(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】点字体、インクジェットプリンタ、および、点字体の形成方法
(51)【国際特許分類】
B42D 1/00 20060101AFI20220104BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220104BHJP
B41J 3/32 20060101ALI20220104BHJP
B41M 3/16 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B42D1/00 D
B41J2/01 125
B41J2/01 129
B41J3/32
B41M3/16
(21)【出願番号】P 2017164803
(22)【出願日】2017-08-29
【審査請求日】2020-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【氏名又は名称】杉本 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(72)【発明者】
【氏名】金井 優大
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-090640(JP,A)
【文献】特開2016-107470(JP,A)
【文献】特開2004-249684(JP,A)
【文献】米国特許第06402403(US,B1)
【文献】特開2015-214133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00
B41J 2/01
B41J 3/32
B41M 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の上に積層された複数の層を有し、
前記複数の層は、電磁波硬化
型のインクで形成されており、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層がマット層であり、少なくとも前記最上層が、前記マット層よりも表面平滑度が高いグロス層であり、
前記複数の層は、インクジェット式の印刷により形成さ
れ、
前記マット層は、前記基材または下の層の上に前記インクが着弾後、前記インクが広がる前に電磁波照射により硬化したものであり、
前記グロス層は、前記基材または下の層の上に前記インクが着弾直後に電磁波照射により半硬化状態の流体となり、前記半硬化状態の流体が広がって前記下の層を被覆した後で更に電磁波照射により硬化したものである、
点字体。
【請求項2】
前記複数の層と
前記基材との間に設けられ、前記複数の層を前記基材に固定するプライマ層をさらに有する、
請求項1に記載の点字体。
【請求項3】
前記複数の層は、第1の層と、前記第1の層よりも下の層である第2の層と、を有し、
前記第1の層は、前記第2の層を被覆しており、前記第1の層の周縁部の少なくとも一部が前記プライマ層に付着している、
請求項2に記載の点字体。
【請求項4】
積層された複数の層を有し、
前記複数の層は、電磁波硬化型、熱硬化型、又は、熱可塑型のインクで形成されており、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層がマット層であり、少なくとも前記最上層が、前記マット層よりも表面平滑度が高いグロス層であり、
前記複数の層と基材との間に設けられ、前記複数の層を前記基材に固定するプライマ層をさらに有し、
前記複数の層は上に位置する層ほど平面視における面積が大きく、上の層それぞれがその下の層を被覆し、
前記プライマ層は、前記下の層それぞれよりも平面視における面積が大きく、
前記上の層それぞれの周縁部が前記プライマ層の上面に付着している、
点字体。
【請求項5】
複数の層を有する点字体を形成するインクジェットプリンタであって、
電磁波硬化型、熱硬化型、又は、熱可塑型のインクを吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドから吐出された前記インクを硬化させる硬化部と、
前記プリントヘッドおよび前記硬化部を駆動する制御部と、
前記複数の層を基材に固定するプライマ層を前記基材に形成するプライマ層形成部と、
を備え、
前記制御部は、
前記プリントヘッドを駆動し、前記インクを吐出させ、前記硬化部を駆動し、前記プリントヘッドから吐出された前記インクを硬化させる第1処理と、
前記プリントヘッドを駆動し、前記インクを吐出させ、前記硬化部を駆動し、前記プリントヘッドから吐出された前記インクを前記第1処理での硬化よりも当該インクの表面平滑度が高い状態で硬化させる第2処理と、
前記プライマ層形成部を駆動し、前記プライマ層を形成させる第3処理と、を行い、
前記複数の層において、上に位置する層ほど平面視における面積が大きく、上の層それぞれがその下の層を被覆するように、前記第3処理のあとに前記第1処理及び前記第2処理を行い、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層を前記第1処理で形成し、少なくとも前記最上層を前記第2処理で形成し、
