(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】未ライセンスキャリア上でのアップリンク無線送信の協調
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20220104BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220104BHJP
H04W 72/08 20090101ALI20220104BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20220104BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20220104BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W72/04 111
H04W72/08 110
H04W74/08
H04W72/12 150
(21)【出願番号】P 2019556262
(86)(22)【出願日】2018-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2018053715
(87)【国際公開番号】W WO2018192699
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2019-12-10
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】カラキ, リーム
(72)【発明者】
【氏名】ムケルジー, アミタヴ
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/047973(WO,A1)
【文献】特表2015-508958(JP,A)
【文献】特表2017-518708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにおける無線送信を制御する方法であって、前記方法は、
無線デバイス(10;1200;1300)が、第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア(33、34)上での第1のアップリンク無線送信を制御すること
であって、前記第1のアクセス方式は、無線リソースが前記無線通信ネットワークから受信された第1のタイプのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、前記第1のタイプのグラントは、限られた数のサブフレームについて有効である、ことと、
前記無線デバイス(10;1200;1300)が
、第2のアクセス方式に基づいて、前記未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア(33、34)上での第2のアップリンク無線送信を制御すること
であって、前記第2のアクセス方式は、無線リソースが前記無線通信ネットワークから受信された第2のタイプのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、第2のタイプのグラントは、グラントがリリースされるまで、サブフレームのシーケンスにおいて繰り返すように有効である、ことと、
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のアップリンク無線送信
に関して前記第2のアップリンク無線送信
のタイミングを協調させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のキャリア(33、34)の無線リソースを前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てるグラントを受信することと、
前記割り当てられた無線リソース上での前記第1のアップリンク無線送信を実施することを開始する前に、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のキャリア(33、34)上でのチャネル検知を実施することと、
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知と重複しない少なくとも1つの時間ウィンドウにおいて前記第2のアップリンク無線送信を実施することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの時間ウィンドウが、前記第1のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知の後に開始する時間ウィンドウを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの時間ウィンドウが、前記第1の
アップリンク無線送信の後に開始する時間ウィンドウを備える、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの時間ウィンドウが、前記第1のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知の前に終了する時間ウィンドウを備える、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のアップリンク無線送信を実施することを開始する前に、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第2のキャリア(33、34)上でのチャネル検知を実施すること
を含み、
前記少なくとも1つの時間ウィンドウが、前記第2のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知と前記第1のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知との間の時間ウィンドウを備える、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知中に、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第2のキャリア(33、34)上でのチャネル検知を実施することを含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記受信されたグラントによって割り当てられた前記無線リソースが、前記第1のアップリンク無線送信の終了時間を規定し、
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のアップリンク無線送信の前記終了時間において前記第2のアップリンク無線送信を終了することを含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のアップリンク無線送信と前記第2のアップリンク無線送信とを終了した後に、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のキャリア(33、34)の無線リソースを前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てるさらなるグラントを受信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のキャリア(33、34)上でのチャネル検知を実施すること、および、前記第1のキャリア(33、34)が占有されていないことを検出したことに応答して、バックオフ期間を始動することと、
前記バックオフ期間の満了時に、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第1のキャリア(33、34)上でのさらなるチャネル検知を実施すること、および前記第1のキャリア(33、34)上での前記さらなるチャネル検知が、前記第1のキャリア(33、34)が占有されていないことを示すことに応答して、前記第1のアップリンク無線送信を開始することと、
前記バックオフ期間の満了時に、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、前記第2のキャリア(33、34)上でのチャネル検知を実施すること、および前記第2のキャリア(33、34)上での前記チャネル検知が、前記第2のキャリア(33、34)が占有されていないことを示すことに応答して、前記第2のアップリンク無線送信を開始することと、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
第2のタイプのグラントは、前記第1のタイプのグラントよりも長い有効性を有す
る、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のアクセス方式は、前記第1のキャリア(33、34)の無線リソースが、前記無線デバイス(10;1200;1300)からの要求に応答して前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、
前記第2のアクセス方式は、前記第2のキャリア(33、34)の無線リソースが、前記無線デバイス(10;1200;1300)からの要求がない場合においても前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴う、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のアクセス方式は、前記第1のキャリア(33、34)の無線リソースが、前記無線通信ネットワークからのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、
前記第2のアクセス方式が、前記無線通信ネットワークからのグラントによる前記無線デバイス(10;1200;1300)への無線リソースの割り当てを必要としない、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
無線通信ネットワークのための無線デバイス(10;1200;1300)であって、前記無線デバイス(10;1200;1300)が、
- 第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア(33、34)上での第1のアップリンク無線送信を制御すること
であって、前記第1のアクセス方式は、無線リソースが、前記無線通信ネットワークから受信された第1のタイプのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、前記第1のタイプのグラントは、限られた数のサブフレームについて有効である、ことと、
-
第2のアクセス方式に基づいて、前記未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア(33、34)上での第2のアップリンク無線送信を制御すること
であって、前記第2のアクセス方式は、無線リソースが、前記無線通信ネットワークから受信された第2のタイプのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、第2のタイプのグラントは、グラントがリリースされるまで、サブフレームのシーケンスにおいて繰り返すように有効である、ことと、
- 前記第1のアップリンク無線送信
に関して前記第2のアップリンク無線送信
のタイミングを協調させることと、を行うように設定された、無線デバイス(10;1200;1300)。
【請求項15】
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するように設定された、請求項14に記載の無線デバイス(10;1200;1300)。
【請求項16】
無線デバイス(10;1200;1300)と、
無線通信ネットワークのアクセスノード(100)と
を備えるシステムであって、
