(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】プラズマ重合コーティング装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/24 20060101AFI20220104BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20220104BHJP
C23C 14/12 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C23C14/24 T
H05H1/46 A
C23C14/12
(21)【出願番号】P 2019527143
(86)(22)【出願日】2017-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2017081773
(87)【国際公開番号】W WO2018098980
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2019-05-15
(31)【優先権主張番号】201611076904.8
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519175008
【氏名又は名称】江蘇菲沃泰納米科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU FAVORED NANOTECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】宗 堅
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-281232(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105949836(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/24
H05H 1/46
C23C 14/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空室を備えるプラズマ重合コーティング装置であって、前記真空室(1)の側部の本体内壁のいずれかの横断面は直径が同じ円又は辺長が同じ正多角形であり、前記正多角形の辺数が少なくとも6辺であり、
前記真空室(1)内の真空室(1)の内壁近傍に多孔質電極(2)が取り付けられ、前記多孔質電極(2)は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、前記多孔質電極が高周波電源(3)に接続され、前記真空室の外壁に少なくとも2つの放電室(4)が密封して取り付けられ、
前記放電室と真空室の内壁との接続部に少なくとも2層の金属グリッド(5)が設けられ、前記金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源(6)に接続され、前記放電室(4)内に放電源(7)が設けられ、放電源が給電源(8)に接続され、前記放電室にキャリアガス配管(9)が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管(10)が真空室内に接続され、且つその出口が真空室の
中心軸方向に向かって放電室(4)
の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続され、
前記真空室内の中心軸に排ガス収集管(11)が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、
前記真空室内に回転載置棚(12)が設けられ、前記回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、回転載置棚に処理対象の基材が配置されることを特徴とするプラズマ重合コーティング装置。
【請求項2】
前記真空室(1)のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする平板又はアーチ構造であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項3】
前記多孔質電極(2)の形状は円筒形状又は少なくとも2つの円筒曲面状に分割された形状をし、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が1-6cmであり、前記多孔質電極(2)全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が2-30mm、孔の間隔が2-30mmであり、多孔質電極に接続される前記高周波電源(3)の電力が15-1000Wであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項4】
前記放電室(4)は円筒形であり、材質がアルミニウム、炭素鋼又はステンレス鋼、直径が5-20cm、深さが3-15cmであり、隣接する放電室(4)の軸線間の間隔が7-40cmであり、前記モノマー蒸気配管(10)の出口と、前記放電室(4)の前記真空室の内壁との前記接続部との距離が1-10cmであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項5】
前記金属グリッド(5)は層数が2-6層、材質がステンレス鋼又はニッケル、メッシュサイズが100-1000メッシュ、透過率が25%-40%であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項6】
