情報に安否情報が含まれているかどうかによって、報告情報が受信されたかどうかを判断することができるからである。
【0073】
また、この具体例では、出力対象の処理結果等が安否確認装置1において、すなわちローカルで出力される場合について説明したが、そうでなくてもよい。出力対象の処理結果等は、通信回線500等を介して送信されてもよい。そして、その送信先の装置等において、処理結果等を確認できるようになってもよい。
【0074】
また、この具体例では、
図6で示されるように、電子メールによって報告情報を送信する場合に、「あ」「か」などの文字によって安否情報を指定すると説明したが、そうでなくてもよいことは言うまでもない。例えば、数字によって、安否情報を指定してもよい。
【0075】
また、この具体例では、
図8Aで示されるように、全体の回答率や、回答推移、重要役職者の安否状況、所定の部署従業員の安否状況が一括して表示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、
図8Bで示されるように、部署別の安否状況と、全体の安否状況と、全体の各従業員の安否状況とが表示されてもよい。この場合には、処理部17によって、上記(2)の処理が部署ごとに行われるとともに、上記(3)の処理が行われてもよい。また、「部署別の安否状況」の欄に表示される回答状況に関して、処理部17は、ある部署の従業員からの報告情報に含まれる安否情報に「軽傷」または「重傷」が含まれる場合には「負傷者あり」とし、ある部署の従業員からの報告情報に含まれる安否情報に「軽傷」及び「重傷」が含まれていないが、未回答の従業員がいる場合に「未回答あり」とし、ある部署の従業員からの報告情報に含まれる安否情報に「軽傷」及び「重傷」が含まれておらず、また、未回答の従業員もいない場合に「全員無事」としてもよい。また、「全体の各従業員の安否状況」の欄に関して、出力部18によって、指示情報の送信された従業員ごとに、氏名、回答の有無、報告情報に含まれる安否情報やコメント、部署情報、役職情報の表示が行われてもよい。なお、
図8Bの表示における「部署別の安否状況」の欄において、ユーザが「開発部」の行を選択すると、
図8Cで示されるように、開発部の行がハイライトされると共に、全体の安否状況、及び全体の各従業員の安否状況に代えて、開発部の安否状況、及び開発部の各従業員の安否状況が表示されてもよい。このようにして、ユーザは、所望の部署に関する安否状況を容易に知ることができるようになる。
【0076】
以上のように、本実施の形態による安否確認装置1によれば、災害が発生した場合に、その災害の発生した場所である災害場所に応じた領域が従業員地点や現在位置である従業員に、指示情報が送信されることになる。したがって、災害場所から遠く離れた場所で勤務したり居住したりしている従業員に指示情報を送信しないことになるため、発生した災害と関係ない従業員に、安否確認のための負担を掛けないようにすることができ、そのような従業員の負担を軽減することができる。また、発生した災害と関係ない従業員からも報告情報を受信する場合には、その報告情報は「無事」を示すものになるため、「無事」を示す多くの報告情報が受信されることになる。例えば、発生した災害と関係ない従業員が、全従業員の90%程度であった場合には、9割以上の報告情報が「無事」を示すものになり、被害の程度が小さいと把握され、1割以下の従業員に大きな被害が発生していることを見落としてしまう可能性もあり得る。一方、指示情報を送信する従業員を、災害場所に応じた領域が従業員地点や現在位置である従業員のみに絞ることによって、そのような問題を解決することができ、従業員に関する被害の状況をより正確に把握できるようになる。
【0077】
また、あらかじめ決められた役職の従業員の報告情報に関する処理を行うことによって、例えば、役職の高い従業員の被災状況を容易に把握することができるようになる。役職の高い従業員は、指示系統を構成する従業員であるため、そのような従業員の被災状況を把握することは重要である。そして、役職の高い従業員が被災して業務を行うことができない場合には、代わりの人材の手当を迅速に行うことができるようになる。
【0078】
また、あらかじめ決められた部署の従業員の報告情報に関する処理を行うことによって、重要な部署の従業員の被災状況を容易に把握することができるようになる。例えば、重要プロジェクトや公共性の高い仕事等を担当している従業員の被災状況を把握することは、そのような重要プロジェクトや公共性の高い仕事等を継続させるために重要である。そして、所定の部署の従業員が被災して業務を行うことができない場合には、代わりの人員の手当を迅速に行うことができるようになる。
【0079】
また、推移情報を取得することによって、報告情報の受信の時間変化を知ることができるようになる。そして、その時間変化によって、報告情報が短期間で集まってきているのか、あるいはそうでないのかを容易に把握することができる。報告情報が短期間で集まってきている場合には、従業員にも通信回線等のインフラにも大きな被害がないと考えられるが、そうでない場合には、従業員または通信回線等のインフラに大きな被害の発生している可能性が考えられる。したがって、後者の場合であることが推移情報によって示されるときには、それに応じた対応策を迅速にとることができるようになる。
【0080】
なお、本実施の形態では、現在位置情報をも用いて指示情報の送信先である従業員を特定する場合について説明したが、そうでなくてもよい。指示情報の送信先である従業員の特定に現在位置を用いない場合には、安否確認装置1は、現在位置情報記憶部12を備えていなくてもよい。
【0081】
