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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/14 20060101AFI20220104BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20220104BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20220104BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20220104BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
F24F13/14 Z
F24F13/14 D
F24F13/06 D
F24F13/22 221
F24F13/10 A
F24F1/0007 401C
F24F1/02 411C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019542080
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2018084925
(87)【国際公開番号】W WO2019052193
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】201721169631.1
(32)【優先日】2017-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】彭杰林
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-205711(JP,A)
【文献】特開2000-146276(JP,A)
【文献】特開2008-190779(JP,A)
【文献】特開平10-148352(JP,A)
【文献】特開平09-196456(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107084427(CN,A)
【文献】特開2003-194362(JP,A)
【文献】実開昭62-080124(JP,U)
【文献】特開平05-141680(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106403030(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/14
F24F 13/06
F24F 13/22
F24F 13/10
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が前下方に向かっている吹出口を有し、前記吹出口の上方には、前記吹出口に連通され、かつ前方へ送風する上側通路が設けられ、前記吹出口の下方には、前記吹出口に連通され、かつ後方へ送風する下側通路が設けられる本体と、
前記上側通路の出口から送出されるように気流をガイドするための上側導風アセンブリであって、前記上側導風アセンブリは、前記上側通路を開閉可能な上側風拡散板を含む上側導風アセンブリと、
前記吹出口の出口から送出されるように気流をガイドするための前側導風アセンブリであって、前記吹出口の開口に設けられるとともに前記吹出口を開閉可能な第1導風板を含む、前側導風アセンブリと、
前記下側通路の出口から送出されるように気流をガイドするための下側導風アセンブリと、を含み、
前記前側導風アセンブリは、
前記吹出口内の前記第1導風板よりも内側に設けられ、風拡散構造を備える第2導風板、をさらに含み、前記風拡散構造は微細孔であり、
前記上側導風アセンブリは、
前記上側通路を開閉する位置の間で移動可能であり、前記第2導風板よりも上部に位置する、前記風拡散構造を備える上側スポイラー、をさらに含み、
前記上側スポイラーが前記上側通路を開いたときに、前記上側スポイラーと前記第2導風板はいずれも前記吹出口の吹出方向と略垂直になるように設置することができる、
ことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記第2導風板と前記上側スポイラーは、前記吹出口から送出される気流の経路上で前記第2導風板と前記上側スポイラーの少なくとも一部が重なる位置に配置可能であり、
