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特許6990950RF-FSO連携方法及びそれを行う地上局システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】RF-FSO連携方法及びそれを行う地上局システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/74 20060101AFI20220207BHJP
   H04B 7/155 20060101ALI20220207BHJP
   H04B 10/118 20130101ALI20220207BHJP
   H04B 7/185 20060101ALN20220207BHJP
【FI】
H04B1/74
H04B7/155
H04B10/118
H04B7/185
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021138288
(22)【出願日】2021-08-26
【審査請求日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0184774
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521211505
【氏名又は名称】コンテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTEC CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.22-201,169-84 Gwahak-ro,Yuseong-Gu,Daejeon 34133,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン ヒ
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0261262(US,A1)
【文献】特開2002-246965(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106850058(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0262145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/74
H04B 7/155
H04B 10/118
H04B 7/185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF-FSO連携方法を行う地上局システム(ground station system)において、
衛星からデータを含む光信号を受信するように構成された第1アンテナを含む第1受信部;
衛星からデータを含むRF信号を受信するように構成された第2アンテナを含む第2受信部;及び、
第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを用いて、衛星から伝送されたものと判断されたデータを推定しデータサーバに伝送するよう構成されたプロセッサを含み、
上記プロセッサは、
第1受信部から受信された光信号である第1信号の第1信号品質及び第2受信部から受信されたRF信号の第2信号の第2信号品質のうち高い信号品質を判断し、
第1信号品質及び第2信号品質のいずれかが臨界値以下であれば、第1信号品質及び第2信号品質のうち高い信号品質に対応する信号を用いて衛星から伝送されたデータを推定し、
第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号から推定された第1データ推定性能と第2信号から推定された第2データ推定性能とを比較し、
異なる推定データを持つ特定時間区間で、第1データ推定性能及び第2データ推定性能のうち推定性能の高いデータソースの推定データを選択してデータサーバに伝送する
ことを特徴とする地上局システム。
【請求項2】
上記プロセッサは、
第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号品質及び第2信号品質に反比例して、第1信号及び第2信号に第1加重値及び第2加重値を適用し、
第1加重値及び第2加重値が適用された第1信号と第2信号が結合した状態でデータをデコードする
請求項1に記載の地上局システム。
【請求項3】
上記プロセッサは、
第1受信部から光学追跡で受信された第1データと第2受信部からRF信号追跡で受信された第2データを基底帯域で処理するよう構成されたデータ処理部;及び、
第1データ及び第2データのうち少なくとも1つをフォーマットし、第1データ及び第2データのフォーマット及び同期化時点を一致させるように構成されたデータ再フォーマット部を含む
請求項1に記載の地上局システム。
【請求項4】
第2受信部の復調器は、
第2受信部から受信された第2信号を宇宙通信のためのCCSDSフォーマットで復調された第2データをデータ処理部に伝達し、
データ再フォーマット部は基底帯域で処理された第1データをCCSDSフォーマットでフォーマットする
請求項3に記載の地上局システム。
【請求項5】
上記プロセッサは、
フォーマット及び同期化時点が一致した第1データ及び第2データに係る信号品質及びデータ推定性能に基づき、第1データ及び第2データのいずれかを選択し、データサーバに伝送するように構成された最適ソースデータ選択部を含む
請求項3に記載の地上局システム。
【請求項6】
第1アンテナは光信号を通じて衛星を追跡し、衛星とLOS通信を行うように構成された地上局テレスコープ(ground station telescope)で、
第2アンテナはRF信号を介して衛星を追跡し、衛星と通信を行うように構成された地上局アンテナ(グランツーマン)である
請求項1に記載の地上局システム。
【請求項7】
衛星に光信号を送信するよう構成された第1送信部;及び、
衛星にRF信号を送信するよう構成された第2送信部を含み、
第1受信部及び第1送信部は第1通信部を構成し、第2受信部及び第2送信部は第2通信部を構成し、