前記パルス電源(6)は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク20-140V、パルス幅2μs-1ms、繰り返し周波数20Hz-10kHzであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項7】
前記放電源(7)はフィラメント又は電極又は誘導コイル又はマイクロ波アンテナであり、その放電電力が2-500Wであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項8】
前記排ガス収集管(11)は内径が25-100mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が2-30mm、孔の間隔が2-100mmであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項9】
前記回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、前記回転載置棚が回転軸の周りを回転可能であり、前記回転載置棚に2-8層の載置台が対称的に固定して設けられ、前記載置台に処理対象の基材が配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【請求項10】
前記回転載置棚(12)の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、前記回転載置棚が回転軸とともに回転可能であり、前記回転載置棚に2-8本の遊星回転軸(13)が対称的に設けられ、前記遊星回転軸が前記回転載置棚(12)に垂直で且つ自転可能であり、
前記遊星回転軸に2-8層の回転載置台(14)が設けられ、前記回転載置台に処理対象の基材(15)が配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ重合コーティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ工学の技術分野に属し、プラズマコーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ重合コーティング処理は、重要な表面処理方法の1つであり、処理対象の基材を真空室内に入れ、真空状態でプロセスガスと有機系モノマーガスを注入し、放電によって有機系モノマーガスをプラズマ化し、各種の活性種を発生させ、これらの活性種同士又は活性種とモノマーとの付加反応によって、基材の表面にポリマー薄膜を形成する。疎水性薄膜等のいくつかの応用では、ナノスケールのプラズマ重合コーティングは優れた特性を有する。しかしながら、ナノポリマーコーティングの厚さが非常に薄いため、非常に高いコーティングの均一性が求められている。従来のプラズマナノコーティング装置は方形の真空室を使用し、コーティング処理中、治具及び治具に配置されている基材の真空室内での位置が固定され、同じバッチで処理される異なる基材の真空室内での異なる位置と電極、モノマー/キャリアガス出口、真空排気口等との距離の差分によって、不可避的にコーティング均一性のムラを招いてしまう。このようなバッチ処理の均一性ムラを軽減させるために、従来のプラズマナノコーティング装置は小容積の真空室及び小さい単一バッチ処理量しか採用することができず、処理効率が大幅に低下し、コストが増えてしまう。それにしても、所望のバッチ処理の均一性を達成できない。従来のナノポリマーコーティング応用の急速拡張につれて、加工ニーズとバッチサイズが急激に増加し、プラズマナノコーティング加工の従来技術における小さなバッチサイズ、低い効率、高いコスト、低いバッチ処理の均一性の問題を解決することは非常に現実的かつ緊急である。
【発明の概要】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来のプラズマナノコーティング装置が方形真空室を使用して容積が小さく、単一バッチ処理量が小さく、処理効率が低く、コストが高く、バッチ処理の均一性が低いという問題を解決するプラズマナノコーティング装置を提供する。
【0004】
本発明の技術案は、真空室を備えるプラズマ重合コーティング装置であって、前記真空室の側部の本体内壁のいずれかの横断面は直径が同じ円又は辺長が同じ正多角形であり、前記正多角形の辺数が少なくとも6辺であり、
前記真空室内において真空室の内壁近傍に多孔質電極が取り付けられ、前記多孔質電極は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、前記多孔質電極が高周波電源に接続され、高周波電源の電力が15-1000Wであり、多孔質電極が高周波電源によって給電され、放電時に、基材の表面をクリーニングし前処理するためのプラズマを発生させ、
前記真空室の外壁に少なくとも2つの放電室が密封して取り付けられ、多孔質電極と各放電室はプロセスニーズに応じて共同放電又は個別放電することを特徴とする。
【0005】
多孔質電極は、プラズマを発生させて洗浄、すなわち表面クリーニングを行い、多孔質電極は大電力で連続放電して強いプラズマを発生させて、コーティング前に基材表面の水ミスト、油汚れ等の有機物不純物を洗浄するだけでなく、有機基材を活性化し、その表面にダングリングボンドを形成し、コーティングの堆積に寄与し、基材とコーティングとの結合力を高め、多孔質電極がコーティング中に動作せず、
放電室がプラズマを発生させて重合を行い、コーティング中、各放電室が小電力で放電して弱いプラズマを発生させ、金属グリッドで制御して真空室に断続的に導入してモノマー重合を起こして基材表面に堆積してコーティングを形成する。
【0006】
前記放電室と真空室の内壁との接続部に少なくとも2層の金属グリッドが設けられ、前記金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源に接続され、パルス電源の作用は金属グリッドに正パルスバイアスを印加し、放電室内のプラズマを真空室に放出し、パルスオフ期間にプラズマが複数層の金属グリッドによって放電室内に収まるように遮断され、パルス印加期間にプラズマが多層金属グリッドを透過して真空室に入って真空室内のモノマー蒸気を重合反応させる。
