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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】冷却液分配装置
(51)【国際特許分類】
   F01P 3/02 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
F01P3/02 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017190773
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019065748
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 博志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 豊
(72)【発明者】
【氏名】金坂 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 繁
(72)【発明者】
【氏名】笠原 延修
【審査官】池田 匡利
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-003035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0048411(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0146092(US,A1)
【文献】特開2015-108347(JP,A)
【文献】特公昭53-016922(JP,B1)
【文献】特開2015-030289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液を複数の経路を介してエンジンの冷却対象部に分配する冷却液分配装置であって、
前記冷却対象部から出た冷却液を輸送し、かつ、互いに並列に配置された第1入口流路、第2入口流路及び第3入口流路と、
前記第1入口流路、前記第2入口流路及び前記第3入口流路の少なくとも1つの流路から輸送される冷却液を前記冷却対象部に戻し、かつ、互いに並列に配置された第1出口流路、第2出口流路及び第3出口流路と、
所定角度範囲内で回転可能に設けられた弁体と、
前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第1入口流路に接続または遮断される第1接続流路と、
前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第2入口流路に接続または遮断される第2接続流路と、
前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第3入口流路に接続または遮断される第3接続流路と、
前記弁体の回転方向の所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第1出口流路に接続または遮断される第4接続流路と、
前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第2出口流路に接続または遮断される第5接続流路と、
前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第3出口流路に接続または遮断される第6接続流路と、
を有し、
前記第1入口流路、前記第2入口流路、前記第3入口流路、前記第1接続流路、前記第2接続流路及び前記第3接続流は前記弁体の回転軸方向で第1の範囲に配置され、
前記第1出口流路、前記第2出口流路、前記第3出口流路、前記第4接続流路、前記第5接続流及び前記第6接続流路は前記弁体の回転軸方向で前記第1の範囲とは異なる第2の範囲に配置され、
前記第1接続流路と前記第2接続流路と前記第3接続流路と前記第4接続流路と前記第5接続流路と前記第6接続流路とが互いに接続されており、
前記弁体が前記所定角度範囲内で所定位置にあると、前記第1接続流路と前記第1入口流路とが遮断され、かつ、前記第2接続流路と前記第2入口流路とが遮断され、かつ、前記第3接続流路と前記第3入口流路とが遮断され、
前記所定位置を基準とする前記弁体の回転方向が異なると、前記第5接続流路と前記第2出口流路との接続及び遮断パターンが異なる、冷却液分配装置。
【請求項2】
請求項1記載の冷却液分配装置において、
前記弁体を回転可能に収容するハウジングが設けられ、
前記第1入口流路、第2入口流路、第3入口流路、第1出口流路、第2出口流路及び第3出口流路は、前記ハウジングに設けられている、冷却液分配装置。
【請求項3】
請求項2記載の冷却液分配装置において、
前記弁体は円柱形状である、冷却液分配装置。
【請求項4】
請求項3記載の冷却液分配装置において、
前記第1接続流路乃至前記第6接続流路のうちの少なくとも1つは、前記弁体の外周面に設けられている、冷却液分配装置。
【請求項5】
請求項3記載の冷却液分配装置において、
前記弁体、前記弁体の回転中心である軸線に対して垂直な端面を有し、
前記第1接続流路乃至前記第6接続流路のうちの少なくとも1つは、前記端面に設けられている、冷却液分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却液を複数の経路を介してエンジンの冷却対象部に送る冷却液分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却液を複数の経路を介してエンジンの冷却対象部に送る冷却液分配装置の例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された冷却液分配装置は、ロータリバルブ装置を有する。ロータリバルブ装置は、弁体としての円筒状のロータリバルブと、ロータリバルブを収容するハウジングと、ロータリバルブを回転する電動モータと、を有する。ハウジングは、複数の接続流路としての複数の開口部を有する。ロータリバルブは、複数の入口流路としての複数の切欠孔と、複数の出口流路としての複数の切欠孔と、を有する。複数の出口流路の何れか1つは、ヒータコアに接続されている。電動モータによりロータリバルブを回転すると、複数の開口部と複数の切欠孔とが接続または遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-138454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている冷却液分配装置は、3つの入口流路と3つの出口流路とを、接続流路を介して接続または遮断する点が考慮されておらず、その点で改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、3つの入口流路と3つの出口流路とを、接続流路を介して接続または遮断することの可能な冷却液分配装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、冷却液を複数の経路を介してエンジンの冷却対象部に分配する冷却液分配装置であって、前記冷却対象部から出た冷却液を輸送し、かつ、互いに並列に配置された第1入口流路、第2入口流路及び第3入口流路と、前記第1入口流路、前記第2入口流路及び前記第3入口流路の少なくとも1つの流路から輸送される冷却液を前記冷却対象部に戻し、かつ、互いに並列に配置された第1出口流路、第2出口流路及び第3出口流路と、所定角度範囲内で回転可能に設けられた弁体と、前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第1入口流路に接続または遮断される第