前記プライマ層は、前記下の層それぞれよりも平面視における面積が大きく、
前記複数の層における前記上の層それぞれの周縁部が前記プライマ層の上面に付着する、
インクジェットプリンタ。
【請求項6】
基材の上に複数の層を有する点字体を形成する点字体の形成方法であって、
電磁波硬化型、熱硬化型、又は、熱可塑型のインクをインクジェット方式により吐出し、吐出した前記インクを硬化させる第1処理と、
前記インクをインクジェット方式により吐出し、吐出した前記インクを、前記第1処理での硬化よりも当該インクの表面平滑度が高い状態で硬化させる第2処理と、を行い、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層を前記第1処理で形成し、少なくとも前記最上層を前記第2処理で形成し、
前記複数の層を基材に固定するプライマ層を前記基材に形成する第3処理を前記第1処理及び前記第2処理の前に行い、
前記複数の層において、上に位置する層ほど平面視における面積が大きく、上の層それぞれがその下の層を被覆するように、前記第1処理及び前記第2処理を行い、
前記プライマ層は、前記下の層それぞれよりも平面視における面積が大きく、
前記複数の層における前記上の層それぞれの周縁部が前記プライマ層の上面に付着する、
点字体の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点字体、インクジェットプリンタ、および、点字体の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、点字を構成する点字体(点字の「点」を形成する突起)を形成する技術として様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、点字体を、インクジェット方式により形成する技術が開示されている。この特許文献1に記載の技術では、インクジェット方式によるインク(熱硬化型のインク等)の吐出及びそのインクの硬化を複数回行って複数の層を積層し、当該複数の層により点字体を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示の技術において、点字体の形成工程数を少なくするため前記層の数はなるべく少ない方が好ましい一方、点字体の高さはある程度必要であるため、各層をなるべく厚くしたい。ここで、各層を厚くするには、インクを吐出後すぐに硬化させる、つまり、点字体を設ける基材にインクが着弾した後、当該インクをすぐに硬化させればよい。これにより、吐出後のインク(点字体を設ける基材に着弾したインク)が広がらないうちに硬化されるので、前記層を厚くできる。しかしながらインクが広がらないうちに当該インクを硬化させると、その層は、表面平滑度が低いマット層となってしまうので、点字体の触感が悪くなってしまう。
【0005】
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体と、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体を形成可能なインクジェットプリンタ及び点字体の形成方法と、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る点字体は、
積層された複数の層を有し、
前記複数の層は、電磁波硬化型、熱硬化型、又は、熱可塑型のインクで形成されており、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層がマット層であり、少なくとも前記最上層が、前記マット層よりも表面平滑度が高いグロス層である。
【0007】
上記構成によれば、1以上のマット層により、点字体の高さを稼ぎつつ、最上層を表面平滑度が高いグロス層とすることで、最上層をマット層とするときより、点字体の触感を滑らかにすることができる。従って、上記構成により、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体を得ることができる。
【0008】
前記複数の層と基材との間に設けられ、前記複数の層を前記基材に固定するプライマ層をさらに有する、
ようにしてもよい。
【0009】
上記構成によれば、プライマ層により点字体を基材に強固に固定できる。
【0010】
前記複数の層は、第1の層と、前記第1の層よりも下の層である第2の層と、を有し、
前記第1の層は、前記第2の層を被覆しており、前記第1の層の周縁部の少なくとも一部が前記プライマ層に付着している、
ようにしてもよい。
【0011】
上記構成によれば、複数の層のうちの最下層のみをプライマ層に付着させた場合に比べ、点字体をより強固に基材に固定できる。
【0012】
前記複数の層は上に位置する層ほど平面視における面積が大きく、上の層それぞれがその下の層を被覆し、
前記プライマ層は、前記下の層それぞれよりも平面視における面積が大きく、
前記上の層それぞれの周縁部が前記プライマ層の上面に付着している、
ようにしてもよい。
【0013】