前記無線デバイス(10;1200;1300)が、
- 第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のアップリンク無線送信を制御すること
であって、前記第1のアクセス方式は、無線リソースが、前記無線通信ネットワークから受信された第1のタイプのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、前記第1のタイプのグラントは、限られた数のサブフレームについて有効である、ことと、
-
第2のアクセス方式に基づいて、前記未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のアップリンク無線送信を制御すること
であって、前記第2のアクセス方式は、無線リソースが、前記無線通信ネットワークから受信された第2のタイプのグラントによって前記無線デバイス(10;1200;1300)に割り当てられることを伴い、第2のタイプのグラントは、グラントがリリースされるまで、サブフレームのシーケンスにおいて繰り返すように有効である、ことと、
- 前記第1のアップリンク無線送信
に関して前記第2のアップリンク無線送信
のタイミングを協調させることと
を行うように設定され、
前記アクセスノード(100)が、前記第1のアップリンク無線送信と前記第2のアップリンク無線送信とを受信するように設定された、システム。
【請求項17】
無線デバイス(10;1200;1300)の少なくとも1つのプロセッサ(1350)によって実行されるプログラムコードを備えるコンピュータプログラムであって、前記プログラムコードの実行が、前記無線デバイス(10;1200;1300)に、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法のステップを実施させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークにおける無線送信を制御するための方法、ならびに対応するデバイスおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)によって指定されたLTE(Long Term Evolution)技術に基づく無線通信ネットワークなど、無線通信ネットワークは、一般に、ライセンス済み周波数スペクトルにおいて、すなわち、ある無線技術およびオペレータに専用化された周波数リソース上で動作する。さらに、また、未ライセンス周波数スペクトルからの、たとえば、5GHzまたは3.5GHz周波数帯域における無線リソースの利用が可能であり得る。一般に、そのような未ライセンス周波数スペクトルからの無線リソースが、別のオペレータまたは1つまたは複数の他の無線技術と共有される。未ライセンススペクトルは、ライセンス済みスペクトルを補うものとして使用されるか、または完全にスタンドアロンの動作を可能にする。
【0003】
LTE技術では、未ライセンス周波数スペクトルからの無線リソースは、「ライセンス支援型アクセス」(LAA)と呼ばれる技術に基づいて利用され得る。LAA技術の態様は、3GPP TR36.889 V13.0.0(2015-06)において説明される。LAA技術では、未ライセンススペクトルは、ライセンス済みスペクトルを補うものとして使用される。ライセンス済みスペクトルからのキャリアを使用して、UE(ユーザ機器)がネットワークに接続する。ライセンス済みスペクトルからのキャリアは、プライマリセルまたはPCellとも呼ばれる。さらに、セカンダリセルまたはSCellと呼ばれる、未ライセンススペクトルからの1つまたは複数の追加のキャリアが、送信容量を向上させるために使用される。この目的で、LTE技術のキャリアアグリゲーション機能性が利用される。キャリアアグリゲーション機能性は、2つまたはそれ以上のキャリア、すなわち、周波数チャネルをアグリゲートすることを可能にする。一般的なLAAシナリオでは、アグリゲートされたキャリアのうちの少なくとも1つが、ライセンス済みスペクトルからのものであり、アグリゲートされたキャリアのうちの少なくとも1つが、未ライセンススペクトルからのものである。
【0004】
規制要件により、未ライセンススペクトルにおける送信は、一般に、事前のチャネル検知、送信電力制限、および/または課された最大チャネル占有時間を伴って許可されるにすぎない。未ライセンススペクトルからの無線リソースが他のオペレータまたは他の無線技術と共有されることを考慮に入れると、未ライセンススペクトルにおける送信に進む前に、LBT(リッスンビフォアトーク)プロシージャが実施される必要があり得る。一般に、LBTプロシージャは、あらかじめ規定された最小時間量の間、キャリアを検知することと、キャリアがビジーである場合、バックオフすることとを伴う。一方、LTE技術で使用される動的スケジューリングによるような、無線リソース上での送信が集中方式で協調される場合、集中スケジューリングが送信をグラントし得るがキャリアがビジーであるので送信が可能でない状況が生じ得るので、またはキャリアが空いているが集中スケジューリングによって送信がグラントされなかった状況が生じ得るので、性能が著しく劣化され得る。LAA技術の場合、これは、たとえば、UEからネットワークへのアップリンク(UL)送信の性能に影響を及ぼし得る。しかしながら、たとえば、ユーザ中心適用例の使用の増加およびクラウドストレージにデータをプッシュする必要の増加により、UL送信についての良好な性能がより重要になっている。その上、未ライセンス周波数スペクトルからの複数のキャリアを利用するとき、これらのキャリアは、異なるアクセス方式の利用を必要とし得る。たとえば、1つのキャリアは、UEからのスケジューリング要求を使用する動的スケジューリングに基づくアクセス方式を使用し得、他のキャリアは、無線リソースがスケジューリング要求に応答して割り当てられることを必要としないグラントなし(grant-less)アクセス方式を使用し得る。そのような場合、キャリアのうちの1つ上での進行中のUL無線送信が、UEの、他のキャリアへのアクセスを成功裡に獲得する見込みに悪影響を及ぼし得る。
【0005】
したがって、未ライセンススペクトルにおけるUL無線送信の効率的な制御を可能にする技法が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、無線通信ネットワークにおける無線送信を制御する方法が提供される。本方法によれば、無線デバイスが、第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のUL無線送信を制御する。さらに、無線デバイスは、未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のUL無線送信を制御する。これは、第1のアクセス方式とは異なる第2のアクセス方式に基づいて達成される。さらに、無線デバイスは、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを協調させる。
【0007】
本発明のさらなる実施形態によれば、無線デバイスが提供される。無線デバイスは、第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のUL無線送信を制御するように設定される。さらに、無線デバイスは、未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のUL無線送信を制御するように設定される。無線デバイスは、第1のアクセス方式とは異なる第2のアクセス方式に基づいて、第2のUL無線送信を制御するように設定される。さらに、無線デバイスは、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを協調させるように設定される。
【0008】
本発明のさらなる実施形態によれば、システムが提供される。システムは無線デバイスを備える。さらに、システムは、無線通信ネットワークのアクセスノードを備える。無線デバイスは、第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のUL無線送信を制御するように設定される。さらに、無線デバイスは、未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のUL無線送信を制御するように設定される。無線デバイスは、第1のアクセス方式とは異なる第2のアクセス方式に基づいて、第2のUL無線送信を制御するように設定される。さらに、無線デバイスは、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを協調させるように設定される。アクセスノードは、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを受信するように設定される。
【0009】
本発明のさらなる実施形態によれば、無線デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されることになるプログラムコードを備える、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品が、たとえば、非一時的記憶媒体の形態で提供される。プログラムコードの実行が、無線デバイスに、第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のUL無線送信を制御させる。さらに、プログラムコードの実行が、無線デバイスに、未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のUL無線送信を制御させる。プログラムコードの実行が、無線デバイスに、第1のアクセス方式とは異なる第2のアクセス方式に基づいて、第2のUL無線送信を制御させる。さらに、プログラムコードの実行が、無線デバイスに、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを協調させる。
【0010】
そのような実施形態およびさらなる実施形態の詳細は、以下の発明を実施するための形態から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、無線送信が制御される無線通信システムを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、未ライセンススペクトルからの無線リソースの利用を示す図である。
【
図3A-3D】本発明の一実施形態による、無線リソースの割り当てを示す図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、使用される衝突回避方式を概略的に示す図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による、使用されるさらなる衝突回避方式を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、UEが、協調を使用せずに、異なるアクセス方式の利用を必要とする2つの異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信を実施する、シナリオの一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、2つの異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、2つの異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調のさらなる一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、2つの異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調のさらなる一例を示す図である。
【
