(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】リング精紡機の紡績ユニットの正常な動作を監視する方法
(51)【国際特許分類】
D01H 13/26 20060101AFI20220104BHJP
D01H 13/20 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
D01H13/26
D01H13/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017123435
(22)【出願日】2017-06-23
【審査請求日】2020-03-04
(31)【優先権主張番号】10 2016 007 779.4
(32)【優先日】2016-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513209338
【氏名又は名称】ザウラー ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Saurer Germany GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D-42897 Remscheid, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ニコリッチ
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-040628(JP,A)
【文献】特開平10-120304(JP,A)
【文献】特開昭61-178375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 13/26
D01H 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績コップ(13)の製造中に、リング精紡機(1)の多数の紡績ユニット(8)の正常な動作を監視する方法であって、
紡績コップ(13)と、当該紡績コップ(13)を製造した、リング精紡機(1)の紡績ユニット(8)との対応付けが常に可能である、前記紡績コップ(13)の特徴付けを可能にする機器(25)と、
後置接続された自動綾巻きワインダ(2)の巻取りユニット(16)に配置されており、後続の巻き返しプロセスの間に、前記紡績コップ(13)の糸(56)を常に監視するセンサ機器とによって行われる方法において、
前記紡績コップ(13)の走行している糸(56)は、糸張力センサ(67)として形成されているセンサ機器によってスキャンされ、
前記糸張力センサ(67)によって求められた糸張力データは、処理のために、該当する前記巻取りユニット(16)の巻取りユニット計算機(54)に転送され、
所定の境界値を上回っており、紡績コップ(13)が固く巻かれていることを示唆している糸張力データは、問題を有していると解釈され、
その場合、当該糸張力データが、該当する前記紡績コップ(13)を作成した、前記リング精紡機(1)の前記紡績ユニット(8)に対応付けされ
、
前記紡績コップ(13)の前記糸張力データから、前記紡績コップ(13)を製造した、前記リング精紡機(1)の前記紡績ユニット(8)の状態が推測される、
ことを特徴とする、紡績コップ(13)の製造中に、リング精紡機(1)の多数の紡績ユニット(8)の正常な動作を監視する方法。
【請求項2】
該当する前記紡績コップ(13)を製造した、前記リング精紡機(1)の前記紡績ユニット(8)のリングトラベラ(39)が例えば比較的高い摩耗を有しているために、当該紡績ユニット(8)が価値の低い紡績コップ(13)を製造しようとするところであり、従って新しいリングトラベラ(39)と交換されるべきである、ということの兆候として、高い糸張力の存在が評価される、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法を実施する装置であって、
紡績コップ(13)と、当該紡績コップ(13)を製造した、リング精紡機(1)の紡績ユニット(8)との対応付けが常に可能である、紡績コップ(13)の特徴付けを可能にする機器(25)と、
後置接続された自動綾巻きワインダ(2)の巻取りユニット(16)に配置されており、後続の巻き返しプロセスの間に、前記紡績コップ(13)の走行している糸(56)を常に監視するセンサ機器と、
を備えており、
前記紡績コップ(13)の走行している糸(56)を監視する前記センサ機器は、糸張力センサ(67)として形成されており、かつ、該当する前記巻取りユニット(16)の巻取りユニット計算機(54)に接続されており、
前記巻取りユニット計算機(54)は、前記糸張力センサ(67)によって求められた糸張力データが、該当する前記紡績コップ(13)を作成した、リング精紡機(1)の紡績ユニット(8)に対応付け可能であるように構成されて
おり、
