IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 末松 久幸の特許一覧

<>
  • 特許-水素再結合触媒 図1
  • 特許-水素再結合触媒 図2
  • 特許-水素再結合触媒 図3
  • 特許-水素再結合触媒 図4
  • 特許-水素再結合触媒 図5
  • 特許-水素再結合触媒 図6
  • 特許-水素再結合触媒 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】水素再結合触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/42 20060101AFI20220104BHJP
   B01J 23/44 20060101ALI20220104BHJP
   B01J 35/08 20060101ALI20220104BHJP
   G21F 9/02 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B01J23/42 M
B01J23/44 M
B01J35/08 Z
G21F9/02 541A
B01J35/08 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017161867
(22)【出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2019037936
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-07-15
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、文部科学省、科学技術試験研究委託事業「廃棄物長期保管容器内に発生する可燃性ガスの濃度低減技術に関する研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501407481
【氏名又は名称】末松 久幸
(72)【発明者】
【氏名】工藤 勇
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】平 尚悟
(72)【発明者】
【氏名】末松 久幸
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 和之
(72)【発明者】
【氏名】内海 太禄
(72)【発明者】
【氏名】小田 信弘
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-230064(JP,A)
【文献】特開平05-038432(JP,A)
【文献】特表2008-543701(JP,A)
【文献】特表2011-500494(JP,A)
【文献】放射性廃棄物、容器内で長期安全保管 長岡技科大など研究,日本経済新聞,日本経済新聞社,2017年02月11日,https://www.nikkei.com/article/dgxlasfb10H10_q7a210c1l21000/,[online],[令和3年4月27日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
G21F 9/02-9/06
C01B 5/00
CA(STN)
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジオポリマーを含む無機材料からなる担体と、この担体の表面に担持された無機粉末と、この無機粉末の表面に担持された白金又はパラジウム触媒とからなり、平均直径3~50mmの略球形状であることを特徴とする水素再結合触媒
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含水放射性廃棄物の保管時に発生する水素の濃度を低減させるために用いられる、水素再結合触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、福島第一原子力発電所では、廃炉に向けて、原子炉建屋等の汚染水から放射性セシウムを除去するための処理が行われている。この処理において、汚染水中に含まれる放射性セシウムは吸着塔により除去されるが、使用済みの吸着塔は放射能濃度が低下するまで長期保管されることになる。そして、この長期保管時において、吸着塔内に残留する水分が放射線により水素と酸素に分解され、保管容器内に蓄積した水素が放射性セシウムの崩壊熱による温度上昇によって引火爆発する虞があった。そこで、現在、保管容器の弁を開放し、保管容器内で発生した水素ガスが保管容器内に留まらないようにしている。しかし、この方法では放射性物質が環境中に放出される危険性があった。
【0003】
このため、水素再結合触媒を備えた静的触媒式水素再結合容器を用いて、発生した水素と酸素を再結合させることが検討されている。なお、米国では、スリーマイル島原発2号機の事故で発生した燃料デブリの保管の際に、一部、白金からなる水素再結合触媒が用いらているが、国内ではまだ用いられていない。この水素再結合触媒には、大量の汚染水を処理するために大量の水素結合触媒が必要とされることから、大量生産可能であって安価であるとともに、長期安定性に優れているという特性が要求されている。
【0004】
