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特許6990922腸における細菌のコロニー形成のために固体粒子上で生菌のバイオフィルムを成長させるためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】腸における細菌のコロニー形成のために固体粒子上で生菌のバイオフィルムを成長させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
C12N1/20 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018511533
(86)(22)【出願日】2016-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-07-05
(86)【国際出願番号】 IB2016000933
(87)【国際公開番号】W WO2016181228
(87)【国際公開日】2016-11-17
【審査請求日】2019-05-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517393938
【氏名又は名称】マイバイオティクス ファーマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バラム,デイビット
(72)【発明者】
【氏名】ディアマント,ラシェル
(72)【発明者】
【氏名】ダボウシュ,デイビット
【審査官】川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/134808(WO,A1)
【文献】特開2011-000120(JP,A)
【文献】Biomacromolecules,2013年,Vol.14,pp.3214-3222
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
バイオフィルムを形成し、
前記バイオフィルムは粒子へ付着した少なくとも1つの細菌株の集団を含み、
前記バイオフィルムは、前記バイオフィルムを必要とする哺乳類対象によって摂取される時、前記哺乳類対象の腸でコロニー形成するよう構成され、前記方法は、
a.細菌の少なくとも1つの株を含む集団を得ること、
b.細菌の少なくとも1つの株を含む前記集団を、粒子を含有する成長培地へ接種することであって、前記粒子はリン酸二カルシウム(DCP)または微結晶性セルロース(MCC)から選択される、接種すること、
c.前記粒子へ付着させるために、細菌の少なくとも1つの株の前記集団に対して十分な時間、前記粒子を少なくとも1つの細菌株を含む前記集団とともにインキュベートすること、および
d.前記粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株を含む前記集団を成長培地中で、バイオフィルムを形成するのに十分な時間培養することであって、前記粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の前記集団は、嫌気性条件下で培養され、かつ前記粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の前記集団は、成長培地中で、10ml/時~100ml/時の流量を含むフロー条件下で培養される、培養すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記フロー条件は、90~150rpmで細菌の培養物を振盪することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の前記集団は、静置条件下で前記成長培地中で培養される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記形成されたバイオフィルムは、前記少なくとも1つの細菌株の集団を動物の腸でコロニー形成するために、前記バイオフィルムを必要とする動物への投与に使用するためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの細菌株を含む前記集団は、腸細菌叢に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの細菌株を含む前記集団は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの細菌株を含む前記集団は、アセトバクター・ポモルム(Acetobacter pomorum)である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記粒子へ付着した前記バイオフィルムは、アルギン酸塩に封入されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記バイオフィルムは、細菌の2つ以上の株を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フロー条件は、前記培地の移動をもたらし、それにより細菌にかかる剪断力を発揮する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子は、直径50から500ミクロンの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
工程dにおいて形成された前記バイオフィルムを凍結乾燥する工程eをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それらの全体的な内容が全体として参照により本明細書により組み込まれる2015年5月11日出願の米国仮特許出願番号第62/159,846号、および2015年5月11日出願の米国仮特許出願番号第62/159,849号に対する優先権を請求する。
【0002】
本発明の分野
本発明は、消化管における細菌のバイオフィルムのpH依存性標的指向化放出のために構成されたバイオフィルム形態における細菌の少なくとも1つの株を成長および封入するためのシステムおよび方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態において、本発明は、方法を提供し、
この中で、当該方法はバイオフィルムを形成し、
この中で、当該バイオフィルムは、粒子へ付着した少なくとも1つの細菌株の集団を含み、
