(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/22 20060101AFI20220104BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20220104BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220104BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220104BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H05B33/22 Z
H05B33/12 B
H05B33/14 A
H01L27/32
G09F9/30 365
(21)【出願番号】P 2019164066
(22)【出願日】2019-09-10
【審査請求日】2019-09-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0116080
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ユチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム, スヒョン
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-039029(JP,A)
【文献】特開2014-082133(JP,A)
【文献】特開2014-044938(JP,A)
【文献】特開2005-197228(JP,A)
【文献】特開2004-127933(JP,A)
【文献】特開2004-253383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/22
H05B 33/12
H01L 51/50
H01L 27/32
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サブ画素、第2サブ画素、および第3サブ画素を備えた基板、
前記基板上で前記第1~第3サブ画素にそれぞれ備えられた第1電極、
前記第1電極の間に備えられ、無機物質からなる第1バンク、
前記第1バンク上に備えられ、前記第1バンクよりも小さい幅を有し、無機物質からなる第2バンク、
前記第2バンク上に備えられ、前記第2バンクの上面及び側面を覆い、金属物質からなる第3バンク、
前記第1電極、前記第1バンクおよび前記第3バンク上に備えられた発光層、および
前記発光層上に備えられた第2電極を含み、
前記第3バンク上に形成された発光層と前記第3バンクが形成されない前記第1バンク上に形成された発光層とが離隔し、
前記発光層は、前記第1サブ画素に備えられた第1発光層、前記第2サブ画素に備えられた第2発光層及び前記第3サブ画素に備えられた第3発光層を含み、前記第1発光層、前記第2発光層、および前記第3発光層のそれぞれが、
前記第1電極と前記第2電極の間に備えられ、かつ発光する発光領域を含む発光部と、
前記第3バンク上に備えられ、かつ発光するように構成されていない第1非発光部と、
前記第2バンクと第3バンクとが形成されない前記第1バンク上に備えられて、発光するように構成されていない第2非発光部とを含み、
前記第1非発光部と前記第2非発光部が離隔していることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2バンクは、前記第1バンクと接する下面と側面とがなす角度が90度と同じか、大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2バンクが、前記第1~第3サブ画素それぞれを囲むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2バンクの高さが、3000Åよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2バンクが、隣接する2つのサブ画素間に備えられた少なくとも一つのバンクパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1発光層が、第1色で発光し、
前記第2発光層が、第2色で発光し、
前記第3発光層が、第3色で発光することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記発光部と前記第1非発光部が離隔していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
第1サブ画素、第2サブ画素、および第3サブ画素をそれぞれが含む複数の画素を備えた基板、
前記基板上で前記第1~第3サブ画素にそれぞれ備えられた第1電極、
前記第1電極の間に備えられ、無機物質からなる第1バンク、
前記第1バンク上に備えられ、
前記第1バンクよりも小さい幅を有し、無機物質からなる第2バンク、
前記第2バンク上に備えられ、前記第2バンクの上面及び側面を覆い、金属物質からなる第3バンク、
前記第1電極、前記第1バンクおよび前記第3バンク上に備えられた発光層、並びに
前記発光層上に備えられた第2電極を含み、
前記複数の画素のそれぞれに含まれた前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素が互いに異なる形状を有し、
前記発光層は、
前記第1電極と前記第2電極の間に備えられ、かつ発光する発光領域を含む発光部と、
前記第3バンク上に備えられ、かつ発光しない第1非発光部と、
前記第2バンクと前記第3バンクとが形成されない前記第1バンク上に備えられて発光しない第2非発光部とを含み、
前記発光部と前記第1非発光部とが、または前記第1非発光部と前記第2非発光部とが離隔していることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
前記第2バンクは、前記第1バンクと接する下面と側面とがなす角度が90度と同じか、大きいことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2バンクが、前記第1~第3サブ画素それぞれを囲むことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2サブ画素が、第1幅で前記第1サブ画素を囲む形状を有し、前記第3サブ画素は、第2幅で前記第2サブ画素を囲む形状を有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記複数の画素が、第1画素、前記第1画素に第1方向で隣接する第2画素、および前記第2画素に前記第1方向で隣接する第3画素を含み、
前記第1画素、前記第2画素および前記第3画素それぞれに含まれた前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素は、形状が互いに異なることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1画素が、前記第2サブ画素が第1幅で前記第1サブ画素を囲む形状を有し、第3サブ画素が第2幅で前記第2サブ画素を囲む形状を有し、
前記第2画素は、前記第3サブ画素が、前記第1幅で前記第2サブ画素を囲む形状を有し、前記第1サブ画素が前記第2幅で前記第3サブ画素を囲む形状を有し、
前記第3画素は、前記第1サブ画素が前記第1幅で前記第3サブ画素を囲む形状を有し、前記第2サブ画素が前記第2幅で前記第1サブ画素を囲む形状を有することを特徴とする請求項
12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1画素、第2画素および前記第3画素に含まれた第1サブ画素の総面積、前記第1画素、第2画素および前記第3画素に含まれた第2サブ画素の総面積、および前記第1画素、第2画素および前記第3画素のそれぞれに含まれた第3サブ画素の総面積が同じであることを特徴とする請求項
12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するにつれて、映像を表示するための表示装置への要求が様々な形で高まっている。これにより、最近では液晶表示装置(LCD、Liquid Crystal Display)、プラズマ表示装置(PDP、Plasma Display Panel)、有機発光表示装置(OLED、Organic Light Emitting Display)など複数の表示装置が活用されている。
【0003】
表示装置の中で、有機発光表示装置は、自己発光型であって、液晶表示装置(LCD)に比べて視野角、コントラスト比などに優れており、別途のバックライトを必要としないため軽量薄型が可能であり、消費電力において有利であるという長所がある。また、有機発光表示装置は、直流低電圧駆動が可能であり、応答速度が速く、特に製造コストが安価な長所がある。
【0004】