前記紡績コップ(13)の前記糸張力データから、前記紡績コップ(13)を製造した、前記リング精紡機(1)の前記紡績ユニット(8)の状態が推測される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法を実施する装置。
【請求項4】
前記巻取りユニット計算機(54)は、前記自動綾巻きワインダ(2)の中央制御ユニット(55)に接続されており、当該中央制御ユニット(55)は、それ自体、前記リング精紡機(1)の中央制御機器(17)と接続されている、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記リング精紡機(1)の前記中央制御機器(17)は、表示機器(32)を備えており、当該表示機器(32)には、自身の正常な動作モードを喪失しようとするところである紡績ユニット(8)が表示される、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
自身のリングトラベラ(39)が、当該リングトラベラ(39)の近々の交換を促す摩耗状態を有している紡績ユニット(8)が表示されるように前記表示機器(32)が構成されている、請求項
5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績コップの製造中に、リング精紡機の多数の紡績ユニットの正常な動作を監視する方法又は装置に関する。ここで、これは、紡績コップと、この紡績コップを製造した、リング精紡機の紡績ユニットとの対応付けが常に可能である、紡績コップの特徴付けを可能にする機器、及び、後置接続された自動綾巻きワインダの巻取りユニットに配置されているセンサ機器によって行われる。ここで、このセンサ機器は、後続の巻き返しプロセスの間、紡績コップの糸を常に監視する。
【背景技術】
【0002】
リング精紡機の紡績ユニットで、紡績コップの製造時には、紡績コップへの糸の巻き付けのごく近傍でようやく、糸が完成することが知られている。従って、このような紡績ユニットでは、糸の直接的な質のコントロールはほぼ不可能である。すなわち、既知のリング精紡機では、紡績コップの製造時に、個々の紡績ユニットにおいて紡績コップの製造中に生じる糸切断を計数することしかできない。ここで、この糸切断の原因、例えば、供給材料の不足又は紡績スピンドルの欠陥は、いつも明確に識別されるわけではない。
【0003】
従って、リング精紡機の紡績ユニットでは、紡績ユニットが、動作に欠陥がある紡績スピンドルを有しているのにも拘わらず、操作員にこのことが気付かれずに、往々にして、比較的長い期間にわたって、価値の低い紡績コップを製造してしまう、という虞が常に生じている。なぜなら、紡績ユニットでは、それほど多くの糸切断が発生しないからである。
【0004】
このようなケースでは通常、紡績コップから繰り出された糸が、綾巻きパッケージへ巻き取られる前にセンサによってスキャンされ、ここで、例えば、糸の質に関して検査がされる場合、作成された紡績コップの価値の低さが、後置接続された自動綾巻きワインダの1つの巻取りユニットへの紡績コップの巻き返し時に初めて発見される。
【0005】
公知の自動綾巻きワインダはこのために、自身の巻取りユニットの領域において、それぞれ、種々の機器を備えており、これらの機器によって、巻き返しプロセスの間に継続的に紡績コップから引き出される糸が監視可能である。このような巻取りユニットは、例えば、いわゆる糸クリアラを有している。この糸クリアラは、走行している糸を、糸の欠陥、例えば、太い箇所、細い箇所又は二重糸に関して検査し、このような深刻な糸欠陥が切断して除去されるようにする。
【0006】
このような糸クリアラの使用によって、欠陥を有する紡績コップが綾巻きパッケージに巻き返されることが阻止されるが、前置接続されたリング精紡機のどの紡績ユニットで、欠陥を有する紡績コップが製造されたのかを追跡することは往々にして、できなかった。
【0007】
従って、このような、動作に欠陥を有する紡績ユニットを識別するために、既に、種々の方法が開発されてきた。
【0008】
独国特許出願公開第3712654号明細書(DE3712654A1)では、例えば、紡績機/巻取り機の組み合わせと関連して、リング精紡機の紡績ユニット上で製造された紡績コップが、自身の紡績ユニット位置に関連した順番で、まずは、リング精紡機と自動綾巻きワインダとの間に配置されている測定、計数及び分類装置に供給される方法が記載されている。次にこのような測定、計数及び分類装置において、紡績コップがセンサによって、種々の質の基準、例えば毛羽立ち、コップ形状、繊維材料等に関して、検査され、場合によって選り分けられる。ここで、該当する紡績コップを製造した、リング精紡機の紡績ユニットも求められる。
【0009】
しかし、この種の付加的な測定、計数及び分類装置の使用は、場所を必要とし、相対的に、コストがかかる。従って、実際には、この種の付加的な測定、計数及び分類装置は定着できなかった。
【0010】