第1アンテナ及び第2アンテナは、同一方向を指向するように構成され、光信号である第1信号及びRF信号である第2信号の受信信号品質が全て臨界値以下であれば、第2アンテナの指向方向を変更する
請求項1に記載の地上局システム。
【請求項8】
第1通信部及び第2通信部と動作可能に結合し、第1受信部及び第2受信部から受信された第1信号及び第2信号をモニタリングし、第1アンテナ及び第2アンテナの指向方向を制御するように構成されたモニタリング制御部を含み、
上記モニタリング制御部は、
第1アンテナ及び第2アンテナが同一の第1方向を指向するように第1アンテナ及び第2アンテナを制御し、
第1信号及び第2信号の受信信号品質がいずれも臨界値以下であれば、第2アンテナの指向方向を第2方向に変更し、衛星とNLOS通信を行うよう第2アンテナを制御する
請求項7に記載の地上局システム。
【請求項9】
上記プロセッサは、
第1信号の受信信号品質がしきい値以上であれば、第1受信部により衛星から光信号を第1方面で受信して衛星とLOS(Line of Sight wave)通信を行い、
第2受信部を介して衛星からRF信号を第2方面で受信し、衛星とNLOS(Non Line of Sight wave)通信を行う
請求項7に記載の地上局システム。
【請求項10】
地上局システム(ground station system)によって行われるRF-FSO連携方法において、
衛星からデータを含む光信号を受信するように第1アンテナを含む第1受信部を制御する光信号受信制御過程;
衛星からデータを含むRF信号を受信するよう、第2アンテナを含む第2受信部を制御するRF信号受信制御過程;
第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを用いて、衛星から伝送されたものと判断されたデータを推定するデータ推定過程;及び、
衛星から伝送されたと判断された推定データをデータサーバに伝送する推定データ伝送過程を含み、
上記データ推定過程は、
第1受信部から受信された光信号である第1信号の第1信号品質及び第2受信部から受信されたRF信号の第2信号の第2信号品質のうち高い信号品質を判断する信号品質判断過程を含み、
第1信号品質及び第2信号品質のいずれかが臨界値以下であれば、上記データ推定過程において、第1信号品質及び第2信号品質のうち高い信号品質に対応した信号を用いて衛星から伝送されたデータを推定し、
第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号から推定された第1データ推定性能と第2信号から推定された第2データ推定性能とを比較するデータ推定性能の比較過程を加えて、
上記推定データ伝送過程で、
異なる推定データを持つ特定の時間区間で、第1データ推定性能及び第2データ推定性能のうち推定性能の高いデータソースの推定データを選択してデータサーバに伝送する
ことを特徴とするRF-FSO連携方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF-FSO連携方法に関するものである。より詳細には、RF-FSO連携方法及びそれを行う地上局システムに関することである。
【背景技術】
【0002】
人工衛星(artificial satellite)は、地球周辺を所定の円または楕円軌道に沿って飛行移動できる物体を意味する。人工衛星は、衛星発射体(launch vehicle)に搭載された後打ち上げられ、宇宙空間上の所定の軌道に進入して軌道内であらかじめ定義された各種動作を遂行することができる。人工衛星は、軌道に沿って地球周辺を回転しながら、地上の複数の通信/電子装置(例えば、衛星アンテナ及びこれに接続されたセットトップボックス等)等と相互にデータのやり取りや、及び/又は地表面等を観測する機能を行う。
【0003】
このような人工衛星又は衛星発射体の管制(例えば、監視又は制御など)及び人工衛星が収集した資料の受信のために、地上には宇宙地上局(space ground station)が設置される。宇宙地上局は、標準化された周波数と通信プロトコルをベースに人工衛星等との通信を行い、衛星に特定の動作(例えば、撮影)に対する制御信号を伝送するか、あるいは衛星が特定の動作に基づいて取得したデータ(例えば、地表面に対する映像データ)を受信し、それに対する各種処理を行うことができる。
【0004】
最近、地球周辺にはおよそ1600個程度の人工衛星が運用されており、宇宙市場の開拓が政府主導から民間主導に変化するにつれ、地球周辺の人工衛星の個数はさらに増加すると判断されている。
【0005】
しかし、地上局と人工衛星との間でやり取りするデータ容量が増加することにより、人工衛星が地上局の送受信領域を通過する時間内にRF(Radio Frequency)通信を介してあらゆるデータを送受信することが困難になってきている。最近では、フリースペース光学(FSO、Free Space Optics)すなわち、レーザーを活用した通信を導入する研究が進められている。
【0006】
しかし、レーザーを用いた通信については、地球と衛星の間に雲が存在したり、雨が降るなどの気象状況により通信性能が低下するといった問題点がある。したがって、このような気象状況においても通信リンクを維持するための方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、複数の衛星通信リンクを持つRF-FSO連携手法及びそれを行う地上局システムを提供することである。
また、本発明の目的は、劣悪な気象状況の中でも衛星通信へのリンクを維持する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題解決に向けて、RF-FSO連携手法を行う地上局システムが提供される。上記地上局システムは、衛星からデータを含む光信号を受信するように構成された第1アンテナを含む第1受信部; 衛星からデータを含むRF信号を受信するよう構成された第2アンテナを含む第2受信部;及び第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを用いて、衛星から伝送されたと判断されたデータを推定し、データサーバへ伝送するよう構成されたプロセッサを含め、いずれかの衛星通信リンク性能が低下する場合にも、他の衛星通信リンクにより衛星通信を提供することが可能である。