ところで、ジオポリマーは、アルミノケイ酸塩を基とした非晶質の無機高分子材料であり、組成の柔軟性、耐熱性、化学的安定性、耐放射線性などの優れた性質を有している。緻密で強度もあることから、構造材料の分野では、セメントの代わりとなる材料として注目されている(例えば、特許文献1、2)。また、ジオポリマーは、活性フィラーとしてのアルミナシリカ粉末と、アルカリシリカ溶液から製造される。アルミナシリカ粉末とアルカリシリカ溶液とを混合し養生すると重合反応が進み、固化することでジオポリマーが得られる。なお、原料のアルミナシリカ粉末には、フライアッシュや高炉スラグを用いることができる。
【0005】
したがって、ジオポリマーを水素再結合触媒の担持材料として用いることができれば、大量生産可能であって安価であるとともに、長期安定性に優れた水素結合触媒が得られるものと考えられた(非特許文件1)。
【0006】
ジオポリマーを水素再結合触媒の担持材料として用いる場合、触媒として用いられる高価な貴金属を効率よく使用して水素再結合能力を高めるために、ジオポリマーの比表面積を大きくすることが望ましい。そこで、比表面積を大きくするためには、ジオポリマーをハニカム構造体や多孔質体にすることが考えられた(非特許文献2)。しかし、構造材料として注目されるほど強度の高いジオポリマーであっても、ハニカム構造体や多孔質体にすると強度の低下は避けられない。
【0007】
一方、水素再結合触媒を取り扱う作業においては、作業者を放射線から防護するために、遠隔操作ロボットを用いたり、人手を介する場合においては作業を短時間で終わらせる必要があり、水素再結合触媒の取り扱いは粗雑になりやすい。このため、水素結合触媒は、粗雑な取り扱いに耐えられる一定以上の強度が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2012-116677号公報
【文献】特開2008-239446号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】日本経済新聞、「放射性廃棄物、容器内で長期安全保管 長岡技科大など研究」、[online]、2017年2月11日、日本経済新聞社、[平成29年8月9日検索]、インターネット〈URL:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB10H10_Q7A210C1L21000/〉
【文献】長岡技術科学大学、「廃棄物長期保管容器内に発生する可燃性ガスの濃度低減技術に関する研究開発」、[online]、科学技術振興機構、[平成29年8月9日検索]、インターネット〈URL:https://www.jst.go.jp/nuclear/field/h28/hairo01_04.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、ジオポリマーを含む無機材料を担持材料として用い、十分な強度と高い水素再結合能力とを有する、新規の水素再結合触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の水素再結合触媒は、ジオポリマーを含む無機材料からなる担体と、この担体の表面に担持された無機粉末と、この無機粉末の表面に担持された触媒とからなることを特徴とする。
【0012】
また、平均直径3~50mmの略球形状であることを特徴とする。
【0013】
また、前記無機粉末は、比表面積が40~200m/gであることを特徴とする。
【0014】
また、前記無機粉末は、γアルミナ粉末であることを特徴とする。
【0015】
また、前記触媒は、白金又はパラジウムからなることを特徴とする。
【0016】
また、前記触媒は、白金又はパラジウムを含み、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムの合計が30質量%以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、強度の高いジオポリマーを含む無機材料を担体とすることによって十分な強度を有するとともに、大きい比表面積をもつ無機粉末の表面に触媒を担持させることによって高い水素再結合能力を有する水素再結合触媒が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の水素再結合触媒の模式図である。
図2】本発明の水素再結合触媒の製造工程において、アルミナ粉末に白金やパラジウムからなる触媒を担持させる工程の一実施例を示すフロー図である。
図3】本発明の水素再結合触媒の製造工程において、ジオポリマーを成形してジオポリマーにアルミナ粉末を担持させる工程の一実施例を示すフロー図である。
図4】本発明の水素結合触媒の一実施例を示す外観写真である。
図5】本発明の水素結合触媒の一実施例における白金を担持したアルミナ粉末の透過型電子顕微鏡像である。
図6】本発明の水素結合触媒の一実施例における白金を担持したアルミナ粉末の電子線回析像である。
図7】本発明の水素結合触媒の一実施例における触媒性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の水素再結合触媒は、図1に模式的に示すように、ジオポリマーを含む無機材料を担持材料としている。なお、aは担持材料がジオポリマーのみからなるもの、bはジオポリマー中にジオポリマー以外の無機の骨材が存在するもの、cはジオポリマー以外の無機の球状体からなる中心核を有しジオポリマー層を表層に形成したものを示す。
【0020】
担持材料のジオポリマーは、ゼオライトに類似した非晶質構造を有する無機高分子材料であり、SiO四面体及びAlO四面体が酸素原子を介して3次元的に連結し、チャージバランスを保つため構造中に陽イオンを取り込んでいる。その硬化反応式は以下に示すようなものであるとされている。