動作に欠陥を有する紡績ユニットを識別する別の方法は、独国特許出願公開第3603002号明細書(DE3603002A1)、スイス国特許発明第410718号明細書(CH410718A)、独国特許出願公開第4002500号明細書(DE4002500A1)及び/又は独国特許出願公開第4209203号明細書(DE4209203A1)から公知である。
【0011】
これら公知の方法では、一方では、紡績コップは、リング精紡機のどの紡績ユニットがこの紡績コップを作成したのかが常に追跡可能であるという特徴を有し、他方では、紡績コップの質が、巻き返しプロセスの間、自動綾巻きワインダの巻取りユニットの領域に設置されたセンサ機器によって監視される、という特徴を有している。
【0012】
独国特許出願公開第3603002号明細書(DE3603002A1)に記載された方法では、例えば、紡績機側で、完成された紡績コップに識別マークが固定され、この識別マークによって、この紡績コップを製造した紡績ユニットが識別される。巻取り機側では、巻取りユニットで、巻き返しプロセスの間、糸切断センサによって糸の質が求められる。すなわち、紡績コップの糸切断頻度が制御ユニット内に登録されている所定の値を超えた場合に、該当する、明らかに欠陥を有している紡績コップを製造した、リング精紡機の紡績ユニットに対する逆探知を行うことができる。
【0013】
スイス国特許発明第410718号明細書(CH410718A)にも、リング精紡機の紡績ユニットによって作成された紡績コップに、それぞれ情報が付けられる方法が記載されている。この情報から、紡績コップが後置接続された巻取り機に供給される前に、リング精紡機のどの紡績ユニットがこの紡績コップを製造したのかが明らかになる。
【0014】
このような既知の方法でも、後置配置された自動綾巻きワインダの1つの巻取りユニットへの、紡績コップの巻き返しプロセス中に、紡績コップから引き出されるべき糸の自発的な切断が計数される。
【0015】
所定の境界値を超えると、紡績コップは取り出され、読み取り機器に供給される。すなわち、この既知の方法でも、紡績コップの自発的な切断を数えることによって、リング精紡機の1つの紡績ユニットにおいて、粗野な、欠陥を有している糸が作成されていることが確認され、この紡績コップに付けられた情報によって、動作に欠陥を有する紡績ユニットが識別される。
【0016】
独国特許出願公開第4002500号明細書(DE4002500A1)は、紡績コップ又は紡績コップ担体にそれぞれ、消去可能及びプログラミング可能なメモリチップとして形成された出所マークが設けられており、このマークに、リング精紡機のどの紡績ユニットが、該当する紡績コップを製造したのかが記録されている方法を記載している。独国特許出願公開第4002500号明細書(DE4002500A1)では、後置接続された自動綾巻きワインダの巻取りユニットはさらに、それぞれ、糸クリアラの形態の糸の質の監視機器及び自動マーク消去機器を備えている。これは、紡績コップの巻き返しプロセスの間に、所定の質の基準を下回ると、該当する紡績コップがすぐに、自動綾巻きワインダの巻取りユニットから排出され、その他の場合には通常のように、出所マークが消去されてしまうことがないことを意味している。
【0017】
次に、自動綾巻きワインダの搬送システムの後続の箇所では、この出所マークに基づいて、リング精紡機のどの紡績ユニットが、排出された、欠陥を有する紡績コップを製造したのかが求められる。
【0018】
リング精紡機の紡績ユニットの正常な動作を監視する比肩可能な方法又は装置は、独国特許出願公開第4209203号明細書(DE4209203A1)からも公知である。
【0019】
この文献でも、紡績コップにそれぞれ1つの書き込み可能な情報担体が対応付けされている紡績機/巻取り機の組み合わせが記載されている。この情報担体は、紡績コップを作成した、リング精紡機の紡績ユニットに関する情報を含んでいる。自動綾巻きワインダの1つの巻取りユニットにおける紡績コップの繰り出しプロセスから、該当する紡績コップが作成された紡績ユニットの動作状態が推測可能である。
【0020】
自動綾巻きワインダの巻取りユニットは、ここで、それぞれ、巻き返しプロセスの間、紡績コップの走行している糸を監視する電子糸クリアラ、及び、巻取りユニットと紡績コップの情報担体との間で情報交換する機器とを備えている。
【0021】
さらに、中央のメモリが設けられている。これは、長時間メモリとして構成されており、表示機器を備えているメモリ管理及び評価機器と接続されている。
【0022】
しかし、上述した、公知の方法又は装置の欠点は、これによって、既に長い期間にわたって使用不可能な糸を製造している、リング精紡機の紡績ユニットしか識別されない、ということである。
【0023】
自動綾巻きワインダと関連して、さらに、このような繊維機械の巻取りユニットにそれぞれ糸張力センサを設けることが知られている。このセンサは、紡績コップ/綾巻きパッケージの巻き返しプロセス中に、常に、走行している糸の現在の糸張力を検出し、所定の糸張力で綾巻きパッケージが、巻いて作成されるようにする。
【0024】
