(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】架替工法及び架設機
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20220104BHJP
E01D 24/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
E01D21/00 B
E01D24/00
(21)【出願番号】P 2017167952
(22)【出願日】2017-08-31
【審査請求日】2020-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592105620
【氏名又は名称】ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501154987
【氏名又は名称】株式会社 ワイ・シー・イー
(74)【代理人】
【識別番号】100113712
【氏名又は名称】野口 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】三城 一晃
(72)【発明者】
【氏名】金子 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】岩本 知弘
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 雅紀
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-154708(JP,U)
【文献】特開平07-247702(JP,A)
【文献】特開2004-107972(JP,A)
【文献】特開2006-299650(JP,A)
【文献】特開2017-101492(JP,A)
【文献】特開2010-007245(JP,A)
【文献】特開2010-007243(JP,A)
【文献】特開2005-002702(JP,A)
【文献】特開2015-113576(JP,A)
【文献】特開平06-026014(JP,A)
【文献】特開2007-291719(JP,A)
【文献】特開2009-002053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 21/00
E01D 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道橋の架替区間にある主桁を旧桁から新桁に架け替える架替工法であって、
第1乃至第3の架設機が用いられ、
架替区間を挟んで配置した第2の架設機及び第3の架設機で旧桁を吊上げる吊上げ工程と、
第3の架設機と、前記旧桁と、第2の架設機と、新桁とがこの順になるように剛結した剛結編成を第3の架設機がある方向に移動してその旧桁を架替区間から搬出する旧桁搬出工程と、
第2の架設機と、前記新桁と、第1の架設機とがこの順になるように剛結した剛結編成を第2の架設機がある方向にさらに移動してその新桁を架替区間に送り出す送り出し工程と、
第1の架設機及び第2の架設機で前記新桁を吊下げて架替区間に架け渡す吊下げ工程とを有し、
前記架設機は、梁部材としての架設桁と、前記架設桁を主桁に剛結するための連結構と、主桁を吊上げ及び吊下げるための吊上げ吊下げ装置と、レール上を移動するための台車とを有することを特徴とする架替工法。
【請求項2】
前記吊上げ工程より前に、第1の架設機と、前記新桁と、第2の架設機とがこの順になるように架替区間に隣接する区間に搬入する新桁搬入工程を有することを特徴とする請求項1に記載の架替工法。
【請求項3】
前記新桁搬入工程より後、前記吊上げ工程より前に、第2の架設機と前記新桁とを剛結する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の架替工法。
【請求項4】
前記旧桁搬出工程より後、前記吊下げ工程より前に、第3の架設機を解放する工程と、前記旧桁を解放する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の架替工法。
【請求項5】