【0021】
【化1】
【0022】
本発明の水素再結合触媒を構成するジオポリマーを含む無機材料からなる担体は、高い強度を確保するためと製造の容易さから中実であることが好ましいが、強度を確保できれば、無機材料からなる骨材を含むことや、中空であってもよい、また、中心核に他の無機材料からなる球状体を使用することを妨げるものではない。また、担体の形状は限定されないが、取り扱いの容易さから略球形であることが好ましい。担体の大きさは限定されないが、実用上、保管容器への投入や触媒の保持を考慮すると、直径3~50mmが望ましい。
【0023】
そして、このジオポリマーを含む無機材料の表面にアルミナ粉末などの無機粉末が担持され、さらにこの無機粉末の表面に白金やパラジウムなどの触媒が担持された構造を有している。この構造により、水素再結合触媒の高い強度と大きい比表面積が確保され、その結果として高い触媒性能が得られるようになっている。
【0024】
本発明の水素再結合触媒を構成する無機粉末としては、例えば、アルミナ粉末、シリカ粉末、ジルコニア粉末、セリア粉末、酸化チタン粉末などの金属酸化物粉末、炭化ケイ素、炭化ホウ素などの金属炭化物粉末、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの金属窒化物粉末が挙げられる。これらの中では、安価であって、化学的に安定、入手可能な粒径の種類が多い、ジオポリマーの原料の一種であり担体のジオポリマーとなじみやすい、などの理由から、アルミナ粉末が好適に用いられ、アルミナ粉末の中でも比表面積の大きいγアルミナ粉末がより好適に用いられる。無機粉末の粒径は、ジオポリマーとの結合(接着)力が強くなる数十~数百μmが好ましく、入手可能な範囲では40~200μmであることが好ましい。また、無機粉末の比表面積は、比表面積が大きい方が白金が分散し白金自体の粒径が小さくなり、白金の表面積も大きくなるため、大きければ大きい方が良いが、入手可能な範囲では40~200m/gであることが好ましい。
【0025】
本発明の水素再結合触媒を構成する触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属、酸化チタン、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化バナジウムなどの金属酸化物、からなるものとすることができる。これらの中では、水素再結合能力の高さから、白金又はパラジウムからなる触媒が好適に用いられる。さらに、本発明の水素再結合触媒を構成する触媒は、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムの合計が30質量%以上であることが望ましい。
【0026】
以上のように、本発明の水素再結合触媒は、強度の高いジオポリマーを含む無機材料を担持材料とすることによって十分な強度を有するとともに、大きい比表面積をもつ無機粉末の表面に触媒を担持させることによって高い水素再結合能力を有する。本発明の水素再結合触媒を含水性放射性廃棄物を貯蔵する保管容器内に設置することにより、水の放射線分解により発生した水素と酸素を再結合させ、水に戻すことにより容器内の水素濃度の上昇を抑制することができる。
【0027】
本発明の水素再結合触媒は、例えば、以下の手順で得ることができる。
【0028】
はじめに、触媒が担持された無機粉末を作製する。なお、触媒が担持された無機粉末は、無機粉末や触媒の種類に応じて、公知の方法によって作製することができる。
【0029】
つぎに、ジオポリマーの原料である、活性フィラーとしてのアルミナシリカ粉末と、アルカリシリカ溶液を混合して、ジオポリマー溶液を作製する。アルミナシリカ粉末には、メタカオリンとマイクロシリカ(シリカフューム)を混合したものが好適に用いられる。マイクロシリカの代わりに、二酸化ケイ素を含有するフライアッシュ、高炉スラグ、下水汚泥などを用いてもよい。また、アルカリシリカ溶液には、ケイ酸カリウム溶液、水酸化カリウム、水を混合したものが好適に用いられる。ケイ酸カリウム溶液の代わりにケイ酸ナトリウム溶液(水ガラス)を用いてもよく、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いてもよい。
【0030】
そして、このジオポリマー溶液を型に流し込んで養生し、表面が完全に固化していないジオポリマーを型から取り出す。養生の条件は、例えば、70~90℃で20~50分間とするのが好ましい。
【0031】
そして、このジオポリマーの表面に、触媒が担持された無機粉末を付着させることにより、ジオポリマーの表面に触媒が担持された無機粉末をコーティングする。
【0032】
その後、養生して、ジオポリマーを完全に固化させる。養生の条件は、例えば、70~90℃で1~3日間とするのが好ましい。
【0033】
または、同様の手順で、ジオポリマーの表面に、触媒が担持されていない無機粉末を付着させ、コーティングと養生を行った後に、触媒を担持させてもよい。
【0034】
以上の手順により、本発明の水素再結合触媒を得ることができる。
【0035】
以下、本発明の水素再結合触媒について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【実施例1】
【0036】
[アルミナ粉末への白金の担持]
