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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】樹脂構造体
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/12 20060101AFI20220104BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B32B3/12 B
G10K11/16 130
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020109667
(22)【出願日】2020-06-25
(62)【分割の表示】P 2015192167の分割
【原出願日】2015-09-29
(65)【公開番号】P2020179670
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】青木 達彦
(72)【発明者】
【氏名】加納 右喜
【審査官】團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】実公昭63-023248(JP,Y1)
【文献】特開2007-011034(JP,A)
【文献】特開2015-051710(JP,A)
【文献】特開平04-118356(JP,A)
【文献】特開昭62-191890(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0025860(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1917036(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B32B1/00-43/00
G10K11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に柱形状のセルが複数並設された中空板状の樹脂構造体であって、
前記セルは、当該セルを柱形状に区画する合成樹脂製の側壁部と、当該側壁部の上部及び下部を閉塞する閉塞壁とを備え、
前記閉塞壁には、前記セルの内外を連通させる連通孔が設けられ、当該連通孔の開口縁は、前記セルの内部空間に位置していて、
前記セルの縁部に設けられている前記連通孔の開口縁の開口面積は、前記セルの中央部に設けられている前記連通孔の開口縁の開口面積よりも大きいことを特徴とする樹脂構造体。
【請求項2】
内部に柱形状のセルが複数並設された中空板状の樹脂構造体であって、
前記セルは、当該セルを柱形状に区画する合成樹脂製の側壁部と、当該側壁部の上部及び下部を閉塞する閉塞壁とを備え、
前記閉塞壁には、前記セルの内外を連通させる連通孔が設けられ、当該連通孔の開口縁は、前記セルの内部空間に位置していて、
前記連通孔は前記セルの中央部に設けられた連通孔を有し、前記セルの中央部に設けられた連通孔間に前記側壁部に形成された孔を有し
前記セルの中央部に設けられた連通孔と前記側壁部に形成された孔との間に前記連通孔を有することを特徴とする樹脂構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に複数のセルが並設された中空板状の樹脂構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に多角柱形状又は円柱形状をなす複数のセルが並設された中空板状の樹脂構造体が知られている。例えば、特許文献1に記載の樹脂構造体は、所定形状の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳むことにより、複数の六角柱形状のセルが区画されたコア層が形成されている。コア層の上下両面には、熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層が接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-163351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の樹脂構造体は、比較的に軽量で且つ十分な強度を有していることから、様々な用途で使用されることが想定される。とはいえ、特許文献1には、樹脂構造体を吸音材として使用することについて言及がない。そのため、特許文献1に記載の樹脂構造体は、吸音率を向上させるための適切な処置が採用されているとは言い難く、吸音率の向上という点でさらなる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、内部に柱形状のセルが複数並設された中空板状の樹脂構造体であって、前記セルは、当該セルを柱形状に区画する合成樹脂製の側壁部と、当該側壁部の上部及び下部を閉塞する閉塞壁とを備え、前記閉塞壁には、前記セルの内外を連通させる連通孔が設けられ、当該連通孔の開口縁は、前記セルの内部空間に位置していることを特徴とする。