【0009】
この実施例によれば、上記プロセッサは、第1受信部から受信された光信号である第1信号の第1信号品質及び第2受信部から受信されたRF信号の第2信号の第2信号品質のうち高い信号品質を判断し、第1信号品質及び第2信号品質のいずれかが臨界値以下であれば、第1信号品質及び第2信号品質のうち高い信号品質に対応する信号を用いて衛星から伝送されたデータを推定することができる。
【0010】
この実施例によれば、上記プロセッサは第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号から推定された第1データ推定性能と第2信号から推定された第2データ推定性能を比較し、異なる推定データを持つ特定時間区間において、第1データ推定性能及び第2データ推定性能のうち推定性能が高いデータソースの推定データを選択し、データサーバに伝送することができる。
【0011】
この実施例によれば、上記プロセッサは第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号品質及び第2信号品質に反比例して、第1信号及び第2信号に第1加重値及び第2加重値を適用し、第1加重値及び第2加重値が適用された第1信号と第2信号が結合した状態でデータをデコードすることができる。
【0012】
この実施例によれば、上記プロセッサは第1受信部から光学追跡で受信された第1データと、第2受信部からRF信号追跡で受信された第2データを基底帯域で処理するように構成されたデータ処理部;及び第1データ及び第2データのうち少なくとも一つをフォーマットし、第1データ及び第2データのフォーマット及び同期化時点を一致させるように構成されたデータ再フォーマット部を含むことができる。
【0013】
この実施例によれば、第2受信部の復調機は、第2受信部から受信された第2信号を宇宙通信のためのCCSDSフォーマットで復調された第2データをデータ処理部に伝達し、データ再フォーマット部は、基底帯域で処理された第一データをCCSDSフォーマットでフォーマットすることができる。
【0014】
この実施例によれば、上記プロセッサは、フォーマット及び同期化のタイミングが一致した第1データ及び第2データに関連する信号品質及びデータ推定性能に基づき、第1データ及び第2データのいずれかを選択し、データサーバに伝送するように構成された最適ソースデータ選択部をさらに含めることができる。
【0015】
この実施例によれば、第1アンテナは光信号を介して衛星を追跡し、衛星とLOS通信を行うように構成された地上局テレスコープ(ground station telescope)であり、第2アンテナはRF信号を介して衛星と通信を行うように構成された地上局アンテナ(ground station antenna)である。
【0016】
この実施例によれば、上記地上局システムは、衛星に光信号を送信するように構成された第1送信部;及び衛星にRF信号を送信するように構成された第2送信部をさらに含むことができる。第1受信部及び第1送信部は第1通信部を構成し、第2受信部及び第2送信部は第2通信部を構成し、第1アンテナ及び第2アンテナは同一の方向を指向するように構成され、光信号である第1信号及びRF信号である第2信号の受信信号の品質がいずれも臨界値以下であれば、第2アンテナの指向方向を変更することができる。
【0017】
この実施例によれば、第1通信部及び第2通信部と動作可能に結合され、第1受信部及び第2受信部から受信された第1信号及び第2信号をモニタリングし、第1アンテナ及び第2アンテナの指向方向を制御するように構成されたモニタリング制御部をさらに含めることができる。上記モニタリング制御部は、第1アンテナ及び第2アンテナが同一の第1アンテナ及び第2アンテナを制御し、第1信号及び第2信号の受信信号品質が全て臨界値以下であれば、第2アンテナの指向方向を第2方向に変更し、衛星とNLOS(non line of sight)通信を行うよう第2アンテナを制御することができる。
【0018】
この実施例によれば、上記プロセッサは、第1信号の受信信号品質が臨界値以上であれば、第1受信部により衛星から光信号を第1方面で受信して衛星とLOS通信を行い、第2受信部により衛星からRF 信号を第2 方面で受信して衛星とNLOS 通信を行うことができる。
【0019】
本発明の異なる様相に応じたRF-FSO連携方法が提供される。上記の方法は、地上局システム(ground station system)により行われ、上記方法は、衛星からデータを含む光信号を受信するよう、第1アンテナを含む第1受信部を制御する光信号受信制御過程;衛星からデータを含むRF信号を受信するよう、第2アンテナを含む第2受信部を制御するRF信号受信制御過程;第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを用いて、衛星から伝送されたものと判断されたデータを推定するデータ推定の過程;及び衛星から伝送されたと判断された推定データをデータサーバーへ転送する推定データ転送の過程を含む。
【0020】
この実施例によれば、上記データ推定過程は、第1受信部から受信された光信号である第1信号の第1信号品質及び第2受信部から受信されたRF信号の第2信号の第2信号品質のうち高い信号品質を判断する信号品質判断過程をさらに含むことができる。第1信号品質及び第2信号品質のいずれかが 臨界値以下であれば、上記データ推定過程において、第1信号品質及び第2信号品質のうち高い信号品質に対応した信号を用いて衛星から伝送されたデータを推定することができる。
【0021】
この実施例によれば、上記データ推定過程は、第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、 第1信号から推定された第1データ推定性能と第2信号から推定された第2データ推定性能を比較するデータ推定性能の比較過程を加えることができる。上記の推定データ伝送の過程で、異なる推定データを持つ特定の時間区間において、第1データ推定性能及び第2データ推定性能のうち推定性能の高いデータソースの推定データを選択し、データサーバに伝送することができる。
【発明の効果】
【0022】