前記第2導風板と前記上側スポイラーの重複部分においては、前記第2導風板の風拡散構造と前記上側スポイラーの風拡散構造の両方を気流が通過する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記上側風拡散板は、前記上側通路の出口に設けられ、前記上側風拡散板の上端又は下端は、回転端である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記上側風拡散板には、風拡散構造を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記上側スポイラーが前記上側通路を開いたときに前記吹出口内へ延び、前記吹出口内の少なくとも一部の気流を前記上側通路にガイドする、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記上側スポイラーは、前記上側通路の入口に回転可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記上側通路に隣接する側壁には、前記上側通路を保温する保温部材が設置されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記第1導風板が前記吹出口を閉じているときに、前記第1導風板の外面と、前記本体の外面とは略同一の平面にある、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記第1導風板は、前記本体に上下反転可能に接続され、かつ前記第1導風板が前記吹出口を開いたときに、
吹出口の吹出方向の前方と完全にずれ、
送風通路の吹出方向の前方と完全にずれ、又は
少なくとも一部が、前記吹出口の吹出方向に沿う前方に設けられ、上又は下へ風をガイドする、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項10】
記第2導風板は、前記吹出口の吹出方向に沿って延びる第1位置と、前記吹出口の吹出方向に沿って上へ傾斜する第2位置と、前記吹出口の吹出方向に沿って下へ傾斜する第3位置と、前記吹出口の吹出方向と略垂直である第4位置とのうちの少なくとも一つを有する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和技術の分野に関し、特に空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
極端な気候が多くなるにつれて、空気調和機は、多くの家庭に徐々に入るようになり、空気調和機は、人々の生活と仕事により良い環境を提供し、空気調和機の使用中に、空気調和機が直接的に人に風を吹き付けると、不快感を引き起こしやすくて、特に体及び周囲環境の温度が低い場合、冷風が体に当たると、不快感を引き起こし、特に年配の高齢者にとっては、この不快感はより明白である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における少なくとも一つの技術的課題をある程度解決することを目的とする。そのため、本発明の一つの目的は、導風効果がよく、使用の快適さがより良い空気調和機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例に係る空気調和機は、開口が前下方に向かっている吹出口を有し、前記吹出口の上方には、前記吹出口に連通され、かつ前方へ送風する上側通路が設けられ、前記吹出口の下方には、前記吹出口に連通され、かつ後方へ送風する下側通路が設けられる本体と、前記上側通路の出口から送出されるように気流をガイドするための上側導風アセンブリであって、前記上側導風アセンブリは、前記上側通路を開閉可能な上側風拡散板を含む上側導風アセンブリと、前記吹出口の出口から送出されるように気流をガイドするための前側導風アセンブリであって前記吹出口の開口に設けられるとともに前記吹出口を開閉可能な第1導風板を含む前側導風アセンブリと、前記下側通路の出口から送出されるように気流をガイドするための下側導風アセンブリと、を含む。前記前側導風アセンブリは、前記吹出口内の前記第1導風板よりも内側に設けられ、風拡散構造を備える第2導風板をさらに含む。前記風拡散構造は微細孔である。前記上側導風アセンブリは、前記上側通路を開閉する位置の間で移動可能であり、前記第2導風板よりも上部に位置する、前記風拡散構造を備える上側スポイラーをさらに含む。前記上側スポイラーが前記上側通路を開いたときに、前記上側スポイラーと前記第2導風板はいずれも前記吹出口の吹出方向と略垂直になるように設置することができる。
【0005】
本発明の実施例に係る空気調和機は、導風効果が良く、使用の快適さがより良い。
【0006】
また、本発明の上記の実施例に係る空気調和機は、以下の付加的な技術的特徴をさらに有することができる。
本発明の一実施例では、前記上側風拡散板は、前記上側通路の出口に設けられ、前記上側風拡散板の上端又は下端は、回転端である。
【0007】
本発明の一実施例では、前記上側風拡散板には、風拡散構造を有する。
【0008】
本発明の一実施例では、前記上側導風アセンブリは、前記上側通路を開閉する位置の間で移動可能な上側スポイラーをさらに含む。
【0009】
本発明の一実施例では、前記上側スポイラーが前記上側通路を開いたときに前記吹出口内へ延び、前記吹出口内の少なくとも一部の気流を前記上側通路にガイドする。
【0010】
本発明の一実施例では、前記上側スポイラーが開いているときに、前記吹出口の吹出方向において前記上側通路の下流に位置し、かつ前記吹出口の吹出方向と略垂直である。
【0011】
本発明の一実施例では、前記上側スポイラーは、前記上側通路の入口に回転可能に設けられている。
【0012】
本発明の一実施例では、前記上側スポイラーには、風拡散構造が設けられている。