このような有機発光表示装置は、フォト工程(Photolithography)を用いて、サブ画素ごとに発光層をパターン形成する。ここで、有機発光表示装置は、フォト工程で発光層が損傷され寿命および効率が低下するという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、発光層の損傷を最小限に抑えることができる表示装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1実施例に係る表示装置は、第1サブ画素、第2サブ画素、および第3サブ画素を備えた基板、基板上の第1~第3サブ画素にそれぞれ備えられた第1電極、第1電極間に備えられた第1バンク、第1バンク上に備えられ、第1バンクよりも小さい幅を有する第2バンク、第1電極、第1バンクおよび第2バンク上に備えられた発光層、および発光層上に備えられた第2電極を含む。発光層は、第2バンク上に形成された発光層と第2バンクが形成されない第1バンク上に形成された発光層が離隔したことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2実施例に係る表示装置は、第1サブ画素、第2サブ画素、および第3サブ画素を含む複数の画素を備えた基板、基板上の第1~第3サブ画素にそれぞれ備えられた第1電極、第1電極の間に備えられた第1バンク、第1バンク上に備えられた第2バンク、第1電極、第1バンクおよび第2バンク上に備えられた発光層、および発光層上に備えられた第2電極を含む。複数の画素のそれぞれに含まれた第1サブ画素、第2サブ画素、および第3サブ画素が互いに異なる形状を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、第1バンク上に第2バンクを形成することにより、第2バンク上に形成された発光層と第2バンクが形成されない第1バンク上に形成された発光層を断絶させることができる。これにより、本発明に係る表示装置は、フォト工程時、発光層の損傷を低減することができる。
【0009】
また、本発明は、一つのサブ画素が、他のいずれかのサブ画素を囲む形状を有するように形成することにより、複数のフォト工程が進行される過程で、サブ画素のそれぞれに形成された発光層が露出する回数を減らすことができる。これにより、本発明に係る表示装置は、フォト工程時、発光層の損傷を最小限に抑えることができる。
【0010】
上述した本発明の効果に以外に、本発明の他の特徴および利点は、以下に記述した内容および、そのような記述と説明から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例に係る表示装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係るサブ画素を概略的に示す平面図である。
【
図7】本発明の第2実施例に係るサブ画素を概略的に示す平面図である。
【
図8】
図7のII-IIの一例を示す断面図である。
【
図10】本発明の第3実施例に係るサブ画素を示す平面図である。
【
図11】本発明の第4実施例に係るサブ画素を示す平面図である。
【
図12】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図13a】
図13aは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13b】
図13bは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13c】
図13cは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13d】
図13dは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13e】
図13eは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13f】
図13fは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13g】
図13gは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図13h】
図13hは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図14a】
図14aは、本発明の他の実施例に係る表示装置に関するものであり、これはヘッドマウント表示(HMD)装置に関するものである。
【
図14b】
図14bは、本発明の他の実施例に係る表示装置に関するものであり、これはヘッドマウント表示(HMD)装置に関するものである。
【
図14c】
図14cは、本発明の他の実施例に係る表示装置に関するものであり、これはヘッドマウント表示(HMD)装置に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述する実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らしめるために提供するものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0013】
本発明の実施例を説明するために図で開示した形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指すことができる。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する詳細な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0014】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0015】
位置関係の説明である場合には、例えば、「~の上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~の隣に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0016】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下に記載されている第1の構成要素は、本発明の技術的思想内で第2の構成要素であることも可能である。
【0017】
本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。一構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接に連結したり、または接続することができるが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」したり、各構成要素が他の構成要素を介して、「連結」、「結合」または「接続」することができると理解されなければならない。
【0018】
本発明のいくつかの例のそれぞれの特徴が、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動およびと駆動が可能であり、それぞれの例が互いに独立して実施可能であり得、関連した関係で一緒に実施することもできる。
【0019】
以下では、本発明に係る表示装置の例を添付した図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の符号を有することができる。
【実施例1】
【0020】
第1実施例
図1は、本発明の一実施例に係る表示装置を概略的に示す斜視図であり、
図2は、本発明の第1実施例に係るサブ画素を概略的に示す平面図であり、
図3は、
図2のI-Iの一例を示す断面図である。
図4は
図3のA領域の一例を示す拡大図であり、
図5は、
図3のA領域の他の例を示す拡大図であり、
図6は、
図3のA領域の別の例を示す拡大図ある。
【0021】
図1、
図2および
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置は、第1基板100、駆動薄膜トランジスタ110、絶縁膜120、第1電極200、バンク240、発光層300、第2電極400、封止膜500および第2基板600を含む。
【0022】
第1基板100は、ガラスまたはプラスチックからなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではなく、シリコンウエハのような半導体物質からなることもできる。第1基板100は、透明な材料からなることもでき、不透明な材料からなることもできる。第1基板100上に第1サブ画素(SP1)、第2サブ画素(SP2)、および第3サブ画素(SP3)が備えられる。第1サブ画素(SP1)は、赤色光を放出し、第2サブ画素(SP2)は、緑色光を放出し、第3サブ画素(SP3)は、青色光を放出するように備えることができるが、必ずしもそれに限定されるのではない。第1基板100上に白色(W)の光を発光する第4画素が備えられ得る。また、それぞれのサブ画素(SP1、SP2、SP3)の配列順序は多様に変更することができる。
【0023】
本発明の一実施例に係る表示装置は、発光した光が上部に向かって放出される、いわゆる上部発光(Top emisison)方式からなり、したがって、第1基板100の材料としては、透明な材料だけでなく、不透明な材料を用いることができる。
【0024】
第1基板100上に各種の信号ライン、薄膜トランジスタ、およびコンデンサなどを含む回路素子がサブ画素(SP1、SP2、SP3)別に形成される。前記信号ラインは、ゲートライン、データライン、電源ライン、および基準ラインを含んでなり得、前記薄膜トランジスタは、スイッチング薄膜トランジスタ、駆動薄膜トランジスタ110およびセンシング薄膜トランジスタを含んでなり得る。
【0025】
前記スイッチング薄膜トランジスタは、前記ゲートラインに供給されるゲート信号によってスイッチングされ、前記データラインから供給されるデータ電圧を駆動薄膜トランジスタに供給する役割をする。
【0026】
駆動薄膜トランジスタ110は、前記スイッチング薄膜トランジスタから供給されるデータ電圧によってスイッチングされ、前記電源ラインから供給される電源からのデータ電流を生成して、第1電極210、220、230に供給する役割をする。
【0027】
前記センシング薄膜トランジスタは、画質劣化の原因となる前記駆動薄膜トランジスタの閾値電圧の偏差をセンシングする役割をするものであり、前記ゲートラインまたは別途のセンシングラインから供給されるセンシング制御信号に応答して前記駆動薄膜トランジスタの電流を前記基準ラインに供給する。
【0028】