上述のRF-FSO連携方法を行う地上局システムによると、いずれかの衛星通信リンク性能が低下する場合でも、他の衛星通信リンクから衛星通信を提供することが可能である。
【0023】
上述のRF-FSO連携方法を行う地上局システムによると、地球と衛星の間に雲が存在したり、雨が降るなどの劣悪な気象状況でも衛星通信リンクを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】人工衛星及び宇宙地上局の一例を説明するための図面である。
図2】人工衛星の移動の一例を説明するための図面である。
図3】本発明による朝鮮半島とその周辺の上空に軌道が形成された人工衛星とその軌道を示した図面である。
図4】本発明による Free-space optical(FSO)衛星ネットワークの構成を示した図面である。
図5】本発明に基づくFSOミッションを行うためのハイブリッドOGS概念を実装するためのシステム構成を示す。
図6】本発明に基づくFSOミッションを行うためのハイブリッドOGS概念を実装するためのシステム構成を示す。
図7】本発明に基づくRF-FSO連携方法の流れ図を示す。
図8】本発明に基づくRF-FSO連携方法によるデータ推定過程の詳細な流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の明細書全体において同一参照符号は、特段の事情がない限り、同一構成要素をいう。以下において用いられる「部」が付加された用語は、ソフトウェア又はハードウェアで実装されることがあり、その実施例によっては、「部」が一つの部品として実装されることや、一つの「部」が複数の部品で実装されることも可能である。
【0026】
明細書全体である部分が他の部分と連結されているとする時、これはある部分と違う部分によって物理的連結を意味することもでき、または電気的に連結されたことを意味することもできる。なお、ある部分が異なる部分を含むとしたとき,これは,特に反対の記載がない限り、別の部分以外の別の部分を除外するものではなく,設計者の選択によって別の部分をさらに含むことができることを意味する。
【0027】
第1や第2などの用語は、一の部分を他の部分から区別するために用いられるものであって、特に記載がない以上、これらが順次的な表現を意味するものではない。なお、単数の表現は文脈上明らかに例外がない限り、複数の表現を含むことができる。
【0028】
以下、図1ないし図9を参照し、RF-FSO連携方法及びこれを行う地上局システムの具体的な実施例について説明する。
図1は、人工衛星及び地上局の一例を説明するための図面である。
【0029】
少なくとも一つの地上局(200:200-1 ないし200-N)は、少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)と所定の通信プロトコルをベースに通信を遂行できるようになる。
【0030】
この実施例によれば、いずれかの地上局(200-1ないし200-Nのいずれか)が複数の人工衛星(300-1ないし300-M)と通信を行うこともでき、及び/または複数の地上局(200-1ないし200-N)がいずれかの人工衛星(300-1ないし300-Mのいずれか)と通信を行うように用意されることも可能である。
【0031】
例えば、図1に図示されているように、第1地上局(200-1)は、複数の人工衛星(300-1 ないし300-3)のうち、第1人工衛星(300-1)及び第2人工衛星(300-2)と通信可能に連結されている可能性があり、これにより第1人工衛星(300-1)及び第2人工衛星(300-2)に制御信号を伝送し、又は第1人工衛星(300-1)及び第2人工衛星(300-2)から衛星データを受信できるようにすることができる。この場合、第1地上局(200-1)は第3人工衛星(300-3)とは通信を行うことができず、これにより第3人工衛星(300-3)とは制御信号の伝送やデータの受信を行うことができないこともあり得る。なお、第二地上局(200-2)は、第1人工衛星ないし第3人工衛星(300-1ないし300-3)と通信可能に連結され、第3地上局(200-3)は第2人工衛星(300-2)及び第3人工衛星(300-3)と通信可能に連結されており得る。
【0032】
これにより、第1人工衛星(300-1)は、第1地上局(200-1)及び第2地上局(200-2)と通信を行い、第2人工衛星(300-2)は、第2地上局(200-2)及び第3地上局(200-3)と通信を行い、第3人工衛星(300-3)は、第2地上局(200-2)及び第3地上局(200-3)と通信を行うこととなる。
【0033】
もちろん、図1に 図示された地上局(200-1ないし200-3)と人工衛星(300-1ないし300-3)の間の関係は例示的なものであり、その他にも多様な方法でこれら(200-1ないし200-3、300-1ないし300-3)は通信可能につながる。
【0034】
実施例によって、特定の少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)は、特定の少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)とのみ通信を行うように設けられたり、逆に特定の少なくとも一つの人工衛星(300-1ないし300-M)は、特定の少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)とのみ通信を行うことになり得る。
【0035】
また、少なくとも一つの地上局(200-1 ないし200-N)は、相対的に近距離で移動している少なくとも一つの人工衛星(300:300-1 ないし300-M)とのみ通信を遂行するように設計されることも可能である。
【0036】
言い換えれば、少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)に対応する少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)は、両者間の距離を基に決定され得る。
【0037】
図2は、人工衛星の移動の一例を説明するための図面である。
