(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】多機能エクササイズ器具
(51)【国際特許分類】
A63B 21/072 20060101AFI20220104BHJP
A63B 21/068 20060101ALI20220104BHJP
A63B 23/12 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A63B21/072 Z
A63B21/068
A63B21/072 B
A63B23/12
(21)【出願番号】P 2019526344
(86)(22)【出願日】2017-07-21
(86)【国際出願番号】 AU2017050750
(87)【国際公開番号】W WO2018018071
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-04-07
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】518034355
【氏名又は名称】ワイ ベル グループ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Y Bell Group Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス、アーロン
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2587450(CN,Y)
【文献】特開2007-209636(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0238578(US,A1)
【文献】実開昭59-082056(JP,U)
【文献】実開昭51-140362(JP,U)
【文献】特表平07-509390(JP,A)
【文献】中国実用新案第203609795(CN,U)
【文献】実開昭60-006555(JP,U)
【文献】実開平07-017260(JP,U)
【文献】特開2015-000206(JP,A)
【文献】特開2000-237364(JP,A)
【文献】特表2008-526349(JP,A)
【文献】登録実用新案第3020660(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0288862(US,A1)
【文献】意匠登録第1215761(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの負荷支持板であって、それぞれが、中央領域および周辺領域を備えた正凸三角形曲面を有する2つの負荷支持板と、
複数の周囲ハンドルであって、それぞれが、前記負荷支持板の前記周辺領域に接続する複数の周囲ハンドルと、
前記負荷支持板の前記中央領域に接続する内部ハンドルと
を有するエクササイズ器具であって、
前記周囲ハンドルおよび前記内部ハンドルの各々が、互いに平行な長手方向軸線を有している、エクササイズ器具。
【請求項2】
前記周囲ハンドルおよび前記負荷支持板が、複数の接合箇所で接続しており、各接合箇所が滑らかな凹仕上げを有する、請求項1に記載のエクササイズ器具。
【請求項3】
前記複数の周囲ハンドルの各々が、前記負荷支持板の頂端にある、請求項1または2に記載のエクササイズ器具。
【請求項4】
前記内部ハンドルが前記負荷支持板の中央に固定される、請求項1から3までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項5】
前記負荷支持板および前記周囲ハンドルが、1つの鋳物として成形される、請求項1から4までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項6】
前記周囲ハンドルが、溶接によって前記負荷支持板に固定される、請求項1から4までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項7】
前記周囲ハンドルの各々が、把持のために適合された仕上げ面を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項8】
前記周囲ハンドルが、100mmから400mmまでの間の長さを有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項9】
前記内部ハンドルおよび前記負荷支持板が、1つの鋳物として成形される、請求項1から8までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項10】
前記内部ハンドルが、溶接によって前記負荷支持板に固定される、請求項1から8までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項11】
前記内部ハンドルが、