図9A-9B】本発明の一実施形態による、2つの異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調のさらなる一例を示す図である。
【
図10A-10B】本発明の一実施形態による、2つの異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調のさらなる一例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態による、方法を概略的に示すためのフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態による、無線デバイスの機能性を示すためのブロック図である。
【
図13】本発明の一実施形態による、無線デバイスの構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下で、より詳細におよび添付の図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態による概念が説明される。示された実施形態は、無線通信ネットワークにおける無線送信の制御に関し、詳細には、以下でUEとも呼ばれる無線デバイスからのUL無線送信の制御に関する。無線通信ネットワークは、未ライセンス3.5GHzまたは5GHz帯域など、未ライセンス周波数スペクトルにおいて動作し得る無線技術に基づくと仮定される。詳細には、無線技術は、未ライセンス周波数スペクトルにおいてLTE無線技術を使用すること、たとえば、3GPP TR36.889 V13.0.0(2015-06)において説明されるライセンス支援型アクセス(LAA)技術を使用することに基づき得る。しかしながら、示された概念は、他の技術、たとえば、5G(第5世代)無線通信技術にも適用され得ることに留意されたい。さらに、概念は、たとえば、MuLTEfireリリース1.0技術論文(2017-01)において指定されているようなMuLTEfire動作を使用して、ライセンス済み周波数スペクトルにおける送信による協調または他の支援なしに、未ライセンス周波数スペクトルにおけるLTE無線技術または同様の無線技術のスタンドアロン動作にも適用され得る。
【0013】
示された概念では、UEからのUL無線送信が、以下で未ライセンスキャリアとも呼ばれる、未ライセンス周波数スペクトルからの複数のキャリア上で実施される。さらに、キャリアのうちの少なくともいくつかについて異なるアクセス方式が使用されると仮定される。たとえば、キャリアのうちのもう1つが、動的スケジューリングを使用し、UEが、(1つまたは複数の)UL無線送信のために使用されるべき無線リソースを割り振るグラントを受信することを必要とし得、キャリアのうちの1つまたは複数の他のキャリアが、無線リソースの半永続的割り当てに基づく、あるいはIUA(瞬時ULアクセス)割り当て、またはグラントなしアクセスを使用することに基づく、アクセス方式を使用し得る。
【0014】
本明細書で使用される、無線リソースの半永続的割り当ては、UEからの要求を必要とすることなしに、複数のサブフレームにおいて、再発生する様式で有効である、無線リソースの割り当てを指す。しかしながら、無線リソースの半永続的割り当ては、それにもかかわらず、無線通信ネットワークによって制御され得る。詳細には、無線通信ネットワークは、たとえば、無線リソースに関して、無線リソースの半永続的割り当てを設定し、無線リソースの半永続的割り当てのアクティブ化および非アクティブ化をも制御し得る。したがって、無線リソースの半永続的割り当てを使用することによって、無線リソースは、無線通信ネットワークによる無線リソースの半永続的割り当てのアクティブ化から開始し、無線リソースの半永続的割り当ての非アクティブ化またはリリースまでの拡張された時間間隔においてUEに割り当てられ得る。無線リソースの半永続的割り当ての非アクティブ化またはリリースは、無線通信ネットワークによってアクティブに始動されるか、または、暗黙的様式で、たとえば、半永続的に割り当てられた無線リソースの使用がないことによってトリガされ得る。IUA割り当ては、上記で説明された半永続的割り当てと同様である。しかしながら、IUA割り当ての場合、UEは、割り当てられた無線リソース上で送信することを強要されない。グラントなしアクセスは、UEへの無線リソースのネットワーク制御割り当てを伴わないアクセス方式を指し得る。
【0015】
図1は、UE10、たとえば、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、または他の種類の通信デバイスが、無線通信ネットワークのアクセスノード100と通信する、例示的なシナリオを概略的に示す。LTE無線技術の仮定された利用によれば、アクセスノード100は、eNB(「エボルブドノードB」)と呼ばれることもある。
図1のシナリオでは、UE10とアクセスノード100との間の通信は、LAAベースである、すなわち、ライセンス済み周波数スペクトルと未ライセンス周波数スペクトルの両方からのキャリアを使用する。詳細には、ライセンス済み周波数スペクトルからのDL(ダウンリンク)キャリア21が、アクセスノード100からUE10へのDL無線送信のために使用され、ライセンス済み周波数スペクトルからのULキャリア22が、UE10からアクセスノード100へのUL無線送信のために使用される。キャリア21、22は、UE10のPCellと呼ばれることもある。さらに、未ライセンス周波数スペクトルからのDLキャリア31、32が、アクセスノード100からUE10へのDL無線送信のために使用され得、および/または未ライセンス周波数スペクトルからのULキャリア33、34が、UE10からアクセスノード100へのUL無線送信のために使用され得る。いくつかのシナリオでは、同じキャリア、たとえば、キャリア31、キャリア32、キャリア33、および/またはキャリア34は、たとえば、TDD(時分割複信)モードにおいてキャリアを使用することによって、アクセスノード100からUE10へのDL無線送信とUE10からアクセスノード100へのUL無線送信の両方のためにも使用され得ることに留意されたい。キャリア31、32、33、34は、UE10の(1つまたは複数の)SCellと呼ばれることもある。
【0016】
図2は、周波数(f)空間におけるキャリア21、22、31、32、33、34を概略的に示す。示されているように、キャリア21、22は、ライセンス済み周波数スペクトル中に、たとえば、700MHzと2.7GHzとの間のLTE帯域のうちの1つ中にある。LTE無線技術に専用化され、無線通信ネットワークのオペレータにライセンスされる、すなわち、他の無線技術またはオペレータによって使用されないことがあるキャリア21、22は、UE10とアクセスノード100との間の制御情報の信頼できる送信のために使用され得る。たとえば、PDCCH(物理DL制御チャネル)またはePDDCH(拡張PDDCH)のような、1つまたは複数のDL制御チャネルが、DLキャリア21上で送信され得る。同様に、PUCCH(物理UL制御チャネル)のような1つまたは複数のUL制御チャネルが、ULキャリア22上で送信され得る。さらに、キャリアは、データチャネルの送信のために使用され得る。たとえば、PDSCH(物理DL共有チャネル)のような1つまたは複数のDLデータチャネルが、DLキャリア21上で送信され得る。同様に、PUSCH(物理UL共有チャネル)のような1つまたは複数のULデータチャネルが、ULキャリア22上で送信され得る。PDSCHおよびPUSCHは、複数のUEによって共有様式で使用され、UE10のようなあるUEへのPDSCHまたはPUSCHの無線リソースの割り当てが、アクセスノード100によって達成される。他のオペレータまたは無線技術と共有されるキャリア31、32、33、34は、UE10とアクセスノード100との間の送信容量または送信性能を向上させるために使用され得る。キャリア31、32、33、34のための制御情報が、キャリア21、22上で送信され得、すなわち、キャリア31、32、33、34上での送信が、キャリア21、22上での送信によって支援され得る。したがって、キャリア31、32、33、34は、(1つまたは複数の)LAA SCellと呼ばれることもある。送信容量または性能を向上させるために、PDSCHのような1つまたは複数のDLデータチャネルが、DLキャリア31、32上で送信され得、および/またはPUSCHのような1つまたは複数のULデータチャネルが、ULキャリア33、34上で送信され得る。ライセンス済み周波数スペクトルにおけるように、未ライセンス周波数スペクトルにおけるPDSCHおよびPUSCHは、複数のUEによって共有様式で使用され、UE10のようなあるUEへのPDSCHまたはPUSCHの無線リソースの割り当てが、アクセスノード100によって達成される。
【0017】
DL送信方向とUL送信方向とについて別個のキャリアを使用する、
図1および
図2に示されているような動作は、FDD(周波数分割複信)モードに対応する。しかしながら、いくつかのシナリオでは、DL無線送信とUL無線送信とについて異なるタイムスロットを使用して、たとえば、TDDモードを使用して、DL無線送信とUL無線送信とが、同じキャリア、たとえば、キャリア21、22、31、32、33、34のうちの1つ上でも実施され得ることに留意されたい。
【0018】
未ライセンス周波数スペクトルからのキャリアをもっぱら使用するスタンドアロン動作、たとえば、MuLTEfire動作の場合、キャリア21、22の使用が省略され得、PDCCH、ePDCCH、MF-sPUCCHまたはMF-ePUCCHのような、制御チャネルも、未ライセンス周波数スペクトルからのキャリア31、32、33、34上で送信され得る。
【0019】
図3A~
図3Dは、LTE無線技術における無線リソースの割り当てを示す。DL無線送信の場合、LTE無線技術は、OFDM(直交周波数分割多重)を使用する。
図3Aに示されているように、基礎をなす時間周波数グリッドは、15kHz幅の複数のサブキャリアによって規定された周波数(f)ドメインと、1ms持続時間のサブフレームを形成するOFDMシンボルのシーケンスによって規定された時間(t)ドメインとにおけるものである。各OFDMシンボルは、サイクリックプレフィックスで開始する。同じサブキャリアスペーシングおよび変調シンボルの数を使用する、同様の時間周波数グリッドが、UL無線送信のために使用される。UL無線送信の場合、LTE無線技術は、シングルキャリアFDMA(周波数分割多元接続)とも呼ばれるDFT(離散フーリエ変換)拡散OFDMを使用する。したがって、LTE無線技術の無線リソースは、たとえば、
図1に示されているように、各々が1つのサブキャリア中と1つの変調シンボル間隔とに対応するリソースエレメントを規定する、時間周波数グリッドにおいて編成されていると見なされ得る。
【0020】
図3Bは、時間ドメインにおけるLTE無線送信の編成をさらに示す。示されているように、無線送信は、無線フレームのシーケンスにおいて編成され、各無線フレームは、複数のサブフレームから形成される。DL無線送信は、10msの無線フレームにおいて編成され、これらの無線フレームの各々は、
図3Bに示されているように、長さTsubframe=1msを有する10個の等しいサイズのサブフレームからなる。各サブフレームは、各々が0.5msの持続時間を有する2つのスロットを備える。無線フレーム内で、スロットは、0から19までの範囲内で連続的に番号付けされる。ノーマルサイクリックプレフィックス長の場合、1つのサブフレームは14個のOFDMシンボルからなり、各シンボルの持続時間は約71.4μsである。
【0021】
LTE無線技術におけるリソース割り当ては、一般に、リソースブロックに関して規定され、リソースブロックは、時間ドメインにおける1つのスロット(0.5ms)および周波数ドメインにおける12個の連続サブキャリアに対応する。時間方向における2つの隣接するリソースブロックのペア(1.0ms)は、リソースブロックペアとも呼ばれる。リソースブロックは、周波数ドメインにおいて、システム帯域幅の一端からインデックス0で開始してインデックス付けされる。