【0013】
本発明の一実施例では、前記上側通路に隣接する側壁には、前記上側通路を保温する保温部材が設置されている。
【0014】
本発明の一実施例では、前記第1導風板が前記吹出口を閉じているときに、前記第1導風板の外面と、前記本体の外面とは略同一の平面にある。
【0015】
本発明の一実施例では、前記第1導風板は、前記本体に上下反転可能に接続され、かつ前記第1導風板が前記吹出口を開いたときに、吹出口の吹出方向の前方と完全にずれ、送風通路の吹出方向の前方と完全にずれ、又は少なくとも一部が、前記吹出口の吹出方向に沿う前方に設けられ、上又は下へ風をガイドする。
【0016】
本発明の一実施例では、前記前側導風アセンブリは、前記吹出口内に設けられる第2導風板をさらに含み、前記第2導風板は、前記吹出口の吹出方向に沿って延びる第1位置と、前記吹出口の吹出方向に沿って上へ傾斜する第2位置と、前記吹出口の吹出方向に沿って下へ傾斜する第3位置と、前記吹出口の吹出方向と略垂直である第4位置とのうちの少なくとも一つを有する。
【0017】
本発明の一実施例では、前記第2導風板に風拡散構造が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図1b】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図1c】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図1d】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図1e】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図1f】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図1g】本発明の一実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図2a】本発明の他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図2b】本発明の他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図2c】本発明の他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図2d】本発明の他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図2e】本発明の他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3a】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3b】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3c】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3d】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3e】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3f】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3g】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3h】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3i】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
図3j】本発明のさらに他の実施例の空気調和機の異なる状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例の例が図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、同一又は類似する部品、或いは、同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明された実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0020】
図1図3を参照し、本発明の実施例に係る空気調和機100は、移動式空気調和機や壁掛け式空気調和機の室内機などであってもよい。当該空気調和機100は、本体1を含み、本体1は、開口が前下方に向かっており、前下方へ送風するための吹出口101を有する。吹出口101の上方と下方との少なくとも一方には、外へ送風する通路が設けられている。
【0021】
本発明は、吹出口101の上方と下方とに送風通路を設置することによって、気流を他の場所にガイドすることができるため、必要なときに風が人に当たらないという効果を実現することができる。