1接続流路と、前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第2入口流路に接続または遮断される第2接続流路と、前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第3入口流路に接続または遮断される第3接続流路と、前記弁体の回転方向の所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第1出口流路に接続または遮断される第4接続流路と、前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第2出口流路に接続または遮断される第5接続流路と、前記弁体に対して前記所定角度範囲内に設けられ、かつ、前記弁体の回転により前記第3出口流路に接続または遮断される第6接続流路と、を有し、前記第1入口流路、前記第2入口流路、前記第3入口流路、前記第1接続流路、前記第2接続流路及び前記第3接続流は前記弁体の回転軸方向で第1の範囲に配置され、前記第1出口流路、前記第2出口流路、前記第3出口流路、前記第4接続流路、前記第5接続流及び前記第6接続流路は前記弁体の回転軸方向で前記第1の範囲とは異なる第2の範囲に配置され、前記第1接続流路と前記第2接続流路と前記第3接続流路と前記第4接続流路と前記第5接続流路と前記第6接続流路とが互いに接続されており、前記弁体が前記所定角度範囲内で所定位置にあると、前記第1接続流路と前記第1入口流路とが遮断され、かつ、前記第2接続流路と前記第2入口流路とが遮断され、かつ、前記第3接続流路と前記第3入口流路とが遮断され、前記所定位置を基準とする前記弁体の回転方向が異なると、前記第5接続流路と前記第2出口流路との接続及び遮断パターンが異なる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、3つの入口流路と3つの出口流路とを、接続流路を介して接続または遮断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の冷却液分配装置を有する車両の模式図である。
図2】冷却液分配装置が有する切替バルブの具体例1を示す斜視図である。
図3図2に示す切替バルブの入口流路を含む平面断面図である。
図4図2に示す切替バルブの出口流路を含む平面断面図である。
図5図2に示す切替バルブの展開図である。
図6図2に示す切替バルブにおいて、弁体のと流路と領域との関係を示す図表である。
図7】切替バルブの具体例2の展開図である。
図8】切替バルブの具体例3の展開図である。
図9】切替バルブの具体例4の展開図である。
図10】切替バルブの具体例5の側面図である。
図11】切替バルブの具体例5の平面図である。
図12】切替バルブの具体例6の斜視図である。
図13】切替バルブの具体例7の断面図である。
図14】切替バルブの具体例7の他の断面図である。
図15】切替バルブの具体例7の模式的な平面図である。
図16】切替バルブの具体例7の模式的な底面図である。
図17】切替バルブの具体例7の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の冷却液分配装置を車両に設けた場合の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0010】
図1に示す車両10は、エンジン11、ウォータポンプ12、切替バルブ13、ラジエータ14、ヒータコア15、電動モータ16、モータ駆動回路17及びコントローラ18を有する。
【0011】
エンジン11は、車両10の駆動輪に伝達するトルクを発生する動力源であり、エンジン11は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、液化プロパンガスエンジンの何れでもよい。エンジン11は、燃焼室で燃料を燃焼させ、燃料の燃焼時の熱エネルギを、クランクシャフトの運動エネルギに変換する。エンジン11は、シリンダブロック用ウォータジャケット19、シリンダヘッド用ウォータジャケット20、排気ポート用ウォータジャケット21を有する。シリンダブロック用ウォータジャケット19は、エンジン11のシリンダブロック22に設けられ、シリンダヘッド用ウォータジャケット20は、エンジン11のシリンダヘッド23に設けられている。
【0012】
シリンダヘッド23に接続された筒部24が設けられ、筒部24は排気路を有する。排気路は燃焼室に接続されている。排気ポート用ウォータジャケット21は、筒部24に設けられている。シリンダブロック用ウォータジャケット19、シリンダヘッド用ウォータジャケット20及び排気ポート用ウォータジャケット21は、共に冷却液の通路である。
【0013】
ウォータポンプ12は、吸引ポート25及び吐出ポート26を有し、クランクシャフトから伝達される回転力で駆動されて、冷却液を吸引及び吐出する。吐出ポート26は、複数の経路である3つの冷却流路27,28,29に分岐して接続されている。冷却流路27は、シリンダブロック用ウォータジャケット19の入口30に接続されている。冷却流路28は、シリンダヘッド用ウォータジャケット20の入口31に接続されている。冷却流路29は、排気ポート用ウォータジャケット21の入口32に接続されている。
【0014】
シリンダブロック用ウォータジャケット19の出口33は、冷却流路34に接続されている。シリンダヘッド用ウォータジャケット20の出口35は、冷却流路36に接続されている。排気ポート用ウォータジャケット21の出口37は、冷却流路38に接続されている。
【0015】
電動モータ16は、電流が印加されて回転軸を回転可能であり、電動モータ16は、例えば、3相交流形モータを用いることが可能である。電動モータ16は、ステータ及びロータを有し、ステータは通電用の巻線を有する。ロータは回転軸に取り付けられている。車両10は、電源39を有する。電源39は、充電及び放電が可能な二次電池である。モータ駆動回路17は、電源39と電動モータ16とを電気的に接続及び遮断する。モータ駆動回路17は、複数のスイッチング素子を有するインバータにより構成されている。スイッチング素子は、半導体素子である。
【0016】
コントローラ18は、電源39から印加される電流により起動し、モータ駆動回路17を制御する信号を出力する。コントローラ18は、入力ポート、出力ポート、記憶部、演算処理部を有する、公知の電子制御装置である。コントローラ18からモータ駆動回路17に入力される信号のデューティ比を制御することにより、電動モータ16の巻線に印加される電圧及び電流が制御される。モータ駆動回路17のスイッチング素子のオンとオフとの比率、すなわち、デューティ比を制御することにより、単位時間当たりにおける電動モータ16の回転数及びトルクを制御することが可能である。また、コントローラ18はモータ駆動回路17を制御し、電動モータ16の巻線を流れる電流の向きを切り替えて、電動モータ16の回転軸の回転方向を切り替える。
【0017】
また、図1のように、冷却液温度センサ40の信号、外気温センサ41Aの信号、内気温センサ41Bの信号、室温設定スイッチ41Cの信号、イグニッションスイッチ42の信号、角度センサ43の信号は、コントローラ18に入力される。冷却液温度センサ40は、シリンダブロック用ウォータジャケット19、シリンダヘッド用ウォータジャケット20、排気ポート用ウォータジャケット21に供給される冷却液の温度(冷却液温度)を検出して信号を出力する。外気温センサ41Aは、車外の気温(外気温)を検出して信号を出力する。内気温センサ41Bは、車室内の温度(内気温)を検出して信号を出力する。室温設定スイッチ41Cは、車両10の乗員の操作により設定された目標となる設定温度を信号として出力する。イグニッションスイッチ42は、車両10の乗員の操作、または、車両10の状況に応じてオン・オフが切り替えられる。イグニッションスイッチ42がオンされていると、エンジン11のクランクシャフトが回転し、車両10の駆動輪にトルクを伝達することが可能である。イグニッションスイッチ42がオフされていると、エンジン11は停止する。