固締具によって前記負荷支持板に着脱可能に取り付けられる、請求項1から8までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項12】
前記
固締具が、ナットとボルト、ピン、リベット、ねじ、およびねじ山のうちのいずれか1つまたは複数を有する、請求項11に記載のエクササイズ器具。
【請求項13】
前記内部ハンドルが、把持ために適合された仕上げ面を有する、請求項1から12までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項14】
前記内部ハンドルが、把持を容易にするためのラッピングを有する、請求項1から12までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項15】
前記ラッピングが、柔らかい材料で作られる、請求項14に記載のエクササイズ器具。
【請求項16】
前記柔らかい材料が、革、ビニール、またはナイロンのうちのいずれか1つまたは複数を有する、請求項15に記載のエクササイズ器具。
【請求項17】
前記内部ハンドルが、前記エクササイズ器具の重心、または重心の比較的近くを通っている、請求項1から16までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項18】
前記負荷支持板が保護材料で覆われている、請求項1から17までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項19】
前記保護材料が、革、ビニールまたはナイロンのうちの1つまたは複数である、請求項18に記載のエクササイズ器具。
【請求項20】
前記負荷支持板が、重金属で作られる、請求項1から19までのいずれか一項に記載のエクササイズ器具。
【請求項21】
前記重金属が、鉄、鋼、およびそれらの合金のうちのいずれか1つまたは複数を含む、請求項20に記載のエクササイズ器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエクササイズ器具に関し、より詳細には、異なる種類のレジスタンストレーニング運動のためのエクササイズ器具として使用され得る携帯型ハンドヘルドエクササイズ器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンベルおよびケトルベルは、2つの一般的なレジスタンストレーニング運動用具である。それらはどちらもレジスタンス運動に使用されるが、非常に異なる種類のスタイルである。
【0003】
ケトルベルは、通常、ハンドルがたとえばケトルベルスイング、ケトルベルスナッチ、およびケトルベルクリーンのようなバリスティック運動のためにグリップ内を動いていることになるので、僅かなザラツキ感のある滑らかなハンドルとなっている。逆に、ダンベルは、通常、たとえばカール、フロントレイズ、ミリタリープレスのようなアイソレーションムーブメントのための掴み面を有する。あなたは(たとえば地面からのスナッチのような)いくつかのバリスティック運動のためにダンベルを使用することができるが、それらは高い反復セットについては理想的でない場合がある。
【0004】
ケトルベルは、通常、8の字エクササイズおよびバリエーションなどの異なる種類のケトルベルエクササイズ用に球状ウェイト側を有する。その大きい湾曲したハンドルと組み合わされたケトルベルの偏加重により、さまざまな方法でこれを保持することができる。さらに、ケトルベルの偏加重により、あなたはハンドルを保持しながら、あなたの腕の後ろにそれらを静止させることができるようになっている。
【0005】
ケトルベルとダンベルとの間の最も大きな違いの1つは、重量がオフセットされ、平衡していないことである。ケトルベルのハンドルは、ケトルベルの「ボール」よりもはるかに小さい重量であるが、ダンベルは、端から端までバランスがとれている。この偏加重は、ケトルベルをより現実的に日常的な道具の使用に似たものにしている。
【0006】
プッシュアップバーは、腕立て伏せの練習時に手で握るために床に配置される構造体である。これは、このバーを握る場合に手のひらが足に向いているように身体に対して垂直に延びる単一のバーを特色にする。プッシュアップハンドルは、通常、それぞれの手で握られる用具の2つの別々の部品である。それらにより、手首の方向を変えることができ、したがって、腕立て伏せをする場合に、手のひらは、互いにまたは足に向いていることができる。
【0007】
メディシンボールは、身体の多数の部位に作用することができるように使用され得る。メディシンボールは、治療的な使用のために古代ギリシャ人によって導入された。これは、あらゆるジムおよびフィットネス施設で見られる現代的なメディシンボールへと何世紀にもわたって進化した砂充填ボールとして始まった。これは、さまざまな材料から作られ、筋力、エアロビクス、およびレジスタンストレーニングのために意図された多くの異なる形態で利用可能である。
【0008】