【0022】
空気調和機100に前側導風アセンブリ11が設置され、前側導風アセンブリ11は、吹出口101の出口から送出されるように気流をガイドする。
【0023】
また、吹出口101の上方及び/又は下方に設置される通路に保温部材14が設置され、保温部材14は、通路内を保温して、断熱効果を有し、冷風が対応する通路を通過する際の結露の発生を避ける。
【0024】
また、当該保温部材14は、通路外や通路内に設置され、又は通路壁に埋め込むことができる。
【0025】
図1図3に示すように、本発明の一部の実施例において、前側導風アセンブリ11は第1導風板111を含み、第1導風板111は吹出口101の開口に設けられ、吹出口101を開閉するため、第1導風板111によって吹出口101を開閉することができる。例えば、第1導風板111が吹出口101を閉じているときに、空気調和機100はオフ状態であってもよいし、または、第1導風板111が吹出口101を閉じているときに、空気調和機100はオン状態であってもよく、吹出口101の上方と下方との少なくとも一方には、外へ送風する通路が設けられているため、気流は、吹出口101の上方及び/又は下方に設置される通路から送出することができ、異なる方向への送風が実現される。
【0026】
さらに、第1導風板111には、通風および気流を分散するための風拡散構造を設置することができる。
【0027】
本発明の風拡散構造は、微細孔、気泡、ブレード、ブラインドなどを含むが、これらに限定されない。ここで、風拡散構造は、微細孔、気泡、ブレード、ブラインドなどのうちの一つであってもよいし、これらの構成の組み合わせであってもよい。気泡とは、吹出方向に沿って突出し、吹出方向と所定の角度をなすマイクロ通路を指す。風拡散構造の複数の風拡散口は、対向、反対、上、下などの方向に向かって風拡散を行うことができる。
【0028】
好ましくは、図1図3に示すように、第1導風板111が吹出口101を閉じているときに、第1導風板111の外面と、本体1の外面とはほぼ同一の平面にある。これによって、空気調和機100の外観が美しくなり、第1導風板111が吹出口101を完全に閉塞することが便利になる。
【0029】
さらに、第1導風板111は、本体1に上下反転可能に接続され、第1導風板111が吹出口101をオープンにするときに吹出口101の吹出方向の前方と完全にずれるため、第1導風板111は、吹出口101から送出される気流を遮らない。
【0030】
また、第1導風板111が、開いているときに少なくとも一部が、吹出口101の送風方向に沿う前方に設けられて、上又は下へ風をガイドするように設置されるため、第1導風板111によって上又は下へ風をガイドすることができる。
【0031】
当然ながら、第1導風板111が開いているときには、例えば、吹出口101の上方(又は下方)に設けられる通路などを遮るか、又は遮らないような他の形態であってもよい。
【0032】
また、上記の第1導風板111の位置は、衝突していなく、つまり、空気調和機100において、第1導風板111は、開いているときに上記の一つ又は複数の状態にあるように設置することができ、第1導風板111の開角度を調整することによって実現することができる。
【0033】
さらに、前側導風アセンブリ11は、吹出口101内に設けられる第2導風板112をさらに含み、第2導風板112は、第1位置と、第2位置と、第3位置と、第4位置とのうちの少なくとも一つを有する。
【0034】
ここで、第2導風板112は、第1位置では吹出口101の吹出方向に沿って延び、第2導風板112は、第2位置では吹出口101の吹出方向に沿って上へ傾斜し、第2導風板112は、第3位置では吹出口101の吹出方向に沿って下へ傾斜し、第2導風板112は、第4位置では吹出口101の吹出方向と略垂直である。
【0035】
本発明の一部の実施例において、第2導風板112は、第1位置と、第2位置と、第3位置と、第4位置とのうちの少なくとも一つを有する。第2導風板112は、第1位置、第2位置、第3位置、及び第4位置において異なる方向への風ガイドを実現することができる。
【0036】
第2導風板112は、第1位置では吹出口101の吹出方向に沿って延びる。
【0037】
具体的には、吹出口101の上方又は下方に通路が設置された空気調和機100にとっては、このときの第2導風板112が、分流の機能を有する。
【0038】
吹出口101の上方と下方との両方にいずれも通路が設置されている場合、気流が第2導風板112によって分流された後、少なくとも一部が、吹出口101の上方と下方との通路に入る。
吹出口101の上方に通路が設置されている(又は下方にも通路が設置されているが、クローズされている)場合、気流が第2導風板112によって分流された後、少なくとも一部が、吹出口101の上方の通路に入り、他の部分は、吹出口101から送出される。
吹出口101の下方に通路が設置されている(又は上方にも通路が設置されているが、クローズされている)場合、気流が第2導風板112によって分流された後、少なくとも一部が、吹出口101下方の通路に入り、他の部分は、吹出口101から送出される。