【0006】
上記の発明によれば、連通孔を介して各セルの内部空間に音圧が入り、その内部空間において音圧を効果的に低減できる。すなわち、本発明の樹脂構造体は、各セルをヘルムホルツ共鳴器として機能させることができる。また、連通孔の開口縁をセルの内部空間に位置させることにより、ヘルムホルツ共鳴器の「管部の長さ」に相当する長さを長くすることができ、比較的に低い周波数帯において吸音率が向上する。
【0007】
上記の発明において、前記連通孔は、前記セルが並設された方向に沿って等間隔毎に設けられ、前記セルが並設された方向に隣り合う前記連通孔の間隔は、前記セルが並設された方向に隣り合うセルの各間隔の平均値よりも短いとよい。また、800~1000Hzにおける残響室法吸音率が0.8以上であることが好ましい。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、内部に柱形状のセルが複数並設された中空板状の樹脂構造体の製造方法であって、合成樹脂製の第1シート材を成形し、その第1シート材の上下両側に合成樹脂製の第2シート材を配することにより、セルを柱形状に区画する側壁部と当該側壁部の上部及び下部を閉塞する閉塞壁とを形成する構造体成形工程と、前記構造体成形工程の後に、前記閉塞壁に対して前記セルの外側から内側に向けて貫通部材を貫通させることで、前記セルの内外を連通させる連通孔を、その開口縁がセルの内部空間に位置するように前記閉塞壁に形成する連通孔形成工程とを有することを特徴とする。この発明によって製造される樹脂構造体は、各セルがヘルムホルツ共鳴器として機能し、連通孔が形成されていない樹脂構造体に比べて吸音率が向上する。また、連通孔の開口縁をセルの内部空間に位置させることにより、ヘルムホルツ共鳴器の「管部の長さ」に相当する長さを長くすることができ、比較的に低い周波数帯において吸音率が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内部に柱形状のセルが複数並設された中空板状の樹脂構造体の吸音率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)は樹脂構造体の斜視図、(b)は(a)におけるβ-β線断面図、(c)は(a)におけるγ-γ線断面図。
図2】(a)は樹脂構造体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。
図3】(a)~(c)は、連通孔形成工程における構造体本体の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した樹脂構造体を図1にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の樹脂構造体は、全体として中空板状をなす構造体本体10と、その上面に配された不織布50とで構成されている。構造体本体10は、内部に複数のセルSが並設されたコア層20と、その上下両面に接合されたシート状のスキン層30、40とで構成されている。
【0012】
図1(b)及び(c)に示すように、コア層20は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層20は、上壁部21と、下壁部22と、上壁部21及び下壁部22の間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側壁部23とで構成されている。
【0013】
図1(b)及び(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図1(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部23の上部に2層構造の上壁部21が設けられている。この2層構造の上壁部21の各層は互いに接合されている。また、第1セルS1においては、側壁部23の下部に1層構造の下壁部22が設けられている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部23の上部に1層構造の上壁部21が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部23の下部に2層構造の下壁部22が設けられている。この2層構造の下壁部22の各層は互いに接合されている。また、図1(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部23によって区画されている。