典型的なメディシンボールは、一般に、10インチの直径よりも大きく、革張りの表面を有する。これらのボールは、2ポンドから約35ポンドまでの範囲の重量を有する。一般的に、メディシンボールは、円形を有し、両手で運ばれるのに適応している。
【0009】
ダンベル、ケトルベル、メディシンボール、およびプッシュアップスタンドは、通常、1種類の運動のみのために設計されている。
【0010】
米国特許出願第2013/0059701号明細書は、ハンドヘルドエクササイズ器具が上部部分および底部部分を有する部分球状部材を組み合わせて備え、前記上部部分がそれの手動操作のためにその上にハンドグリップを有し、前記底部部分が表面に配置され、前記ハンドグリップを介して手動で操作される場合に前記平らな表面上でそれの同時に左右に安定化されていない垂直および水平の移動を可能にする、多機能ハンドヘルドエクササイズ器具を開示している。しかしながら、この装置は、グリップの周りにバランスウェイトを提供するためのセンターバーを有していない。
【0011】
米国特許第7,468,025号明細書は、各々の手に1つずつ、一対の回転可能な装置を備える腕立て伏せエクササイズユニットを開示している。各装置は、単一の成形ハウジングとして構成され、下部ベースと、ハンドルアセンブリのハンドルが対応するエンドキャップおよび対応するコラムの上方部分と交差するように、コラムの上方部分がその間にハンドルアセンブリの端部に取り付けられる対応する上部エンドキャップに係合するように、下部ベースから上方に傾斜する一対の間隔を置いて配置されるコラムとを含む、ハンドル支持構造体を含む。エンドキャップおよび上方部分は、ハンドルをハンドル支持構造体に固定するように対応するハンドル端部の周りに円形開口部を形成するように嵌まる半円形の凹部を有する。各コラムは、その対応するエンドキャップに受け入れられる一対のポストと、ハンドル支持構造体に動作可能に取り付けられる固定ベース支持体と、ハンドル支持構造体のハウジング内に動作可能に取り付けられる軸受アセンブリとの間に延在する中央支柱を有して、ベース支持体を平らな平面に載せている状態でユーザによって連続的なハンドル、エンドキャップおよびハンドル支持構造体の回転を可能にする。しかしながら、この装置には、ダンベルまたはケトルベルとして使用するようにそれを可能にするための体重支持部分はない。
【0012】
米国特許第7,553,259号明細書は、a)長手方向軸線を有する中央グリップと、b)奇数個のハンドルから成る複数の周囲ハンドルとを備えるエクササイズ器具を開示しており、各周囲ハンドルは、第1および第2の半径方向部分の対の間に延在する周囲グリップ部分を有し、前記第1および第2の半径方向部分は、前記中央グリップから外側に延在し、前記中央グリップは、周囲グリップ部分のうちの少なくとも1つの周囲よりも少なくとも10パーセント大きい周囲を有し、中央グリップは、複数の湾曲した側壁を備える外面を有し、各側壁は、それぞれの周囲グリップ部分に面している。しかしながら、中央グリップを大きくすると、この装置は片手ダンベルとして使用するのに適さなくなる。また、半径方向部分は、重量を分配するのに十分な表面積を提供しておらず、したがって、損傷の危険性が高い。
【0013】
米国意匠第315,003号は、2つの三角形板に接続する3つの水平バーを持つ三角形ダンベルを開示している。ダンベルのサイズおよび使用法についての説明はない。しかし、三角形板の各々には穴があり、内部ハンドルはない。内部ハンドルがないと、水平バーのいずれか1つの周りについて偏在がある。したがって、この従来技術は、ダンベルとしてはうまく機能しない。
【0014】
従来技術のほとんどは、単一目的のエクササイズ器具を単に開示しているにすぎない。他のエクササイズ器具が複数の機能のために使用され得るが、それらは、通常、かさばり携帯用ではなかった。
【0015】
本発明は、従来技術とは設計要素が実質的に互いに異なっており、したがって、当業界においては多機能エクササイズ器具に対する必要性があることは明らかである。
【0016】
本明細書全体にわたる従来技術のいかなる議論も、そのような従来技術が広く知られており、または当分野における共通の一般的知識の一部を形成するということを認めるものとして決して考えられるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】米国特許出願第2013/0059701号明細書
【文献】米国特許第7,468,025号明細書
【文献】米国特許第7,553,259号明細書
【文献】米国意匠第315,003号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の目的は、安全で、人間工学的にユーザフレンドリーな、かつこれまで利用されていなかった新規で新しいエクササイズ器具を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、中心部および腹部を通して自然な筋肉の発達に益するように中心部の安定性に関する知識を利用するエクササイズ器具を提供することである。