前記コンデンサは、駆動薄膜トランジスタ110に供給されるデータ電圧を一フレームの間維持させる役割をするもので、駆動薄膜トランジスタ110のゲート端子とソース端子にそれぞれ接続する。
【0029】
絶縁膜120は、駆動薄膜トランジスタ110を含む回路素子上に形成される。絶縁膜120は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができる。
【0030】
絶縁膜120には、サブ画素(SP1、SP2、SP3)ごとにコンタクトホール(CH)が備えられており、コンタクトホール(CH)を介して駆動薄膜トランジスタ110のソース端子またはドレイン端子が露出する。コンタクトホール(CH)は、図に示したように、バンク240とオーバーラップする非発光領域に備えることができるが、必ずしもそれに限定されるものではなくバンク240とオーバーラップしない発光領域に備えられ得る。
【0031】
第1電極200は、絶縁膜120上でサブ画素(SP1、SP2、SP3)ごとにパターン形成される。第1サブ画素(SP1)に一つの第1電極210が形成され、第2サブ画素(SP2)に、もう一つの第1電極220が形成され、第3サブ画素(SP3)に、またもう一つの第1電極230が形成される。
【0032】
第1電極210、220、230は、駆動薄膜トランジスタ110と接続する。詳細には、第1電極210、220、230は、絶縁膜120に備えられたコンタクトホール(CH)を介して駆動薄膜トランジスタ110のソース端子またはドレイン端子と接続する。
【0033】
このような第1電極210、220、230は、銀(Ag)のように反射率の高い金属物質で形成することができ、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率の高い金属物質を含んで形成することもできる。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pb)、および銅(Cu)の合金である。
【0034】
発光層300は、第1電極210、220、230上に形成される。発光層300は、バンク240上にも形成することができる。つまり、発光層300は、それぞれのサブ画素(SP1、SP2、SP3)およびそれらの間の境界領域にも形成される。
【0035】
発光層300は、正孔輸送層(hole transporting layer)、発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。この場合、第1電極210、220、230と第2電極400に電圧が印加されると正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を介して発光層に移動するようになり、発光層で互いに結合して発光することになる。
【0036】
発光層300は、サブ画素(SP1、SP2、SP3)ごとにパターン形成された第1発光層310、第2発光層320および第3発光層330を含む。第1サブ画素(SP1)に第1色の光を放出する第1発光層310がパターン形成され、第2サブ画素(SP2)に、第2色の光を放出する第2発光層320がパターン形成され、第3サブ画素(SP3)に第3色の光を放出する第3発光層330がパターン形成される。ここで、第1色の光は、赤色光であり、第2色の光は、緑色光であり、第3色の光は、青色光であり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。また、発光層300は、第4サブ画素(未図示)に白色光を放出する第4発光層(未図示)をさらに含むことができる。
【0037】
第2電極400は、発光層300上に形成される。第2電極400は、サブ画素(SP1、SP2、SP3)に共通して形成される共通層であり得る。このような第2電極400は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO,Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。
【0038】
バンク240は、絶縁膜120上に形成される。バンク240は、複数の画素(SP1、SP2、SP3)間の境界にマトリックス構造で形成されて、複数の画素(SP1、SP2、SP3)それぞれに発光領域を定義する。つまり、それぞれのサブ画素(SP1、SP2、SP3)にバンク240が形成されず、露出した第1電極210、220、230の露出領域が発光領域となる。
【0039】
バンク240は、第1バンク242および第2バンク244を含む。
【0040】
第1バンク242は、第1電極210、220、230間に形成される。ここで、第1バンク242は、第1電極210、220、230それぞれの端を覆うように形成される。これにより、第1電極210、220、230の端に電流が集中して発光効率が低下する問題を回避することができる。
【0041】
このような第1バンク242は、無機物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができるが、必ずしもこれに限定されない。第1バンク242は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機物質で形成することもできる。
【0042】
ただし、第1バンク242は、製造工程中に損傷しないために無機膜で形成することが好ましい。詳細には、表示装置は、バンク240が形成された後、発光層300が形成される。ここで、発光層300は、フォト工程(Photolithography)を用いて、サブ画素ごとにパターン形成される。フォト工程は、シールド層を形成する工程、フォトレジストを塗布する工程、露光工程、現像工程、エッチング工程、除去工程を含む。このようなフォト工程が行われるとき、第1バンク242の一部が露出し得、露出した第1バンク242が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第1バンク242を無機物質で形成することにより、第1バンク242の損傷を最小限に抑えることができる。
【0043】
第2バンク244は、第1バンク242上に形成される。本発明の一実施例に係る表示装置は、発光層300を形成するためのフォト工程時、第2バンク244を用いて、発光層310、320、330の損傷を最小限に抑える。
【0044】
より詳細には、第2バンク244は、発光層310、320、330が蒸着される第2バンク244上に形成される発光層310、320、330と第2バンク244が形成されない第1バンク242上に形成される発光層310、320、330が断絶し得るように、十分な高さを有する。例えば、第2バンク244の高さ(H)は、3000Åと同じかそれ以上であり得る。
【0045】
また、第2バンク244は、第1バンク242と接する下面と側面がなす角度(θ)が90と同じか、それ以上であり得る。すなわち、第2バンク244は、直角のテーパー構造または逆テーパー構造を有することができる。
【0046】
このような第2バンク244は、
図2に示すように、第1サブ画素(SP1)、第2サブ画素(SP2)および第3サブ画素(SP3)のそれぞれを囲むように形成される。
【0047】
本発明の一実施例に係る表示装置は、上述したように形成された第2バンク244により、第2バンク244上に形成された発光層310、320、330と第2バンク244が形成されない第1バンク242上に形成される発光層310、320、330が断絶し得る。
【0048】
第1発光層310は、
図4に示すように、第1電極210および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部310aおよび第2バンク244上に備えられて発光しない第1非発光部310bを含むことができる。ここで、第1発光層310は、第2バンク244により発光部310aと、第1非発光部310bが離隔して形成される。
【0049】
第1発光層310を形成するための第1フォト工程は、第1発光層310が損傷することを防止するために、第1発光層310上にシールド層を塗布した後、フォトレジストを塗布することができる。このように、第1発光層310上にシールド層を塗布しても、第1発光層310の上面は、シールド層によって覆われるが、第1発光層310の側面、特に、第1非発光部310bの側面は露出するしかない。フォト工程が進むにつれて、露出した第1非発光部310bの側面は、破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第1発光層310の発光部310aと第1非発光部310bが離隔しているので、第1非発光部310bが破損しても、発光部310aまで損傷が拡散し得ない。
【0050】
一方、第1発光層310は、
図5に示すように、第1電極210および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部310a、第2バンク244上に備えられて発光しない第1非発光部310b、および第2バンク244が形成されない第1バンク242上に備えられて発光しない第2非発光部310cを含むこともできる。ここで、第1発光層310は、第2バンク244により発光部310aと、第1非発光部310bの間、および第1非発光部310bと第2非発光部310c間のいずれか一方が離隔して形成される。
【0051】
フォト工程が行われるとき、第1発光層310は、第2非発光部310cの側面が露出し、露出した第2非発光部310cの側面が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第1発光層310の発光部310aと第1非発光部310bの間、および第1非発光部310bと第2非発光部310c間のいずれか一方が離隔して形成されているので、第2非発光部310cが破損しても、発光部310aまで損傷が拡散し得ない。
【0052】