【0007】
前記放電室内に放電源が設けられ、放電源が給電源に接続され、前記放電室にキャリアガス配管が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管が真空室内に接続され、その出口が放電室の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続され、
前記真空室内の中心軸に排ガス収集管が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、
前記真空室内に回転載置棚が設けられ、前記回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、回転載置棚に被処理基材が配置される。
【0008】
前記真空室のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする平板又は球欠、正多角形、楕円形等のアーチ構造である。
【0009】
前記多孔質電極の形状は円筒形状であり又は少なくとも2つの円筒曲面状に分割された形状をし、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が1-6cmであり、前記多孔質電極全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が2-30mm、孔の間隔が2-30mmである。
【0010】
前記放電室は円筒形であり、材質がアルミニウム、炭素鋼又はステンレス鋼であり、直径が5-20cm、深さが3-15cmであり、隣接する放電室の軸線間の間隔が7-40cmである。
【0011】
前記金属グリッドは層数が2-6層、材質がステンレス鋼又はニッケル、メッシュサイズが100-1000メッシュ、透過率が25%-40%である。
【0012】
前記パルス電源は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク20-140V、パルス幅2μs-1ms、繰り返し周波数20Hz-10kHzである。
【0013】
前記放電源はフィラメント又は電極又は誘導コイル又はマイクロ波アンテナであり、その放電電力が2-500Wである。
【0014】
前記モノマー蒸気配管の出口と放電室との距離は1-10cmである。
【0015】
前記排ガス収集管は内径が25-100mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が2-30mm、孔の間隔が2-100mmである。
【0016】
前記回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、前記回転載置棚が回転軸とともに回転可能であり、前記回転載置棚に2-8層の載置台が対称的に固定して設けられ、前記載置台に処理対象の基材が配置される。
【0017】
前記回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、前記回転載置棚が回転軸の周りを回転可能であり、前記回転載置棚に2-8本の遊星回転軸が対称的に設けられ、前記遊星回転軸が前記回転載置棚に垂直で且つ自転可能であり、
前記遊星回転軸に2-8層の回転載置台が設けられ、前記回転載置台に処理対象の基材が配置される。
【0018】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0019】
1、中心軸対称真空室構造を用いることで、空間における重合反応活性種の濃度の安定性を維持する。
【0020】
真空室の側壁から吸気し、半径方向に輸送し、中心軸の軸方向に排気する形態を採用し、
各放電室内にキャリアガス配管の出口が設けられ、キャリアガスがその配管を介して各放電室内に供給され、さらに多層金属グリッドを通って拡散して真空室に入り、真空室内の各放電室外の前方にモノマー蒸気配管の出口が設けられ、モノマー蒸気がその配管を介して真空室内に供給され、真空室の軸線に1つの排ガス収集管が真空室と同軸に設けられ、排ガス収集管は縦方向に真空室を貫通し、管端が真空ポンプと連通し、管壁に孔が均一に設けられ、排ガスが排ガス収集管における孔を介して排ガス収集管に入り、さらに真空ポンプによって真空室から排出される。
【0021】
真空室の側壁から吸気し、半径方向に輸送し、中心軸の軸方向に排気する上記形態では、ガス輸送が集めながら行われることで、空間における重合反応活性種の濃度の安定性の向上に寄与し、活性種の分布をより均一させ、そのプロセスについて、モノマー蒸気が各放電室付近でプラズマ作用によって重合反応活性種を発生させ、重合反応活性種がキャリアガスと随伴して半径方向に沿って真空室の軸線方向へと輸送され、輸送中、重合反応活性種の数量が連続的に減少する一方、重合反応活性種が輸送中に連続的に集め、数量の減少を補償し、その濃度を安定的に維持し、真空室内の活性種のかさ密度を一定に維持する。バッチ処理の均一性が良好で、従来のコーティング装置及び技術では同一バッチで処理された基材のコーティングの厚さ差が30%と高いが、本発明では同一バッチで処理された基材のコーティングの厚さ差が10%未満となる。
【0022】
2、回転載置棚によって、各基材のコーティング均一性を大幅に向上させる。
【0023】