【0022】
DL無線送信は、一般に、動的スケジューリングを受ける。すなわち、各サブフレーム中で、アクセスノード100は、DL制御情報(DCI)を送信する。制御情報は、このサブフレーム中でデータがどのUEに送信されるかを指示し、その中でリソースブロックが特定のUEのためのデータを含む。
図3Cは、DLサブフレームの一例を示す。示されているように、DCIは、DLサブフレームの制御領域とも呼ばれる、DLサブフレームの最初のOFDMシンボルにおいて送信される。一般に、制御領域は、DLサブフレームの最初の1つ、2つ、3つまたは4つのOFDMシンボルに対応する。制御領域を規定するOFDMシンボルの数nは、CFI(制御フォーマットインジケータ)とも呼ばれる。示されているように、DLサブフレームは、参照シンボルをも含んでおり、参照シンボルは、受信機に知られており、復調目的で、たとえば、制御情報のコヒーレント復調のために使用される。
図3Cの例では、CFI=3が仮定される。参照シンボルは、細かい時間同期および周波数同期ならびにいくつかの送信モードのためのチャネル推定など、様々な機能をサポートするために使用され得る、セル固有参照シンボル(CRS)をも含み得る。
【0023】
また、UL無線送信は、一般に、動的スケジューリングを受ける。この目的で、アクセスノード100は、どのUEが後続のサブフレーム中でULデータを送信するものとするか、およびULデータがどのリソースブロック中で(1つまたは複数の)UEによって送信されるものとするかをDCI情報中で指示し得る。
図3Dは、ULサブフレームの一例を示す。ULリソースグリッドは、ULデータおよびUL制御情報を含み得る。ULデータおよびUL制御情報は、PUSCH(物理UL共有チャネル)と呼ばれる、共有データチャネル中に含まれ得る。さらに、UL制御情報は、PUCCH(物理UL制御チャネル)と呼ばれる、制御チャネル中に含まれ得る。さらに示されているように、ULサブフレームは、復調用参照信号(DMRS)およびサウンディング参照信号(SRS)など、様々な参照信号をも含み得る。DMRSは、PUSCHおよびPUCCHのコヒーレント復調のために使用される。SRSは、一般に、データまたは制御情報に関連せず、ULチャネル品質を推定するために、たとえば、周波数選択性スケジューリングの目的で使用される。
図3Dに示されているように、DMRSおよびSRSは、ULサブフレームに時間多重化され、SRSは、ULサブフレームの最後のシンボル中で送信される。DMRSは、一般に、ノーマルサイクリックプレフィックスをもつサブフレームについてのスロットごとに1回送信され、第4および第11のSC-FDMAシンボルに位置し得る。
【0024】
LTE無線技術では、DCIは、たとえば、UL無線送信を制御するための以下の情報を指示し得る。
・UL無線送信のために割り振られた無線リソース(周波数ホッピングが適用されるかどうかを含む)。
・UL無線送信のために適用されるべき変調符号化方式(MCS)
・UL無線送信のために適用されるべき反復バージョン(RV)
・UEが新しいデータを送信するものとするのか再送信を実施するものとするのかを制御するための新データインジケータ(NDI)
・送信電力制御(TPC)コマンド
・UL無線送信において使用されるべきDMRSに関する情報
・クロスキャリアスケジューリングの場合、DCIが適用されるキャリアを指示するターゲットキャリアインデックス。
【0025】
DCIは、一般にUE固有であり、一般にCRC(巡回冗長検査)ビットを使用して、CRC保護される。DCIのUE固有特性は、UE固有識別子、たとえば、C-RNTI(セル無線ネットワーク一時識別子)を用いてCRCビットをスクランブルすることによって達成される。さらに、DCIおよびスクランブルされたCRCビットは、一般に、畳み込みコーディングによって保護される。一般に、アクセスノード100は、アクセスノード100に関連するあらゆるUEに一意のC-RNTIを割り振る。C-RNTIは、16進フォーマットで0001~FFF3の範囲の値をとることができる。UE10が、上述のPCellおよびSCellなど、複数のセルによって同時にサーブされるとき、UE10は、一般に、すべてのサービングセル上で同じC-RNTIを使用することになる。
【0026】
DCIは、PDCCH(物理DL制御チャネル)と呼ばれるDL制御チャネル中で送信され得、PDCCHは、DLサブフレームの制御領域からのリソースエレメントをもっぱら使用する。さらに、DL制御情報は、制御領域外のリソースエレメントを使用する、ePDCCHと呼ばれるDL制御チャネル中でも送信され得る。PDCCHまたはePDCCHにおいて送信され得る特定のタイプのDL制御情報は、DL無線送信のためのDL無線リソースをUE10に割り当てるDL割り振り、または、UE10からのUL無線送信のためのUL無線リソースを割り当てるULグラントなど、スケジューリング情報である。
【0027】
UL無線送信の動的スケジューリングは、以下の様式で達成され得る。UE10は、たとえば、スケジューリング要求(SR)を送ることによって、UE10がいつULデータを送信する必要があるかをアクセスノード100に報告する。SRに応答して、アクセスノード100は、無線リソースを割り当て、ULグラントにおいて対応するスケジューリング情報をUE10に送る。割り当てられた無線リソースがすべてのULデータを送信するのに十分でない場合、UE10は、割り当てられた無線リソース上でバッファステータス報告(BSR)をさらに送り、それにより、送信のために依然として保留中のULデータの量についてアクセスノード100に通知し得る。BSRに応答して、アクセスノード100は、UE10がULデータの送信を続けることができるように、UE10にさらなる無線リソースを割り当て得る。
【0028】
より詳細には、送信されるべきULデータのためのUEのバッファ10が空であり、新しいULデータがバッファに到着する場合、動的スケジューリングは、以下のプロシージャに従って実施され得る。
1.PUCCHを使用して、UE10は、アクセスノード100にSRを送る。SRは、UE10がULデータを送信する必要があることをアクセスノード100に通知する。SRを送るために、UE10は、周期スケジュールに従って、たとえば、5ms、10ms、または20msの間隔で割り当てられたタイムスロットを利用し得る。
2.アクセスノード100がSRを受信したとき、アクセスノード100は、BSRによってバッファ中で保留中のULデータの量を指示するのにちょうど十分である無線リソースを割り当てる小さいULグラントで応答する。SRに対するこの反応は、一般に、3msかかる。
3.UE10は、初期ULグラントを受信し、処理し、これは約3msかかり得、その後に、UE10は、一般に、BSRをもつUL無線送信を送る。BSRは、LTE無線技術のMAC(媒体アクセス制御)プロトコルのCE(制御エレメント)である。初期ULグラントが十分に大きい場合、UE10はまた、UL無線送信中にULデータの少なくとも一部を含め得る。
4.BSRを受信すると、アクセスノード100は、BSRによって指示された保留中のULデータの量に従って無線リソースを割り当て、対応するさらなるULグラントをUE10に送る。割り当てられた無線リソース上で、保留中のULデータを送信することによって、UE10は、次いで、UE10のバッファを空にし得る。
【0029】
動的スケジューリングプロシージャの上記の例では、空のバッファ中のULデータの到着とアクセスノード100によるこのULデータの受信との間で、16msまたはそれ以上の遅延が生じることがある。この遅延は、UE10がSRへの次の機会を待たなければならないことによって、ならびに/またはUE10が同期を取得するためにランダムアクセスプロシージャを実施しなければならないことおよびSR機会を割り当てられることによって、さらに増加され得る。
【0030】
未ライセンス周波数帯域からのキャリア31、32、33、34の使用のために、UE10およびアクセスノード100は、キャリア31、32、33、34を潜在的に使用し得る他の無線デバイスまたは無線技術との対立(conflict)を回避するためにLBTプロシージャまたは同様の機構を実装する必要があり得る。
図4Aは、キャリア32上でのWLAN送信との共存を保証するために使用され得るLBTプロシージャの一例を示す。
【0031】
図4Aの例では、局Aおよび局Bと呼ばれる2つのWLAN局が、未ライセンス周波数スペクトルからのキャリア33上で送信すると仮定される。時間t1において、局Aは、局Bへのデータフレームの送信を終了する。SIFS(ショートフレーム間スペース)と呼ばれる時間の後に、局Bは、局AにACKフレームを送り返す。SIFS時間は、たとえば、16μsであり得る。局Bは、LBT動作を実施することなしにACKフレームを送る。UE10など、他の無線デバイスが、キャリア33上で送信することができる前に、他の無線デバイスは、キャリア33が占有されているかどうかを決定するために、最初にキャリア33を検知する必要がある。局BによるACKフレームの送信中に、キャリア33が占有されていることがわかった場合、他の無線デバイスは、34μsなど、SIFS時間よりも長いDIFS(分散フレーム間スペース)と呼ばれる時間の間延期する必要がある。このようにして、他の無線デバイスがACKフレームの送信に干渉することが防がれ得る。それゆえ、UE10など、最初に送信することを望む無線デバイスが、DIFS時間の間キャリアを検知することによって、CCA(クリアチャネルアセスメント)を実施する。媒体がアイドルである場合、無線デバイスは、キャリア33が空いており、無線デバイスがキャリア33上で送信し得ると仮定する。キャリア33がビジーであることがわかった場合、無線デバイスは、キャリア33がアイドルになるまで待ち、DIFS時間の間延期する。さらに、無線デバイスがt4においてキャリア33上で送信することを開始することができる前に、無線デバイスはランダムバックオフ期間待ち得る。ランダムバックオフ期間は、キャリア33がアイドルになったときに複数の無線デバイスが送信する準備ができているときの、衝突の危険を低減する目的を有する。
図4Aの例では、無線デバイスは、t3においてランダムバックオフカウンタを開始し、対応する数のタイムスロットの間延期する。ランダムバックオフカウンタは、バックオフ競合ウィンドウサイズCW以下のランダム整数として選択され得る。再発する衝突を回避するために、バックオフ競合ウィンドウサイズCWは、衝突が検出されたときはいつでも、CWmaxまでで2倍にされ得る。衝突なしに送信試みが成功したとき、競合ウィンドウは、競合ウィンドウの初期値にリセットされる。
【0032】
図4Bは、ETSIドラフトEN 301 893 V2.1.0(2017-03)による、負荷ベースCCAに基づくLBTプロシージャのさらなる例を示す。この場合、UE10など、WLANプロトコルを使用しない無線デバイスが、負荷ベース適応チャネルアクセスを使用し得る。1つまたは複数の送信のシーケンスを始動する無線デバイスが、始動デバイスとして表される。他の場合、無線デバイスは、応答デバイスとして表される。始動デバイスは、優先される、トランケートされた指数バックオフに基づくチャネルアクセス機構を実装する。キャリア33など、動作チャネル上での送信または送信のバーストの前に、始動デバイスは、以下のステップ1)~ステップ8)で説明されるプロシージャを実行する、少なくとも1つのチャネルアクセスエンジンを動作させる(異なるデータ優先度クラスに対応して、最高4つのアクセスエンジンが同時に動作され得る)。単一の観測スロットは、9μs以上の持続時間を有するものとする。
1)チャネルアクセスエンジンは、競合ウィンドウCWを最小値CWminにセットする。
2)チャネルアクセスエンジンは、0からCWまでの範囲にわたる一様分布から乱数qを選択する。
3)チャネルアクセスエンジンは、ステップ3)a)~ステップ3)c)において説明されるように、優先度付け期間を始動する。