結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第1発光層310の損傷を最小限に抑えることができる。
【0053】
第2発光層320は、
図4に示すように、第1電極220および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部320aおよび第2バンク244上に備えられて発光しない第1非発光部320bを含むことができる。ここで、第2発光層320は、第2バンク244によって発光部320aと、第1非発光部320bが離隔して形成される。
【0054】
第2発光層320を形成するためのフォト工程は、第2発光層320が損傷することを防止するために、第2発光層320上にシールド層を塗布した後、フォトレジストを塗布することができる。このように、第2発光層320上にシールド層を塗布しても、第2発光層320の上面は、シールド層によって覆われるが、第2発光層320の側面は、特に、第1非発光部320bの側面は露出するしかない。フォト工程が進むにつれて、露出した第1非発光部320bの側面は、破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第2発光層320の発光部320aと第1非発光部320bが離隔して形成されているので、第1非発光部320bが破損しても、発光部320aまで損傷が拡散し得ない。
【0055】
一方、第2発光層320は、
図5に示すように、第1電極220および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部320a、第2バンク244上に備えられて発光しない第1非発光部320b、および第2バンク244が形成されない第1バンク242上に備えられて発光しない第2非発光部320cを含むこともできる。ここで、第2発光層320は、第2バンク244により発光部320aと第1非発光部320bの間、および第1非発光部320bと第2非発光部320cの間のいずれか一方が離隔して形成される。
【0056】
フォト工程が行われるとき、第2発光層320は、第2非発光部320cの側面が露出し、露出した第2非発光部320cの側面が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第2発光層320の発光部320aと、第1非発光部320bの間、および第1非発光部320bと第2非発光部320cの間のいずれか一方が離隔して形成されているので、第2非発光部320cが破損しても、発光部320aまで損傷が拡散し得ない。
【0057】
結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第2発光層320の損傷を最小限に抑えることができる。
【0058】
第3発光層330は、第1電極210および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部330aおよび第2バンク244上に備えられて発光しない第1非発光部330bを含むことができる。ここで、第3発光層330は、第2バンク244により発光部330aと第1非発光部330bが離隔して形成される。
【0059】
第3発光層330を形成するためのフォト工程は、第3発光層330が損傷されることを防止するために、第3発光層330上にシールド層を塗布した後、フォトレジストを塗布することができる。このように、第3発光層330上にシールド層を塗布しても、第3発光層330の上面は、シールド層によって覆われるが、第3発光層330の側面、特に、第1非発光部330bの側面は露出するしかない。フォト工程が進むにつれて、露出した第1非発光部330bの側面は、破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第3発光層330の発光部330aと第1非発光部330bが離隔して形成されているので、第1非発光部330bが破損しても、発光部330aまで損傷が拡散し得ない。結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第3発光層330の損傷を最小限に抑えることができる。
【0060】
一方、第3発光層330は、第1電極230および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部330a、第2バンク244上に備えられて発光しない第1非発光部330b、および第2バンク244が形成されない第1バンク242上に備えられて発光しない第2非発光部330cを含むこともできる。ここで、第3発光層330は、第2バンク244によって、発光部330aと第1非発光部330bの間、および第1非発光部330bと第2非発光部330cの間のいずれか一方が離隔して形成される。
【0061】
フォト工程が行われるとき、第3発光層330は、第2非発光部330cの側面が露出し、露出した第2非発光部330cの側面が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第3発光層330の発光部330aと第1非発光部330bの間、および第1非発光部330bと第2非発光部330cの間のいずれか一方が離隔して形成されているので、第2非発光部330cが破損しても、発光部330aまで損傷が拡散し得ない。
【0062】
結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第3発光層330の損傷を最小限に抑えることができる。
【0063】
本発明の一実施例に係る表示装置は、第2バンク244の幅(W2)を第1バンク242の幅(W1)より小さく形成することができる。第2バンク244が、小さな幅(W2)でパターン形成されているので、フォト工程でシールド層が第2バンク244を覆うようになる。シールド層は、第2バンク244により形成された位置に固定され、第1基板100が移動しても押されたり移動し得ない。
【0064】
このような第2バンク244は、金属物質または無機物質で形成することができる。第2バンク244を金属物質で形成する場合、現像工程、エッチング工程を含むフォト工程で第2バンク244の損傷を最小限に抑えることができる。ただし、金属物質は、十分な高さを有するように形成することが困難である。
【0065】
一方、第2バンク244を無機物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成する場合には、第2バンク244は、金属物質と比較して、比較的高い高さを有することができる。ただし、無機物質で形成された第2バンク244は、金属物質と比較してエッチング工程で、比較的多くの損傷が発生し得る。
【0066】
上述した点に照らして、第2バンク244は、
図6に示すように無機バンク244aと金属バンク244bで形成することができる。無機バンク244aは、第1バンク242上に備えられ、無機物質からなり得る。金属バンク244bは、無機バンク244a上に備えられ、金属物質からなり得る。金属バンク244bは、無機バンク244aの上面はもちろん、側面にも形成することができる。このような第2バンク244は、無機バンク244aによって十分な高さを有することができ、金属バンク244bによって損傷を最小限に抑えることができる。
【0067】
封止膜500は、第2電極400を覆うように形成することができる。封止膜500は、発光層300と第2電極400に酸素または水分が浸透することを防止する役割をする。このため、封止膜500は、少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含むことができる。
【0068】
詳細には、封止膜500は、第1無機膜および有機膜を含むことができる。一実施例において、封止膜500は、第2無機膜をさらに含むことができる。
【0069】
第1無機膜は、第2電極400を覆うように形成される。有機膜は、第1無機膜上に形成され、異物(particles)が第1無機膜を突き抜けて発光層300と第2電極400に投入されることを防止するために十分な長さで形成することが好ましい。第2無機膜は、有機膜を覆うように形成される。
【0070】
第1および第2無機膜のそれぞれは、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。第1および第2無機膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法で蒸着することができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
有機膜は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)で形成することができる。有機膜は、有機物を使用する蒸着(vapour deposition)、印刷(printing)、スリットコーティング(slit coating)技法で形成することができるが、これらに限定されず、有機膜は、インクジェット(ink-jet)工程で形成することもできる。
【0072】
第2基板600は、プラスチックフィルム(plastic film)またはガラス基板(glass substrate)であり得る。第2基板600は、透明な材料からなり得、不透明な材料からなることもある。
【0073】
本発明の一実施例に係る表示装置は、発光した光が下部に向かって放出される、いわゆる下部発光(bottom emission)方式で形成することができる。このような場合、第2基板600は、不透明な材料を用いることができる。一方、本発明の一実施例に係る表示装置は、発光した光が上部に向かって放出される、いわゆる上部発光(Top emission)方式で形成することもできる。このような場合、第2基板600は、透明な材料を用いることができる。
【0074】
