(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】浴槽洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
(21)【出願番号】P 2018076792
(22)【出願日】2018-04-12
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 将晃
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 将一
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-050649(JP,A)
【文献】特開2018-023471(JP,A)
【文献】特開2017-136105(JP,A)
【文献】特開2015-039605(JP,A)
【文献】特開2012-170720(JP,A)
【文献】特開平10-328060(JP,A)
【文献】特開平09-313381(JP,A)
【文献】特開平05-220097(JP,A)
【文献】特開2015-129620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
F24L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を浴槽に噴射する浴槽洗浄装置であって、
前記浴槽に水を噴射可能な噴射装置と、
上流端が給湯箇所に接続されており、下流端が前記噴射装置に接続されている水供給路と、
前記水供給路の途中から分岐して排出箇所に接続されている排出路と、
制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、洗浄運転を実行可能に構成されており、
前記洗浄運転は、
前記給湯箇所から前記水供給路に供給される水を、前記噴射装置を介して前記浴槽に噴射する噴射工程と、
前記給湯箇所から前記水供給路に供給される水を、前記排出路を通って前記排出箇所に排出する排出工程と、
を有し、
前記制御装置は、
前記洗浄運転の開始を指示するための信号である洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過するまでの間に前記排出工程を実行し、
前記洗浄指示信号を受信してから前記所定時間が経過する場合に、前記噴射工程を開始するように構成されている、
浴槽洗浄装置。
【請求項2】
前記浴槽洗浄装置は、さらに、
前記水供給路に設けられている貯水タンクと、
前記水供給路において、前記貯水タンクの上流側に設けられている貯水弁と、
前記水供給路において、前記貯水タンクの下流側に設けられている洗浄水弁と、を備え、
前記排出路は、前記貯水タンクに接続されており、
前記貯水タンク内の水は、前記貯水タンク内の水の水位が所定水位以上となる場合に、前記排出路を通って前記排出箇所に排出され、
前記制御装置は、
前記貯水弁が開状態で動作するように制御するとともに、前記洗浄水弁が閉状態で動作するように制御して、前記排出工程を実行し、
前記貯水弁及び前記洗浄水弁が開状態で動作するように制御して、前記噴射工程を実行する、請求項1に記載の浴槽洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、浴槽洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴槽に水を噴射可能な噴射装置と、上流端が給湯箇所に接続されており、下流端が噴射装置に接続されている水供給路と、制御装置と、を備える浴槽洗浄装置が開示されている。制御装置は、噴射工程を含む洗浄運転を実行可能に構成されており、洗浄運転の開始を指示するための信号である洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過する場合に、噴射工程を開始するように構成されている。制御装置が洗浄指示信号を受信した時点においては、浴槽に水が貯えられている可能性が高い。噴射工程が開始される際には、浴槽に水が貯えられていない状態が好ましい。従って、洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過して、浴槽の水を全て排水した後に噴射工程を開始することで、浴槽内に水が貯えられていない状況で、有効に噴射工程を実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、噴射工程が開始された直後に浴槽に噴射される水は、洗浄指示信号を受信する前に水供給路内に滞留していた水である。前回の洗浄運転が実行されてからの経過時間が長いと、水供給路内の水の温度は低下している。浴槽に噴射される水の温度が低いと、十分な洗浄効果を得られない可能性がある。
【0005】
本明細書では、浴槽洗浄装置による洗浄効果を高めることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する浴槽洗浄装置は、水を浴槽に噴射する浴槽洗浄装置であって、前記浴槽に水を噴射可能な噴射装置と、上流端が給湯箇所に接続されており、下流端が前記噴射装置に接続されている水供給路と、前記水供給路の途中から分岐して排出箇所に接続されている排出路と、制御装置と、を備えており、前記制御装置は、洗浄運転を実行可能に構成されており、前記洗浄運転は、前記給湯箇所から前記水供給路に供給される水を、前記噴射装置を介して前記浴槽に噴射する噴射工程と、前記給湯箇所から前記水供給路に供給される水を、前記排出路を通って前記排出箇所に排出する排出工程と、を有し、前記制御装置は、前記洗浄運転の開始を指示するための信号である洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過するまでの間に前記排出工程を実行し、前記洗浄指示信号を受信してから前記所定時間が経過する場合に、前記噴射工程を開始するように構成されている。