a)チャネルアクセスエンジンは、このチャネルアクセスエンジンに関連する優先度クラスに従ってpをセットする
b)チャネルアクセスエンジンは、16μsの期間待つ。
c)チャネルアクセスエンジンは、単一の観測スロット中に動作チャネル上でCCAを実施する。
i)動作チャネルは、このチャネル内の他の送信がED(エネルギー検出)しきい値を上回るレベルで検出された場合、占有されていると見なされる。この場合、チャネルアクセスエンジンは、チャネル内のエネルギーがEDしきい値を下回って低下した後に、ステップ3)a)で開始する新しい優先度付け期間を始動するものとする。
ii)動作チャネル内でEDしきい値を上回るレベルをもつエネルギーが検出されなかった場合に、pは、せいぜい1だけ減分され得る。pが0に等しい場合、チャネルアクセスエンジンは、ステップ4)を進めるものとし、他の場合、チャネルアクセスエンジンは、ステップ3)c)を進めるものとする。
4)チャネルアクセスエンジンは、ステップ4)a)~ステップ4)d)において説明されるように、バックオフプロシージャを実施する。
a)このステップは、チャネルアクセスエンジンがポストバックオフ条件を満たすかどうかを検証する。q<0であり、チャネルアクセスエンジンが送信の準備ができている場合、チャネルアクセスエンジンは、CWをCWminに等しくセットするものとし、ステップ4)b)を進める前に、0からCWまでの範囲にわたる一様分布から乱数qを選択するものとする。
b)q<1である場合、チャネルアクセスエンジンは、ステップ4)d)を進める。他の場合、チャネルアクセスエンジンは、値qをせいぜい1だけ減分し得、チャネルアクセスエンジンは、ステップ4)c)を進めるものとする。
c)チャネルアクセスエンジンは、単一の観測スロット中に動作チャネル上でCCAを実施するものとする。
d)チャネルアクセスエンジンが送信の準備ができている場合、チャネルアクセスエンジンは、ステップ5)を続けるものとする。他の場合、チャネルアクセスエンジンは、1だけ値qを減分するものとし、チャネルアクセスエンジンは、ステップ4)c)を進めるものとする。qは、負になり、チャネルアクセスエンジンが送信の準備ができていない限り減分し続けることができることを理解されたい。
5)始動デバイスの1つのチャネルアクセスエンジンのみがこの段階にある場合、チャネルアクセスエンジンは、ステップ6)を進める。始動デバイスがこの段階において多数のチャネルアクセスエンジンを有する場合、この多数中の最高優先度クラスをもつチャネルアクセスエンジンが、ステップ6)を進めるものとし、現在の段階におけるすべての他のチャネルアクセスエンジンがステップ8)を進めるものとする。
6)チャネルアクセスエンジンは、1つまたは複数の動作チャネル上で、対応するまたはより高い優先度のクラスに属する送信を開始し得る。
a)チャネルアクセスエンジンは、複数の送信の間のギャップが16μsを超えないという条件で、この動作チャネル上で追加のCCAを実施することなしに、そのような複数の送信を有することができる。他の場合、このギャップが16μsを超え、25μsを超えない場合、始動デバイスは、1つの観測スロットの持続時間の間、EDしきい値を上回るレベルをもつエネルギーが検出されなかったという条件で、送信を続け得る。
b)チャネルアクセスエンジンは、現在の動作チャネル上で1つまたは複数の応答デバイスに送信するための許可をグラントし得る。始動デバイスが応答デバイスにそのような送信グラントを発行する場合、応答デバイスは、ステップ8の後に、以下で説明されるプロシージャに従って動作するものとする。
c)始動デバイスは、対応する送信持続時間(チャネル占有時間)がチャネルアクセスエンジンの優先度クラスに対応する(1つまたは複数の)送信のために必要とされる時間を越えて延びないという条件で、チャネルアクセスエンジンの優先度クラスよりも低い優先度クラスの同時送信を有し得る。
7)チャネル占有が完了し、チャネル占有の始まりにおいて開始した少なくとも1つの送信が成功したことが確認されたとき、始動デバイスは、ステップ1)を進め、他の場合、始動デバイスは、ステップ8)を進める。
8)始動デバイスは再送信し得る。始動デバイスが再送信しない場合、チャネルアクセスエンジンは、成功しなかったチャネル占有に関連するすべてのデータパケットを廃棄するものとし、チャネルアクセスエンジンは、ステップ1)を進めるものとする。他の場合、チャネルアクセスエンジンは、CWを((CW+1)×m)-1、ただしm≧2に調整するものとする。CWの調整された値がCWmaxよりも大きい場合、チャネルアクセスエンジンは、CWをCWmaxに等しくセットし得る。チャネルアクセスエンジンは、次いで、ステップ2)を進めるものとする。
応答デバイスは、これらの送信が、グラントを発行した始動デバイスによる最後の送信の多くとも16μs後に始動された場合、CCAを実施することなしに送信するか、または応答デバイスは、グラントされた送信時間の直前に終了する、25μsの期間内の単一の観測スロット中に、動作チャネル上でCCAを実施するかのいずれかであり得る。
【0033】
以下では、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9A、
図9B、
図10A、および
図10Bに示されている例を参照することによって、異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調が説明される。これらの例では、上述のUE10など、UEが、UL送信のための2つ以上の未ライセンスキャリアを伴って設定され、CC1によって表される、未ライセンスキャリアのうちの少なくとも1つが、動的スケジューリングを伴うアクセス方式に基づいて使用されるように設定され、CC2によって示される、未ライセンスキャリアのうちの少なくとも他の1つが、グラントなし送信を伴うアクセス方式に基づいて使用されるように設定される。キャリアCC1およびCC2は、たとえば、上述のキャリア33および34に対応する。2つのキャリアCC1、CC2上での異なるアクセス方式の利用は、たとえば、ヘテロジニアストラフィックおよび干渉レベルに起因するか、または動的にスケジュールされたUL無線送信のみをサポートするレガシーUEによって利用される1つまたは複数のキャリアとは別個のキャリア上でのグラントなしUL無線送信が可能なUEのクラスタリングに起因し得る。キャリアCC1、CC2の各々上で、UEがキャリアCC1、CC2上で送信することを開始することができるようになる前に、CCAの成功が必要とされる。CCAは、送信することを開始する前のバックオフを伴う拡張されたLBTプロシージャの一部であり得る。さらに、CCAは、送信することを開始する前のバックオフを必要としない短縮されたLBTプロシージャの一部であり得る。
【0034】
以下の例では、ULリソースをスケジュールするためのULグラントの説明は、単一のUE固有DCI、またはUE固有DCIを使用して送られるPUSCHトリガAと、共通DCIまたはUE固有DCIを使用して送られるPUSCHトリガBとをもつ2段階プロセスを指し得る。スケジュールされたUL無線送信、すなわち、ULグラントによって割り当てられた無線リソース上で実施されるUL無線送信は、たとえば、PUSCH送信および/または短い/長いPUCCH上での送信を含み得る。示された例の各々では、UEは、CCAが個々のキャリア上で成功するかどうかにかかわらず、すべての潜在的に利用可能なキャリアが並列UL無線送信のために使用されると仮定して、UEのPHR(パワーヘッドルーム報告)を算出し得る。
【0035】
図5、
図6、
図7、
図8、
図9A、
図9B、
図10A、および
図10Bでは、各キャリアのためのボックスのシーケンスが、UL無線送信のために潜在的に使用可能であるサブフレームを示す。UL無線送信のために使用されるサブフレームが「U」でマークされている。UEが、キャリアの無線リソースをUEに割り当てるULグラントを受信するサブフレームが、「G」によって表されている。ULグラントは、DL制御チャネル、たとえば、PDCCHまたはePDCCH上で受信され得る。いくつかのシナリオでは、そのようなDL制御チャネルは、たとえば、TDD送信モードを使用するとき、同じキャリア上で送信され得る。UEがその送信を延期するサブフレームは、「D」によって表されている。ULグラントによって割り当てられた無線リソースを含むサブフレームは、ULグラントが受信されるサブフレームから延びる矢印によって指示される。UEが、LBTの不成功により送信することができないサブフレームが、「×」によって表されている。キャリア上でのCCAの成功が、影付きボックスによって示されている。
【0036】
図5の例では、キャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調がないと仮定される。したがって、UEは、CCAの成功の後の任意のサブフレーム中に、グラントなし送信を可能にするキャリアCC2上でのUL送信を開始することができる。それと比較して、動的スケジューリングを必要とするキャリアCC1上でのUL無線送信は、ULグラントによってUEに割り当てられた無線リソースを含むサブフレーム上でのみ可能である。
図5のシナリオでは、これは、キャリアCC2上での進行中のUL無線送信が、CC1上でULグラントによって割り当てられた無線リソースを含むサブフレームと部分的に重複するという影響を有する。ULグラントが受信されるサブフレームがインデックスnによって表される場合、ULグラントによって割り当てられた無線リソースは、インデックスn+4、n+5、n+6、n+7、およびn+8をもつサブフレーム中にある。
図5のシナリオでは、UEは、インデックスn+2をもつサブフレームの前にキャリアCC2上でCCAプロシージャの実施が成功し、キャリアCC2上でのUL無線送信で開始する。このUL無線送信は、インデックスn+6をもつサブフレームにおいて終了する。キャリアCC2上での進行中のUL無線送信からの自己干渉により、キャリアCC1上でのLBTは、インデックスn+4、n+5、およびn+6をもつサブフレームにおいて不成功である。インデックスn+7をもつサブフレームにおいてのみ、キャリアCC2上でUL無線送信が終了した後、UEは、CCAを成功裡に実施し、インデックスn+8をもつサブフレームにおいてCC1上でのUL無線送信を開始することができる。わかるように、その結果、キャリアCC1の無線リソースの非効率的な使用になる。以下でさらに詳述される例では、そのような問題は、異なる未ライセンスキャリア上でのUL無線送信の協調によって回避され得る。
【0037】
図6のシナリオは、
図5のシナリオと同様であるが、キャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調を伴う。
図6のシナリオでは、UEは、インデックスn+2をもつサブフレームの前に、キャリアCC2上でCCAの実施が成功する。示されているように、このCCAは、キャリアCC1が占有されていないことを検出した後のバックオフを含む、拡張されたLBTプロシージャの一部であり得る。しかしながら、インデックスn+2をもつサブフレームの前のCCAの成功の後に、UEは、キャリアCC1上でのULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む第1のサブフレームまで、すなわち、インデックスn+4をもつサブフレームまで、キャリアCC2上でのUL無線送信を開始することを延期する。インデックスn+4をもつサブフレームの前の両方のキャリア上でのCCAの成功の後に、UEは、両方のキャリアCC1、CC2上でのUL無線送信で開始する。インデックスn+4をもつサブフレームの前にキャリア上で実施されたCCAは、キャリアCC1が占有されていないことを検出した後のバックオフを必要としない短縮されたLBTプロシージャの一部であり得る。ここで、短縮されたLBTプロシージャを使用することは、バックオフをもつ拡張されたLBTプロシージャがインデックスn+2をもつサブフレームの前にすでに実施されたので、許容できる。キャリアのうちの1つ上でのCCA中に、UEは、他のキャリア上で送信していないので、CCAの結果は、影響を及ぼされない。