【0014】
図1(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第1セルS1が六角形の1辺を共有している。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第2セルS2が六角形の1辺を共有している。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、全体としてハニカム構造をなしている。
【0015】
図1(a)~(c)に示すように、上記のように構成されたコア層20の上面には熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層30が接合されている。また、コア層20の下面には、熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層40が接合されている。この実施形態では、コア層20における側壁部23の上部が、コア層20の上壁部21及びスキン層30で閉塞されている。したがって、コア層20の上壁部21とスキン層30とで、側壁部23の上部を閉塞する閉塞壁を構成する。同様に、コア層20における側壁部23の下部が、コア層20の下壁部22及びスキン層40で閉塞されている。したがって、コア層20の下壁部22とスキン層40とで、側壁部23の下部を閉塞する閉塞壁を構成する。なお、図1(b)及び(c)では、図示されている3つのセルSのうち、最も左側のセルSに代表して符号を付しているが、他のセルSについても同様である。
【0016】
図1(b)及び(c)に示すように、構造体本体10の一方の面(図1では上面側)には、セルSの内外を連通させる連通孔15が設けられている。具体的には、図1(b)に示すように、第1セルS1において連通孔15は、上面側のスキン層30及び2層構造の上壁部21を貫通するように設けられている。また、図1(c)に示すように、第2セルS2において連通孔15は、上面側のスキン層30及び1層構造の上壁部21を貫通するように設けられている。すなわち、連通孔15は、各セルSの閉塞壁のうち、側壁部23の上部を閉塞する閉塞壁に設けられている。
【0017】
図1(b)及び(c)に示すように、各連通孔15の開口縁15aの周辺部は、当該連通孔15が形成されていない部分におけるスキン層30の上面に対して窪むような形状をなしている。その結果として、連通孔15の開口縁15aは、上壁部21の内面よりも下側の空間であるセルSの内部空間に位置している。各連通孔15の開口縁15aにおける直径は、セルSを上面視した場合の六角形の一辺の長さ以下に設定されている。具体的には、X方向に隣り合うセルSの中心同士の各間隔の平均値を「平均ピッチP1」としたとき、各連通孔15の開口縁15aにおける直径は、平均ピッチP1の数分の1(例えば、1~2mm程度)に設定されている。
【0018】
図1(a)に示すように、連通孔15は、セルSの並設方向であるX方向に沿って等間隔毎に設けられている。図1(b)及び(c)に示すように、X方向に隣り合う連通孔15の間隔P2は、平均ピッチP1よりも短くなっている。この実施例では、連通孔15の間隔P2は、セルSの平均ピッチP1の0.9倍になっている。
【0019】
図1(a)に示すように、連通孔15の列は、互いに平行になるように、所定の間隔毎に複数列設けられている。具体的に説明すると、構造体本体10を上面視した場合、ある列の第1セルS1は、その隣の列の第2セルS2と六角形の1辺を共有して隣り合っている。このように隣り合う第1セルS1の連通孔15と第2セルS2の連通孔15との間隔が、同一列中において隣り合う連通孔15の間隔P2と同じになるように、連通孔15の列同士の間隔が設定されている。
【0020】
図1(a)~(c)に示すように、構造体本体10のスキン層30の上面には、不織布50が接合されている。なお、不織布50には連通孔15は形成されていないが、不織布50はその厚み方向において通気性を有している。したがって、構造体本体10のスキン層30の上面に不織布50が接合されていても、各セルSの内部空間は、連通孔15を介して樹脂構造体の外部に連通している。
【0021】
次に、構造体本体10を製造する方法を、図2及び図3に従って説明する。
図2(a)に示すように、第1シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。第1シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、第1シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
【0022】
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