【0007】
上記の構成によると、制御装置は、洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過するまでの間に排出工程を実行する。排出工程では、給湯箇所から、温度が高い水(即ち湯)が水供給路に供給される。この場合、洗浄指示信号を受信する前に水供給路内に滞留していた水が、排出路を通って排出箇所に排出される。即ち、水供給路内は水から湯に置換される。そして、制御装置は、洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過する場合に、噴射工程を開始する。この場合、排出工程中に水供給路内に貯えられた湯が、比較的早期に浴槽に噴射される。即ち、噴射工程において、湯が噴射されるまでに要する時間を短縮することができる。この結果、浴槽洗浄装置による洗浄効果を高めることができる。
【0008】
浴槽洗浄装置は、さらに、水供給路に設けられている貯水タンクと、水供給路において、貯水タンクの上流側に設けられている貯水弁と、水供給路において、貯水タンクの下流側に設けられている洗浄水弁と、を備えてもよい。排出路は、貯水タンクに接続されていてもよい。この場合、貯水タンク内の水は、貯水タンク内の水の水位が所定水位以上となる場合に、排出路を通って排出箇所に排出される。制御装置は、貯水弁が開状態で動作するように制御するとともに、洗浄水弁が閉状態で動作するように制御して、排出工程を実行し、貯水弁及び洗浄水弁が開状態で動作するように制御して、噴射工程を実行する。
【0009】
上記の構成によると、排出工程において、洗浄指示信号を受信する前に水供給路内に滞留していた水が、貯水タンク及び排出路を通って排出箇所に排出される。従って、噴射工程が開始された後に、排出工程中に水供給路内に貯えられた湯が、比較的早期に浴槽に噴射される。この結果、浴槽洗浄装置による洗浄効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施例に係る浴槽洗浄システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】第1実施例に係る洗浄運転処理のフローチャートである。
【
図3】第2実施例に係る浴槽洗浄システムの構成を模式的に示す図である。
【
図4】第3実施例に係る浴槽洗浄システムの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例に係る浴槽洗浄システム2の構成について説明する。実施例に係る浴槽洗浄システム2は、例えば介護施設(図示省略)に設置されている。
図1に示すように、浴槽洗浄システム2は、浴槽20を備えている。
【0012】
浴槽20は、湯を貯えることができる。浴槽20では、浴槽洗浄システム2のユーザが入浴をすることができる。例えば介護施設の入所者が浴槽20で入浴をする。浴槽20は、例えばFRP(繊維強化プラスチック)やステンレスから形成されている。浴槽20は、底面21と、上面23と、側面22と、を備えている。
【0013】
浴槽20の底面21は、横方向に延びている。底面21には、排水口24が形成されている。この排水口24は、浴槽20の側面22の近傍に形成されている。排水口24には、排水栓25が設けられている。排水栓25は、排水口24を開閉する。排水栓25が閉状態になると、排水口24が閉鎖され、浴槽20に湯を貯えることができる。排水栓25が開状態になると、排水口24が開放され、浴槽20に貯えられている湯が排水口24から排水される。
【0014】
また、浴槽20の底面21には、ノズル26が取り付けられている。このノズル26は、底面21の横方向の中央部に配置されている。ノズル26は、浴槽20を洗浄するための洗浄液と洗浄水を噴射可能に構成されている。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から側面22に向けて洗浄液又は洗浄水を噴射する。ノズル26には、後述する洗浄水路46が接続されている。洗浄水路46を通じてノズル26に洗浄液と洗浄水が供給される。
【0015】
浴槽20の上面23は、横方向に延びている。上面23は、浴槽20に貯えられる湯の水面より上に位置している。
【0016】
浴槽20の側面22は、縦方向に延びている。側面22は、底面21と上面23の間に形成されている。浴槽洗浄システム2のユーザが浴槽20を使用すると、浴槽20の側面22に汚れが付着することがある。例えば、浴槽20の側面22に皮脂汚れが付着する。皮脂汚れは、ユーザの皮脂に由来する汚れである。
【0017】
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、給湯路41と、給水路42と、混合路43と、を備えている。
【0018】
給湯路41の上流端部は、例えばガス加熱給湯器等の給湯箇所90に接続されている。給湯箇所90から給湯路41に湯が供給されている。給湯路41の下流端部は、混合路43の上流端部に接続されている。給湯路41は、給湯箇所90から供給された湯を混合路43に供給する。
【0019】