また、本実施の形態では、推移情報が出力される場合について説明したが、推移情報は、被害状況を取得するために用いられてもよい。上記のように、推移情報によって示される報告情報の受信の程度が早い時間帯で大きくなる場合には、被害の程度は小さいと予測でき、そうでない場合には、被害の程度は大きいと予測できる。したがって、処理部17は、推移情報を用いて、報告情報の受信の程度が大きくなるまでの期間が短いほど、より小さい程度を示す被害状況を取得してもよい。言い換えると、処理部17は、推移情報を用いて、報告情報の受信の程度が大きくなるまでの期間が長いほど、より大きい程度を示す被害状況を取得することになる。そして、その処理の結果である被害状況も出力されてもよい。
【0082】
また、本実施の形態では、特定部14が指示情報の送信先の従業員を特定する際に、勤務地と居住地との両方を用いる場合について説明したが、出勤日かどうかに応じて、特定のために用いる地点を変更するようにしてもよい。例えば、土曜日や日曜日、祝日などの休日に災害情報が受信された場合には、特定部14は、居住地である従業員地点を用いて指示情報の送信先の従業員を特定し、休日ではない出勤日に災害情報が受信された場合には、特定部14は、勤務地である従業員地点を用いて指示情報の送信先の従業員を特定してもよい。また、さらに時間帯によって切り換えてもよい。例えば、出勤日であっても、出勤前の時間帯(例えば、午前7時までなど)や退勤後の時間帯(例えば、午後7時以降など)に災害情報が受信された場合には、特定部14は、居住地である従業員地点を用いて指示情報の送信先の従業員を特定し、出勤日の出勤時間帯(例えば、午前7時から午後7時までなど)に災害情報が受信された場合には、特定部14は、勤務地である従業員地点を用いて指示情報の送信先の従業員を特定してもよい。
【0083】
また、本実施の形態では、報告情報に含まれる安否情報が「無事」「軽傷」「重傷」の3個である場合について主に説明したが、安否情報がそれらに限定されないことは言うまでもない。例えば、安否情報は、「無事」「重傷」であってもよい。また、安否情報に「緊急」が含まれてもよい。例えば、従業員が災害時にエレベータに閉じ込められたり、瓦礫の下敷きになったりした場合には、従業員が安否情報「緊急」を選択し、その状況(例えば、エレベータに閉じ込められた旨など)をコメントに記載するようにしてもよい。安否情報「緊急」が選択された場合には、情報処理端末2から報告情報が送信される際に、その報告情報に情報処理端末2の現在位置(例えば、情報処理端末2の現在位置取得手段によって取得された現在位置)が自動的に含められて送信されてもよい。その現在位置は、例えば、緯度・経度であってもよい。また、安否情報「緊急」を含む報告情報が安否確認装置1で受信された場合には、その報告情報が、安否確認を行っているユーザに即座に提示されることが好適である。そのため、出力部18は、安否情報「緊急」を含む報告情報が受信された場合には、その報告情報を他の情報に優先して出力してもよい。また、安否情報「緊急」が選択された場合には、安否情報「緊急」を選択した従業員の安全が確認されるまで、情報処理端末2の現在位置が、安否確認装置1や消防機関、レスキュー隊などに繰り返して送信されてもよい。例えば、津波や洪水などによって従業員が流された場合などには、従業員の現在位置(すなわち、情報処理端末2の現在位置)が変化し得ることになる。そのような場合であっても、現在位置が繰り返して送信されることによって、従業員の救助を迅速に的確に行うことができるようになる。例えば、安否確認装置1に送信された現在位置は、報告情報受信部16で受信され、出力部18等によって出力されてもよい。そして、その出力されれた現在位置は、従業員の捜索等のために用いられてもよい。その現在位置の送信は、指示情報に応じて安否情報「緊急」が選択されてから開始され、情報処理端末2において、現在位置の送信処理を終了する操作が行われるまで、繰り返されてもよい。そのような現在位置を送信する情報処理端末2の構成及び動作について、
図9,
図10を参照しながら説明する。
【0084】
図9は、その情報処理端末2の構成を示すブロック図である。
図9において、情報処理端末2は、受信部21と、記憶部22と、表示部23と、受付部24と、現在位置取得部25と、送信部26とを備える。
【0085】
受信部21は、災害の発生に応じて安否確認装置1から送信された、安否報告を指示する指示情報を受信する。受信部21は、その受信した指示情報を、記憶部22に蓄積する。なお、受信部21は、受信を行うための受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受信部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0086】
記憶部22は、記憶部22は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスクなど)によって実現されうる。記憶部22での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。
【0087】
表示部23は、受信部21によって受信された指示情報に関する表示を行う。その表示は、例えば、指示情報の表示であってもよく、指示情報に応じた報告情報の受け付けのための表示であってもよい。表示部23は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示部23は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0088】
受付部24は、受信部21によって指示情報が受信された場合に、情報処理端末2のユーザである従業員から安否情報を受け付ける。また、受付部24は、報告情報に含めるコメント等を受け付けてもよい。また、受付部24は、報告情報の送信の指示や、その他の情報や指示等を受け付けてもよい。ここで、この受け付けは、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報の受け付けでもよい。なお、受付部24は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、タッチパネルなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部24は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0089】