前記主桁を移動する際に、その主桁の下にレール上を移動するための台車が仮設されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の架替工法。
【請求項6】
鉄道橋の架替区間にある主桁を
旧桁から新桁に架け替えるために用いられる架設機であって、
梁部材としての架設桁と、
前記架設桁を
旧桁及び新桁のいずれかに剛結するための連結構と、
架替区間を挟んで配置した2台の該架設機で前記旧桁を吊上げ
るため及び
前記新桁を吊下げるための吊上げ吊下げ装置と、
レール上を移動するための台車を有
し、
前記吊上げ吊下げ装置は、前記剛結が可能な高さまで前記旧桁を吊上げ、前記剛結を解放されたところから前記新桁を吊下げ降下することを特徴とする架設機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道橋の主桁を架け替える架替工法、主桁を架け替えるために用いられる架設機に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道橋の主桁(橋桁)は、老朽化が進むと架け替える必要が生じる。しかし、架け替える主桁が地上から高い位置にある場合や、主桁の下が河川である等、クレーン等の機械装置を設置することが難しい場合には、クレーン等を用いて主桁を架け替えることができない。
【0003】
従来から、レール上を移動可能な橋桁工事用装置が知られている(特許文献1参照)。この橋桁工事用装置は、架設桁で橋桁(主桁)を吊下げてその橋桁を架設又は撤去する。架設桁は、架設区間又は撤去区間の長さの2倍よりやや長く、橋桁を吊り下げた状態で水平方向に送り出すリフト装置等を有する。しかしながら、このような橋桁工事用装置は、架設桁が長いため、橋桁工事用装置が置かれた基地から架設区間までの線路に急な曲線があると、架設区間に搬入することができない。また、架設区間の近くに狭小なトンネルがあると、リフト装置等がトンネルに支障し、橋桁工事用装置を架設区間に搬入することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するものであり、鉄道橋の架替区間が地上から高く、近くに曲線やトンネルがあっても主桁を架け替えることができる架替工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の架替工法は、鉄道橋の架替区間にある主桁を旧桁から新桁に架け替える工法であって、第1乃至第3の架設機が用いられ、架替区間を挟んで配置した第2の架設機及び第3の架設機で旧桁を吊上げる吊上げ工程と、第3の架設機と、前記旧桁と、第2の架設機と、新桁とがこの順になるように剛結した剛結編成を第3の架設機がある方向に移動してその旧桁を架替区間から搬出する旧桁搬出工程と、第2の架設機と、前記新桁と、第1の架設機とがこの順になるように剛結した剛結編成を第2の架設機がある方向にさらに移動してその新桁を架替区間に送り出す送り出し工程と、第1の架設機及び第2の架設機で前記新桁を吊下げて架替区間に架け渡す吊下げ工程とを有し、前記架設機は、梁部材としての架設桁と、前記架設桁を主桁に剛結するための連結構と、主桁を吊上げ及び吊下げるための吊上げ吊下げ装置と、レール上を移動するための台車とを有することを特徴とする。
【0007】
この架替工法において、前記吊上げ工程より前に、第1の架設機と、前記新桁と、第2の架設機とがこの順になるように架替区間に隣接する区間に搬入する新桁搬入工程を有することが好ましい。
【0008】
この架替工法において、前記新桁搬入工程より後、前記吊上げ工程より前に、第2の架設機と前記新桁とを剛結する工程を有することが好ましい。
【0009】
この架替工法において、前記旧桁搬出工程より後、前記吊下げ工程より前に、第3の架設機を解放する工程と、前記旧桁を解放する工程とを有することが好ましい。
【0010】
この架替工法において、前記主桁を移動する際に、その主桁の下にレール上を移動するための台車が仮設されることが好ましい。
【0011】