給湯路41には、給湯サーボ51が設けられている。給湯サーボ51は、給湯路41を開閉して、給湯路41を流れる湯の流量を調整する。給湯サーボ51の開度が調整されると、給湯路41を流れる湯の流量が調整される。なお、給湯路41の長さは、熱交換器を通過するために、他の水路よりも比較的に長い。
【0020】
また、給湯路41には、湯量センサ61と湯温サーミスタ71が設けられている。湯量センサ61は、給湯路41を流れる湯の流量を検出する。湯温サーミスタ71は、給湯路41を流れる湯の温度を検出する。給湯路41を流れる湯の温度は、例えば55℃である。
【0021】
給水路42は、給湯路41と並列で配置されている。給水路42の上流端部は、例えば市水道等の給水箇所92に接続されている。給水箇所92から給水路42に水が供給されている。給水路42の下流端部は、混合路43の上流端部に接続されている。給水路42は、給水箇所92から供給された水を混合路43に供給する。
【0022】
給水路42には、給水サーボ52が設けられている。給水サーボ52は、給水路42を開閉して、給水路42を流れる水の流量を調整する。給水サーボ52の開度が調整されると、給水路42を流れる水の流量が調整される。
【0023】
また、給水路42には、水量センサ62と水温サーミスタ72が設けられている。水量センサ62は、給水路42を流れる水の流量を検出する。水温サーミスタ72は、給水路42を流れる水の温度を検出する。給水路42を流れる水の温度は、例えば15℃である。
【0024】
混合路43は、給湯路41及び給水路42と直列に配置されている。混合路43では、給湯路41を流れた湯と給水路42を流れた水とが合流する。これによって、湯と水が混合される。上述した給湯サーボ51と給水サーボ52の開度が調整されることによって、混合路43で混合される湯と水の混合割合が調整される。
【0025】
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、湯はり路44と、貯水路45と、貯水タンク31と、洗浄水路46と、排出路47と、を備えている。
【0026】
湯はり路44の上流端部は、混合路43の下流端部に接続されている。湯はり路44の下流端部には、湯はり口49が形成されている。湯はり口49は、浴槽20に向けて開口している。湯はり口49は、浴槽20の上面23より上側において浴槽20の内側に向けて開口している。湯はり路44は、混合路43で混合された湯を浴槽20に供給する。湯はり口49から浴槽20に湯が供給される。
【0027】
湯はり路44には、湯はり弁53が設けられている。湯はり弁53は、湯はり路44を開閉する。湯はり弁53が開状態になると、湯はり路44が開放され、湯はり路44を通じて浴槽20に湯が供給される。湯はり弁53が閉状態になると、湯はり路44が閉鎖され、浴槽20に湯が供給されなくなる。
【0028】
また、湯はり路44には、湯はりサーミスタ73が設けられている。湯はりサーミスタ73は、湯はり路44を流れる湯の温度を検出する。湯はりサーミスタ73は、混合路43で湯と水が混合された後の湯の温度を検出する。
【0029】
貯水路45は、湯はり路44と並列で配置されている。貯水路45の上流端部は、混合路43の下流端部に接続されている。貯水路45の下流端部は、貯水タンク31に接続されている。貯水路45は、混合路43で湯と水が混合された後の湯を貯水タンク31に供給する。貯水タンク31は、貯水路45によって供給された湯を貯える。なお、上述した給湯サーボ51が閉状態である場合は、給湯路41から混合路43に湯が供給されない。そのため、この場合は、混合路43で湯と水が混合されず、給水路42によって供給された水が、混合路43と貯水路45を通じて貯水タンク31に供給される。貯水タンク31は、貯水路45によって供給された水を貯える。以下では、貯水タンク31に貯えられている湯(または水)を洗浄水という。
【0030】
貯水路45には、貯水弁54が設けられている。貯水弁54は、貯水路45を開閉する。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯が供給される。貯水弁54が閉状態になると、貯水路45が閉鎖され、貯水タンク31に湯が供給されなくなる。
【0031】
また、貯水路45には、貯水サーミスタ74が設けられている。貯水サーミスタ74は、貯水路45を流れる湯の温度を検出する。貯水サーミスタ74は、混合路43で湯と水が混合された後の湯の温度を検出する。
【0032】
洗浄水路46は、貯水タンク31と浴槽20の間に配置されている。洗浄水路46の上流端部は、貯水タンク31の底部に接続されている。洗浄水路46の下流端部は、浴槽20に取り付けられているノズル26に接続されている。洗浄水路46は、貯水タンク31に貯えられている洗浄水をノズル26に供給する。
【0033】
洗浄水路46には、ポンプ32が設けられている。ポンプ32は、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水を圧送する。また、洗浄水路46には、洗浄水弁55が設けられている。洗浄水弁55は、洗浄水路46を開閉する。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46が開放され、洗浄水路46を通じてノズル26に洗浄水が供給される。洗浄水弁55が閉状態になると、洗浄水路46が閉鎖され、ノズル26に洗浄水が供給されなくなる。また、洗浄水路46には、ベンチュリ構造からなる混合器33が設けられている。混合器33については後述する。
【0034】