この中で、当該バイオフィルムは、それを必要とする対象によって摂取された時、当該対象の腸で少なくとも5日間コロニー形成するよう構成され、当該方法は、
a.細菌の少なくとも1つの株を含む集団を得ること、
b.粒子を含有する成長培地に細菌の少なくとも1つの株を含む集団を接種すること、
c.当該粒子を、当該粒子へ付着するよう細菌の少なくとも1つの株の集団に十分な時間、少なくとも1つの細菌株を含む集団とともにインキュベートすること、および
d.当該粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株を含む集団を成長培地中で、バイオフィルムを形成するのに十分な時間培養することを含む。
【0004】
一実施形態において、粒子へ付着した少なくとも1つの細菌株の集団を含むバイオフィルムは、動物の腸において認められるpHで、少なくとも1つの細菌株を放出するよう構成された化合物を用いて封入される。
【0005】
一実施形態において、動物の腸において認められるpHで少なくとも1つの細菌株を放出するよう構成された化合物は、アルギン酸塩である。
【0006】
一実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、フロー条件下で成長培地中で培養される。
【0007】
一実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、静置条件下で成長培地中で培養される。
【0008】
一実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団はまず、静置条件下で成長培地中で培養された後、フロー条件下で成長培地中で培養される。
【0009】
一実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、嫌気性条件下で培養される。
【0010】
一実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、好気性条件下で培養される。
【0011】
一実施形態において、粒子は、多孔性であり、種子、リン酸二カルシウム、粘土、砂およびセルロースからなる群から選択される。
【0012】
一実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、腸細菌叢に由来する。
【0013】
一実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)である。
【0014】
一実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、アセトバクター・ポモルム(Acetobacter pomorum)である。
【0015】
一実施形態において、当該方法によって形成されるバイオフィルムは、消化管における細菌性バイオフィルムのpH依存性標的指向化放出のために構成される。
【0016】
一実施形態において、当該バイオフィルムは、細菌の2つ以上の株を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一部の実施形態による方法により使用されるフローシステムを示す、本発明の例示的な実施形態の図を示す。
図2-1】図2A図2Cは、本発明の一部の実施形態による方法によって生じるバイオフィルムに関する一部の例示的な実施形態の画像を示す。
図2-2】図2A図2Cは、本発明の一部の実施形態による方法によって生じるバイオフィルムに関する一部の例示的な実施形態の画像を示す。
図2-3】図2A図2Cは、本発明の一部の実施形態による方法によって生じるバイオフィルムに関する一部の例示的な実施形態の画像を示す。
図2-4】図2A図2Cは、本発明の一部の実施形態による方法によって生じるバイオフィルムに関する一部の例示的な実施形態の画像を示す。
図3図3は、本発明に関する一部の実施形態によるバイオフィルムの酸性耐性を示す。
図4図4は、本発明に関する一部の実施形態による別のバイオフィルムの酸性耐性を示す。
図5図5は、本発明に関する一部の実施形態によるバイオフィルムの凍結乾燥に対する耐性を示す。
図6図6は、本発明に関する一部の実施形態による別のバイオフィルムの酸性耐性を示す。
図7図7は、示される組成を用いた、動物モデルの腸でコロニー形成するための本発明に関する一部の実施形態によるバイオフィルムの能力を示す。
図8図8は、本発明に関する一部の実施形態によるバイオフィルムからの細菌のpH依存性放出を示す。
図9図9は、動物モデルの腸でコロニー形成するための本発明に関する一部の実施形態による別のバイオフィルムの能力を示す。
図10図10は、他の方法を用いて形成された他のバイオフィルムと比較した、動物モデルの腸でコロニー形成するための本発明に関する一部の実施形態による別のバイオフィルムの能力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
開示の明確性のために、および制限としてではなく、本発明の詳細な説明は、本発明のある特定の特長、実施形態または出願を説明または例証する以下の部分節へと分割される。
【0019】
本明細書および特許請求の範囲のいたるところで、以下の用語は、別段の明確な記載がない限り、本明細書に明白に関係する意味を取る。本明細書で使用される「一実施形態において」および「一部の実施形態において」という句は、同じ実施形態(複数可)を指すとは必ずしも限らないが、そうであることがある。さらに、本明細書で使用される「別の実施形態において」および「一部の他の実施形態において」という句は、異なる実施形態を指すとは必ずしも限らないが、そうであることがある。したがって、以下に説明するように、本発明の種々の実施形態は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、容易に組み合わされ得る。
【0020】
さらに、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的「または」演算子であり、別段の明確な記載がない限り「および/または」という用語と等価である。「を基にした」という用語は、排他的ではなく、別段の明確な記載がない限り、説明されていない追加の因子を基にすることができる。さらに、本明細書のいたるところで、「a」、「an」、および「the」の意味には複数の参照が含まれる。「における(in)」という意味には、「における(in)」および「に関する(on)」が含まれる。