本発明の架設機は、鉄道橋の架替区間にある主桁を架け替えるために用いられるものであって、梁部材としての架設桁と、前記架設桁を主桁に剛結するための連結構と、主桁を吊上げ及び吊下げるための吊上げ吊下げ装置と、レール上を移動するための台車と有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の架替工法によれば、レール上の移動を利用するので、鉄道橋の架替区間が地上から高くても主桁を旧桁から新桁に架け替えることができる。また、架設桁を有する架設機が旧桁又は新桁と剛結されるので、架設桁が旧桁又は新桁の長さ分長くなったように機能する。このため、架設機は、架設桁を短くでき、架替区間の近くに曲線があっても曲線を通過することができる。また、架設機は、主桁を架設桁に対して水平方向に送り出す機能が不要であるので、小さくできる。このため、架設機は、架替区間の近くにトンネルがあってもトンネルを通過することができる。したがって、この架設機を用いることにより、架替区間の近くに曲線やトンネルがあっても主桁を架け替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】(a)~(c)は本発明の一実施形態に係る架替工法における新桁搬入工程を時系列順に示す側面図。
【
図3】同工法における新桁搬入工程の続きを示す側面図。
【
図4】(a)及び(b)は同工法における吊上げ工程を時系列順に示す側面図。
【
図5】(a)~(c)は同工法における旧桁搬出工程を時系列順に示す側面図。
【
図6】(a)~(c)は旧桁搬出工程における
図5の続きを時系列順に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る架設機について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、架設機1は、架設桁11と、連結構12と、吊上げ吊下げ装置13と、台車14とを有する。架設桁11は、梁部材である。連結構12は、架設桁11を主桁である旧桁や新桁と剛結するための部材である。吊上げ吊下げ装置13は、主桁を吊上げ及び吊下げるための装置である。台車14は、架設機1がレール上を移動するための装置である。
【0015】
上記のように構成された架設機1をさらに詳述する。架設桁11は、長尺状の梁部材であり、レール方向を長尺方向とする。連結構12は、架設桁11と主桁を長手方向が一致するように互いに剛に結合する。本実施形態では、架設桁11は、線路の保守にも用いられる一般的な架設桁であり、連結構12と複数のボルトで締結される。架設桁11と連結構12を一体構成してもよい。吊上げ吊下げ装置13は、ワイヤを巻き上げ下げすることによって、ワイヤに支持された主桁を架設桁11に対して吊上げ下げする。この吊上げ吊下げ装置13は、主桁を架設桁11に対して水平方向に送り出す機能は有しない。
図1に示す架設機1は、架設桁11の両端にそれぞれ連結構12及び吊上げ吊下げ装置13を有するが、架設桁11の一方の端部だけに連結構12及び吊上げ吊下げ装置13を有してもよい。台車14は、車輪、車軸、及び台車枠等を有する。なお、架設機1は、連結器を有し、連結器で主桁と連結することができる。連結器による結合は、ピン結合である。架設機1は、連結器によって主桁と連結されて、曲線を通過することができる。曲線通過を一層容易にするために、台車14を架設桁11に対してマクラギ方向に変位可能に構成してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る架替工法を
図2乃至
図9を参照して説明する。この架替工法では、3台の架設機1が用いられる。その3台の架設機1を第1の架設機1A、第2の架設機1B、第3の架設機1Cと称して区別する。すなわち、第1~第3の架設機1が用いられる。
【0017】
図2(a)に示すように、この架替工法は、鉄道橋の架替区間Xにある主桁を旧桁2から新桁3に架け替える工法である。旧桁2は、撤去される既設の主桁である。新桁3は、新設される主桁である。主桁は、橋脚や橋台などの下部工で支持される。
【0018】
本実施形態では、
図2に示す区間より左の区間に基地(ヤード)がある。最初にその基地で準備工が行われる。先ず、新桁3が組み立てられる。新桁3にレール締結装置等が組み込まれる。新桁3の下にレール上を移動するための台車4が仮設される。3台の架設機1を準備する。そして、連結器で連結し、第2の架設機1B+新桁3+第1の架設機1A+モーターカー5aから成る一番編成を組成し、基地内で待機する。モーターカー5b+第3の架設機1Cから成る二番編成を組成し、基地内で待機する。