排出路47は、洗浄水路46と並列で配置されている。排出路47の上流端部は、貯水タンク31の上部側面に接続されている。排出路47は、貯水路45の接続箇所より下側において貯水タンク31に接続されている。排出路47の下流端部には、出口48が形成されている。排出路47は、貯水タンク31に貯えられている水が所定水量を超える場合に、貯水タンク31内の洗浄水を外部(排出箇所)に排水する。出口48から排出箇所に洗浄水が排水される。
【0035】
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、洗剤タンク12と洗剤路13をさらに備えている。洗剤タンク12は、浴槽20を洗浄するための液体の洗剤を貯えている。
【0036】
洗剤路13の上流端部は、洗剤タンク12の底部に接続されている。洗剤路13の下流端部は、混合器33に接続されている。洗剤路13は、洗剤タンク12に貯えられている洗剤を混合器33に供給する。混合器33はベンチュリとなっており、洗浄水路46に洗浄水が流れることによって、洗剤タンク12に貯えられている洗剤が、洗剤路13を通じて吸引され、混合器33に導入される。混合器33に供給された洗剤は、洗浄水路46を流れる洗浄水と合流する。洗浄水と洗剤が混合器33で混合されて洗浄液が生成される。洗浄液は、浴槽20を洗浄するための洗剤と洗浄水が混合された液体である。生成された洗浄液は、洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。
【0037】
洗剤路13には、第1洗剤弁14aと第2洗剤弁14bが設けられている。以下では、第1洗剤弁14aと第2洗剤弁14bをまとめて洗剤弁14という。洗剤弁14は、洗剤路13を開閉する。洗剤弁14が開状態になると、洗剤路13が開放され、洗剤路13を通じて混合器33に洗剤が供給される。混合器33で洗剤と洗浄水が混合される。この場合は、洗剤と洗浄水が混合された洗浄液が洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。一方、洗剤路13が閉状態になると、洗剤路13が閉鎖され、洗剤路13を通じて混合器33に洗剤が供給されなくなる。そのため、混合器33で洗剤と洗浄水が混合されない。この場合は、洗浄水のみが洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。
【0038】
また、実施例に係る浴槽洗浄システム2は、リモコン200と制御装置100を備えている。リモコン200には、各種のボタンが設けられている。例えば、リモコン200には、湯はりボタン201と、浴槽洗浄ボタン202と、温度ボタン203とが設けられている。湯はりボタン201は、浴槽20に湯はりをするためのボタンである。浴槽洗浄ボタン202は、浴槽20を洗浄するためのボタンである。温度ボタン203は、湯はり設定温度を設定するためボタンである。湯はり設定温度は、浴槽20に湯はりをするときに浴槽20に供給される湯の温度である。湯はり設定温度は、ユーザによって設定される。
【0039】
制御装置100は、CPU(図示省略)とメモリ(図示省略)を備えている。制御装置100は、浴槽洗浄システム2の動作を制御する。制御の詳細については後述する。
【0040】
次に、上記の浴槽洗浄システム2の動作について説明する。上記の浴槽洗浄システム2では、湯はり運転と浴槽洗浄運転とを実行可能である。
【0041】
(湯はり運転)
まず、湯はり運転について説明する。湯はり運転は、浴槽20に湯はりをする運転である。上記の浴槽洗浄システム2では、ユーザがリモコン200の湯はりボタン201を押すと、湯はり指示信号がリモコン200から制御装置100に送信される。例えば、浴槽洗浄システム2が設置されている介護施設の介護士が、リモコン200の湯はりボタン201を押すと、湯はり指示信号が制御装置100に送信される。
【0042】
制御装置100は、湯はり指示信号を受信すると、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整する。給湯サーボ51の開度が調整されると、給湯路41を流れる湯の流量が調整される。また、給水サーボ52の開度が調整されると、給水路42を流れる水の流量が調整される。
【0043】
給湯路41を流れる湯と、給水路42を流れる水とは、混合路43で混合される。制御装置100は、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度を調整することによって、混合路43で混合される湯と水の流量を調整する。すなわち、制御装置100は、湯と水の混合割合を調整する。制御装置100は、混合路43で混合された後の湯の温度が湯はり設定温度になるように、湯と水の混合割合(すなわち、給湯サーボ51の開度と給水サーボ52の開度)を調整する。制御装置100は、湯はりサーミスタ73の検出温度が湯はり設定温度になるように、湯と水の混合割合を調整する。
【0044】
また、制御装置100は、湯はり指示信号を受信すると、湯はり路44に設けられている湯はり弁53を開状態にする。湯はり弁53が開状態になると、湯はり路44を通じて湯が流れるようになる。そうすると、混合路43で混合された後の湯が、湯はり路44を通じて浴槽20に供給される。このようにして湯はりが行われる。
【0045】
湯はりが行われた後に、浴槽洗浄システム2のユーザが浴槽20を使用すると、浴槽20の側面22に汚れが付着することがある。例えば、介護施設の入所者が浴槽20で入浴をすることによって、浴槽20の側面22に汚れが付着することがある。より詳細には、浴槽20で入浴をした後に、浴槽20内の湯を排水すると、浴槽20の側面22に皮脂汚れが付着することがある。
【0046】
(浴槽洗浄運転)