【0020】
さらに、本発明の他の目的は、掴みやすく使用が快適なエクササイズ器具を提供することである。
【0021】
本発明のもう1つの他の目的は、一般的に好まれる任意の運動に対して機能的なエクササイズ器具を提供することである。したがって、この装置は、非常に用途が広く、非常に多くの運動に使用され得る。
【0022】
本発明の他の目的は、製造、売買および販売に関して費用に対して効果の高い経済的なエクササイズ器具を提供することである。
【0023】
また、本発明のさらなる目的は、個々の男性または女性の好みを満たすために異なる色および/または異なるパターンでさえ作られ得るような審美的に心地よいエクササイズ器具を提供することである。
【0024】
本発明の他の目的は、ケトル、ダンベル、メディシンボール、およびプッシュアップスタンドの利益を有するエクササイズ器具を提供することである。
【0025】
他の目的および利点は、次の明細書および図面を考慮に入れると明らかになるであろう。
【0026】
また、本発明の目的は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服または改善すること、あるいは有用な代替案を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の第1の態様は、中央領域および周辺領域を有する2つの正凸多角形状の負荷支持板と、それぞれ負荷支持板の周辺領域に接続する複数の周囲ハンドルと、負荷支持板の中央領域に接続する内部ハンドルとを備えるエクササイズ器具であって、それによって、周囲ハンドルおよび内部ハンドルの各々が互いに平行な長手方向軸線を有する、エクササイズ器具を提供することである。
【0028】
好ましくは、複数の周囲ハンドルの各々は、負荷支持板の頂端(apex)にある。
【0029】
好ましくは、内部ハンドルは、負荷支持板の中央に固定される。
【0030】
好ましくは、正凸多角形は、三角形である。
【0031】
好ましくは、負荷支持板および周囲ハンドルは、1つの鋳造金属として成形される。
【0032】
好ましくは、周囲ハンドルは、溶接によって負荷支持板に固定される。
【0033】
好ましくは、周囲ハンドルの各々は、把持に適合させた仕上げ面を備える。
【0034】
好ましくは、周囲ハンドルは、100mmと400mmとの間の長さを有する。
【0035】
好ましくは、内部ハンドルおよび負荷支持板は、1つの鋳造金属として成形される。
【0036】
好ましくは、内部ハンドルは、溶接によって負荷支持板に固定される。
【0037】
好ましくは、内部ハンドルは、締結手段によって負荷支持板に着脱自在に取り付けられる。
【0038】
好ましくは、締結手段は、ナットとボルト、ピン、リベット、ねじ、およびねじ山のうちのいずれか1つまたは複数を備える。
【0039】
好ましくは、内部ハンドルは、把持に適合させた仕上げ面を備える。
【0040】
好ましくは、内部ハンドルは、把持を容易にするためのラッピングを備える。
【0041】
好ましくは、ラッピングが、柔らかい材料で作られる。
【0042】
好ましくは、柔らかい材料は、革、ビニール、またはナイロンのうちのいずれか1つまたは複数を備える。
【0043】
好ましくは、内部ハンドルは、エクササイズ器具の重心を通過するか、または比較的重心の近くを通過する。
【0044】
好ましくは、負荷支持板は、曲面を有する。
【0045】
好ましくは、負荷支持板は、保護材料で覆われる。
【0046】
好ましくは、保護材料は、革、ビニールまたはナイロンのうちの1つまたは複数である。
【0047】
好ましくは、負荷支持板は、重金属で作られる。
【0048】
好ましくは、重金属は、鉄、鋼、およびそれらの合金のうちのいずれか1つまたは複数を含む。
【0049】
好ましくは、エクササイズ器具は、データを収集し、他の電子機器と通信するためのフィットネスシステムをさらに備える。
【0050】
好ましくは、フィットネスシステムが、運動データを収集するための1つまたは複数のセンサを備える。
【0051】
好ましくは、センサは、1つまたは複数の加速度計、ジャイロスコープ、または歩数計を含む。
【0052】
好ましくは、フィットネスシステムは、データを送受信するためのネットワーキングモジュールを備える。
【0053】
好ましくは、ネットワーキングモジュールは、WIFI(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または近距離無線通信を含むがこれらに限定されない任意の1つまたは複数の無線通信システムを介して他の電子機器と通信するのに適応している。
【0054】
本発明のもう1つの態様は、正凸多角形形状を有する2つの負荷支持板と、複数の周辺バーと、2つの負荷支持板に接続する内側バーとを備え、内側バーの長手方向軸線を中心とした角質量が周辺バーのうちのいずれか1つの長手方向軸線を中心とした角質量とは異なるように、周辺バーの各々が内側バーの長手方向軸線と平行な長手方向軸線を有する、エクササイズ器具を提供することである。