アルミナ粉末を白金硝酸塩溶液中に浸漬して白金硝酸塩溶液と混合し、その後、乾燥させて大気中で焼成することで、表面に白金を担持させたアルミナ粉末を作製した。白金材料として、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt(NH(NO/HNO)を用いた。白金を担持するアルミナ粉末として、比表面積の大きなγアルミナ粉末を用いた。比較のため、白金を担持させるアルミナ粉末を3種類準備した。それぞれのアルミナ粉末の物性は、表1に示すとおりであった。
【0037】
【表1】
【0038】
図2に示すように、使用するアルミナ粉末に対して白金が0.1~1質量%となるように水で希釈したジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液を準備し、アルミナ粉末をこの白金硝酸塩溶液中に浸漬した。そして、分散媒にエタノールを用い、アルミナ粉末と白金硝酸塩水溶液を、回転数520回/分のボールミルにより10分間混合した。混合した試料を乾燥機により90℃で4時間乾燥させた後、粉砕し、大気雰囲気で500℃で3時間焼成することにより、白金を担持させたアルミナ粉末を得た。
【0039】
[白金担持アルミナ粉末のジオポリマー担体への担持]
略球形のジオポリマー担体を作製し、その表面に、白金を担持したアルミナ粉末をコーティングした。ジオポリマー担体の原料の配合割合を表2に示す。コーティングは、ジオポリマー担体の養生中であってジオポリマーが完全に固化する前に、ジオポリマー担体の表面にアルミナ粉末を付着させることにより行った。
【0040】
【表2】
【0041】
図3に示すように、ケイ酸カリウム、純水、水酸化カリウム、マイクロシリカ、メタカオリンを表2に示す配合比率で配合、混合してジオポリマー溶液を作製し、このジオポリマー溶液を略球形の型に流し込んだ。70℃で20~50分間養生した後、表面が完全に固化していないジオポリマーを型から取り出し、このジオポリマーの表面に白金担持アルミナ粉末を付着させることにより、ジオポリマーの表面に白金担持アルミナ粉末をコーティングした。その後、70℃で1~3日間養生して、ジオポリマーを完全に固化させ、白金担持アルミナ粉末を担持させたジオポリマー担体、すなわち、本発明の水素再結合触媒を得た。実際に得られた本発明の水素再結合触媒の外観を図4に示す。
【0042】
[電子顕微鏡観察]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、表面に白金を担持したアルミナ粉末の観察を行った。得られたTEM像を図5に示す。また、表面に白金を担持したアルミナ粉末の電子線回折を行った。そして、得られた電子線回折像から半径を測り、半径の逆数から面間隔であるd値を求め、白金の化学状態の同定を行った。電子線回折像を図6に、得られたd値、アルミナのカードデータ、白金のカードデータを、それぞれ表3、表4、表5に示す。その結果、電子線回析像から白金の(200)面に対応するd値が得られ、金属の白金が存在していることが確認された。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【実施例2】
【0046】
[触媒性能の評価]
実施例1で得られた表面に白金を担持したアルミナ粉末について、触媒性能の評価を行った。評価条件は、以下のとおりであった。
サンプル量:250mg
ガス組成:1.0%-H、1.0%-O、残り-Ar
ガス流量:50cc/分(総量)
昇温速度:10℃/分
図7に、表面に白金を担持したアルミナ粉末の触媒性能の評価結果を示す(◆、■、×)。水素を酸素と結合させた割合を示す水素転化率が高い値を示し、水素再結合触媒として良好な触媒性能を持つことが示された。
【実施例3】
【0047】
[アルミナ粉末へのパラジウムの担持]
ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt(NH(NO/HNO)の代わりにジニトロジアンミンパラジウム(II)硝酸溶液(Pd(NH(NO/HNO)を用い、使用するアルミナ粉末に対してパラジウムが0.1質量%となるようにし、焼成温度を550℃としたほかは実施例1と同様にして、表面にパラジウムを担持させたアルミナ粉末を作製した。
【実施例4】
【0048】
[触媒性能の評価]
実施例3で得られた表面にパラジウムを担持したアルミナ粉末について、触媒性能の評価を行った。評価条件は、実施例2と同様とした。
【0049】
図7に、表面にパラジウムを担持したアルミナ粉末の触媒性能の評価結果を示す(▲、+)。水素を酸素と結合させた割合を示す水素転化率が高い値を示し、水素再結合触媒として良好な触媒性能を持つことが示された。
【実施例5】
【0050】
[アルミナ粉末への白金とパラジウムの担持]
ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(Pt(NH(NO/HNO)とジニトロジアンミンパラジウム(II)硝酸溶液(Pd(NH(NO/HNO)の両方を用い、使用するアルミナ粉末に対して白金とパラジウムの合計が0.1質量%となるようにし、焼成温度を550℃としたほかは実施例1と同様にして、表面に白金とパラジウムを担持させたアルミナ粉末を作製した。
【実施例6】
【0051】
[触媒性能の評価]
実施例5で得られた表面に白金とパラジウムを担持したアルミナ粉末について、触媒性能の評価を行った。評価条件は、実施例2と同様とした。
【0052】
図7に、表面に白金とパラジウムを担持したアルミナ粉末の触媒性能の評価結果を示す(●)。水素を酸素と結合させた割合を示す水素転化率が高い値を示し、水素再結合触媒として良好な触媒性能を持つことが示された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7