【0018】
角度センサ43は、電動モータ16の回転軸の回転方向における位置、回転角度を検出して信号を出力する。角度センサ43としては、例えば磁気センサを用いることが可能である。
【0019】
切替バルブ13は、冷却液が流入する第1入口流路44、第2入口流路45及び第3入口流路46を有する。また、切替バルブ13は、冷却液が流出する第1出口流路47、第2出口流路48及び第3出口流路49を有する。
【0020】
コントローラ18により駆動及び停止が制御されるブロワモータ50が設けられている。ブロワモータ50により輸送される空気の通路にヒータコア15が設けられている。ヒータコア15は、空調用の空気を暖めるための熱交換器であり、ヒータコア15は冷却液の通路を形成する。ヒータコア15の入口51は、冷却流路52を介して切替バルブ13の第2出口流路48に接続されている。ヒータコア15の出口53は、冷却流路54を介してウォータポンプ12の吸引ポート25に接続されている。
【0021】
ラジエータ14は、車両10のエンジンルームの前部に配置されている。ラジエータ14は、冷却液と空気との間で熱交換を行って冷却液の温度を低下させるものである。ラジエータ14の入口55は、冷却流路56を介して切替バルブ13の第1出口流路47に接続されている。ラジエータ14の出口57は冷却流路106を介してウォータポンプ12の吸引ポート25に接続されている。
【0022】
(具体例1)
切替バルブ13の具体例1を、図2図3及び図4を参照して説明する。切替バルブ13は、円筒形状のハウジング58と、ハウジング58内に収容された円筒形状の弁体59と、を有する。ハウジング58及び弁体59は、金属製または合成樹脂製である。ハウジング58は、エンジンルーム内のブラケット、フレーム等により回転しないように支持されている。弁体59は、電動モータ16の回転軸60に接続されている。電動モータ16の回転力が弁体59に伝達されると、弁体59は図2で軸線A1を中心とする所定角度の範囲内で、時計回り及び反時計回りで回転可能である。コントローラ18は、電動モータ16の回転方向及び回転角度を制御して、弁体59の回転方向及び回転角度を制御する。軸線A1は、ハウジング58、弁体59及び回転軸60の回転中心である。
【0023】
図3のように、ハウジング58を径方向に貫通する取り付け孔61,62,63が設けられている。取り付け孔61,62,63は、ハウジング58の円周方向で互いに異なる位置に配置され、取り付け孔61,62,63は、軸線A1方向で同じ位置に配置されている。図3は、取り付け孔61,62,63を互いに120度間隔で配置した例である。
【0024】
弁体59は、軸線A1を中心とする通路124を有する。弁体59を径方向に貫通し、かつ、外周面64から通路124にそれぞれ接続された連通穴65,66,67が設けられている。通路124は、連通穴65,66,67の全てに接続されている。連通穴65,66,67は、弁体59の回転方向で互いに異なる位置に配置されている。連通穴65,66,67の軸線A1方向における配置位置は、取り付け孔61,62,63の軸線A1方向における配置位置と同じである。連通穴65,66,67は、弁体59の回転方向で所定角度の範囲に亘ってそれぞれ配置されている。
【0025】
図5に示すように、連通穴65は、210度から280度の範囲に配置され、連通穴66は、70度から170度の範囲に亘って配置され、連通穴67は340度から60度の範囲に亘って配置されている。連通穴65と連通穴66とは40度を隔てて配置され、連通穴65と連通穴67とは60度を隔てて配置されている。連通穴66と連通穴67とは10度を隔てて配置されている。便宜上、弁体59の回転方向において、連通穴67の第1端部を60度とし、第1端部から連通穴67の第2端部に向けて60度隔てた位置を、0度と規定している。弁体59の回転方向で、0度に対応する位置を、便宜上、基準位置とする。
【0026】
連通穴65は、弁体59の210度の位置から280度の範囲に亘り、領域E9,E10,E11,E12,E6,E5,E4の順序で区画されている。連通穴66は、弁体59の70度の位置から170度の範囲に亘り、領域E7,E8,E9,E10,E11,E12,E6,E5,E4,E3の順序で区画されている。連通穴67は、弁体59の340度の位置から60度の範囲に亘り、領域E10,E11、E12,E6,E5,E4,E3,E2の順序で区画されている。
【0027】
そして、連通穴65の領域E12,E6,E5,E4、及び連通穴67の領域E10,E11により、第1接続流路68が形成されている。また、連通穴66の領域E12,E6,E5,E4,E3及び連通穴65の領域E9,E10,E11により、第2接続流路69が形成されている。さらに、連通穴67の領域E12,E6,E5,E4,E3,E2及び連通穴66の領域E7,E8,E9,E10,E11により、第3接続流路70が形成されている。
【0028】
図3のように、接続管71が取り付け孔61内に挿入され、かつ、ハウジング58に対して固定されている。また、ハウジング58と接続管71との間をシールするシール部材が設けられている。接続管71に輸送管72が接続され、輸送管72内に冷却流路34が設けられている。接続管71内にシール部材73が配置されている。シール部材73は、合成ゴム製であり、かつ、円筒形状を有している。スプリング74が接続管71内に配置され、スプリング74は、シール部材73を弁体59の外周面64に押し付けている。シール部材73内に第1入口流路44が形成され、第1入口流路44は冷却流路34につながっている。
【0029】
弁体59の軸線A1方向で、第1入口流路44の配置領域と、第1接続流路68の配置領域とは少なくとも一部が重なる。そして、弁体59が回転すると、第1入口流路44は第1接続流路68に接続または遮断される。
【0030】
接続管75が取り付け孔62内に挿入され、かつ、ハウジング58に対して固定されている。また、ハウジング58と接続管75との間をシールするシール部材が設けられている。接続管75に輸送管76が接続され、輸送管76内に冷却流路36が設けられている。接続管75内にシール部材77が配置されている。シール部材77は、合成ゴム製であり、かつ、円筒形状を有している。スプリング78が接続管75内に配置され、スプリング78は、シール部材77を弁体59の外周面64に押し付けている。シール部材77内に第2入口流路45が形成され、第2入口流路45は冷却流路36につながっている。
【0031】
弁体59の軸線A1方向で、第2入口流路45の配置領域と、第2接続流路69の配置領域とは少なくとも一部が重なる。そして、弁体59が回転すると、第2入口流路45は第2接続流路69に接続または遮断される。
【0032】
接続管278が取り付け孔63内に挿入され、かつ、ハウジング58に対して固定されている。また、ハウジング58と接続管278との間をシールするシール部材が設けられている。接続管278に輸送管79が接続され、輸送管79内に冷却流路38が設けられている。接続管278内にシール部材80が配置されている。シール部材80は、合成ゴム製であり、かつ、円筒形状を有している。スプリング81が接続管278内に配置され、スプリング81は、シール部材80を弁体59の外周面64に押し付けている。シール部材80内に第3入口流路46が形成され、第3入口流路46は冷却流路38につながっている。第1入口流路44、第2入口流路45及び第3入口流路46は、互いに並列に配置されている。