真空室内に回転載置棚が取り付けられ、回転載置棚上の載置台が真空室内で回転又は遊星回転運動を行い、特に遊星回転運動は、載置台がそれ自体の遊星回転軸の周りを自転するとともに、回転載置棚の回転軸とともに真空室の同軸線の周りを公転することであり、載置台に処理対象の基材が配置される。遊星回転によって、コーティング処理中の基材の空間位置を連続的に変え、異なる基材の全処理過程での空間位置の変化が同じであり、それにより、従来技術では異なる基材の異なる空間位置によるコーティング効果のムラを解消し、各基材の処理度合いが同じであり、コーティング効果がほぼ同じであり、各基材間の均一性がより良好である。
【0024】
3、真空室の体積を大幅に増加させ、処理効率を大幅に高める。
【0025】
真空室の構造及び載置棚の改良によって、バッチ処理のコーティング厚さの均一性を大幅に向上させ、真空室の容積を従来の真空室の5-6倍に拡大でき、その分バッチ処理量と処理効率を大幅に向上させる。
【0026】
4、多層グリッドによってプラズマにもモノマーにも阻止作用を果たすことができる。
【0027】
多層金属グリッドによって放電室から真空室へのキャリアガスの拡散を阻止することで、放電室内の気圧を真空室内の気圧よりも高くし、多層金属グリッドによって真空室から放電室へのモノマー蒸気の逆拡散を阻止し、且つ放電室内の気圧が真空室内の気圧よりも高いことで、真空室から放電室へのモノマー蒸気の逆拡散が困難で、モノマー蒸気が放電室内の連続放電プラズマによって過度に分解されることを回避し、本発明に係る装置によれば、モノマー蒸気を分解及び破壊から効果的に保護することができ、それにより高品質のポリマーコーティングを得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施例1における回転載置棚に遊星回転軸が設けられるプラズマ重合コーティング装置の正面断面構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、技術案及び図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0030】
(実施例1)
図1及び
図2に示されるように、プラズマ重合コーティング装置は、真空室を備え、真空室1の側部の本体内壁のいずれかの横断面は直径が同じ円であり、すなわち真空室の本体の内壁は円筒体である。
【0031】
真空室1のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする球欠である。
【0032】
真空室1内の真空室1の内壁近傍に多孔質電極2が取り付けられ、多孔質電極2は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、多孔質電極が高周波電源3に接続され、真空室の外壁に8個の放電室4が密封して取り付けられ、
多孔質電極2の形状は円筒形状であり、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が1cmであり、多孔質電極2全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が30mm、孔の間隔が30mmであり、多孔質電極に接続される高周波電源の電力が15Wである。
【0033】
放電室4は円筒形であり、材質がアルミニウム、直径が5cm、深さが15cmであり、隣接する放電室4の軸線間の間隔が40cmである。モノマー蒸気配管10の出口と放電室4との距離が1cmである。
【0034】
放電室と真空室の内壁との接続部に2層の金属グリッド5が設けられ、金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源6に接続され、放電室4内に放電源7が設けられ、放電源が給電源8に接続され、放電室にキャリアガス配管9が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管10が真空室内に接続され、その出口が放電室4の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続される。
【0035】
金属グリッドは材質がステンレス鋼、メッシュサイズが100メッシュ、透過率が40%である。
【0036】
パルス電源6は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク20V、パルス幅1ms、繰り返し周波数10kHzである。
【0037】
放電源7はフィラメントであり、その放電電力が2Wである。
【0038】
真空室内の中心軸に排ガス収集管11が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、排ガス収集管11は内径が25mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が2mm、孔の間隔が2mmである。
【0039】
真空室内に回転載置棚12が設けられ、回転載置棚12の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、回転載置棚が回転軸とともに回転可能であり、回転載置棚に4本の遊星回転軸13が対称的に設けられ、遊星回転軸が回転載置棚12に垂直で且つ自転可能であり、
遊星回転軸に4層の回転載置台14が設けられ、前記回転載置台に処理対象の基材15が配置される。
【0040】
(実施例2)
プラズマ重合コーティング装置は、真空室1を備え、真空室の側部の本体内壁のいずれかの横断面は辺長が同じ正六角形であり、
真空室1のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする正六角形のアーチ構造である。
【0041】
真空室1内の真空室1の内壁近傍に多孔質電極2が取り付けられ、多孔質電極2は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、多孔質電極が高周波電源3に接続され、真空室の外壁に2つの放電室4が密封して取り付けられ、