図5のシナリオと比較して、UEは、それゆえ、キャリアCC1上でインデックスn+4、n+5、n+6、およびn+7をもつサブフレーム中にも送信することができる。したがって、無線リソースは、効率的な様式で利用される。
【0038】
図7は、
図5のシナリオと同様であり、キャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調を伴うシナリオのさらなる例を示す。
図7のシナリオでは、UEは、インデックスn+2をもつサブフレームにおいてすでに送信すべきデータを有する。しかしながら、キャリアCC2上でのLBTプロシージャを直ちに始動するのではなく、UEは、キャリアCC1上でのULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む第1のサブフレームまで、すなわち、インデックスn+4をもつサブフレームまで、その送信を延期する。インデックスn+4をもつサブフレームの前の両方のキャリア上でのCCAの成功の後に、UEは、両方のキャリアCC1、CC2上でのUL無線送信で開始する。示されているように、インデックスn+4をもつサブフレームの前にキャリアCC1上で実施されるCCAは、キャリアCC1が占有されていないことを検出した後のバックオフを含む拡張されたLBTプロシージャの一部であり得、インデックスn+4をもつサブフレームの前にキャリアCC2上で実施されるCCAは、キャリアCC1が占有されていないことを検出した後のバックオフを必要としない短縮されたLBTプロシージャの一部であり得る。ここで、キャリアCC2上で短縮されたLBTプロシージャを使用することは、バックオフをもつ拡張されたLBTプロシージャがキャリアCC1上で実施されるので、許容できる。キャリアのうちの1つ上でのCCA中に、UEは、他のキャリア上で送信していないので、CCAの結果は、影響を及ぼされない。
図5のシナリオと比較して、UEは、それゆえ、キャリアCC1上でインデックスn+4、n+5、n+6、およびn+7をもつサブフレーム中にも送信することができる。したがって、無線リソースは、効率的な様式で利用される。
【0039】
図8は、
図5のシナリオと同様であり、キャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調を伴うシナリオのさらなる例を示す。
図8のシナリオでは、UEは、インデックスn+2をもつサブフレームにおいてすでに送信すべきデータを有する。しかしながら、キャリアCC2上でのLBTプロシージャを直ちに始動するのではなく、UEは、キャリアCC1上でのULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む最後のサブフレームの後まで、その送信を延期する。インデックスn+4をもつサブフレームの前のキャリアCC1上でのCCAの成功の後に、UEは、キャリアCC1上でのUL無線送信で開始する。インデックスn+10をもつサブフレームの前のキャリアCC2上でのCCAの成功の後に、UEは、キャリアCC2上でのUL無線送信で開始する。示されているように、両方のキャリアCC1、CC2上で実施されるCCAは、そのキャリアが占有されていないことを検出した後のバックオフを含む、拡張されたLBTプロシージャの一部であり得る。しかしながら、インデックスn+10をもつサブフレームの前にキャリアCC2上で実施されたCCAは、キャリアCC1が占有されていないことを検出した後のバックオフを必要としない短縮されたLBTプロシージャの一部でもあり得る。キャリアのうちの1つ上でのCCA中に、UEは、他のキャリア上で送信していないので、CCAの結果は、影響を及ぼされない。
図5のシナリオと比較して、UEは、それゆえ、キャリアCC1上でインデックスn+4、n+5、n+6、およびn+7をもつサブフレーム中にも送信することができる。したがって、無線リソースは、効率的な様式で利用される。
【0040】
図9Aおよび
図9Bは、
図5のシナリオと同様であり、キャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調を伴うシナリオのさらなる例を示す。
図9Aのシナリオでは、UEは、インデックスn+2をもつサブフレームの前にキャリアCC2上でCCAプロシージャの実施が成功し、キャリアCC2上でのUL無線送信で開始する。示されているように、インデックスn+2をもつサブフレームの前にキャリアCC1上で実施されたCCAは、そのキャリアが占有されていないことを検出した後のバックオフを含む拡張されたLBTプロシージャの一部であり得る。キャリアCC1上で受信されたULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む第1のサブフレーム、示されている例では、インデックスn+4をもつサブフレームの前に、UEは、キャリアCC2上での進行中のUL無線送信を中断する。したがって、キャリアCC1上でのCCAのためのギャップがキャリアCC2上でのUL無線送信に導入される。示されているように、このギャップにおいて、UEは、キャリアCC2上でのCCAをも実施し得、それにより、両方のキャリアが占有されていないことを保証する。ギャップの詳細なタイミング、すなわち、開始時間、終了時間、および持続時間は、キャリアCC1およびCC2上で使用されるLBTプロシージャのタイプに依存し得る。さらに、ギャップの終了時間は、次のサブフレーム内のデータチャネル、たとえば、PUSCH、の開始位置に依存し得る。たとえば、データチャネルが、サブフレームの第1の変調シンボルですでに開始する場合、ギャップが、サブフレームの開始においてまたは開始の前に終了するように設定され得る。データチャネルがサブフレームのより後の変調シンボルで開始する場合、ギャップは、次のサブフレーム内で、そのサブフレーム内のデータチャネルの開始の前に終了するように設定され得る。インデックスn+4をもつサブフレームの前のキャリアCC1、CC2上でのCCAの成功の後に、UEは、キャリアCC1上でのUL無線送信で開始し、キャリアCC2上でのUL無線送信を続ける。示されているように、インデックスn+4をもつサブフレームの前に両方のキャリアCC1、CC2上で実施されたCCAは、キャリアCC1、CC2が占有されていないことを検出した後のバックオフを必要としない短縮されたLBTプロシージャの一部であり得る。ここで、短縮されたLBTプロシージャを使用することは、バックオフをもつ拡張されたLBTプロシージャがインデックスn+2をもつサブフレームの前にすでに実施されたので、許容できる。キャリアのうちの1つ上でのCCA中に、UEは、他のキャリア上で送信していないので、CCAの結果は、影響を及ぼされない。
図5のシナリオと比較して、UEは、それゆえ、キャリアCC1上でインデックスn+4、n+5、n+6、およびn+7をもつサブフレーム中にも送信することができる。さらに、また、インデックスn+2およびn+3をもつサブフレームの利用がキャリアCC2上で可能である。後者は、無線リソース利用の効率をさらに向上させる。さらに、UEがその送信を延期している間、何らかの他の無線デバイスがキャリアCC1および/またはCC2を占有することが回避され得る。
【0041】
いくつかのシナリオでは、キャリアCC2上での進行中のUL無線送信中に複数のギャップが導入され得る。対応するシナリオの一例が
図9Bに示されている。
図9Aのシナリオでは、UEは、インデックスn+2をもつサブフレームの前にキャリアCC2上でCCAプロシージャの実施が成功し、キャリアCC2上でのUL無線送信で開始する。示されているように、インデックスn+2をもつサブフレームの前にキャリアCC1上で実施されたCCAは、そのキャリアが占有されていないことを検出した後のバックオフを含む拡張されたLBTプロシージャの一部であり得る。キャリアCC1上で受信されたULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む第1のサブフレーム、示されている例では、インデックスn+4をもつサブフレームの前に、UEは、キャリアCC2上での進行中のUL無線送信を中断する。したがって、キャリアCC1上でのCCAのためのギャップがキャリアCC2上でのUL無線送信に導入される。示されているように、このギャップにおいて、UEは、両方のキャリアが占有されていないことを保証するために、キャリアCC2上でのCCAをも実施し得る。上述のように、ギャップの詳細なタイミング、すなわち、開始時間、終了時間、および持続時間は、キャリアCC1およびCC2上で使用されるLBTプロシージャのタイプ、ならびに/または次のサブフレーム内のデータチャネル、たとえば、PUSCH、の開始位置に依存し得る。
【0042】
図9Aのシナリオと比較して、
図9Bのシナリオは、インデックスn+1~n+5をもつサブフレーム中に、たとえば、キャリアCC1上で、またはキャリアCC1に近い周波数上で送信する何らかの他の無線デバイスからのキャリアCC1への干渉があると仮定する。しかしながら、この干渉は、キャリアCC2に影響を及ぼさない。したがって、インデックスn+4をもつサブフレームの前に、キャリアCC1上でのCCAが不成功であり、インデックスn+4をもつサブフレームにおいて、UEは、キャリアCC1上で送信することを開始することができない。キャリアCC2上で、インデックスn+4をもつサブフレームの前にCCAが成功し、UEは、したがって、キャリアCC2上でのUL無線送信を続ける。UEは、キャリアCC1上でその送信を開始することができなかったので、UEは、キャリアCC1上で受信されたULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む次のサブフレーム、示されている例では、インデックスn+5をもつサブフレームの前に、キャリアCC2上での進行中のUL無線送信を再び中断する。したがって、キャリアCC1上でのCCAのためのさらなるギャップがキャリアCC2上でのUL無線送信に導入される。この場合も、このギャップは、同じく、キャリアCC2上でCCAを実施するために、UEによって使用され得る。ギャップの詳細なタイミング、すなわち、開始時間、終了時間、および持続時間は、キャリアCC1およびCC2上で使用されるLBTプロシージャのタイプならびに/または次のサブフレーム内のデータチャネル、たとえば、PUSCH、の開始位置に依存し得る。データチャネルの開始位置がサブフレームごとに変動する場合、ギャップの位置または持続時間もまた、インデックスn+4をもつサブフレームの前に導入されるギャップと比較して変動し得る。示されている例では、インデックスn+4をもつサブフレームの始まりにおいてキャリアCC1への干渉が依然として存在するので、キャリアCC1上でのCCAは、インデックスn+5をもつサブフレームの前にも不成功であり、インデックスn+5をもつサブフレームでも、UEは、キャリアCC1上で送信することを開始することができない。キャリアCC2上で、インデックスn+5をもつサブフレームの前にもCCAが成功し、UEは、したがって、キャリアCC2上でのUL無線送信を続ける。UEは、依然として、キャリアCC1上でその送信を開始することができなかったので、UEは、キャリアCC1上で受信されたULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む次のサブフレーム、示されている例では、インデックスn+6をもつサブフレームの前に、キャリアCC2上での進行中のUL無線送信を再び中断し、キャリアCC1上でのCCAのためのまたさらなるギャップがキャリアCC2上でのUL無線送信に導入される。この場合も、このギャップは、同じく、キャリアCC2上でCCAを実施するために、UEによって使用され得る。この場合も、ギャップの詳細なタイミング、すなわち、開始時間、終了時間、および持続時間は、キャリアCC1およびCC2上で使用されるLBTプロシージャのタイプならびに/または次のサブフレーム内のデータチャネル、たとえば、PUSCH、の開始位置に依存し得る。データチャネルの開始位置がサブフレームごとに変動する場合、ギャップの位置または持続時間もまた、インデックスn+4をもつサブフレームの前に導入されるギャップまたはインデックスn=5をもつサブフレームの前に導入されるギャップと比較して変動し得る。示されている例では、インデックスn=6をもつサブフレームの始まりの前にキャリアCC1への干渉が停止したので、インデックスn=6をもつサブフレームの始まりの前のギャップ中にCCAが実施され、CCAは、今度は、両方のキャリアCC1、CC2上で成功し、UEは、キャリアCC1上でのUL無線送信で開始し、キャリアCC2上でのUL無線送信を続ける。