【0023】
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、第1シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
【0024】
図2(a)及び(b)に示すように、上述のように構成された第1シート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層20が形成される。具体的には、第1シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図2(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層20が形成される。なお、この実施形態では、第1シート材100を折り畳むために圧縮する方向が、セルSが並設される方向(X方向)である。
【0025】
上記のように第1シート材100を圧縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁部21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁部22が形成される。なお、図2(c)に示すように、上壁部21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
【0026】
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部23を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部23を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側壁部23となる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上部が区画され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下部が区画されている。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、第1シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
【0027】
このようにして得られたコア層20の上面及び下面には、それぞれ熱可塑性樹脂製の第2シート材が熱溶着により接合されて構造体本体10が形成される。コア層20の上面に接合された第2シート材はスキン層30となり、コア層20の上壁部21と共に側壁部23の上部を閉塞する。コア層20の下面に接合された第2シート材は、スキン層40となり、コア層20の下壁部22と共に側壁部23の下部を閉塞する。したがって、この実施形態においては、第1シート材100を折り畳んでコア層20を形成する折り畳み工程、及びコア層20の上面及び下面にそれぞれ第2シート材を接合してスキン層30、40を形成する工程を合わせた工程が、構造体成形工程に相当する。
【0028】
なお、第2シート材(スキン層30、40)をコア層20に熱溶着する際には、第1セルS1における2層構造の上壁部21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2における2層構造の下壁部22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。
【0029】
上記一連の工程によって中空板状に形成された構造体本体10は、その後、貫通部材としての針部材60を用いた連通孔形成工程に供される。
先ず、針部材60について説明すると、図3(a)に示すように、各針部材60はその先端部が先端側ほど細く形成されていて、全体として先端が尖った針状をなしている。針部材60は、セルSが並設された方向であるX方向(図3において左右方向)に複数配列されている。X方向に隣り合う針部材60の間隔P2は、X方向に隣り合うセルSの中心同士の各間隔の平均値を「平均ピッチP1」としたときの0.9倍になっている。
【0030】
連通孔形成工程では、先ず、図3(a)に示すように、各針部材60の下方側に、構造体本体10を配置して固定する。そして、各針部材60を下降移動させ、スキン層30及びコア層20の上壁部21を貫通させる。このとき、各針部材60の先端が尖っているため、スキン層30及びコア層20の上壁部21に各針部材60の先端が突き刺さる。その後、さらに、各針部材60が下降移動すると、図3(b)に示すように、各針部材60の先端部がスキン層30及びコア層20の上壁部21を押し広げながら貫通する。また、各針部材60の周面との摩擦により、各針部材60が下降移動するのに従ってスキン層30及びコア層20の上壁部21がセルSの内部側へと窪むように変形する。