図2に図示されたところによると、人工衛星(300-1、300-2)それぞれは、地球(10)の大気圏に形成された所定の軌道(9-1、9-2)に沿って移動する。この場合、人工衛星(300-1、300-2)の軌道(9-1、9-2)は極軌道であり得る。極軌道とは、北極(11)又はその周辺と、南極(12)又はその周辺を通過して赤道と直交する軌道を意味する。このように人工衛星(300-1、300-2)が極軌道に沿って移動する場合、地球の自転により人工衛星(300-1、300-2)は概ね地球上のほとんどの区域上を通ることが可能となる。したがって、もし人工衛星(300-1、300-2)が地上撮影装備を具備した場合であれば、人工衛星(300-1、300-2)は地表面上のかなり多くの部分を撮影できることになる。
【0038】
この実施例によると、人工衛星(300)は小型または超小型人工衛星を含むことができ、例えば、キューブ衛星(キューブセット、cubesat)であることができる。キューブ衛星は体積がおおよそ10センチ^3以下で、質量が1.33キロ以下の超小型人工衛星を意味する。キューブ衛星は、小型で軽量でありながら、カメラ等の装着が可能であり、かつ製作・発射コストが相対的に安価なメリットがあるが、データを保存するためのスペースが相対的に不足しているデメリットが存在する。このような理由で、キューブ衛星は収集されたデータを短期間だけ保管し、一定期間が過ぎれば廃棄または削除させる。
【0039】
以下、図3ないし図8を参照し、上述の地上局と衛星との間のRF-FSO連携方法を行う地上局システム(ground station system)について説明する。ここで、RF-FSO は、radio frequency(RF)and free-space optical(FSO)を指す。
【0040】
したがって、RF-FSO連携方法は、地上局(200)と衛星(300)の間の光リンク(optical link)と無線周波数リンク(RF link)を通じて地上局(200)と衛星(300)の間の通信方法を意味する。
【0041】
これに関連して、図3は、本発明に伴う朝鮮半島とその周辺の上空に軌道が形成された人工衛星とその軌道を示した図面である。図3に関連して、SkySat-17ないしSkySat-19は2020年に打ち上げられた人工衛星である。具体的には、Planetの3つの商用 SkySat(SkySat-16、-17 および-18)は Falcon 9 ロケットを介して58個のSpaceX Starlink-8 衛星スタックの上で、2020年6月13日に打ち上げられた。また、他の3つの人工衛星に当たるSkySat-19、-20および-21)は、2020年8月18日にもう一つのSpaceX任務を遂行した。
【0042】
Maxar Technologiesで製作した各SkySat衛星の重さは、発射時約110kgである。SkySatsの光学機器は、50cmの解像度で地球のイメージを生成することができる。 一方、SkySat-17ないしSkySat-19以外にもICEYE-X2、TERRA、AQUAなどの人工衛星が朝鮮半島とその周辺の上空に軌道が形成されている。
【0043】
一方、図4は、本発明によるFree-space optical(FSO)衛星ネットワークの構成を示した図面である。図4を参照すると、FSO衛星ネットワークは衛星(300)と複数の地上局等(200-1ないし200-3)を含む。ここで、複数の地上局(200-1 ないし200-3)の個数は便宜上3個で表示したものであり、任意のN 個の地上局(200-1 ないし200-N)で実装可能である。
【0044】
複数の地上国(200-1ないし200-3)は、それぞれ光リンク(optical link)と無線周波数リンク(RF link)を通じて衛星(300)と無線通信を遂行できる。例えば、地上局(200-1)は光通信装置(200a)とRF通信装置(200b)を介して衛星(300)と無線通信を行うことができる。
【0045】
本発明によるRF-FSO連携方法を遂行するため、光学地上局(optical ground station system、OGS)開発及び光学衛星端末(optical satellite terminal、OST)との相互運用性等が要求される。また、サイトダイバーシティ(site diversity)、認知ネットワーキング(cognitive networking)およびハイブリッドレーザー通信/無線周波数(RF)ネットワーク(hybrid lasercom/Radio Frequency(RF)networks)と同じ大気緩和技法(atmospheric mitigation techniques)が要求される。
【0046】
光通信装置(200a)とRF通信装置(200b)は、ダイバーシティネットワーク制御器(500)によって管理・制御されることがある。これにより、地上局システムは、ダイバーシティネットワーク制御器(500)により管理・制御されるダイバーシティネットワークを介して衛星(300)と複数の衛星通信リンクを用いた通信サービスの提供を受けることができる。
【0047】
一方、図5及び図6は、本発明に基づくFSOミッションを遂行するためにハイブリッドOGS概念を実装したシステム構成を示す。図5に、本発明に基づく地上局システムの通信簿詳細構成を示す。一方、図6は、本発明に基づく地上局システムの基底帯域におけるプロセッサ詳細構成を示す。
【0048】
図5及び図6を参照すると、RF-FSO連携方法を行う地上局システムは、第1通信部(1000a)と第2通信部(1000b)とプロセッサ(1500)を含むように構成される。ここで、第1通信部(1000a)は第1送信部(1100a)と第1受信部(1200a)を含むように構成される。一方、第2通信部(1000b)は第2送信部(1100b)と第2受信部(1200b)を含むように構成される。これに関連して、地上局と衛星間の衛星通信は、主に下りリンク(down-link、DL)により行われる可能性がある。従って、RF-FSO連携方法を行う地上局システムは、第1受信部(1200a)、第2受信部(1200b)及びプロセッサ(1500)を含む構成となり得る。
【0049】