現在位置取得部25は、情報処理端末2の現在位置を取得する。現在位置の取得は、例えば、無線通信を用いて行われてもよく、現在位置を取得できるその他の手段を用いてなされてもよい。無線通信を用いて現在位置を取得する方法としては、例えば、GPSを用いる方法や、屋内GPSを用いる方法、最寄りの無線基地局を用いる方法などが知られている。
【0090】
送信部26は、受付部24によって受け付けられた安否情報を含む報告情報を安否確認装置1に送信する。また、送信部26は、従業員を急いで救助する必要があることを示す安否情報が受付部24によって受け付けられた場合に、現在位置取得部25によって取得された現在位置を繰り返して送信する。従業員を急いで救助する必要があることを示す安否情報は、例えば、上記「緊急」であってもよい。現在位置の繰り返しての送信は、例えば、定期的に行われてもよく、または、その他の条件に応じて行われてもよい。後者の場合には、例えば、送信部26は、前回送信した現在位置から、あらかじめ決められた距離以上離れた場合に、新たな現在位置を送信してもよい。その現在位置は、情報処理端末2の識別子や、その情報処理端末2を所有している従業員の従業員識別子と共に送信されることが好適である。送信された現在位置に対応する従業員を特定できるようにするためである。また、その現在位置の送信は、例えば、上記のように、現在位置の送信を終了する旨の指示が受付部24によって受け付けられるまで、継続されてもよい。また、現在位置の送信先は、安否確認装置1であってもよく、または、消防機関、レスキュー隊などのあらかじめ決められた送信先であってもよい。安否確認装置1等において受信された現在位置は、上記のように、従業員の捜索等のために用いられることになる。
【0091】
図10は、
図9で示される情報処理端末2の動作を示すフローチャートである。
(ステップS201)受信部21は、指示情報を受信したかどうか判断する。そして、指示情報を受信した場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、指示情報を受信するまでステップS201の処理を繰り返す。
【0092】
(ステップS202)受信部21は、受信した指示情報を記憶部22に蓄積する。そして、表示部23は、その蓄積された指示情報に関する表示を行う。例えば、
図7で示される表示が行われてもよい。
【0093】
(ステップS203)受付部24は、情報処理端末2のユーザである従業員からの入力を受け付けたかどうか判断する。そして、入力を受け付けた場合には、ステップS204に進み、そうでない場合には、ステップS205に進む。
【0094】
(ステップS204)受付部24は、ステップS203で受け付けた入力に応じた処理を行う。例えば、受付部24は、受け付けた安否情報等を一時的に、図示しない記録媒体で記憶してもよい。また、例えば、その受け付けに応じて、表示部23による表示が更新されてもよい。そして、ステップS203に戻る。
【0095】
(ステップS205)受付部24は、報告情報の送信の指示を受け付けたかどうか判断する。そして、報告情報の送信の指示を受け付けた場合には、ステップS206に進み、そうでない場合には、ステップS203に戻る。
【0096】
(ステップS206)送信部26は、受付部24によって受け付けられた安否情報を含む報告情報を、安否確認装置1に送信する。
【0097】
(ステップS207)送信部26は、受付部24によって受け付けられた安否情報、すなわち、ステップS206で送信した報告情報に含まれていた安否情報が「緊急」であるかどうか判断する。そして、緊急である場合には、ステップS208に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
【0098】
(ステップS208)送信部26は、現在位置を送信するタイミングであるかどうか判断する。そして、現在位置を送信するタイミングである場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS211に進む。
【0099】
(ステップS209)現在位置取得部25は、その時点の情報処理端末2の現在位置を取得する。
【0100】
(ステップS210)送信部26は、ステップS209で取得された現在位置を送信する。送信部26は、例えば、情報処理端末2の識別子や、その情報処理端末2のユーザである従業員の従業員識別子と一緒に、現在位置を送信してもよい。そして、ステップS208に戻る。
【0101】
(ステップS211)受付部24は、現在位置の送信を終了する旨の指示を受け付けたかどうか判断する。そして、その指示を受け付けた場合には、ステップS201に戻り、そうでない場合には、ステップS208に戻る。
【0102】
なお、従業員から入力された安否情報が緊急である場合には、ステップS208~S211の処理が繰り返されることによって、従業員の現在位置が繰り返して送信されることになる。そして、その送信された現在位置を用いることによって、従業員をより容易に救助することなどができるようになる。
【0103】
また、本実施の形態では、従業員属性に役職情報と部署情報とが含まれる場合について説明したが、そうでなくてもよい。従業員情報において、従業員属性とは別に、従業員情報に含まれる従業員識別子によって識別される従業員の役職を示す役職情報や、その従業員の部署を示す部署情報が含まれてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、または、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、または長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、または、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、または、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、または、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0108】