【0021】
一部の実施形態において、本発明は、消化管における細菌バイオフィルムのpH依存性標的指向化放出のために構成される、バイオフィルムの形態で細菌の少なくとも1つの株を成長させるおよび封入するためのシステムおよび方法に関する。
【0022】
一実施形態において、本発明は方法を提供し、
この中で、当該方法はバイオフィルムを形成し、
この中で、当該バイオフィルムは、粒子へ付着した少なくとも1つの細菌株の集団を含み、
この中で、当該バイオフィルムは、それを必要とする対象によって摂取される時、当該対象の腸で少なくとも5日間コロニー形成するよう構成され、当該方法は、
a.細菌の少なくとも1つの株を含む集団を得ること、
b.粒子を含有する成長培地に細菌の少なくとも1つの株を含む集団を接種すること、
c.当該粒子を、少なくとも1つの細菌株を含む集団とともに、当該粒子へ付着するよう細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間インキュベートすること、および
d.当該粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株を含む当該集団を成長培地中で、バイオフィルムを形成するのに十分な時間培養すること
を含む。
【0023】
一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、2時間~12時間である。一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、2時間である。一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、4時間である。一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、6時間である。一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、8時間である。一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、10時間である。一部の実施形態において、粒子へ付着させるための細菌の少なくとも1つの株の集団に対して十分な時間は、12時間である。
【0024】
一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、12時間~48時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、12時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、14時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、16時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、18時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、20時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、22時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、24時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、26時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、28時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、30時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、32時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、34時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、36時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、38時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、40時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、42時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、44時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、46時間である。一部の実施形態において、バイオフィルムを形成するのに十分な時間は、48時間である。
【0025】
一部の実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、成長培地中でフロー条件下で培養される。本明細書で使用される場合、「フロー条件」という用語は、表面に付着した細菌に関する培地の移動を指し、培地の移動は、細菌にかかる剪断力を発揮する。
【0026】
いかなる特定の理論に制限されるよう意図することなく、フロー条件下で粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団を培養することは、成長するバイオフィルムにかかる等しい緩徐な剪断力をつくり、バイオフィルムの迅速な作製を亢進する(例えば、典型的な静置成長法と比較してより短期間で)。一部の実施形態において、流動システムは、成長するバイオフィルムへの新鮮培地の導入、および細菌老廃物の除去を可能にする。
【0027】
一部の実施形態において、フロー条件は、10ml/時~100ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、20ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、30ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、40ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、50ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、60ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、70ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、80ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、90ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、100ml/時の流量を含む。一部の実施形態において、フロー条件は、10ml/時の流量を含む。