【0033】
弁体59の軸線A1方向で、第3入口流路46の配置領域と、第3接続流路70の配置領域とは少なくとも一部が重なる。そして、弁体59が回転すると、第3入口流路46は第3接続流路70に接続または遮断される。
【0034】
図4のように、ハウジング58を径方向に貫通する取り付け孔82,83,84が設けられている。取り付け孔82,83,84は、ハウジング58の円周方向で互いに異なる位置に配置され、取り付け孔82,83,84は、軸線A1方向で同じ位置に配置されている。図4は、取り付け孔82,83,84を互いに120度間隔で配置した例である。また、取り付け孔82,83,84のハウジング58の軸線A1方向における配置位置は、取り付け孔61,62,63のハウジング58の軸線A1方向における配置位置とは異なる。
【0035】
取り付け孔82のハウジング58の円周方向における配置位置は、取り付け孔61のハウジング58の円周方向における配置位置と同じである。取り付け孔83のハウジング58の円周方向における配置位置は、取り付け孔62のハウジング58の円周方向における配置位置と同じである。取り付け孔84のハウジング58の円周方向における配置位置は、取り付け孔63のハウジング58の円周方向における配置位置と同じである。
【0036】
図4に示すように、弁体59は、外周面64から通路124に接続された連通穴85,86,87,88,89を有する。つまり、通路124は、連通穴85,86,87,88,89の全てに接続されている。連通穴85,86,87,88,89は、弁体59の回転方向で互いに異なる位置に配置されている。連通穴85,86,87,88,89の軸線A1方向における配置位置は、取り付け孔82,83,84の軸線A1方向における配置位置と同じである。連通穴85,86,87,88,89は、弁体59の回転方向で所定角度の範囲に亘ってそれぞれ配置されている。
【0037】
図5に示すように、連通穴85は弁体59の外周面64における0度の位置から10度の範囲に亘って配置されている。連通穴86は弁体59の外周面64における80度の位置から140度の位置まで配置されている。連通穴87は弁体59の外周面64における230度の位置から250度の位置まで配置されている。連通穴88は弁体59の外周面64における260度の位置から300度の位置まで配置されている。連通穴89は弁体59の外周面64における310度の位置から320度の位置まで配置されている。連通穴85と連通穴86とは70度を隔てて配置され、連通穴86と連通穴87とは90度を隔てて配置され、連通穴87と連通穴88とは10度を隔てて配置され、連通穴88と連通穴89とは10度を隔てて配置されている。
【0038】
連通穴85は、単数の領域E12を形成する。連通穴86は、領域E8,E9,E10,E11,E12,E6,E5の順序で構成されている。連通穴87は、領域E11,E12にて構成されている。連通穴88は、領域E5,E4,E3,E2にて構成されている。連通穴89は、単数の領域E7にて構成されている。
【0039】
そして、連通穴86の領域E12,E6,E5、及び連通穴87の領域E11により、第4接続流路90が形成されている。また、連通穴85の領域E12及び連通穴86の領域E8,E9,E10,E11により、第5接続流路91が形成されている。さらに、連通穴87の領域E12、連通穴88の領域E5,E4,E3,E2及び連通穴89の領域E7により、第6接続流路92が形成されている。
【0040】
図4のように、接続管93が取り付け孔82内に挿入され、かつ、ハウジング58に対して固定されている。また、ハウジング58と接続管93との間をシールするシール部材が設けられている。接続管93に輸送管94が接続され、輸送管94内に冷却流路95が設けられている。冷却流路95は吸引ポート25に接続されている。接続管93内にシール部材96が配置されている。シール部材96は、合成ゴム製であり、かつ、円筒形状を有している。スプリング97が接続管93内に配置され、スプリング97は、シール部材96を弁体59の外周面64に押し付けている。シール部材96内に第3出口流路49が形成され、第3出口流路49は冷却流路95につながっている。
【0041】
弁体59の軸線A1方向で、第3出口流路49の配置領域と、第6接続流路92の配置領域とは少なくとも一部が重なる。そして、弁体59が回転すると、第3出口流路49は第6接続流路92に接続または遮断される。
【0042】
接続管98が取り付け孔83内に挿入され、かつ、ハウジング58に対して固定されている。また、ハウジング58と接続管98との間をシールするシール部材が設けられている。接続管98に輸送管99が接続され、輸送管99内に冷却流路56が設けられている。接続管98内にシール部材100が配置されている。シール部材100は、合成ゴム製であり、かつ、円筒形状を有している。スプリング101が接続管98内に配置され、スプリング101は、シール部材100を弁体59の外周面64に押し付けている。シール部材100内に第1出口流路47が形成され、第1出口流路47は冷却流路56につながっている。
【0043】
弁体59の軸線A1方向で、第1出口流路47の配置領域と、第4接続流路90の配置領域とは少なくとも一部が重なる。そして、弁体59が回転すると、第1出口流路47は第4接続流路90に接続または遮断される。
【0044】
接続管102が取り付け孔84に挿入され、かつ、ハウジング58に対して固定されている。また、ハウジング58と接続管102との間をシールするシール部材が設けられている。接続管102に輸送管103が接続され、輸送管103内に冷却流路52が設けられている。接続管102内にシール部材104が配置されている。シール部材104は、合成ゴム製であり、かつ、円筒形状を有している。スプリング105が接続管102内に配置され、スプリング105は、シール部材104を弁体59の外周面64に押し付けている。シール部材104内に第2出口流路48が形成され、第2出口流路48は冷却流路52につながっている。第1出口流路47、第2出口流路48及び第3出口流路49は、互いに並列に配置されている。第1出口流路47、第2出口流路48及び第3出口流路49は、冷却液をウォータポンプ12に戻す機能を有する。
【0045】
弁体59の軸線A1方向で、第2出口流路48の配置領域と、第5接続流路91の配置領域とは少なくとも一部が重なる。そして、弁体59が回転すると、第2出口流路48は第5接続流路91に接続または遮断される。なお、弁体59に設けた通路124は、第1接続流路68、第2接続流路69、第3接続流路70、第4接続流路90、第5接続流路91及び第6接続流路92の全てに接続されている。
【0046】
図1に示す車両10の機能を説明する。イグニッションスイッチ42がオンされてエンジン11のクランクシャフトが回転すると、クランクシャフトの回転力でウォータポンプ12が駆動する。ウォータポンプ12は吸引ポート25から冷却液を吸引し、かつ、冷却液を吐出ポート26から吐出する。吐出ポート26から吐出された冷却液の一部は、冷却流路27、シリンダブロック用ウォータジャケット19及び冷却流路34を経由して切替バルブ13の第1入口流路44に送られる。吐出ポート26から吐出された冷却液の一部は、冷却流路28、シリンダヘッド用ウォータジャケット20及び冷却流路36を経由して切替バルブ13の第2入口流路45に送られる。吐出ポート26から吐出された冷却液の一部は、冷却流路29、排気ポート用ウォータジャケット21及び冷却流路38を経由して切替バルブ13の第3入口流路46に送られる。
【0047】
コントローラ18は、入力される信号、及び記憶装置に記憶されている情報に基づいて切替バルブ13の弁体59の作動、停止及び停止位置を制御する。具体的には、モータ駆動回路17に与える信号、例えば、PWM信号のデューティ比を制御し、切替バルブ13の弁体59の位置を変更及び停止する。コントローラ18は、角度センサ43の信号を処理して、弁体59の回転方向における位置を判断可能である。