また、上記実施の形態において、安否確認装置1,2に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、または、別々のデバイスを有してもよい。
【0109】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。なお、上記実施の形態における安否確認装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、従業員を識別する従業員識別子と、従業員識別子によって識別される従業員に関する地点である従業員地点とを有する従業員情報を複数有する人事情報が記憶される人事情報記憶部にアクセス可能なコンピュータを、災害の発生した場所である災害場所を少なくとも含む災害情報を受信する災害情報受信部、災害情報受信部によって受信された災害情報に含まれる災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員の従業員識別子を、人事情報を用いて特定する特定部、特定部によって特定された従業員識別子で識別される従業員に、安否報告を指示する指示情報を送信する送信部、指示情報の送信に応じて、従業員から送信された安否報告である報告情報を受信する報告情報受信部、報告情報受信部によって受信された報告情報に関する処理を行う処理部、処理部による処理の結果を出力する出力部として機能させるためのものである。
【0110】
また、上記実施の形態における情報処理端末2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、災害の発生に応じて安否確認装置から送信された、安否報告を指示する指示情報を受信する受信部、受信部によって指示情報が受信された場合に、安否情報を受け付ける受付部、受付部によって受け付けられた安否情報を含む報告情報を安否確認装置に送信する送信部として機能させ、送信部は、従業員を急いで救助する必要があることを示す安否情報が受付部によって受け付けられた場合に、現在位置を取得する現在位置取得部によって取得された現在位置を繰り返して送信する、プログラムである。
【0111】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を受信する受信部、情報を出力する出力部、情報を送信する送信部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0112】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD-ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0113】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0114】
図11は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による安否確認装置1,2を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現され得る。
【0115】
図11において、コンピュータシステム900は、CD-ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0116】
図12は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。
図12において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0117】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による安否確認装置1,2の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM921に記憶されて、CD-ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD-ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD-ROM921に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
【0118】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による安否確認装置1,2の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0119】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上より、本発明による安否確認装置等によれば、災害場所に応じた領域が従業員地点である従業員に安否確認を行うことになるという効果が得られ、安否確認を行うサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0121】
1 安否確認装置
2 情報処理端末
11 人事情報記憶部
12 現在位置情報記憶部
13 災害情報受信部
14 特定部
15、26 送信部
16 報告情報受信部
17 処理部
18 出力部
21 受信部
22 記憶部
23 表示部
24 受付部
25 現在位置取得部