第2基板600は、接着層(未図示)を用いて、封止膜500が形成された第1基板100と合着することができる。
【実施例2】
【0075】
第2実施例
図7は本発明の第2実施例に係るサブ画素を概略的に示す平面図であり、
図8は、
図7のII-IIの一例を示す断面図である。
図9は
図8のB領域の一例を示す拡大図である。
【0076】
図7、
図8および
図9を参照すると、本発明の第2実施例に係る表示装置は、第1基板100、駆動薄膜トランジスタ110、絶縁膜120、第1電極200、バンク240、発光層300、第2電極400、封止膜500および第2基板600を含む。
【0077】
図7、
図8および
図9に示した第1基板100、駆動薄膜トランジスタ110、絶縁膜120、第1電極200、第2電極400、封止膜500および第2基板600は、
図1~
図5に示した第1基板100、駆動薄膜トランジスタ110、絶縁膜120、第1電極200、第2電極400、封止膜500および第2基板600と実質的に同じなので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0078】
また、
図7、
図8および
図9に示した表示装置は、第2バンク244が複数のバンクパターンで形成された点で、
図1~
図5に示した第2バンク244と差がある。以下では、重複する説明を省略し、前記相違点を中心に説明する。
【0079】
本発明の第2実施例に係るバンク240は、絶縁膜120上に形成される。バンク240は、複数の画素(SP1、SP2、SP3)間の境界にマトリックス構造で形成され、複数の画素(SP1、SP2、SP3)それぞれに発光領域を定義する。つまり、それぞれのサブ画素(SP1、SP2、SP3)でバンク240が形成されずに、露出した第1電極210、220、230の露出領域が発光領域となる。
【0080】
バンク240は、第1バンク242および第2バンク244を含む。
【0081】
第1バンク242は、第1電極210、220、230間に形成される。ここで、第1バンク242は、第1電極210、220、230それぞれの端を覆うように形成される。これにより、第1電極210、220、230の端に電流が集中して発光効率が低下する問題を回避することができる。
【0082】
このような第1バンク242は、無機物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができるが、必ずしもこれに限定されない。第1バンク242は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機物質で形成することもできる。
【0083】
ただし、第1バンク242は、製造工程中に破損されないために無機膜で形成することが好ましい。詳細には、表示装置は、バンク240が形成された後、発光層300が形成される。ここで、発光層300は、フォト工程(Photolithography)を用いて、サブ画素ごとにパターン形成される。フォト工程は、シールド層を形成する工程、フォトレジストを塗布する工程、露光工程、現像工程、エッチング工程、除去工程を含む。このようなフォト工程が行われるとき、第1バンク242の一部が露出し得、露出した第1バンク242が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第1バンク242を無機物質で形成することにより、第1バンク242の損傷を最小限に抑えることができる。
【0084】
第2バンク244は、第1バンク242上に形成される。本発明の第2実施例に係る表示装置は、第2バンク244が、隣接する2つのサブ画素(SP1、SP2、SP3)間に複数のバンクパターンで形成されていることを特徴とする。本発明の第2実施例に係る表示装置は、第2バンク244を複数のバンクパターンで形成することにより、発光層300の損傷をより効果的に低減することができる。また、フォト工程では、シールド層が押されたり移動することをより効果的に防止することができる。
【0085】
ただし、第1バンク242上に複数のバンクパターンを形成するために、第1バンク242は、幅(W1)が大きくなる。これにより、サブ画素(SP1、SP2、SP3)は、開口率が小さくなり得る。
【0086】
一方、先に説明した本発明の一実施例に係る表示装置は、第2バンク244が、隣接する2つのサブ画素(SP1、SP2、SP3)間に一つのバンクパターンで形成される。第1バンク242上に一つのバンクパターンのみを形成するので、第1バンク242は、幅(W1)を第2バンク244の幅(W2)の分だけ減らすことができる。これにより、サブ画素(SP1、SP2、SP3)は、開口率が大きくなり得る。
【0087】
したがって、本発明の第2実施例に係る表示装置は、TVのような大面積を有する製品に適用することが好ましい。一方、本発明の一実施例に係る表示装置は、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display,HMD)のように超高解像度を必要とする製品に適用することが好ましい。
【0088】
第2バンク244は、発光層310、320、330が蒸着される第2バンク244上に形成される発光層310、320、330と第2バンク244が形成されない第1バンク242上に形成される発光層310、320、330が断絶するように、十分な高さを有する。例えば、第2バンク244の高さ(H)は、3000Åと同じか、それ以上であり得る。
【0089】
また、第2バンク244は、第1バンク242と接する下面と側面がなす角度(θ)が90と同じか、それ以上であり得る。すなわち、第2バンク244は、直角のテーパー構造または逆テーパー構造を有することができる。
【0090】
このような第2バンク244は、
図7に示すように、第1サブ画素(SP1)、第2サブ画素(SP2)および第3サブ画素(SP3)のそれぞれを囲むように形成される。
【0091】
本発明の第2実施例に係る表示装置は、上述したように形成された第2バンク244により、第2バンク244上に形成された発光層310、320、330と第2バンク244が形成されない第1バンク242上に形成される発光層310、320、330が断絶し得る。
【0092】
第1発光層310は、
図9に示すように、第1電極210および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部310aは、少なくとも一つのバンクパターン上に備えられて発光しない第1非発光部310b、および第2バンク244が形成されない第1バンク242上に備えられて発光しない第2非発光部310cを含むこともできる。ここで、少なくとも一つのバンクパターンは、複数のバンクパターンの中で、第1サブ画素(SP1)に隣接して配置された少なくとも一つのバンクパターンを示す。
【0093】
図8および
図9には、隣接する第1サブ画素(SP1)と第2サブ画素(SP2)の間に2つのバンクパターンが形成されている例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。隣接する第1サブ画素(SP1)と第2サブ画素(SP2)の間には、3つまたはそれ以上のバンクパターンを形成することもできる。このような場合、第1発光層310は、複数のバンクパターンのうち、第1サブ画素(SP1)に隣接して配置された少なくとも一つのバンクパターン上に形成することができる。
【0094】
第1発光層310は、第2バンク244により発光部310aと第1非発光部310bの間、および第1非発光部310bと第2非発光部310cの間のいずれか一方が離隔して形成される。
【0095】
フォト工程が行われるとき、第1発光層310は、第2非発光部310cの側面が露出し、露出した第2非発光部310cの側面が破損し得る。本発明の第2実施例に係る表示装置は、第1発光層310の発光部310aと第1非発光部310bの間、および第1非発光部310bと第2非発光部310c間のいずれか一方が離隔して形成されているので、第2非発光部310cが破損しても、発光部310aまで損傷が拡散し得ない。
【0096】
結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第1発光層310の損傷を最小限に抑えることができる。
【0097】
第2発光層320は、
図9に示すように、第1電極210および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部320a、少なくとも一つのバンクパターン上に備えられて発光しない第1非発光部320b、および第2バンク244が形成されない第1バンク242上に備えられて発光しない第2非発光部320cを含むこともできる。ここで、少なくとも一つのバンクパターンは、複数のバンクパターンのうちの第2サブ画素(SP2)に隣接して配置された少なくとも一つのバンクパターンを示す。
【0098】
図8および
図9には、隣接する第1サブ画素(SP1)と第2サブ画素(SP2)の間、および第2サブ画素(SP2)と第3サブ画素(SP3)の間に2つのバンクのパターンが形成されることを示しているが、必ずしもこれに限定されない。隣接する第1サブ画素(SP1)と第2サブ画素(SP2)の間、および第2サブ画素(SP2)と第3サブ画素(SP3)の間には、3つまたはそれ以上のバンクパターンを形成することもできる。このような場合、第2発光層320は、複数のバンクパターンのうちの第2サブ画素(SP2)に隣接して配置された少なくとも一つのバンクパターン上に形成することができる。
【0099】
ここで、第2発光層320は、第2バンク244によって発光部320aと第1非発光部320bの間、および第1非発光部320bと第2非発光部320cの間のいずれか一方が離隔して形成される。
【0100】