【0019】
そして、一番編成と二番編成が基地を出発する。一番編成と二番編成は、
図2に示す現場区間に図の左から進入する。なお、これは一例であり、本実施形態とは左右が逆の配置であってもよい。
【0020】
この架替工法は、先ず、新桁搬入工程を有する。
図2(a)~(c)に示すように、新桁搬入工程において、第1の架設機1Aと、新桁3と、第2の架設機1Bとがこの順になるように架替区間Xに隣接する区間に搬入される。
【0021】
この新桁搬入工程をさらに詳述する。第1の架設機1Aと、新桁3と、第2の架設機1Bをこの順に連結して、モーターカー5aで牽引する(一番編成)。新桁3は、軌条直線部(橋梁上)に移動する(
図2(b)参照)。そして、第2の架設機1Bと新桁3とを剛結する(
図2(c)参照)。なお、台車4、14として、本線移動用の台車と工事用の工事台車を設け、それらを使い分けることが望ましい。台車を使い分ける場合、本線移動用の台車がジャッキアップされ、工事台車が降下される。これにより、本線での台車の故障が防がれる。本線移動用の台車と工事用の工事台車を共用してもよい。
【0022】
図3に示すように、新桁搬入工程において、第1の架設機1Aと、新桁3と、第2の架設機1Bがこの順になるように架替区間Xに隣接する区間に搬入された状態となる(
図3では架替区間Xの右隣の区間)。そして、次の工程の準備として、第3の架設機1Cが、モーターカー5bで推され(二番編成)、架替区間Xの手前まで搬入される(
図3では架替区間Xの左隣の区間)。
【0023】
この架替工法は、次に、吊上げ工程を有する。
図4(a)及び(b)に示すように、吊上げ工程において、架替区間Xを挟んで配置した第2の架設機1B及び第3の架設機1Cで旧桁2を吊上げる。
【0024】
この吊上げ工程をさらに詳述する。架替区間Xを挟んで第2の架設機1B及び第3の架設機1Cが配置される(
図4(a)参照)。そして、旧桁2の両端でレールの切断を行い、旧桁2の吊り上げ準備がされる。そして、第2の架設機1Bと第3の架設機1Cで旧桁2を吊上げる(
図4(b)参照)。旧桁2の重量によって第2の架設機1B及び第3の架設機1Cが引っ張られる力にモーターカー5a、5bで対抗する。旧桁2は、第2の架設機1B及び第3の架設機1Cと剛結可能な高さまで吊上げられる。
【0025】
この架替工法は、次に、旧桁搬出工程を有する。
図5(a)~(c)及び
図6(a)~(c)に示すように、旧桁搬出工程において、第3の架設機1Cと、旧桁2と、第2の架設機1Bと、新桁3とがこの順になるように剛結した剛結編成を第3の架設機1Cがある方向(図の左方向)に移動して旧桁2を架替区間Xから搬出する。
【0026】
この旧桁搬出工程をさらに詳述する。旧桁2の一端を第2の架設機1Bに剛結し、旧桁2の他端を第3の架設機1Cに剛結する(
図5(a)参照)。これにより、第3の架設機1Cと、旧桁2と、第2の架設機1Bと、新桁3とがこの順になるように剛結した剛結編成が構成される。第1の架設機1Aは、新桁3から切り離される。そして、モーターカー5a、5bが離脱する。そして、剛結編成に移動設備が設置される。移動設備は、引き込み用のウインチ6と、反対方向の惜しみ張力をかけるウインチ7である。ウインチ6は、油圧で駆動されて、ワイヤで第3の架設機1Cを図の左方向に引っ張る設備である。ウインチ7は、油圧で駆動されて、ワイヤで新桁3を図の右方向に引っ張る設備である。旧桁2を移動する際に、その旧桁2の下にレール上を移動するための台車4が仮設される。そして、第1回の移動が行われる(
図5(b)参照)。その移動距離は、例えば5m程度である。そして、第1回の盛替が行われる(
図5(c)参照)。第1回の盛替では、旧桁2の台車4が移設される。
【0027】
そして、第2回の移動が行われる(
図6(a)参照)。そして、第2回の盛替が行われる(
図6(b)参照)。第2回の盛替では、旧桁2及び新桁3の台車4の移設等が行われる。そして、第3の架設機1Cが解放される(
図6(c)参照)。解放された第3の架設機1Cはモーターカー5bで搬出される。そして、数回の移動及び盛替が行われる。
【0028】