【0028】
一部の実施形態において、フロー条件は、90~150rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。一部の実施形態において、フロー条件は、100rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。一部の実施形態において、フロー条件は、110rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。一部の実施形態において、フロー条件は、120rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。一部の実施形態において、フロー条件は、130rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。一部の実施形態において、フロー条件は、140rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。一部の実施形態において、フロー条件は、150rpmで細菌の培養物を振盪することを含む。
【0029】
一部の実施形態において、フロー条件下で粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団を培養することは結果的に、典型的な方法と比較して短期間で頑強なおよび健常なバイオフィルムを産生することになる(例えば、5、10、20、25、50%未満の時間だがこれらに限定されない)。一部の実施形態において、結果として生じるバイオフィルムは、他の培養方法と比較した時、過酷な条件に対する回復力が亢進し、本明細書でさらに詳述される。
【0030】
図1に関して、本発明の一部の実施形態によるフローシステムを示す本発明の例示的な実施形態の図を示す。図1に関して、当該システムには、バイオフィルムの培養のための固体粒子、成長培地源、容器の内外に成長培地を導くチューブ、およびチューブを通じて培地を移動させるポンプを含有する容器が含まれる。容器からの流体出口は、再利用のために培地貯蔵器へと戻ることができ、または排液することができる。一部の実施形態において、このフローシステムは、閉鎖型、開放型、または半閉鎖型であることができる。図1における時計回りに移動する矢印は、フロー方向を表し、説明目的のためにのみある。
【0031】
一部の実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、成長培地中で静置条件下で培養される。本明細書で使用される場合、「静置条件」という用語は、細菌に発揮される剪断力がない培養条件を指す。
【0032】
一部の実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、成長培地中でまず静置条件下で培養された後、成長培地中でフロー条件下で培養される。
【0033】
一部の実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、嫌気性条件下で培養される。本明細書で使用される場合、「嫌気性条件」という用語は、遊離酸素または結合酸素の非存在を含む培養条件を指す。
【0034】
一部の実施形態において、粒子へ付着した細菌の少なくとも1つの株の集団は、好気性条件下で培養される。本明細書で使用される場合、「好気性条件」という用語は、遊離酸素または結合酸素の存在を含む培養条件を指す。
【0035】
粒子
一部の実施形態において、粒子は、多孔性であり、種子、リン酸二カルシウム、粘土、砂、およびセルロースからなる群から選択される。
【0036】
一部の実施形態において、種子は、ザクロ種子、およびパッションフルーツ種子からなる群から選択される。一部の実施形態において、種子は粉砕される。
【0037】
一部の実施形態において、セルロース粒子は、商標名AVICEL(登録商標)の元で販売されるセルロースを含む。一部の実施形態において、セルロース粒子は、商標名SOLKA(登録商標)の元で販売されるセルロースを含む。
【0038】
一部の実施形態において、複数の粒子は、本発明の一部の実施形態によるバイオフィルムを形成する方法において使用される。一部の実施形態において、粒子は、直径5ミクロン~1cmに及ぶ。一部の実施形態において、粒子は、直径5ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径10ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径15ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径20ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径30ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径40ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径50ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径60ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径70ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径80ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径90ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径100ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径200ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径300ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径400ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径500ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径600ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径700ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径800ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径900ミクロンである。