上記構成によれば、点字体を好ましい形状にすることができ、かつ、点字体をより強固に基材に固定できる。
【0014】
前記複数の層は、インクジェット式の印刷により形成されている、
ようにしてもよい。
【0015】
これにより、複数の層を容易に形成できる。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るインクジェットプリンタは、
複数の層を有する点字体を形成するインクジェットプリンタであって、
電磁波硬化型、熱硬化型、又は、熱可塑型のインクを吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドから吐出された前記インクを硬化させる硬化部と、
前記プリントヘッドおよび前記硬化部を駆動する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記プリントヘッドを駆動し、前記インクを吐出させ、前記硬化部を駆動し、前記プリントヘッドから吐出された前記インクを硬化させる第1処理と、
前記プリントヘッドを駆動し、前記インクを吐出させ、前記硬化部を駆動し、前記プリントヘッドから吐出された前記インクを前記第1処理での硬化よりも当該インクの表面平滑度が高い状態で硬化させる第2処理と、
を行い、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層を前記第1処理で形成し、少なくとも前記最上層を前記第2処理で形成する。
【0017】
上記構成によれば、第1処理により形成する層により点字体の高さを稼ぎつつ、最上層を第2処理により形成することで、当該最上層の表面平滑度を低くすることができ、点字体の触感を滑らかにすることができる。従って、上記構成により、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体を形成することができる。
【0018】
前記複数の層を基材に固定するプライマ層を前記基材に形成するプライマ層形成部を有し、
前記制御部は、
前記プライマ層形成部を駆動し、前記プライマ層を形成させる第3処理をさらに行い、
前記複数の層において、上に位置する層ほど平面視における面積が大きく、上の層それぞれがその下の層を被覆するように、前記第3処理のあとに前記第1処理及び前記第2処理を行い、
前記プライマ層は、前記下の層それぞれよりも平面視における面積が大きく、
前記複数の層における前記上の層それぞれの周縁部が前記プライマ層の上面に付着する、
ようにしてもよい。
【0019】
上記構成によれば、点字体を好ましい形状にすることができ、かつ、点字体をより強固に基材に固定できる。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る点字体の形成方法は、
基材の上に複数の層を有する点字体を形成する点字体の形成方法であって、
電磁波硬化型、熱硬化型、又は、熱可塑型のインクをインクジェット方式により吐出し、吐出した前記インクを硬化させる第1処理と、
前記インクをインクジェット方式により吐出し、吐出した前記インクを、前記第1処理での硬化よりも当該インクの表面平滑度が高い状態で硬化させる第2処理と、を行い、
前記複数の層のうち、人が触る最上層以外の1以上の層を前記第1処理で形成し、少なくとも前記最上層を前記第2処理で形成する。
【0021】
上記構成によれば、第1処理により形成する層により点字体の高さを稼ぎつつ、最上層を第2処理により形成することで、当該最上層の表面平滑度を低くすることができ、点字体の触感を滑らかにすることができる。従って、上記構成により、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体を形成することができる。
【0022】
前記複数の層を基材に固定するプライマ層を前記基材に形成する第3処理を前記第1処理及び前記第2処理の前に行い、
前記複数の層において、上に位置する層ほど平面視における面積が大きく、上の層それぞれがその下の層を被覆するように、前記第1処理及び前記第2処理を行い、
前記プライマ層は、前記下の層それぞれよりも平面視における面積が大きく、
前記複数の層における前記上の層それぞれの周縁部が前記プライマ層の上面に付着する、
ようにしてもよい。
【0023】
上記構成によれば、点字体を好ましい形状にすることができ、かつ、点字体をより強固に基材に固定できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体と、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体を形成可能なインクジェットプリンタ及び点字体の形成方法と、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】(A)は、本発明の一実施形態に係る点字体の平面図である。(B)は、(A)の点字体のA-A断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る点字体を構成するプライマ層、複数のマット層、グロス層を形成するためのインクの吐出領域の面積(画像データ上の面積)を示す概念図である。