フォト工程が行われるとき、第2発光層320は、第2非発光部320cの側面が露出し、露出した第2非発光部320cの側面が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第2発光層320の発光部320aと第1非発光部320bの間、および第1非発光部320bと第2非発光部320cの間のいずれか一方が離隔して形成されているので、第2非発光部320cが破損しても、発光部320aまで損傷が拡散し得ない。
【0101】
結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第2発光層320の損傷を最小限に抑えることができる。
【0102】
第3発光層330は、第1電極210および第2電極400の間に備えられて発光する発光領域を含む発光部330a、少なくとも一つのバンクパターン上に備えられて発光しない第1非発光部330b、および第2バンク244が形成されない第1バンク242上に備えられて発光しない第2非発光部330cを含むこともできる。ここで、少なくとも一つのバンクパターンは、複数のバンクパターンのうち、第3サブ画素(SP3)に隣接して配置された少なくとも一つのバンクパターンを示す。
【0103】
ここで、第3発光層330は、第2バンク244によって発光部330aと第1非発光部330bの間、および第1非発光部330bと第2非発光部330cの間のいずれか一方が離隔して形成される。
【0104】
フォト工程が行われるとき、第3発光層330は、第2非発光部330cの側面が露出し、露出した第2非発光部330cの側面が破損し得る。本発明の一実施例に係る表示装置は、第3発光層330の発光部330aと第1非発光部330bの間、および第1非発光部330bと第2非発光部330cの間のいずれか一方が離隔して形成されているので、第2非発光部330cが破損しても、発光部330aまで損傷が拡散し得ない。
【0105】
結果的に、本発明の一実施例に係る表示装置は、フォト工程による第3発光層330の損傷を最小限に抑えることができる。
【0106】
本発明の第2実施例に係る表示装置は、第2バンク244が、第1バンク242よりも小さい幅を有し複数個でパターン形成することができる。第2バンク244が、小さな幅(W2)で複数個がパターン形成されているので、フォト工程でシールド層が少なくとも一つのバンクパターンを覆うようになる。シールド層は、少なくとも一つのバンクパターンによって形成された位置に固定されて、第1基板100が移動しても押されたり移動し得ない。
【0107】
このような第2バンク244は、金属物質または無機物質で形成することができる。第2バンク244を金属物質で形成する場合、現像工程、エッチング工程を含むフォト工程で第2バンク244の損傷を最小限に抑えることができる。ただし、金属物質は、十分な高さを有するように形成することが困難である。
【0108】
一方、第2バンク244を無機物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成する場合、第2バンク244は、金属物質と比較して、比較的高い高さを有することができる。ただし、無機物質で形成された第2バンク244は、金属物質と比較してエッチング工程で比較的多くの損傷が発生し得る。
【0109】
上述した点に照らして、第2バンク244は、
図6に示すように無機バンク244aと金属バンク244bで形成することができる。無機バンク244aは、第1バンク242上に備えられ、無機物質からなり得る。金属バンク244bは、無機バンク244a上に備えられ、金属物質からなり得る。金属バンク244bは、無機バンク244aの上面はもちろん、側面にも形成することができる。このような第2バンク244は、無機バンク244aによって十分な高さを有することができ、金属バンク244bによって損傷を最小限に抑えることができる。
【0110】
図2および
図7に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)は、同じ形状を有する例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。本発明の他の実施例において、第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)は、異なる形状を有することができる。以下では、
図10および
図11を参照して説明する。
【0111】
図10は、本発明の第3実施例に係るサブ画素を示す平面図である。
【0112】
図10を参照すると、本発明の第3実施例に係る表示装置は、第1色の光を放出する第1発光層が形成された第1サブ画素(SP1)、第2色の光を放出する第2発光層が形成された第2サブ画素(SP2)、および第3色の光を放出する第3発光層が形成された第3サブ画素(SP3)を含む。
【0113】
第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)は、異なる形状を有する。詳細には、第1サブ画素(SP1)は、四角形の形状を有する。第2サブ画素(SP2)は、所定の幅を有し第1サブ画素(SP1)を囲む形状を有する。第3サブ画素(SP3)は、所定の幅を有する第2サブ画素(SP2)を囲む形状を有する。
【0114】
図10は、第1サブ画素(SP1)が四角形の形状を有する例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。第1サブ画素(SP1)は、円形、多角形のように、設計によって様々な形状を有することができる。
【0115】
第1サブ画素(SP1)と第2サブ画素(SP2)の間に、第1バンク242および第1バンク242よりも小さい幅を有する第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第1サブ画素(SP1)を囲むように形成される。
【0116】
また、第2サブ画素(SP2)と第3サブ画素(SP3)の間に第1バンク242および第1バンク242よりも小さい幅を有する第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第2サブ画素(SP2)を取り囲むように形成される。
【0117】
また、第1バンク242と、第1バンク242よりも小さい幅を有する第2バンク244は、第3サブ画素(SP3)を囲むように形成される。
【0118】
図10に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、
図2または
図7に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置と比較して発光層300の損傷を軽減することができる。
【0119】
より詳細には、第1フォト工程を介して第1サブ画素(SP1)に第1発光層310をパターン形成し、その後、第2フォト工程を介して第2サブ画素(SP2)に第2発光層320をパターン形成し、その後、第3フォト工程を介して第3サブ画素(SP3)に第3発光層330をパターン形成すると仮定する。
【0120】
図2または
図7に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第1フォト工程時、第1発光層310の側面が損傷する。
図2または
図7に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第2フォト工程時、第2発光層320の側面および第1発光層310の側面が損傷する。
図2または
図7に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第3フォト工程時、第3発光層330の側面、第2発光層320の側面および第1発光層310の側面が損傷する。
【0121】
結果的に、第1発光層310は、3回のフォト工程で側面の損傷が3回発生することになる。第2発光層320は、3回のフォト工程で側面の損傷が2回発生することになる。第3発光層330は、3回のフォト工程で側面の損傷が1回発生することになる。
【0122】
一方、
図10に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第1フォト工程時、第1発光層310の側面が損傷する。
図10に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第2フォト工程時、第2発光層320の側面のみが損傷する。これは、第1発光層310が第2発光層320によって囲まれているからである。
図10に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第3フォト工程時、第3発光層330の側面のみが損傷する。これは第2発光層320が第3発光層330によって囲まれているからである。
【0123】
結果的に、第1発光層310は、3回のフォト工程で側面の損傷が1回発生することになる。第2発光層320は、3回のフォト工程で側面の損傷が1回発生することになる。第3発光層330は、3回のフォト工程で側面の損傷が1回発生することになる。
【0124】
図11は、本発明の第4の実施例に係るサブ画素を示す平面図である。
【0125】
図11を参照すると、複数の画素(P1、P2、P3)のそれぞれは、第1色の光を放出する第1発光層が形成された第1サブ画素(SP1)、第2色の光を放出する第2発光層が形成された第2サブ画素(SP2)、および第3色の光を放出する第3発光層が形成された第3サブ画素(SP3)を含む。
【0126】
複数の画素(P1、P2、P3)のそれぞれに含まれた第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)が互いに異なる形状を有する。
【0127】