一部の実施形態において、粒子は、直径1cmである。
【0039】
細菌株
一部の実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、腸内細菌叢に由来する。
【0040】
一部の実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、生菌株である。本明細書で使用される場合、「生菌の」という用語は、微生物の成長を刺激する細菌株、特に有益な特性を有するもの(腸内細菌叢のものなど)を指す。
【0041】
一部の実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)である。
【0042】
一部の実施形態において、少なくとも1つの細菌株を含む集団は、アセトバクター・ポモルム(Acetobacter pomorum)である。
【0043】
一部の実施形態において、当該方法によって形成されるバイオフィルムは、消化管における細菌バイオフィルムのpH依存性標的指向化放出のために構成される。
【0044】
一部の実施形態において、当該バイオフィルムは、細菌の2つ以上の株を含む。
【0045】
図2Aは、本発明の方法によって生じるバイオフィルムの一部の例示的な実施形態の画像を示す。一部の実施形態において、生菌を成長させるのに適した固体粒子のうちのいくつかのタイプはすでに検査されており、その結果を本明細書に示す。図2Aは、例えば、パッションフルーツ種子、ザクロ粉砕種子、ベントナイト粘土、砂粒子、白土、SOLKA繊維、リン酸二カルシウム(DCP)、AVICELなど、異なる固体粒子上で成長したラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)バイオフィルムの顕微鏡画像を示す。白土は例外として、細菌は、すべての粒子タイプ上で成長する。
【0046】
図2Bは、パッションフルーツ粉砕種子、ザクロ粉砕種子、および砂の上でアセトバクター・ポモルム(Acetobacter pomorum)のバイオフィルム成長を示す、本発明の方法によって生じるバイオフィルムの一部の例示的な実施形態の画像を示す。アセトバクター・ポモルム(Acetobacter pomorum)は、ザクロ粉砕種子の上で成長し、バイオフィルムを形成した。しかしながら、砂の上では観察された成長はほんのわずかであった。アセトバクター・ポモルム(Acetobacter pomorum)は、パッションフルーツ種子の上では成長しなかった。検査した他の細菌種、例えばシュードモナス(Pseudomonas)属の種は、図2Cに示すように、検査した固体粒子の上では成長しなかった。
【0047】
理論によって結び付けられることなく、様々な粒子は、孔径、表面の粗さ、粒子において入手可能な栄養物質、粘性、表面帯電など、種々の種類の粒子上に付着して成長する種々の細菌の能力に影響し得る、細菌の成長する区別できる微小環境を提供する。
【0048】
本発明の方法の一部の実施形態において、当該方法は、
【0049】
生菌の少なくとも2つの株(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10などだがこれらに限定されない)を含有するバイオフィルムを生じ、ここで、当該バイオフィルムは、少なくとも2つの異なる粒子の組み合わせ(例えば、パッションフルーツ種子、ザクロ粉砕種子、などだがこれらに限定されない)を用いて生じる。一部の実施形態において、このような組み合わせをつくるために、成長条件(および例えば、粒子(複数可)のタイプだがこれに限定されない)は、バイオフィルムを生じるうえでの使用のための株(複数可)により選択される。例示的な実施形態において、2つの細菌株が結局、バイオフィルムを生じるよう組み合わされるであろう場合、細菌株の各々は、各株の成長に最も適した粒子を用いて成長するであろう。一部の実施形態において、2つ以上の細菌株を個別に成長させる時、細菌株は、封入過程の間に組み合わされる。
【0050】
処置
一部の実施形態において、バイオフィルムは、それを必要とする動物へ、バイオフィルムを用いて動物の腸にコロニー形成するよう投与される。
【0051】
一部の実施形態において、粒子へ付着した少なくとも1つの細菌株の集団を含むバイオフィルムは、動物の腸において認められるpHで少なくとも1つの細菌株を放出するよう構成された化合物を用いて封入される。
【0052】
一部の実施形態において、動物の腸において認められるpHで少なくとも1つの細菌株を放出するよう構成された化合物は、アルギン酸塩である。
【0053】
一部の実施形態において、動物の腸において認められるpHは、pH8である。
【0054】
一部の実施形態において、バイオフィルムは、それを必要とする動物へ、腸にコロニー形成するのに十分な量で投与される。一部の実施形態において、コロニー形成は、動物の糞便中に投与後少なくとも5日間存在する細菌の少なくとも1つの集団の存在によって確認される。
【0055】
一部の実施形態において、バイオフィルムに由来するコロニー形成した細菌は、哺乳類動物の腸に少なくとも1週間(2、3、4、5、6、7、8、9、10週間などだがこれらに限定されない)存在することができる。一部の実施形態において、バイオフィルムに由来するコロニー形成した細菌は、哺乳類動物の腸内で持続可能であり、すなわち、3日後に死滅することはない。
【0056】
一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10~2×10個で、1~5日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10~2×10個で、1~5日間である。