次に、浴槽洗浄運転について説明する。浴槽洗浄運転は、浴槽20を洗浄する運転である。制御装置100は、
図2の洗浄運転処理を実行することによって、浴槽洗浄システム2に浴槽洗浄運転を実行させる。浴槽洗浄システム2では、ユーザがリモコン200の浴槽洗浄ボタン202を押すと、洗浄指示信号がリモコン200から制御装置100に送信される。例えば、浴槽洗浄システム2が設置されている介護施設の介護士が、リモコン200の浴槽洗浄ボタン202を押すと、洗浄指示信号が制御装置100に送信される。制御装置100は、洗浄指示信号を受信すると、洗浄運転処理(
図2)を開始する。以下では、
図2を参照して、洗浄運転処理について説明する。
【0047】
S10において、制御装置100は、排水栓25を閉状態から開状態に変更する。これにより、浴槽20に貯えられている湯が排水口24から排水される。なお、洗浄運転処理の開始時点において、排水栓25が開状態である場合、制御装置100は、S10の処理を省略する。
【0048】
S12において、制御装置100は、排水栓25を開状態である時間(以下では、「排水時間」と記載する)が第1所定時間(例えば、10分)を超えているのか否かを判断する。第1所定時間は、浴槽20が空になるまでに必要な時間である。排水時間が第1所定時間を超える場合に、制御装置100はS12でYESと判断し、処理はS40に進む。なお、S12でYESと判断される場合とは、洗浄運転処理が開始される前に既に排水栓25が開状態であった場合である。一方、排水時間が第1所定時間を超えていない場合に、制御装置100はS12でNOと判断し、処理はS20に進む。
【0049】
S20において、制御装置100は、排出工程を開始する。排出工程では、制御装置100は、洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を閉状態としたまま、給湯路41に設けられている給湯サーボ51及び貯水路45に設けられている貯水弁54を開状態にする。給湯サーボ51及び貯水弁54が開状態になると、給湯箇所90から、給湯路41、混合路43、及び、貯水路45を通じて、貯水タンク31に湯が供給される。即ち、洗浄運転処理を開始する前に給湯路41、混合路43、及び、貯水路45に滞留していた水が、徐々に湯に置き換えられていく。そして、貯水タンク31内の水の水位が所定水位を超える場合に、貯水タンク31内の水が、排出路47及び出口48を通じて排出箇所に排出される。
【0050】
S22において、制御装置100は、貯水路45に設けられている貯水サーミスタ74によって検出される水温が所定温度以上であるのか否かを判断する。所定温度は、浴槽洗浄システム2の電源がONされてから最初に実行される洗浄運転処理の場合、例えば、40℃である。また、所定温度は、2回目以降に実行される洗浄運転処理の場合、前回の洗浄運転処理の終了時において貯水サーミスタ74によって検出された水温である。貯水サーミスタ74によって検出される水温が所定温度以上である場合に、制御装置100はS22でYESと判断し、処理はS24に進む。
【0051】
S24において、制御装置100は、排出工程を終了する。制御装置100は、給湯路41に設けられている給湯サーボ51を閉状態にし、貯水路45に設けられている貯水弁54を閉状態にする。給湯サーボ51及び貯水弁54が閉状態になると、給湯箇所90から、給湯路41、混合路43、及び、貯水路45を通じて貯水タンク31への湯の供給が停止される。
【0052】
S26において、制御装置100は、排水時間が第1所定時間を超えることを監視する。排水時間が第1所定時間を超える場合に、制御装置100はS26でYESと判断し、処理はS40に進む。
【0053】
また、制御装置100は、S22において、貯水路45に設けられている貯水サーミスタ74によって検出される水温が所定温度未満である場合に、S22でNOと判断し、処理はS30に進む。S30において、制御装置100は、排水時間が第1所定時間を超えているのか否かを判断する。排水時間が第1所定時間を超えている場合に、制御装置100はS30でYESと判断し、処理はS32に進む。一方、排水時間が第1所定時間を超えていない場合に、制御装置100はS30でNOと判断し、処理はS22に戻る。
【0054】
S32において、制御装置100は、排出工程を終了する。制御装置100は、給湯路41に設けられている給湯サーボ51を閉状態にし、貯水路45に設けられている貯水弁54を閉状態にする。S32が終了すると、処理はS40に進む。即ち、制御装置100は、貯水サーミスタ74によって検出される水温が所定温度以上になるまでの間、又は、排水時間が第1所定時間を超えるまでの間、排出工程を継続する。
【0055】
S40において、制御装置100は、予備洗浄工程を実行する。予備洗浄工程では、水噴射工程Wが実行される。制御装置100は、貯水路45に設けられている貯水弁54及び洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯が供給される。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46を通じて洗浄水が流れるようになる。また、予備洗浄工程では、制御装置100は、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。ノズル26に圧送された洗浄水は、ノズル26から浴槽20の内側面に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から側面22に向けて洗浄水を噴射する。
【0056】