第1通信部(1000a)は、衛星(300)との光通信リンクにより衛星(300)と光通信を行うことができる。このため、第1通信部(1000a)は衛星からデータを含む光信号を受信するように構成された第1アンテナ(1010)を含むことができる。これに関連して、第1受信部(1200a)は衛星からデータを含む光信号を受信するように構成された第1アンテナ(1010)を含むことができる。第1アンテナは(1010)光信号を通じて衛星を追跡し、衛星とLOS通信を行うように構成された地上局テレスコープ(ground station telescope)である。
【0050】
第1送信部(1100a)は衛星で光信号を送信するように構成されることができる。第1送信部(1100a)はエラーコーディング部(error coding unit)、レーザーダイオード(laser diode)及び光増幅器(optical amplifier)を含むように構成可能である。第1受信部(1200a)は、衛星から光信号を受信するように構成されることができる。第1受信部(1200a)は、光電置増幅器(optical pre-amplifier)、ポート検出器(photodetector)及びエラーデコーダ(error decoder)を含む構成可能である。
【0051】
第2通信部(1000b)は、衛星(300)との光通信リンクにより衛星(300)とRF通信を行うことができる。このため、第1通信部(1000a)は、衛星からデータを含むRF信号を受信するよう構成された第2アンテナ(1020)を含むことができる。これに関連して、第1受信部(1200a)は、衛星からデータを含むRF信号を受信するように構成された第2アンテナ(1020)を含むことができる。第2アンテナ(1020)はRF信号を通じて衛星を追跡し、衛星と通信を行うために構成された地上局アンテナ(ground station antenna)である。
【0052】
第2送信部(1100b)は、衛星でRF信号を送信するように構成されることができる。第2送信部(1100b)は、変調器(modulator)、上り変換器(up converter)及び高出力増幅器(high power amplifier, HPA)を含むように構成可能である。第1受信部(1200b)は、衛星からRF信号を受信するよう構成されることができる。第2受信部(1200b)は、低雑音増幅器(low noise amplifier、LNA)、下り変換器(down converter)、及び復調器(demodulator)を含む構成可能である。
【0053】
プロセッサ(1500)は、第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを用いて、衛星から伝送されたと判断されたデータを推定し、データサーバ(100)へ伝送するよう構成されることができる。
【0054】
プロセッサー(1500)はデータ処理部(1510)、データ再フォーマッティング部(1520)、及び最適ソースデータ選択部(1530)を含む構成が可能である。データ処理部(1510)は、第1受信部から光学追跡で受信された第1データと、第2受信部からRF信号追跡で受信された第2データを基底帯域で処理するよう構成されることができる。ここで、衛星から同一のデータが異なる通信リンクを介して配信されるダイバーシティ手法が適用されれば、第1データと第2データは同一のデータから構成される。反面、衛星から異なるデータが異なる通信リンクを介して伝達される多重入出力(multi-input multi-output、MIMO)手法が適用されれば、第1データと第2データは異なるデータから構成される。第1データと第2データは同一のデータから構成されるダイバーシティ手法が適用されても、異なる通信リンク(チャネル)を介して伝達され、デコード時に異なるデータにデコードされることがある。したがって、ダイバーシティ手法が適用されてもデコードされたデータが異なる場合、どちらのデータを選択するかが問題となる。また、ダイバーシティ手法が適用された場合、二つのリンクを通じて受信されデコードされたデータが同一値となるように、二つのリンクによる信号処理時の加重値をどのように設定するかが問題となる。
【0055】
データ処理部(1510)は、第1受信部から光学追跡で受信された第1データと、第2受信部からRF信号追跡で受信された第2データを基底帯域で処理することから構成される。データ再フォーマット部(1520)は、第1データ及び第2データのうち少なくとも1データをフォーマットし、第1データ及び第2データのフォーマット及び同期化の時点を一致させるように構成される。これに関連して、第2受信部(1200b)の復調機は第2受信部から受信された第2信号を宇宙通信のためのCCSDSフォーマットで復調された第2データをデータ処理部(1510)に伝達することができる。データ再フォーマット部(1520)は、基底帯域で処理された第1データをCCSDSフォーマットでフォーマットすることができる。これにより、データ再フォーマット部(1520)を介して出力される第1データ及び第2データは、同一のデータフォーマットで提供されることがある。一例として、データ再フォーマット部(1520)を介して出力される第1データ及び第2データは、同一のデータフォーマットであるCCSDS フォーマットで提供されることがあるが、データフォーマットはこれに限られるものではない。
【0056】
最適ソースデータ選択部(1530)は、フォーマット及び同期化時点が一致した第1データ及び第2データに係る信号品質及びデータ推定性能に基づき、第1データ及び第2データのいずれか一つを選択する。最適ソースデータ選択部(1530)は、第1データ及び第2データの中から選択された少なくとも1つをデータサーバに転送するように構成される。
【0057】
したがって、ダイバーシティ手法が適用された場合、デコードされたデータが両リンクに対して異なる場合、最適ソースデータ選択部(1530)は、第1データ及び第2データに係る信号品質及びデータ推定性能に基づき、第1データ及び第2データのいずれかを選択する。反面、第1データおよび第2データが異なるMIMO モードの場合、最適ソースデータ選択部(1530)を第1データおよび第2データのいずれかを選択することなく第1データおよび第2データをすべてデータサーバ(100)に伝達する。
【0058】