【
図4】最下層のマット層を形成する工程を示す工程図である。
【
図5】下から2番目のマット層を形成する工程を示す工程図である。
【
図6】グロス層を形成する工程を示す工程図である。
【
図7】(A)は、プリントヘッドから吐出され、吐出対象の表面に着弾した直後のUV硬化型インクの断面図である。(B)は、(A)の状態から時間が経過した後のUV硬化型インクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施の形態に係る点字体100、インクジェットプリンタ200、及び、点字体100の形成方法について図面を参照して説明する。点字体100は、点字を構成する「点」と呼ばれる突起である。点字体100の配列により点字が表現される。
【0027】
(点字体100の構成)
図1に示されるように、点字体100は、金属製又は合成樹脂製の基材50に形成され、プライマ層11と、複数のマット層12a~12iと、グロス層13と、を備えている。各層は、平面視(上方から見た場合)で同心円に形成されている。
【0028】
プライマ層11は、基材50の主面に直接形成されている。プライマ層11は、粘着性を有するプライマインクで形成されている。従って、プライマ層11は、粘着性を有し、マット層12a~12i及びグロス層13を基材50に固定するための粘着層である。
【0029】
マット層12a~12i及びグロス層13は、プライマ層11の上に形成されている。各層は、マット層12a、マット層12b・・・マット層12h、マット層12i、グロス層13の順に下(基材50側)から上に向けて積層されている。グロス層13は、マット層12a~12i及びグロス層13の各層の最上層となっており、点字を読む人が触る層である。マット層12a~12i及びグロス層13の各層は、同じUV(Ultra Violet:紫外線)硬化型インク(UV硬化樹脂を含有するインク)で形成されている。UV硬化型インクは、紫外線により硬化するインクであり、任意のものが用いられる。前記各層は、UV硬化型インクを塗布して硬化させることにより形成されるが、当該硬化の条件がマット層12a~12iとグロス層13とで異なる(詳しくは後述する)。これにより、マット層12a~12iとグロス層13とは、異なる性質を有する。具体的には、グロス層13の表面平滑度は高い。特に、グロス層13の表面平滑度は、マット層12a~12iそれぞれの表面平滑度よりも高い。換言すると、グロス層13の表面粗さは、マット層12a~12iそれぞれの表面粗さよりも低い。このようなことから、グロス層13の表面(上側の面)の方が滑らかである。一方で、マット層12a~12iの各層の厚み(上下方向の長さ)は厚い(特に、グロス層13よりも厚い)。なお、層の厚さは、当該層に凹凸がある場合には、凹凸をならした厚さ、又は、最も厚い部分の厚さであればよい。なお、UV硬化型インクの硬化により、マット層12a~12i及びグロス層13の各層は、隣接する層と付着されている。
【0030】
マット層12a~12i及びグロス層13からなる複数の層は、同心円状に形成されている。さらに、これら複数の層では、上の層ほど面積(特に、平面視したときの面積。以下同じ)が大きい(
図3も参照)。従って、各上の層がその1つ下の層を被覆している(下の層全体を覆っている)。例えば、上のマット層12bは下のマット層12aを被覆している。例えば、上のグロス層13は下のマット層12i(及びそれより下の層)を被覆している。上の層が下の層被覆するため、上の層は、下の層の上面を覆う部分(水平部分)と、当該下の層の外側の部分の傾斜面を覆う部分(水平面に対して傾斜している傾斜部分)と、を有する。このような構造により、最下層以外のマット層12b~12i及びグロス層13それぞれは、プライマ層11に達してプライマ層11に付着されている周縁部12bs~12is、13s(傾斜部分の縁であって、平面視でその下の層からはみ出た部分)を有する。最下層のマット層12aは、その下面全体がプライマ層11に付着されている。
【0031】
グロス層13を平面視したときの形状はプライマ層11と同じであり、グロス層13とプライマ層11とは平面視したときに、グロス層13はプライマ層11からはみ出していない。プライマ層11の面積は、マット層12a~12iの各層の面積よりも大きい。
【0032】
(インクジェットプリンタ200の構成)
インクジェットプリンタ200は、
図2に示すように、搬送機構210と、インクタンク220と、インク供給機構230と、プリントヘッド240と、駆動機構250と、硬化部260と、制御部(コントローラ)270と、を備える。
【0033】
搬送機構210は、基材50を搬送する。搬送機構210は、ベルトコンベアから構成される。搬送機構210は、基材50が置かれるテーブル及びテーブルを駆動する駆動機構を備えるものであってもよい。
【0034】
インクタンク220は、プライマ層11の材料となるプライマインクと、マット層12a~12i及びグロス層13の各層の材料となるUV硬化型インクと、を個別に貯留する。インクタンク220は、カートリッジ式として、インクジェットプリンタ200に取り付けられる。