【0031】
各針部材60がスキン層30及びコア層20の上壁部21を貫通した後、図3(c)に示すように、各針部材60を上昇移動させて構造体本体10から抜き取る。この一連の連通孔形成工程により、構造体本体10の上面側における各セルSの閉塞壁(スキン層30及びコア層20の上壁部21)に、連通孔15が形成される。また、各針部材60をセルSの外側から内側に向かってスキン層30及びコア層20の上壁部21を貫通させることで、スキン層30及びコア層20の上壁部21における連通孔15の開口縁15aの周辺がセルSの内側に窪むように変形する。その結果として、連通孔15の開口縁15aは、セルSの内部空間に位置することになる。連通孔形成工程の後、構造体本体10の上面(スキン層30の外面)に不織布50が接合されることにより、樹脂構造体が製造される。なお、図3(a)~(c)では、図示されている3つのセルSのうち、最も左側のセルSに代表して符号を付しているが、他のセルSについても同様である。
【0032】
ところで、図3(b)に示すように、各針部材60の先端部がスキン層30及びコア層20の上壁部21を貫通している状態では、連通孔15の開口縁15aにおける直径は、針部材60の外径に応じた直径となっている。その後、針部材60が抜き取られると、針部材60との摩擦により連通孔15の開口縁15aが上側に持ち上がることがある。また、熱可塑性樹脂は相応の弾性力を有しているため、針部材60が抜き取られた後、スキン層30及びコア層20の上壁部21が復元して、開口縁15aの径が縮む。これらのような現象が生じると、連通孔15の開口縁15aにおける直径は、針部材60の外径よりも小さくなる。その程度は、スキン層30及びコア層20の材料によっても異なるが、例えば、構造体本体10を製造後、半日~一日経過後に、連通孔15の開口縁15aにおける直径を計測すると、針部材60の外径の30~60%程度である。なお、上記のような現象のため、連通孔15の開口縁15aの形状は、完全な真円でなく、若干いびつな形状になっている。
【0033】
さらに、連通孔15の開口縁15aにおける直径が小さくなる程度は、連通孔15がセルSの中心部に設けられているか、縁部(側壁部23付近)に設けられているかによっても異なる。具体的には、連通孔15がセルSの中心部に設けられている場合には、連通孔15の開口縁15aが上側に持ち上がりやすく、縁部に設けられている場合には、連通孔15の開口縁15aが上側に持ち上がりにくい。その結果、各針部材60の形状が同一であっても、最終的には、セルSの中心部に設けられている連通孔15の開口縁15aにおける直径よりも、セルSの縁部に設けられている連通孔15の開口縁15aにおける直径の方が大きくなる。
【0034】
上述したとおり、上記実施形態では、隣り合う連通孔15同士の間隔P2が、セルSの平均ピッチP1の0.9倍になっていて、セルSの中央部に設けられた連通孔15と縁部に設けられた連通孔15とが混在している。したがって、構造体本体10には、開口縁15aにおける直径が若干異なる連通孔15が混在することになる。
【0035】
また、この実施形態においては、1つのセルSに対して2つの連通孔15が形成されることがある。このように2つの連通孔15が形成された場合、連通孔15の開口縁15aが上側に持ち上がったり、スキン層30及びコア層20の上壁部21が復元したりする程度が、1つの連通孔15がセルSの中央部に形成される場合に比較して小さい。したがって、1つのセルSに対して2つの連通孔15が形成された場合、その連通孔15の開口縁15aにおける直径は、1つのセルSに対して1つの連通孔15された場合よりも大きくなる。
【0036】
次に、上記実施形態の樹脂構造体の作用をその効果とともに説明する。
(1)上記実施形態においては、樹脂構造体の各セルSの閉塞壁(スキン層30及びコア層20の上壁部21)に、セルSの内外を連通させる連通孔15が設けられている。そのため、連通孔15を介して各セルSの内部空間に音圧が入り、その内部空間において音圧を効果的に低減できる。すなわち、樹脂構造体の各セルSは、いわゆる「ヘルムホルツ共鳴器」として機能する。
【0037】