したがって、衛星(300)との通信遂行時、制御チャンネルまたは制御データにより、所定の時間区間内でダイバーシティモードが適用されるか、またはMIMOモードが適用されるかがシグナリングされることがある。または衛星(300)との通信を行う際に、第1および第2リンク中の安定的なリンクにより、以降の時間フレームでの通信モード(すなわち、ダイバーシティモードまたはMIMOモード)をシグナリングすることができる。
【0059】
これに関連して、プロセッサ(1500)は、第1受信部から受信された光信号である第1信号の第1信号品質及び第2受信部から受信されたRF信号の第2信号の第2信号品質のうち高い信号品質を判断することができる。プロセッサ(1500)は、第1信号品質及び第2信号品質のいずれかが臨界値以下であれば、第1信号品質及び第2信号品質のうち高い信号品質に対応した信号を用いて衛星から伝送されたデータを推定することができる。ここで、信号品質は受信信号強度、SNR、SIR、SINR のいずれかでありうるが、これに限られるものではない。
【0060】
一方、プロセッサ(1500)は、第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号から推定された第1データ推定性能と第2信号から推定された第2データ推定性能とを比較することができる。プロセッサ(1500)は異なる推定データを持つ特定の時間区間で、第1データ推定性能や第2データ推定性能のうち、推定性能の高いデータソースの推定データを選択し、データサーバ(100)に伝送できる。 前述の動作に関しては、プロセッサ(1500)は特定の時間区間においてダイバーシティモードが適用されたもので、通信モードに関して制御チャンネル制御データにより情報を獲得することができる。
【0061】
プロセッサー(1500)は信号品質に比例または反比例して加重値を別々に設定することで、データ受信及びデコードを行うことができる。プロセッサー(1500)は、第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、第1信号品質及び第2信号品質に反比例して、第1信号及び第2信号に第1加重値及び第2加重値を適用することができる。プロセッサ(1500)は、第1加重値及び第2加重値が適用された第1信号と第2信号が結合された状態でデータをデコードすることができる。一例として、同一のデータが伝送されたダイバーシティモードにおいて、同一の基底帯域を共有するという仮定の下、両チャンネル間のチャンネル状態の 不均衡を解消するよう加重値を設定できる。
【0062】
プロセッサー(1500)は、第1信号品質及び第2信号品質のいずれかを臨界値以上であれば、第1信号品質及び第2信号品質に比例して、第1信号及び第2信号に第1加重値及び第2加重値を適用することができる。プロセッサ(1500)は、第1加重値及び第2加重値が適用された第1信号と第2信号が結合された状態でデータをデコードすることができる。一例として、同一のデータが伝送されたダイバーシティモードにおいて、両チャンネルの間でチャンネル状態が不均衡になり、どちらかのチャンネルを通じて伝えられたデータさえ信頼できれば、高い信号品質を持つ信号に対してより高い加重値を行うこともできる。
【0063】
一方、RF-FSO連携方法を行う地上局システム(ground system)は、モニタリング制御部(1600)をさらに含むことができる。モニタリング制御部(1600)は、第1通信部(1000a)及び第2通信部(1000b)と動作可能に結合することができる。モニタリング制御部(1600)は、第1受信部(1200a)及び第2受信部(1200b)から受信された第1信号及び第2信号をモニタリングし、第1アンテナ(1010)及び第2アンテナ(1020)の指向方向を制御するように構成することができる。これに関連して、第1アンテナ(1010)及び第2アンテナ(1020)は同一方向を指向するように構成されることができる。一方、光信号である第1信号及びRF信号である第2信号の受信信号品質がすべて臨界値以下であれば、第2アンテナ(1020)の指向方向を変更することができる。
【0064】
このため、モニタリング制御部(1600)は、第1アンテナ(1010)及び第2アンテナ(1020)が同一の第1方向を指向するように第1アンテナ及び第2アンテナを制御することができる。モニタリング制御部(1600)は、第1信号及び第2信号の受信信号品質がいずれも臨界値以下であれば、第2アンテナの指向方向を第2方向に変更し、衛星とNLOS通信を行うよう第2アンテナを制御できる。
【0065】
これに関連して、プロセッサ(1500)及び/又はモニタリング制御部(1600)は、第1信号の受信信号品質が臨界値以上であれば、第1受信部により衛星から光信号を第1方面で受信し、衛星とLOS通信を行うことができる。プロセッサ(1500)及び/又はモニタリング制御部(1600)は、第2受信部により衛星からRF信号を第2方面で受信し、衛星とNLOS通信を行うことができる。
【0066】
以上では、本発明の一形態に沿ったRF-FSO連携方法を行う地上局システムについて説明した。以下では、本発明の異なる様相に基づくRF-FSO連携方法について説明する。これに関連して、前述のすべての技術的特徴と構成が、以下のRF-FSO連携方法を行う地上局システムに対して適用されることがある。
【0067】
これに関連して、図7は本発明に基づくRF-FSO連携方法の流れ図を示す。一方、図8では、本発明によるRF-FSO連携方法によるデータ推定過程の詳細な流れ図を示す。
【0068】
図5ないし図7を参照すると、本発明によるRF-FSO連携方法は、地上局システム(ground station system)によって遂行できる。RF-FSO連携方法は、光信号受信制御過程(S100)、RF信号受信制御過程(S200)、データ推定過程(S300)及び推定データ伝送過程(S400)を含むように構成されることがある。これに関連して、前述のプロセスは並べた順序に限定されるものではない。これに関連して、光信号受信制御過程(S100)及びRF信号受信制御過程(S200)は同時に行われ、衛星から光リンクとRFリンクを介して第1信号及び第2信号が同時に受信されるように制御することができる。
【0069】
光信号受信制御過程(S100)において、衛星からデータを含む光信号を受信するよう第1アンテナを含む第1受信部を制御することができる。RF信号受信制御過程(S200)において、衛星からデータを含むRF信号を受信するよう第2アンテナを含む第2受信部を制御できる。