【0043】
図9Bの例では、CC2上でのUL無線送信におけるギャップ中に実施されたCCAは、キャリアCC1、CC2が占有されていないことを検出した後のバックオフを必要としない短縮されたLBTプロシージャの一部であり得る。ここで、短縮されたLBTプロシージャを使用することは、バックオフをもつ拡張されたLBTプロシージャがインデックスn+2をもつサブフレームの前にすでに実施されたので、許容できる。いくつかのシナリオでは、キャリアCC2上で干渉が発生し、キャリアCC2上でのCCA不成功を生じることも起こり得ることに留意されたい。そのような場合、UEは、キャリアCC2上でそのUL無線送信を続けないであろう。
【0044】
図9Aおよび
図9Bの例からわかるように、キャリアCC1、CC2のうちの一方の上での進行中のUL無線送信を終了または中断し、したがって他方のキャリア上でのCCAが影響を及ぼされないようにすることによって、干渉が効率的な様式で考慮に入れられ得る。
【0045】
図10Aおよび
図10Bは、
図5のシナリオと同様であり、キャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調を伴うシナリオのさらなる例を示す。
図10Aは、できるだけ少数のサブフレームを未使用のままにすることを目的として、UEがULグラントを受信するサブフレームが、UL無線送信のために使用されるサブフレームと混交され得ることを示す。これは、ULグラントの送信と、ULグラントによって割り当てられた無線リソースを含む第1のサブフレームとの間の可変時間オフセットによって達成され得る。
図10Aの例では、キャリアCC1上のどのサブフレームも未使用のままでない。しかしながら、
図10Aの例では、UEは、キャリアCC2上で送信しない。UEがキャリアCC2上で送信することになる場合、これは、キャリアCC1上でのUEの送信に影響を及ぼし得る。たとえば、UEが同時の、あるキャリア上での送信と別のキャリア上での受信とをサポートしない場合、キャリアCC2上でのUL無線送信が、キャリアCC1のためのULグラントのうちの1つまたは複数の受信を阻止し得る。さらに、キャリアCC2上でのUL無線送信が、キャリアCC1上でのDMRSの受信を阻止し得る。その結果、示されている混交は、もはや可能でなく、および/またはUL送信性能が劣化されることがある。
図10Bは、そのような問題がキャリアCC1上でのUL無線送信とキャリアCC2上でのUL無線送信との協調によって対処されるシナリオの一例を示す。
図10Bのシナリオでは、UEは、キャリアCC2上でのUL無線送信を、キャリアCC1上で受信されたULグラントによって割り当てられた無線リソースを含むサブフレームと整合させる。その結果は、キャリアCC1上でのUL無線送信が終了したとき、キャリアCC2上でのUL無線送信も終了することになり、したがって、UEは、次いで、キャリアCC1上で次のULグラントを受信することができる。これは、たとえば、キャリアCC1上の次のサブフレームがULグラントによって割り当てられた無線リソースを含むかどうかを検査するようにUEを設定することによって達成され得、これが当てはまらない場合、UEがキャリアCC2上で送信すべきデータを依然として有し得るにもかかわらず、次のサブフレームの前にキャリアCC2上での進行中のUL無線送信を終了する。次のサブフレームでは、UEは、次いで、
図10Bに示されているように、ULグラントを受信し得る。さらにまたは代替として、次のサブフレームも、キャリアCC1上で他の制御情報および/またはDMRSを受信するためにUEによって使用され得る。
【0046】
図10Aおよび
図10Bは、示されているUL無線送信を実施するために必要とされるLBTプロシージャまたはCCAを示さないことに留意されたい。しかしながら、
図6、
図7、
図8、
図9A、および
図9Bに関して説明されたように、異なるキャリア上でのLBTおよびCCAが協調され得ることを理解されたい。
【0047】
図11は、無線送信を制御する方法を示すためのフローチャートを示す。
図11の方法は、上述のUE10など、無線デバイスにおいて、示されている概念を実装するために利用され得る。無線デバイスのプロセッサベース実装形態が使用される場合、本方法のステップは無線デバイスの1つまたは複数のプロセッサによって実施され得る。そのような場合、無線デバイスは、以下で説明される機能性を実装するためのプログラムコードが記憶されたメモリをさらに備え得る。
【0048】
ステップ1110において、無線デバイスは、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のUL無線送信を制御する。第1のUL無線送信は、第1のアクセス方式に基づいて制御される。
【0049】
ステップ1120において、無線デバイスは、未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のUL無線送信を制御する。第1のUL無線送信は、第1のアクセス方式とは異なる第2のアクセス方式に基づいて制御される。
【0050】
いくつかのシナリオでは、第1のアクセス方式は、第1のキャリアの無線リソースが、無線通信ネットワークから受信された第1のタイプのグラントによって無線デバイスに割り当てられることを伴い得、第2のアクセス方式は、第2のキャリアの無線リソースが、第1のタイプのグラントよりも長い有効性を有する第2のタイプのグラントによって無線デバイスに割り当てられることを伴う。たとえば、第1のタイプのグラントは、無線デバイスからのスケジューリング要求に応答して送られる動的スケジューリンググラントであり得、第2のタイプのグラントは、無線デバイスからのスケジューリング要求がない場合においても送られるSPSグラントまたはIUAグラントであり得る。第1のタイプのグラントは、限られた数のサブフレームについて有効であり得、第2のタイプのグラントは、グラントがリリースされるまで、サブフレームのシーケンスにおいて再発生様式で有効である。
【0051】
いくつかのシナリオでは、第1のアクセス方式は、第1のキャリアの無線リソースが、無線デバイスからの要求に応答して無線デバイスに割り当てられることを伴い得、第2のアクセス方式は、第2のキャリアの無線リソースが、無線デバイスからの要求がない場合においても無線デバイスに割り当てられることを伴う。たとえば、第1のキャリアの無線リソースは、無線デバイスからのスケジューリング要求に応答して送られる動的スケジューリンググラントによって割り当てられ得、第2のキャリアの無線リソースは、無線デバイスからのスケジューリング要求がない場合においても送られるSPSグラントまたはIUAグラントによって割り当てられる。
【0052】
いくつかのシナリオでは、第1のアクセス方式は、第1のキャリアの無線リソースが、無線通信ネットワークからのグラントによって無線デバイスに割り当てられることを伴い得、第2のアクセス方式は、無線通信ネットワークからのグラントによる無線デバイスへの無線リソースの割り当てを必要としない。たとえば、第1のキャリアの無線リソースは、無線デバイスからのスケジューリング要求に応答して送られる動的スケジューリンググラントによって、あるいはIUAグラントまたはSPSグラントによって割り当てられ得、第2のキャリアの無線リソースは、無線通信ネットワークによるリソース割り当てを必要とすることなしに、たとえば、グラントなしアクセスを通して、アクセス可能であり得る。
【0053】
ステップ1130において、無線デバイスは、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを協調させる。いくつかのシナリオでは、無線デバイスは、第1のキャリアの無線リソースを無線デバイスに割り当てるグラントを受信し、割り当てられた無線リソース上での第1のUL無線送信を実施することを開始する前に、第1のキャリア上でのチャネル検知を実施し得る。そのようなチャネル検知の例は、UEがキャリアCC1上でのUL送信で開始する前の、
図6、
図7、
図8、
図9A、および
図9Bの例において実施されるCCA動作である。チャネル検知は、LBTプロシージャの一部であり得る。LBTプロシージャは、たとえば、
図4Aおよび
図4Bに関して説明されたように、キャリアが占有されていないことを検出したときにバックオフ期間を始動すること、および、バックオフ期間の満了後にのみ送信することを開始することを必要とする、拡張されたLBTプロシージャに対応し得る。LBTプロシージャは、キャリアが占有されていないことを検出したときにバックオフ期間を始動することを必要とせず、キャリアが占有されていないことを検出した直後に送信することを開始することを可能にする、短縮されたLBTプロシージャにも対応し得る。その場合、ステップ1130の協調は、無線デバイスが、次いで、第1のキャリア上でのチャネル検知と重複しない少なくとも1つの時間ウィンドウにおいて第2のUL無線送信を実施し得ることを伴い得る。
図6、
図7、
図8、
図9A、および
図9Bの例は、キャリアCC2上でのUL無線送信の対応する協調されたタイミングを示す。
【0054】
いくつかのシナリオでは、少なくとも1つの時間ウィンドウは、第1のキャリア上でのチャネル検知の後に開始する時間ウィンドウを含み得る。
図6、
図7、
図8、
図9A、および
図9Bの例は、キャリアCC2上でのUL無線送信の対応する協調されたタイミングを示す。
図6、
図7、および
図9Aの例では、そのような時間ウィンドウは、インデックスn+4をもつサブフレームの前のCCAの後に開始する。
図8の例では、そのような時間ウィンドウは、インデックスn+10をもつサブフレームにおいて開始する。
図9Bの例では、UL無線送信は、インデックスn+4をもつサブフレームの前のCCAの後に開始する時間ウィンドウと、インデックスn+5をもつサブフレームの前のCCAの後に開始する時間ウィンドウと、インデックスn+6をもつサブフレームの前のCCAの後に開始する時間ウィンドウとを含む。
【0055】
いくつかのシナリオでは、少なくとも1つの時間ウィンドウは、第1の無線送信の後に開始する時間ウィンドウを含み得る。
図8の例は、キャリアCC2上でのUL無線送信の対応する協調されたタイミングを示す。この例では、時間ウィンドウは、UEがキャリアCC1上でのUL無線送信を終了した後に、インデックスn+10をもつサブフレームにおいて開始する。
【0056】
いくつかのシナリオでは、少なくとも1つの時間ウィンドウは、第1のキャリア上でのチャネル検知の前に終了する時間ウィンドウを含み得る。
図9Aおよび
図9Bの例は、キャリアCC2上でのUL無線送信の対応する協調されたタイミングを示す。これらの例では、キャリアCC2上でのUL無線送信は、インデックスn+4をもつサブフレームの前のCCAの前に終了する時間ウィンドウを含む。
図9Bの例では、キャリアCC2上でのUL無線送信は、インデックスn+4をもつサブフレームの前のCCAの前に終了する時間ウィンドウと、インデックスn+5をもつサブフレームの前のCCAの前に終了する2つの時間ウィンドウと、インデックスn+5をもつサブフレームの前のCCAの前に終了する3つの時間ウィンドウとを含む。
【0057】