【0048】
図6は、弁体59の作動による流路同士の接続パターン及び遮断パターンの切り替え例を示す。位置P0は、図5に示すように、第2入口流路45が、弁体59の180度と190度との間に位置するように、弁体59が停止している位置を表す。位置P1~位置P7は、弁体59が位置P0から左側に10度移動した位置P1から、弁体59が位置P0から左側に60度移動する位置P7との間において、10度間隔で停止可能な位置を示す。位置Q1~位置Q5は、弁体59が位置P0から右左側に10度移動した位置Q1から、弁体59が位置P0から右側に50度移動する位置Q5との間において、10度間隔で停止可能な位置を示す。弁体59の動作角度は、便宜上、120度であるものとする。
【0049】
コントローラ18は、外気温、内気温、設定温度、冷却液温度等に基づきヒータコア53へ冷却液の供給が不要であると判断されていると、弁体59を、位置Q1乃至位置Q5の何れかに停止することが可能である。コントローラ18は、外気温、内気温、設定温度、冷却液温度等に基づきヒータコア53へ冷却液の供給が必要であると判断されていると、弁体59を、位置P1乃至位置P6の何れかに停止することが可能である。コントローラ18は、エンジン11を暖気する条件が成立している場合、弁体59を位置P0に停止することが可能である。コントローラ18は、冷却液の流通経路全体に冷却液を流す条件が成立すると、弁体59を位置P7に停止することが可能である。
【0050】
第1入口流路44、第2入口流路45、第3入口流路46の何れかと、領域E1~12の何れかとが交差する枠内に丸印が記載されている場合は、入口流路が領域に対応する位置にあることを意味する。つまり、第1入口流路44と第1接続流路68とが接続され、第2入口流路45と第2接続流路69とが接続され、第3入口流路46と第3接続流路70とが接続されることを意味する。
【0051】
第1入口流路44、第2入口流路45、第3入口流路46の何れかと、領域E1~12の何れかとが交差する枠内が空欄である場合は、入口流路が領域から外れた位置にあることを意味する。つまり、第1入口流路44と第1接続流路68とが遮断され、第2入口流路45と第2接続流路69とが遮断され、第3入口流路46と第3接続流路70とが遮断されることを意味する。
【0052】
第1出口流路47、第2出口流路48、第3出口流路49の何れかと、領域E1~12の何れかとが交差する枠内に丸印が記載されている場合は、出口流路が領域に対応する位置にあることを意味する。つまり、第1出口流路47と第4接続流路90とが接続され、第2出口流路48と第5接続流路91とが接続され、第3出口流路49と第6接続流路92とが接続されることを意味する。
【0053】
第1出口流路47、第2出口流路48、第3出口流路49の何れかと、領域E1~12の何れかとが交差する枠内が空欄である場合は、出口流路が領域から外れた位置にあることを意味する。つまり、第1出口流路47と第4接続流路90とが遮断され、第2出口流路48と第5接続流路91とが遮断され、第3出口流路49と第6接続流路92とが遮断されることを意味する。
【0054】
切替バルブ13の具体例1は、第1入口流路44、第2入口流路45、第3入口流路46、第1接続流路68、第2接続流路69及び第3接続流路70を、弁体59の軸線A1方向で同じ範囲に配置している。また、第1出口流路47、第2出口流路48、第3出口流路49、第4接続流路90、第5接続流路91及び第6接続流路92を、弁体59の軸線A1方向で同じ範囲に配置している。このため、切替バルブ13の軸線A1方向における配置スペースが拡大することを抑制できる。
【0055】
(具体例2)
図7は、切替バルブ13の具体例2を示す展開図である。弁体59の回転方向において、第1入口流路44、第2入口流路45、第3入口流路46、第1接続流路68、第2接続流路69及び第3接続流路70の位置及び構成は、切替バルブ13の具体例1と同じである。
【0056】
ハウジング58の円周方向で、第1出口流路47の位置は、第2入口流路45及び第1入口流路44に対して、60度の位置に配置されている。ハウジング58の円周方向で、第2出口流路48の位置は、第3入口流路46及び第2入口流路45に対して、60度の位置に配置されている。ハウジング58の円周方向で、第3出口流路49の位置は、第1入口流路44及び第3入口流路46に対して、60度の位置に配置されている。
【0057】
弁体59の回転方向で、連通穴89は、10度と20度との間に設けられている。弁体59の回転方向で、連通穴85は、60度と70度との間に設けられている。連通穴86は、140度から200度の範囲に配置されている。連通穴87は、290度から310度の範囲に配置されている。連通穴88は、320度から360度の範囲に配置されている。
【0058】
切替バルブ13の具体例2は、切替バルブ13の具体例1と同様に、図6に示す位置及び作動状態になる。
【0059】
(具体例3)
図8は、切替バルブ13の具体例3を示す展開図である。連通穴67は、弁体59の45度から125度の範囲に亘って配置されている。連通穴66は、弁体59の135度から135度の範囲に亘って配置されている。連通穴65は、弁体59の275度から245度の範囲に亘って配置されている。連通穴65の領域E9~E4は、第1接続流路68を形成する。連通穴66の領域E7~E12、及び連通穴66の領域E6~E3は、第2接続流路69を形成する。連通穴67の領域E10~E12、及び連通穴67の領域E6~E2は、第3接続流路70を形成する。
【0060】
連通穴88は、弁体59の回転方向で205度から245度の範囲に亘って配置されている。連通穴89は、弁体59の回転方向で255度と265度との間に設けられている。弁体59の外周面64に連通穴107,108,109が設けられている。連通穴107,108,109は、弁体59の軸線方向で、連通穴88,89と同じ位置に配置されている。
【0061】
連通穴107は、弁体59の55度から75度の範囲に亘って設けられている。連通穴107は、領域E11,E12に区画されている。連通穴108は、弁体59の145度から195度の範囲に亘って設けられている。連通穴108は、領域E8,E9,E10,E11,E12に区画されている。連通穴109は、弁体59の305度の範囲から325度の範囲に亘って設けられている。連通穴109は、領域E12,E6に区画されている。連通穴107の領域E11,E12により、第5接続流路91が形成されている。連通穴108の領域E8~E12、連通穴88の領域E5~E2により、第6接続流路92が形成されている。連通穴109の領域E12,E6、連通穴89の領域E7、連通穴88の領域E2により、第4接続流路90が形成されている。なお、図8に示す弁体59に連通穴65,66,67,107,108,109を設ける場合、図3に示す弁体59と同様に、連通穴65,66,67は全て通路124に接続される。また、連通穴107,108,109は、図4に示す弁体59と同様に、全て通路124に接続される。
【0062】
図8に示す弁体59の回転方向で、第1出口流路47及び第3出口流路49の配置位置は、図5に示す第1出口流路47及び第3出口流路49の配置位置に対して逆である。
【0063】
図8に示す切替バルブ13は、弁体59が回転すると、第1入口流路44は第1接続流路68に接続または遮断され、第2入口流路45は第2接続流路69接続または遮断され、第3入口流路46は、第3接続流路70に接続または遮断される。また、第1出口流路47は、第4接続流路90に接続または遮断され、第2出口流路48は、第5接続流路91に接続または遮断され、第3出口流路49は、第6接続流路92に接続または遮断される。