多孔質電極2の形状は2つの円筒曲面状に分割された形状をし、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が3cmであり、多孔質電極2全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が18mm、孔の間隔が15mmであり、多孔質電極に接続される高周波電源の電力が500Wである。
【0042】
放電室4は円筒形であり、材質が炭素鋼、直径が20cm、深さが8cmであり、隣接する放電室4の軸線間の間隔が20cmである。モノマー蒸気配管10の出口と放電室4との距離が6cmである。
【0043】
放電室と真空室の内壁との接続部に4層の金属グリッド5が設けられ、金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源6に接続され、放電室4内に放電源7が設けられ、放電源が給電源8に接続され、放電室にキャリアガス配管9が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管10が真空室内に接続され、その出口が放電室4の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続される。
【0044】
金属グリッドは材質がニッケル、メッシュサイズが600メッシュ、透過率が32%である。
【0045】
パルス電源6は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク86V、パルス幅0.1ms、繰り返し周波数700Hzである。
【0046】
放電源7は電極であり、その放電電力が280Wである。
【0047】
真空室内の中心軸に排ガス収集管11が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、排ガス収集管11は内径が60mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が16mm、孔の間隔が55mmである。
【0048】
真空室内に回転載置棚12が設けられ、回転載置棚12の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、回転載置棚が回転軸とともに回転可能であり、回転載置棚に2本の遊星回転軸13が対称的に設けられ、遊星回転軸が回転載置棚12に垂直で且つ自転可能であり、
遊星回転軸に8層の回転載置台14が設けられ、前記回転載置台に処理対象の基材15が配置される。
【0049】
(実施例3)
プラズマ重合コーティング装置は、真空室1を備え、真空室の側部の本体内壁のいずれかの横断面は辺長が同じ正九角形であり、
真空室1のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする正九角形の平板である。
【0050】
真空室1内の真空室1の内壁近傍に多孔質電極2が取り付けられ、多孔質電極2は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、多孔質電極が高周波電源3に接続され、真空室の外壁に2つの放電室4が密封して取り付けられ、
多孔質電極2の形状は4つの円筒曲面状に分割された形状をし、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が6cmであり、多孔質電極2全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が30mm、孔の間隔が30mmであり、多孔質電極に接続される高周波電源の電力が1000Wである。
【0051】
放電室4は円筒形であり、材質がステンレス鋼、直径が12cm、深さが3cmであり、隣接する放電室4の軸線間の間隔が7cmである。モノマー蒸気配管10の出口と放電室4との距離が10cmである。
【0052】
放電室と真空室の内壁との接続部に5層の金属グリッド5が設けられ、金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源6に接続され、放電室4内に放電源7が設けられ、放電源が給電源8に接続され、放電室にキャリアガス配管9が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管10が真空室内に接続され、その出口が放電室4の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続される。
【0053】
金属グリッドは材質がニッケル、メッシュサイズが1000メッシュ、透過率が25%である。
【0054】
パルス電源6は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク140V、パルス幅2μs、繰り返し周波数20Hzである。
【0055】
放電源7はマイクロ波アンテナであり、その放電電力が500Wである。
【0056】
真空室内の中心軸に排ガス収集管11が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、排ガス収集管11は内径が100mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が30mm、孔の間隔が100mmである。
【0057】
真空室内に回転載置棚12が設けられ、回転載置棚12の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、回転載置棚が回転軸とともに回転可能であり、回転載置棚に8本の遊星回転軸13が対称的に設けられ、遊星回転軸が回転載置棚12に垂直で且つ自転可能であり、
遊星回転軸に2層の回転載置台14が設けられ、前記回転載置台に処理対象の基材15が配置される。
【0058】
(実施例4)