【0057】
一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、5日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、5日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、5日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、5日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、5日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、5日間である。
【0058】
一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、4日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、4日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、4日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、4日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、4日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、4日間である。
【0059】
一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、3日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、3日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、3日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、3日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、3日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、3日間である。
【0060】
一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、2日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、2日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、2日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、2日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、2日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、2日間である。
【0061】
一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、1日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、1日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、1日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、1日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、1日間である。一部の実施形態において、腸でコロニー形成するのに十分な量は、1日あたり2×10個で、1日間である。
【0062】
一部の実施形態において、十分な量は、単一の粒子上に投与される。あるいは、十分な量は、複数の粒子上に投与される。
【0063】
一部の実施形態において、十分な量は、食物と混合され、摂取される。
【0064】
一部の実施形態において、バイオフィルムは、動物へ、バイオフィルムが培養された直後に投与される。あるいは、バイオフィルムは投与前に保存され得る。バイオフィルムは凍結保存され得、またはそれに代わるものとして、凍結乾燥した形態であり得る。
【0065】
以下の実施例に対する参照が次になされ、当該実施例は、先の説明とともに、非限定的な様式で本発明の一部の実施形態を例証する。
【0066】
実施例
実施例1:本発明の一部の実施形態によるバイオフィルムの酸性耐性
先に説明したような流動システムにおける固体粒子上で成長したバイオフィルムの回復力を検査した。具体的には、検査した第一のパラメータは酸性耐性であったが、本結果を図3に示す。
【0067】
L.プランタルム(L.plantarum)の一晩培養物を、マトリックス容器の中の25%MRS培地(バイオフィルムの形成を進めるために飢餓条件(すなわち、100%未満の濃度の成長培地)を使用した)中に浸漬したザクロマトリックス中に接種し、2.5時間放置したままにしておき(すなわち、混合しない)、次にフローシステムを開始した。培地を培地貯蔵器からマトリックス容器へと、ペリスタポンプを用いて、12ml/時の速度で5日間の持続期間で移動させた。この培地は再利用しなかった。新鮮培地は培養物に入り、使用した培地を出口で排液した。対照として、プランクトンで成長させた細菌(すなわち、粒子へ付着していない)を使用し、結果的にバイオフィルムの形成がなかった。プランクトン対照について、4~5コロニーのL.プランタルムを100%MRSブロス6ml中へ接種し、37℃で一晩、インキュベーターの中に放置したままにしておいた。
【0068】
酸性耐性を検査するために、PBSを有する一連のバイアルを、上昇するpHに対してpH1、2、3にするために前もって調製しておいたHCl(ストック溶液0.5M)を用いて調整し、バイオフィルムを有する粒子2グラムをこれらの複数のバイアルへと移し、1時間インキュベートした。細菌を次にPBS中で洗浄し、5マイクロリットルを図3に示すように播種した。
【0069】