吹出口101の上方と下方との両方にいずれも通路が設置されていない(又は上方と下方との両方にいずれも通路が設置されているが、クローズされている)場合、吹出方向に沿って延びる第2導風板112は、気流を遮らない。
【0039】
第2導風板112は、第2位置にあるときに上へ風をガイドする。
【0040】
具体的には、吹出口101から送出された気流は、上へ流れるようにガイドされる。特に、空気調和機100の冷房時に、第2導風板112は、吹き出した気流を前上方にガイドし、そして冷たい空気が自然に落ちて、スプレーのような気流効果を形成し、冷房効果がより良くなる。当然、暖房時にもこのような導風形態を使用することができる。
【0041】
さらに、第2導風板112は、第2位置にあるときに吹出口101の吹出方向に沿って上へ傾斜して延びる。これによって上へ風をガイドする効果がより良く実現される。
【0042】
好ましくは、第2導風板112は、第2位置にあるときに吹出口101の前方に位置し、少なくとも一部が吹出口101内に位置するか、又は全部が吹出口101内に位置し、好ましくは、第2導風板112は、吹出口101の幅方向における中間位置に正対する。
【0043】
第2導風板112は、第3位置にあるときに下へ風をガイドする。
【0044】
具体的には、空気調和機100が下へ送風する目的を実現することができ、特に空気調和機100の暖房中に、第2導風板112は反転して熱風を下へガイドし、熱風が上昇するため、下へガイドされた熱風は、空間の全体をさらに容易に満たし、空間内の暖房の快適さを改善することができる。
【0045】
また、下へ風をガイドすることは、足を温める効果を実現することもできる。さらに、下へ風をガイドすることは、当然ながら、冷房中にも使用することができる。さらに、第2導風板112が第3位置にあるときに吹出口101の吹出方向に沿って下へ傾斜して延びる。
【0046】
第2導風板112は、第4位置にあるときに吹出口101を遮る。又は第2導風板112は、第4位置にあるときに吹出口101の吹出方向と略垂直である(吹出方向と垂直であること、および吹出方向と50°~90°の夾角をなすなど、を含む)。
【0047】
また、第2導風板112は、第4位置にあるときに吹出口101の上縁及び下縁から離間することができ、気流は、第2導風板112の上縁と下縁とから吹き出すことができる。
【0048】
好ましくは、第2導風板112に風拡散構造が設けられている。ここで、前記の風拡散構造は、上記の風拡散構造であってもよい。
【0049】
また、前述したように、吹出口101の上方と下方との両方には、いずれも送風の通路を設置することができ、以下、上記のいずれかの実施例に基づいて図面を参照して本発明の一部の実施例をさらに説明する。
【0050】
(実施例1)
図1に示すように、吹出口101の上方には、吹出口101に連通され、かつ前方へ送風する上側通路102が設けられており、上側通路102によって前方へ送風する効果を実現することができる。当然ながら、上側通路102に対応して上側導風アセンブリ12が設置され、言い換えれば、本発明の空気調和機100は、上側通路102の出口から送出されるように気流をガイドするための上側導風アセンブリ12をさらに含む。
【0051】
上記の実施例を組み合わせると、前側導風アセンブリ11が上記の第1導風板111を含む場合、第1導風板111は、上側通路102の吹出方向の前方と完全にずれた位置をさらに有することができるため、上側通路102の送風を遮らない。
【0052】
図1cに示すように、本発明の一部の例では、上側導風アセンブリ12は、上側風拡散板121を含み、上側風拡散板121は、上側通路102を閉塞することができる。
【0053】
さらに、図1cに示すように、上側風拡散板121上には、風拡散構造を有する。上側風拡散板121上の風拡散機構は、上記の風拡散構造であってもよい。
【0054】
好ましくは、上側風拡散板121は、上側通路102の出口に設けられる。
【0055】
図1bと図1cとに示すように、本発明の一部の例では、上側導風アセンブリ12は、上側通路102を開閉する位置の間で移動可能な上側スポイラー122をさらに含む。
【0056】
好ましくは、上側スポイラー122が上側通路102を開いたときに吹出口101内へ延び、吹出口101内の少なくとも一部の気流を上側通路にガイドする。
【0057】
具体的には、上側スポイラー122が上側通路102を開いたときに上側通路102の中間位置に対向することができ、吹出口101の吹出方向において上側通路102の下流に位置することもできる。
【0058】
ここで、上側スポイラー122が開いているときに吹出口101の吹出方向と略垂直となることができ、上側スポイラー122が、吹出口101の吹出方向に沿って傾斜して上側通路に延びる形態に設置することもできる。
【0059】
さらに、上側スポイラー122は、上側通路102の入口に回転可能に設けられる。
【0060】
