(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】トイレブラシ
(51)【国際特許分類】
A47K 11/10 20060101AFI20220104BHJP
A46B 5/00 20060101ALI20220104BHJP
A46B 15/00 20060101ALI20220104BHJP
A47L 13/10 20060101ALI20220104BHJP
A47L 13/51 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A47K11/10
A46B5/00 A
A46B15/00
A47L13/10 D
A47L13/51
(21)【出願番号】P 2017133678
(22)【出願日】2017-07-07
【審査請求日】2020-07-07
(32)【優先日】2017-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EM
(73)【特許権者】
【識別番号】517143193
【氏名又は名称】ジョセフジョセフ リミティッド
【氏名又は名称原語表記】Joseph Joseph Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100087479
【氏名又は名称】北野 好人
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ アントニー
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3163955(JP,U)
【文献】国際公開第01/060200(WO,A1)
【文献】特開2000-083737(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第2265822(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0121637(US,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0000692(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 11/10
A46B 5/00
A46B 15/00
A47L 13/10
A47L 13/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が把持するためのホルダー部と、前記ホルダー部から下方に伸びる柄部と、前記柄部の端部に設けられたブラシ部とを有するトイレブラシであって、
前記ブラシ部は、前記柄部の前記端部に取り付けられた板状体と、前記板状体の面に設けられた長短のブラシ毛とを有
し、
前記板状体は、平面形状が、縦長の長方形で下端が丸みを帯びた半円形のD字型形状であり、厚さが、前記柄部に取り付けられた上端部分が最も厚く、下端に向かうにつれ薄くなり、下端部分が最も薄く、
前記長短のブラシ毛は、前記板状体の表面と裏面と上端面とに設けられている
ことを特徴とするトイレブラシ。
【請求項2】
請求項1記載の
トイレブラシにおいて、
前記長短のブラシ毛は、前記板状体の前記面上に設けられた複数の長いブラシ毛と、前記複数の長いブラシ毛の間に設けられた複数の短いブラシ毛とを有する
ことを特徴とするトイレブラシ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の
トイレブラシにおいて、
前記ホルダー部と前記柄部との間に設けられ、横方向に広がる鍔部を更に有し、
前記鍔部は、トイレブラシを収納するスタンドの蓋部として機能する
ことを特徴とするトイレブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃箇所に応じてブラシ部を湾曲させることが出来ると共に、必要以上に撓むことを防止することが出来るトイレブラシとして、柄部と柄部の一端に延設されたブラシ部とからなり、柄部とブラシ部との境界に縮径部が設けられ、該縮径部に複数の円板が略等間隔に並設されているトイレブラシが知れている(特許文献1参照)。
【0003】
また、水切り性が良く、便器の開口部の縁裏等の汚れを容易に清掃することができるトイレブラシとして、 柄部に連結した合成樹脂の芯材部と、芯材部の板状体に巻き付けた内層の吸水層と外層の摺擦層とから成る巻付部材とを備え、板状体はその先端部を稍々上方に折曲し、先端部の先方には巻付部材を2つ折りにし、重ね合わせた可撓部を設けたトイレブラシが知られている(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-275886号公報
【文献】特開2015-058160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のトイレブラシでは、トイレを隅々まで隈なく洗うことができず、水切り性も不十分であった。
【0006】
本発明の目的は、トイレを隅々まで隈なく洗うことができ、水切り性が良好なトイレブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトイレブラシは、作業者が把持するためのホルダー部と、前記ホルダー部から下方に伸びる柄部と、前記柄部の端部に設けられたブラシ部とを有するトイレブラシであって、前記ブラシ部は、前記柄部の前記端部に取り付けられた板状体と、前記板状体の面に設けられた長短のブラシ毛とを有することを特徴とする。
【0008】