糸張力センサはここで、いわゆる糸テンショナと接続されている。さらに、糸張力センサによって、必要な場合には、過度に糸張力が高い場合に、該当する巻取りユニットで、巻取り速度が修正される。
【0025】
従って、このような糸張力センサを使用することによって、巻き返しプロセスの間に所定の巻取り条件が保たれ、作成された綾巻きパッケージは、自身の巻き張力に関して、高い質の要求に適合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【文献】独国特許出願公開第3712654号明細書
【文献】独国特許出願公開第3603002号明細書
【文献】スイス国特許発明第410718号明細書
【文献】独国特許出願公開第4002500号明細書
【文献】独国特許出願公開第4209203号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
上述した従来技術から出発して、本発明の課題は、容易かつ低コストに、紡績コップの製造中に、リング精紡機の多数の紡績ユニットの正常な動作を監視することを可能にする方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述の課題は、本発明に対応して、巻き返しプロセスの間、紡績コップの走行している糸が、糸張力センサとして形成されているセンサ機器によってスキャンされ、この糸張力センサによって求められた糸張力データが、処理のために、該当する巻取りユニットの巻取りユニット計算機に転送され、ここで、所定の境界値を上回っており、紡績コップが固く巻かれていることを示唆している糸張力データが、問題を有していると解釈され、その場合、この糸張力データが、該当する紡績コップを製造した、リング精紡機の紡績ユニットに対応付けされることによって解決される。
【0029】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0030】
糸クリアラによって求められた糸データによって、事後にのみ、リング精紡機の紡績ユニットに存在する欠陥状態、すなわち、使用不可能な紡績コップの製造が発見される従来技術とは異なり、このような方法によって、展開に問題のある紡績ユニットの早期の識別が可能であるという利点を、本発明に係る方法は、特に有している。
【0031】
糸張力センサによって求められた糸張力データに基づいて、例えば、比較的早期に、リング精紡機の紡績ユニットに不都合な展開が生じていることが識別される。すなわち、例えば、1つの紡績ユニットのリングトラベラが、リングトラベラの近々の交換を促す摩耗状態を有している。
【0032】
全体的に、糸張力センサの糸張力データに基づいて、紡績ユニットの動作の質が徐々に悪くなろうとしているところであるということ、及び、この紡績ユニットにおいて、操作員の介入が有利であろうということが早期に識別可能である。
【0033】
有利な実施形態ではここで、紡績コップの糸張力データから、それぞれ、該当する紡績コップが製造された、リング精紡機の紡績ユニットの状態が推測される。
【0034】
これは次のことを意味する。すなわち、紡績コップの巻き返しプロセスの間に、相対的に高い糸張力が発生した場合、これが、該当する紡績コップが製造された、リング精紡機の紡績ユニットがもはや完全に正常には動作していないということ、又は、紡績ユニットが、欠陥を有する紡績コップを製造しようとするところであるということの兆候として評価されることを意味する。
【0035】
過度に高い糸張力が存在することは、ここで、特に、該当する紡績ユニットが、例えば、長い動作持続時間が原因で、既にほぼ摩耗しているリングトラベラと動作しており、有利には、新たなリングトラベラと交換されるべきである、ということに関する示唆として有効である。
【0036】
本発明に係る方法を実施する装置には、有利には、紡績コップと、この紡績コップを製造した、リング精紡機の紡績ユニットとの対応付けが常に可能である、紡績コップの特徴付けを可能にする機器が設けられている。
【0037】
後置接続された自動綾巻きワインダの巻取りユニットには、さらに、複数のセンサ機器が配置されている。これらのセンサ機器はそれぞれ、後続の巻き返しプロセスの間、紡績コップの糸を監視する。
【0038】
これらのセンサ機器は糸張力センサとして形成されており、それぞれ、該当する巻取りユニットの巻取りユニット計算機に接続されている。巻取りユニット計算機は、さらに、紡績コップの特徴付けに基づいて、リング精紡機のどの紡績ユニットが、該当する紡績コップを製造したのかを検出する機器と接続されている。
【0039】
このような装置によって、巻き返しプロセスの間の紡績コップの確実な監視が保証されるだけでなく、リング精紡機の紡績ユニットの状態を常にコントロールすることも可能になる。
【0040】
上述した装置によって、例えば、紡績ユニットに生じている変化を、比較的早期に識別することができる。
【0041】