【0064】
切替バルブ13の具体例1~3は、弁体59の軸線方向における第1の領域に、第1入口流路44、第2入口流路45、第3入口流路46、連通穴66,67,68が設けられている。また、弁体59の軸線方向で第1の領域とは異なる第2領域に、第1出口流路47、第2出口流路48、第3出口流路49、連通穴85,86,87,88,89,107,108,109が設けられている。つまり、弁体59の軸線方向で2段に構成が配置されている。
【0065】
(具体例4)
図9は、切替バルブ13の具体例4を示す。弁体59の軸線方向で3段に構成が配置されている。弁体59の230度~240度の範囲に、溝110が設けられている。溝110は領域E11を有し、溝110の領域E11は、第4接続流路90を構成する。
【0066】
また、弁体59の0度から40度の範囲に亘り溝111が設けられ、弁体59の100度から130度の範囲に亘り溝112が設けられている。弁体59の140度から180度の範囲に亘り溝113が設けられ、弁体59の190度から200度の範囲に亘り溝114が設けられている。溝111,112,113,114は、弁体59の軸線方向で、同じ領域に配置されている。溝111,112,113,114は、弁体59の軸線方向における配置位置は、連通穴65,66,67の配置位置とは異なり、かつ、連通穴85,86,110の配置位置とは異なる。
【0067】
溝111は領域E12,E6,E5,E4を有する。溝112は、領域E10,E11,E12を有する。溝111の領域E12,E6,E5,E4、及び溝112の領域E10,E11は、第1接続流路68を形成する。溝113は領域E5,E4,E3,E2を有する。溝114は領域E7を有する。溝112の領域E12、溝113の領域E5,E4,E3,E2、及び溝114の領域E7は、第6接続流路92を形成する。弁体59の0度~240度の範囲における他の構成は、図5に示す切替バルブ13の具体例1と同じである。
【0068】
第1入口流路44は、弁体59の回転方向で第3入口流路46及び第2出口流路48と同じ位置に配置され、かつ、弁体59の軸線方向で第3入口流路46及び第2出口流路48とは異なる位置に配置されている。第3出口流路49は、弁体59の回転方向で第2入口流路45及び第1出口流路47と同じ位置に配置され、かつ、弁体59の軸線方向で第2入口流路45及び第1出口流路47とは異なる位置に配置されている。第1入口流路44、第3出口流路49、溝111,112,113,114は、弁体59の軸線方向で同じ位置に配置されている。
【0069】
図9に示す切替バルブ13は、弁体59が回転すると、第1入口流路44は第1接続流路68に接続または遮断される。第3出口流路49は、第6接続流路92に接続または遮断される。切替バルブ13の具体例4のように、弁体59の軸線方向で3段に要素を配置すると、切替バルブ13の外径をなるべく小さくすることが可能である。
【0070】
(具体例5)
図10及び図11は、切替バルブ13の具体例5を示す。ハウジング58は、筒部116と、筒部116に接続された円板部117と、を有する。接続管93,98,102は円板部117に取り付けられている。接続管93,98,102は、軸線A1を中心とする仮想円B1上に配置されている。
【0071】
弁体59の外周面64は筒部116の内周面に接触する。弁体59は、軸線A1に対して垂直な端面118を有し、端面118は円板部117の内面に接触する。弁体59は、図3と同様に連通穴65,66,67を有し、かつ、通路124を有する。連通穴65,66,67は、全て通路124に接続されている。連通穴65,66,67は、それぞれ図5に示す領域を有する。また、弁体59の端面118から、通路124につながる連通穴85,86,87,88,89が設けられている。弁体59の平面視で、連通穴85,86,87,88,89は、軸線A1を中心として円弧状に設けられている。これらの連通穴85,86,87,88,89は、第1出口流路47、第2出口流路48及び第3出口流路49と同一円周上に配置されている。連通穴85,86,87,88,89は、それぞれ図5に示す領域を有する。図10及び図11に示す切替バルブ13は、図2乃至図4に示す切替バルブ13と同様の効果を得ることができる。
【0072】
また、図7に示す切替バルブ13を、図10及び図11に示す切替バルブ13のように構成可能である。さらに、図9に示す切替バルブ13の上段、中段に示す構成を、図10及び図11における弁体59の外周面64及び筒部116に設け、図9に示す切替バルブ13の下段に示す構成を、図10及び図11における弁体59の外周面64及び筒部116に設けることも可能である。さらに、図10の弁体59の端面118の反対に位置する端面119に溝を設けることも可能である。
【0073】
(具体例6)
図12は、切替バルブ13の具体例6を示す。切替バルブ13は、ボール形状の弁体120と、弁体120を回転可能に支持するボール形状のハウジング121と、を有する。ハウジング121は、ボール形状の空間を有し、弁体120はハウジング121内で軸線A1を中心として回転可能である。ハウジング121に図示しない軸孔が設けられ、電動モータの回転軸は軸孔を介して弁体120に接続されている。
【0074】
軸線A1を中心とする円周上に、接続管71,75,78が設けられている。また、軸線A1を中心とする円周上に、接続管93,98,102が設けられている。弁体120の外周面において、接続管71,75,78と同一円周上に、図3の連通穴65,66,67に相当する構成が設けられている。弁体120の外周面において、接続管93,98,102と同一円周上に、図4の連通穴85,87,88,89に相当する構成が設けられている。図12に示す切替バルブ13は、電動モータにより弁体120を回転すると、図2図3図4に示す切替バルブ13と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(具体例7)
図13図17は、切替バルブ13の具体例7を示す。切替バルブ13は、ハウジング200及び弁体201を有する。弁体201は、第1可動部202及び第2可動部203を有する。ハウジング200は、筒部204、第1円板部205及び第2円板部206を有する。第1円板部205は、筒部204の第1端部に接続され、第2円板部206は、筒部204の第2端部に接続されている。第1円板部205及び第2円板部206は、筒部204の中心である軸線A1に対して垂直である。ハウジング200は軸線A1方向に移動せず、軸線A1を中心として不可能である。第1可動部202はハウジング200内で軸線A1方向に移動可能である。第1可動部202は、筒部207と、筒部207の端部に設けた隔壁208と、筒部207の内周面に接続された隔壁209と、を有する。
【0076】
筒部207内において、隔壁208と隔壁209との間に空間210が形成されている。図14のように、第1可動部202が軸線A1方向に移動して、隔壁208が第1円板部205から離れると、第1円板部205と隔壁208との間に空間211が形成される。第2入口流路45、第3入口流路46、第2出口流路48及び第3出口流路49は、第1円板部205を軸線A1方向に貫通して設けられている。第2入口流路45の内径と第3入口流路46の内径は同じである。第2出口流路48の内径及び第3出口流路49の内径は同じである。第2入口流路45の内径及び第3入口流路46の内径は、第2出口流路48の内径及び第3出口流路49の内径よりも大きい。
【0077】