好ましくは、上側スポイラー122には、風拡散構造が設けられている。上側スポイラー122が上側通路102を閉じているときに、吹出口101の一部の気流は、上側スポイラー122を通過して上側通路102から送出されることがある。上側スポイラー122が上側通路102を開いたときに、吹出口101における、上側スポイラー122を通過する気流の一部は、上側スポイラー122の風拡散構造を通過して送出され、他部分は、上側通路102にガイドされて上側通路102から送出される。
【0061】
また、上側スポイラー122の風拡散構造は、上記の風拡散構造であってもよい。
【0062】
ここで、上記の実施例に対応して、前側導風アセンブリ11が第2導風板112を含む場合、第2導風板112は、上側スポイラー122と組み合わせて送風を実現することができる。
【0063】
例えば、上側スポイラー122が前記上側通路102を開いたときに、上側スポイラー122と第2導風板112とは、いずれも吹出口101の吹出方向と略垂直となるように設置することができ、上側スポイラー122が吹出口101の吹出方向と略垂直となるように設置されるとともに、第2導風板112が吹出口101の吹出方向に沿うように設置することもできる。
【0064】
また、上側通路102の内側面に保温部材14を設置することができる。
【0065】
(実施例2)
実施例1と異なるのは、上側通路102は、開閉可能な形態に設置されることである。
【0066】
具体的には、図3図4とを参照し、上側通路102の上側導風アセンブリ12は、上側通路102を開閉可能な形態に設置される上側風拡散板121を含む。
【0067】
上側風拡散板121が開いているときに上側通路102の気流をガイドすることができ、具体的には、上側風拡散板121が開いているときに空気調和機の外側へ延びるとともに、上へ傾斜することもできる。
【0068】
また、上側風拡散板121は、上側通路102の出口に設けられ、また、上側風拡散板121は、回転することによって上側通路102を開閉することができる形態に設置することができる。
【0069】
例えば、図1fに示すように、上側風拡散板121の上端を回転端に設置することができ、つまり、上側風拡散板121の上端は回転可能であり、上側風拡散板121が開いているときに、気流が上側風拡散板121の下方から送出される。図1gに示すように、上側風拡散板121の下端を回転端に設置することもでき、つまり、上側風拡散板121の下端は回転可能であり、上側風拡散板121が開いているときに、気流が上側風拡散板121の上方から送出される。
【0070】
また、実施例1における上側スポイラー122は、同様に設置することもできる(設置しなくてもよい)。
上側風拡散板121の構造は、実施例1における構造と類似することができ、つまり、実施例2における上側風拡散板121にも、風拡散構造を設置することができる。
【0071】
(実施例3)
図2に示すように、吹出口101の下方には、吹出口101に連通され、かつ後方へ送風する下側通路103が設けられており、下側通路103によって後方へ送風する効果を実現することができる。当然ながら、下側通路103に対応して下側導風アセンブリ13が設置され、言い換えれば、本発明の空気調和機100は、下側通路103の出口から送出されるように気流をガイドするための下側導風アセンブリ13をさらに含む。
【0072】
上記の実施例を組み合わせると、前側導風アセンブリ11が上記の第1導風板111を含む場合、第1導風板111は、下側通路103の吹出方向の前方と完全にずれた位置を有することができるため、下側通路103の送風を遮らない。
【0073】
図に示すように、本発明の一部の例では、下側導風アセンブリ13は、下側風拡散板131を含み、下側風拡散板131は、下側通路103を閉塞することができる。
【0074】
さらに、下側風拡散板131には、風拡散構造を有する。下側風拡散板131の風拡散機構は、上記の風拡散構造であってもよい。
【0075】
好ましくは、下側風拡散板131は、下側通路103の出口に設けられる。
【0076】
本発明の一部の例では、下側導風アセンブリ13は、下側通路103を開閉する位置の間で移動可能な下側スポイラー132をさらに含む。
【0077】
好ましくは、下側スポイラー132が下側通路103を開いたときに吹出口101内へ延び、吹出口101内の少なくとも一部の気流を下側通路103にガイドする。
【0078】
具体的には、下側スポイラー132が下側通路103をオープンにするときに下側通路103の中間位置に対向することができ、吹出口101の吹出方向において下側通路103の下流に位置することもできる。
【0079】
下側スポイラー132が開いているときに吹出口101の吹出方向と略垂直となることができ、下側スポイラー132は、吹出口101の吹出方向に沿って傾斜して下側通路103に延びる形態に設置することもできる。
【0080】
さらに、下側スポイラー132は、下側通路103の入口に回転可能に設けられる。
【0081】
好ましくは、下側スポイラー132に風拡散構造が設けられている。下側スポイラー132が下側通路103を閉じているときに、吹出口101の一部の気流は、下側スポイラー132を通過して下側通路103から送出されることがある。下側スポイラー132が下側通路103を開いたときに、吹出口101における、下側スポイラー132を通過する気流の一部は、下側スポイラー132の風拡散構造から送出され、他部分は、下側通路103から送出されるようにガイドされる。