少なくとも1つの時間ウィンドウは、第1のキャリア上でのチャネル検知の前に終了する第1の時間ウィンドウと、第1のキャリア上でのチャネル検知の後に開始する第2の時間ウィンドウとを含むことも可能である。
図9Aおよび
図9Bの例は、キャリアCC2上でのUL無線送信の対応する協調されたタイミングを示す。この場合、第1の時間ウィンドウと第2の時間ウィンドウとの間にギャップが含まれ、このギャップは、第1のキャリア上でのチャネル検知のために使用され得る。
【0058】
いくつかのシナリオでは、無線デバイスは、第2のアップリンク無線送信を実行することを開始する前に、第2のキャリア上でのチャネル検知を実施し得る。そのようなチャネル検知の例は、UEがキャリアCC1上でのUL送信で開始する前の、
図6、
図7、
図8、
図9A、および
図9Bの例において実施されるCCA動作である。チャネル検知は、LBTプロシージャの一部であり得る。LBTプロシージャは、たとえば、
図4Aおよび
図4Bに関して説明されたように、キャリアが占有されていないことを検出したときにバックオフ期間を始動すること、および、バックオフ期間の満了後にのみ送信することを開始することを必要とする、拡張されたLBTプロシージャに対応し得る。LBTプロシージャは、キャリアが占有されていないことを検出したときにバックオフ期間を始動することを必要とせず、キャリアが占有されていないことを検出した直後に送信することを開始することを可能にする、短縮されたLBTプロシージャにも対応し得る。そのようなシナリオでは、少なくとも1つの時間ウィンドウは、第2のキャリア上でのチャネル検知と第1のキャリア上でのチャネル検知との間の時間ウィンドウを含み得る。
図9Aおよび
図9Bの例は、キャリアCC2上でのUL無線送信の対応する協調されたタイミングを示す。
図9Aの例では、キャリアCC2上でのUL無線送信は、インデックスn+2をもつサブフレームの前のキャリアCC2上でのCCAと、インデックスn+4をもつサブフレームの前のキャリアCC1上でのCCAとの間の時間ウィンドウを含む。
図9Bの例では、キャリアCC2上でのUL無線送信は、インデックスn+2をもつサブフレームの前のキャリアCC2上でのCCAとインデックスn+4をもつサブフレームの前のキャリアCC1上でのCCAの不成功との間の時間ウィンドウと、インデックスn+2をもつサブフレームの前のキャリアCC2上でのCCAとインデックスn+5をもつサブフレームの前のキャリアCC1上でのCCAの不成功との間の時間ウィンドウと、インデックスn+2をもつサブフレームの前のキャリアCC2上でのCCAとインデックスn+6をもつサブフレームの前のキャリアCC1上でのCCAの成功との間の時間ウィンドウとを含む。
【0059】
いくつかのシナリオでは、協調は、第1のキャリア上でのチャネル検知中に、無線デバイスが第2のキャリア上でのチャネル検知をも実施することを伴う。
図6、
図7、
図9A、および
図9Bの例は、チャネル検知の対応する協調を示す。
【0060】
いくつかのシナリオでは、受信されたグラントによって割り当てられた無線リソースは、第1のUL無線送信の終了時間を規定する。協調は、次いで、無線デバイスが第1のアップリンク無線送信の終了時間において第2のUL無線送信を終了することを伴い得る。対応する例が
図10Bに示されている。第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを終了した後に、無線デバイスは、次いで、第1のキャリアの無線リソースを無線デバイスに割り当てるさらなるグラントを受信し得る。さらに、またはさらなるグラントを受信することの代替として、無線デバイスは、他の制御情報または参照信号をも受信し得る。
【0061】
いくつかのシナリオでは、協調は、第1のキャリアまたは第2のキャリア上でのLBT中にバックオフの使用を制御することをも伴い得る。たとえば、無線デバイスは、第1のキャリア上でのチャネル検知を実施すること、および、第1のキャリアが占有されていないことを検出したことに応答して、バックオフ期間を始動することを行い得る。したがって、無線デバイスは、第1のキャリア上での拡張されたLBTプロシージャを実施し得る。バックオフ期間の満了時に、無線デバイスは、次いで、第1のキャリア上でのさらなるチャネル検知を実施すること、および第1のキャリア上でのさらなるチャネル検知が、第1のキャリアが占有されていないことを示すことに応答して、第1のUL無線送信を開始することを行い得る。さらに、バックオフ期間の満了時に、無線デバイスは、第2のキャリア上でのチャネル検知を実施すること、および第2のキャリア上でのチャネル検知が、第2のキャリアが占有されていないことを示すことに応答して、第2のUL無線送信を開始することをも行い得る。この場合、第2のUL無線送信は、バックオフ期間を始動することなしに、第2のキャリアが占有されていないことを検出した直後に開始され得る。すなわち、第1のキャリアおよび第2のキャリアのうちの一方の上での短縮されたLBTプロシージャが、第1のキャリアおよび第2のキャリアのうちの他方の上での拡張されたLBTプロシージャと協調され得る。
図6、
図7、
図9A、および
図9Bの例は、チャネル検知の対応する協調を示す。
【0062】
図12は、
図11の方法に従って動作する無線デバイス1200の機能性を示すためのブロック図を示す。示されているように、無線デバイス1200は、ステップ1110に関して説明されたように、第1のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第1のキャリア上での第1のUL無線送信を制御するように設定されたモジュール1210を与えられ得る。さらに、無線デバイス1200は、ステップ1120に関して説明されたように、第1のアクセス方式とは異なる第2のアクセス方式に基づいて、未ライセンス周波数スペクトルからの第2のキャリア上での第2のUL無線送信を制御するように設定されたモジュール1220を与えられ得る。さらに、無線デバイス1200は、ステップ1130に関して説明されたように、第1のUL無線送信と第2の無線送信とを協調させるように設定されたモジュール1230を与えられ得る。
【0063】
無線デバイス1200は、LTE無線技術をサポートするUEの知られている機能性など、他の機能性を実装するためのさらなるモジュールを含み得ることに留意されたい。さらに、無線デバイス1200のモジュールは必ずしも、無線デバイス1200のハードウェア構造を表すとは限らないが、たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せによって実装される、機能エレメントにも対応し得ることに留意されたい。
【0064】
示された概念は、
図11の方法に従って動作するように設定された無線デバイスと、上述のアクセスノード100など、第1のUL無線送信と第2のUL無線送信とを受信するように設定されたアクセスノードとを含むシステムにおいても実装され得ることに留意されたい。
【0065】
図13は、上記で説明された概念を実装するために使用され得る、無線デバイス1300のプロセッサベース実装形態を示す。たとえば、
図13に示されている構造は、上述のUE10を実装するために使用され得る。
【0066】
示されているように、無線デバイス1300は、無線通信ネットワークと、たとえば、上述のアクセスノード100など、無線通信ネットワークのアクセスノードと通信するための無線インターフェース1310を含み得る。無線インターフェース1310は、上述のUL無線送信を送るために使用され得る。さらに、無線インターフェース1310は、上述のグラントまたは同様のリソース割振り情報など、制御情報を受信するために使用され得る。無線インターフェース1310は、たとえば、LTE無線技術に基づき得る。
【0067】
さらに、無線デバイス1300は、無線インターフェース1310に結合された1つまたは複数のプロセッサ1350と、(1つまたは複数の)プロセッサ1350に結合されたメモリ1360とを含み得る。例として、無線インターフェース1310、(1つまたは複数の)プロセッサ1350、およびメモリ1360は、無線デバイス1300の1つまたは複数の内部バスシステムによって結合され得る。メモリ1360は、読取り専用メモリ(ROM)、たとえば、フラッシュROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、たとえば、ダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)、大容量ストレージ、たとえば、ハードディスクまたはソリッドステートディスクなどを含み得る。示されているように、メモリ1360は、ソフトウェア1370、ファームウェア1380、および/または制御パラメータ1390を含み得る。メモリ1360は、
図11に関して説明されたような、無線デバイスの上記で説明された機能性を実装するように、(1つまたは複数の)プロセッサ1350によって実行される、適切に設定されたプログラムコードを含み得る。
【0068】
図13に示されている構造は概略にすぎないこと、および無線デバイス1300は、明快のために、示されていない、さらなる構成要素、たとえば、さらなるインターフェースまたはプロセッサを実際に含み得ることを理解されたい。また、メモリ1360は、無線デバイスの知られている機能性、たとえば、UEの知られている機能性を実装するためのさらなるプログラムコードを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラムがまた、たとえば、メモリ1360に記憶されるプログラムコードおよび/または他のデータを記憶する物理媒体の形態で、あるいはプログラムコードをダウンロードのためにまたはストリーミングによって利用可能にすることによって、無線デバイス1300の機能性を実装するために与えられ得る。
【0069】
わかるように、上記で説明された概念は、未ライセンス周波数スペクトルにおけるUL無線送信を効率的に制御するために使用される。詳細には、概念は、未ライセンスキャリア上での動的にスケジュールされたUL無線送信が、たとえば、半永続的グラントに基づく、IUA割り当てに基づく、またはグラントなしアクセスに基づく、異なるアクセス方式を利用する他のキャリア上でのUL無線送信によって影響を及ぼされることを回避するために使用され得る。概念を使用して、キャリアのうちの1つ上での送信を開始するときに占有されているとわかった1つまたは複数のキャリアが、たとえば、キャリアアグリゲーションを使用することによって、後で送信に加えられ得る。このようにして、UL性能が向上され得る。さらに、概念は、無線デバイスまたはネットワークノードの既存のハードウェアまたはソフトウェアの過大な変更を必要とすることなしに実装され得る。
【0070】
上記で説明された例および実施形態は例示的にすぎず、様々な変更の余地があることを理解されたい。たとえば、示された概念は、LTE、LTE LAA、またはMuLTEfireの上述の例に限定されない、様々な種類の無線通信技術に関して適用され得る。たとえば、概念は、3GPPによって開発されたNR(新しい無線)技術など、5G(第5世代)無線技術にも適用され得る。さらに、示された概念は、未ライセンス周波数スペクトルからの様々な数のキャリア、たとえば、3つまたはそれ以上のキャリアに関して、および/または様々な数の異なるアクセス方式たとえば、3つまたはそれ以上の異なるアクセス方式に関して、適用され得る。さらに、示された概念は、モバイルフォン、ポータブルコンピューティングデバイス、マシン型通信デバイス、基地局、および中継局を含む、様々な種類の無線デバイスにおいて適用され得る。その上、上記の概念は、既存のデバイスの1つまたは複数のプロセッサによって実行される、対応して設計されたソフトウェアを使用することによって、または専用デバイスハードウェアを使用することによって実装され得ることを理解されたい。さらに、示されたノードまたはデバイスは、各々、単一のデバイスとして、または複数の相互作用デバイスのシステムとして実装され得ることに留意されたい。