図15のように、第2入口流路45及び第3入口流路46は、軸線A1を中心とする仮想円B2上に配置され、第2出口流路48及び第3出口流路49は、軸線A1を中心とする仮想円B3上に配置されている。仮想円B2の半径は、仮想円B3の半径よりも大きい。第2入口流路45と第3入口流路46とは、軸線A1を中心とする円周方向で180度間隔で配置されている。第2出口流路48と第3出口流路49とは、軸線A1を中心とする円周方向で180度間隔で配置されている。第2出口流路48及び第3出口流路49は、第2入口流路45及び第3入口流路46に対して、それぞれ90度間隔で配置されている。
【0078】
隔壁208を軸線A1方向に貫通する流路212~流路220が設けられている。流路212~流路215は、仮想円B2上でそれぞれ異なる位置に配置されている。軸線A1を中心とする径方向で、流路212~流路215のそれぞれの幅は、第2入口流路45の内径及び第3入口流路46の内径よりも小さい。流路216~流路220は、仮想円B3上でそれぞれ異なる位置に配置されている。軸線A1を中心とする径方向で、流路216~流路220のそれぞれの幅は、第2出口流路48内径及び第3出口流路49の内径よりも小さい。流路212~流路220は、全て空間210につながっている。
【0079】
2個の第1入口流路44、及び2個の第1出口流路47は、第2円板部206を軸線A1方向に貫通して設けられている。図16のように、2個の第1入口流路44は仮想円B3上に配置され、2個の第1出口流路47は仮想円B2上に配置されている。2個の第1入口流路44は、軸線A1を中心とする円周方向で180度間隔で配置されている。2個の第1出口流路47は、軸線A1を中心とする円周方向で180度間隔で配置されている。2個の第1入口流路44と、2個の第1出口流路47とは、それぞれ90度間隔で配置されている。2個の第1入口流路44の内径は同一であり、2個の第1出口流路47の内径は同一である。2個の第1出口流路47の内径は、2個の第1入口流路44の内径よりも大きい。
【0080】
第2可動部203を軸線A1方向に貫通する流路221~流路228が設けられている。流路221~流路224は、仮想円B2上でそれぞれ異なる位置に配置されている。軸線A1を中心とする径方向で、流路221~流路224のそれぞれの幅は、2個の第1出口流路47の内径よりも小さい。流路225~流路228は、仮想円B3上でそれぞれ異なる位置に配置されている。軸線A1を中心とする径方向で、流路225~流路228のそれぞれの幅は、2個の第1入口流路44の内径よりも小さい。
【0081】
第1可動部202と第2可動部203とは一体回転するように接続されている。筒部207と第2可動部203とは、例えば、スプライン結合されている。第2可動部203と隔壁209との間に空間229が形成されている。空間229に弾性部材239が配置されている。弾性部材239は金属製の圧縮スプリングであり、弾性部材239は軸線A1方向に伸縮する。弾性部材239の第1端部は第2可動部203に接触し、弾性部材239の第2端部は隔壁209に接触する。流路221~流路228は、全て空間229につながっている。第2可動部203が軸線A1方向に移動して、図14のように第2円板部206から離れると、第2可動部203と第2円板部206との間に空間230が形成される。
【0082】
第2円板部206を軸線A1方向に貫通する軸孔231が設けられ、第2可動部203を軸線A1方向に貫通する軸孔232が設けられ、隔壁209を軸線A1方向に貫通する軸孔233が設けられている。軸孔231,232,233は軸線A1を中心として配置されている。回転軸234が軸孔231,232,233内に配置されている。回転軸234と隔壁209とはスプライン結合されており、回転軸234と第1可動部202とは一体回転する。回転軸234は中空であり、回転軸234は図1の電動モータ16の要素である。回転軸234は軸線A1方向に移動しない。第1可動部202及び第2可動部203は、回転軸234に対して軸線A1方向に移動可能である。
【0083】
回転軸234は軸線A1方向の流路235を有し、回転軸234を径方向に貫通する流路236が設けられている。流路236は、軸線A1方向で隔壁208と隔壁209との間に配置されている。流路236は流路235につながっている。回転軸234において、空間210に位置する箇所に蓋237が固定されている。蓋237は環状であり、蓋237は環状であり、蓋237に環状のシール部材238が取り付けられている。シール部材238は合成ゴム製であり、シール部材238が隔壁209に接触してシール面を形成すると、シール部材238は、空間210と流路236とを遮断する。シール部材238が隔壁209から離れると、空間210は流路236を介して流路235につながる。
【0084】
図15に示す流路212のうち、円周方向で流路213から離れた箇所の端部が、図17に示す0度に相当する位置に配置されており、流路212は0度から60度の範囲に配置されている。流路212は、弁体201の円周方向で領域E12,E6,E5,E4,E3,E2に区画されている。流路213は、弁体201の円周方向で70度~120度の範囲に配置されている。流路213は、領域E7,E8,E9,E10,E11に区画されている。流路212の領域E12,E6,E5,E4,E3,E2、及び流路213の領域E7,E8,E9,E10,E11により、第3接続流路70が形成されている。
【0085】
流路214は180度から230度の範囲に配置されている。流路214は、弁体201の円周方向で領域E12,E6,E5,E4,E3に区画されている。流路215は、弁体201の円周方向で270度~300度の範囲に配置されている。流路215は、領域E9,E10,E11に区画されている。流路214の領域E12,E6,E5,E4,E3及び流路215の領域E9,E10,E11により、第2接続流路69が形成されている。
【0086】
流路216は90度から100度の範囲に配置されている。流路216は領域E12を有する。流路217は、弁体201の円周方向で170度~210度の範囲に配置されている。流路217は、領域E8,E9,E10,E11に区画されている。流路216の領域E12及び流路217の領域E8,E9,E10,E11により、第5接続流路91が形成されている。
【0087】
流路218は270度から280度の範囲に配置されている。流路218は領域E12を有する。流路219は、弁体201の円周方向で290度~330度の範囲に配置されている。流路219は、領域E5,E4,E3,E2に区画されている。流路220は、弁体201の円周方向で340度~350度の範囲に配置されている。流路220は、領域E7を有する。流路218の領域E12、流路219の領域E5,E4,E3,E2、及び流路220の領域E7により、第6接続流路92が形成されている。
【0088】
図16に示す流路221は、図17のように0度から20度の範囲に配置されている。流路221は領域E12,E6を有する。流路222は、弁体201の円周方向で110度~120度の範囲に配置されている。流路222は、領域E11を有する。流路221の領域E12,E6、及び流路222の領域E11により、1個の第1出口流路47に対して接続または遮断される第4接続流路90が形成されている。
【0089】
流路223は、弁体201の円周方向で180度~200度の範囲に配置されている。流路223は、領域E12,E6を有する。流路224は、弁体201の円周方向で290度~300度の範囲に配置されている。流路224は、領域E11を有する。流路223の領域E12,E6、及び流路224の領域E11により、他の第1出口流路47に対して接続または遮断される他の第4接続流路90が形成されている。
【0090】
流路226は、弁体201の円周方向で90度~130度の範囲に配置されている。流路226は、領域E12,E6,E5,E4を有する。流路227は、弁体201の円周方向で190度~210度の範囲に配置されている。流路227は、領域E10,E11を有する。流路226の領域E12,E6,E5,E4、及び流路227の領域E10,E11により、1個の第1入口流路44に対して接続または遮断される第1接続流路68が形成されている。