例えば、自身の摩耗状態が交換を促すリングトラベラが、糸張力センサによって求められた糸張力データに基づいて、早期に求められる。すなわち、本発明に係る装置によって、紡績ユニットの動作の質が徐々に悪くなろうとしているところであり、この紡績ユニットにおけるリングトラベラの交換が有利であろうということを、早期に識別することができる。
【0042】
別の有利な実施形態では、巻取りユニット計算機は、自動綾巻きワインダの中央制御ユニットに接続されている。この中央制御ユニットは、それ自体、リング精紡機の中央制御機器と接続されている。リング精紡機のこの中央制御機器は、ここで、表示機器を備えており、例えば、リングトラベラの近々の交換を促す摩耗状態をリングトラベラが有していることが原因で、自身の正常な動作状態を喪失しようとするところである紡績ユニットがこの表示機器に表示される。
【0043】
本発明を以降で、図示されている実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】紡績コップを作成するリング精紡機と、後置接続されている、綾巻きパッケージへ紡績コップを巻き返す自動綾巻きワインダとの結合体の概略図。
【
図2】紡績リング上で回転するリングトラベラを有している、リング精紡機の紡績ユニットの概略的な前面図。
【
図3】紡績コップから引き出されている糸を巻き返しプロセスの間、監視する糸張力センサを有する自動綾巻きワインダの巻取りユニットの概略的な側面図。
【
図4】巻取りユニット計算機に接続されており、巻き返しプロセスの間、綾巻きパッケージに巻き上げられる糸の糸張力を監視する糸張力センサを有する自動綾巻きワインダの巻取りユニットの前面図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、本発明に係る方法又は本発明に係る装置が使用されている繊維機械結合体の実施例の概略的な斜視図を示している。
【0046】
すなわち、リング精紡機1の紡績ユニット8では、相対的に少ない糸材料を含んでいる紡績コップ13が製造される。製造された紡績コップ13は、次に、自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16に搬送される。ここでの紡績コップは、ボリュームの大きい綾巻きパッケージ48に巻き返される。紡績コップ13から引き出された糸56はここで、巻き返しプロセスの間、特に、糸張力センサ67によってスキャンされる。ここで求められた糸張力データは、該当する紡績コップ13を製造した紡績ユニット8の動作状態に関する示唆を供給する。
【0047】
見て分かるように、リング精紡機1は、終端部分AとBとの間で、多数の、構造が同じ紡績ユニット8を備えており、これらの紡績ユニット8で紡績コップ13が製造される。紡績ユニット8は、リング精紡機1の2つの機械長辺側に互いに並んで隣接配置されている。
【0048】
リング精紡機1は、さらに、搬送機器3を備えている。これは、いわゆる中継器6を介して、自動綾巻きワインダ2の搬送システム7に接続されている。
【0049】
この実施例では、リング精紡機1の搬送機器3は、例えば、リング精紡機1の多数の紡績ユニット8の周りに巡らされている、通常は直立している駆動ベルト9を備えている。この駆動ベルトは、(図示されていない)紡績機側の搬送皿を送る、対応する付加部を有している。
【0050】
リング精紡機1の紡績ユニット8は、
図1では、著しく概略化されて、そのうちの給糸ボビン30、ドラフト装置26及び紡績スピンドル28だけが示されており、以降で、
図2に基づいて詳細に説明される。
【0051】
図1にさらに示されているように、リング精紡機1の搬送機器3は、通常、機械長辺側の領域に、さらに、それぞれ、長い搬送区間、いわゆるCowemat区間10乃至11を有している。ここで、これらのCowemat区間10乃至11は、機械終端側で、いわゆるCowemat接続区間12を介して相互に結合されている。
【0052】
Cowemat接続区間12とは反対の、機械終端側では、Cowemat区間10乃至11が、搬送区間4乃至5を介して、中継器6と接続されている。
【0053】
この実施形態では、リング精紡機1の紡績ユニット8によって製造され、紡績機側の搬送皿上に載せられている紡績コップ13が、中継器6によって、巻取り機側の搬送皿14上に載せ替えられる。ここで同時に、空管が、巻取り機側の搬送皿14から取り出され、紡績機側の搬送皿に戻される。
【0054】
紡績コップ13が載せられている各搬送皿14は、次に、自動綾巻きワインダ2の搬送システム7に転送され、また、空管が載せられている、紡績機側の搬送皿は、リング精紡機1の搬送機器3へ戻される。
【0055】
しかし、ここで、完全にするために、繊維機械結合体であるリング精紡機/自動綾巻きワインダと関連して、当然ながら、繊維機械の搬送システム3、7を、中継器6を間に接続することなく、直接的に接続することも可能である、ということが明確に述べられなければならない。
【0056】
このような場合には、紡績コップ13は、リング精紡機の搬送システムから自動綾巻きワインダの搬送システムへの自身の移行時に、自身の元来の搬送皿の上に留まる。