【0035】
インク供給機構230は、インクタンク220内のプライマインク及びUV硬化型インクを個別にプリントヘッド240に供給する機構である。インク供給機構230は、UV硬化型インク及びプライマインクそれぞれについて、インクを貯留するサブタンクと、インクタンク220内のインクをサブタンクに供給する供給管と、サブタンクに貯留したインクを、プリントヘッド240を介して循環させる循環路を形成する循環管と、循環路におけるインクの循環を制御する弁と、当該弁を駆動する駆動装置と、を備える。
【0036】
プリントヘッド240は、インク供給機構230から供給されるプライマインク及びUV硬化型インクを個別にインクジェット方式で基材50に吐出する。プリントヘッド240は、プライマインク及びUV硬化型インクそれぞれについて、インク供給機構230の前記循環路を循環するインクを貯留する貯留室と、貯留室に貯留されているインクを押し出す圧電素子又はヒータと、押し出されたインクを吐出するノズルと、を備える。なお、プライマインク及びUV硬化型インクそれぞれについて、複数組の貯留室と、圧電素子又はヒータと、ノズルと、を後述の主走査方向に沿って並べて配置してもよい。これにより、主走査方向に沿って並ぶ複数の画素について同時にインクを吐出できる。
【0037】
駆動機構250は、プリントヘッド240を基材50の搬送方向(主走査方向)に直交する方向に移動させる。駆動機構250は、プリントヘッド240を搭載するキャリッジと、キャリッジを主走査方向に直交する副走査方向に移動させる移動機構と、を備える。前記移動機構は、キャリッジを副走査方向に移動可能に支持するガイドレール、キャリッジを牽引する牽引索及び牽引索を巻き取る巻き取り機構(ガイドレールの両端部それぞれに一組ずつ配置される)を含んで構成される。
【0038】
硬化部260は、基材50に吐出されたUV硬化型インクを硬化させる紫外線を出射するUVランプを含んで構成される。硬化部260は、例えば、駆動機構250が備える上記キャリッジに搭載され、プリントヘッド240とともに移動する(
図4等も参照)。
【0039】
制御部270は、搬送機構210(例えば、上記ベルトコンベア又は駆動機構)と、インク供給機構230(例えば、上記駆動装置)と、プリントヘッド240(例えば、上記圧電素子又はヒータ)と、駆動機構250(例えば、上記巻き取り機構)と、硬化部260と、を制御し、基材50に点字体100を形成する点字体形成処理を行う。
【0040】
前記点字体形成処理を行うため、制御部270は、プログラム、各種データを記憶する記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、記憶装置に記憶されたプログラムを実行し、各種データを用いることで前記印刷処理を実際に実行するプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)等)と、当該プロセッサのメインメモリと、各種インターフェースと、を含んで構成される。制御部270は、例えば、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0041】
(点字体100の形成方法ないし点字体形成処理)
点字体100は、制御部270が実行する点字体形成処理により形成される。以下、当該点字体形成処理を説明する。当該点字体形成処理は、実際には、複数の点字体100を形成して点字を表現する処理であるが、ここでは、1つの点字体100を形成する処理として説明する。複数の点字体100を形成する場合、後述の画像データを各点字体100について用意してもよいし、1つの画像データで各点字体100の各層の形状及び位置を表してもよい。
【0042】
当該点字体形成処理は、外部のホストコンピュータ等から点字体100を形成するための画像データが供給されたことを契機として開始される。前記画像データは、点字体100を構成する各層(プライマ層11、マット層12a~12i、グロス層13の各層)それぞれについて、画素毎にプライマインク及びUV硬化型インクそれぞれの吐出/非吐出を指定することで、前記各層の形状及び位置を表すデータである。なお、1画素当たり(単位面積当たり)のインクの吐出量は、各層において共通するものとする。画像データ上、各層は、複数の画素により円形となっており、かつ、中心が一致する。プライマ層11、マット層12a~12i、グロス層13つまり、各層は、同心円となっている。実際に形成される各層も、平面視において同心円状に形成される。マット層12a~12i及びグロス層13の各層の各面積は、
図3に示すように上層になる程大きい。さらに、画像データ上、プライマ層11とグロス層13とは、一致するように同形状に表現される。
【0043】
点字体形成処理において、制御部270は、まず、搬送機構210を制御して基材50を印刷開始位置まで移動させる。その後、制御部270は、点字体100を実際に形成するための処理を行う。具体的には、制御部270は、搬送機構210と、インク供給機構230と、プリントヘッド240と、駆動機構250と、硬化部260と、を制御(駆動)することで、基材50の上に、プライマ層11、マット層12a、マット層12b、マット層12c、マット層12d、マット層12e、マット層12f、マット層12g、マット層12h、マット層12i、グロス層13を順次形成していく(下の層から順次形成される)。