S42において、制御装置100は、予備洗浄工程が終了することを監視する。具体的には、制御装置100は、予備洗浄工程を開始してからの経過時間が第2所定時間(例えば40秒)を超えたのか否かを判断する。経過時間が第2所定時間を超える場合に、制御装置100はS42でYESと判断し、処理はS44に進む。制御装置100は、S42でYESと判断すると、貯水弁54及び洗浄水弁55を閉状態にし、ポンプ32の動作を停止させる。
【0057】
S44において、制御装置100は、洗浄工程を実行する。洗浄工程は、洗浄液噴射工程Vと、待機工程Xと、水噴射工程Wと、を含む。制御装置100は、洗浄液噴射工程V、待機工程X、水噴射工程Wの各工程を実行する。
【0058】
洗浄液噴射工程Vは、浴槽20の側面22に洗浄液を噴射する工程である。洗浄液噴射工程Vでは、制御装置100が、貯水路45に設けられている貯水弁54及び洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯が供給される。洗浄水弁55が開状態になると、貯水タンク31に貯えられている洗浄水が、洗浄水路46を通じて流れるようになる。また、洗浄液噴射工程Vでは、制御装置100が、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。
【0059】
また、洗浄液噴射工程Vでは、制御装置100が、洗剤路13に設けられている洗剤弁14を開状態にする。洗剤弁14が開状態になると、洗剤路13を通じて洗剤が流れるようになる。そうすると、混合器33のベンチュリ構造によって発生する負圧によって洗剤タンク12に貯えられていた洗剤が吸引され、洗剤路13を通じて洗浄水路46に供給される。洗浄水路46に供給された洗剤が、洗浄水路46を流れる洗浄水に合流する。これによって、洗浄水と洗剤が混合されて洗浄液が生成される。生成された洗浄液は、洗浄水路46を通じてノズル26に供給される。ノズル26に供給された洗浄液は、ノズル26から浴槽20の内側面に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から内側面に向けて洗浄液を噴射する。ノズル26から噴射された洗浄液は、浴槽20の内側面に付着する。浴槽20の内側面に付着した洗浄液は、その内側面に付着している皮脂汚れに絡みつく。洗浄液噴射工程Vにおける洗浄液の噴射時間は、例えば3秒である。制御装置100は、洗浄液噴射工程Vが終了すると、洗剤弁14、貯水弁54及び洗浄水弁55を閉状態にし、ポンプ32の動作を停止させる。
【0060】
続いて、制御装置100は、待機工程Xを実行する。制御装置100は、上述した洗浄液噴射工程Vの後に待機工程Xを実行する。待機工程Xは、洗浄液と洗浄水を噴射せずに待機する工程である。待機工程Xは、上述した洗浄液噴射工程Vと後述する水噴射工程Wとの間に実行される。待機工程Xでは、制御装置100が、貯水路45に設けられている貯水弁54及び洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を閉状態にする。また、制御装置100は、洗浄水路46に設けられているポンプ32を停止させる。また、制御装置100は、洗剤路13に設けられている洗剤弁14を閉状態にする。待機工程Xでは、ノズル26から洗浄液と洗浄水が噴射されなくなる。これにより、浴槽20の内側面に付着している皮脂汚れに洗浄液が浸透する。待機工程Xにおける待機時間は、例えば40秒である。
【0061】
続いて、制御装置100は、水噴射工程Wを実行する。制御装置100は、上述した待機工程Xを実行した後に水噴射工程Wを実行する。水噴射工程Wは、浴槽20の内側面に洗浄水を噴射する工程である。水噴射工程Wでは、制御装置100が、貯水路45に設けられている貯水弁54及び洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯が供給される。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46を通じて洗浄水が流れるようになる。また、水噴射工程Wでは、制御装置100が、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。ノズル26に圧送された洗浄水は、ノズル26から浴槽20の内側面に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から内側面に向けて洗浄水を噴射する。ノズル26から噴射された洗浄水は、浴槽20の内側面に付着している洗浄液を洗い流す。そのときに、洗浄液が絡みついている皮脂汚れが洗い流される。水噴射工程Wにおける洗浄水の噴射時間は、例えば2秒である。制御装置100は、水噴射工程Wが終了すると、貯水弁54及び洗浄水弁55を閉状態にし、ポンプ32の動作を停止させる。
【0062】
S46において、制御装置100は、洗浄工程が終了することを監視する。具体的には、制御装置100は、上述の洗浄液噴射工程V、待機工程X、及び、水噴射工程Wが2回ずつ実行されたのか否かを判断する。洗浄液噴射工程V、待機工程X、及び、水噴射工程Wが2回ずつ実行されると、制御装置100はS46でYESと判断し、処理はS48に進む。なお、制御装置100は、S46でYESと判断すると、貯水弁54及び洗浄水弁55を閉状態にし、ポンプ32の動作を停止させる。
【0063】