【0057】
さらに明らかであるように、
図1では、自動綾巻きワインダ2も極めて概略的に示されている。すなわち、自動綾巻きワインダの図は、実質的に、エネルギー及び操作ユニット15、巻取りユニット16、並びに、巻取り機側の搬送システム7に対する位置表示に制限されている。
【0058】
巻取りユニット16の厳密な実施形態及びその種々の機器の機能は、後に、
図3に基づいて詳細に説明される。
【0059】
自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16に紡績コップ13を供給するために、又は、巻取りユニットから空管を取り出すために用いられる自動綾巻きワインダ2の搬送システム7は、同様に、多数の異なった区間部分を有している。
【0060】
搬送区間4を介して配送された、紡績コップ13が載せられた搬送皿14は例えば、機械長さにわたって延在するコップ供給区間18介して、それぞれコップ準備ステーション20が位置付けされている、1つ又は複数の準備区間19の領域に送られる。
【0061】
準備区間19はさらに、それぞれ、出口区間21を介して、いわゆる貯蔵部区間22と接続されている。この貯蔵部区間は、交互に、左側への走行と右側への走行とで切り換えられる。貯蔵部区間22を介して、搬送皿14上に鉛直に立っている紡績コップ13は、横方向搬送区間23の入口領域に達する。これは、自動綾巻きワインダ2の個々の巻取りユニット16へと続く。横方向搬送区間23は、自身の、終端の側で、巻管戻し区間24に接続されている。これは、さらなる接続区間を介して、中継器6と接続されている。
【0062】
例えば、独国特許出願公開第19636661号明細書(DE19636661A1)に詳細に記載されている、自動綾巻きワインダ2のこのような搬送システム7は、さらに、搬送システム7内の搬送皿14の所定の送りを可能にする大規模なアクチュエータ装置及びセンサ装置を備えている。
【0063】
この実施例では、紡績コップ13又は搬送皿14にはさらに、(図示されてない)情報担体が設けられており、この情報担体に基づいて、リング精紡機1のどの紡績ユニット8が、各紡績コップ13を製造したのかを確認することができる。
【0064】
紡績コップ13は、図示の繊維機械結合体では、中継器6によって、紡績機側の搬送皿から巻取り機側の搬送皿14に載せ替えられるので、この実施例では、情報担体が、例えば、糸管29に固定されているのは有利である。
【0065】
図1にさらに示されているように、例えば、搬送区間4の領域に、機器25が配置されている。この機器は、紡績コップ13と、この紡績コップ13を製造した、リング精紡機1の紡績ユニット8との対応付けが常に可能である、紡績コップ13の特徴付けを可能にする。
【0066】
この機器25は例えば、計数及び書き込み機器として形成されており、これは、例えば、搬送皿14上に立っている紡績コップ13の通過を記録する、例えばライトバリアの形態の、図示されていないセンサを備えている。紡績コップ13は、ドッフィングされた順番と同じ順番でセンサを通過するので、計数の結果は、リング精紡機の紡績ユニットの各番号に相当する。
【0067】
次に、接続された又は組み込まれた書き込み機器によって、該当する紡績コップ13を作成した、リング精紡機の紡績ユニットの番号が、紡績コップ13の糸管29に配置されている情報担体、例えばメモリチップに伝送される。
【0068】
自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16の領域には、属する(図示されていない)読み取り機器が設置されている。この読み取り機器は、紡績コップ13の情報担体内に登録されているリング紡績ユニットの番号を識別し、それぞれ、該当する巻取りユニット16の巻取りユニット計算機54に転送する。巻取りユニット計算機54は、ここで、通常、自動綾巻きワインダ2の中央計算ユニット55に接続されている。
【0069】
しかし、繊維機械1、2の搬送システム3、7が、上述したように、中継器6を介して接続されておらず、その代わりに、共通の搬送システムを有している場合には、有利には電子メモリチップとして形成されている情報担体を直接的に搬送皿14内に組み込むことも有利であり得る。
【0070】
図2には、隣接する、間隔tを空けて配置されている2つの紡績ユニット8を備えているリング精紡機1の機械長辺側の一部が概略的に示されている。
【0071】
明らかであるように、各紡績ユニット8はそれぞれ、ドラフト装置26、及び、駆動可能な、スピンドル軸27を中心に回転可能に支承されている紡績スピンドル28を有している。紡績スピンドルのスピンドルシャフト上には、紡績コップ13の糸管29が固定可能である。紡績動作中、例えば、(
図2に図示されていない)フライヤボビンとして形成されている給糸ボビン30から生じた粗糸31が、ドラフト装置26において、所望の糸強度にドラフトされる。
【0072】