【0091】
流路228は、弁体201の円周方向で270度~310度の範囲に配置されている。流路228は、領域E12,E6,E5,E4を有する。流路225は、弁体201の円周方向で10度~30度の範囲に配置されている。流路225は、領域E10,E11を有する。流路228の領域E12,E6,E5,E4、及び流路225の領域E10,E11により、他の第1入口流路44に対して接続または遮断される第1接続流路68が形成されている。
【0092】
切替バルブ13の具体例7は、回転軸234の回転力が弁体201に伝達され、弁体201が正回転、逆回転及び停止が可能である。隔壁208は、第2入口流路45及び第3入口流路46の冷却液の圧力で、軸線A1方向の荷重F1を受ける。また、隔壁209は、弾性部材239による付勢力と、空間229の圧力に応じて、軸線A1方向の荷重F2を受ける。荷重F1は、第1可動部202を第1円板部205から離れさせる向きの荷重である。荷重F2は、第1可動部202を第1円板部205に近づける向きの荷重である。荷重F1が荷重F2よりも小さい場合は、図13のように、隔壁208が第1円板部205に押し付けられる。
【0093】
一方、第2可動部203は、第1入口流路44の圧力で、軸線A1方向の荷重F3を受ける。また、第2可動部203は、弾性部材239による付勢力と、空間229の圧力に応じて、軸線A1方向の荷重F4を受ける。荷重F3は、第2可動部203を第2円板部206から離れさせる向きの荷重である。荷重F4は、第2可動部203を第2円板部206に近づける向きの荷重である。荷重F3が荷重F4よりも小さい場合は、図13のように、第2可動部203が第2円板部206に押し付けられる。
【0094】
切替バルブ13が図13の状態である場合の作用を説明する。第2入口流路45は、第2接続流路69、つまり、流路214,215に接続または遮断される。第3入口流路46は、第3接続流路70、つまり、流路212,213に接続または遮断される。第2出口流路48は、第5接続流路91、つまり、流路216,217に接続または遮断される。第3出口流路49は、第6接続流路92、つまり、流路218,219,220に接続または遮断される。所定の第1出口流路47は、第4接続流路90、つまり、流路221,222に接続または遮断される。別の第1出口流路47は、第4接続流路90、つまり、流路223,224に接続または遮断される。所定の第1入口流路44は、第1接続流路68、つまり、流路226,227に接続または遮断される。他の第1入口流路44は、第1接続流路68、つまり、流路225,228に接続または遮断される。
【0095】
第2入口流路45が、流路214または流路215とが接続されると、冷却液が第2入口流路45から空間210に流入する。第2出口流路48が流路216または流路217に接続されると、冷却液が空間210から第2出口流路48に流出する。第3入口流路46が、流路212または流路213に接続されると、冷却液が空間210に流入する。第3出口流路49が、流路218または流路219または流路220に接続されると、冷却液は空間210から第3出口流路49に流出する。
【0096】
第1入口流路44が、流路225,226,227,228の何れかに接続されると、冷却液が空間229に流入する。第1出口流路47が、流路221,222,223,224の何れかに接続されると、冷却液が空間229から第1出口流路47に流出する。
【0097】
これに対して、第2入口流路45が、流路214,215から遮断されると、第2入口流路45の冷却液は空間210に流入しない。第3入口流路46が、流路212,213から遮断されると、第3入口流路46の冷却液は、空間210に流入しない。第2出口流路48が、流路216,217から遮断されると、空間210の冷却液は流路216,217に流出しない。第3出口流路49が流路218,219,220から遮断されると、空間210の冷却液は、第3出口流路49に流出しない。
【0098】
所定の第1出口流路47が、流路221,222から遮断されると、空間229の冷却液は、所定の第1出口流路47に流出しない。別の第1出口流路47が、流路223,224から遮断されると、空間229の冷却液は、別の第1出口流路47に流出しない。所定の第1入口流路44が、流路226,227から遮断されると、所定の第1入口流路44の冷却液は空間229に流入しない。他の第1入口流路44が流路225,228から遮断されると、他の第1入口流路44の冷却液は、空間229に流入しない。
【0099】
また、隔壁208が第1円板部205に押し付けられていると、シール部材238が隔壁209に押し付けられ、シール部材238は、空間210と流路236とを遮断する。このため、空間210の冷却液が流路236に流出しない。
【0100】
これに対して、荷重F1が荷重F2よりも大きくなると、図14のように、第1可動部202は軸線A1方向に移動して隔壁208が第1円板部205から離れる。このため、第1円板部205と隔壁208との間に空間211が形成される。すると、第2入口流路45が流路214,215に接続されているか否かに関わりなく、かつ、第3入口流路46が流路212,213に接続されているか否かに関わりなく、第2入口流路45及び第3入口流路46の冷却液は、空間210を介して第2出口流路48及び第3出口流路49に流出する。
【0101】
また、第1可動部202が第1円板部205から離れる向きで移動すると、シール部材238が隔壁209から離れる。したがって、空間210の冷却液の一部は、流路236から流路235に流出する。
【0102】
さらに、荷重F3が荷重F4よりも大きくなると、図14のように、第2可動部203は軸線A1方向に移動し、第2可動部203は第2円板部206から離れ、空間230が形成される。すると、第1入口流路44が流路225,226,227,228の何れかに接続されているか否かに関わりなく、第1入口流路44の冷却液は、空間229を介して第1出口流路47に流出する。
【0103】
実施の形態に記載された事項の技術的意味を説明する。シリンダブロック22、シリンダヘッド23及び筒部24は、冷却対象部の一例である。冷却流路27,28,29は、複数の経路の一例である。
【0104】
図5のように、第2入口流路45及び第1出口流路47が、180度と190度との間に位置するように、弁体59が停止する位置、つまり、図6に示す弁体59の位置P0が、弁体59の所定位置の一例である。また、図17のように、第2入口流路45及び第1出口流路47が、240度と250度との間に位置するように、弁体201が停止する位置が、弁体201の所定位置の一例である。
【0105】
冷却液分配装置及び切替バルブは、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。ハウジングに設ける入口流路同士の間隔、出口流路同士の間隔は、120度間隔、180度間隔以外でも任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0106】
14 ラジエータ
15 ヒータコア
22 シリンダブロック
23 シリンダヘッド
24 筒部
44 第1入口流路
45 第2入口流路
46 第3入口流路
47 第1出口流路
48 第2出口流路
49 第3出口流路
59,201 弁体
68 第1接続流路
69 第2接続流路
70 第3接続流路
90 第4接続流路
91 第5接続流路
92 第6接続流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17