【0044】
プライマ層11を形成する場合、制御部270は、搬送機構210及び駆動機構250を制御し、プリントヘッド240を基材50に対して相対的に副走査方向及び主走査方向に移動させる。この移動中、制御部270は、プリントヘッド240が備えるノズルがプライマインクを吐出する画素の位置(画像データにより指定される)に到達したタイミングで、当該プリントヘッド240を制御し当該ノズルからプライマインクを吐出させる。これにより、基材50の上には、プライマインクが円形の塗膜を構成するように塗布され、塗布されたプライマインクが定着することで円形のプライマ層11が形成される。プリントヘッド240のプライマインクを吐出する部分は、プライマ層11を制御部270の制御のもとで形成するプライマ層形成部(制御部270により駆動される)となっている。なお、定着に際し、加熱、乾燥等の処理が行われてもよい。この場合、インクジェットプリンタ200は、制御部270に制御され、プライマインクを定着させる処理を行う定着部を備え、当該定着部によりプライマインクを定着させる。この場合、当該定着部を含めてプライマ層形成部が構成されてもよい。なお、プライマ層11は、インクジェット以外の他の方法(例えば、スクリーン印刷等)で形成されてもよい。プライマ層形成部は、プライマ層11を形成する好適な装置により形成されればよい。
【0045】
マット層12aの形成については、
図4を参照して説明する。マット層12aを形成する際、制御部270は、搬送機構210及び駆動機構250を制御し、プリントヘッド240を基材50に対して相対的に副走査方向及び主走査方向に移動させる。この移動中、制御部270は、硬化部260を制御し、硬化部260(UVランプ)から紫外線U1を出射させる(
図4(A))。当該紫外線U1は、UV硬化型インクをただちに硬化(ここでは、UV硬化型インクを固体化させる完全硬化)させるエネルギーを有する。さらに、前記移動中、制御部270は、プリントヘッド240が備えるノズルがUV硬化型インクを吐出する画素の位置(画像データにより指定される)に到達したタイミングで、当該プリントヘッド240を制御し当該ノズルからUV硬化型インクLを吐出させる(
図4(A))。吐出されたUV硬化型インクLは、基材50の上(ここでは、プライマ層11上)に着弾し、着弾後に硬化部260(UVランプ)からの紫外線U1により硬化する。硬化したUV硬化型インクLにより形成される層12aa(
図4(A))は、マット層12aの一部を構成する。UV硬化型インクLの吐出及び紫外線U1の照射(つまり、UV硬化型インクLの硬化)が一通り終わると、マット層12aが完成する(
図4(B))。マット層12aは、下面全体が、プライマ層11に付着している。
【0046】
マット層12bの形成については、
図5を参照して説明する。マット層12bを形成する際、制御部270は、マット層12aの形成のときと同様に、プリントヘッド240を基材50に対して相対的に副走査方向及び主走査方向に移動させる。この移動中、制御部270は、硬化部260(UVランプ)から紫外線U1を出射させる(
図5(A))。さらに、制御部270は、プリントヘッド240が備えるノズルがUV硬化型インクを吐出する画素の位置に到達したタイミングで、当該ノズルからUV硬化型インクLを吐出させる(
図5(A))。吐出されたUV硬化型インクLは、基材50の上(ここでは、プライマ層11又はマット層12a)に着弾し、着弾直後に硬化部260(UVランプ)からの紫外線U1により硬化する。硬化したUV硬化型インクLにより形成される層12ba(
図5(A))は、マット層12bの一部を構成する。UV硬化型インクLの吐出及び紫外線U1の照射(つまり、UV硬化型インクLの硬化)が一通り終わると、マット層12bが完成する(
図5(B))。なお、プライマ層11に着弾したUV硬化型インクLは、硬化により、マット層12bの周縁部12bs(プライマ層11に付着した部分)となる。
【0047】
マット層12c~マット層12iそれぞれも、上記マット層12a、12bと同様に形成される。
【0048】
グロス層13の形成については、
図6を参照して説明する。グロス層13を形成する際、制御部270は、マット層12a等の形成のときと同様に、プリントヘッド240を基材50に対して相対的に副走査方向及び主走査方向に移動させる。この移動中、制御部270は、硬化部260(UVランプ)から紫外線U2を出射させる(
図6(A))。当該紫外線U2は、UV硬化型インクを半硬化させる程度のエネルギーしか有さない。半硬化とは、UV硬化型インクを固体にまで完全硬化させない程度の硬化であり、半硬化状態のUV硬化型インクは、流体である。さらに、制御部270は、プリントヘッド240が備えるノズルがUV硬化型インクを吐出する画素の位置(画像データにより指定される)に到達したタイミングで、当該ノズルからUV硬化型インクLを吐出させる(