詳細には、第1画素(P1)は、第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む。第1画素(P1)の第1サブ画素(SP1)は、四角形の形状を有する。第1画素(P1)の第2サブ画素(SP2)は、所定の幅を有し第1サブ画素(SP1)を囲む形状を有する。第1画素(P1)の第3サブ画素(SP3)は、所定の幅を有する第2サブ画素(SP2)を囲む形状を有する。
【0128】
図11は、第1画素(P1)の第1サブ画素(SP1)が四角形の形状を有する例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。第1画素(P1)の第1サブ画素(SP1)は、円形、多角形のように、設計によって様々な形状を有することができる。
【0129】
第1画素(P1)の第1サブ画素(SP1)と第1画素(P1)の第2サブ画素(SP2)の間に、第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第1画素(P1)の第1サブ画素(SP1)を囲むように形成される。
【0130】
また、第1画素(P1)の第2サブ画素(SP2)と第1画素(P1)の第3サブ画素(SP3)の間に第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第1画素(P1)の第2サブ画素(SP2)を取り囲むように形成される。
【0131】
また、第1画素(P1)の第3サブ画素(SP3)と第2画素(P2)の第1サブ画素(SP1)の間に、第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第1画素(P1)の第3サブ画素(SP3)を囲むように形成される。
【0132】
第2画素(P2)は、第1画素(P1)に第1方向に隣接して配置され、第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む。第2画素(P2)の第2サブ画素(SP2)は、四角形の形状を有する。第2画素(P2)の第3サブ画素(SP3)は、所定の幅を有し第2サブ画素(SP2)を囲む形状を有する。第2画素(P2)の第1サブ画素(SP3)は、所定の幅を有する第3サブ画素(SP3)を囲む形状を有する。
【0133】
図11は、第2画素(P2)の第2サブ画素(SP2)が四角形の形状を有する例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。第2画素(P2)の第2サブ画素(SP2)は、円形、多角形のように、設計によって様々な形状を有することができる。
【0134】
第2画素(P2)の第2サブ画素(SP2)と第2画素(P2)の第3サブ画素(SP3)の間に第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第2画素(P2)の第2サブ画素(SP2)を取り囲むように形成される。
【0135】
また、第2画素(P2)の第3サブ画素(SP3)と第2画素(P2)の第1サブ画素(SP1)の間に、第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第2画素(P2)の第3サブ画素(SP3)を囲むように形成される。
【0136】
また、第2画素(P2)の第1サブ画素(SP1)と第3画素(P3)の第2サブ画素(SP2)の間に、第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第2画素(P2)の第1サブ画素(SP1)を囲むように形成される。
【0137】
第3画素(P3)は、第2画素(P2)に第1方向に隣接して配置され、第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む。第3画素(P3)の第3サブ画素(SP3)は、四角形の形状を有する。第3画素(P3)の第1サブ画素(SP1)は、所定の幅を有する第3サブ画素(SP3)を囲む形状を有する。第3画素(P3)の第2サブ画素(SP2)は、所定の幅を有し第1サブ画素(SP1)を囲む形状を有する。
【0138】
図11は、第3画素(P3)の第3サブ画素(SP3)が四角形の形状を有する例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。第3画素(P3)の第3サブ画素(SP3)は、円形、多角形のように、設計によって様々な形状を有することができる。
【0139】
第3画素(P3)の第3サブ画素(SP3)と第3画素(P3)の第1サブ画素(SP1)の間に、第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第3画素(P3)の第3サブ画素(SP3)を囲むように形成される。
【0140】
また、第3画素(P3)の第1サブ画素(SP1)と第3画素(P3)の第2サブ画素(SP2)の間に、第1バンク242および第2バンク244が形成される。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、第3画素(P3)の第1サブ画素(SP1)を囲むように形成される。
【0141】
また、第1バンク242および第2バンク244は、第3画素(P3)の第2サブ画素(SP2)を取り囲むように形成される。
【0142】
図11に示すような画素(P1、P2、P3)は、第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)それぞれの総面積が同一であることを特徴とする。詳細には、第1~第3画素(P1、P2、P3)のそれぞれに含まれた第1サブ画素(SP1)の総面積は、第1~第3画素(P1、P2、P3)のそれぞれに含まれている第2サブ画素(SP2)の総面積は、および第1~第3画素(P1、P2、P3)のそれぞれに含まれた第3サブ画素(SP3)の総面積が同一である。
【0143】
これにより、
図11に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、第1色の光が放出される面積、第2色の光が放出される面積および第3色光が放出される面積が等しくなるので、均一な画質を提供することができる。
【0144】
また、
図11に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置は、
図2または
図7に示した第1~第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)を含む表示装置と比較して発光層300の損傷を軽減することができる。
【0145】
図12は、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートであり、
図13a~
図13hは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【0146】
まず、第1基板100上に第1電極200を形成する(S1201)。
【0147】
より詳細には、
図13aに示すように、基板100上に駆動薄膜トランジスタ110を形成する。
【0148】
そして、駆動薄膜トランジスタ110上に絶縁膜120を形成する。絶縁膜120は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができる。
【0149】
そして、絶縁膜120を貫通して駆動薄膜トランジスタ110に接続するコンタクトホール(CH)を形成する。
【0150】
そして、絶縁膜120上に第1電極210、220、230を形成する。より詳細には、絶縁膜120上に下部電極膜を形成する。下部電極膜は、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)などの反射率の高い金属物質を含んで形成することができる。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pb)、および銅(Cu)の合金である。
【0151】
そして、下部電極膜上にフォトレジストパターンを形成する。フォトレジストパターンは、第1、第2および第3サブ画素(SP1、SP2、SP3)が形成される位置に形成することができる。フォトレジストパターンによって覆われない下部電極膜をドライエッチングして
図13aのように、第1電極210、220、230を形成し、フォトレジストパターンを除去する。
【0152】
次に、バンク240を形成する(S1202)。
【0153】
図13bに示すように、第1電極210、220、230それぞれの端を覆うようにバンク240を形成する。より詳細には、第1バンク242および第2バンク244を形成する。第1バンク242は、無機物質からなり得、第2バンク244は、金属物質または無機物質からなり得る。第1バンク242および第2バンク244は、様々な製造方法よって形成することができる。
【0154】
一例として、第1電極210、220、230上に無機膜を蒸着する。そして、無機膜上に金属膜を蒸着する。金属膜上にフォトレジストパターンを形成する。フォトレジストパターンは、第2バンク244が形成される位置に形成することができる。フォトレジストパターンによって覆われない金属膜をドライエッチングして
図13bに示すように、複数のバンクパターンを含む第2バンク244を形成し、フォトレジストパターンを除去する。そして、エッチング工程を実施して第1バンク242を形成する。ここで、第1バンク242は無機物質からなり、第2バンク244は金属物質からなる。
【0155】
他の例として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて、第1電極210、220、230それぞれの端を覆うように、第1バンク242をパターン形成することができる。そして、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて、第1バンク242上に第2バンク244をパターン形成することができる。ここで、第1バンク242および第2バンク244は、無機物質からなる。