【0070】
データ推定過程(S300)において、第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを用いて、衛星から伝送されたと判断されたデータを推定できる。推定データ伝送過程(S400)で、衛星から伝送されたものと判断された推定データをデータサーバに伝送できる。
【0071】
図5ないし図8を参照すると、データ推定過程(S300)は信号品質判断過程(S310)、データ推定性能比較過程(S320)をデータ推定過程(S330)を含むように構成されることができる。信号品質判断過程(S310)において、第1受信部から受信された光信号である第1信号の第1信号品質及び第2受信部から受信されたRF信号の第2信号の第2信号品質のうち高い信号品質を判断することができる。ここで、第1信号品質及び第2信号品質をそれぞれSNR1 及びSNR2 と表示しているが、信号品質はSNRに限定されるものではない。信号品質は、受信信号強度、SNR、SIR及びSINRのいずれか又はこれらの組み合わせであり得る。第1及び第2通信リンクにおける第1及び第2信号品質が相互に比較されること、又はそれぞれの信号品質が(それぞれの)臨界値と比較されることがある。すなわち、第1信号品質及び第2信号品質のいずれも臨界値(Th)と比較されるか、またはこれらがそれぞれ第1及び第2臨界値(Th1, Th2)と比較されることもあり得る。
【0072】
これにより、第1信号品質及び第2信号品質のいずれかが臨界値以下であれば、データ推定過程(S330)において、第1信号品質及び第2信号品質のうち高い信号品質に対応する信号を用いて衛星から伝送されたデータを推定することができる。一方、第1信号品質及び第2信号品質の両方が臨界値以下であれば、いずれの通信リンクも信頼できないため、光信号受信制御過程(S100)以下のステップを再度繰り返すことが可能である。
【0073】
第1信号品質及び第2信号品質ともに臨界値以上であれば、データ推定性能比較過程(S320)において、第1信号から推定された第1データ推定性能と第2信号から推定された第2データ推定性能とを比較できる。これにより、推定データ伝送過程(S400)において、異なる推定データを持つ特定時間区間において、第1データ推定性能及び第2データ推定性能のうち推定性能の高いデータソースの推定データを選択し、データサーバに伝送することができる。
【0074】
以上では、RF-FSO連携方法およびそれを行う地上局システムについて説明した。上述の実施例に基づくRF-FSO連携方法及びこれを行う地上局システムの技術的効果は、以下の通りである。
【0075】
上述のRF-FSO連携方法を行う地上局システムによると、地球と衛星の間に雲が存在したり、雨が降るなどの劣悪な気象状況でも衛星通信リンクを維持することができる。
【0076】
上述のRF-FSO連携方法を行う地上局システムによると、いずれかの衛星通信リンク性能が低下する場合でも、他の衛星通信リンクから衛星通信を提供することが可能である。
【0077】
上述の実施例に沿ったRF-FSO連携方法は、コンピュータ装置によって駆動できるプログラムの形態で実装されることがある。ここでプログラムは、プログラム命令、データファイル及びデータ構造などを単独でまたは組み合わせて含めることができる。プログラムは、機械語コードや高度な言語コードを用いて設計・製作されたものであることができる。プログラムは上述のRF-FSO 連携方法を実現するために特別に設計されたものでもあり、コンピュータソフトウェア分野において通常の技術者に対して既告知され使用可能な各種関数や定義を利用して実装されたものでもある。 また、ここでコンピュータ装置は、プログラムの機能を実現可能にするプロセッサやメモリなどを含めて実装されたものであり、必要に応じて通信装置をさらに含むこともできる。
【0078】
上述のRF-FSO 連携方法を実装するためのプログラムは、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されることがある。コンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、例えば、ハードディスクやフロッピーディスクのような磁気ディスク保存媒体、磁気テープ、コンパクトディスクやDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光記録媒体及びローム、ラム又はフラッシュメモリなどの半導体保存装置などコンピュータ等の呼び出しに応じて実行される特定のプログラムを保存可能な多様な種類の装置を含むことができる。
【0079】
以上、RF-FSO連携方法及びこれを行う地上局システムの複数の実施例について説明したが、RF-FSO連携方法及びこれを行う地上局システムは、単に上述の実施例に限定されるものではない。当該技術分野において通常の知見を有する者が上述の実施例を基に修正・変形して実装可能な様々な装置や手法についても、上述の装置及び手法の一例となり得る。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの要素が説明されたところと異なる形で結合または組み合わせられたり、他の構成要素や均等物によって置き換えられたとしても、上述のRF-FSO連携方法及びこれを行う地上局システムのことの実施例となり得る。

【要約】
【課題】RF-FSO連携方法を行う地上局システムを提供すること。
【解決手段】地上局システムは、衛星からデータを含む光信号を受信するように構成された第1アンテナを含む第1受信部;衛星からデータを含むRF信号を受信するように構成された第2受信部;及び第1受信部から受信されデコードされたデータと第2受信部から受信されデコードされたデータを利用して、衛星から伝送されたと判断されたデータを推定し、データサーバに伝送するよう構成されたプロセッサを含め、一つの衛星通信リンク性能が低下した場合でも他の衛星通信リンクから衛星通信を提供することが可能である。
【選択図】図5

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8