また、一般的に、ヘルムホルツ共鳴器の吸音特性は、開口部の開口面積、外部から容器内部へと音波を導くための管部の長さ、容器の内容積によって左右される。そして、管部の長さが長く、容器の内容積が大きいほど、低い周波数の音波を減衰させる。上記実施形態における樹脂構造体のセルSが「ヘルムホルツ共鳴器」として機能する場合、図3(c)に示すように、連通孔15が形成されていない部分におけるスキン層30の上面から連通孔15の開口縁15aまでの長さLが「管部の長さ」として機能する。仮に、樹脂構造体において連通孔15の開口縁15aが、セルSの上壁部21の内面と面一である場合、ヘルムホルツ共鳴器の「管部の長さ」として機能できるのは、せいぜいスキン層30の厚みと上壁部21の厚みとを足した長さに過ぎない。この点、上記実施形態では、連通孔15の開口縁15aがセルSの内部空間に位置しているため、スキン層30の厚みと上壁部21の厚みとを足した長さよりも長い長さLが、ヘルムホルツ共鳴器の「管部の長さ」として機能する。そして、連通孔15の開口縁15aがセルSの内部空間に位置していても、セルSの内容積が大きく減少することはなく、内容積にほとんど変化は生じない。したがって、上記実施形態の樹脂構造体は、比較的に低い周波数の音波に対して高い吸音率を有する(例えば、800~1000Hzにおける残響室法吸音率が0.8以上)ことが期待できる。
【0038】
(2)上記実施形態では、構造体本体10の上面に不織布50が接合されているため、構造体本体10では吸音できない周波数を不織布50において吸音することができる。したがって、樹脂構造体全体としては広い周波数帯で吸音できる。
【0039】
(3)上記実施形態の樹脂構造体のコア層20、スキン層30、40は、熱可塑性樹脂製であるため、セルSの形状が完全に均一でなく、変形したセルSが生じることがある。したがって、X方向に隣り合うセルSの中心同士の位置を所定のピッチに設計していても、変形が生じたセルSの中心とそのセルSに隣り合うセルSの中心との間隔は、設計値から多少ずれることになる。上記実施形態では、X方向に隣り合う連通孔15の間隔P2を、X方向に隣り合うセルSの各間隔の平均値である「平均ピッチP1」よりも短くしている。したがって、セルSの形状に多少の変形が生じていても、X方向に並設された各セルSに対して、少なくとも1つの連通孔15を設けることができる。なお、セルSに生じる変形には、隣り合うセルSの中心同士の位置のピッチが大きくなるような変形も小さくなるような変形もあり得る。したがって、「平均ピッチP1」は、セルSの中心同士の位置のピッチとして設計された値とほぼ等しくなる。
【0040】
(4)上記実施形態では、X方向に隣り合う連通孔15の間隔P2と、X方向に隣り合うセルSの中心同士の各間隔の平均値である「平均ピッチP1」とが一致していない。そのため、連通孔形成工程において、多数の針部材60のうちのいくつかがコア層20の側壁部23に突き刺さることがある。この場合でも、上記実施形態ではコア層20が熱可塑性樹脂で形成され、また、2層構造の側壁部23は、互いに前面が接合(熱溶着)されていない。そのため、コア層20における側壁部23の強度はそれほど高くない。したがって、針部材60がコア層20の側壁部23に突き刺さることに伴って、針部材60が折れたり曲がったりすることは考えにくい。
【0041】
なお、連通孔形成工程時にコア層20の側壁部23に針部材60が突き刺さった場合、その側壁部23が座屈してしまう。そして、座屈した側壁部23を有するセルSの強度は低下することになる。しかし、無数のセルSのうちの数個のセルSの強度が低下したとしても樹脂構造体全体としてみた場合の強度はほとんど変わらない。
【0042】
(5)上記実施形態では、針部材60の先端が尖っている。そのため、スキン層30及びコア層20の上壁部21に各針部材60の先端が突き刺さり、各針部材60の先端部がスキン層30及びコア層20の上壁部21を押し広げながら貫通する。また、各針部材60の周面との摩擦により、各針部材60が下降移動するのに従ってスキン層30及びコア層20の上壁部21がセルSの内部側へと窪むように変形する。したがって、連通孔15の開口縁15aを、セルSの内部側(下側)へと位置させることができる。その結果、セルSの大きさに比して、低い周波数での吸音効果が期待できる。
【0043】
(6)上記実施形態では、セルSの中央部に設けられた連通孔15と縁部に設けられた連通孔15とが混在している結果、構造体本体10には、開口縁15aにおける直径が若干異なる連通孔15が混在することになる。そのため、構造体本体10は、特定の周波数だけでなく、比較的に広い周波数帯において吸音性能を発揮することが期待できる。
【0044】
(7)構造体本体10の一方の面に連通孔15を形成するにあたって、例えば、パンチングで連通孔15を形成したり、ドリルで切削しながら連通孔15を形成したりすることも考えられる。しかし、パンチングやドリルで連通孔15を形成した場合、パンチングで抜き取られた破片やドリルによる切削カスがセルSの内部に異物として入り込むことがある。そして、一旦、セルSの内部に入り込んだ異物を取り除くことは困難である。この点、上記実施形態では、針部材60を貫通させることにより連通孔15を形成するので、破片や切削カスが生じにくく、セルSの内部に異物として入り込むことが抑制できる。
【0045】
上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の変更例を組み合わせて適用してもよい。