【0055】
好ましくは、正凸多角形は、三角形である。
【0056】
好ましくは、周辺バーの各々は、負荷支持板の頂点に取り付けられる。
【0057】
好ましくは、内側バーは,エクササイズ器具の重心を通過する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明の実施形態によるエクササイズ器具の概略図である。
【
図2】本発明の他の実施形態によるエクササイズ器具の概略図である。
【
図3】
図2のエクササイズ器具の頂部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1~
図5を参照すると、本発明の一実施形態は、中央領域および周辺領域を備えた正凸多角形面をそれぞれが有する2つの負荷支持板(12、14)と、それぞれが負荷支持板の周辺領域に接続する複数の周囲ハンドル(20、22、24)と、負荷支持板の中央領域に接続する内部ハンドル(18)とを有するエクササイズ器具(10)であって、周囲ハンドルおよび内部ハンドルの各々が互いに平行な長手方向軸線を有しているエクササイズ器具(10)を含むように示されている。
【0060】
図1に示されるように、エクササイズ器具(10)は、複数の周囲ハンドルまたはバー(20、22、24)によって各々に接続される2つの対向する負荷支持板(12、14)を有する。周囲ハンドルの各々は、互いに平行な長手方向軸線を有する。
【0061】
1つ実施形態において、負荷支持板(12、14)は三角形状である。他の実施形態において、負荷支持板(12、14)の形状は五角形、または他の正凸多角形であってもよい。他の好ましい実施形態において、負荷支持板(12、14)の形状は、任意のルーロー多角形であってもよい。
【0062】
図1に示されるような1つの実施形態において、負荷支持板(14、16)は1つまたは複数の実質的に平坦な表面を有し、それにより器具(10)が安定的に地面に置かれるように適合される。
【0063】
負荷支持板の正凸多角形形状は、エクササイズ器具(10)に体重をかけるために効果的な空間を提供する。この構成により、エクササイズ器具(10)は負荷を増大させながらコンパクトなままであることができる。本発明のエクササイズ器具(10)の現在の重量設定は、3kg、6kg、9kg、および12kgを含む。他の重量設定も利用可能であり得ることが考えられる。正凸多角形形状の負荷支持板(12、14)を有することの利益は、それが他の形状よりも高い重量/体積比を有することにある。
【0064】
好ましい実施形態において、周囲ハンドル(20、22、24)は、負荷支持板(12、14)の頂端の近くまたは頂端のところである周辺領域に配置される。
図1を参照すると、負荷支持板の形状は、3つの頂端を備える三角形またはルーロー三角形である。負荷支持板(12、14)の頂端の各々に、1つの周囲ハンドル(20、22、24)がある。全部で、
図1に示されるように好ましい実施形態においては3つの周囲ハンドルがある。周囲ハンドル(20、22、24)の各々は、概ね水平の軸線を有する。周囲ハンドル(20、22、24)と負荷支持板(12、14)との間の接合箇所の各々は、保持を容易にするように滑らかな凹仕上げ(concave finishing)を有する。
【0065】
好ましい実施形態において、周囲ハンドル(20、22、24)は、2つの手を収容するのに十分な長さ、または約10mmから40mmの長さを有する。この種の構成において、エクササイズ器具(10)は、片手または両手によって、周囲ハンドル(20、22、24)のうちのいずれか1つで運ばれ得る。他の好ましい実施形態において、周囲ハンドル(20、22、24)は、実質的に円形の断面を有する。
【0066】
1つの好ましい実施形態において、正凸多角形形状の負荷支持板(12、14)は、丸い頂端またはフィレット様の(fillet)頂端を有する。典型的には、丸いまたはフィレット様の頂端の曲率は、周囲ハンドル(20、22、24)の曲率と同じである。
【0067】
1つの好ましい実施形態において、負荷支持板(12、14)および周囲ハンドル(20、22、24)は、
図2~
図5に示されるように鋳物の単一部片として一体に形成される。他の実施形態では、周囲ハンドル(20、22、24)は、溶接によって負荷支持板(12、14)に固定される。さらに他の実施形態では、周囲ハンドル(20、22、24)は、ナットとボルト、ピン、ねじ、リベット等の固締具で負荷支持板(12、14)に固定される。
【0068】
1つの実施形態において、器具(10)は、滑らかで柔らかい表面を作り出すためにパネルに縫い合わせられる革、ビニールまたはナイロンなどの柔らかい材料で覆われ得る。エクササイズ器具(10)の表面材料は、通常、ユーザが重い器具を落とすことなく容易に掴み、動かすのを助けるために自然な摩擦を有する材料である。