【0156】
次に、第1発光層310をパターン形成する(S1203)。
【0157】
より詳細には、
図13cに示すように、第1電極210上に第1発光層310を形成する。第1電極210、220、230およびバンク240上に第1発光物質を蒸着する。第1発光物質上に、第1シールド層を形成する。第1シールド層上にフォトレジストパターンを形成する。ここで、フォトレジストパターンは、第1サブ画素(SP1)が形成される位置に形成することができる。フォトレジストパターンによって覆われない第1シールド層をドライエッチングして
図13cのように、第1シールドパターン350および第1発光層310を形成し、フォトレジストパターンを除去する。
【0158】
次に、第2発光層320をパターン形成する(S1204)。
【0159】
より詳細には、
図13dに示すように、第1電極220上に第2発光層320を形成する。第1電極210、220、230およびバンク240上に第2発光物質を蒸着する。第2発光物質上に第2シールド層を形成する。第2シールド層上にフォトレジストパターンを形成する。ここで、フォトレジストパターンは、第1サブ画素(SP1)および第2サブ画素(SP2)が形成される位置に形成することができる。フォトレジストパターンによって覆われない第2シールド層をドライエッチングして
図13dのように、第2シールドパターン360および第2発光層320を形成し、フォトレジストパターンを除去する。
【0160】
次に、第3発光層330をパターン形成する(S1205)。
【0161】
より詳細には、
図13eに示すように、第1電極230上に第3発光層330を形成する。第1電極210、220、230およびバンク240上に第3発光物質を蒸着する。そして、第1および第2シールドパターン350、360を除去する。
【0162】
次に、第2電極400を形成する(S1206)。
【0163】
より詳細には、
図13fに示すように、第1~第3発光層310、320、330上に第2電極400を形成する。第2電極400は、ITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。第2電極400は、スパッタリング法(sputtering)のような物理的な気相蒸着法(physics vapor deposition)で形成することができる。
【0164】
次に、封止膜500を形成する(S1207)。
【0165】
より詳細には、
図13gに示すように、第2電極400上に封止膜500を形成する。封止膜500は、第1無機膜、有機膜、第2無機膜を含むことができる。
【0166】
第2電極400上に第1無機膜を形成する。第1無機膜は、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。第1無機膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法で蒸着することができるが、これらに限定されるものではない。
【0167】
そして、第1無機膜上に有機膜を形成する。有機膜は、有機物質、例えば、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)で形成することができる。
【0168】
そして、有機膜上に第2無機膜を形成する。第2無機膜は、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。第2無機膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法で蒸着することができるが、これらに限定されるものではない。
【0169】
次に、第1基板100と第2基板600を合着する(S1208)。
【0170】
図14a~
図14cは、本発明のまた他の実施例に係る表示装置に関するものであり、これはヘッドマウント表示(HMD)装置に関するものである。
図14aは概略的な斜視図であり、
図14bは、VR(Virtual Reality)構造の概略的な平面図であり、
図14cは、AR(Augmented Reality)構造の概略的な断面図である。
【0171】
図14aから分かるように、本発明に係るヘッドマウント表示装置は、収納ケース10、およびヘッド装着バンド30を含んでなる。
【0172】
収納ケース10は、その内部に表示装置、レンズアレイ、および接眼レンズなどの構成を収納している。
【0173】
ヘッド装着バンド30は、収納ケース10に固定される。ヘッド装着バンド30は、使用者の頭の上面と両側面を囲むように形成された例を示したが、これに限定されない。ヘッド装着バンド30は、使用者の頭にヘッドマウントディスプレイを固定するためのものであり、メガネフレーム形態やヘルメット形態の構造物に代替することができる。
【0174】
図14bから分かるように、本発明に係るVR(Virtual Reality)構造のヘッドマウントディスプレイは、左眼用表示装置12と右眼用表示装置11、レンズアレイ13、および左眼接眼レンズ20aと右眼接眼レンズ20bを含んでなる。
【0175】
左眼用表示装置12と右眼用表示装置11、レンズアレイ13、および左眼接眼レンズ20aと右眼接眼レンズ20bは、前述した収納ケース10に収納される。
【0176】
左眼用表示装置12と右眼用表示装置11は、同じ映像を表示することができ、この場合、使用者は、2D映像を視聴することができる。または、左眼用表示装置12は左眼映像を表示して、右眼用表示装置11は右眼映像を表示することができ、この場合、使用者は、立体映像を視聴することができる。左眼用表示装置12と右眼用表示装置11のそれぞれは、前述した
図1~
図11による表示装置からなり得る。ここで、
図1~
図11で画像が表示される面に該当する上側の部分、例として、封止膜500が、前記レンズアレイ13と向き合うことになる。
【0177】
レンズアレイ13は、左眼接眼レンズ20aと左眼用表示装置12のそれぞれと離隔しながら、左眼接眼レンズ20aと左眼用表示装置12の間に備えることができる。つまり、レンズアレイ13は、左眼接眼レンズ20aの前方および左眼用表示装置12の後方に位置することができる。また、レンズアレイ13は、右眼接眼レンズ20bと右眼用表示装置11のそれぞれと離隔し、右眼接眼レンズ20bと右眼用表示装置11の間に備えることができる。つまり、レンズアレイ13は、右眼接眼レンズ20bの前方および右眼用表示装置11の後方に位置することができる。
【0178】
レンズアレイ13は、マイクロレンズアレイ(Micro Lens Array)であり得る。レンズアレイ13は、ピンホールアレイ(Pin Hole Array)に代替することができる。レンズアレイ13によって左眼用表示装置12または右眼用表示装置11に表示される映像は、使用者に拡大して見え得る。
【0179】
左眼接眼レンズ20aには、使用者の左眼(LE)が位置し、右眼接眼レンズ20bには、使用者の右眼(RE)が位置することができる。
【0180】
図14cから分かるように、本発明に係るAR(Augmented Reality)構造のヘッドマウントディスプレイは、左眼用表示装置12、レンズアレイ13、左眼接眼レンズ20a、透過反射部14 、および透過窓15を含んでなる。
図14cには、便宜上、左内側の構成だけを示し、右内側の構成も左内側の構成と同じである。
【0181】
左眼用表示装置12、レンズアレイ13、左眼接眼レンズ20a、透過反射部14、および透過窓15は、前述した収納ケース10に収納される。
【0182】
左眼用表示装置12は、透過窓15を覆わずに透過反射部14の一側、例として上側に配置することができる。これにより、左眼用表示装置12が透過窓15を介して見える外部の背景を遮らずに透過反射部14に映像を提供することができる。
【0183】
左眼用表示装置12は、前述した
図1~
図11による表示装置で構成することができる。ここで、
図1~
図11で画像が表示される面に該当する上側の部分、例として、封止膜500が透過反射部14と向き合うことになる。
【0184】
レンズアレイ13は、左眼接眼レンズ20aと透過反射部14の間に備えることができる。
【0185】
左眼接眼レンズ20aには、使用者の左眼が位置する。
【0186】
透過反射部14は、レンズアレイ13と透過窓15の間に配置される。透過反射部14は、光の一部を透過させ、光の他の一部を反射させる反射面14aを含むことができる。反射面14aは、左眼用表示装置12に示される映像が、レンズアレイ13に進むように形成される。したがって、使用者は透過窓15を介して、外部の背景と左眼用表示装置12によって表示される映像の両方を見ることができる。つまり、使用者は現実の背景と仮想の映像を重ねて一つの映像として見ることができ、拡張現実(Augmented Reality、AR)を具現することができる。
【0187】
透過窓15は、透過反射部14の前方に配置されている。
【0188】
以上、添付した図を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例で限定されるわけではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施することができる。したがって、本発明に開示した実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。従って、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定的ではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0189】
100:第1基板
110:駆動薄膜トランジスタ
120:絶縁膜
200:第1電極
300:発光層
400:第2電極
240:バンク
500:封止膜
600:第2基板