・ コア層20及びスキン層30、40の材料は、合成樹脂材料であれば問わないが、例えば、ポリプロピレンや塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、例えば、熱可塑性樹脂に難燃性の樹脂を添加して難燃性を高めるなどのように、機能性の樹脂を添加してもよい。
【0046】
・ 一枚の第1シート材100を折り畳み成形してコア層20を形成するのに限らず、複数枚の第1シート材を用いてコア層を形成してもよい。例えば、帯状の第1シート材を所定間隔毎に屈曲させ、これら複数の第1シート材を並設することでコア層を形成してもよい。この変更例の場合、各第1シート材において屈曲させた部分がセルの側壁部を構成することになる。
【0047】
・ スキン層30、40を熱溶着でコア層20に接合するのに限らず、例えば、接着剤等でスキン層30、40をコア層20に貼り付けて接合してもよい。また、コア層20とスキン層30、40との間に例えば熱可塑性樹脂製の接着層を介在させ、この接着層の接着力により、スキン層30、40をコア層20に接合してもよい。
【0048】
・ スキン層30の外面に他のシート材を接合してもよい。この外面側のシート材は合成樹脂製でなくてもよく、例えば金属シート(金属箔)、紙、布などであってもよい。また、印刷を施した樹脂シートやメラミン等の樹脂シートであってもよい。ただし、他のシート材を接合した後に連通孔15を形成できるように、他のシート材として、針部材60が貫通できる程度の強度の材料、厚み等のものを採用することが好ましい。さらに、スキン層30そのものを、金属シート(金属箔)、紙、布などで構成してもよい。この点、スキン層40も同様である。なお、樹脂構造体の一部に合成樹脂以外の材料が含まれていても、大半の材質が合成樹脂製であれば、それは、樹脂構造体であるといえる。
【0049】
・ セルSの形状は特に六角柱形状に限定されるものではない。例えば、円柱形状でもよいし、四角柱形状、八角柱形状などの多角柱形状であってもよい。また、セルSの形状は、例えば、錐台形状や錐台形状の頂面同士を突き合わせたような形状であってもよい。すなわち、全体として柱形状をなしているのであればどのような形状であってもよい。さらに、コア層20内において異なる形状のセルが混在していてもよいし、セルとセルとの間に空間(隙間)が生じていてもよい。なお、セルとセルとの間に空間が生じている場合、セルの内外を連通するように連通孔を形成するのに加えて、セルとセルとの隙間が樹脂構造体の外部に連通するように連通孔を形成してもよい。
【0050】
・ 上記実施形態では、コア層20を折り畳んで圧縮する方向(X方向)をセルSが並設された方向として説明したが、これは一例に過ぎない。例えば、図1(a)において、X方向に対して30°傾斜した方向、60°傾斜した方向においても、隣り合うセルSは六角形の一辺を共有しており、互いに並設されているといえる。また、ハニカム構造以外の場合、多角形の一辺を共有していなくても、また、多少のずれが生じていても、全体として列をなしていれば、セルは並設されているといえる。
【0051】
・ 不織布50の層厚は、連通孔15を介してセルSの内部に音圧を入れることができるのであれば問わない。また、連通孔15を介してセルSの内部に音波を導入できるのであれば、不織布50に代えて、又は加えてグラスウールなどの他の吸音層を設けてもよい。
【0052】
・ X方向に隣り合う連通孔15の間隔P2を変更してもよい。例えば、連通孔15の間隔P2を、X方向に隣り合うセルSの中心同士の各間隔の平均ピッチP1の2倍にすれば、X方向に並列された複数のセルSのうち、連通孔15が形成されたセルSと形成されていないセルSとが交互に並設されることになる。また、例えば、連通孔15の間隔P2を、X方向に隣り合うセルSの中心同士の各間隔の平均ピッチP1の0.5倍にすれば、一つのセルSに対して2つの連通孔15が形成されることになる。
【0053】
・ 連通孔15の列の間隔を変更してもよい。例えば、連通孔15の列の間隔を、第1セルS1の列及び第2セルS2の列の列ピッチの2倍にすれば、連通孔15を第1セルS1又は第2セルS2のみに形成することもできる。
【0054】
・ 連通孔15を不規則に形成してもよい。この場合、連通孔15が、セルSの並設方向に沿って形成されないこともある。また、構造体本体10の面方向の一部の領域に、連通孔15が局在していてもよい。
【0055】
・ 構造体本体10の他方の面側(図1において下面側)に連通孔15を形成してもよい。すなわち、コア層20の側壁部23の下部を閉塞する閉塞壁(コア層20の下壁部22及びスキン層40)に連通孔15を形成してもよい。なお、この場合、1つのセルSにおいて側壁部23の上部を閉塞する閉塞壁、及び側壁部23の下部を閉塞する閉塞壁の両方に連通孔15が形成されてもよい。