プランクトン対照については、一晩培養物由来の100μlをpHバイアル中へと取り、1時間インキュベートし、細菌を次にPBSで洗浄し、5マイクロリットルを図3に示すように播種した。図3に示すように、バイオフィルム細菌は、pH2で十分残存したので酸性に対するより大きな回復力を示すのに対し、プランクトン細菌は残存しなかった。
【0070】
いかなる特定の理論に制限されるよう意図することなく、胃の中のpHは、約pH2である。したがって、バイオフィルムを対象へ投与する際、バイオフィルムは対象の胃の環境(すなわち、pH2)を残存し、対象にコロニー形成する。
【0071】
実施例2:本発明の一部の実施形態による別のバイオフィルムの酸性耐性
第二のセットの実験を実施し、酸性に対する細菌の回復力(すなわち、バイオフィルムの形態における)が図4において説明され、以下の表1および表2に示されることを実証する。
【0072】
L.プランタルム(L.plantarum)の一晩培養物を、25%MRS培地(飢餓条件)中に浸漬した7グラムのザクロ(POM)種子粒子へと接種し、2.5時間放置したままにしておいた。次に、流動システムを5日間、最高速度(約380ml/時)で培地を移動させるペリスタポンプを用いて実施した。本実験において、培地を再利用して、非流動/静置対照と比較した。プランクトン対照については、4コロニーのL.プランタルムを6mlの100%MRSブロス中に接種し、37℃で一晩+5時間、インキュベーター中に放置した。結果を表1および表2に示す。
【表1】
【表2】
【0073】
図4に示されるように、プランクトン細菌は、pHの低下へ曝露される時、残存の低下を示した。
【0074】
実施例3:本発明の一部の実施形態によるバイオフィルムの再構成
アルギン酸塩において成長および捕捉したバイオフィルムは乾燥後に収集した。L.プランタルム(L.plantarum)を25mlの100%MRS+2grのPOMの中で室温で4日間成長させ、バイオフィルムを形成した。プランクトン対照のために、L.プランタルムを25mlの100%MRSの中で室温で4日間成長させた。POM+バイオフィルムの一試料および対照を連続希釈においてMRSプレート上に播種した。各々の別の試料を簡潔に遠心分離し、5mlの凍結乾燥緩衝液中に再懸濁し、24時間凍結乾燥させ、25mLのMRS中に懸濁した。この段階(凍結乾燥後だがさらなる成長の前)で、試料を連続希釈によって播種した。試料の残りをさらに48時間成長させておき、再度播種した。図5に示すように、固体粒子上でバイオフィルムとして成長した細菌は、耐性の亢進および凍結乾燥に対する残存(すなわち、乾燥後の再構成)を示した。
【0075】
実施例4:大腸菌(E.coli)DH5α細胞の酸耐性
大腸菌株DH5αの酸耐性を3つの条件下で検査した。
1.プランクトン-振盪機において20mlのLB開始剤中で大腸菌を23℃で5日間成長させた。
2.バイオフィルム静置-異なるマトリックス2grを有する20mlのLB中で大腸菌を静置条件下で37℃で5日間成長させた。
3.バイオフィルムフロー-およそ12ml/時の新鮮25%LBの速度でDCPを含有するカラムフローシステム中で室温で5日間大腸菌を成長させた。試料をカラムの上部(空気の面に近い)およびカラムの下部から採取した。
【0076】
大腸菌株DH5α開始剤を37℃での振盪で一晩成長させた。開始剤からの100μlを以下へ移した。
1.2grのアビセル+20mlのLB-バイオフィルム静置培養用。
2.2grのソルカ繊維+20mlのLB-バイオフィルム静置培養用。
3.3grのDCP+20mlのLB-バイオフィルム静置培養用。
4.20mlのLB-プランクトン培養用。
【0077】
2mlの一晩経過開始剤を20mlのLBへ移し、フローシステムのカラムに接種した。フローを2時間停止し、大腸菌をDCPへ付着させておいた。2時間後、フローを室温で5日間オンにした。
【0078】
5日間のインキュベーション後、静置実験由来のマトリックスの各々(DCP、アビセルおよびソルカ)からの試料ならびにカラムの上部を形成するDCPからの試料およびカラムの下部を形成するDCPからの試料を採取し、5つの異なるエッペンドルフチューブ(「エッペンドルフ」)へと挿入した。この試料をPBSで1回緩徐に洗浄した。
【0079】
各試料から、次の量のマトリックスを2つのバイアルへと取った。
1.静置DCP-0.02gr
2.静置アビセル-0.03gr
3.静置ソルカ-0.02gr
4.フローDCP上部-0.03gr
5.フローDCP下部-0.03gr
【0080】
各エッペンドルフの内容物をPBS×1で1回緩徐に洗浄した。各対のエッペンドルフ(各試料由来)について、1mlのPBS×1(pH=7.4)または1mlのPBS(pH=2)を添加した。エッペンドルフを横にして室温で1時間インキュベートした。次に、エッペンドルフを13000rpmで2分間遠心分離し、上清を廃棄した。1mlのPBS×1を各エッペンドルフへ添加し、そのエッペンドルフをフルパワーで30秒間ボルテックスして、細菌をマトリックスから遊離させた。
【0081】
プランクトン培養物の取り扱い:1mlの培養物をエッペンドルフへ移し、最大速度で2分間遠心分離した。上清を廃棄し、1mlのPBSを添加した。これ由来の100μlを以下へ添加した。
1.1mlのPBS×1(pH7.4)含有エッペンドルフ
2.1mlのPBS(pH=2)含有エッペンドルフ
【0082】
このエッペンドルフを横にして室温で1時間インキュベートし、このインキュベーション後、13000rpmで2分間遠心分離した。100μlのPBS×1を各エッペンドルフへ添加した。
【0083】
生存数計数:
各エッペンドルフからの10μlを90μlのPBS×1へ移した。7回の1:10連続希釈を実施した。各希釈物からの3μlをLBプレート上に播種し、インキュベーター中で一晩放置した。
【0084】
計算は、プランクトンについての個/ml、または個/grを保有するよう次の通りとした。
【0085】
マトリックスについて:コロニー数×10希釈回数×333.33×(1/採取gr)
【0086】
プランクトンについて:コロニー数×10希釈回数×333.3
【0087】
本実験における材料はすべて、滅菌のためにオートクレーブ処理した。以下の表および図6に示す結果は、バイオフィルムが静置条件において細菌の酸耐性を亢進し、フロー条件におけるより大きな亢進を呈したことを実証する。
【表3】
【表4】
【0088】
実施例5:本発明の一部の実施形態による組成物を用いたネズミ腸のコロニー形成