すなわち、ドラフト装置26において牽伸され、出口側ローラ対33、34の領域において、ドラフト装置26から出る粗糸31は、繊維複合体として、回転する紡績スピンドル28に供給され、ここで繊維複合体が回転させられる。次に、ここで生じた糸35が、紡績コップ13として、糸管29に巻き付けられる。
【0073】
ここでは、ドラフト装置26と紡績コップ13との間で、糸35が、糸ガイド36と、バルーン制限リング37と、紡績リング38上で回転可能に支承されている、紡績動作中に、糸35によって牽引される、回転するリングトラベラ39とを通って案内される。
【0074】
明らかであるように、駆動可能な紡績スピンドル28は、自身のスピンドルハウジング40とともに、スピンドルレール41に固定される。スピンドルレールは、リング精紡機1の長手方向において延在し、それ自体、固定的に、リング精紡機1の機械フレームに固定されている。
【0075】
紡績スピンドル28は、アンダワインディング領域42及びワーブ43を有しており、これらを介して、紡績スピンドル28は、紡績動作中に、機械長さにわたって延在する、回転する、駆動されるタンジェンシャルベルト44によって加速され、ここで回転させられる。
【0076】
その上でリングトラベラ39が回転する紡績リング38は、軸受け装置によって、リングレール45内に設置されている。これは、上述したバルーン制限リング37に対するレール46又は糸ガイド36に対するレール47のように、矢印によって示されているように、紡績動作中に垂直に移動可能である。
【0077】
図3は概略的に、側面図で、自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16を示している。このような巻取りユニット16上には、比較的少ない糸を有している、リング精紡機1の紡績ユニット8上で事前に作成された紡績コップ13が、ボリュームの大きい綾巻きパッケージ48に巻き返される。綾巻きパッケージは、自身の完成後に、図示されていないサービス機器を用いて、機械長さにわたって延在する綾巻きパッケージ搬送機器49に移行され、機械終端側に配置されているパッケージ移載ステーション等に搬送される。
【0078】
巻取りユニット16に新たな紡績コップ13を供給するために、又は、繰り出された空管を巻取りユニットから取り出すために、このような自動綾巻きワインダ2は、さらに、上述したように、搬送システム7を備えている。この搬送システムでは、搬送皿14上で、紡績コップ13又は空管が循環している。
【0079】
このような搬送システム7のうち、
図3には、コップ供給区間18、可逆式に駆動可能な貯蔵部区間22、巻取りユニット16へとつながる横方向搬送区間23及び巻管戻し区間24のみが示されている。
【0080】
このような自動綾巻きワインダ2の紡績ユニット16は、通常、それぞれさらに、巻き返しプロセス中に、このような巻取りユニット16の正常な動作を可能にする種々の機器を備えている。
【0081】
このような機器のうちの1つは、例えば、参照番号50が付けられた巻取り機器であり、これは、旋回軸51を中心に可動に支承されたパッケージフレーム52を有している。これは有利には(図示されていない)トルク発生器によって、所定のように上昇又は下降可能である。
【0082】
通常の巻取りプロセスの間、綾巻きパッケージ48は、図示のように、自身の表面で、パッケージ駆動ローラ53上に位置し、このパッケージ駆動ローラによって、摩擦接触によって回転させられる。パッケージ駆動ローラ53は、例えば、電動機の形式の個別駆動部に接続されている。この個別駆動部は、制御線路を介して、巻取りユニット計算機54と接続されている。
【0083】
綾巻きパッケージ48に巻き上げられる糸56の巻取りプロセスの間の綾振のために、糸トラバース機器57が設けられている。このような、
図3において概略的にのみ示されており、例えば独国特許出願公開第102004052564号明細書(DE102004052564A1)に比較的詳細に記載されている糸トラバース機器57は、フィンガ糸ガイド58を有している。これは、電動機式駆動部59によって動かされ、綾巻きパッケージ48の2つの端面の間で糸56を往復運動させる。
【0084】
各巻取りユニット16は、さらに、負圧を加えることが可能な、旋回可能に支承された、いわゆる上糸を操作する吸引ノズル60と、同様に負圧を加えることが可能な、旋回可能に支承された、下糸を操作するためのグリッパ管61と、空気式の糸継ぎ機器62とを備えている。これによって、必要な場合に、上糸の糸端部と下糸の糸端部とを、ほぼ一本の糸のように接続することができる。
【0085】
このような巻取りユニット16には通常、さらに、しばしば、別の機器が設けられており、これらは例えば、下糸センサ63、糸テンショナ64、電子糸クリアラ66、糸切断機器65、パラフィン処理機器68及び糸張力センサ67である。これらの機器は、通常、制御及び信号線路を介して、巻取りユニット計算機54に接続されている。
【0086】
電子糸クリアラ66によって、ここでは、常に、走行している糸56の質の監視が行われる。すなわち、糸クリアラ66は、継続的に、自身を通過する糸56を検査し、ここで深刻な糸の欠陥を識別する。これは例えば、糸切断、二重糸又は細い箇所及び太い箇所である。