【0056】
・ 構造体本体10の一方の面側及び他方の面側の両方に連通孔15を設ける場合、構造体本体10の一方の面側からセルSの内側に向けて針部材60を貫通させ、その後、構造体本体10の他方の面側からセルSの内側に向けて針部材60を貫通させることで、構造体本体10の両面に連通孔15を形成できる。この方法によれば、構造体本体10の一方の面側に形成された連通孔15の開口縁15aも、他方の面側に形成された連通孔15の開口縁15aも、セルSの内部空間に位置することになる。
【0057】
・ 構造体本体10の一方の面側及び他方の面側の両方に連通孔15を設ける場合、例えば、針部材60を、構造体本体10の一方の面側から他方の面側へと貫通させることで、構造体本体10の両面に連通孔15を形成できる。なお、この場合、構造体本体10の他方の面側に形成された連通孔15の開口縁15aは、連通孔15が形成されていない部分におけるスキン層40の外面よりも外側に突出することになる。この場合でも、例えば、スキン層40の外面に相応の厚みの不織布50やその他の層を貼り付ければ、連通孔15の開口縁15aが多少突出していても実際上の問題は生じない。
【0058】
・ 貫通部材としての針部材60の形状を変更してもよい。例えば、針部材60として先端部が曲面形状(R形状)をなしているものを使用してもよい。また、針部材60が十分に細いのであれば、その先端部を先端ほど細くしなくてもよい。例えば、針部材60が円柱状をなしていて、その先端面が平面になっていてもよい。すなわち、セルSの閉塞壁を貫通して連通孔15を形成できるのであれば、どのようなものであっても貫通部材として適用できる。
【0059】
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に追記する。
・ 構造体成形工程で使用される貫通部材の先端部は、先端ほど細くなっているとともにその先端面が曲面形状になっている。
【0060】
次に、本発明の残響室法吸音率の算出試験結果について説明する。
先ず、試験に供した検体Aについて説明する。検体Aは、コア層、及びその両面に接合されたスキン層からなり、全体の板厚が20mmである。なお、検体Aには、不織布は貼り付けられていない。そして、検体Aにおいて、隣り合うセルの中心同士の位置のピッチは10.0mmとなるように設計されている(平均ピッチP1=10.0mm)。検体Aの一方側の面(閉塞壁)には、セルの内外を連通する直径約1.2mmの連通孔が形成されている。セルが並列された方向に隣り合う連通孔の間隔は、8.0mmに設定されている(間隔P2=8.0mm)。検体Aにおいては、図3に従って実施形態として説明した方法で連通孔が形成されている。したがって、検体Aは、セルの閉塞壁に形成された連通孔の開口縁がセルの内部空間に位置している。
【0061】
上記の検体Aを、縦横の寸法が910x1820mm(1.66m)となるように切断し、容積24.82mの残響室内で、残響室法吸音率を計測した。残響室法吸音率は、315Hz、400Hz、500Hz、630Hz、800Hz、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hz、2500Hz、3150Hz、4000Hz、5000Hzの各周波数で測定した。なお、検体の縦横の寸法及び残響室の容積以外の条件については、JIS A1409の残響室法吸音率の測定方法に従った。
【0062】
【表1】
上記試験結果によれば、検体Aの樹脂構造体は、630~1600Hzの周波数帯で相応の吸音性能を発揮することがわかる。特に、800~1000Hzの周波数帯では、0.8以上という高い残響室法吸音率を示した。800~1000Hzの周波数帯は、例えば、人の話し声などが含まれる周波数帯である。したがって、検体Aの樹脂構造体は、例えば、部屋の壁等に貼り付ける吸音板材、部屋等を区切るためのパーティションを構成する吸音板材として採用することが考えられる。
【0063】
なお、上記の試験は、検体の縦横の寸法及び残響室の容積という点で、JIS A1409の残響室法吸音率の測定方法に準拠していない。しかし、残響室法吸音率は、検体の単位表面積あたりの吸音率として測定される。そのため、仮に検体Aを、JIS A1409の残響室法吸音率の測定方法に準拠して測定したとしても、測定結果に大きな違いは生じない。したがって、検体Aの吸音率を、JIS A1409の残響室法吸音率の測定方法に準拠して測定しても、800~1000Hzの周波数帯の吸音率として少なくとも0.8以上が得られる。
【符号の説明】
【0064】
S…セル、S1…第1セル、S2…第2セル、10…構造体本体、15…連通孔、15a…開口縁、20…コア層、21…上壁部、22…下壁部、23…側壁部、30…スキン層、40…スキン層、50…不織布、60…針部材。
図1
図2
図3