バイオフィルムとして成長した細菌が腸でコロニー形成する能力の亢進を示すかどうかを検査するために、バイオフィルムを先に説明する通り調製し、バイオフィルムをヌードマウスへ給餌した。マウス糞便中の細菌の存在を検査した。結果を図7に示す。
プロトコル:
1.6匹の無菌マウス
2.ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)をマトリックス上に成長させる。
3.マウス用の挽いた食餌を滅菌済みマトリックスのみと混合する(互いに挽いている)。
4.マウス用の挽いた食餌をマトリックス上のL.プランタルム(L.plantarum)バイオフィルムと混合する(互いに挽いている)。
5.マウス用の挽いた食餌をアルギン酸ビーズにおけるL.プランタルムバイオフィルムと混合する。
6.生死染色キット(生菌の存在を判定するため)。
7.対照マウス用のマトリックスをオートクレーブ処理。
8.マウスを3つの群へと分けた(各群2匹):
a.対照-食餌+マトリックスのみを供給されたマウス。
b.バイオフィルム-食餌+マトリックス上のバイオフィルムを供給されたマウス。
c.バイオフィルムアルギン酸塩-食餌+アルギン酸ビーズにおけるマトリックス上のバイオフィルムを供給されたマウス。
9.対応する食餌を7日間(D1~D7)マウスに供給。
10.8日後(D8)、9日後(D9)、10日後(D10)、11日後(D11)、12日後(D12)、13日後(D13)および14日後(D14)に糞便を試料採取。
11.糞便試料中のL.プランタルムの存在をチェック。
12.腸におけるL.プランタルムのバイオフィルムを撮影するために腸内部から切片を採取し、指定の染色キットを用いて生死について染色する。
【0089】
図7は、細菌がマウスの腸でコロニー形成したことを示す。マウスの腸は、バイオフィルムに由来する細菌が3日間を超えて、実際、最長14日間だがこれに限定せず、コロニー形成した。
【0090】
実施例6:本発明の一部の実施形態による組成物由来の細菌のpH依存性放出
DCP上に大腸菌(E.coli)を含むバイオフィルムを、DCPを4%アルギン酸塩中のバイオフィルムと混合して、当該材料を有する液滴を2%CaCl溶液中へ滴下し、L.プランタルム(L.plantarum)を含むバイオフィルムを当該アルギン酸ビーズの上部に成長させることによって、アルギン酸塩中に封入した。結果として生じる組成物を次に、先の実施例1により処理した。結果を図8に示す。
【0091】
ビーズをpH=2の溶液中へ挿入した時、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)のみを放出した。pH=8で、大腸菌およびL.プランタルムを当該ビーズから放出した。
【0092】
実施例7:本発明の一部の実施形態によるC.ミヌタ(C.minuta)を含む組成物を用いたネズミ腸のコロニー形成
ザクロ種子上にC.ミヌタを含むバイオフィルムを、食餌と混合した本実験の1日後に2×10個の濃度で、特定病原体除去マウスへ1回付与した。糞便中のC.ミヌタの%について、糞便を1(生菌処理前)、2、4、7、11および15日後にチェックした。
【0093】
動物を次の通り処理した(処理群当たり3匹):
1.対照-食餌のみ(6gr)
2.対照-ザクロ粒(3gr)のみと混合した食餌(3gr)
3.実験-ザクロ粒(3gr)上のC.ミヌタバイオフィルムと混合した食餌(3gr)
【0094】
本実験の初日に、ザクロ粒上のバイオフィルム中にある2×10のC.ミヌタ細胞(C.ミヌタ)、ザクロ粒(POMのみ)または食餌のみ(HFD)を特定病原体除去マウスに投与した。糞便試料を生菌処理前(1日後)、生菌処理の2日後、4日後、7日後、11日後および15日後に採取し、16S配列決定へ送った。各糞便試料中の細菌の全体的な集団におけるC.ミヌタの百分率を算出した。結果を図9に示す。これらのデータは、糞便試料中のC.ミヌタの存在によって明らかにされるように、本実験が終了する時、C.ミヌタを含むバイオフィルムが最長15日間マウスの腸にコロニー形成することができたことを示す。
【0095】
実施例8:本発明の一部の実施形態による組成物を用いたネズミ腸のコロニー形成-他の方法との比較
L.プランタルム(L.plantarum)を含むバイオフィルムを以下の条件概略により成長させ、1日当たり2×10個の濃度で特定病原体除去マウスに5日間ほど1回付与した。この時点の後、マウスに食餌のみをさらに5日間供給した。
【0096】
動物を次の通り処置した(処置群当たり2匹):
1.対照-食餌のみ
2.対照-粒子を有する食餌(ザクロ粒POM)のみ。
3.プランクトンL.プランタルムをMRSブロス中で37℃で振盪しながら一晩成長させた。
4.ザクロ粒(POM)上でのバイオフィルム静置-細菌を有する5grの粒子(およそ10個/日)(DE202013103204において説明される方法による)
5.ザクロ粒(POM)上でのバイオフィルムフロー-細菌を有する1.5grの粒子。
6.ザクロ粒(POM)上にあり凍結乾燥したバイオフィルムフロー-細菌を有する1.5grの粒子(Biomacromolecules 2013,14,3214-3222において説明される方法による)。
7.市販の生菌補助剤-1日当たり2錠を5日間
【0097】
ラクトバチルスの量を、5日後(試料採取の最終日)、3日後および5日後(試料採取の終了後3および5日間)に採取したマウスの糞便のコロニー数を用いて定量化した。結果を図10に示す。これらのデータは、本発明の方法により形成されたL.プランタルム(L.plantarm)を含むバイオフィルムが、糞便試料中のL.プランタルムの存在によって明らかにされるように、本実験を終了する時、最長5日間マウスの腸にコロニー形成することができたことを示す。しかしながら、DE202013103204、またはBiomacromolecules 2013,14,3214-3222において説明される方法によって形成される組成物は、最長5日間、マウスの腸でコロニー形成することはできなかった。
【0098】
本文書のいたるところで引用される公開物は、それらの内容が全体として参照により本明細書により組み込まれる。本発明の種々の態様は、実施例および好ましい実施形態に対する参照によって先に例証してきたが、本発明の範囲が上述の説明によってではなく、特許法の原理の下に適切に解釈される以下の特許請求の範囲によって定義されることは認識されるであろう。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10