上述したトイレブラシにおいて、前記長短のブラシ毛は、前記板状体の前記面上に設けられた複数の長いブラシ毛と、前記複数の長いブラシ毛の間に設けられた複数の短いブラシ毛とを有するようにしてもよい。
【0009】
上述したトイレブラシにおいて、前記長短のブラシ毛は、前記板状体の前記面上に設けられた複数の長いブラシ毛と、前記複数の長いブラシ毛の間に設けられた複数の短いブラシ毛とを有するようにしてもよい。
【0010】
上述したトイレブラシにおいて、前記板状体は、平面形状が、縦長の長方形で下端が丸みを帯びた半円形のD字型形状であり、厚さが、前記柄部に取り付けられた上端部分が最も厚く、下端に向かうにつれ薄くなり、下端部分が最も薄く、前記長短のブラシ毛は、前記板状体の表面と裏面と上端面とに設けられているようにしてもよい。
【0011】
上述したトイレブラシにおいて、前記ホルダー部と前記柄部との間に設けられ、横方向に広がる鍔部を更に有し、前記鍔部は、トイレブラシを収納するスタンドの蓋部として機能するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上の通り、本発明によれば、作業者が把持するためのホルダー部と、ホルダー部から下方に伸びる柄部と、柄部の端部に設けられたブラシ部とを有するトイレブラシであって、ブラシ部は、柄部の端部に取り付けられた板状体と、板状体の面に設けられた長短のブラシ毛とを有するので、トイレを隅々まで隈なく洗うことができ、良好な水切り性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態によるトイレブラシの斜視図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施形態によるトイレブラシの正面図及び背面図である。
【
図3】
図3は本発明の一実施形態によるトイレブラシの平面図及び底面図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施形態によるトイレブラシの左側面図及び右側面図である。
【
図5】
図5は本発明の一実施形態によるトイレブラシのブラシ部の詳細を示す図である。
【
図6】
図6は本発明の一実施形態によるトイレブラシを収納するスタンドを示す斜視図である。
【
図7】
図7は本発明の一実施形態によるトイレブラシをスタンドに収納しようとする状態を示す図である。
【
図8】
図8は本発明の一実施形態によるトイレブラシをスタンドに収納した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[一実施形態]
(トイレブラシ)
本発明の一実施形態によるトイレブラシについて
図1乃至
図5を用いて説明する。
図1は本実施形態によるトイレブラシの斜視図であり、
図2(a)、(b)はそれぞれ本実施形態によるトイレブラシの正面図及び背面図であり、
図3(a)、(b)はそれぞれ本実施形態によるトイレブラシの平面図及び底面図であり、
図4(a)、(b)はそれぞれ本実施形態によるトイレブラシの左側面図及び右側面図であり、
図5は本実施形態によるトイレブラシのブラシ部の詳細を示す図である。
【0015】
本実施形態のトイレブラシ10は、上端に設けられたホルダー部12と、ホルダー部12に連続して横方向に広がる鍔部14と、ホルダー部12から伸びる柄部16と、柄部16の下端に設けられたブラシ部20により構成されている。
【0016】
ホルダー部12は、作業者がトイレブラシ10を把持するためのものである。
【0017】
ホルダー部12の形状は、例えば、下方がわずかに広がった戴頭円錐台形状である。ホルダー部12の戴頭円錐台形状は、例えば、高さ、約120mm、上端の直径、約25mm、下端の直径、約35mmである。
【0018】
ホルダー部12は、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。
【0019】
鍔部14は、後述するトイレブラシ10を収納するスタンド30の上端部に係止するためのものである。鍔部14は、トイレブラシ10をスタンド30に収納したときに、後述する上端部が開放したスタンド30の蓋部としても機能する。
【0020】
鍔部14は、ホルダー部12と柄部16の間に位置し、ホルダー部12から連続して横方向に広がっている。鍔部14の平面形状は、二つの等しい長さの平行線と二つの半円形からなる角丸長方形形状である。例えば、角丸長方形の長辺は、約95mm、短辺は、約57mmである。鍔部14の厚さは、約7mmである。
【0021】
鍔部14は、例えば、ホルダー部12と同様のABS樹脂、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。
【0022】
柄部16は、ホルダー部12から下方に伸びてブラシ部20を保持するためのものである。
【0023】
柄部16の形状は、ホルダー部12から鉛直下方に伸び、横方向に偏移して、再び鉛直下方に伸びる棒形状をしている。柄部16の棒形状は、例えば、直径、約8mm、長さ、約170mmである。
【0024】
柄部16は、例えば、ステンレススチール等の金属により形成されている。
【0025】
ブラシ部20は、トイレの汚れを落とすためのものである。
【0026】
ブラシ部20の詳細について
図5を用いて説明する、
ブラシ部20は、柄部16の下端に取り付けられた板状体22に、大小のブラシ毛24a、24bが設けられたものである。
【0027】
板状体22の平面形状は、基本的に縦長の長方形で、下端部分が丸みを帯びた半円形状である、D字型形状である。D字型形状の板状体22は、例えば、縦、約135mm、横、約60mmであり、下端の半円形状は、例えば、直径、約10mmの半円である。