【0087】
走行している糸56は、巻き返しプロセスの間、さらに、しばしば、糸張力センサ67によってスキャンされる。このような糸張力センサ67は既知であり、例えば、独国特許出願公開第4129803号明細書(DE4129803A1)又は独国特許出願公開第102011112012号明細書(DE102011112012A1)において比較的詳細に記載されている。
【0088】
次に、
図4に基づいて、この種の、自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16の領域に配置されている糸張力センサ67の公知の動作方法が示され、説明される。
【0089】
図4は、ここで、概略的に、前面図で、自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16を示しており、これは、巻取りユニット計算機54並びに糸テンショナ64とのその接続部、糸張力センサ67、糸切断機器65及びアラーム機器69を備えている。
【0090】
図4に、著しく概略的に示されただけの糸テンショナ64はそれ自体公知であり、例えば、独国特許出願公開第4130301号明細書(DE4130301A1)に詳細に記載されている。
【0091】
電気的に駆動制御可能な糸切断機器65も、繊維機械構造において、長い間、従来技術である。
【0092】
この実施例では、例えば、糸張力目標値発生器70、糸張力境界値発生器71、コンパレータ72、調整器73、及び、例えばコンパレータ72内に組み込まれている時間素子74を備えている巻取りユニット計算機54は、信号線路75を介して、糸張力センサ67と接続されており、調整線路76を介して糸テンショナ64と接続されており、調整線路77を介して糸切断機器65と接続されており、かつ、信号線路78を介してアラーム機器69と接続されている。
【0093】
図4にさらに示されているように、コンパレータ72には、信号線路79を介して、糸張力目標値発生器70から糸張力目標値FZK
Sollが供給され、信号線路80を介して境界値発生器71から境界値TGが供給される。
【0094】
境界値発生器71を介して、ここで、有利には、コンパレータ72が調整器73を介して、糸切断機器65及びアラーム機器69をトリガする前に経過すべきである、許容誤差の期間ZSも調整可能である。
【0095】
ここで、このように接続されている糸張力センサ67が設けられている自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16では、巻き返しプロセスの間に通常、以下のプロセスが経過する。
【0096】
紡績コップ13から繰り出された糸56は、できるだけ一定の糸張力によって、綾巻きパッケージ48に巻き取られるべきである。
【0097】
このような理由から、全体的な巻取りプロセス中に、糸張力が、オンラインで、糸張力センサ67によって監視される。
【0098】
糸張力センサ67によってそれぞれ求められた糸張力実際値FZKistは、コンパレータ72内で、糸張力目標値発生器70によって設定された糸張力目標値FZKSollと比較される。
【0099】
出口側で、コンパレータ72は、調整器73と接続されている。この調整器73によって、糸テンショナ64の制動ディスクは、常に、接触圧をもって、走行している糸56に押し当てられ、これによって、糸56が常に一定の糸張力を有することが保証される。
【0100】
求められた糸張力実際値FZKistは、コンパレータ72内で、さらに、境界値発生器71によって設定された境界値TGと比較される。
【0101】
コンパレータ72が、自身の比較時に、糸張力実際値FZKistが、所定の期間ZS、境界値TGに達した又はこの境界値TGを超えたことを確認すると、糸張力センサ67によって求められた糸張力実際値、すなわち、糸張力センサ67によって求められた糸張力データが、自動綾巻きワインダ2の巻取りユニット16の巻取りユニット計算機54において、次のように処理される。すなわち、この糸張力データから、この紡績コップ13を製造した、リング精紡機1の紡績ユニット8の状態が推測されるように処理される。
【0102】
すなわち、紡績コップ13の巻き返しプロセスの間、通常、紡績コップ13の巻きが少し固すぎることに帰する、糸張力の著しい上昇が予期せずに生じた場合には、このことは迅速に、該当する紡績コップ13を製造した、リング精紡機1の紡績ユニット8が、自身の正常な動作状態を喪失しようとするところである、ということの兆候として評価される。
【0103】
固く巻かれた紡績コップ13は特に、該当する紡績コップ13を製造した紡績ユニット8のリングトラベラ39が、この紡績ユニット8が近い将来、使用不可能な紡績コップを製造する虞を生じさせる摩耗状態を有しており、有利には、古いリングトラベラ39を新しいリングトラベラ39と交換することが有利であるということの示唆として評価される。