S48において、制御装置100は、すすぎ工程を実行する。すすぎ工程では、水噴射工程Wが実行される。制御装置100は、貯水路45に設けられている貯水弁54及び洗浄水路46に設けられている洗浄水弁55を開状態にする。貯水弁54が開状態になると、貯水路45が開放され、貯水路45を通じて貯水タンク31に湯が供給される。洗浄水弁55が開状態になると、洗浄水路46を通じて洗浄水が流れるようになる。また、すすぎ工程では、制御装置100は、洗浄水路46に設けられているポンプ32を動作させる。ポンプ32が動作すると、洗浄水路46の上流側から下流側へ洗浄水が圧送される。洗浄水路46を流れる洗浄水が、洗浄水路46の下流端部に接続されているノズル26に向けて圧送される。ノズル26に圧送された洗浄水は、ノズル26から浴槽20の内側面に向けて噴射される。ノズル26は、浴槽20の底面21の位置から側面22に向けて洗浄水を噴射する。
【0064】
S50において、制御装置100は、すすぎ工程が終了することを監視する。具体的には、制御装置100は、すすぎ工程を開始してからの経過時間が第3所定時間(例えば90秒)を超えたのか否かを判断する。経過時間が第3所定時間を超える場合に、制御装置100はS50でYESと判断し、
図2の処理が終了する。なお、制御装置100は、S50でYESと判断すると、貯水弁54及び洗浄水弁55を閉状態にし、ポンプ32の動作を停止させる。
【0065】
上記の構成によると、制御装置100は、洗浄指示信号を受信してから所定時間が経過するまでの間に排出工程(
図2のS20)を実行する。排出工程では、給湯箇所90から供給される湯が給湯路41、混合路43、及び、貯水路45に供給され、洗浄指示信号を取得する前に給湯路41、混合路43、及び、貯水路45に滞留していた水が、貯水タンク31及び排出路47を通って排出箇所に排出される。即ち、給湯路41、混合路43、及び、貯水路45内は、水から湯に置換される。そして、制御装置100は、洗浄指示信号を取得してから所定時間が経過する場合に、予備洗浄工程を開始する(
図2の40)。この場合、排出工程中に給湯路41、混合路43、及び、貯水路45内に貯えられた湯が、比較的早期に浴槽20に噴射される。即ち、予備洗浄工程において、湯が噴射されるまでに要する時間を短縮することができる。予備洗浄工程における湯の温度を高くすることで、浴槽洗浄工程中における洗浄効果を高めることができる。この結果、浴槽洗浄システム2による洗浄効果を高めることができる。
【0066】
また、排出運転において、洗浄水弁55は閉状態である。従って、洗浄指示信号を取得する前に給湯路41、混合路43、及び、貯水路45に滞留していた水は、貯水タンク31、及び、洗浄水路46を通って、浴槽20には供給されない。排出運転中に、浴槽20に水が供給される場合、第1所定時間を長くする必要がある。この場合、洗浄運転に要する時間が長くなってしまう。上記の構成によると、排出運転中に、給湯路41、混合路43、及び、貯水路45に滞留していた水を、浴槽20ではなく、排出箇所に排出することで、洗浄運転の時間を長くすることなく、浴槽洗浄システム2による洗浄効果を高めることができる。
【0067】
(対応関係)
浴槽洗浄システム2が、「浴槽洗浄装置」の一例である。ノズル26が、「噴射装置」の一例である。給湯路41、混合路43、貯水路45、及び、洗浄水路46が、「水供給路」の一例である。予備洗浄工程が、「噴射工程」の一例である。第1所定時間が、「所定時間」の一例である。
【0068】
(第2実施例)
第2実施例の浴槽洗浄システム302は、給水箇所92、給水路42、混合路43、湯はり路44、給水サーボ52、水量センサ62、水温サーミスタ72、及び、湯はり弁53を有さない点を除いて、第1実施例の浴槽洗浄システム2と同様である。なお、以下では、実施例間で共通する構成については、同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図3に示すように、浴槽洗浄システム302では、給湯路41と貯水路45が接続されている。また、貯水路45に、貯水弁54及び貯水サーミスタ74が設けられている。また、湯はり口49には、図示省略の給湯箇所から湯が供給される。
【0070】
浴槽洗浄システム302においても、制御装置100は、洗浄運転処理(
図2)を実行する。従って、本実施例の浴槽洗浄システム302でも、実施例1の浴槽洗浄システム2と同様の効果を奏することができる。
【0071】
(第3実施例)
第3実施例の浴槽洗浄システム402は、市水道の水圧を利用して、洗浄水を浴槽20に噴射させる方式の実施例であり、貯水路45、洗浄水路46、排出路47、貯水タンク31、ポンプ32、貯水弁54、洗浄水弁55、及び、貯水サーミスタ74を有さない点が第1実施例の浴槽洗浄システム2と異なる。また、本実施例では、
図2のS20、S22、S24、S32で実行される処理の内容が第1実施例と異なる。
【0072】
図4を参照して、本実施例の浴槽洗浄システム402について説明する。
図4に示すように、洗浄水路446は、湯はり路44と並列で配置されている。洗浄水路446の上流端部は、混合路43の下流端部に接続されている。洗浄水路446の下流端部は、浴槽20に取り付けられているノズル26に接続されている。また、混合路43には、混合水サーミスタ475が設けられている。
【0073】
洗浄水路446には、洗浄水弁455が設けられている。洗浄水弁455は、洗浄水路446を開閉する。洗浄水弁455が開状態になると、洗浄水路446が開放され、洗浄水路446を通じてノズル26に湯が供給される。洗浄水弁455が閉状態になると、洗浄水路446が閉鎖され、ノズル26に湯が供給されなくなる。また、洗浄水路446には、洗浄水サーミスタ474が設けられている。また、洗浄水路446には、混合器33が設けられている。
【0074】