【0069】
1つの実施形態において、負荷支持板(12、14)および周囲ハンドル(20、22、24)は、
図1に示されるようにエクササイズ器具(10)内に空洞を画定する。器具10は空洞の内側に内部ハンドル(18)をさらに有し、これは、その両側で負荷支持板(14、16)に接続する。一般に、内部ハンドル(18)は、周囲ハンドル(20、22、24)の長手方向軸線と平行な長手方向軸線を有する。
【0070】
1つの実施形態において、内部ハンドル(18)は、負荷支持板(12または14)の一方の側面から、負荷支持板(14または12)の別の側面へと空洞を通してエクササイズ器具(10)に挿入される。負荷支持板(14または12)の外面に、内部ハンドル(18)を負荷支持板に固定するためのロックプレート(16)がある。ロックプレート(16)は、ボルトで内部ハンドル(18)に固定される。1つの実施形態において、ロックプレート(16)を内部ハンドル(18)に固定するボルトは、六角ボルトである。ロックプレート(16)は、負荷支持板(12、14)への力の均一な分布を可能にする大きな表面積を有する。
【0071】
内部ハンドル(18)は、負荷支持板(14、16)の中央付近である中央領域に配置される。1つの好ましい実施形態において、内部ハンドル(18)の長手方向軸線は、エクササイズ器具(10)の重心を通過する。1つの実施形態において、内部ハンドル(18)は、革、ビニールまたはナイロンなどの、配置された柔らかいラッピングを有する。
【0072】
一般に、負荷支持板(14、16)は、板本体全体にわたって均一に分布した重量を有する。好ましくは、負荷支持板(14、16)は、鉄または鋼その他といった重金属または合金で作られる。
【0073】
1つの好ましい実施形態において、負荷支持板(14、16)の形状は、周囲ハンドル(20、22、24)の長手方向軸線の周りの角質量(angular mass)が実質的に同等になるような正凸多角形である。内部ハンドルは、内部ハンドルの長手方向軸線の周りの角質量が頂端(18)の角質量と実質的に異なるように空洞の内側に配置される。
【0074】
使用時には、エクササイズ器具(10)は、内部ハンドル(18)で掴まれ得る。好ましい実施形態において、内部ハンドル(18)は、重心を通る長手方向軸線を有し、したがって最小の角質量を有するべきである。重量は内部ハンドル(18)の周りに均等に分配され、したがってエクササイズ器具(10)は、使用者がより制御された態様で運動することを可能にする。この状態でのエクササイズ器具は、ダンベルとして機能することができる。
【0075】
他の用途において、エクササイズ器具(10)は、周囲ハンドル(20、22、24)のうちの1つで掴まれ得る。この状態において、エクササイズ器具(10)はケトルベルとして機能する。
【0076】
さらに他の用途において、エクササイズ器具(10)は、把持および回転のための複数のハンドルを提供する。この状態において、エクササイズ器具(10)は、メディシンボールとして機能する。
【0077】
他の用途において、エクササイズ器具(10)は、地面に置かれ得る。負荷支持板(12、14)は、正凸多角形面を有する。これは、縁部の各々の面が長方形形状であり、平坦な表面を形成することを意味する。負荷支持板の平坦な表面により、エクササイズ器具(10)は地面に着実にとどまることができる。
【0078】
エクササイズ器具(10)の頂端には、使用者をその上に保持するための周囲ハンドルが設けられる。正凸多角形形状の負荷支持板(12、14)は、周囲ハンドルから地面上の負荷支持板の平坦な表面へ向かって加えられる力を伝えるための広い面積を提供する。この構成は、地面上でのエクササイズ器具の安定性をさらに高める。この状態において、エクササイズ器具は、腕立て伏せスタンドとして機能する。
【0079】
他の好ましい実施形態において、エクササイズ器具(10)は、加速度計を含むいくつかのセンサ、およびネットワークモジュールを有するフィットネスシステムを有する。動作時に、センサは、エクササイズ器具(10)の運動に関する速度および方向を含む運動データを収集するように適合されている。フィットネスシステムは、データを収集し、ネットワークモジュールを介してスマートデバイスまたはコンピュータにこれを転送する。
【0080】
1つの好ましい実施形態において、ネットワークモジュールは、WIFI(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または近距離無線通信を含むが、これらに限定されない任意の1つまたは複数の無線通信システムを介して他の電子機器と通信するように適合されている。
【0081】
スマートフォンまたはタブレットなどのスマートデバイスは、データ転送を解釈するように適合されたソフトウェアアプリケーションをダウンロードすることができる。
【0082】
本発明および説明された好ましい実施形態は、具体的には、産業上利用可能な少なくとも1つの特徴を含む。