【0028】
板状体22の厚さは、柄部16の取り付けられた上端部分が最も厚く、下端に向かうにつれ薄くなり、下端部分が最も薄くなっている。板状体22の厚さは、例えば、上端部分は、約150mmであり、下端部分は、約20mmである。
【0029】
板状体22の表裏両面22a、22bには長短のブラシ毛24a、24bが設けられている。板状体22の表裏両面22a、22bに長いブラシ毛24aが一定間隔で設けられており、長いブラシ毛24aの間に短いブラシ毛24bがそれぞれ設けられている。
【0030】
長いブラシ毛24aは、例えば、太さ、約0.2mm、長さ、約10mmである。短いブラシ毛24aは、例えば、太さ、約0.2mm、長さ、約6mmである。長いブラシ毛24aが設けられる一定間隔は、約6mmであり、短いブラシ毛24bが設けられる一定間隔は、約6mmである。
【0031】
板状体22の厚い上端面22cにも、表裏両面22a、22bと同様に長短のブラシ毛24a、24bが形成されている。板状体22の上端面22cに長いブラシ毛24aが一定間隔で設けられており、長いブラシ毛24aの間に短いブラシ毛24bがそれぞれ設けられている。
【0032】
このようにして、ブラシ部20の板状体22の表裏両面22a、22b、上端面22cに設けられた長短のブラシ毛24a、24bにより、ブラシ部20の全ての面を用いてトイレを洗浄することできる。
【0033】
ブラシ部20の板状体22には長いブラシ毛24aが多数形成され、これら長いブラシ毛24aの先端によりブラシ部20の最外形が形成される。本実施形態では、その最外形が、洗浄用の平らなたわし(束子)の外形のような形状となるようにブラシ毛24aの長さが調整されている。
【0034】
ブラシ部20の板状体22、ブラシ毛24a、24bは、例えば、EVA樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)等の合成樹脂により形成されている。EVA樹脂は柔軟性、撥水性に優れた樹脂である。
【0035】
本実施形態のブラシ部20は次のような特徴を有している。
【0036】
ブラシ部20は柔軟性に優れ、トイレの被洗浄面の形状に沿って変形し、トイレのフチ裏等すみずみまで届くことができる。
【0037】
ブラシ部20の板状体22に長短のブラシ毛24a、24bを設けたので、トイレの被洗浄面を容易に効果的にすり洗いすることができる。
【0038】
ブラシ部20の板状体22に長短のブラシ毛24a、24bを設け、長いブラシ毛24aの間隔を広くとることができるので、ブラシ毛24a、24bに汚れが付着する等の目詰まりが起こりにくい。
【0039】
ブラシ部20は撥水性に優れたEVA樹脂により形成されているので、水はけがよく、洗浄後に水がしたたり落ちて周囲を汚すことがない。
【0040】
最近のトイレ便器自体が表面をハードコーティングして有るため、汚物の付着が少なくて済むようにしている。このため、ブラシなどの硬い素材ではなく、本実施形態のトイレブラシのブラシ毛のような柔らかい素材により洗うことができ、トイレ便器表面を傷付けることがない。本実施形態のトイレブラシによれば、トイレ便器表面を柔らかなスポンジで洗っているかのような使用感を得ることができ、しかも、ブラシ毛が水跳ねを起こす不快感から解放されるという優れた効果を奏する。
【0041】
(スタンド)
本発明の一実施形態によるトイレブラシを収納するスタンドについて
図6乃至
図8を用いて説明する。
図6は本実施形態によるトイレブラシを収納するスタンドを示す斜視図であり、
図7は本実施形態によるトイレブラシをスタンドに収納しようとする状態を示す図であり、
図8は本実施形態によるトイレブラシをスタンドに収納した状態を示す図である。
【0042】
本実施形態のスタンド30は、上端30aが、トイレブラシ10の鍔部14の形状に適合する角丸長方形である。上端30aの角丸長方形は、例えば、長辺、約100mm、短辺、約65mmである。
【0043】
スタンド30の全体形状は、上端30aから下方に向かって徐々に広がる戴頭円錐形状をしている。この戴頭円錐形状の各断面は上端30aと相似の角丸長方形である。スタンド30の下端30bは、スタンド30を置いた際に安定するようにわずかに狭まっている。
【0044】
スタンド30の高さは、トイレブラシ10の収納時にブラシ部20の先端がスタンド30の底部に触れないような高さであり、例えば、約290mmである。
【0045】
スタンド30は、例えば、ホルダー部12、鍔部14と同様のABS樹脂、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。
【0046】
トイレブラシ10をスタンド30に収納するときには、
図7に示すように、トイレブラシ10の先端をスタンド30の上端30aの開口から挿入する。最終的には、
図8に示すように、トイレブラシ10の鍔部14がスタンド30の上端30aの開口に適合する。このように、トイレブラシ10の鍔部14が、スタンド30の上端30aの開口を塞ぎ、スタンド30の蓋部として機能する。
【0047】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。上記実施形態における各種寸法、各部材の材料は、一例であり、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
10…トイレブラシ
12…ホルダー部
14…鍔部
16…柄部
20…ブラシ部
22…板状体
22a…表面
22b…裏面
22c…上端面
24a…長いブラシ毛
24b…短いブラシ毛
30…スタンド