プラズマ重合コーティング装置は、真空室1を備え、真空室の側部の本体内壁のいずれかの横断面は辺長が同じ正十二角形であり、
真空室1のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする正十二角形のアーチ構造である。
【0059】
真空室1内の真空室1の内壁近傍に多孔質電極2が取り付けられ、多孔質電極2は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、多孔質電極が高周波電源3に接続され、真空室の外壁に2つの放電室4が密封して取り付けられ、
多孔質電極2の形状は5つの円筒曲面状に分割された形状をし、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が5cmであり、多孔質電極2全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が12mm、孔の間隔が18mmであり、多孔質電極に接続される高周波電源の電力が260Wである。
【0060】
放電室4は円筒形であり、材質がステンレス鋼、直径が16cm、深さが6cm、隣接する放電室4の軸線間の間隔が26cmである。モノマー蒸気配管10の出口と放電室4との距離が4cmである。
【0061】
放電室と真空室の内壁との接続部に6層の金属グリッド5が設けられ、金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源6に接続され、放電室4内に放電源7が設けられ、放電源が給電源8に接続され、放電室にキャリアガス配管9が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管10が真空室内に接続され、その出口が放電室4の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続される。
【0062】
金属グリッドは材質がニッケル、メッシュサイズが360メッシュ、透過率が28%である。
【0063】
パルス電源6は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク115V、パルス幅160μs、繰り返し周波数380Hzである。
【0064】
放電源7はフィラメントであり、その放電電力が130Wである。
【0065】
真空室内の中心軸に排ガス収集管11が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、排ガス収集管11は内径が85mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が18mm、孔の間隔が38mmである。
【0066】
回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、前記回転載置棚が回転軸の周りを回転可能であり、前記回転載置棚に2層の載置台が対称的に固定して設けられ、前記載置台に処理対象の基材が配置される。
【0067】
(実施例5)
プラズマ重合コーティング装置は、真空室1を備え、真空室の側部の本体内壁のいずれかの横断面は直径が同じ円であり、すなわち真空室の本体の内壁は円筒体である。
【0068】
真空室1のトップカバーとボトムカバーは真空室の側部の本体内壁の横断面にマッチングする円形平板である。
【0069】
真空室1内の真空室1の内壁近傍に多孔質電極2が取り付けられ、多孔質電極2は真空室の内壁と間隔をあけられた多孔質曲面構造であり、多孔質電極が高周波電源3に接続され、真空室の外壁に2つの放電室4が密封して取り付けられ、
多孔質電極2の形状は8つの円筒曲面状に分割された形状をし、且つ前記多孔質電極は真空室と同軸であり、真空室の内壁との間隔が2cmであり、多孔質電極2全体にわたって貫通孔が設けられ、孔径が5mm、孔の間隔が12mmであり、多孔質電極に接続される高周波電源の電力が120Wである。
【0070】
放電室4は円筒形であり、材質が炭素鋼、直径が11cm、深さが8cmであり、隣接する放電室4の軸線間の間隔が20cmである。モノマー蒸気配管10の出口と放電室4との距離が7cmである。
【0071】
放電室と真空室の内壁との接続部に3層の金属グリッド5が設けられ、金属グリッドが真空室の内壁と絶縁し、金属グリッドがパルス電源6に接続され、放電室4内に放電源7が設けられ、放電源が給電源8に接続され、放電室にキャリアガス配管9が接続され、キャリアガス配管の他端がキャリアガス源に接続され、モノマー蒸気配管10が真空室内に接続され、その出口が放電室4の前方に位置し、モノマー蒸気配管の他端がモノマー蒸気源に接続される。
【0072】
金属グリッドは材質がニッケル、メッシュサイズが640メッシュ、透過率が30%である。
【0073】
パルス電源6は正パルスを出力し、そのパラメータは、ピーク58V、パルス幅620μs、繰り返し周波数55Hzである。
【0074】
放電源7は誘導コイルであり、その放電電力が480Wである。
【0075】
真空室内の中心軸に排ガス収集管11が垂直に取り付けられ、排ガス収集管の一端が真空室から延出して真空ポンプに接続され、前記排ガス収集管の壁に孔が設けられ、排ガス収集管11は内径が45mmであり、その管壁に孔が均一に設けられ、孔径が24mm、孔の間隔が58mmである。
【0076】
回転載置棚の回転軸が真空室の中心軸と同軸であり、前記回転載置棚が回転軸の周りを回転可能であり、前記回転載置棚に8層の載置台が対称的に固定して設けられ、前記載置台に処理対象の基材が配置される。
【符号の説明】
【0077】
1 真空室、
2 多孔質電極、
3 高周波電源、
4 放電室、
5 多層金属グリッド、
6 パルス電源、
7 放電源、
8 給電源、
9 キャリアガス配管、
10 モノマー蒸気配管、
11 排ガス収集管、
12 回転載置棚、
13 遊星回転軸、
14 回転載置台、
15 基材。