【0082】
また、下側スポイラー132の風拡散構造は、上記の風拡散構造であってもよい。
【0083】
ここで、上記の実施例に対応して、前側導風アセンブリ11が第2導風板112を含む場合、第2導風板112は、下側スポイラー132を組み合わせて送風を実現することができる。
【0084】
例えば、下側スポイラー132が前記下側通路103を開いたときに、下側スポイラー132と第2導風板112との両方は、いずれも吹出口101の吹出方向と略垂直となるように設置することができ、下側スポイラー132が吹出口101の吹出方向と略垂直となるように設置されるとともに、第2導風板112が吹出口101の吹出方向に沿うように設置することもできる。
【0085】
また、下側通路103の内側面に保温部材14を設置することができる。
【0086】
(実施例4)
図2に示すように、実施例3と異なるのは、下側通路103は、開閉可能な形態に設置されていることである。
【0087】
具体的には、下側通路103の下側導風アセンブリ13は、下側風拡散板131を含み、下側風拡散板131は、下側通路103を開閉可能な形態に設置することができる。
【0088】
ここで、下側風拡散板131が開いているときに下側通路103の気流をガイドすることができ、具体的には、下側風拡散板131が開いているときにエアコンの外側へ延びるとともに、上へ傾斜することができる。
【0089】
また、下側風拡散板131は、下側通路103の出口に設けられ、また、下側風拡散板131は、回転することによって下側通路103を開閉することができる形態のように設置することができる。
【0090】
例えば、下側風拡散板131の前端を回転端に設置することができ、つまり、下側風拡散板131の前端は回転可能であり、下側風拡散板131が開いているときに、気流が下側風拡散板131の後方から送出される。下側風拡散板131の後端を回転端に設置することができ、つまり、下側風拡散板131の後端は回転可能であり、下側風拡散板131が開いているときに、気流が下側風拡散板131の前方から送出される。
【0091】
また、実施例1における下側スポイラー132は、同様に設置することもでき(設置しなくてもよい)、下側風拡散板131の構造は、実施例1における構造と類似することができ、つまり、実施例2における下側風拡散板131にも、風拡散構造を設置することができる。
【0092】
(実施例5)
図3に示すように、上記の実施例と異なるのは、吹出口101の上方には、吹出口101に連通され、かつ前方へ送風する上側通路102が設置され、同時に、吹出口101の下方には、吹出口101に連通され、かつ後方へ送風する下側通路103が設置されている。同様に、上側通路102に上側導風アセンブリ12を設置することができ、下側通路103に下側導風アセンブリ13を設置することができる。
【0093】
また、実施例1および2における全部又は一部の技術案を含むことができ、また、実施例3および4における全部又は一部の技術案を含むことができる。
【0094】
本発明の異なる実施例に係る空気調和機100によれば、気流が、後方の壁への「逆方向吹き付け」及び/又は「前方への」吹き付けを実現することができ、「無風感」であるが、風量がより大きくなり、美的の古典的な「穴」をすべて保留することができる。また、無風感で前方へ吹き付けるプロセスにおいて風速が低いことによって引き起こされる逆流の問題を避けることもでき、無風感で逆方向吹き付けの気流の構成がより良い。
【0095】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な実施例」、或いは「一部の実施例」などの用語を参考した説明とは、当該実施例或いは例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。また、互いに矛盾しない状況の場合、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合及び組み合わせることができる。
【0096】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び主旨から逸脱しない場合に、これらの実施例に対して各種の変化、修正、切り替え及び変形を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物により限定される。
【符号の説明】
【0097】
100 空気調和機
1 本体
101 吹出口
11 前側導風アセンブリ
111 第1導風板
112 第2導風板
102 上側通路
12 上側導風アセンブリ
121 上側風拡散板
122 上側スポイラー
103 下側通路
13 下側導風アセンブリ
131 下側風拡散板
132 下側スポイラー
14 保温部材
A 吹出口101の吹出方向
B 上側通路の吹出方向
C 下側通路の吹出方向
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図3g
図3h
図3i
図3j