排出路447は、湯はり路44及び洗浄水路446と並列で配置されている。排出路447の上流端部は、混合路43の下流端部に接続されている。排出路447の下流端部には、出口448が形成されている。排出路447には、排出弁452が設けられている。排出弁452が開状態になると、排出路447が開放され、給湯箇所90から、給湯路41、混合路43、排出路447、及び、出口448を通じて、排出箇所に水が排出される。排出弁452が閉状態になると、排出路447が閉鎖され、排出箇所に水が排出されなくなる。
【0075】
続いて、
図2の洗浄運転処理内のS20、S22、S24、S32について説明する。
【0076】
S20において、制御装置100は、排出工程を実行する。排出工程では、制御装置100は、洗浄水路446に設けられている洗浄水弁455を閉状態としたまま、給湯路41に設けられている給湯サーボ51及び排出路447に設けられている排出弁452を開状態にする。給湯サーボ51及び排出弁452が開状態になると、給湯箇所90から給湯路41、混合路43、排出路447、及び、出口448を通じて排出箇所に水が排出される。この場合に、洗浄運転処理を開始する前に給湯路41、混合路43に滞留していた水が、徐々に湯に置き換えられていく。
【0077】
S22において、制御装置100は、混合路43に設けられている混合水サーミスタ475によって検出される水温が所定温度以上であるのか否かを判断する。混合水サーミスタ475によって検出される水温が所定温度以上である場合に、制御装置100はS22でYESと判断し、処理はS24に進む。一方、混合路43に設けられている混合水サーミスタ475によって検出される水温が所定温度未満である場合に、制御装置100はS22でNOと判断し、処理はS30に進む。
【0078】
S24において、制御装置100は、排出工程を終了する。制御装置100は、給湯路41に設けられている給湯サーボ51を閉状態にし、排出路447に設けられている排出弁452を閉状態にする。給湯サーボ51及び排出弁452が閉状態になると、給湯箇所90から給湯路41、混合路43、排出路447、及び、出口448を通じて、排出箇所に水が排出されることが停止される。
【0079】
S32において、制御装置100は、排出工程を終了する。制御装置100は、給湯路41に設けられている給湯サーボ51を閉状態にし、排出路447に設けられている排出弁452を閉状態にする。
【0080】
上記の構成によると、制御装置100は、洗浄指示信号を受信してから第1所定時間が経過するまでの間に排出工程(
図2のS20)を実行する。排出工程では、給湯箇所90から供給される湯が給湯路41、混合路43に供給され、洗浄指示信号を取得する前に給湯路41、及び、混合路43に滞留していた水が、排出路447を通って排出箇所に排出される。即ち、給湯路41、及び、混合路43内に湯が溜まっていく。そして、制御装置100は、洗浄指示信号を取得してから第1所定時間が経過する場合に、予備洗浄工程を開始する(
図2のS40)。この場合、排出工程中に給湯路41、及び、混合路43内に貯えられた湯が、比較的早期に浴槽20に噴射される。即ち、予備洗浄工程において、湯が噴射されるまでに要する時間を短縮することができる。この結果、浴槽洗浄システム402による洗浄効果を高めることができる。
【0081】
(対応関係)
浴槽洗浄システム402が、「浴槽洗浄装置」の一例である。ノズル26が、「噴射装置」の一例である。給湯路41、混合路43、及び、洗浄水路446が、「水供給路」の一例である。予備洗浄工程が、「噴射工程」の一例である。
【0082】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0083】
(第1変形例)
図2の洗浄運転処理において、S40、S42の処理が省略されてもよい。本変形例では、洗浄工程が「噴射工程」の一例である。
【0084】
(第2変形例)
図2の洗浄運転処理において、S10、S12の処理が省略されてもよい。本変形例では、制御装置100は、運転指示信号を受信すると、S20を実行する。そして、制御装置100は、運転指示信号を受信してからの経過時間が第1所定時間を経過する場合に、
図2の26又はS30でYESと判断し、処理はS40に進む。なお、S10、S12の処理を省略する場合とは、例えば、排水栓の開閉状態を自動で切り替えることができない場合である。
【0085】
(第3変形例)
図2のS22の処理で利用される水温は、湯温サーミスタ71によって検出される水温に限定されない。例えば、貯水タンク31内の水の水温であってもよいし、給湯路41に設けられている湯温サーミスタ71によって検出される水温であってもよい。
【0086】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0087】
2:浴槽洗浄システム、12:洗剤タンク、13:洗剤路、14:洗剤弁、14a:第1洗剤弁、14b:第2洗剤弁、20:浴槽、21:底面、22:内側面、23:上面、24:排水口、25:排水栓、26:ノズル、31:貯水タンク、32:ポンプ、33:混合器、41:給湯路、42:給水路、43:混合路、44:湯はり路、45:貯水路、46:洗浄水路、47:排出路、48:出口、49:湯はり口、51:給湯サーボ、52:給水サーボ、53:湯はり弁、54:貯水弁、55:洗浄水弁、61:湯量センサ、62:水量センサ、71:湯温サーミスタ、72:水温サーミスタ、73:湯はりサーミスタ、74:貯水サーミスタ、90:給湯箇所、92:給水箇所、100:制御装置、200:リモコン、201:湯はりボタン、202:浴槽洗浄ボタン、203:温度ボタン