この架替工法は、次に、送り出し工程を有する。
図7に示すように、送り出し工程において、第2の架設機1Bと、新桁3と、第1の架設機1Aとがこの順になるように剛結した剛結編成を第2の架設機1Bがある方向(
図7の左方向)にさらに移動してその新桁3を架替区間Xに送り出す。
【0029】
この送り出し工程をさらに詳述する。第1の架設機1Aをモーターカー5aで移動し、新桁3に剛結する。これにより、第2の架設機1Bと、新桁3と、第1の架設機1Aとがこの順になるように剛結した剛結編成が構成される。本実施形態では、この時点で、旧桁2は第2の架設機1Bに剛結されたままとされる。モーターカー5bでこの剛結編成を牽引して移動する。そして、旧桁2を第2の架設機1Bから解放し、モーターカー5bで移動する(
図7の左方向)。そして、モーターカー5aで剛結編成をさらに移動して、新桁3を送り出す(
図7の左方向)。
【0030】
この架替工法は、次に、吊下げ工程を有する。
図8に示すように、吊下げ工程において、第1の架設機1A及び第2の架設機1Bで新桁3を吊下げて架替区間Xに架け渡す。そして、新桁3のレールと既設レールを仮連結する。
【0031】
この吊下げ工程をさらに詳述する。第1の架設機1Aにウインチ7をワイヤで接続し、第2の架設機1Bにウインチ6をワイヤで接続する。そして、新桁3と第1の架設機1Aの剛結を解放するとともに、新桁3と架設機1Bの剛結を解放する。そして、第1の架設機1A及び第2の架設機1Bで新桁3を吊下げ降下する。新桁3の重量によって第1の架設機1A及び第2の架設機1Bが引っ張られる力にウインチ7及びウインチ6で対抗する。新桁3の吊下げ降下が完了したら、ウインチ7及びウインチ6を撤去する。
【0032】
図9に示すように、最後に、モーターカー5aで、第1の架設機1A及び第2の架設機1Bを推して基地に回送する。そして、レール高さの最終確認を行い、新桁沓周りの型枠を設置し、無収縮モルタルを打設する。
【0033】
以上、本実施形態に係る架替工法によれば、レール上の移動を利用するので、鉄道橋の架替区間Xが地上から高くても主桁を架け替えることができる。また、架設桁11を有する架設機1が旧桁2又は新桁3と剛結されるので、架設桁11が旧桁2又は新桁3の長さ分長くなったように機能する。すなわち、旧桁2又は新桁3が架設桁の一部として機能する。このため、架設機1は、架設桁11を短くでき、架替区間Xの近くに曲線があっても曲線を通過することができる。また、架設機1は、主桁を架設桁11に対して水平方向に送り出す機能が不要であるので、小さくできる。このため、架設機1は、架替区間Xの近くにトンネルがあってもトンネルを通過することができる。したがって、この架設機1を用いることにより、架替区間Xの近くに曲線やトンネルがあっても主桁を架け替えることができる。また、レール上を移動して旧桁2を架替区間から搬出するので、旧桁2を線路横に一時的に置かなくてもよく、架替区間Xの近くに広い仮置きスペースを要しない。
【0034】
また、吊上げ工程より前に、第2の架設機1Bと新桁3を剛結することにより、旧桁2を吊上げる時に新桁3がカウンターバランスとして機能する。
【0035】
また、旧桁搬出工程より後に、第3の架設機1Cを解放する工程と、旧桁2を解放する工程とを有するので、旧桁2を架替区間Xから搬出した後、旧桁2を基地まで移動する途中に急な線路があっても曲線を通過することができる。また、吊下げ工程より前に、第3の架設機1Cを解放する工程と、旧桁2を解放する工程とを有するので、吊下げ工程と並行して旧桁2を基地まで移動することができ、架替工法に要する時間が短縮される。
【0036】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、架設機1に、吊上げ下げする重量に対抗するためのカウンターバランスを搭載してもよい。また、架替区間Xの両側の区間にそれぞれ基地がある場合、一方の基地で一番編成、他方の基地で二番編成を組成して、現場区間に搬入してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1、1A、1B、1C 架設機
11 架設桁
12 連結構
13 吊上げ吊下げ装置
14 台車
2 旧桁(主桁)
3 新桁(主桁)
4 台車
X 架替区間