図6(A))。吐出されたUV硬化型インクLは、基材50の上(ここでは、プライマ層11又はマット層12i)に着弾し、着弾直後に硬化部260(UVランプ)からの紫外線U2により半硬化する。半硬化したUV硬化型インクLにより形成される層13a(
図6(A)及び(B))は、未だ流体である。UV硬化型インクLの吐出及び紫外線U2の照射(つまり、UV硬化型インクLの半硬化)が一通り終わると、制御部270は、所定期間待機後、硬化部260(UVランプ)から、半硬化状態のUV硬化型インクLを硬化(完全硬化)させるエネルギーを有する紫外線U3を出射させながら、プリントヘッド240を基材50に対して相対的に副走査方向及び主走査方向に移動させる(
図6(C))。このとき、制御部270は、層13a全てに紫外線U3を照射して、層13a全体を硬化させるように、プリントヘッド240を相対的に移動させる。これにより、層13aが硬化し、グロス層13が完成する(
図6(D))。なお、プライマ層11に着弾したUV硬化型インクLは、硬化により、グロス層13の周縁部13s(プライマ層11に付着した部分)となる。
【0049】
インクジェット方式では、一画素ごとに一滴のUV硬化型インクが吐出され、基材50の上に着弾するので、着弾直後のUV硬化型インクは、中心が盛り上がったドーム形状となる(
図7(A)の着弾後のUV硬化型インクX参照)。その後、UV硬化型インクX(
図7(A))は、硬化して固体にならない限り徐々に濡れ広がっていく(
図7(B))。
【0050】
上記マット層12a~12iの形成では、UV硬化型インクを着弾後すぐに硬化させる。つまり、UV硬化型インクは、着弾後、広がる前に硬化する。このため、UV硬化型インクが硬化して形成されたマット層12a~12iそれぞれの表面は、
図7(A)のようなドーム形状が集まった凹凸形状である(なお、
図1、
図3~6では、当該凹凸は省略されている)。このため、マット層12a~12iは、UV硬化型インクが広がる前に硬化して形成されるため、その厚さも厚い(グロス層13と比較しても厚い)。
【0051】
一方、グロス層13の形成では、UV硬化型インクを半硬化後、硬化させる。半硬化状態のUV硬化型インクは、
図7(B)のように徐々に広がる。従って、半硬化状態を経由して形成されたグロス層13の表面は、半硬化状態の期間のUV硬化型インクの広がりにより、滑らかに形成される。特に、グロス層13は、マット層12a~12iに比べ高い表面平滑度を有する(凹凸が無い方がよいが、多少の凹凸は許容される。)。なお、表面平滑度は、ベック平滑度、シェフィールド平滑度等を用いて表される。さらに、前記広がりにより、グロス層13は、マット層12a~12iに比べ薄くなっている。グロス層13を形成する際の紫外線U2の強さ、紫外線U2の照射時間、制御部270の上記待機時間等は、予め実験等によって適切なものを定めておく(UV硬化型インクの広がりが早い場合、待機時間は0秒でもよい。)。なお、グロス層13の形成では、半硬化状態のUV硬化型インクの広がりがあるので、平面視におけるグロス層13の形状は、グロス層13を形成する際に使用される前記画像データで表される平面視の形状よりも多少広がっている場合がある。つまり、グロス層13は、プライマ層11よりも多少はみ出る場合がある。
【0052】
(実施形態上の効果)
本実施の形態では、点字体100が有する複数の層をUV硬化型インクで形成し、当該複数の層うち、最上層以外の層を厚さの厚いマット層12a~12iとし、最上層をマット層12a~12iよりも表面平滑度が高いグロス層13とした。これにより、マット層12a~12iそれぞれの厚みにより点字体100の高さを稼ぐことができる。特に、マット層12a~12iそれぞれがグロス層13よりも厚くなることで、全ての層をグロス層で形成した点字体100よりも高さを稼げる。さらに、最上層をグロス層13としたことにより、最上層をマット層とするときより点字体100の触感を滑らかにすることができる。従って、この実施の形態によれば、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体100を得ることができる。
【0053】
また、グロス層13を形成する際、半硬化状態のUV硬化型インクを、マット層12a~12iを形成するとき(硬化させるとき)よりも広がったとき(表面平滑度が高い状態のとき)に硬化させるので、グロス層13の表面平滑度をマット層12a~12iよりも高くすることができる。また、UV硬化型インクを吐出後にすぐに硬化させてマット層12a~12iを形成するので、これら各層を厚くできる。従って、本実施形態によれば、積層構造を有しながら、必要な高さを有しかつ触感が滑らかな点字体100を形成することができる。なお、UV硬化型インクを半硬化状態とせずに、吐出時のUV硬化型インクの状態のまま、UV硬化型インクの広がり(表面の平滑化)を待っても良いが、UV硬化型インクを半硬化させた方が当該広がりの速度が遅くなり、UV硬化型インクの硬化タイミングを制御しやすい。
【0054】
また、点字体100は、マット層12a~12i及びグロス層13と基材50との間に設けられ、マット層12a~12i及びグロス層13を基材50に固定するプライマ層11をさらに有する。これにより、プライマ層11により点字体100を基材50に強固に固定できる。
【0055】
また、プライマ層11は、マット層12a~12iよりも面積が大きく、平面視において、プライマ層11は、マット層12a~12iそれぞれからはみ出た部分を有する。さらに、マット層12a~12i及びグロス層13は、上に位置する(上に積層された)層ほど面積が大きく1つ下の層を被覆している。さらに、最下層であるマット層12aの下面がプライマ層11に付着しており、最下層以外のマット層12b~12i及びグロス層13の各周縁部(平面視において1つ下の層からはみ出た部分)がプライマ層11の上面に付着している。マット層12a~12i及びグロス層13の各層の面積を同じにしたり、上の層ほど面積を小さくしたりしてもよいが、上記実施の形態のように、上の層ほど面積が大きく1つ下の層全体を覆うと、好適な形状(中心が高いドーム形状)の点字体が得られる。しかも、最下層以外のマット層12b~12i及びグロス層13の各周縁部がプライマ層11に付着していることにより、最下層のみがプライマ層11に付着するよりも、点字体100をより強固に基材50に固定できる。なお、平面視においてプライマ層11が、グロス層13からはみ出ないようにすることで、粘着性を有するプライマ層11を露出させずにすむ。なお、マット層12a~12i及びグロス層13からなる複数の層のうち、少なくとも上下方向で隣接する2層において、上の層が下の層と比較して大きい面積を有し、当該上の層が下の層を覆い、上の層の周縁部(1つ下の層からはみ出た部分)のうちの少なくとも一部がプライマ層11に付着するように形成すれば、マット層12a~12i及びグロス層13を強固に基材50に固定できる。
【0056】
インクジェット方式により点字体の形成で得られるマット層12a~12iの一層当りの厚さは、0.04mm程度である。マット層12a~12iは、9層であり、さらにグロス層13もあるので、点字体100の高さは、0.36mm以上である。従って、点字体100は、JIS規格等(例えば、0.4mm±0.1mm)を満たすことができる。また、本実施の形態では、インクジェットプリンタにより、点字体100を形成するので、JIS規格等を満たす点字体を容易に形成できる。マット層の層数及びグロス層の層数は、JIS規格等を満たす限り、任意の層数を採用できる。
【0057】
(変形例)
本発明は、上記実施の形態に限定されない。上記の実施の形態に各種の変形を施してもよい。以下、変形例を挙げる。
【0058】
(変形例1)
マット層12a~12iとグロス層13とを有する構成であったが、この構成に限定されなくてもよい。すなわち、マット層12a~12iの一部をグロス層13と同様の方法で形成されるグロス層に置き換えてもよい。また、マット層12a~12iを、マット層とグロス層とは異なる層としてもよい。また、点字体100が有する層の数は、上記実施形態の層の数以外であってもよい。
【0059】
(変形例2)
マット層12a~12iの形成において、ある程度表面を平坦化するため、グロス層13ほど広がらせない範囲で、マット層12a~12iの形成で吐出されたUV硬化型インクを広がらせてもよい(半硬化は、経由してもしなくてもよい)。なお、硬化部260が照射する紫外線の強さを調整して、UV硬化型インクの硬化速度、半硬化の程度等を調整してもよい。また、弱い紫外線を照射し続け、UV硬化型インクを徐々に硬化させながら広がらせてもよい。
【0060】
(変形例3)
グロス層13は、基材50全体を被覆する層であってもよい。点字体100と基材50との固着強度が良好であれば、プライマ層11を省略してもよい。プライマ層11は、基材50全面に設けても良い。この場合、点字体100を形成していない部分は、プライマ層11が露出するので、当該露出した部分については、何らかのコートで被覆するとよい。また、プライマ層11の代わりに基材50に対してプライマ処理を施すことで、点字体100と基材50との固着強度を上昇させてもよい。
【0061】
(変形例4)
マット層12a~12iとグロス層13とは、熱硬化型又は熱可塑型のインク(加熱又は冷却により硬化するインク)、又は、UV硬化型インク以外の他の電磁波硬化型インク(例えば、可視光により硬化するインク、電子線(EB)により硬化するインク)を材料として形成されてもよい。熱硬化型のインクを採用する場合、硬化部260としてヒータ又は冷却装置等を採用する。また、他の電磁波硬化型インクを採用する場合には、硬化部260として、当該インクの硬化に必要な電磁波(例えば、可視光、又は、電子線)を出射するランプ等を採用する。マット層12a~12iとグロス層13の各層は、同じ材料で形成される他、異なる材料により形成されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
11 プライマ層
12a~12i マット層
12as~12is 周縁部
13 グロス層
13s 周縁部
50 基材
100 点字体
200 インクジェットプリンタ
240 プリントヘッド
260 硬化部
270 制御部
L UV硬化型インク
U1~U3 紫外線
X 着弾後のUV硬化型インク